JP2002028820A - 歯車研削装置 - Google Patents
歯車研削装置Info
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- JP2002028820A JP2002028820A JP2000214903A JP2000214903A JP2002028820A JP 2002028820 A JP2002028820 A JP 2002028820A JP 2000214903 A JP2000214903 A JP 2000214903A JP 2000214903 A JP2000214903 A JP 2000214903A JP 2002028820 A JP2002028820 A JP 2002028820A
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- gear
- grinding wheel
- grindstone
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- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
- Grinding-Machine Dressing And Accessory Apparatuses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 砥石の状態を定量的に検出して確実にドレス
時期を判定することができる歯車研削装置を提供する。 【解決手段】 砥石27の回転位置を計測するために砥
石ホルダ28に設けられた用エンコーダ65と、ドライ
ブギア44の回転位置を計測するエンコーダ53と、被
加工歯車の回転位置を計測するエンコーダ37と、ドラ
イブギアのエンコーダ53と被加工歯車のエンコーダ3
7の信号から、ドライブギアと被加工歯車との同期精度
を算出すると共に、砥石ホルダのエンコーダ65からの
信号と被加工歯車のエンコーダ37の信号から、砥石と
被加工歯車との同期精度を算出して、2つの同期精度の
差を算出し、この差が所定のしきい値を越えたときに石
のドレス時期であることを報知するコントローラ80と
を有することを特徴とする歯車研削装置。
時期を判定することができる歯車研削装置を提供する。 【解決手段】 砥石27の回転位置を計測するために砥
石ホルダ28に設けられた用エンコーダ65と、ドライ
ブギア44の回転位置を計測するエンコーダ53と、被
加工歯車の回転位置を計測するエンコーダ37と、ドラ
イブギアのエンコーダ53と被加工歯車のエンコーダ3
7の信号から、ドライブギアと被加工歯車との同期精度
を算出すると共に、砥石ホルダのエンコーダ65からの
信号と被加工歯車のエンコーダ37の信号から、砥石と
被加工歯車との同期精度を算出して、2つの同期精度の
差を算出し、この差が所定のしきい値を越えたときに石
のドレス時期であることを報知するコントローラ80と
を有することを特徴とする歯車研削装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車研削装置に関
し、詳しくは、歯車研削装置の砥石のドレス時期を判定
することができる歯車研削装置、および砥石ドレス時期
の判定方法ならびに歯車研削装置の駆動ギアの調整方法
に関する。
し、詳しくは、歯車研削装置の砥石のドレス時期を判定
することができる歯車研削装置、および砥石ドレス時期
の判定方法ならびに歯車研削装置の駆動ギアの調整方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車の加工工程の一つに、砥石により歯
車の歯を削り出して行く工程がある。このような工程に
用いられる従来の装置としては、例えば特許第2665
8591号や特開平11−320253号公報に開示さ
れているように、基本的には、内歯車形状の砥石に被加
工歯車(ワーク)を押し付けるようにして回転させるこ
とでワークの研削加工を行っている。
車の歯を削り出して行く工程がある。このような工程に
用いられる従来の装置としては、例えば特許第2665
8591号や特開平11−320253号公報に開示さ
れているように、基本的には、内歯車形状の砥石に被加
工歯車(ワーク)を押し付けるようにして回転させるこ
とでワークの研削加工を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、歯車研削装
置においては、ワークを研削加工するための砥石を適宜
ドレスすることにより切れ味のよい状態を保つ必要があ
る。このため、従来の歯車研削装置では、予め決められ
た回数や時間だけワークの研削加工を行った時点で、定
期的に砥石のドレスを行ったり、また、作業者が、砥石
の状態やワークの仕上がり具合を見て、そろそろドレス
が必要であると判断したときにドレスを行うようにして
いる。
置においては、ワークを研削加工するための砥石を適宜
ドレスすることにより切れ味のよい状態を保つ必要があ
る。このため、従来の歯車研削装置では、予め決められ
た回数や時間だけワークの研削加工を行った時点で、定
期的に砥石のドレスを行ったり、また、作業者が、砥石
の状態やワークの仕上がり具合を見て、そろそろドレス
が必要であると判断したときにドレスを行うようにして
いる。
【0004】しかしながら、このような定期的なドレス
や作業者による判断では、ときに、本当に砥石にドレス
が必要な時期に適切にドレスが行われないといった問題
があった。
や作業者による判断では、ときに、本当に砥石にドレス
が必要な時期に適切にドレスが行われないといった問題
があった。
【0005】また、従来の研削装置では、上記各公報に
記載されているようにチェーン(特許第2665859
1号)や複数の駆動ギア(特開平11−320253号
公報)によって砥石を回転させているため、砥石の回転
精度を保つのが難しいと言った問題もあった。
記載されているようにチェーン(特許第2665859
1号)や複数の駆動ギア(特開平11−320253号
公報)によって砥石を回転させているため、砥石の回転
精度を保つのが難しいと言った問題もあった。
【0006】そこで、本発明の目的は、砥石の状態を定
量的に検出することができて、砥石のドレス時期を確実
に判定することができる歯車研削装置を提供することで
ある。
量的に検出することができて、砥石のドレス時期を確実
に判定することができる歯車研削装置を提供することで
ある。
【0007】また、本発明の他の目的は、歯車研削装置
における砥石のドレス時期を確実にかつ自動的に判定す
