JP2002028958A - 射出成形機における可塑化の管理方法 - Google Patents
射出成形機における可塑化の管理方法Info
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 射出成形機における成形材料の可塑化状態を
管理できるようにする。 【解決手段】 計量動作中、スクリューを回転させるモ
ータの駆動電流Iを所定周期τ毎測定し、その2乗I2
の積算値Σを求める(G6)。1成形サイクル終了後
に、積算値Σに検出周期τ、モータの巻線抵抗Rをかけ
て消費電力Wを求める。この消費電力Wを1成形サイク
ルのサイクルタイムTcで割って平均消費電力Qを求め
る。消費電力W、平均消費電力Qを表示する(G1
0)。この表示された消費電力W、平均消費電力Qから
可塑化状態を把握することができる。
管理できるようにする。 【解決手段】 計量動作中、スクリューを回転させるモ
ータの駆動電流Iを所定周期τ毎測定し、その2乗I2
の積算値Σを求める(G6)。1成形サイクル終了後
に、積算値Σに検出周期τ、モータの巻線抵抗Rをかけ
て消費電力Wを求める。この消費電力Wを1成形サイク
ルのサイクルタイムTcで割って平均消費電力Qを求め
る。消費電力W、平均消費電力Qを表示する(G1
0)。この表示された消費電力W、平均消費電力Qから
可塑化状態を把握することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機におけ
る可塑化の管理方法に関する。
る可塑化の管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スクリューを回転させるモータを駆動制
御することにより予め設定されたスクリュー回転速度で
計量動作を行わせるようにした射出成形機が既に公知で
ある。従来の射出成形機ではスクリューを回転させるモ
ータの速度制御のみが優先され、モータの駆動トルク
は、スクリューに作用する樹脂の粘性抵抗や各種の外乱
等を補償して設定速度でスクリューを回転させるべく自
動的に調整されるようになっている。
御することにより予め設定されたスクリュー回転速度で
計量動作を行わせるようにした射出成形機が既に公知で
ある。従来の射出成形機ではスクリューを回転させるモ
ータの速度制御のみが優先され、モータの駆動トルク
は、スクリューに作用する樹脂の粘性抵抗や各種の外乱
等を補償して設定速度でスクリューを回転させるべく自
動的に調整されるようになっている。
【0003】射出シリンダの加熱が不十分な場合、また
は、樹脂に異物が混入したような場合では、スクリュー
を設定速度で回転させるためのモータの駆動トルクが必
然的に増大するが、従来の射出成形機ではモータの駆動
トルクの変動は全く顧みられず、少なくとも設定速度に
よるスクリュー回転が実現されている限り、射出シリン
ダの加熱不足や異物の混入等をモータの制御系から異常
として検出することはできない。また、射出シリンダに
対する樹脂の供給が不十分になるとスクリューの回転が
容易となってモータの駆動トルクが必然的に減少する
が、スクリューが設定速度で容易に回転するためにスク
リューの回転速度には異常が生じず、やはり、モータの
制御系から樹脂の供給不足等を検出することはできな
い。
は、樹脂に異物が混入したような場合では、スクリュー
を設定速度で回転させるためのモータの駆動トルクが必
然的に増大するが、従来の射出成形機ではモータの駆動
トルクの変動は全く顧みられず、少なくとも設定速度に
よるスクリュー回転が実現されている限り、射出シリン
ダの加熱不足や異物の混入等をモータの制御系から異常
として検出することはできない。また、射出シリンダに
対する樹脂の供給が不十分になるとスクリューの回転が
容易となってモータの駆動トルクが必然的に減少する
が、スクリューが設定速度で容易に回転するためにスク
リューの回転速度には異常が生じず、やはり、モータの
制御系から樹脂の供給不足等を検出することはできな
い。
【0004】一方、スクリュー回転数や背圧等の計量条
件および使用する樹脂の種類等によっては、目標となる
回転速度を達成するためにスクリューが実用強度を越え
て過大な力で回転されることがあり、特に、モータの最
大出力トルクがスクリューの実用強度を上回っているよ
うな場合には、スクリューに破断が生じる恐れがある。
径の異なるスクリューを交互に用いるような場合もこれ
と同様であり、例えば、径の太いスクリューから径の細
いスクリューに交換して計量動作を行わせるとスクリュ
ーに破断が生じる恐れがある。このような場合、制御系
にトルクリミットを再設定するなどしてモータの最大出
力トルクを制限しなければならないが、その設定操作は
面倒である。逆に、モータの最大出力トルクでスクリュ
ーを駆動しても設定回転速度が得られないような場合に
は、計量不良が発生したり、計量動作自体が完全に不能
になったりすることもあり、場合によってはモータがオ
ーバーヒートする恐れもある。
件および使用する樹脂の種類等によっては、目標となる
回転速度を達成するためにスクリューが実用強度を越え
て過大な力で回転されることがあり、特に、モータの最
大出力トルクがスクリューの実用強度を上回っているよ
うな場合には、スクリューに破断が生じる恐れがある。
径の異なるスクリューを交互に用いるような場合もこれ
と同様であり、例えば、径の太いスクリューから径の細
いスクリューに交換して計量動作を行わせるとスクリュ
ーに破断が生じる恐れがある。このような場合、制御系
にトルクリミットを再設定するなどしてモータの最大出
力トルクを制限しなければならないが、その設定操作は
面倒である。逆に、モータの最大出力トルクでスクリュ
ーを駆動しても設定回転速度が得られないような場合に
は、計量不良が発生したり、計量動作自体が完全に不能
になったりすることもあり、場合によってはモータがオ
ーバーヒートする恐れもある。
【0005】また、射出成形機を使用するユーザーの立
場からすると、同じ水準の成形品が得られる限り、少し
でもランニングコストを安くして射出成形作業を行いた
いという願望があり、計量条件の最適化も望まれるが、
計量に使用される電力や電力量のみを他と区別して検出
することが困難であるため、計量条件の相違によって生
じるランニングコストの変動を知ることはできなかっ
た。
場からすると、同じ水準の成形品が得られる限り、少し
でもランニングコストを安くして射出成形作業を行いた
いという願望があり、計量条件の最適化も望まれるが、
計量に使用される電力や電力量のみを他と区別して検出
することが困難であるため、計量条件の相違によって生
じるランニングコストの変動を知ることはできなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、計量に必要とされる電力に基づいて、計量時におけ
