JP2002029967A - 月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物 - Google Patents

月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物

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JP2002029967A
JP2002029967A JP2001067743A JP2001067743A JP2002029967A JP 2002029967 A JP2002029967 A JP 2002029967A JP 2001067743 A JP2001067743 A JP 2001067743A JP 2001067743 A JP2001067743 A JP 2001067743A JP 2002029967 A JP2002029967 A JP 2002029967A
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premenstrual syndrome
symptoms
oil
fatty acid
alleviating
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JP2001067743A
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English (en)
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Shinji Seki
慎二 関
Hiroko Hirasawa
裕子 平澤
Yoshio Sakurada
美穂 桜田
Yuuri Arai
有里 新井
Seiichi Shirasawa
聖一 白澤
Satoshi Negishi
聡 根岸
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Nisshin Oil Mills Ltd
Original Assignee
Nisshin Oil Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は月経前症候群(=Premenst
rual Syndrome;PMSと以下略す)緩和
用効果を有し、かつ、即効性に優れた月経前症候群症状
緩和用グリセリン脂肪酸エステルおよびこれを含有する
月経前症候群症状緩和剤、月経前症候群症状緩和用飲食
物、月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物等を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 グリセリン脂肪酸エステルの少なくとも
1,3位の一方がγ−リノレン酸である、即効性効果を
有する月経前症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステ
ル、及び該グリセリン脂肪酸エステルを含有する月経前
症候群症状緩和剤、月経前症候群症状緩和用飲食物、月
経前症候群症状緩和用食用油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は月経前症候群(=P
remenstrual Syndrome;PMSと
以下略す)症状緩和用に供されるグリセリン脂肪酸エス
テル、剤、飲食物、及び食用油脂組成物に関する。さら
に詳しくは、吸収性が高く、即効性に優れた月経前症候
群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステル、剤、飲食物、
及び食用油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】PMSは、1931年Frankにより
初めて報告された月経(=生理)の1週間程前(黄体
期)に発症する身体的症状群、あるいは精神的症状群を
指し示し、医学的には、「月経開始の3〜10日前から
始まる身体的、精神的症状で月経開始とともに減退ない
し消失するもの」(日本産科婦人科学会、1990によ
る)と定義されている。また、このPMSという名称
は、月経前緊張症(=Premenstrual Te
nsion)とも表現されている。更には、月経前症候
群、月経前緊張症といった医学的用語から受けるマイナ
ス・イメ−ジから女性が開放され、その症状のために医
療の食い物にならず、ポジティブに捉えてセルフケアし
て行くことを提唱して月経前体験(=Premenst
rual Experience)等と、その他様々な
表現がなされている。PMSの代表的な症状としては、
身体的症状では、下腹痛、下腹部張る、腰痛、乳房痛、
乳房張る、肩凝り、頭痛、食欲増、肌荒れ、ニキビ、下
痢、便秘等が挙げられ、精神的症状としては、イライ
ラ、憂うつ、怒りっぽい、物事が面倒になる、人に暴言
をはく、整理整頓したくなる、等が挙げられる。また、
こうしたPMSや月経中症状を有する閉経前の女性の数
は非常に多く、症状の重さの程度の違いはあるが、閉経
前の女性の過半数以上が何らかの症状を有しているもの
と推察されている。しかも、重度の患者になると日常生
活そのものにも支障をきたし、職場、家族、友人関係等
において潜在的な対人関係悪化の原因、さらには犯罪と
の関与も考えられている。また、女性の社会への進出が
益々増加する中で、女性の労働生産性とPMSとの関係
を指摘する学者もいる。こうした状況の中で、症状を緩
和、軽減し女性のQOL(=Qualityof Li
fe)を向上させることは、大きな社会的課題であると
考えられる。
【0003】このような問題を解決するため、医学、栄
養学、看護学等の立場から種々の研究がなされている。
例えば、栄養学的視点からは、プロスタグランジンの前
駆体である必須脂肪酸を含有する油脂を摂取する方法が
着目され、すなわち、前駆体であるγ−リノレン酸を含
有する油脂組成物および/またはジホモ−γ−リノレン
酸を含有する油脂組成物を摂取することによるPMSの
症状を緩和、軽減に関する学術報告がなされている。ま
た、これらは先行技術としても公開されている。しかし
ながら、これらの方法では、PMS症状の緩和・軽減に
対するプラセボ以上の十分な効果が得られない場合もあ
り、さらに、即効性、吸収性、体脂肪蓄積性、風味、品
質安定性の点で問題がある。中でも油脂の体脂肪蓄積の
不安等から常時継続的に服用することには抵抗・煩わし
さもあることから、特に即効性があることが需要者から
求められている。
【0004】また、健康食品(栄養補助食品)として一
般的に食品として利用する場合、十分な効果を得るため
には、比較的多量の脂肪酸を長期間に渡って摂取するこ
とが必要になる。このことにより、対象となる閉経前の
比較的年齢層の低い20〜40歳代の女性は、油脂の体
脂肪蓄積への懸念を抱き、また経済的負担、身体的負担
を強いられることになる。さらに、高度不飽和脂肪酸を
含有することによる油脂組成物の品質安定性に課題があ
り、そのために一般食品用途の拡大に制約が生じ、多く
の女性の摂取機会が損失しているのも現実的な問題とし
て挙げられる。さらには、この脂肪酸は特有な風味を呈
し、一般的には好まれていない。
【0005】具体的には、例えば、Casper et
al(1987)、Khoo et al(199
0)、Collins et al(1993)等の文
献では、ダブルブラインド・クロスオ−バ−試験方法
で、γ−リノレン酸をトリグリセリドとして含有する月
見草油の摂取によるPMS症状緩和に対する有効性評価
試験結果について記述している。しかし、Collin
sらの文献では、8週間の長期に渡って、一日に油脂と
して6g、γ−リノレン酸として480mgを摂取した
が、対照区(流動パラフィン)と比較して有意な効果は
得られなかったと報告している。また、特開昭54−1
17035号公報では、「PMSの症状緩和のためのγ
−リノレン酸もしくはその生理的官能性誘導体および/
またはジホモ−γ−リノレン酸もしくはその生理的官能
性誘導体の単独または医療として許容されるビヒクルと
の組合わせからなることを特徴とする医薬品組成物」が
開示されている。ここでは、γ−リノレン酸および/ま
たはジホモ−γ−リノレン酸もしくはそれらの生理的官
能性誘導体の月経異常の治療への利用が記載されている
にすぎず、月経前症候群症状緩和の即効性、吸収性、風
味、品質安定性等の問題点を指摘したものではなく、こ
れらを解決したものでもない。特開昭62−16415
号公報では、「必須脂肪酸であるリノ−ル酸の代謝生成
物であるγ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、ア
ラキドン酸、22:4n−6または22:5n−6の一
種以上およびα−リノレン酸、またはα−リノレン酸の
代謝生成物の18:4n−3、20:4n−3、20:
5n−3、22:5n−3または22:6n−3の一種
以上を、それ自体で、またはエステル、塩、アミドまた
は体内において酸に変換可能な他の誘導体の形で、単独
で、または許容しうる製薬用担体または希釈剤と共に用
いることを特徴とするPMS治療用医薬組成物」が開示
されている。しかし、これも特開昭54−117035
号公報と同様に、上述した問題点を指摘しているもので
はなく、これらの問題点を解決したものでもない。さら
に、PMS緩和に関するγ−リノレン酸含有油脂組成物
が、特開昭63−77817号公報、特開平5−201
924号公報において開示されている。特開昭63−7
7817号公報では、γ−リノレン酸とカルシウム塩と
の併用によるγ−リノレン酸の効果への影響を示唆した
ものであり、これは、油脂構造による症状緩和効果等へ
の影響について言及したものではない。また、特開平5
−201924号公報は、油脂構造の違いによる効果へ
の影響に言及したものと考えられるが、一般に天然のγ
−リノレン酸の補給原料として使用される月見草油脂、
ボラ−ジ草油脂に含まれるトリグリセライドの構成成分
である、ジ−リノレオイル−モノ−γ−リノレニル−グ
リセロ−ル(DLMG)の濃度と効果について言及した
ものにすぎない。
【0006】従って、上述したいずれの先行技術におい
ても、トリグリセリドの構成脂肪酸としてγ−リノレン
酸を含み、かつ油脂組成物中の全構成脂肪酸に占める中
鎖脂肪酸の割合が体脂肪蓄積性、吸収性に、またγ−リ
ノレン酸の1位および/または3位トリグリセライド結
合部位の割合が症状緩和の即効性、品質安定性、風味等
に影響を及ぼし、それらの点において従来のγ−リノレ
ン酸含有油脂より優れていることを言及しているもので
はない。
【0007】特開平4−501812号公報には、長鎖
脂肪酸と短鎖脂肪酸から構成されるトリグリセリドによ
り、低カロリ−油脂が提供できうることが開示されてい
る。しかし、短鎖脂肪酸からなるトリグリセリドは特有
の臭いを有していることから、利用可能な調理品が限ら