るための砥石ドレス時期判定方法を提供することであ
る。
における砥石のドレス時期を確実にかつ自動的に判定す
るための砥石ドレス時期判定方法を提供することであ
る。
【0008】さらに、本発明の他の目的は、歯車研削装
置における駆動ギアの噛み合わせを容易に調整するため
の駆動ギアの調整方法を提供することである。
置における駆動ギアの噛み合わせを容易に調整するため
の駆動ギアの調整方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
る手段により達成される。
【0010】(1)被加工歯車に外挿される内歯車形状
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転さ
せる被加工歯車回転軸と、前記砥石ホルダの回転位置を
計測する砥石ホルダ用エンコーダと、前記ドライブギア
の回転位置を計測するドライブギア用エンコーダと、前
記被加工歯車回転軸の回転位置を計測する被加工歯車回
転軸用エンコーダと、前記ドライブギア用エンコーダか
らの信号と前記被加工歯車回転軸用エンコーダからの信
号から、前記ドライブギアと前記被加工歯車との同期精
度を第1の同期精度として算出すると共に、前記砥石ホ
ルダ用エンコーダからの信号と前記被加工歯車回転軸用
エンコーダからの信号から、前記砥石と前記被加工歯車
との同期精度を第2の同期精度として算出して、該第1
の同期精度と該第2の同期精度の差から前記砥石のドレ
ス時期を判定するドレス時期判定手段と、を有すること
を特徴とする歯車研削装置。
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転さ
せる被加工歯車回転軸と、前記砥石ホルダの回転位置を
計測する砥石ホルダ用エンコーダと、前記ドライブギア
の回転位置を計測するドライブギア用エンコーダと、前
記被加工歯車回転軸の回転位置を計測する被加工歯車回
転軸用エンコーダと、前記ドライブギア用エンコーダか
らの信号と前記被加工歯車回転軸用エンコーダからの信
号から、前記ドライブギアと前記被加工歯車との同期精
度を第1の同期精度として算出すると共に、前記砥石ホ
ルダ用エンコーダからの信号と前記被加工歯車回転軸用
エンコーダからの信号から、前記砥石と前記被加工歯車
との同期精度を第2の同期精度として算出して、該第1
の同期精度と該第2の同期精度の差から前記砥石のドレ
ス時期を判定するドレス時期判定手段と、を有すること
を特徴とする歯車研削装置。
【0011】(2)前記ドライブギアは第1のハウジン
グに収納され、前記砥石ホルダは第2のハウジングに収
納され、前記第1のハウジングが前記第2のハウジング
に対してスライド移動可能であり、かつ前記第1のハウ
ジングと前記第2のハウジングの接面が前記ドライブギ
アと前記砥石ホルダの中心軸間距離が変化するように傾
斜していることを特徴とする。
グに収納され、前記砥石ホルダは第2のハウジングに収
納され、前記第1のハウジングが前記第2のハウジング
に対してスライド移動可能であり、かつ前記第1のハウ
ジングと前記第2のハウジングの接面が前記ドライブギ
アと前記砥石ホルダの中心軸間距離が変化するように傾
斜していることを特徴とする。
【0012】(3)被加工歯車に外挿される内歯車形状
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転さ
せる被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置におけ
る前記砥石のドレス時期を判定するための方法であっ
て、前記砥石ホルダの回転位置、前記ドライブギアの回
転位置、および前記被加工歯車回転軸の回転位置をそれ
ぞれ計測し、前記ドライブギアの回転位置と前記被加工
歯車回転軸の回転位置とから、前記ドライブギアと前記
被加工歯車との第1の同期精度を算出すると共に、前記
砥石ホルダの回転位置と前記被加工歯車回転軸の回転位
置とから、前記砥石と前記被加工歯車との第2の同期精
度を算出して、該第1の同期精度と該第2の同期精度の
差から前記砥石のドレス時期を判定することを特徴とす
る歯車研削装置の砥石ドレス時期判定方法。
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転さ
せる被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置におけ
る前記砥石のドレス時期を判定するための方法であっ
て、前記砥石ホルダの回転位置、前記ドライブギアの回
転位置、および前記被加工歯車回転軸の回転位置をそれ
ぞれ計測し、前記ドライブギアの回転位置と前記被加工
歯車回転軸の回転位置とから、前記ドライブギアと前記
被加工歯車との第1の同期精度を算出すると共に、前記
砥石ホルダの回転位置と前記被加工歯車回転軸の回転位
置とから、前記砥石と前記被加工歯車との第2の同期精
度を算出して、該第1の同期精度と該第2の同期精度の
差から前記砥石のドレス時期を判定することを特徴とす
る歯車研削装置の砥石ドレス時期判定方法。
【0013】(4)被加工歯車に外挿される内歯車形状
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車回転を回
転させる被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置に
おける前記ドライブギアと前記ドリブンギアの噛み合わ
せ位置を調整するための砥石駆動ギア調整方法であっ
て、前記ドライブギアの回転位置と前記砥石ホルダの回
転位置をそれぞれ計測して、該計測されたドライブギア
の回転位置と砥石ホルダの回転位置の差が予め決められ
た範囲内になるように、前記ドライブギアと前記ドリブ
ンギアと軸間距離を変更することを特徴とする歯車研削
装置の砥石駆動ギア調整方法。
の砥石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周に
ドリブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブン
ギアと噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動さ
れることにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギ
ヤと、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータに
より前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車回転を回