る樹脂の可塑化状態を検知できるようにした射出成形機
における可塑化の管理方法を提供することにある。
は、計量に必要とされる電力に基づいて、計量時におけ
る樹脂の可塑化状態を検知できるようにした射出成形機
における可塑化の管理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明は、スクリューを回転させるモータの駆動
電流を検出し、1成形サイクルにおける消費電力量また
は平均消費電力を求めて可視表示することで計量時にお
ける樹脂の可塑化制御状態を検知できるようにした。
に、本願発明は、スクリューを回転させるモータの駆動
電流を検出し、1成形サイクルにおける消費電力量また
は平均消費電力を求めて可視表示することで計量時にお
ける樹脂の可塑化制御状態を検知できるようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。図1は本発明による可塑化の管理方法
を適用した一実施例の射出成形機の要部を示すブロック
図で、符号1は射出成形機の射出シリンダ、符号2はス
クリューである。スクリュー2は、駆動源の軸回転を射
出軸方向の直線運動に変換するための駆動変換機5を介
して射出用サーボモータM1により射出軸方向に駆動さ
れ、また、歯車機構3を介してスクリュー回転用サーボ
モータM2により計量回転されるようになっている。ス
クリュー2の基部には圧力検出器4が設けられ、スクリ
ュー2の軸方向に作用する樹脂圧力、即ち、射出保圧工
程における射出保圧圧力や計量混練り工程におけるスク
リュー背圧が検出される。射出用サーボモータM1には
スクリュー2の位置や移動速度を検出するためのパルス
コーダP1が配備され、また、スクリュー回転用サーボ
モータM2には、スクリュー2の回転速度を検出するた
めの速度検出器P2が配備されている。
施例を説明する。図1は本発明による可塑化の管理方法
を適用した一実施例の射出成形機の要部を示すブロック
図で、符号1は射出成形機の射出シリンダ、符号2はス
クリューである。スクリュー2は、駆動源の軸回転を射
出軸方向の直線運動に変換するための駆動変換機5を介
して射出用サーボモータM1により射出軸方向に駆動さ
れ、また、歯車機構3を介してスクリュー回転用サーボ
モータM2により計量回転されるようになっている。ス
クリュー2の基部には圧力検出器4が設けられ、スクリ
ュー2の軸方向に作用する樹脂圧力、即ち、射出保圧工
程における射出保圧圧力や計量混練り工程におけるスク
リュー背圧が検出される。射出用サーボモータM1には
スクリュー2の位置や移動速度を検出するためのパルス
コーダP1が配備され、また、スクリュー回転用サーボ
モータM2には、スクリュー2の回転速度を検出するた
めの速度検出器P2が配備されている。
【0009】射出成形機の制御装置10は、数値制御用
のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25、プロ
グラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサ
であるPMC用CPU18、サーボ制御用のマイクロプ
ロセッサであるサーボCPU20、および、A/D変換
器16を介して射出保圧圧力やスクリュー背圧のサンプ
リング処理を行うための圧力モニタ用CPU17を有
し、バス22を介して相互の入出力を選択することによ
り各マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるように
なっている。
のマイクロプロセッサであるCNC用CPU25、プロ
グラマブルマシンコントローラ用のマイクロプロセッサ
であるPMC用CPU18、サーボ制御用のマイクロプ
ロセッサであるサーボCPU20、および、A/D変換
器16を介して射出保圧圧力やスクリュー背圧のサンプ
リング処理を行うための圧力モニタ用CPU17を有
し、バス22を介して相互の入出力を選択することによ
り各マイクロプロセッサ間での情報伝達が行えるように
なっている。
【0010】PMC用CPU18には、射出成形機のシ
ーケンス動作を制御するシーケンスプログラムや計量に
よる可塑化異常の有無を判定するための制御プログラム
等を記憶したROM13および演算データの一時記憶等
に用いられるRAM14が接続されている。一方、CN
C用CPU25には射出成形機を全体的に制御するプロ
グラム等を記憶したROM27および演算データの一時
記憶等に用いられるRAM28が接続されている。
ーケンス動作を制御するシーケンスプログラムや計量に
よる可塑化異常の有無を判定するための制御プログラム
等を記憶したROM13および演算データの一時記憶等
に用いられるRAM14が接続されている。一方、CN
C用CPU25には射出成形機を全体的に制御するプロ
グラム等を記憶したROM27および演算データの一時
記憶等に用いられるRAM28が接続されている。
【0011】また、サーボCPU20および圧力モニタ
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、圧力データ等を得るためのサ
ンプリング処理に関する制御プログラムを格納したRO
M11やデータの一時記憶に用いられるRAM12が接
続されている。更に、サーボCPU20には、該CPU
20からの指令に基いて型締め用,エジェクタ用(図示
せず)および射出用,スクリュー回転用等の各軸のサー
ボモータを駆動するサーボアンプ15が接続され、射出
用サーボモータM1に配備したパルスコーダP1および
スクリュー回転用サーボモータM2に配備したパルスコ
ーダP2からの出力の各々がサーボCPU20に帰還さ
れ、パルスコーダP1からのフィードバックパルスに基
いてサーボCPU20により算出されたスクリュー2の
現在位置や、速度検出器P2で検出されるスクリュー2
の回転速度、および、スクリュー回転用サーボモータM
2からフィードバックされる駆動電流(図示せず)の値
が、メモリ19の現在位置記憶レジスタ、現在速度記憶
レジスタおよび駆動電流記憶レジスタの各々に記憶され
る。
用CPU17の各々には、サーボ制御専用の制御プログ
ラムを格納したROM21やデータの一時記憶に用いら
れるRAM19、および、圧力データ等を得るためのサ
ンプリング処理に関する制御プログラムを格納したRO
M11やデータの一時記憶に用いられるRAM12が接
続されている。更に、サーボCPU20には、該CPU
20からの指令に基いて型締め用,エジェクタ用(図示
せず)および射出用,スクリュー回転用等の各軸のサー
ボモータを駆動するサーボアンプ15が接続され、射出
用サーボモータM1に配備したパルスコーダP1および
スクリュー回転用サーボモータM2に配備したパルスコ
ーダP2からの出力の各々がサーボCPU20に帰還さ
れ、パルスコーダP1からのフィードバックパルスに基