れ汎用性のある食用油として適さない。また、中鎖脂肪
酸はエネルギ−化されやすいことから体脂肪蓄積が少な
いことが知られている(J.Lipid Res.3
7、708−726(1996))。しかし、中鎖脂肪
酸から構成されるトリグリセリドは元来安全性の高いも
のであるが、一度に多量に摂取した場合下痢、吐き気、
腹痛、胸焼け、食欲不振などの症状を起こすことが報告
されている。特開平4−300826号公報、特開平8
−60180号公報および特開平10−176181号
公報には、ジグリセリドを有効成分とする体脂肪蓄積が
少ない油脂組成物が開示されている。しかし、ジグリセ
リドを豊富に含む油脂組成物を長期にわたって摂取し続
けた場合の安全性は、完全に証明されているわけではな
い。また、高濃度のジグリセリドを低コストで製造する
ことは難しく、経済的見地から汎用的に使用しにくい欠
点がある。さらに特開平8−269478号公報には、
ジグリセリドおよびトリグリセリドからなる油脂組成分
中、分子内に中鎖脂肪酸を2つ含有するトリグリセリド
を31質量%以上含む体脂肪蓄積の少ない油脂組成物が
開示されている。この発明もまたジグリセリドを有効成
分とするため、前記特開平4−300826号公報、特
開平8−60180号公報および特開平10−1761
81号公報と同様の問題を抱えている。また、特公平4
−4358号公報には、中鎖脂肪酸から成るトリグリセ
ライドと、γ−リノレン酸を含む油脂から成る油脂組成
物が記載されている。しかし、この特公平4−4358
号公報では、用途がエネルギー供給障害(例えば、人口
蘇生術や栄養失調条件)並びに脂質消化障害又は糖尿病
のような代謝疾患の状況に使用するものであると説明さ
れており、本発明の効果である月経前症候群症状緩和に
ついては何ら記載されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PM
S緩和用に供される症状緩和効果、特に優れた即効性を
有し、さらには体脂肪低蓄積性、γ−リノレン酸の高吸
収性、風味や品質安定性等に優れた月経前症候群症状緩
和用グリセリン脂肪酸エステル、月経前症候群症状緩和
剤、月経前症候群症状緩和用飲食物、月経前症候群症状
緩和用食用油脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために、鋭意検討を重ねた結果、γ−リノレン
酸を含油する油脂をエステル交換反応をさせること等に
より得られる、1,3位にγ−リノレン酸を有するグリ
セリン脂肪酸エステルが、月経前症候群症状緩和効果を
有し、更には、優れた即効性効果を有することを見出し
た。また、γ−リノレン酸を有する油脂に短鎖または中
鎖脂肪酸を含有する油脂を配合した後エステル交換する
ことにより、更に上記効果が向上することも同時に見出
した。また、構成脂肪酸として1、3位結合部位に結合
しているγ−リノレン酸の割合や、短鎖または中鎖脂肪
酸残基の割合が体脂肪蓄積性、吸収性、症状緩和に対す
る即効性、品質安定性、風味と密接に関連することを見
出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は下記一
般式(I)において、
【化2】 (式中R、R、Rは水素原子または炭素数2〜2
4の脂肪酸残基を示す。) RまたはRの少なくとも一方がγ−リノレン酸残基
である、即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グ
リセリン脂肪酸エステル、さらに好ましくは、炭素数2
〜12の脂肪酸残基を1以上有する前記において記載さ
れた即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グリセ
リン脂肪酸エステルに関する。また、前記において記載
された即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グリ
セリン脂肪酸エステルを有効成分とする月経前症候群症
状緩和剤に関し、好ましくは、更に、ビタミンB群、ビ
タミンE、ハーブ、ミネラル塩類から選ばれる1種また
は2種以上を含有月経前症候群症状緩和剤に関する。ま
た、好ましくは、ハーブがイチョウ葉、パッションフラ
ワー、レモンバーム、ジンジャーから選ばれる1種また
は2種以上を含有する月経前症候群症状緩和用剤に関
し、ハーブが、イチョウ葉、パッションフラワー、ジン
ジャーから選ばれる1種または2種以上を含有する血流
阻害原因症状を緩和することを特徴とする月経前症候群
症状緩和剤に関し、ハーブが、イチョウ葉、パッション
フラワー、ジンジャーから選ばれる1種または2種以上
を含有する陽性精神症状を緩和することを特徴とする月
経前症候群症状緩和剤に関し、ハーブが、カモミール、
レモンバームから選ばれる1種以上または2種以上を含
有する消化器系症状を緩和することを特徴とする月経前
症候群症状緩和剤に関し、ハーブが、カモミール、レモ
ンバームから選ばれる1種または2種以上を含有する陰
性精神症状症状を緩和することを特徴とする月経前症候
群症状緩和剤に関し、ハーブが、フィーバーフュー、ロ
ーズマリーから選ばれる1種または2種以上を含有する
疼痛症状を緩和することを特徴とする月経前症候群症状
緩和剤に関し、ハーブが、フィーバーフュー、ローズマ
リーから選ばれる1種または2種以上を含有する疲れ易
いという症状を緩和することを特徴とする月経前症候群
症状緩和剤に関し、ハーブが、セイヨウタンポポ、セロ
リから選ばれる1種または2種以上を含有するむくみ症
状を緩和することを特徴とする月経前症候群症状緩和剤
に関し、ハーブが、セイヨウタンポポ、セロリから選ば
れる1種または2種以上を含有する集中力低下の症状を
緩和することを特徴とする月経前症候群症状緩和剤に関
し、ハーブが、セイヨウタンポポ、セロリから選ばれる
1種または2種以上を含有する乳房痛症状を緩和するこ
とを特徴とする月経前症候群症状緩和剤に関する。ま
た、即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グリセ
リン脂肪酸エステル含有することを特徴とする月経前症
候群症状緩和用飲食物に関し、また、前記月経前症候群
症状緩和剤を含有する月経前症候群症状緩和用飲食物に
関する。好ましくは、飲食物が健康補助飲食物である場
合が好ましく、また、飲食物が油脂組成物および/また
は油脂加工品である場合が好ましい。また、前記即効性
効果を有する月経前症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸
エステルを含有する食用油脂組成物であって、1,3位
に結合したγ−リノレン酸残基量が、全構成脂肪酸残基
量に対して1質量%以上であることを特徴とする月経前
症候群症状緩和用食用油脂組成物に関し、好ましくは前
記1,3位に結合したγ−リノレン酸残基量に対して、
1:0.1〜3の割合で2位に結合したγリノレン酸残
基を含有する月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物が
好ましく、好ましくは、更にγ−リノレン酸残基の総量
が2質量%以上である月経前症候群症状緩和用食用油脂
組成物に関する。また、全構成脂肪酸残基に対し、炭素
数2〜12の脂肪酸残基量が5質量%以上である前記月
経前症候群症状緩和用食用油脂組成物が好ましい。前記
月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物としてはエステ
ル交換させてなるものが好ましく、γ−リノレン酸を5
〜95質量%含有する油脂をエステル交換させてなるも
のが好ましく、特にはγ−リノレン酸を5〜95質量
%、かつ、炭素数2〜12の脂肪酸を5〜40質量%含
有する油脂をエステル交換してなるものが好ましく、こ
こで、(A):ボラージ油、月見草、微生物醗酵油脂の
1種以上および/または(b):炭素数2〜12の脂肪
酸、炭素数2〜14の脂肪酸残基を1〜3有するグリセ
リン脂肪酸エステル、およびこれらを含有する油脂の1
種以上を原料として調整した後、エステル交換してなる
前記月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物が好まし
い。また、エステル交換の方法・条件としては、ナトリ
ウムメチラートを触媒とした場合、常圧・窒素気流下ま
たは10Pa以下の減圧下、80〜120℃で、10〜
60分間エステル交換反応させる場合が好ましく、ま
た、脂質分解酵素を用いた場合、40〜100℃で2〜
48時間エステル交換反応させることが好ましい。前記
月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物を調理に使用す
る場合には、食用油脂組成物を構成する全トリグリセリ
ドに占める、炭素数が2〜12の脂肪酸残基を分子内に
3つ含有するトリグリセリドの割合が3質量%以下であ
る場合が好ましい。また、前記月経前症候群症状緩和用
食用油脂組成物を含有する前記月経前症候群症状緩和剤
が好ましく、また、前記月経前症候群症状緩和用食用油
脂組成物を含有する前記月経前症候群症状緩和用飲食物
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】構成脂肪酸として1、3位結合部
位に結合しているγ−リノレン酸の割合や、短鎖または
中鎖脂肪酸残基の割合が体脂肪蓄積性、吸収性、症状緩
和に対する即効性、品質安定性、風味と密接に関連する
ことを見出し、本発明を完成させた。以下、本発明を詳
しく説明する。
【0011】本発明は下記一般式(I)において、
【化3】 (式中R、R、Rは水素原子または炭素数2〜2
4の脂肪酸残基を示す。) RまたはRの少なくとも一方がγ−リノレン酸残基
である、即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グ
リセリン脂肪酸エステルに関する。これまでにγ−リノ
レン酸を利用した月経前症候群症状緩和剤等は、予め継
続的な長期間の摂取により、その効果を発現させること
ができる場合が多く、これらは即効性の面において問題
があった。実際の症状が現れてから摂取したのでは、そ
の症状を効果的に緩和することができず、実際のニーズ
を満たすことができないという問題があった。本発明に
おいては、通常γ−リノレン酸がグリセリン脂肪酸エス
テルにおいて、上記化学式(I)に示すように、1およ
び/または3位にγ−リノレン酸残基を有する場合にお
いて、月経前症候群症状緩和効果を有し、かつ、、優れ
た即効性を有することを見出した。また、このグリセリ
ン脂肪酸エステルにおいて、1および/または3位にγ
−リノレン酸残基を有するものであれば、モノグリセリ
ン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリ
グリセリン脂肪酸エステルのいずれでもよい。吸収性に
関しては、ジグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリ
ン脂肪酸エステルの方が好ましい傾向がある。また、前