転させる被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置に
おける前記ドライブギアと前記ドリブンギアの噛み合わ
せ位置を調整するための砥石駆動ギア調整方法であっ
て、前記ドライブギアの回転位置と前記砥石ホルダの回
転位置をそれぞれ計測して、該計測されたドライブギア
の回転位置と砥石ホルダの回転位置の差が予め決められ
た範囲内になるように、前記ドライブギアと前記ドリブ
ンギアと軸間距離を変更することを特徴とする歯車研削
装置の砥石駆動ギア調整方法。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、請求項ごとに以下のよ
うな効果を奏する。
うな効果を奏する。
【0015】請求項1記載の本発明によれば、ドライブ
ギアと被加工歯車との間の第1の同期精度と、砥石と被
加工歯車との間の第2の同期精度をそれぞれ算出して、
この第1の同期精度と第2の同期精度の差から砥石のド
レス時期を判定することとしたので、砥石が磨耗してそ
の研削能力が低下した場合に、第1の同期精度が悪化す
るため、第1の同期精度と第2の同期精度の差が大きく
なり、この差から砥石のドレス時期を定量的に、かつ自
動的に判定することができるようになる。
ギアと被加工歯車との間の第1の同期精度と、砥石と被
加工歯車との間の第2の同期精度をそれぞれ算出して、
この第1の同期精度と第2の同期精度の差から砥石のド
レス時期を判定することとしたので、砥石が磨耗してそ
の研削能力が低下した場合に、第1の同期精度が悪化す
るため、第1の同期精度と第2の同期精度の差が大きく
なり、この差から砥石のドレス時期を定量的に、かつ自
動的に判定することができるようになる。
【0016】請求項2記載の本発明によれば、ドライブ
ギアを収納した第1のハウジングと砥石ホルダを収納し
た第2のハウジングが互いにスライド移動可能で、その
接面がドライブギアの中心軸と砥石ホルダの中心軸との
間の距離が変化するように傾斜させているので、この傾
斜によって、第1のハウジングを第2のハウジングに対
してスライドさせるだけで、砥石ホルダ外周に設けられ
ているドリブンギアとドライブギアとの噛み合わせ量を
簡単に変えることができ、ドリブンギアとドライブギア
のバックラッシュを容易に調整することができる。
ギアを収納した第1のハウジングと砥石ホルダを収納し
た第2のハウジングが互いにスライド移動可能で、その
接面がドライブギアの中心軸と砥石ホルダの中心軸との
間の距離が変化するように傾斜させているので、この傾
斜によって、第1のハウジングを第2のハウジングに対
してスライドさせるだけで、砥石ホルダ外周に設けられ
ているドリブンギアとドライブギアとの噛み合わせ量を
簡単に変えることができ、ドリブンギアとドライブギア
のバックラッシュを容易に調整することができる。
【0017】請求項3記載の本発明によれば、ドライブ
ギアと被加工歯車との間の第1の同期精度と、砥石と被
加工歯車との間の第2の同期精度をそれぞれ算出して、
この第1の同期精度と第2の同期精度の差から砥石のド
レス時期を判定することとしたので、砥石が磨耗してそ
の研削能力が低下した場合、第1の同期精度が悪化する
ため、第1の同期精度と第2の同期精度の差が大きくな
り、砥石のドレス時期を適確に、かつ自動的に判定する
ことができるようになる。
ギアと被加工歯車との間の第1の同期精度と、砥石と被
加工歯車との間の第2の同期精度をそれぞれ算出して、
この第1の同期精度と第2の同期精度の差から砥石のド
レス時期を判定することとしたので、砥石が磨耗してそ
の研削能力が低下した場合、第1の同期精度が悪化する
ため、第1の同期精度と第2の同期精度の差が大きくな
り、砥石のドレス時期を適確に、かつ自動的に判定する
ことができるようになる。
【0018】請求項4記載の本発明によれば、ドライブ
ギアの回転位置と砥石ホルダの回転位置をそれぞれ計測
して、計測されたドライブギアの回転位置と砥石ホルダ
の回転位置の差が予め決められた範囲内になるように、
ドライブギアとドリブンギアの軸間距離を変更すること
としたので、ドライブギアとドリブンギアとのバックラ
ッシュを適正に調整することができる。
ギアの回転位置と砥石ホルダの回転位置をそれぞれ計測
して、計測されたドライブギアの回転位置と砥石ホルダ
の回転位置の差が予め決められた範囲内になるように、
ドライブギアとドリブンギアの軸間距離を変更すること
としたので、ドライブギアとドリブンギアとのバックラ
ッシュを適正に調整することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の一実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態を説明する。
【0020】図1、本発明を適用した歯車研削装置の概
略構成を示す図面であり、図2は、この歯車研削装置に
おける砥石と被加工歯車を示す図面であり、図3は、こ
の歯車研削装置におけるヘッドストックの要部水平断面
図であり、図4は、この歯車研削装置における砥石台部
分の断面図であり、図5は同じく砥石台部分の側面図で
あり、図6は、この歯車研削装置の制御系の構成を示す
ブロック図である。
略構成を示す図面であり、図2は、この歯車研削装置に
おける砥石と被加工歯車を示す図面であり、図3は、こ
の歯車研削装置におけるヘッドストックの要部水平断面
図であり、図4は、この歯車研削装置における砥石台部
分の断面図であり、図5は同じく砥石台部分の側面図で
あり、図6は、この歯車研削装置の制御系の構成を示す
ブロック図である。
【0021】まず、図1および図2を参照して、この歯
車研削装置の概略を説明する。被加工歯車(ワークと称
する)1は、ヘッドストック21側のヘッドセンタ22
にチャックされており、さらに、テールストック24側
のテールセンタ25で支持された上で被加工歯車回転軸
駆動モータ(C軸モータ)26によって回転駆動され
る。
車研削装置の概略を説明する。被加工歯車(ワークと称
する)1は、ヘッドストック21側のヘッドセンタ22
にチャックされており、さらに、テールストック24側
のテールセンタ25で支持された上で被加工歯車回転軸
駆動モータ(C軸モータ)26によって回転駆動され
る。
【0022】一方、ワーク1の外周には、図2に示すよ
うに、このワーク1に外挿される内歯車形状の砥石27
が配置されており、砥石27は砥石ホルダ28に支持さ
れるかたちで配設されていて、砥石ホルダ28はベアリ
ング41(図4参照)を介して砥石ハウジング(第2の