いてサーボCPU20により算出されたスクリュー2の
現在位置や、速度検出器P2で検出されるスクリュー2
の回転速度、および、スクリュー回転用サーボモータM
2からフィードバックされる駆動電流(図示せず)の値
が、メモリ19の現在位置記憶レジスタ、現在速度記憶
レジスタおよび駆動電流記憶レジスタの各々に記憶され
る。
【0012】インターフェイス23は射出成形機の各部
に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信
したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達した
りするための入出力インターフェイスである。ディスプ
レイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を
介してバス22に接続され、モニタ表示画面や機能メニ
ューの選択および各種データの入力操作等が行えるよう
になっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種
のファンクションキー等が設けられている。
に配備したリミットスイッチや操作盤からの信号を受信
したり射出成形機の周辺機器等に各種の指令を伝達した
りするための入出力インターフェイスである。ディスプ
レイ付手動データ入力装置29はCRT表示回路26を
介してバス22に接続され、モニタ表示画面や機能メニ
ューの選択および各種データの入力操作等が行えるよう
になっており、数値データ入力用のテンキーおよび各種
のファンクションキー等が設けられている。
【0013】不揮発性メモリ24は射出成形作業に関す
る成形条件(射出保圧条件,計量条件等)と各種設定
値,パラメータ,マクロ変数および計量異常検出のため
の基準スクリュー回転力等を記憶する成形データ保存用
のメモリである。
る成形条件(射出保圧条件,計量条件等)と各種設定
値,パラメータ,マクロ変数および計量異常検出のため
の基準スクリュー回転力等を記憶する成形データ保存用
のメモリである。
【0014】以上の構成により、CNC用CPU25が
ROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモー
タに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸
に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP
1,速度検出器P2等の検出器で検出された位置のフィ
ードバック信号および速度のフィードバック信号に基い
て、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さら
には電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるデ
ィジタルサーボ処理を実行する。
ROM27の制御プログラムに基いて各軸のサーボモー
タに対してパルス分配を行い、サーボCPU20は各軸
に対してパルス分配された移動指令とパルスコーダP
1,速度検出器P2等の検出器で検出された位置のフィ
ードバック信号および速度のフィードバック信号に基い
て、従来と同様に位置ループ制御,速度ループ制御さら
には電流ループ制御等のサーボ制御を行い、いわゆるデ
ィジタルサーボ処理を実行する。
【0015】本実施例においては、圧力モニタ用CPU
17が射出保圧工程および計量混練り工程毎にサンプリ
ング処理を繰り返し実行し、所定のサンプリング周期毎
に、圧力検出器4およびA/D変換器16を介し、スク
リュー2に作用する射出保圧圧力またはスクリュー背圧
を検出してスクリュー2の現在位置に対応させて記憶す
ると共に、更に、計量工程においては、スクリュー回転
力に対応するスクリュー回転用サーボモータM2の駆動
電流をもサンプリング周期に対応させて、計量工程毎R
AM12に更新記憶するようになっている。
17が射出保圧工程および計量混練り工程毎にサンプリ
ング処理を繰り返し実行し、所定のサンプリング周期毎
に、圧力検出器4およびA/D変換器16を介し、スク
リュー2に作用する射出保圧圧力またはスクリュー背圧
を検出してスクリュー2の現在位置に対応させて記憶す
ると共に、更に、計量工程においては、スクリュー回転
力に対応するスクリュー回転用サーボモータM2の駆動
電流をもサンプリング周期に対応させて、計量工程毎R
AM12に更新記憶するようになっている。
【0016】図4は計量動作を管理するための基準スク
リュー回転力および計量異常検出のための許容範囲の設
定方法について概念的に説明する図である。図4におけ
る線図Cは、計量に使用するスクリュー2の形状や寸法
および樹脂の種類や設定スクリュー回転数ならびに射出
シリンダ1の設定加熱温度等の計量条件に基いて算出さ
れた基準スクリュー回転力の値をスクリュー位置に対応
させて示すもので、縦軸がスクリュー回転力、また、横
軸がスクリュー位置に対応する。
リュー回転力および計量異常検出のための許容範囲の設
定方法について概念的に説明する図である。図4におけ
る線図Cは、計量に使用するスクリュー2の形状や寸法
および樹脂の種類や設定スクリュー回転数ならびに射出
シリンダ1の設定加熱温度等の計量条件に基いて算出さ
れた基準スクリュー回転力の値をスクリュー位置に対応
させて示すもので、縦軸がスクリュー回転力、また、横
軸がスクリュー位置に対応する。
【0017】図4では、計量開始位置X1から計量完了
位置Q2の間にスクリュー回転数切替位置Q1を設定
し、該切替位置Q1でスクリュー回転数を低速から高速
に切り替えることにより全工程を2段に分けて計量動作
を行う場合について示している。計量開始位置X1から
スクリュー回転数切替位置Q1までの区間では設定スク
リュー回転数の値が一定であるので、この区間で必要と
される基準スクリュー回転力の値も基本的に一定であ
り、その値は所定の演算式によって求めることができ
る。スクリュー回転数切替位置Q1から計量完了位置Q
2までの区間でも設定スクリュー回転数の値は一定であ
るから、必要とされる基準スクリュー回転力の値も、前
記と同様、所定の演算式によって求めることができる。
但し、計量開始位置X1およびスクリュー回転数切替位
置Q1の近傍では停止または低速回転状態にあるスクリ
ュー2を加速して設定スクリュー回転数まで加速する必
要があり、また、計量完了位置Q2の近傍では回転状態
にあるスクリュー2を減速して回転を停止させる必要が
あるので、必要とされる基準スクリュー回転力の値は各
区間の設定スクリュー回転数を実現するための値とは相
違する。即ち、計量開始位置X1およびスクリュー回転
数切替位置Q1の近傍では第1段目の設定スクリュー回
転数および第2段目の設定スクリュー回転数を実現する
ためのスクリュー回転力よりも大きな基準スクリュー回
