JP2002028090A - 倒立保持型調理用具 - Google Patents

倒立保持型調理用具

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JP2002028090A
JP2002028090A JP2000216864A JP2000216864A JP2002028090A JP 2002028090 A JP2002028090 A JP 2002028090A JP 2000216864 A JP2000216864 A JP 2000216864A JP 2000216864 A JP2000216864 A JP 2000216864A JP 2002028090 A JP2002028090 A JP 2002028090A
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Yutaka Maeda
豊 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 倒立保持した際に、頭部に付着している液が
飛散落下して調理台等の上を汚すことを防止することの
できる倒立保持型調理用掬い具を提供する。 【解決手段】 本発明は、柄部と、前記柄部の一端に取
付けられている頭部とを有する調理用具であって、前記
頭部に、調理用具を頭部を上にして倒立させた際に頭部
に付着している液を受け止めるための液止め部材が形成
されており、更に、頭部に開口が形成されていることを
特徴とする、倒立保持型調理用具に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理台等の上に倒
立した状態で保持した場合に、頭部(食品を扱うへら、
掬い部等の部分)に付着した油、汁、水等の液が調理台
に飛散しないようにした調理用具に関する。
【0002】
【従来の技術】杓子、玉杓子、シャモジ、フライ返し等
の調理用具は、調理中に一時的に使用しない場合に、そ
の置き場に困っていた。例えば、玉杓子で鍋の中の汁を
撹拌した後、静置して加熱を更に継続する場合などに
は、玉杓子は鍋の中に放置したり、台所の調理台等に置
いたりしていた。しかしながら、玉杓子を鍋の中に放置
するのでは、鍋の外側に沿って上方に向かって伝わるガ
スレンジ等の加熱源の熱によって玉杓子の把持部が熱く
なって持つことができなくなったり、場合によっては把
持部が融けてしまったりすることがあった。また、玉杓
子を台所の調理台に置くのは、余分な場所を取るし、座
りが悪いために転がったりするために、他の作業にあた
って極めて邪魔であった。また、玉杓子の掬部に付いた
液が調理台上にこぼれるため、調理台が汚れ易かった。
座りを良くすること及び液の飛散を防ぐために、受け皿
などを調理台に置いてその中に玉杓子を保持することも
行われているが、場所をとり、更に受け皿が必要となる
ので、煩雑であった。
【0003】この問題を解決するための手段として、玉
杓子の掬部の底に平面部分を形成し、掬部を下側にして
直立することができるようにした玉杓子が提案されてい
る。これは、例えば、鍋の中央部に直立させた状態で保
持したり、あるいは調理台上に直立させた状態で保持す
ることができるものである。しかしながら、鍋の中央部
に保持するのでは、例えば鍋の蓋をしなければならない
場合には適用することができず、また、調理台の上に直
立させるのでは、食品に直接触れる掬部を調理台の表面
に接触させることになり、衛生上問題がある。この衛生
上の問題を解決するために、玉杓子用の受け皿と組みに
して用い、玉杓子を受け皿内に直立させて保持すること
が提案されているが、部品数が多くなって煩雑である。
【0004】また、同様の問題がフライ返し等において
もあるが、フライ返し等のように頭部の形状が板状のも
のの場合には、上記のように直立させることが不可能で
ある。
【0005】また、別の手段として、玉杓子やフライ返
しなどの調理用具を倒立して保持することができるよう
なホルダーが使用されている。これは、ホルダーを調理
台の上などに置き、調理用具の頭部(即ち、食品を扱う
掬い部又はへらの部分)を上にして倒立させた状態で、
把持部をホルダーに差し込むことによって、調理用具を
倒立させて保持するというものである。この手段によれ
ば、場所を取らずに調理用具を置いておくことができ
る。しかしながら、調理用具を倒立させた際に、掬い部
内に残留している汁や、掬部の外側の壁面に付着してい