ハウジング)29(図4参照)に回転可能に支持されて
いる。砥石ハウジング29は図示外のスライドベースと
ともに砥石台30を構成していて、この砥石台30には
ワーク軸心と略直交する方向(矢印A方向)の切り込み
送りと矢印Bで示すオシレート方向(ワーク軸心方向)
の送りが付与されるようになっている。そして、砥石ホ
ルダ28の回転と共に、ワーク1を同期回転させること
で、ワーク1の研削加工を行っている。また、同様にし
て、ワークの代わりにドレス刃を取り付けて、砥石のド
レスが行われる。
うに、このワーク1に外挿される内歯車形状の砥石27
が配置されており、砥石27は砥石ホルダ28に支持さ
れるかたちで配設されていて、砥石ホルダ28はベアリ
ング41(図4参照)を介して砥石ハウジング(第2の
ハウジング)29(図4参照)に回転可能に支持されて
いる。砥石ハウジング29は図示外のスライドベースと
ともに砥石台30を構成していて、この砥石台30には
ワーク軸心と略直交する方向(矢印A方向)の切り込み
送りと矢印Bで示すオシレート方向(ワーク軸心方向)
の送りが付与されるようになっている。そして、砥石ホ
ルダ28の回転と共に、ワーク1を同期回転させること
で、ワーク1の研削加工を行っている。また、同様にし
て、ワークの代わりにドレス刃を取り付けて、砥石のド
レスが行われる。
【0023】ヘッドストック21は、図3に示すよう
に、ベアリング31を介してスピンドル(主軸)32が
回転可能に支持されているとともに、このスピンドル3
2の先端にはワーク1を支持するためのヘッドセンタ2
2と油圧チャック23が設けられている。スピンドル3
2の後端にはドリブンギヤ(はすば歯車)33が装着さ
れている。また、ヘッドセンタ21に装着されたC軸モ
ータ26の出力軸34には、ドリブンギヤ33と噛み合
いつつこれよりも大径のドライブギヤ35が固定されて
いる。また、ドライブギヤ35には、ダイナミックダン
パー(イナーシャダンパー)36が同軸一体に固定され
ている。したがって、C軸モータ26の起動により歯車
列35および33を介してスピンドル32が回転される
ようになっている。
に、ベアリング31を介してスピンドル(主軸)32が
回転可能に支持されているとともに、このスピンドル3
2の先端にはワーク1を支持するためのヘッドセンタ2
2と油圧チャック23が設けられている。スピンドル3
2の後端にはドリブンギヤ(はすば歯車)33が装着さ
れている。また、ヘッドセンタ21に装着されたC軸モ
ータ26の出力軸34には、ドリブンギヤ33と噛み合
いつつこれよりも大径のドライブギヤ35が固定されて
いる。また、ドライブギヤ35には、ダイナミックダン
パー(イナーシャダンパー)36が同軸一体に固定され
ている。したがって、C軸モータ26の起動により歯車
列35および33を介してスピンドル32が回転される
ようになっている。
【0024】スピンドル32の後端にはC軸用ロータリ
ーエンコーダ37の入力軸が固定されており、このロー
タリーエンコーダ37によってワーク1の回転位置が計
測される。
ーエンコーダ37の入力軸が固定されており、このロー
タリーエンコーダ37によってワーク1の回転位置が計
測される。
【0025】C軸モータ26は、モータベース38を介
してヘッドストック21に固定されていて、ヘッドスト
ック21にはモータベース38と隣接するようにしてア
ジャスタブロック39が設けられている。このアジャス
タブロック39にはアジャストボルト(不図示)が設け
られていて、アジャストボルトの回転操作によりヘッド
ストック21に対するC軸モータ26の位置が調整可能
となっている。すなわち、上記アジャストボルトの操作
によりC軸モータ26の位置をスピンドル32に対して
接近離間する方向に調整することができ、ドライブギヤ
35とドリブンギヤ33との噛み合い部におけるバック
ラッシュを調整することができるようになっている。
してヘッドストック21に固定されていて、ヘッドスト
ック21にはモータベース38と隣接するようにしてア
ジャスタブロック39が設けられている。このアジャス
タブロック39にはアジャストボルト(不図示)が設け
られていて、アジャストボルトの回転操作によりヘッド
ストック21に対するC軸モータ26の位置が調整可能
となっている。すなわち、上記アジャストボルトの操作
によりC軸モータ26の位置をスピンドル32に対して
接近離間する方向に調整することができ、ドライブギヤ
35とドリブンギヤ33との噛み合い部におけるバック
ラッシュを調整することができるようになっている。
【0026】一方、砥石台30は、図4および図5に示
すように、砥石ハウジング29とドライブギアハウジン
グ(第1のハウジング)49により構成されている。砥
石ハウジング29には、ベアリング41を介して砥石ホ
ルダ28が回転可能に支持されており、この砥石ホルダ
28の内周に内歯車形状の砥石27(図2参照)が締付
リング(不図示)にて固定される。そして、砥石ホルダ
28の外周面にはこれと一体にドリブンギヤ(はすば歯
車または平歯車)42が形成されている。
すように、砥石ハウジング29とドライブギアハウジン
グ(第1のハウジング)49により構成されている。砥
石ハウジング29には、ベアリング41を介して砥石ホ
ルダ28が回転可能に支持されており、この砥石ホルダ
28の内周に内歯車形状の砥石27(図2参照)が締付
リング(不図示)にて固定される。そして、砥石ホルダ
28の外周面にはこれと一体にドリブンギヤ(はすば歯
車または平歯車)42が形成されている。
【0027】ドライブギアハウジング49は、砥石ハウ
ジング29の上部に取り付けられており、その側面には
砥石駆動モータ(S軸モータ)43が固定されていて、
このS軸モータ43の出力軸43aにはドライブギヤ
(はすば歯車または平歯車)44が固定されていて、こ
のドライブギヤ44とドリブンギヤ42とが直接相互に
噛み合っている。
ジング29の上部に取り付けられており、その側面には
砥石駆動モータ(S軸モータ)43が固定されていて、
このS軸モータ43の出力軸43aにはドライブギヤ
(はすば歯車または平歯車)44が固定されていて、こ
のドライブギヤ44とドリブンギヤ42とが直接相互に
噛み合っている。
【0028】砥石ハウジング29とドライブギアハウジ
ング49は、互いの接面61が傾斜(図示右肩上がり)
しており、砥石ハウジング29はこの接面61部分で、
ドライブギアハウジング49に対しスライド移動可能と
なっていて、ドライブギアハウジング49をスライド移
動させることで、砥石ホルダ28の中心軸とドライブギ
ア44の中心軸との間の距離を変更することができる。
すなわちドライブギア44とドリブンギア42の噛み合