転力が必要とされ、また、計量完了位置Q2の近傍では
回転状態にあるスクリュー2を減速停止させるために逆
方向の基準スクリュー回転力が必要とされる。これらの
基準スクリュー回転力や加減速時間も、スクリュー2の
形状や寸法および樹脂の種類や設定スクリュー回転数な
らびに射出シリンダ1の設定加熱温度、更には、スクリ
ュー回転用サーボモータM2の加減速特性等に基き所定
の演算式によって求めることができる。
位置Q2の間にスクリュー回転数切替位置Q1を設定
し、該切替位置Q1でスクリュー回転数を低速から高速
に切り替えることにより全工程を2段に分けて計量動作
を行う場合について示している。計量開始位置X1から
スクリュー回転数切替位置Q1までの区間では設定スク
リュー回転数の値が一定であるので、この区間で必要と
される基準スクリュー回転力の値も基本的に一定であ
り、その値は所定の演算式によって求めることができ
る。スクリュー回転数切替位置Q1から計量完了位置Q
2までの区間でも設定スクリュー回転数の値は一定であ
るから、必要とされる基準スクリュー回転力の値も、前
記と同様、所定の演算式によって求めることができる。
但し、計量開始位置X1およびスクリュー回転数切替位
置Q1の近傍では停止または低速回転状態にあるスクリ
ュー2を加速して設定スクリュー回転数まで加速する必
要があり、また、計量完了位置Q2の近傍では回転状態
にあるスクリュー2を減速して回転を停止させる必要が
あるので、必要とされる基準スクリュー回転力の値は各
区間の設定スクリュー回転数を実現するための値とは相
違する。即ち、計量開始位置X1およびスクリュー回転
数切替位置Q1の近傍では第1段目の設定スクリュー回
転数および第2段目の設定スクリュー回転数を実現する
ためのスクリュー回転力よりも大きな基準スクリュー回
転力が必要とされ、また、計量完了位置Q2の近傍では
回転状態にあるスクリュー2を減速停止させるために逆
方向の基準スクリュー回転力が必要とされる。これらの
基準スクリュー回転力や加減速時間も、スクリュー2の
形状や寸法および樹脂の種類や設定スクリュー回転数な
らびに射出シリンダ1の設定加熱温度、更には、スクリ
ュー回転用サーボモータM2の加減速特性等に基き所定
の演算式によって求めることができる。
【0018】また、図4における線図Aは、スクリュー
2の材質や形状および寸法等に基いて材料力学的に算出
したスクリュー破断トルクの値を示すものであり、使用
可能なスクリュー回転力の値Bは、安全を見込み、線図
Aに対して僅かに低トルク側に決める。
2の材質や形状および寸法等に基いて材料力学的に算出
したスクリュー破断トルクの値を示すものであり、使用
可能なスクリュー回転力の値Bは、安全を見込み、線図
Aに対して僅かに低トルク側に決める。
【0019】基準スクリュー回転力の値Cを演算式によ
って求めた場合、オペレータは、基準スクリュー回転力
の値Cの上下に適当なマージンを決めて上限許容範囲D
および下限許容範囲Eを設定するが、上限許容範囲Dが
使用可能なスクリュー回転力の値Bを越えた部分に関し
ては、改めて上限許容範囲Dの値を決め直し、上限許容
範囲Dが必ず使用可能なスクリュー回転力の値B以下と
なるようにして、上限許容範囲Dおよび下限許容範囲E
とスクリュー位置との対応関係をディスプレイ付手動デ
ータ入力装置29のテンキー等を介して制御装置10の
不揮発性メモリ24に設けられた許容値記憶ファイルに
記憶させる。
って求めた場合、オペレータは、基準スクリュー回転力
の値Cの上下に適当なマージンを決めて上限許容範囲D
および下限許容範囲Eを設定するが、上限許容範囲Dが
使用可能なスクリュー回転力の値Bを越えた部分に関し
ては、改めて上限許容範囲Dの値を決め直し、上限許容
範囲Dが必ず使用可能なスクリュー回転力の値B以下と
なるようにして、上限許容範囲Dおよび下限許容範囲E
とスクリュー位置との対応関係をディスプレイ付手動デ
ータ入力装置29のテンキー等を介して制御装置10の
不揮発性メモリ24に設けられた許容値記憶ファイルに
記憶させる。
【0020】図5は許容値記憶ファイルの記憶状態を図
4の設定例に対応させて示す概念図であり、例えば、ス
クリュー位置X1〜X2までの区間に対応する下限許容
範囲Eの値0と同区間X1〜X2に対応する上限許容範
囲Dの値fが許容値記憶ファイルの第1アドレスに記憶
され、また、スクリュー位置X2〜X3までの区間に対
応する下限許容範囲Eの値dと同区間X2〜X3に対応
する上限許容範囲Dの値fが許容値記憶ファイルの第2
アドレスに記憶される。
4の設定例に対応させて示す概念図であり、例えば、ス
クリュー位置X1〜X2までの区間に対応する下限許容
範囲Eの値0と同区間X1〜X2に対応する上限許容範
囲Dの値fが許容値記憶ファイルの第1アドレスに記憶
され、また、スクリュー位置X2〜X3までの区間に対
応する下限許容範囲Eの値dと同区間X2〜X3に対応
する上限許容範囲Dの値fが許容値記憶ファイルの第2
アドレスに記憶される。
【0021】また、計量動作に必要とされる基準スクリ
ュー回転力の値Cを演算式によって求めることが困難な
場合には、スクリュー回転用サーボモータM2に対する
トルクリミットを射出成形機の制御装置10に設定する
ことによりスクリュー2の回転力の上限を使用可能なス
クリュー回転力の値Bに規制して所定の計量条件、即
ち、設定スクリュー回転数や設定加熱温度等に基いて実
際の計量動作を実施させ、この計量でサンプリングされ
たスクリュー回転用サーボモータM2の駆動電流(計量
に必要とされる基準スクリュー回転力)とスクリュー位
置との対応関係をディスプレイ付手動データ入力装置2
9のディスプレイ画面に線図Fとして表示させることに
より(図4参照)、基準スクリュー回転力の値Fとスク
リュー位置との対応関係を把握し、前記と同様にして上
限許容範囲Dおよび下限許容範囲Eを決めて許容値記憶
ファイルに記憶させる(図5参照)。
ュー回転力の値Cを演算式によって求めることが困難な
場合には、スクリュー回転用サーボモータM2に対する
トルクリミットを射出成形機の制御装置10に設定する
ことによりスクリュー2の回転力の上限を使用可能なス
クリュー回転力の値Bに規制して所定の計量条件、即
ち、設定スクリュー回転数や設定加熱温度等に基いて実
際の計量動作を実施させ、この計量でサンプリングされ
たスクリュー回転用サーボモータM2の駆動電流(計量
に必要とされる基準スクリュー回転力)とスクリュー位
置との対応関係をディスプレイ付手動データ入力装置2
9のディスプレイ画面に線図Fとして表示させることに
より(図4参照)、基準スクリュー回転力の値Fとスク
リュー位置との対応関係を把握し、前記と同様にして上
限許容範囲Dおよび下限許容範囲Eを決めて許容値記憶
ファイルに記憶させる(図5参照)。
【0022】また、1成形サイクルの計量動作中にスク