記グリセリン脂肪酸エステルにおいて、γ−リノレン酸
が2位の位置に結合している場合も良く、この場合、月
経前症候群症状緩和効果全体としては向上するため好ま
しい態様である。
【0012】さらに好ましくは、本発明の前記グリセリ
ン脂肪酸エステルにおいて、炭素数2〜12の脂肪酸残
基を1以上有する場合、その月経前症候群症状緩和にお
ける即効性がさらに向上するため好ましい。脂肪酸残基
とは、脂肪酸からカルボキシル基のOHを取った基であ
る。炭素数2〜12の脂肪酸残基は、炭素数2〜5の短
鎖脂肪酸と、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸からなるもの
で、特に飽和脂肪酸であることが好ましい。中鎖脂肪酸
の例としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、
ラウリン酸が挙げられる。本発明において、炭素数2〜
12の脂肪酸残基に関し、好ましくは炭素数6〜12の
脂肪酸、特に炭素数6〜12の飽和脂肪酸が好ましく、
さらには、炭素数8〜10の脂肪酸、特に炭素数8〜1
0の飽和脂肪酸が好ましく、特にカプリル酸および/ま
たはカプリン酸である場合が好ましい。
【0013】上記グリセリン脂肪酸エステルは、後述す
るが、例えば、γ−リノレン酸を配合した油脂をエステ
ル交換すること、また、2位にγ−リノレン酸が結合し
たトリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂を化学
的、酵素的にエステル交換処理をすること等により得る
ことができる。また、カラム処理等により濃縮精製する
ことで、更に、高濃度で得ることができる。
【0014】即効性の効力とは、黄体期に発現するPM
Sの症状を、黄体期前から摂取することなく、黄体期の
みの摂取で効果がすぐに現れるという効力である。ここ
で、黄体期とは一般的には月経前の高温期の約2週間の
期間を示す。
【0015】本発明の前記グリセリン脂肪酸エステル
は、下記に示す月経前症候群症状緩和剤、月経前症候群
症状緩和用飲食物、月経前症候群症状緩和用油脂組成物
等に好適に配合等することができる。油溶性に優れるた
め、油脂等に含有させて使用することが使用性等を考え
た場合好ましい。
【0016】また、本発明は、前記において記載された
即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グリセリン
脂肪酸エステルを有効成分とする月経前症候群症状緩和
剤に関する。
【0017】好ましくは、更に、ビタミンB群、ビタミ
ンE、ハーブ、ミネラル塩類から選ばれる1種または2
種以上を含有月経前症候群症状緩和剤に関する。また、
本発明のPMS緩和用油脂組成物を他のPMS症状緩和
に対し有効であると報告されている機能素材と組み合せ
て使用することも可能である。例えば、カルシウム、マ
グネシウム、亜鉛、鉄等のミネラル塩類、ビタミンB
1、2、6、12、ビタミンE等のビタミン類、西洋オ
トギリ草、ベニバナ、サフラン、レモンバ−ム等のハー
ブおよびそれらのエキス類と組合わせて錠剤、ソフトカ
プセル、等は上述の一般加工食品に添加して使用するこ
とも可能である。さらに、本発明のPMS緩和剤を適量
継続的に摂取することにより、血中脂質濃度が低下する
作用も期待できる。
【0018】ここで、前記月経前症候群症状緩和剤に配
合するハーブとして、例えば、イチョウ葉、パッション
フラワー、レモンバーム、ジンジャーから選ばれる1種
または2種以上を含有させることができる。また、月経
前症候群症状は複数の症状が存在し、これらの症状緩和
に適したハーブを含有させることができる。
【0019】例えば、血流阻害原因症状を緩和すること
を目的とする場合、イチョウ葉、パッションフラワー、
ジンジャーから選ばれる1種または2種以上を配合する
ことが好ましい。
【0020】陽性精神症状を緩和することを目的とする
場合、イチョウ葉、パッションフラワー、ジンジャーか
ら選ばれる1種または2種以上配合することが好まし
い。
【0021】消化器系症状を緩和することを目的とする
場合、カモミール、レモンバームから選ばれる1種以上
または2種以上を配合することが好ましい。
【0022】陰性精神症状症状を緩和することを目的と
する場合、カモミール、レモンバームから選ばれる1種
または2種以上を配合することが好ましい。
【0023】疼痛症状を緩和することを目的とする場
合、フィーバーフュー、ローズマリーから選ばれる1種
または2種以上を配合することが好ましい。
【0024】疲れ易いという症状を緩和することを目的
とする場合、フィーバーフュー、ローズマリーから選ば
れる1種または2種以上を配合することが好ましい。
【0025】むくみ症状を緩和することを目的とする場
合、セイヨウタンポポ、セロリから選ばれる1種または
2種以上を配合することが好ましい。
【0026】集中力低下の症状を緩和することを目的と
する場合、セイヨウタンポポ、セロリから選ばれる1種
または2種以上を配合することが好ましい。
【0027】乳房痛症状を緩和することを目的とする場
合、セイヨウタンポポ、セロリから選ばれる1種または
2種以上を配合することが好ましい。
【0028】本発明の月経前症候群症状緩和剤は、ヒト
及び動物に対し、医薬品、医薬部外品等として経口的及
び非経口的に安全に投与できる。非経口的投与として
は、例えば静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、
皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射、経皮
投与、経肺投与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経
粘膜投与等が挙げられ、その剤形としては、例えば注射
剤、坐剤(肛門座剤、尿道座剤、膣座剤など)、外用液
剤(注入剤、含漱剤、洗口剤、湿布剤、吸入剤、噴霧
剤、エアゾール剤、浣腸剤、塗布剤、清拭剤、消毒剤、
点鼻剤、点耳剤など)、貼付剤、経皮吸収テープ、皮膚
外用剤、軟膏剤(パスタ剤、リニメント剤、ローション
剤など)などが挙げられる。また、経口投与製剤として
は、例えば、内服用錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング
錠、腸溶錠、チュアブル錠など)、口腔内錠剤(バッカ
ル錠、舌下錠、トローチ錠、付着錠など)、散剤、カプ
セル剤(ゼラチンカプセル、硬カプセル剤、軟カプセル
剤など)、顆粒剤(コーティングした物、丸剤、トロー
チ剤、液剤、またはこれらの製剤学的に許容され得る徐
放化製剤など)などが挙げられる。経口投与用液剤とし
ては、例えば、内用水剤、振とう合剤、懸濁剤、乳剤、
シロップ剤、ドライシロップ剤、エリキシル剤、浸剤、
煎剤、リモナーデ剤などが挙げられる。
【0029】これらの製剤は公知の製剤学的製法に準
じ、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦
形剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に医薬組成物とし
て投与することもできる。
【0030】これらの製剤に用いる担体や賦形剤として
は、例えば乳糖、ブドウ糖、白糖、マンニトール、馬鈴
薯デンプン、トウモロコシデンプン、炭酸カルシウム、
リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、
カンゾウ末、ゲンチアナ末などが挙げられる。
【0031】これらの製剤に用いる結合剤としては、例
えばデンプン、トラガントゴム、ゼラチン、シロップ、
ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースなどが挙げられる。
【0032】これらの製剤に用いる崩壊剤としては例え
ばデンプン、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシ
ウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナト
リウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0033】これらの製剤に用いる滑沢剤としては例え
ばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物
油、マクロゴールなどが挙げられる。
【0034】これらの製剤に用いる着色剤としては医薬
品に添加することが許容されているものを、それぞれ用
いることができる。
【0035】また、注射剤を調製する場合は、必要に応
じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを
添加して、常法により各注射剤とする。
【0036】錠剤、顆粒剤を調製する場合は、必要に応
じて、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトー
ル、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニル
ピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタク
リレート、メタアクリル酸重合体などで被膜しても良い
し、2つ以上の層で被膜しても良い。さらにエチルセル
ロースやゼラチンのような物質のカプセルでも良い。
【0037】外用剤の形態としては、経皮投与用または
口腔内あるいは経鼻などの経粘膜投与用の固体、半固
体、半固体状、または液状の製剤が挙げられる。液状製
剤としては、例えば製剤学的に許容される乳剤あるいは
ローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与
用液剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる希
釈剤としては、例えばエタノール、油分、乳化剤などを
含む。半固体製剤としては、例えば油性軟膏、親水性軟
膏などの軟膏剤が挙げられる。この製剤は通常用いられ
る基剤あるいは担体として、例えば、水、ワセリン、ポ
リエチレングリコール、油分、界面活性剤などを含む。
半固体あるいは固体製剤としては、例えば硬膏(ゴム
膏、プラスターなど)、フィルム剤、テープ剤、あるい
はパップ剤などの経皮投与用または経粘膜(口腔内、経
鼻)投与用の貼付剤などが挙げられる。この製剤は通常
用いられる基剤あるいは担体として、例えば天然ゴム、
ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどの
ゴム系高分子、ゼラチン、カオリン、酸化亜鉛などの泥
状化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリ
アクリル酸ナトリウムなどの親水性高分子、アクリル樹
脂、流動パラフィンなどの粘着付与剤、水、その他の油