わせのバックラッシュを、ドライブギアハウジング49
をスライドさせることで容易に調整することができる。
ング49は、互いの接面61が傾斜(図示右肩上がり)
しており、砥石ハウジング29はこの接面61部分で、
ドライブギアハウジング49に対しスライド移動可能と
なっていて、ドライブギアハウジング49をスライド移
動させることで、砥石ホルダ28の中心軸とドライブギ
ア44の中心軸との間の距離を変更することができる。
すなわちドライブギア44とドリブンギア42の噛み合
わせのバックラッシュを、ドライブギアハウジング49
をスライドさせることで容易に調整することができる。
【0029】なお、ドライブギアハウジング49は、ス
ペーサ46とボルト47よりなる締結部材48によって
砥石ハウジングウジング29に固定することができ、こ
の締結部材48を緩めることでスライド移動が可能とな
っている。
ペーサ46とボルト47よりなる締結部材48によって
砥石ハウジングウジング29に固定することができ、こ
の締結部材48を緩めることでスライド移動が可能とな
っている。
【0030】ドライブギア44と、S軸モータ43の出
力軸43aとは、ボルトによる締結部材51によって接
続されており、ドライブギア44の回転軸上のS軸モー
タ43と対向する位置には、ドライブギア44の回転位
置を計測するドライブギア用ロータリエンコーダ53が
設けられている。
力軸43aとは、ボルトによる締結部材51によって接
続されており、ドライブギア44の回転軸上のS軸モー
タ43と対向する位置には、ドライブギア44の回転位
置を計測するドライブギア用ロータリエンコーダ53が
設けられている。
【0031】また、砥石ホルダ28の側面には、スリッ
トまたは溝が刻まれた回転位置計測盤63が全周に沿っ
て設けられており、このスリットまたは溝をカウントす
るための光学式センサ64が砥石ハウジング29に取り
付けられていて、回転位置計測盤63のスリットまたは
溝を光学式センサ64が検知することにより砥石ホルダ
28の回転位置を計測している。したがって、この回転
位置計測盤63と光学式センサ64により砥石ホルダ2
8の回転位置を計測するためのエンコーダ65が構成さ
れている。
トまたは溝が刻まれた回転位置計測盤63が全周に沿っ
て設けられており、このスリットまたは溝をカウントす
るための光学式センサ64が砥石ハウジング29に取り
付けられていて、回転位置計測盤63のスリットまたは
溝を光学式センサ64が検知することにより砥石ホルダ
28の回転位置を計測している。したがって、この回転
位置計測盤63と光学式センサ64により砥石ホルダ2
8の回転位置を計測するためのエンコーダ65が構成さ
れている。
【0032】次にこの歯車研削装置の制御系について説
明する。
明する。
【0033】歯車研削装置は、図6に示すように、ワー
クの研削加工を制御する主コントローラ70と、砥石の
ドレス時期を判定したり、砥石台30におけるドライブ
ギア44とドリブンギア42とのバックラッシュを調整
するための副コントローラ80によって制御されてい
る。
クの研削加工を制御する主コントローラ70と、砥石の
ドレス時期を判定したり、砥石台30におけるドライブ
ギア44とドリブンギア42とのバックラッシュを調整
するための副コントローラ80によって制御されてい
る。
【0034】まず、研削加工の制御は、主コントローラ
70が、ドライブギアを駆動しているS軸モータ43を
マスタ側とし、ワーク1を同期回転させているC軸モー
タ26をスレーブ側として制御している。このため、主
コントローラ70は、砥石27の回転指令を速度制御部
71からS軸サーボアンプ72に与えてS軸モータ43
により砥石27を回転駆動させる一方、同期回転指令を
位置制御部73からC軸サーボアンプ74に与えてC軸
モータ26によりワーク1を回転駆動させている。
70が、ドライブギアを駆動しているS軸モータ43を
マスタ側とし、ワーク1を同期回転させているC軸モー
タ26をスレーブ側として制御している。このため、主
コントローラ70は、砥石27の回転指令を速度制御部
71からS軸サーボアンプ72に与えてS軸モータ43
により砥石27を回転駆動させる一方、同期回転指令を
位置制御部73からC軸サーボアンプ74に与えてC軸
モータ26によりワーク1を回転駆動させている。
【0035】このとき、砥石27の回転にワーク1の回
転を同期、追従させるべく、エンコーダ65の出力信号
を補正量演算部75が監視して、補正量演算部75が速
度指令値に対して実際の速度にずれがある場合に、その
ずれに応じた補正量を位置制御部73の前段にある加算
器76に正帰還として加えている。また、C軸のエンコ
ーダ37の出力信号は、増速比演算部77によて監視さ
れ、C軸の速度変化が算出されて、その変化量が加算器
76へ負帰還として加えされるようになっている。これ
により、砥石27(厳密には砥石ホルダの回転)に対し
てC軸の回転にずれが生じた場合、そのずれ量が加算器
75によって演算されて、位置制御部73からそのずれ
量を補正するための増速または減速指令がC軸サーボア
ンプ74に指令され、S軸である砥石27の回転に同
期、追従してC軸であるワーク1が回転するようにな
る。
転を同期、追従させるべく、エンコーダ65の出力信号
を補正量演算部75が監視して、補正量演算部75が速
度指令値に対して実際の速度にずれがある場合に、その
ずれに応じた補正量を位置制御部73の前段にある加算
器76に正帰還として加えている。また、C軸のエンコ
ーダ37の出力信号は、増速比演算部77によて監視さ
れ、C軸の速度変化が算出されて、その変化量が加算器
76へ負帰還として加えされるようになっている。これ
により、砥石27(厳密には砥石ホルダの回転)に対し
てC軸の回転にずれが生じた場合、そのずれ量が加算器
75によって演算されて、位置制御部73からそのずれ
量を補正するための増速または減速指令がC軸サーボア
ンプ74に指令され、S軸である砥石27の回転に同
期、追従してC軸であるワーク1が回転するようにな
る。
【0036】一方、副コントローラ80は、演算部8
1、記憶部82および入力部83よりなり、S軸エンコ
ーダ53からの信号、C軸エンコーダ37からの信号、
および砥石ホルダ28のエンコーダ65からの信号を入
力部83により受けて、これらの信号から後述するよう
に、砥石27のドレス時期を判定し、さらに、ドライブ
ギア44とドリブンギア42のバックラッシュを調整す
る。
1、記憶部82および入力部83よりなり、S軸エンコ
ーダ53からの信号、C軸エンコーダ37からの信号、
および砥石ホルダ28のエンコーダ65からの信号を入