リュー回転用サーボモータM2によって消費される電力
量Wは、サーボモータM2の巻線抵抗をR,スクリュー
回転用サーボモータM2からフィードバックされる平均
駆動電流の値をI,通電時間をTとした場合にI2・R
・Tで示される。実際には、スクリュー回転用サーボモ
ータM2からフィードバックされる駆動電流の値は計量
時のサンプリング周期毎に検出されるから、サンプリン
グ周期をτ,当該サンプリング周期で検出された瞬間駆
動電流の値をII とし、1成形サイクルの計量動作中に
n回のサンプリング処理が実施されたとすれば、当該1
成形サイクルの計量動作中にスクリュー回転用サーボモ
ータM2によって消費される電力量Wの値は数1の式に
よって示される。
リュー回転用サーボモータM2によって消費される電力
量Wは、サーボモータM2の巻線抵抗をR,スクリュー
回転用サーボモータM2からフィードバックされる平均
駆動電流の値をI,通電時間をTとした場合にI2・R
・Tで示される。実際には、スクリュー回転用サーボモ
ータM2からフィードバックされる駆動電流の値は計量
時のサンプリング周期毎に検出されるから、サンプリン
グ周期をτ,当該サンプリング周期で検出された瞬間駆
動電流の値をII とし、1成形サイクルの計量動作中に
n回のサンプリング処理が実施されたとすれば、当該1
成形サイクルの計量動作中にスクリュー回転用サーボモ
ータM2によって消費される電力量Wの値は数1の式に
よって示される。
【0023】
【数1】 そして、1成形サイクルを通じてスクリュー回転用サー
ボモータM2によって消費される平均消費電力Qは、1
成形サイクルの計量動作中にスクリュー回転用サーボモ
ータM2によって消費される電力量Wを当該1成形サイ
クルのサイクルタイムTc で除した値、即ち、数2の式
によって表されることになる。
ボモータM2によって消費される平均消費電力Qは、1
成形サイクルの計量動作中にスクリュー回転用サーボモ
ータM2によって消費される電力量Wを当該1成形サイ
クルのサイクルタイムTc で除した値、即ち、数2の式
によって表されることになる。
【0024】
【数2】 よって、計量動作完了後直ちに次の成形サイクルを開始
する場合、つまり、1成形サイクルのサイクルタイムT
を型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tcとして定
義した場合では、数1の式に基き、スクリュー回転用サ
ーボモータM2の平均駆動電流Iの値が数3の式によっ
て示されることになる。
する場合、つまり、1成形サイクルのサイクルタイムT
を型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tcとして定
義した場合では、数1の式に基き、スクリュー回転用サ
ーボモータM2の平均駆動電流Iの値が数3の式によっ
て示されることになる。
【0025】
【数3】 ここで、スクリュー回転用サーボモータM2の連続定格
電流値をArat とすれば、スクリュー回転用サーボモー
タM2がオーバーヒートしないためには、スクリュー回
転用サーボモータM2の平均駆動電流Iの値がArat 以
下とならなければならず、数4の式が満たされる必要が
ある。
電流値をArat とすれば、スクリュー回転用サーボモー
タM2がオーバーヒートしないためには、スクリュー回
転用サーボモータM2の平均駆動電流Iの値がArat 以
下とならなければならず、数4の式が満たされる必要が
ある。
【0026】
【数4】 よって、計量動作完了後直ちに次の成形サイクルを開始
する場合、つまり、1成形サイクルのサイクルタイムT
を型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tcとして定
義した場合では、数4の式が満たされなくなった時点で
オーバーヒート予想信号を出力し、成形サイクルを停止
させる等の処理が必要となる。
する場合、つまり、1成形サイクルのサイクルタイムT
を型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tcとして定
義した場合では、数4の式が満たされなくなった時点で
オーバーヒート予想信号を出力し、成形サイクルを停止
させる等の処理が必要となる。
【0027】しかし、それは1成形サイクルのサイクル
タイムTを型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tc
として定義した場合のことであり、ここでもし、1成形
サイクルのサイクルタイムTを経過時間Tcよりも大き
な値とすることにより平均駆動電流Iの値を実質的にA
rat 以下に引き下げることができれば、このまま成形サ
イクルを繰り返したとしてもオーバーヒートを防止する
ことができる。1成形サイクルのサイクルタイムTを延
長するといった操作は、例えば、1成形サイクルの最終
処理である計量動作が完了した後、更に、必要とされる
動作休止時間だけ次の成形サイクルの開始を待機するこ
とにより実現可能である。
タイムTを型閉じ開始から計量完了までの経過時間Tc
として定義した場合のことであり、ここでもし、1成形
サイクルのサイクルタイムTを経過時間Tcよりも大き
な値とすることにより平均駆動電流Iの値を実質的にA
rat 以下に引き下げることができれば、このまま成形サ
イクルを繰り返したとしてもオーバーヒートを防止する
ことができる。1成形サイクルのサイクルタイムTを延
長するといった操作は、例えば、1成形サイクルの最終
処理である計量動作が完了した後、更に、必要とされる
動作休止時間だけ次の成形サイクルの開始を待機するこ
とにより実現可能である。
【0028】そこで、型閉じ開始から計量完了までの経
過時間Tc に前述の動作休止時間を加えたサイクルタイ
ムを当該1成形サイクルの所要サイクルタイムTadd と
し、数5の式をTadd について解くと、数6の式が得ら
れる。
過時間Tc に前述の動作休止時間を加えたサイクルタイ
ムを当該1成形サイクルの所要サイクルタイムTadd と
し、数5の式をTadd について解くと、数6の式が得ら
れる。
【0029】
【数5】
【数6】 つまり、数6の式が満たされるように所要サイクルタイ
ムTadd の値を設定すれば、平均駆動電流Iの実質的な
値はArat 以下となり、計量動作が完了した後、更に、
動作休止時間〔Tadd −Tc 〕だけ待機して次の成形サ
イクルを開始することにより、数4の式に基く判別結果
とは関わりなく、スクリュー回転用サーボモータM2の
オーバーヒートを未然に防止できるわけである。
ムTadd の値を設定すれば、平均駆動電流Iの実質的な
値はArat 以下となり、計量動作が完了した後、更に、
動作休止時間〔Tadd −Tc 〕だけ待機して次の成形サ
イクルを開始することにより、数4の式に基く判別結果