分、界面活性剤を含む。これらの製剤は、さらに安定化
剤、溶解補助剤、経皮吸収促進剤のような補助剤、ある
いは芳香剤、防腐剤などの添加剤などを用いても良い。
【0038】本発明のグリセリン脂肪酸エステルを有効
成分として含有するとは、その効果を奏する程度含有す
るということであり、その含量は特に制限されない。P
MS症状を有する人を対象に、γ−リノレン酸の摂取量
を変えた数回の摂取試験の結果から、1日の摂取量とし
て1,3位に結合したγ−リノレン酸の量は10mg以
上、好ましくは30mg以上、さらに好ましくは50m
g以上であること、また、γ−リノレン酸総量の目安量
は100mg以上であることが望ましいことが見出され
た。しかし、年齢、性別、体重、症状の程度、健康状態
などの条件により異なるので、上記に限定されない。ま
た、月経前症候群症状緩和剤中の本発明のグリセリン脂
肪酸エステルの含量、また、その含量の指標となる1,
3位のγ−リノレン酸の含量は、上記の摂取量となるよ
うな含量であることが好ましいが、該製剤の質量、大き
さ、態様、また、一度の摂取量およびその摂取頻度等に
より一概に規定することができないが、例えば、0.0
1質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、さらに好
ましくは1質量%以上、特に好ましくは10質量%以
上、最も好ましくは40%以上、特に最も好ましくは6
0%以上であることが好ましい。
【0039】本発明は、前記即効性効果を有する月経前
症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステル含有するこ
とを特徴とする月経前症候群症状緩和用飲食物に関す
る。該月経前症候群症状緩和用飲食物を得るためには、
直接本発明のグリセリン脂肪酸エステルを配合すること
でも、また、前記月経前症候群症状緩和剤を配合するこ
とでも得ることができる。
【0040】また本発明の飲食物には、機能の向上等を
目的として、その他の生理活性成分等を配合することが
できる。抗酸化成分、油性成分、栄養強化のための各種
ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類等が挙げられる。
【0041】抗酸化成分としては、特に制限は無いが、
例えば、トコフェロール類およびそれらの誘導体、トコ
トリエノール類およびそれらの誘導体、セサミン、エピ
セサミン、セサミノール、セサモリン、セサモール等の
リグナン類およびそれらの配糖体、β−カロチン等のカ
ロテノイド類及びその誘導体、没食子酸やエラグ酸等の
タンニン類及びそれらの誘導体、フラボン、カテキン、
ケルセチン、ロイコアントシアニジン等のフラボノイド
類、ユビキノンやビタミンK等のキノン類、オリザノー
ル等のフェルラ酸誘導体、オリーブ抽出物等が挙げられ
る。
【0042】油性成分としては、豚脂、牛脂、乳脂等の
動物性油脂、鯨油、イワシ油、ニシン油等の海産物性油
脂、大豆油、菜種油、綿実油、米油、コーン油、胡麻
油、落花生油、ヒマワリ油、紅花油、椿油、オリーブ
油、亜麻仁油、桐油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、カ
カオ脂等の植物性油脂等が挙げられるが、特に制限は無
い。その他、天然および化学反応や酵素反応により得ら
れた、MCT、MLCT、ジグリセライド、モノグリセ
ライドや、脂肪酸の構造を設計した構造油脂等が挙げら
れる。
【0043】栄養強化のための各種ビタミン類、ミネラ
ル類、アミノ酸類等については、特に制限はないが、食
品添加物公定書に定められるものが望ましい。
【0044】その他、本発明の飲食物には、通常の飲食
物に使用されている原材料を配合・使用することができ
る。特に制限は無いが、例えば、みそ、醤油、ソース、
ケチャップ、ブイヨン、焼肉のタレ、カレールー、シチ
ューの素、スープの素、だしの素等の各種調味料挙げら
れる。
【0045】飲食物としては、その形態等について特に
制限はないが、例えば、菓子類、飲料、加工食品、レト
ルト食品、各種調味料、米飯類、油脂、油脂組成物、油
脂加工品、各種レンジ食品、冷凍食品、健康補助飲食料
等が挙げられる。
【0046】本発明の飲食物について、下記に具体例を
列記するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。本発明の飲食物とは、その形態等について特に制限
はないが、例えば、おかき、煎餅、おこし、饅頭、飴等
の和菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、
カステラ、ドーナッツ、プリン、スポンジケーキ、ワッ
フル、バタークリーム、カスタードクリーム、シューク
リーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメ
ル、キャンデー、キューインガム、ゼリー、ホットケー
キ、パン、菓子パン等の各種洋菓子、ポテトチップ等の
スナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、シ
ャーベット等の氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性
飲料、果汁飲料、果肉飲料、機能性飲料、炭酸飲料等の
清涼飲料水、緑茶、紅茶、コーヒー、ココア等の嗜好品
及びこれらの飲料、発酵乳、加工乳、チーズ等の乳製
品、豆乳、豆腐等の大豆加工食品、ジャム、果実のシロ
ップ漬、フラワーペースト、ピーナツペースト、フルー
ツペースト等のペースト類、漬物類、うどんの麺、パス
タ等の穀物製品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドラ
イソーセイジ、ビーフジャーキー、ハンバーグ等の畜肉
製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちく
わ、はんぺん等の魚貝類製品、魚、貝等の干物、鰹、
鯖、鯵等の各種節、ウニ、イカ等の塩辛、スルメ、魚等
のみりん干、鮭等の燻製品、のり、小魚、貝、山菜、椎
茸、昆布等の佃煮、カレー、シチュー等のレトルト食
品、みそ、醤油、ソース、ケチャップ、ブイヨン、焼肉
のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だし
の素等の各種調味料、米飯類、油脂や油脂にレシチン、
植物ステロール、トコフェロール、β−カロチン、ビタ
ミンC等を添加した油脂組成物、マーガリン、ショート
ニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品や、
油脂を含有する各種レンジ及び冷凍食品等が挙げられ
る。特に、継続的な摂取という面からは、米飯や各種調
味料や、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネー
ズ類、ドレッシング類等の油脂加工品が好ましいといえ
る。また、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固
体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、ま
た、健康補助飲食料等として使用される場合等の錠剤、
カプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
【0047】本発明において、月経前症候群症状緩和用
飲食物が健康補助飲食物である場合が好ましい。
【0048】また、本発明のグリセリン脂肪酸エステル
が油溶性に優れていることから、飲食物が油脂組成物お
よび/または油脂加工品である場合が好ましい。ここ
で、油脂組成物は、油脂や、油脂を主体として機能等の
向上を目的として各種有効成分を添加されたり、化学的
な操作がなされることにより得られる組成物をいい、一
般の油脂と同様のものをいう。油脂加工品は上記に例示
されているマーガリン、ドレッシング類、マヨネーズ類
等の油脂を使用・加工した飲食物をいう。
【0049】また、前記即効性効果を有する月経前症候
群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステルを含有する食用
油脂組成物であって、1,3位に結合したγ−リノレン
酸残基量が、全構成脂肪酸残基量に対して1質量%以
上、好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは5質量
%以上、特に好ましくは10質量%以上、最も好ましく
は30質量%以上、さらに最も好ましくは50質量%以
上、特に最も好ましくは70質量%以上であることを特
徴とする月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物に関す
る。上記含量を満たす場合、飲食物の原料として使用し
ても、飲食料の調理に使用しても、また、前記月経前症
候群症状緩和剤として使用した場合にも好適に月経前症
候群症状緩和効果を、特に、即効性を有するため好まし
い。
【0050】また、好ましくは前記1,3位に結合した
γ−リノレン酸残基量に対して、1:0.1〜3、好ま
しくは0.1〜2、さらに好ましくは0.1〜1.5、
特に好ましくは0.5〜1.2の割合で2位に結合した
γリノレン酸残基を含有する月経前症候群症状緩和用食
用油脂組成物が好ましい。前記月経前症候群症状緩和用
油脂組成物の有する即効性に加え、持続性も向上される
ため、月経前症候群症状緩和効果全体として好ましい。
【0051】また、更にγ−リノレン酸残基の総量が1
質量%以上、好ましくは2質量%以上、好ましくは5質
量以上、さらに好ましくは10質量以上、特に好ましく
は30質量%以上、最も好ましくは50質量%、最も特
に好ましくは70質量%である月経前症候群症状緩和用
食用油脂組成物が好ましい。油脂を直接調理用として使
用する場合において1日の摂取量が10gと考えた場
合、月経前症候群症状緩和を得るためには1質量%以上
含有することが好ましく、また、直接カプセルに含有さ
せて製剤等として使用する場合において、通常の摂取量
を考えた場合、5質量%以上であることが好ましい。前
記のγ−リノレン酸含量を満たす場合は、1,3位のみ
にγ−リノレン酸が結合している場合であても、即効性
のみでなくある程度の持続性も保持することができ、ま
た、2位の位置に結合するγ−リノレン酸が多くなった
場合でも即効性を有することができるため、月経前症候
群症状緩和効果全体として、好適な効果を有する。製品
とした場合、十分な月経前症候群症状緩和効果を有し、
かつ、その特性を調整・設計することができるため好ま
しい。
【0052】また、全構成脂肪酸残基に対し、炭素数2
〜12の脂肪酸残基量が5質量%以上、好ましくは5〜
30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である
前記月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物が好まし