力部83により受けて、これらの信号から後述するよう
に、砥石27のドレス時期を判定し、さらに、ドライブ
ギア44とドリブンギア42のバックラッシュを調整す
る。
【0037】まず、砥石のドレス時期を判定する動作に
ついて説明する。
ついて説明する。
【0038】図7は、砥石ドレス時期判定動作の処理手
順を示すフローチャートである。
順を示すフローチャートである。
【0039】まず、ドレス時期判定に必要な装置諸元を
入力する(S1)。ここで入力する装置諸元は、S軸ド
ライブギア44の回転位置を計測するエンコーダ53の
ドライブギア1回転当たりの出力パルス数(aパルス/
回転)、砥石ホルダ28の回転位置を計測するエンコー
ダ65の砥石ホルダ1回転当たりの出力パルス数(bパ
ルス/回転)、C軸の回転位置を計測するエンコーダ3
7のC軸(したがてワーク1)の1回転当たりの出力パ
ルス数(cパルス/回転)、砥石27の歯数(Z枚)、
ワーク1の歯数(X枚)、ドライブギア44の歯数(Y
枚)、ドリブンギア42の歯数(T枚)、およびドレス
警告しきい値Gである。入力されたこれらの値は記憶部
82において記憶される。なお、ドレス警告しきい値G
は、後述する同期精度の差Mがどの程度となった場合に
ドレスを行えば良いかを、予め経験や実験などから求め
た値である。
入力する(S1)。ここで入力する装置諸元は、S軸ド
ライブギア44の回転位置を計測するエンコーダ53の
ドライブギア1回転当たりの出力パルス数(aパルス/
回転)、砥石ホルダ28の回転位置を計測するエンコー
ダ65の砥石ホルダ1回転当たりの出力パルス数(bパ
ルス/回転)、C軸の回転位置を計測するエンコーダ3
7のC軸(したがてワーク1)の1回転当たりの出力パ
ルス数(cパルス/回転)、砥石27の歯数(Z枚)、
ワーク1の歯数(X枚)、ドライブギア44の歯数(Y
枚)、ドリブンギア42の歯数(T枚)、およびドレス
警告しきい値Gである。入力されたこれらの値は記憶部
82において記憶される。なお、ドレス警告しきい値G
は、後述する同期精度の差Mがどの程度となった場合に
ドレスを行えば良いかを、予め経験や実験などから求め
た値である。
【0040】続いて、ワーク1の加工開始が指令され
(S2)、各エンコーダの出力信号をモニタして、単位
時間(S(sec))当たりのパルス数を取り込む(S
3)。ここでは、ドライブギア44のエンコーダ53か
らの単位時間当たりのパルス数をd(パルス/Sse
c)、砥石ホルダ28のエンコーダ65からの単位時間
当たりのパルス数をe(パルス/Ssec)、C軸のエ
ンコーダ37からの単位時間当たりのパルス数をf(パ
ルス/Ssec)とする。
(S2)、各エンコーダの出力信号をモニタして、単位
時間(S(sec))当たりのパルス数を取り込む(S
3)。ここでは、ドライブギア44のエンコーダ53か
らの単位時間当たりのパルス数をd(パルス/Sse
c)、砥石ホルダ28のエンコーダ65からの単位時間
当たりのパルス数をe(パルス/Ssec)、C軸のエ
ンコーダ37からの単位時間当たりのパルス数をf(パ
ルス/Ssec)とする。
【0041】続いて、これら各エンコーダからモニタし
た単位時間当たりのパルス数からドライブギア44とC
軸との同期精度N1、および砥石ホルダ28とC軸との
同期精度N2をそれぞれ、下記(1)式および(2)式
により算出する(S4)。
た単位時間当たりのパルス数からドライブギア44とC
軸との同期精度N1、および砥石ホルダ28とC軸との
同期精度N2をそれぞれ、下記(1)式および(2)式
により算出する(S4)。
【0042】 N1=(d×X×Y/a/c/t/z)−f …(1) N2=(c×e×Z/b/X)−f …(2) 続いて、この2つの同期精度N1とN2の差Mを下記
(3)式により算出する(S5)。
(3)式により算出する(S5)。
【0043】M=N2−N1 …(3) このようにして算出した同期精度の差Mは、砥石27の
研削能力に依存する。すなわち、ドレス直後で、その研
削能力が十分ある場合には、砥石表面の磨耗は少ないた
め、砥石とワークとの加工負荷も少く、同期精度N1と
N2はほぼ同じ同期精度で回転している。これに対し
て、砥石が磨耗して研削能力が低くなると、砥石ホルダ
28にかかる負荷が大きくなり、ドライブギア44を定
速に維持しても砥石ホルダ28の動きが僅かずつ遅くな
る。本実施の形態では、先に説明したように、研削動作
中は砥石ホルダ28の回転(すなわち砥石27の回転)
に同期させてC軸(すなわちワーク1)を回転させてい
るため、砥石ホルダ28の動きが変化するとC軸はこれ
に合わせて強制的に同期させられるため、C軸と砥石ホ
ルダ間の同期精度N2はほとんど変化しないが、砥石ホ
ルダ28を駆動しているS軸のドライブギアとC軸との
間の同期精度N1が悪くなってくる。
研削能力に依存する。すなわち、ドレス直後で、その研
削能力が十分ある場合には、砥石表面の磨耗は少ないた
め、砥石とワークとの加工負荷も少く、同期精度N1と
N2はほぼ同じ同期精度で回転している。これに対し
て、砥石が磨耗して研削能力が低くなると、砥石ホルダ
28にかかる負荷が大きくなり、ドライブギア44を定
速に維持しても砥石ホルダ28の動きが僅かずつ遅くな
る。本実施の形態では、先に説明したように、研削動作
中は砥石ホルダ28の回転(すなわち砥石27の回転)
に同期させてC軸(すなわちワーク1)を回転させてい
るため、砥石ホルダ28の動きが変化するとC軸はこれ
に合わせて強制的に同期させられるため、C軸と砥石ホ
ルダ間の同期精度N2はほとんど変化しないが、砥石ホ
ルダ28を駆動しているS軸のドライブギアとC軸との
間の同期精度N1が悪くなってくる。
【0044】したがって、上記の通りN1とN2の差を
求めることで、砥石のドレス時期を判断することができ
るのである。
求めることで、砥石のドレス時期を判断することができ
るのである。
【0045】続いて、同期精度の差Mと予め決められた
ドレス警告を出すしきい値Gとを比較する(S6)。
ドレス警告を出すしきい値Gとを比較する(S6)。
【0046】比較の結果、同期精度の差Mがしきい値G
以上となった場合には、砥石の研削能力が低くなってき
たときであるので、ドレスを行った方が良い旨を図示し
ないディスプレイなどに表示(ドレス警告表示)して
(S7)、処理を終了する。一方、しきい値G未満であ
れば、ドレスの必要はないので、研削加工が終了したか
否かを判断して(S8)、加工が終了していなければそ
のままステップS2へ戻り処理を継続する。研削加工自
体が終了していれば処理を終了する。
以上となった場合には、砥石の研削能力が低くなってき