とは関わりなく、スクリュー回転用サーボモータM2の
オーバーヒートを未然に防止できるわけである。
【0030】以下、図2および図3に示すフローチャー
トを参照して本実施例における可塑化の管理方法につい
て説明する。なお、図2はPMC用CPU18によるシ
ーケンス処理の流れを全体的に示すフローチャート、ま
た、図3は計量工程における従来と同様の処理制御と並
行してPMC用CPU18により所定周期τ毎に繰り返
し実行される計量異常検出処理の要部を示すフローチャ
ートである。
トを参照して本実施例における可塑化の管理方法につい
て説明する。なお、図2はPMC用CPU18によるシ
ーケンス処理の流れを全体的に示すフローチャート、ま
た、図3は計量工程における従来と同様の処理制御と並
行してPMC用CPU18により所定周期τ毎に繰り返
し実行される計量異常検出処理の要部を示すフローチャ
ートである。
【0031】まず、射出成形機本体に配備された操作盤
からの成形作業開始指令を受けたPMC用CPU18
は、電流自乗値積算記憶レジスタΣの値を0に初期化し
(ステップG1)、サイクルタイム計測タイマTcをリ
スタートさせて型閉じ動作開始後の経過時間の計測を開
始し(ステップG2)、CNC用CPU25との協調動
作により、従来と同様にして、型閉じ,射出,保圧の各
工程を射出成形機に実行させる(ステップG3〜ステッ
プG5)。次いで、PMC用CPU18は、CNC用C
PU25に計量工程の駆動制御を開始させると共に、C
NC用CPU25からの計量完了信号が入力されるまで
の間、図3に示す計量異常検出処理を所定周期τ毎に繰
り返し実行する(ステップG6)。CNC用CPU25
による計量工程の駆動制御は、不揮発性メモリ24に設
定記憶された計量条件、即ち、スクリュー回転数切替位
置や各スクリュー回転数切替位置毎の設定スクリュー回
転数および設定背圧等に基いて従来と同様にして行われ
るものであり、ここでは特に説明しない。
からの成形作業開始指令を受けたPMC用CPU18
は、電流自乗値積算記憶レジスタΣの値を0に初期化し
(ステップG1)、サイクルタイム計測タイマTcをリ
スタートさせて型閉じ動作開始後の経過時間の計測を開
始し(ステップG2)、CNC用CPU25との協調動
作により、従来と同様にして、型閉じ,射出,保圧の各
工程を射出成形機に実行させる(ステップG3〜ステッ
プG5)。次いで、PMC用CPU18は、CNC用C
PU25に計量工程の駆動制御を開始させると共に、C
NC用CPU25からの計量完了信号が入力されるまで
の間、図3に示す計量異常検出処理を所定周期τ毎に繰
り返し実行する(ステップG6)。CNC用CPU25
による計量工程の駆動制御は、不揮発性メモリ24に設
定記憶された計量条件、即ち、スクリュー回転数切替位
置や各スクリュー回転数切替位置毎の設定スクリュー回
転数および設定背圧等に基いて従来と同様にして行われ
るものであり、ここでは特に説明しない。
【0032】そこで、所定周期毎の計量異常検出処理を
開始したPMC用CPU18は、まず、メモリ19の現
在位置記憶レジスタおよび駆動電流記憶レジスタからス
クリュー2の現在位置Xとスクリュー回転用サーボモー
タM2の駆動電流現在値Iとを読み込み(ステップS
1,ステップS2)、駆動電流現在値Iを自乗した値を
電流自乗値積算記憶レジスタΣに加算記憶すると共に
(ステップS3)、駆動電流現在値Iに所定の計数を乗
じることによりスクリュー2に現時点で作用している回
転トルクの値Tを求め(ステップS4)、アドレス検索
指標iの値を0に初期化する(ステップS5)。
開始したPMC用CPU18は、まず、メモリ19の現
在位置記憶レジスタおよび駆動電流記憶レジスタからス
クリュー2の現在位置Xとスクリュー回転用サーボモー
タM2の駆動電流現在値Iとを読み込み(ステップS
1,ステップS2)、駆動電流現在値Iを自乗した値を
電流自乗値積算記憶レジスタΣに加算記憶すると共に
(ステップS3)、駆動電流現在値Iに所定の計数を乗
じることによりスクリュー2に現時点で作用している回
転トルクの値Tを求め(ステップS4)、アドレス検索
指標iの値を0に初期化する(ステップS5)。
【0033】次いで、PMC用CPU18はアドレス検
索指標iの値を順次インクリメントし、許容値記憶ファ
イルの第iおよび第i+1アドレスにアクセスして、ス
クリュー現在位置Xに対応するスクリュー回転力の上限
許容範囲と下限許容範囲とを記憶したアドレスiを検出
し(ステップS6,ステップS7)、スクリュー2に現
時点で作用している回転トルクTが下限許容範囲LI と
上限許容範囲UI との間に含まれているか否かを判別す
る(ステップS8)。
索指標iの値を順次インクリメントし、許容値記憶ファ
イルの第iおよび第i+1アドレスにアクセスして、ス
クリュー現在位置Xに対応するスクリュー回転力の上限
許容範囲と下限許容範囲とを記憶したアドレスiを検出
し(ステップS6,ステップS7)、スクリュー2に現
時点で作用している回転トルクTが下限許容範囲LI と
上限許容範囲UI との間に含まれているか否かを判別す
る(ステップS8)。
【0034】そして、回転トルクTが下限許容範囲LI
と上限許容範囲UI との間に含まれていれば計量および
可塑化異常なしと見做して当該処理周期の計量異常検出
処理を終了する一方、回転トルクTが下限許容範囲LI
や上限許容範囲UI から外れていれば計量または可塑化
異常が発生したものとして、ディスプレイ付手動データ
入力装置29のディスプレイ画面にアラームメッセージ
を表示し、もしくは、射出成形機の駆動を停止させる
(ステップS9)。
と上限許容範囲UI との間に含まれていれば計量および
可塑化異常なしと見做して当該処理周期の計量異常検出
処理を終了する一方、回転トルクTが下限許容範囲LI
や上限許容範囲UI から外れていれば計量または可塑化
異常が発生したものとして、ディスプレイ付手動データ
入力装置29のディスプレイ画面にアラームメッセージ
を表示し、もしくは、射出成形機の駆動を停止させる
(ステップS9)。
【0035】射出シリンダ1の加熱不足や異物の混入等
は回転トルクTが上限許容範囲UIを上回ることによっ
て検出され、また、樹脂の供給不足等は回転トルクTが
下限許容範囲LI を下回ることによって検出される。ま
た、上限許容範囲UI は材料力学的に算出したスクリュ
ー破断トルク以下の値に設定されているので、例えどの
様な場合であっても、スクリュー2に作用する過大な回
転力の発生が看過されることはない。
は回転トルクTが上限許容範囲UIを上回ることによっ
て検出され、また、樹脂の供給不足等は回転トルクTが
下限許容範囲LI を下回ることによって検出される。ま
た、上限許容範囲UI は材料力学的に算出したスクリュ
ー破断トルク以下の値に設定されているので、例えどの
様な場合であっても、スクリュー2に作用する過大な回