る汁、或いはフライ返しの場合にはへら部に付着してい
る油などの液が飛散して、調理台を汚してしまうという
欠点があった。
【0006】本発明者は、かかる問題点を解決し、倒立
させて保持した際に頭部に付着している液が飛散しない
ようにした調理用具として、調理用具の頭部に、調理用
具を頭部を上にして倒立させた際に頭部に付着している
液を受け止めるための液止め部材を形成したものを提案
し、特許出願した(特願平11−337260号)。こ
こで提案された調理用具の例を図1に示す。図1に示す
調理用具1は、柄部6と、前記柄部の一端に取り付けら
れている掬部2とを有する調理用掬い具(お玉杓子)で
あって、掬部2が汁等を掬い取るための凹部を有してお
り、掬部が前端部3と後端部4とを有していて掬部の後
端部4に柄部6が固着されており、前記掬部の後端部
に、液止め部材5が取付けられていることを特徴とす
る。
【0007】このような調理用具は、鍋内で使用した
後、一時的に保持する際には、鍋から取り出し、掬部2
を上にして倒立させて、把持部7を調理台等の上に載置
されたホルダー8に差し込むことによって、略倒立状態
で保持される。このように使用後に略倒立状態で保持す
ると、掬部2に付着している汁等の液は、掬部の壁を伝
って下方に流下し、掬部の後端部に取付けられている液
止め部材5によって受け止められる。これにより、調理
用具の柄部、把持部や調理台を、掬部から流下する液に
よって汚すことがなくなる。倒立保持させていた調理用
具を再び使用する場合には、掬部を上にした状態のまま
調理用具を持ち、鍋の上部で掬部を下にするように転回
させて使用する。このようにすれば、液止め部材5に受
け止められていた汁等の液は、液止め部材5から落下し
て直接鍋内に流下するか、或いは掬部2に流れて掬部の
面を伝って鍋内に流下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示すような調理用具においては、液止め部材5から液を
落下させる際に、使用者が意図しない位置から液が落下
するという問題がある。例えば、掬部の正面側(即ち、
掬部の凹部が形成されている側)から液を落下させよう
とする場合、液止め部材5の背面側に溜まっている液が
速やかに正面側に流れて液止め部材5の正面側から落下
するようになることが必要であるが、液の流動性や液止
め部材の構造などにより、液止め部材内での液の速やか
な流れが滞る場合がある。特に、液止め部材が図1に示
すように掬部の周囲に形成されている態様ではなく、掬
部の正面部及び背面部に別々に形成されている場合や、
掬部の壁によって液止め部材の受け皿部分が分割されて
いる場合には、背面側の液止め部材内に溜まった液は正
面側の液止め部材内には流れない。このような場合、背
面側の液止め部材から液が落下することにより、使用者
の意図とは異なり、液が鍋内に落下せずに、調理台等に
飛散してしまうおそれがある。逆に、液止め部材内の液
を掬部の背面側から落下させることを意図する場合で
も、同様の問題が起こり得る。
【0009】本発明は、上記のような問題点を解決すべ
く想到されたもので、液止め部材内に受容した液を、使
用者の意図する側に速やかに誘導して、液の制御を容易
にした倒立保持型調理用具に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、柄部と、前記柄部の一端に
取付けられている頭部とを有する調理用具であって、前
記頭部に、調理用具を頭部を上にして倒立させた際に頭
部に付着している液を受け止めるための液止め部材が形
成されており、更に、頭部に開口が形成されていること
を特徴とする倒立保持型調理用具に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各種態様を、図面
を参照しながら説明する。本発明の第1の態様に係る倒
立保持型調理用具の一例(お玉杓子)を図2に示す。図
2aは当該調理用具の側面図、図2bは斜視図である。
【0012】図2に示すお玉杓子10は、汁などを掬う
ための頭部(掬部)12、柄部13、及び把持部14を
有している。掬部12と柄部13との接続部に皿状の液
止め部材15が形成されている。図2に示す態様におい
ては、掬部の縁に液誘導部材20が形成されていて、掬
部12に付着した液がこの誘導部材20を伝って液止め
部材15内に誘導されるようになっている。液止め部材
15の受け皿は、この誘導部材20によって表面側と背