たときであるので、ドレスを行った方が良い旨を図示し
ないディスプレイなどに表示(ドレス警告表示)して
(S7)、処理を終了する。一方、しきい値G未満であ
れば、ドレスの必要はないので、研削加工が終了したか
否かを判断して(S8)、加工が終了していなければそ
のままステップS2へ戻り処理を継続する。研削加工自
体が終了していれば処理を終了する。
【0047】次に、ドライブギア44と砥石ホルダ28
外周面のドリブンギア42との間のバックラッシュの調
整について説明する。
外周面のドリブンギア42との間のバックラッシュの調
整について説明する。
【0048】図8は、このバックラッシュ調整動作の処
理手順を示すフローチャートである。
理手順を示すフローチャートである。
【0049】まず、装置諸元として、S軸ドライブギア
44の回転位置を計測するエンコーダ53のドライブギ
ア1回転当たりの出力パルス数(aパルス/回転)、砥
石ホルダ28の回転位置を計測するエンコーダ65の砥
石ホルダ1回転当たりの出力パルス数(bパルス/回
転)、ドライブギア44の歯数(Y枚)、ドリブンギア
42の歯数(T枚)、およびバックラッシュ適正パルス
数の範囲P1〜P2を入力して、これらの値を記憶部8
2に記憶する(S11)。ここで、バックラッシュ適正
パルス範囲P1〜P2は、予め研削装置固有の値として
決めておく。
44の回転位置を計測するエンコーダ53のドライブギ
ア1回転当たりの出力パルス数(aパルス/回転)、砥
石ホルダ28の回転位置を計測するエンコーダ65の砥
石ホルダ1回転当たりの出力パルス数(bパルス/回
転)、ドライブギア44の歯数(Y枚)、ドリブンギア
42の歯数(T枚)、およびバックラッシュ適正パルス
数の範囲P1〜P2を入力して、これらの値を記憶部8
2に記憶する(S11)。ここで、バックラッシュ適正
パルス範囲P1〜P2は、予め研削装置固有の値として
決めておく。
【0050】続いて、バックラッシュ調整のためにドラ
イブギア44の回転を開始する(S12)。このドライ
ブギア44の回転開始によりドリブンギア42が従動し
て砥石ホルダ28が回転する。なお、調整中、ワークは
取り除いておき、C軸を回転させる必要はない。
イブギア44の回転を開始する(S12)。このドライ
ブギア44の回転開始によりドリブンギア42が従動し
て砥石ホルダ28が回転する。なお、調整中、ワークは
取り除いておき、C軸を回転させる必要はない。
【0051】続いて、各エンコーダの出力信号をモニタ
して、単位時間(S(sec))当たりのパルス数を取
り込む(S13)。ここでは、ドライブギア44のエン
コーダ53からの単位時間当たりのパルス数をd(パル
ス/Ssec)、砥石ホルダ28のエンコーダ65から
の単位時間当たりのパルス数をe(パルス/Ssec)
とする。
して、単位時間(S(sec))当たりのパルス数を取
り込む(S13)。ここでは、ドライブギア44のエン
コーダ53からの単位時間当たりのパルス数をd(パル
ス/Ssec)、砥石ホルダ28のエンコーダ65から
の単位時間当たりのパルス数をe(パルス/Ssec)
とする。
【0052】続いて、これら各エンコーダからモニタし
た単位時間当たりのパルス数からドライブギア44とド
リブンギア42との伝達誤差Nを下記(4)式により算
出する(S14)。
た単位時間当たりのパルス数からドライブギア44とド
リブンギア42との伝達誤差Nを下記(4)式により算
出する(S14)。
【0053】N=a×e×T/b/Y−d …(4) 続いて、算出した伝達誤差Nが適正パルスP1からP2
の範囲内か否かを判断する(S15)。
の範囲内か否かを判断する(S15)。
【0054】判断の結果、伝達誤差Nが適正パルスP1
からP2の範囲内でなければ、これが適正範囲内となる
ように、ドライブギアハウジング49を動かし(S1
6)、ステップS13へ戻り、伝達誤差Nが適正パルス
P1からP2の範囲内になるまで処理を継続する。一
方、適正範囲内であればそのまま処理を終了する。
からP2の範囲内でなければ、これが適正範囲内となる
ように、ドライブギアハウジング49を動かし(S1
6)、ステップS13へ戻り、伝達誤差Nが適正パルス
P1からP2の範囲内になるまで処理を継続する。一
方、適正範囲内であればそのまま処理を終了する。
【0055】これにより、ドライブギアとドリブンギア
とのローバックラッシュ合わせを容易に行うことができ
る。
とのローバックラッシュ合わせを容易に行うことができ
る。
【0056】以上説明した本実施の形態によれば、砥石
のドレス時期を適確に、かつ自動的に判断することがで
き、また、S軸系のドライブギアとドリブンギアのロー
バックラッシュを容易に達成することができるようにな
る。
のドレス時期を適確に、かつ自動的に判断することがで
き、また、S軸系のドライブギアとドリブンギアのロー
バックラッシュを容易に達成することができるようにな
る。
【図1】 本発明を適用した実施の形態に係る歯車研削
装置の概略構成を示す図面である。
装置の概略構成を示す図面である。
【図2】 上記歯車研削装置における砥石と被加工歯車
を示す図面である。
を示す図面である。
【図3】 上記歯車研削装置におけるヘッドストックの
要部水平断面図である。
要部水平断面図である。
【図4】 上記歯車研削装置における砥石台部分の断面
図である。
図である。
【図5】 上記歯車研削装置における砥石台部分の側面
図である。
図である。
【図6】 上記歯車研削装置の制御系の構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図7】 上記歯車研削装置におけるドレス時期判定の
処理手順を示すフローチャートである
処理手順を示すフローチャートである
【図8】 上記歯車研削装置におけるバックラッシュ調
整動作の処理手順を示すフローチャートである。
整動作の処理手順を示すフローチャートである。
1…ワーク 21…ヘッドストック 22…ヘッドセンタ 23…油圧チャック 24…テールストック 25…テールセンタ 26…C軸モータ 27…砥石 28…砥石ホルダ 29…砥石ハウジング 30…砥石台 37,53…エンコーダ 42…ドリブンギヤ 43…S軸モータ 44…ドライブギヤ 49…ドライブギアハウジング 63…位置計測盤 64…光学式センサ 65…エンコーダ 70…主コントローラ 71…速度制御部 72…S軸サーボアンプ 73…位置制御部 74…C軸サーボアンプ 75…補正量演算部 76…加算器 77…増速比演算部 80…副コントローラ 81…演算部 82…記憶部 83…入力部
Claims (4)
- 【請求項1】 被加工歯車に外挿される内歯車形状の砥