い。この場合、γ−リノレン酸の吸収性が向上し、その
月経前症候群症状緩和効果の即効性が向上するため好ま
しい。ここで、10モル%未満であると即効性が低下
し、中鎖脂肪酸60モル%以上であるとγ−リノレン酸
による症状緩和効果が著しく低くなる。さらに、油脂組
成物を構成する全長鎖脂肪酸に占める、長鎖飽和脂肪酸
の割合が20質量%以下であることが好ましく、15質
量%以下であることがさらに好ましく、7質量%以下で
あることがさらに一層好ましい。この割合が20質量%
を越えると低温での安定性が低下し、油脂組成物に油脂
の結晶化がみられるようになるので、生食用には通常適
さなくなる。炭素数2〜12の脂肪酸は、本発明のグリ
セリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸となっているものが
多い程好ましい。また、残余の炭素数2〜12の脂肪酸
は1のグリセリンに3つ結合している場合が最も吸収性
が良いが、2つまたは1つ結合している場合も吸収性は
良好である。炭素数2〜12の脂肪酸に関しては、前述
の通りであり、好ましくは炭素数6〜12の脂肪酸、特
に炭素数6〜12の飽和脂肪酸が好ましく、さらには、
炭素数8〜10の脂肪酸、特に炭素数8〜10の飽和脂
肪酸が好ましく、特にカプリル酸および/またはカプリ
ン酸である場合が好ましい。特に、飲食や経口摂取を目
的とする場合において、短鎖脂肪酸は風味の面から好ま
しくないため、比較的炭素数が大きい方が好ましい傾向
はある。ここで、脂肪酸に関し、前述の短鎖、中鎖脂肪
酸以外の長鎖脂肪酸残基とは炭素数が14以上、好まし
くは14〜24の飽和および不飽和脂肪酸からなるもの
をいう。炭素数が14以上の長鎖脂肪酸の例としては、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸等の長鎖
飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パル
ミトレイン酸、ヘキサデカトリエン酸、ヘプタデセン
酸、オレイン酸、リノ−ル酸、リノレン酸、γ−リノレ
ン酸、オクタデカテトラエン酸、イコセン酸、イコサジ
エン酸、イコサトリエン酸、イコサテトラエン酸、アラ
キドン酸、イコサペンタエン酸、ドコセン酸、ドコサジ
エン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の
長鎖不飽和脂肪酸が挙げられる
【0053】前記月経前症候群症状緩和用食用油脂組成
物としてはエステル交換させてなるものが好ましく、γ
−リノレン酸を5〜95質量%、好ましくは10〜95
質量%、更に好ましくは15〜95質量%含有する油脂
をエステル交換させてなるものが好ましく、特にはγ−
リノレン酸を上記含量含み、かつ、炭素数2〜12の脂
肪酸を5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%、
さらに好ましくは15〜25質量%含有する油脂をエス
テル交換してなるものが好ましい。上記含量に調整する
場合、脂肪酸単独、グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸
残基として存在するもの双方を含む。原料としては、各
種の動物性油脂、植物性油脂、やジグリ、モノグリ、M
CT等の精製油脂、加工油脂やγ−リノレン酸、炭素数
2〜12の脂肪酸等の脂肪酸単独を用いることができ、
特に制限されない。
【0054】特に、γ−リノレン酸を比較的多く含有す
る通常の食用油、例えば、月見草(=Evening
Primrose、待宵草属植物)油、ボラ−ジ(=B
orago officinalis、紫草科植物)
油、等の植物由来の油脂、更には、Mortierel
la属糸状菌、Cunninghamella属、Ch
oanephora属等に由来する微生物発酵油脂、品
質改良によって低不飽和化されたこれらの油脂およびこ
れらの水素添加油脂、分別油脂等が挙げられる。
【0055】また、(A):ボラージ油、月見草、微生
物発酵油脂の1種以上および/または(b):炭素数2
〜12の脂肪酸、炭素数2〜14の脂肪酸残基を1〜3
有するグリセリン脂肪酸エステル、およびこれらを含有
する油脂の1種以上を原料として調整した後、エステル
交換することができる。
【0056】エステル交換の方法・条件としては、触媒
を使用した化学的な方法、酵素を使用した生物的な方法
のいずれでも可能である。脂質分解酵素としては、アル
カリゲネス属、キャンディダ属、リゾプス属、ムコ−ル
属またはシュ−ドモナス属由来のリパ−ゼや、肝臓由来
のホスホリパ−ゼA等が挙げられるが、特にキャンディ
ダ属またはリゾプス属由来のリパ−ゼが好ましい。
【0057】例えば、ナトリウムメチラートを触媒とし
た場合、常圧・窒素気流下または10Pa以下の減圧
下、80〜120℃で、10〜60分間エステル交換反
応させる場合が好ましい。具体的には、ナトリウムメチ
ラ−トを触媒とするエステル交換反応を行う場合、原料
の混合物を100Pa以下の減圧下で80〜120℃に
加熱し、原料混合物に含まれる気体成分及び水分を除去
する。これにナトリウムメチラ−ト0.02〜0.5質
量%を添加し、常圧・窒素気流下あるいは10Pa以下
の減圧下で10〜60分間、80〜120℃で攪拌する
ことでエステル交換反応を行う。反応の完了はガスクロ
マトグラフィ−により反応生成物のトリグリセリド組成
を測定することにより確認する。反応の停止は反応生成
物に水を添加するかリン酸などの酸を添加して行う。そ
の後、触媒および過剰の酸を除去するために十分な水洗
を行い、乾燥後、反応油を常法にて脱色、脱臭する。
【0058】また、脂質分解酵素を用いた場合、40〜
100℃で2〜48時間エステル交換反応させることが
好ましい。この酵素は条件によって適宜その種類を選択
することができる。例えば、γ−リノレン酸が単独で油
脂中に存在している原料をエステル交換処理する場合に
は、1,3位特異性の酵素を使用することができ、ま
た、天然に存在する油脂に多く存在する2位にγ−リノ
レン酸残基を有するものを原料とする場合、ランダムに
エステル交換する酵素が好ましい。具体的には、脂質分
解酵素を用いてエステル交換反応を行う場合、脂質分解
酵素の活性が十分に発揮される反応温度である40〜1
00℃の範囲に調温する。これに脂質分解酵素を原料混
合物に対して0.005〜10質量%の割合で添加し、
2〜48時間の範囲でエステル交換反応を行う。この反
応は常圧下で窒素気流中で行うことが望ましい。反応の
完了はガスクロマトグラフィ−により反応生成物のトリ
グリセリド組成を測定することにより確認する。反応の
停止は酵素を濾過により除去することで行う。反応生成
物は水洗、乾燥の後、常法にて脱色、脱臭する。なお、
中鎖脂肪酸を使用した場合は、反応の停止後に遊離脂肪
酸を薄膜式エバポレ−タ−によって除去しておく。脂質
分解酵素を用いたエステル交換反応が不十分であると、
中鎖脂肪酸残基を分子内に3つ有するトリグリセリドの
割合が多くなる。中鎖脂肪酸残基を分子内に3つ有する
トリグリセリドの割合が多い油脂組成物は、体脂肪蓄積
が少ないという特長はあるものの、調理加工適性が好ま
しくない。
【0059】炭素数2〜12の脂肪酸に含まれる中鎖脂
肪酸についてはすでに記述したが、中鎖脂肪酸に代えて
またはこれと共に中鎖脂肪酸トリグリセリドを用いるこ
ともできる。中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、前記
中鎖脂肪酸とグリセリンとを常法によりエステル化反応
に付して得られるトリグリセリドを用いることもできる
が、一般にMCT(Medium Chain Tri
glycerides)と称される、ヤシ油分解脂肪酸
等の炭素数が8〜10の飽和脂肪酸から構成される単酸
基または混酸基トリグリセリドである。例えばカプリル
酸/カプリン酸=60〜75/25〜40(質量比)の
トリグリセリドが好適に使用できる。
【0060】トリグリセリドを構成する全脂肪酸に占め
るγ−リノレン酸、中鎖脂肪酸の割合、およびγ−リノ
レン酸の1、3位トリグリセリド結合量の割合、油脂組
成物を構成する全トリグリセリドに占める中鎖脂肪酸残
基を分子内に3つ有するトリグリセリドの割合、およ
び、必要な場合の油脂組成物を構成する全長鎖脂肪酸に
占める長鎖飽和脂肪酸の割合は、原料油脂組成を勘案
し、原料油脂と中鎖脂肪酸との使用比率を調整し、エス
テル交換反応中の反応生成物のトリグリセリド組成を測
定することによって調整できる。
【0061】本発明の油脂組成物は、また、遺伝子組換
の技術を用いて本発明の油脂組成物を生産するように品
種改良した植物、例えば月見草、ボラ−ジ、大豆、菜
種、コ−ン、ヤシ、パ−ム、オリ−ブ、亜麻仁、ごま、
米、ひまわり、紅花、つばき、綿実、クヘア等から抽出
によって得ることも可能である。
【0062】上記のようにして得られる本発明の油脂組
成物に、食用油脂を添加しても良い。食用油脂として
は、月見草、ボラ−ジ、大豆、菜種、コ−ン、ヤシ、パ
−ム、オリ−ブ、亜麻仁、ごま、米、ひまわり、紅花、
つばき、綿実、クヘア等の植物性油脂やそれらの水素添
加した油脂、EPAやDHAを含有する魚油やラード、
牛脂等の動物性油脂やそれらの水素添加した油脂等が挙
げられる。
【0063】本発明品の食用油脂組成物は、そのままで
もしくは調理用油脂組成物に通常用いられる添加剤を配
合して、調理用また、上記のようにして得られる本発明
の油脂組成物は、そのままでもしくは調理用油脂組成物
に通常用いられる添加剤を配合して、調理用油脂組成物
として使用することも出来る。かかる添加剤としては、
保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温
化での結晶抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リ
グナン、コエンザイムQ、リン脂質、オリザノ−ル、ジ
グリセリド等、成人病予防作用、生活習慣病予防作用、
生体内酸化抑制作用、肥満症予防作用を期待したビタミ
ンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエ
ンザイムQ、リン脂質、オリザノ−ル等が挙げられる。
【0064】ここで、前記月経前症候群症状緩和用食用
油脂組成物を加熱調理をしない用途、例えばゼラチンカ
プセルに充填した製剤やアイスクリーム等の原料として
用いる場合には食用油脂組成物を構成する全トリグリセ
リドに占める、炭素数が2〜12の脂肪酸残基を分子内
に3つ含有するトリグリセリドの割合が10質量%以上
であっても何ら問題はない。ただ、本発明の油脂組成物
を加熱調理を目的として用いる場合には、10質量%以
下であることが好ましく、3質量%以下であることがさ
らに好ましく、1質量%以下であることがさらに一層好
ましい。この割合が10質量%を越えると、加熱調理時
に発煙、泡立ちが増加し、油脂としての利用が制限され
る。該割合が1質量%以下であると、発煙、泡立ちに格