転力の発生が看過されることはない。
【0036】以下、計量工程が完了するまでの間、PM
C用CPU18は所定周期τ毎に前述の量異常検出処理
を繰り返し実行し、スクリュー現在位置Xに応じた上限
許容範囲UI および下限許容範囲LI に基いて計量また
は可塑化異常の有無を判定すると共に、所定周期τ毎に
検出される瞬間駆動電流現在値I(数1,数3〜数6の
各式におけるII に対応)を自乗した値を電流自乗値積
算記憶レジスタΣに加算記憶することにより、消費電力
量W,平均消費電力Q,平均駆動電流I等を求めるため
に必要とされる値を更新してゆく。
C用CPU18は所定周期τ毎に前述の量異常検出処理
を繰り返し実行し、スクリュー現在位置Xに応じた上限
許容範囲UI および下限許容範囲LI に基いて計量また
は可塑化異常の有無を判定すると共に、所定周期τ毎に
検出される瞬間駆動電流現在値I(数1,数3〜数6の
各式におけるII に対応)を自乗した値を電流自乗値積
算記憶レジスタΣに加算記憶することにより、消費電力
量W,平均消費電力Q,平均駆動電流I等を求めるため
に必要とされる値を更新してゆく。
【0037】そして、スクリュー2が計量完了位置Q2
まで後退してCNC用CPU25から計量完了信号が入
力されると、PMC用CPU18は、計量工程の駆動制
御、および、量異常検出処理の繰り返しを終了して、従
来と同様に、型開き,製品突き出しの各工程を射出成形
機に実行させる(ステップG7,ステップG8)。
まで後退してCNC用CPU25から計量完了信号が入
力されると、PMC用CPU18は、計量工程の駆動制
御、および、量異常検出処理の繰り返しを終了して、従
来と同様に、型開き,製品突き出しの各工程を射出成形
機に実行させる(ステップG7,ステップG8)。
【0038】次いで、PMC用CPU18は、サイクル
タイム計測タイマの現在値、即ち、当該成形サイクルに
おける型閉じ動作開始後の経過時間Tc の値を読み込み
(ステップG9)、不揮発性メモリ24に記憶されてい
るスクリュー回転用サーボモータM2の巻線抵抗Rの値
と処理周期τの値および電流自乗値積算記憶レジスタΣ
の現在値とに基いて数1の式に対応する演算処理を行う
ことにより、当該1成形サイクルの計量動作中にスクリ
ュー回転用サーボモータM2によって消費された電力量
Wの値を求め、かつ、電力量Wの値と経過時間Tc の値
とに基いて数2の式に対応する演算処理を行って経過時
間Tc に対する平均消費電力Qを求めて、電力量Wおよ
び平均消費電力Qの値をディスプレイ付手動データ入力
装置29のディスプレイ画面に表示し、オペレータに知
らせる(ステップG10)。
タイム計測タイマの現在値、即ち、当該成形サイクルに
おける型閉じ動作開始後の経過時間Tc の値を読み込み
(ステップG9)、不揮発性メモリ24に記憶されてい
るスクリュー回転用サーボモータM2の巻線抵抗Rの値
と処理周期τの値および電流自乗値積算記憶レジスタΣ
の現在値とに基いて数1の式に対応する演算処理を行う
ことにより、当該1成形サイクルの計量動作中にスクリ
ュー回転用サーボモータM2によって消費された電力量
Wの値を求め、かつ、電力量Wの値と経過時間Tc の値
とに基いて数2の式に対応する演算処理を行って経過時
間Tc に対する平均消費電力Qを求めて、電力量Wおよ
び平均消費電力Qの値をディスプレイ付手動データ入力
装置29のディスプレイ画面に表示し、オペレータに知
らせる(ステップG10)。
【0039】次いで、PMC用CPU18は、τ,Σ,
Tcの各値に基いて数3の式に対応する演算処理を行う
ことにより経過時間Tcに対する平均駆動電流の値を求
めて不揮発性メモリ24に記憶されているスクリュー回
転用サーボモータM2の連続定格電流値Arat と比較す
ることにより、このまま次の成形サイクルを開始した場
合にスクリュー回転用サーボモータM2にオーバーヒー
トが生じる恐れがあるか否かを判定する(ステップG1
1)。経過時間Tc に対する平均駆動電流の値がスクリ
ュー回転用サーボモータM2の連続定格電流値Arat よ
りも小さくスクリュー回転用サーボモータM2にオーバ
ーヒートが生じる恐れがなければ、PMC用CPU18
は、当該成形サイクルにおけるシーケンス制御をすべて
終了し、以下、操作盤からの成形作業停止指令が入力さ
れるまでの間、前記のシーケンス制御を繰り返し実行す
ることとなる。
Tcの各値に基いて数3の式に対応する演算処理を行う
ことにより経過時間Tcに対する平均駆動電流の値を求
めて不揮発性メモリ24に記憶されているスクリュー回
転用サーボモータM2の連続定格電流値Arat と比較す
ることにより、このまま次の成形サイクルを開始した場
合にスクリュー回転用サーボモータM2にオーバーヒー
トが生じる恐れがあるか否かを判定する(ステップG1
1)。経過時間Tc に対する平均駆動電流の値がスクリ
ュー回転用サーボモータM2の連続定格電流値Arat よ
りも小さくスクリュー回転用サーボモータM2にオーバ
ーヒートが生じる恐れがなければ、PMC用CPU18
は、当該成形サイクルにおけるシーケンス制御をすべて
終了し、以下、操作盤からの成形作業停止指令が入力さ
れるまでの間、前記のシーケンス制御を繰り返し実行す
ることとなる。
【0040】しかし、経過時間Tc に対する平均駆動電
流の値がスクリュー回転用サーボモータM2の連続定格
電流値Arat よりも大きくステップG11の判別結果が
偽となった場合、即ち、実質的にオーバーヒート予測信
号が出力された場合には、このまま次の成形サイクルを
開始するとスクリュー回転用サーボモータM2にオーバ
ーヒートを生じる恐れがある。この場合、PMC用CP
U18は、τ,Σ,Arat の各値に基いて数6の式に対
応する演算処理を行うことによりオーバーヒートを未然
に防止するために必要とされる所要サイクルタイムTad
d の値を求める(ステップG12)。そして、サイクル
タイム計測タイマTcの現在値、即ち、当該成形サイク
ルにおける型閉じ動作開始後の経過時間Tc の値がTad
d に達するまで待機することにより、所要サイクルタイ
ムTadd に対する平均駆動電流の値を連続定格電流値A
rat よりも引き下げて数5の式が満たされるようにし、
スクリュー回転用サーボモータM2のオーバーヒートを
防止して次の成形サイクルを開始するようにする(ステ
ップG13,ステップG14)。
流の値がスクリュー回転用サーボモータM2の連続定格
電流値Arat よりも大きくステップG11の判別結果が
偽となった場合、即ち、実質的にオーバーヒート予測信
号が出力された場合には、このまま次の成形サイクルを
開始するとスクリュー回転用サーボモータM2にオーバ
ーヒートを生じる恐れがある。この場合、PMC用CP
U18は、τ,Σ,Arat の各値に基いて数6の式に対
応する演算処理を行うことによりオーバーヒートを未然