石と、 前記砥石が内周に装着されるとともに外周にドリブンギ
ヤが設けられた砥石ホルダと、 前記ドリブンギアと噛み合い、ドライブ用モータによっ
て回転駆動されることにより前記砥石ホルダを回転させ
るドライブギヤと、 前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータにより前
記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転させる被
加工歯車回転軸と、 前記砥石ホルダの回転位置を計測する砥石ホルダ用エン
コーダと、 前記ドライブギアの回転位置を計測するドライブギア用
エンコーダと、 前記被加工歯車回転軸の回転位置を計測する被加工歯車
回転軸用エンコーダと、 前記ドライブギア用エンコーダからの信号と前記被加工
歯車回転軸用エンコーダからの信号から、前記ドライブ
ギアと前記被加工歯車との同期精度を第1の同期精度と
して算出すると共に、前記砥石ホルダ用エンコーダから
の信号と前記被加工歯車回転軸用エンコーダからの信号
から、前記砥石と前記被加工歯車との同期精度を第2の
同期精度として算出して、該第1の同期精度と該第2の
同期精度の差から前記砥石のドレス時期を判定するドレ
ス時期判定手段と、を有することを特徴とする歯車研削
装置。 - 【請求項2】 前記ドライブギアは第1のハウジングに
収納され、前記砥石ホルダは第2のハウジングに収納さ
れ、 前記第1のハウジングが前記第2のハウジングに対して
スライド移動可能であり、かつ前記第1のハウジングと
前記第2のハウジングの接面が前記ドライブギアと前記
砥石ホルダの中心軸間距離が変化するように傾斜してい
ることを特徴とする請求項1記載の歯車研削装置。 - 【請求項3】 被加工歯車に外挿される内歯車形状の砥
石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周にドリ
ブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブンギア
と噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動される
ことにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギヤ
と、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータによ
り前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車を回転させ
る被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置における
前記砥石のドレス時期を判定するための方法であって、 前記砥石ホルダの回転位置、前記ドライブギアの回転位
置、および前記被加工歯車回転軸の回転位置をそれぞれ
計測し、前記ドライブギアの回転位置と前記被加工歯車
回転軸の回転位置とから、前記ドライブギアと前記被加
工歯車との第1の同期精度を算出すると共に、前記砥石
ホルダの回転位置と前記被加工歯車回転軸の回転位置と
から、前記砥石と前記被加工歯車との第2の同期精度を
算出して、該第1の同期精度と該第2の同期精度の差か
ら前記砥石のドレス時期を判定することを特徴とする歯
車研削装置の砥石ドレス時期判定方法。 - 【請求項4】 被加工歯車に外挿される内歯車形状の砥
石と、前記砥石が内周に装着されるとともに外周にドリ
ブンギヤが設けられた砥石ホルダと、前記ドリブンギア
と噛み合い、ドライブ用モータによって回転駆動される
ことにより前記砥石ホルダを回転させるドライブギヤ
と、前記被加工歯車を支持し、被加工歯車用モータによ
り前記砥石の回転に同期して前記被加工歯車回転を回転
させる被加工歯車回転軸と、を有する歯車研削装置にお
ける前記ドライブギアと前記ドリブンギアの噛み合わせ
位置を調整するための砥石駆動ギア調整方法であって、 前記ドライブギアの回転位置と前記砥石ホルダの回転位
置をそれぞれ計測して、該計測されたドライブギアの回
転位置と砥石ホルダの回転位置の差が予め決められた範
囲内になるように、前記ドライブギアと前記ドリブンギ
アと軸間距離を変更することを特徴とする歯車研削装置
の砥石駆動ギア調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214903A JP2002028820A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 歯車研削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000214903A JP2002028820A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 歯車研削装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002028820A true JP2002028820A (ja) | 2002-01-29 |
Family
ID=18710406
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000214903A Withdrawn JP2002028820A (ja) | 2000-07-14 | 2000-07-14 | 歯車研削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002028820A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062011A (ja) * | 2006-11-13 | 2007-03-15 | Nissan Motor Co Ltd | ギヤ・ホーニング盤 |
-
2000
- 2000-07-14 JP JP2000214903A patent/JP2002028820A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007062011A (ja) * | 2006-11-13 | 2007-03-15 | Nissan Motor Co Ltd | ギヤ・ホーニング盤 |
JP4561731B2 (ja) * | 2006-11-13 | 2010-10-13 | 日産自動車株式会社 | ギヤ・ホーニング盤 |
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