段の改善が見られる。
【0065】本発明のPMS緩和作用があり、体脂肪蓄
積が少ない油脂組成物は、γ−リノレン酸高含有油脂と
炭素数2〜12の脂肪酸を含有する油脂等とを適宜配合
した後、ナトリウムメチラ−トを触媒としてまたは脂質
分解酵素の存在下にエステル交換反応を行い、この際
に、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める炭素数2〜
12の脂肪酸の割合が前記特定範囲内に入るように配合
割合およびエステル交換反応を調整することにより得る
ことができる。上記エステル交換反応に際し、上記調整
を加え、油脂組成物を構成する全トリグリセリドに占め
る、中鎖脂肪酸残基を分子内に3つ有するトリグリセリ
ドの割合、および/または油脂組成物を構成する全長鎖
脂肪酸に占める長鎖飽和脂肪酸の割合が前記特定範囲内
に入るように調整することにより、PMS緩和作用があ
り、体脂肪蓄積が少なく、かつ、安定性の優れるより好
ましい油脂組成物を得ることができる。
【0066】本発明の前記月経前症候群症状緩和用食用
油脂組成物は、前記月経前症候群症状緩和剤や、前記月
経前症候群症状緩和用飲食物に好適に配合することもで
きる。このようにして得られる月経前症候群症状緩和用
食用油脂組成物は、一般に広く栄養補助食品で利用され
るソフトカプセルやハードカプセルに充填・加工して摂
取することが可能であることはいうまでもない。この
際、必要に応じてショ糖脂肪酸エステルやミツロウ等の
乳化剤及び粘度調製剤を使用することもある。さらに、
品質安定性、風味に優れていることから不飽和脂肪酸を
多く含みながら、粉末状態の油脂、液状乳化状態の油脂
に加工して直接摂取、あるいはこれらの粉末油脂、乳化
油脂をさらに一般食品に利用加工して間接的に摂取する
ことも可能である。一般食品への加工事例としては、ク
ッキ−、ビスケット、ケ−キ、チョコレ−ト、グミ等の
菓子類、あるいは果汁飲料、栄養ドリンク、スポ−ツド
リンク等の飲料類、あるいはドレッシング、マヨネ−
ズ、マ−ガリン等の調味加工食品等、油脂を使用した加
工食品へ一般的に利用が可能である。さらに、本発明の
PMS緩和用油脂組成物は、菜種油、コ−ン油、紅花
油、大豆油といった一般に市販されている通常の食用油
と同等あるいはそれ以上の風味を持ち、炒め物、揚げ
物、マリネなどの調理に直接使用することも出来る。ま
た、フライ調理時における油のハネ度合いは、通常の食
用油と同等あるいはそれ以下である。
【0067】月経前症候群症状緩和効果の評価を適切に
行い、これに対応することができる月経前症候群症状緩
和剤、月経前症候群症状緩和用飲食物、月経前症候群症
状緩和用食用油脂組成物等を提供することが重要であ
る。
【0068】例えば、同時に発症し易い症状ごとに2群
以上に分類して、各群ごとにPMS症状緩和に対し有効
であるハーブ類を組み合わせることも可能である。ここ
で、「2群以上に分類して」とは、特に、同一人に発症
しやすい傾向にある症状により諸症状をグループ分け
し、又は年代によって発症しやすい症状ごとに諸症状を
グループ分けし、2群以上に分類して、ということを意
味する。PMSの症状が人のタイプ(体質、環境、年代
等の要因)によって2群以上に分類でき、好ましくは2
〜10群、より好ましくは2〜6群、さらに好ましくは
3〜5群に分類できることを見いだしたものである。例
えば、PMSの症状の中で、同時に発症し易い症状を分
類すると、以下のa〜eの5群のような分類に分けられ
る。 a群:血流阻害に関わる症状…肩こり、冷え症、 陽性精神症状…怒りっぽい、攻撃的になる(気分が高揚
する、気分を抑制できない、他人と口論する、家族や友
人への暴言も含む)、イライラ、物事が面倒になる(女
性であることが嫌になる、月経が嫌になる、人付き合い
が悪くなるも含む)、涙もろい、不安が高まる、弱気に
なる、1人でいたい(家に引きこもる、誰も理解したり
支えてくれないと思うも含む)乳房張 b群:陰性精神症状…憂うつ、整理整頓したくなる 腰痛、下腹部張、食欲増、便秘、肌荒れ、眠くなる、 c群:疼痛…下腹痛、頭痛、下痢、にきびが出来易い、
疲れ易い、おりものが増える、無気力(自分をつまらな
い人間だと思う、自分の健康管理が出来ないも含む) d群:むくみ、集中力低下(能率が低下する、いつもの
ように仕事が出来ないも含む) e群:乳房痛 なお、同じ群に分類されたものすべてが同時に発症され
ることもあるが、そのうちの1又は2以上が同時に発症
するという場合もある。また、その他の症状が加わるこ
ともある。また、各症状は代表的な表現で症状を表した
ものであり、ほぼ同義の症状を別の表現で表したもの、
例えば、上記の「攻撃的になる」に対し、気分が高揚す
る、気分を抑制できない、他人と口論する、家族や友人
への暴言等も同じ群に分類される。
【0069】以上のa〜e群に関して、以下のような組
み合わせで、又はa〜dの各症状をさらに群分けするこ
とで、2群以上、好ましくは2〜10群、より好ましく
は2〜6群、さらに好ましくは3〜5群に分類すること
ができる。例えば、a、b、c、d、eで5群に分類、
a+b、c、d、eやa+c、b、d、eやa+d、
b、c、eやa+e、b、c、dやa、b+c、d、e
やa、b+d、c、eやa、b+e、c、dやa、b、
c+d、eやa、b、c+e、dやa、b、c、d+e
等の4群に分類、a+b+c、d、eやa+b+d、
c、eやa+b+e、c、dやa+c+d、b、eやa
+c+e、b、dやa+d+e、b、cやa、b+c+
d、eやa、b+c+e、dやa、b+d+e、cや、
a、b、c+d+e等の3群、a+d+e、b+cやa
+d、b+c+e等の2群に分類することが出来る。ま
た、各群に属する症状を細かく分けて、例えば、a群に
属する症状をa1群:肩こり、怒りっぽい、冷え性、イ
ライラ、物事が面倒になる(女性であることが嫌にな
る、月経が嫌になる、人付き合いが悪くなるも含む)、
a2群:乳房張、涙もろい、不安が高まる、a3群:攻
撃的になる(気分が高揚する、気分を抑制できない、他
人と口論する、家族や友人への暴言も含む)、弱気にな
る、1人でいたい(家に引きこもる、誰も理解したり支
えくれないと思うも含む)の3群に分け、b群をb1
群:腰痛、食欲増、肌荒れ、眠くなる、b2群:下腹部
張、便秘、憂うつ、整理整頓したくなるの2群に分け、
c群をc1群:下腹痛、おりものが増える、にきびが出
来易い、頭痛、c2群:下痢、疲れ易い、無気力(自分
をつまらない人間だと思う、自分の健康管理が出来ない
も含む)の2群に分けて、「a1+a2、a3、b1、
b2、c1、c2」や「a1+a3、a2、b1、b
2、c1、c2」や「a2+a3、a1、b1、b2、
c1、c2」や「a1、a2、a3、b1+b2、c
1、c2」や「a1、a2、a3、b1、b2、c1+
c2」等の6群に分類することもできる。
【0070】また、「a、b+c+d+e」や「b、a
+c+d+e」や「c、a+b+d+e」や「d、a+
b+c+e」や「e、a+b+c+d」や「a+b、c
+d+e」や「a+c、b+d+e」や「a+d、b+
c+e」や「a+e、b+c+d」や「b+c、a+d
+e」や「b+d、a+c+e」や「b+e、a+c+
d」や「c+d、a+b+e」や「c+e、a+b+
d」や「d+e、a+b+c」等の2群に分類すること
もできる。
【0071】これらの中でも特に好ましい分類として
は、a、b、c、d、eで5群に分類する他、a、b、
c、d+eの4群、a+b+e、c、dの3群等があ
る。
【0072】ここで、代表的な症状29種について樹形
図に表すと表1のようになる。表1において、近い位置
関係にある症状ほど同時に発症し易いことを表す。例え
ば、無気力と疲れやすい等は特に同時に発症しやすく、
次に下痢、次に頭痛、にきびができやすい等が同時に発
症し易い症状といえ、同じグループに群分けされやす
い。また、結ぶ線が短いほど同時に発症し易いことを表
す。例えば、「おりものが増える」と「下腹痛」よりも
「怒りやすい」と「肩こり」の方がより同時に発症し易
い。
【0073】
【表1】
【0074】上述したもの、また、それ以外も含め、例
えば、PMS対応品として、製剤、食品や飲料等を考え
た場合、その有効成分としては、以下のようなものがあ
る。
【0075】「月見草油、ボラージ草油、セイヨウトチ
ノキ種子、ショウガ、イチョウ葉、セントジョーンズワ
ート、バレリアン、緑茶、ツボクサ、エゾウコギ、ロー
ズマリー、スカルキャップ、ホップ、パッションフラワ
ー、ラズベリー、コンフリー、ニンンク、サイリウム、
センナ、オリーブ、クワ、カスカラサグラダ、カモミー
ル、ブドウ種子、甘草、ルイボス、マツ、レモンバー
ム、エキナセア、ニンジン、杜仲、アロエ、ペパーミン
ト、カバ、コンフリー、ジンジャー、フィーバーフュ
ー、ブラックコホシュ、ザクロ、ローズマリー、キャッ
トニップ、アニシード、チリペッパー、ハトムギ、シソ
の実、シソの葉、ペパーミント、ドクダミ、ヨモギ、ト
ウガラシ、セイヨウタンポポ、パセリ、セロリ、アーテ
ィチョーク、エルダー、オウギ、オオアザミ、オオバ
コ、カバ、ギムネマ、キャッツクロー、クランベリー、
グレープシード、ゴールデンシール、ゴボウ、サイヨウ
サンザシ、チャイニーズアンジェリカ、ネトル、バナ
バ、パンプキンシード、ビルベリー、マオウ、ヨヒンベ
等のハーブや、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B
6、B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の
ビタミン類、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛等の
ミネラル」これらを各群に適したものとするよう1種類
又は2種類以上組み合わせて各群対応品を製造できる。
【0076】例えば、前述のa、b、c、d+eの4群
に対応させて、以下のような組合せ又は配合とすること
ができる。
【0077】a群:月見草油、ボラージ草油、セイヨウ
トチノキ種子、ショウガ、イチョウ葉、セントジョーン
ズワート、バレリアン、緑茶、ツボクサ、エゾウコギ、
ローズマリー、スカルキャップ、ホップ、パッションフ
ラワー、ラズベリー、コンフリー、ニンンク、ビタミン
A、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンC、
ビタミンD、ビタミンE等の成分を1種類又は2種類以
上含む。
【0078】b群:月見草油、ボラージ草油、サイリウ
ム、センナ、オリーブ、クワ、カスカラサグラダ、カモ
ミール、ブドウ種子、甘草、ルイボス、ニンニク、マ
ツ、レモンバーム、エキナセア、ニンジン、杜仲、アロ
エ、ペパーミント、カバ、コンフリー、ジンジャー、ビ
タミンA、ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミ
ンC、ビタミンD、ビタミンE等の成分を1種類又は2
種類以上含む。
【0079】c群:月見草油、ボラージ草油、フィーバ
ーフュー、ブラックコホシュ、ザクロ、ローズマリー、