に防止するために必要とされる所要サイクルタイムTad
d の値を求める(ステップG12)。そして、サイクル
タイム計測タイマTcの現在値、即ち、当該成形サイク
ルにおける型閉じ動作開始後の経過時間Tc の値がTad
d に達するまで待機することにより、所要サイクルタイ
ムTadd に対する平均駆動電流の値を連続定格電流値A
rat よりも引き下げて数5の式が満たされるようにし、
スクリュー回転用サーボモータM2のオーバーヒートを
防止して次の成形サイクルを開始するようにする(ステ
ップG13,ステップG14)。
【0041】本実施例では、型閉じ動作開始から成形品
の突き出し完了に至る経過時間Tcを基準成形サイクル
時間として平均駆動電流の値を求め、この時点における
平均駆動電流の値が連続定格電流値Arat を越えると、
成形サイクルの所要時間を更に〔Tadd −Tc〕だけ延
長することによりスクリュー回転用サーボモータM2の
オーバーヒートを未然に防止するようにしているが、待
機時間の設定により金型の熱平衡等に支障が生じる恐れ
がある場合や成形サイクルの延長が望ましくないような
場合には、前述のステップG12〜ステップG14の処
理を非実行とし、代わりにディスプレイ付手動データ入
力装置29のディスプレイ画面にアラームメッセージ等
を表示するようにしてもよい。
の突き出し完了に至る経過時間Tcを基準成形サイクル
時間として平均駆動電流の値を求め、この時点における
平均駆動電流の値が連続定格電流値Arat を越えると、
成形サイクルの所要時間を更に〔Tadd −Tc〕だけ延
長することによりスクリュー回転用サーボモータM2の
オーバーヒートを未然に防止するようにしているが、待
機時間の設定により金型の熱平衡等に支障が生じる恐れ
がある場合や成形サイクルの延長が望ましくないような
場合には、前述のステップG12〜ステップG14の処
理を非実行とし、代わりにディスプレイ付手動データ入
力装置29のディスプレイ画面にアラームメッセージ等
を表示するようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、計量に使用される電力
や電力量を知ることができるので、可塑化状態をこの電
力や電力量によって判断することができる。又、成形に
必要とされる電力コストの予想を容易に行うことがで
き、しかも、計量に使用される電力や電力量のみを他の
電力や電力量と区別して検出することができるため、計
量条件の最適化により合理的な成形作業を行うことがで
きる。
や電力量を知ることができるので、可塑化状態をこの電
力や電力量によって判断することができる。又、成形に
必要とされる電力コストの予想を容易に行うことがで
き、しかも、計量に使用される電力や電力量のみを他の
電力や電力量と区別して検出することができるため、計
量条件の最適化により合理的な成形作業を行うことがで
きる。
【図1】本発明による可塑化の管理方法を適用した一実
施例の射出成形機の要部を示すブロック図である。
施例の射出成形機の要部を示すブロック図である。
【図2】同実施例の射出成形機の制御装置によるシーケ
ンス処理の流れを全体的に示すフローチャートである。
ンス処理の流れを全体的に示すフローチャートである。
【図3】同実施例の制御装置による計量異常検出処理の
要部を示すフローチャートである。
要部を示すフローチャートである。
【図4】基準スクリュー回転力および計量異常検出のた
めの許容範囲の設定方法について概念的に説明する図で
ある。
めの許容範囲の設定方法について概念的に説明する図で
ある。
【図5】同実施例の制御装置に設けられた許容値記憶フ
ァイルの構成を示す概念図である。
ァイルの構成を示す概念図である。
1 射出シリンダ 2 スクリュー 10 制御装置 18 PMC用CPU 22 バス 24 不揮発性メモリ 29 ディスプレイ付手動データ入力装置 M2 スクリュー回転用サーボモータ
Claims (1)
- 【請求項1】 スクリューを回転させるモータの駆動電
流を検出し、1成形サイクルにおける消費電力量または
平均消費電力を求めて可視表示するようにした射出成形
機における可塑化の管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001215289A JP2002028958A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | 射出成形機における可塑化の管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001215289A JP2002028958A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | 射出成形機における可塑化の管理方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20198993A Division JP3670302B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 射出成形機における可塑化の管理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002028958A true JP2002028958A (ja) | 2002-01-29 |
Family
ID=19049960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001215289A Pending JP2002028958A (ja) | 2001-07-16 | 2001-07-16 | 射出成形機における可塑化の管理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002028958A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012091424A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 射出成形機 |
-
2001
- 2001-07-16 JP JP2001215289A patent/JP2002028958A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012091424A (ja) * | 2010-10-27 | 2012-05-17 | Sumitomo Heavy Ind Ltd | 射出成形機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040817 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041214 |