キャットニップ、アニシード、チリペッパー、ハトム
ギ、シソの実、シソの葉、ペパーミント、ドクダミ、ヨ
モギ、ラズベリー、コンフリー、ビタミンA、ビタミン
B1、B2、B6、B12、ビタミンC、ビタミンD、
ビタミンE等の成分を1種類又は2種類以上含む。
【0080】d+e群:月見草油、ボラージ草油、ニン
ジン、トウガラシ、セイヨウタンポポ、パセリ、セロ
リ、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B6、B12、
ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の成分を1種類
又は2種類以上含む。
【0081】さらに、PMSの発症し易い症状を年代別
に2〜8群に分類して、各群対応品を各分類に分けて販
売することを特徴とし、好ましくは2〜5群、さらに好
ましくは2〜3群に分類することを特徴とする。
【0082】ここで、「年代別に分類」とは、特徴的な
症状が現れる年代によって分類することを意味する。
【0083】例えば、諸症状を年代別に2群に分類する
場合、以下のような20歳代と30歳代に分けられる。
【0084】20歳代及び30歳代ともに基本的症状と
して、下腹痛、イライラ、おりものが増える、眠気のう
ちの0又は1以上の症状を含み、さらに年代により以下
の特徴的な症状を含む。
【0085】特徴的な症状:20歳代−乳房張、ニキ
ビ、腰痛、食欲増のうちの1又は2以上の症状、30歳
代−頭痛、肩こりのうちの1又は2の症状また、諸症状
について同義表現が含まれるのは前述同様である。
【0086】ここで、20歳代とは20〜29歳を意味
することはもちろんのこと、個人差により、20〜29
歳±5歳をも含められる。同様に30歳代も30〜39
歳はもちろんのこと、30〜39歳±5歳をも含められ
る。
【0087】ここで、食品や飲料等を考えた場合、各群
に適した成分は、例えば、以下のようなものがある。
【0088】20歳代−月見草油、ボラージ草油、パッ
ションフラワー、ラズベリー、セイヨウタンポポ、オリ
ーブ、クワ、カスカラサグラダ、カモミール、ブドウ種
子、甘草、ニンニク、レモンバーム、エキナセア、ニン
ジン、杜仲、アロエ、ペパーミント、カバ、コンフリ
ー、ジンジャー、シソの実、シソの葉、ヨモギ、ハトム
ギ、ドクダミ、ローズマリー、ビタミンA、ビタミンB
1、B2、B6、B12、ビタミンC、ビタミンD、ビ
タミンE等の成分を1種類又は2種類以上含む。
【0089】30歳代−月見草油、ボラージ草油、セイ
ヨウトチノキ種子、ショウガ、イチョウ葉、セントジョ
ーンズワート、バレリアン、緑茶、エゾウコギ、ローズ
マリー、スカルキャップ、ホップ、パッションフラワ
ー、ラズベリー、ニンンク、カモミール、レモンバー
ム、フィーバーフュー、ブラックコホシュ、ザクロ、ロ
ーズマリー、キャットニップ、アニシード、チリペッパ
ー、セロリ、シソの実、シソの葉、ペパーミント、ドク
ダミ、ヨモギ、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B
6、B12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等の
成分を1種類又は2種類以上含む。さらに、本発明の油
脂組成物はPMSのみならず、月経中の症状にも効果が
期待できるものである。
【0090】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はそれらによって限定されるもので
はない。 実施例1 ボラ−ジ草油(日本合成化学工業株式会社製)に、リパ
−ゼQL(名糖産業株式会社製)0.1部を添加し、攪
拌下60℃にて15時間、エステル交換反応を行った。
反応後酵素を濾別し、濾液中の遊離脂肪酸を薄膜式エバ
ポレ−タ−にて除去後、脱色、脱臭して油脂組成物1を
得た。油脂組成物3のトリグリセリド組成および脂肪酸
組成を表1に示す。
【0091】実施例2 月見草油(EPO−30、タマ生化学株式会社製)80
質量部と構成脂肪酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸
=3/1であるMCT20質量部とを混合後、減圧下1
20℃で攪拌し、脱気および脱水処理を行った。これに
触媒としてナトリウムメチラ−ト0.1質量部を加え、
120℃で30分間、ランダムエステル交換反応を行っ
た。反応生成物を常法に従って水洗、乾燥後、脱色、脱
臭して油脂組成物2を得た。油脂組成物2のトリグリセ
リド組成および脂肪酸組成を表1に示す
【0092】実施例3 月見草油(EPO−30;タマ生化学工業株式会社製)
77質量部と質量比でカプリル酸/カプリン酸=1/1
の中鎖脂肪酸混合物23質量部とを混合後、混合物にリ
パ−ゼQL(名糖産業株式会社製)0.1部を添加し、
攪拌下60℃にて15時間、エステル交換反応を行っ
た。反応後酵素を濾別し、濾液中の遊離脂肪酸を薄膜式
エバポレ−タ−にて除去後、脱色、脱臭して油脂組成物
3を得た。油脂組成物3のトリグリセリド組成および脂
肪酸組成を表1に示す。
【0093】実施例4 ボラ−ジ草油(日本合成化学工業株式会社製)80質量
部と構成脂肪酸が質量比でカプリル酸/カプリン酸=3
/1であるMCT20質量部との混合物にリポザイム
(NOVO株式会社製)0.1質量部を添加し、攪拌下
60℃で15時間、エステル交換反応を行った。反応生
成物から酵素を濾別し、濾液を水洗、乾燥後、脱色、脱
臭して油脂組成物4を得た。油脂組成物4のトリグリセ
リド組成および脂肪酸組成を表1に示す。
【0094】比較例1 綿実油(日清製油株式会社製)80質量%、大豆油(日
清製油株式会社製)15質量%、オリーブ油(日清製油
株式会社社製)5質量%を混合し、油脂組成物5を得
た。油脂組成物7のトリグリセリド組成および脂肪酸組
成を表2に示す。
【0095】比較例2 油脂組成物6として、ボラージ油(日本合成化学工業株
式会社製)のトリグリセリド組成および脂肪酸組成を表
2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】実施例5 4週齢のウィスタ−系雄ラットに、油脂組成物1〜6を
それぞれ25質量%添加した飼料を8週間自由摂取させ
た。飼料の組成を表3に示す。必須脂肪酸不足を防ぐた
めに、すべての飼料に対して大豆油を3質量%添加し
た。ビタミンおよびミネラルは、アメリカ栄養学会が推
奨したものを用い、飼料への添加量はエネルギ−密度に
より調整した。実験食投与8週間後に各群8匹ずつ解剖
し、内臓脂肪質量を測定した。また、皮下脂肪量を測定
するため、屍体を凍結乾燥し脂肪含量をソックスレ−を
用いて測定した。8週間飼育したラットの結果を表5に
示す。飼料摂取量、終体重、尾長は、各試験区で統計的
に有意な差はみられなかった。8週間飼育したラットの
内臓脂肪組織質量および皮下脂肪量は、油脂組成物2〜
4群で統計的に有意に低値を示した。動物試験の結果か
ら、油脂組成物を構成する全脂肪酸に占める中鎖脂肪酸
の割合が本発明の範囲内に入る油脂組成物2〜4を使用
した場合では、比較例油脂組成物5、6を使用した場合
に比し、体脂肪蓄積が少ないことが判明した。
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】実施例6 油脂組成物を用いて品質安定性、官能評価試験を行っ
た。品質安定性試験は基準油脂分析試験法(JOCS
2,4,28,2−93 CDM試験)に準拠して、強
制的に自動酸化を促進した酸化安定性試験で評価を行っ
た。また、風味の評価を官能的に行った。各パネラ−が
対照区と比較してどの様に評価するか(良好、どちらで
もない、悪い)という3区分で評価して行った。その結
果を表5に記す。その結果、表の数字は強制的な酸化促
進試験であるCDM試験におけるグラフの偏曲点の時間
を示しているが、油脂組成物6(対照)と比較して油脂
組成物1〜4は2倍近い値を示し、酸化安定性に優れて
いることが分かる。これに対し、油脂組成物5では酸化
安定性が悪く、対照区と差のないことがわかる。
【0102】
【表6】
【0103】実施例7 4週齢のウィスタ−系雄性ラットに対し、油脂組成物の
吸収速度の確認実験を行った。対照区としては油脂組成
物6を使用し、試験区として油脂組成物1、3を使用し
た。試験方法は、ラットにカテ−テルで強制的に口腔か
ら試料を摂取させ、小腸門脈、およびリンパ管液を経時
的に採取し、脂肪酸の分析を行った。その結果を表6に
記す。この結果から、油脂組成物1、3は門脈を通して
肝臓に運ばれ、速やかに遊離脂肪酸の形で吸収され、生
理機能を発揮していることが示唆された。また、油脂組
成物1と3では、有意差はないものの傾向として油脂組
成物3のほうが即効性に優れている可能性が示唆され
た。
【0104】
【表7】
【0105】実施例8 PMS症状を訴える98人に対して、症状軽減度、およ
びその即効性の確認試験を行った。対照区としては、油
脂組成物5及び油脂組成物6を使用した。試験区として
油脂組成物1、3を使用した。被験者をほぼ各25名づ
つの4群に分け(対照区、試験区)て、ブラインド試験
で行った。試験期間は6ヶ月実施した。 ・摂取するもの :油脂250mg+ビタミンE8mg/1カプセル ・摂取量及び期間:4カプセル/1日を黄体期にあたる期間(個人差あり)毎 日摂取することを6月経周期継続して摂取 ・記録方法 :摂取する期間だけでなく、毎日(2〜3月経周期期間中) 症状及びその重度(0〜3の4段階スコア)を記入 (スコア−:0=症状なし 1=やや気になる程度 2= 気になる 3=生活に支障をきたす) ・評価方法 :各自が記入した記録を回収し、集計した。 集計は、症状の重度(0〜3の4段階スコア利用)に関し て、各人1黄体期あたりの平均値を群毎にさらに平均した 数値で示している。 その結果(表7)、試験区では摂取3ヶ月の時点で既に
身体症状、精神社会症状共に症状の重さを示す1黄体期
当たりのスコア−合計値は統計的に有意に低く、従って
症状の緩和効果が確認された。このことより、同量のγ
−リノレン酸を摂取してもその効果に差があり、油脂組
成物1、3の方が優れていることがわかった。なお、油
脂組成物1と3の間には有意差は認められないものの、
傾向としては、油脂組成物3のほうが効果が高かった。
【0106】
【表8】
【0109】実施例9 PMS症状の比較的重い62人に対して、症状軽減、即
効性の確認試験を行った。対照区としては油脂組成物6
を使用した。試験区として、油脂組成物1、3を使用し
た。被験者をほぼ各20名ずつの3群に分け(対照区、
試験区)、250mgの油脂を含むカプセルを1日8個
摂取した。摂取は原則として、被験者の自己判断にて黄
体期において摂取することとした。また、試験はブライ
ンド試験方法である。試験期間は3ヶ月実施した。実施
例8の追加・確認実験として摂取量を増やして本実験を
実施した。試験期間、摂取カプセル数以外の試験方法及
び評価方法は、実施例8と同様に行った。その結果を表
8に記す。油脂組成物1と3では、有意差はないもの
の、傾向として油脂組成物3のほうが即効性に優れてい
る可能性が示唆された。これらの結果から、この即効性
はγ−リノレン酸の量ではなく、γ−リノレン酸の1,
3位結合量と2位結合量の違いによるもの、さらには中
鎖脂肪酸の必要性も重要であることが推察された。
【0110】
【表9】
【00111】
【発明の効果】本発明のグリセリン脂肪酸エステルを配
合することで得られる月経前症候群症状緩和剤、月経前
症候群症状緩和用飲食物、月経前症候群緩和用油脂組成
物は、月経前症候群症状緩和効果を有し、かつ、即効性
に優れている。症状が発現してから摂取することでも好
適な効果を得ることができる。また、炭素数2〜12の
脂肪酸を有する場合は吸収性に優れると同時に、体脂肪
蓄積性が低く、また、風味、品質安定性で優れる。ま
た、各症状に適切に対応することができるため、その即
効性とあいまって、ニーズに答え得るものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/51 A61K 31/525 4C206 31/525 31/714 4H059 31/714 35/78 B 35/78 C Q A61P 15/00 A61P 15/00 C11C 3/00 C11C 3/00 3/10 3/10 C12P 7/64 // C12P 7/64 A23D 9/00 516 (72)発明者 根岸 聡 東京都世田谷区上用賀6−20−4−608 Fターム(参考) 4B018 LB01 LB08 LE05 MD15 MD61 MD66 ME14 MF12 4B026 DC05 DG01 DG05 DG10 DH01 DL06 4B064 AD89 CA21 CB26 CC03 CD22 DA01 DA10 4C086 AA01 AA02 BA09 BC18 BC83 CB09 DA39 MA02 MA04 MA52 ZA81 4C088 AB02 AB26 AB40 AB81 MA02 MA52 ZA81 4C206 AA01 AA02 DB09 DB47 DB48 MA01 MA02 MA04 MA72 ZA81 4H059 BA33 BB02 BB03 BB05 BB06 BC13 BC48 CA35 CA72 EA17

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)において、 【化1】 (式中R、R、Rは水素原子または炭素数2〜2
    4の脂肪酸残基を示す。) RまたはRの少なくとも一方がγ−リノレン酸残基
    である、即効性効果を有する月経前症候群症状緩和用グ
    リセリン脂肪酸エステル。
  2. 【請求項2】更に、炭素数2〜12の脂肪酸残基を1以
    上有する請求項1に記載の即効性効果を有する月経前症
    候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステル。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の即効性効果を有
    する月経前症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステル
    を有効成分とする月経前症候群症状緩和剤。
  4. 【請求項4】更に、ビタミンB群、ビタミンE、ハー
    ブ、ミネラル塩類から選ばれる1種または2種以上を含
    有する請求項3に記載の月経前症候群症状緩和剤。
  5. 【請求項5】ハーブがイチョウ葉、パッションフラワ
    ー、レモンバーム、ジンジャーから選ばれる1種または
    2種以上を含有する請求項4記載の月経前症候群症状緩
    和用剤。
  6. 【請求項6】ハーブが、イチョウ葉、パッションフラワ
    ー、ジンジャーから選ばれる1種または2種以上を含有
    する血流阻害原因症状を緩和することを特徴とする請求
    項4に記載の月経前症候群症状緩和剤。
  7. 【請求項7】ハーブが、イチョウ葉、パッションフラワ
    ー、ジンジャーから選ばれる1種または2種以上を含有
    する陽性精神症状を緩和することを特徴とする請求項4
    に記載の月経前症候群症状緩和剤。
  8. 【請求項8】ハーブが、カモミール、レモンバームから
    選ばれる1種以上または2種以上を含有する消化器系症
    状を緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経前
    症候群症状緩和剤。
  9. 【請求項9】ハーブが、カモミール、レモンバームから
    選ばれる1種または2種以上を含有する陰性精神症状症
    状を緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経前
    症候群症状緩和剤。
  10. 【請求項10】ハーブが、フィーバーフュー、ローズマ
    リーから選ばれる1種または2種以上を含有する疼痛症
    状を緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経前
    症候群症状緩和剤。
  11. 【請求項11】ハーブが、フィーバーフュー、ローズマ
    リーから選ばれる1種または2種以上を含有する疲れ易
    いという症状を緩和することを特徴とする請求項4に記
    載の月経前症候群症状緩和剤。
  12. 【請求項12】ハーブが、セイヨウタンポポ、セロリか
    ら選ばれる1種または2種以上を含有するむくみ症状を
    緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経前症候
    群症状緩和剤。
  13. 【請求項13】ハーブが、セイヨウタンポポ、セロリか
    ら選ばれる1種または2種以上を含有する集中力低下の
    症状を緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経
    前症候群症状緩和剤。
  14. 【請求項14】ハーブが、セイヨウタンポポ、セロリか
    ら選ばれる1種または2種以上を含有する乳房痛症状を
    緩和することを特徴とする請求項4に記載の月経前症候
    群症状緩和剤。
  15. 【請求項15】 請求項1または2記載の即効性効果を
    有する月経前症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステ
    ル含有することを特徴とする月経前症候群症状緩和用飲
    食物。
  16. 【請求項16】請求項3〜14のいずれか1項に記載の
    月経前症候群症状緩和剤を含有する請求項15に記載の
    月経前症候群症状緩和用飲食物。
  17. 【請求項17】飲食物が健康補助飲食物である請求項1
    5または16に記載の月経前症候群症状緩和用飲食物。
  18. 【請求項18】飲食物が油脂組成物および/または油脂
    加工品である請求項15〜17のいずれか1項に記載の
    月経前症候群症状緩和用飲食物。
  19. 【請求項19】請求項1または2に記載の即効性効果を
    有する月経前症候群症状緩和用グリセリン脂肪酸エステ
    ルを含有する食用油脂組成物であって、1,3位に結合
    したγ−リノレン酸残基量が、全構成脂肪酸残基量に対
    して1%以上であることを特徴とする月経前症候群症状
    緩和用食用油脂組成物。
  20. 【請求項20】 前記1,3位に結合したγ−リノレン
    酸残基量に対して、1:0.1〜3の割合で2位に結合
    したγリノレン酸残基を含有する請求項19に記載の月
    経前症候群症状緩和用食用油脂組成物。
  21. 【請求項21】 γ−リノレン酸残基の総量が2質量%
    以上である請求項19または20に記載の月経前症候群
    症状緩和用食用油脂組成物。
  22. 【請求項22】全構成脂肪酸残基に対し、炭素数2〜1
    2の脂肪酸残基量が5質量%以上である請求項19〜2
    1のいずれか1項に記載の月経前症候群症状緩和用食用
    油脂組成物。
  23. 【請求項23】エステル交換させてなる請求項19〜2
    2のいずれか1項に記載の月経前症候群症状緩和用食用
    油脂組成物。
  24. 【請求項24】 γ−リノレン酸を5〜95質量%含有
    する油脂をエステル交換させてなる請求項19〜23の
    いずれか1項に記載の月経前症候群症状緩和用食用油脂
    組成物。
  25. 【請求項25】 γ−リノレン酸を5〜95質量%、か
    つ、炭素数2〜12の脂肪酸を5〜40質量%含有する
    油脂をエステル交換してなる請求項19〜24のいずれ
    か1項に記載の月経前症候群症状緩和用食用油脂組成
    物。
  26. 【請求項26】下記(A)および/または(B)を原料
    として調整した後、エステル交換してなる請求項25に
    記載の月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物。 (A):ボラージ油、月見草、微生物醗酵油脂の1種以
    上 (b):炭素数2〜12の脂肪酸、炭素数2〜14の脂
    肪酸残基を1〜3有するグリセリン脂肪酸エステル、お
    よびこれらを含有する油脂の1種以上
  27. 【請求項27】ナトリウムメチラートを触媒として、常
    圧・窒素気流下または10Pa以下の減圧下、80〜1
    20℃で、10〜60分間エステル交換反応させること
    を特徴とする請求項23〜26のいずれか1項に記載の
    月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物。
  28. 【請求項28】脂質分解酵素を用いて、40〜100℃
    で2〜48時間エステル交換反応させることを特徴とす
    る請求項23〜26のいずれか1項に記載の月経前症候
    群症状緩和用食用油脂組成物。
  29. 【請求項29】 食用油脂組成物を構成する全トリグリ
    セリドに占める、炭素数が2〜12の脂肪酸残基を分子
    内に3つ含有するトリグリセリドの割合が3質量%以下
    であることを特徴とする請求項19〜28のいずれか1
    項に記載の調理適正を有する月経前症候群症状緩和用食
    用油脂組成物。
  30. 【請求項30】 請求項19〜29のいずれか1項に記
    載の月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物を含有する
    請求項3〜14のいずれか1項に記載の月経前症候群症
    状緩和剤。
  31. 【請求項31】 請求項19〜29のいずれか1項に記
    載の月経前症候群症状緩和用食用油脂組成物を含有する
    請求項15〜18のいずれか1項に記載の月経前症候群
    症状緩和用飲食物。
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