面側とに分割されている。なお、ここで、表面側とは掬
部の凹部が形成されている側であり、背面側とはその反
対側である。掬部12の一部には、開口16が形成され
ている。図2に示す態様においては、開口16は液止め
部材15に接するように形成されている。
【0013】図2に示すお玉杓子10は、鍋内で使用し
た後、一時的に保持する際には、鍋から取り出し、掬部
12を上にして倒立させて、把持部14を調理台等の上
に載置されたホルダー21に差し込むことによって、略
倒立状態で保持される。
【0014】お玉杓子10を使用後に倒立保持させる
と、掬部に付着した液が流下して液止め部材15内に溜
まるのであるが、この際、液止め部材の背面側17に流
下した液は開口16を通して表面側18に流れる。した
がって、お玉杓子を再び使用する際には、液止め部材の
表面側18に溜まっている液を、お玉杓子の表面側から
振り落とせばよい。開口16が形成されていない場合に
は、液止め部材に溜まっている液を振り落とす際に、液
止め部材の背面側17に溜まっている液がお玉杓子の背
面側から飛散してしまう場合があるが、開口16を形成
することにより、液の制御が極めて容易になる。なお、
上記の説明は、液止め部材15に受け止められた液が調
理用具の背面側から表面側に流れるようにした態様に関
してなされているが、同様に、液止め部材15に受け止
められた液が調理用具の表面側18から背面側17に流
れるようにすることもできる。この場合、液止め部材1
5に溜まった液は、使用時に調理用具頭部の背面側から
振り落とされる。
【0015】開口を形成する位置は、液止め部材15内
に溜まった液が開口を通って移動することができるよう
な位置でなければならず、即ち、液止め部材に接するよ
うに開口を形成する必要がある。また、調理用具が図2
に示すような汁等を掬うためのお玉杓子のような掬い具
である場合には、当然、掬い作用に悪影響のない位置、
即ち柄部と掬部との接続部付近に形成しなければならな
い。
【0016】上記においては、本発明の一態様としてお
玉杓子を例にとって説明したが、本発明の技術思想は、
フライ返しなどのような調理用具にも適用できることは
当業者には明らかである。
【0017】更に、フライ返しなどの場合には、頭部の
開口と液止め部材の構成とを組み合わせることにより、
調理用具を使用後に倒立保持させた場合に流下する液を
調理用具の一方の側に誘導するような構造にすることが
できる。図3はかかる態様の調理用具(フライ返し)を
示す。図3aは本発明のかかる態様の調理用具の頭部の
構造を示す拡大斜視図であり、図3bは同側断面図であ
る。図3に示す態様の調理用具(フライ返し)は、柄部
101と、前記柄部の一端に取り付けられている頭部1
02を有する。頭部102には、開口105が形成され
ると共に、第1の面108には、開口と接するように配
置された第1の液止め部材103が、第2の面107に
は、調理用具を頭部を上にして倒立させた場合に開口よ
りも下側に配置された第2の液止め部材104が形成さ
れている。また、第2の面には開口の縁に沿って突起1
06が形成されている。
【0018】このような構成のフライ返しは、使用の際
には第2の面107を上側にして用いる(表面)。使用
後、フライ返しを倒立保持すると、頭部の両面に付着し
た液が頭部表面に沿って流下する。第1の面(背面)1
08を流下する液は、第1の液止め部材103によって
受け止められ、開口105を通って第2の面(表面)に
誘導され、第2の面に形成されている第2の液止め部材
104に受け止められる。これにより、頭部102に付
着している液は全て第2の液止め部材104に受容され
る。このような構成によれば、フライ返しを再び使用す
る際には、第2の面(表面)を上にして使用するので、
第2の液止め部材104に溜まっている液は頭部の第2
の面107に沿って流下し、飛散することはない。フラ
イ返しの背面にも液が溜まるように液止め部材を構成す
ると、再使用の際に背面側を流下する液が液垂れして調
理台等に飛散する恐れがあるが、上記のような構成を採
用することにより、この液垂れを防止することができ
る。また、第2の面の開口に沿って突起106を設ける
ことにより、フライ返しを再使用する際に液が開口を通
って背面に流れる(戻る)ことを防止することができ
る。なお、第1の液止め部材103は、調理用具を倒立
保持させた際に中央部が最も下側になるように湾曲又は
屈曲させることが好ましい。なお、フライ返し等の調理
用具においては、例えば図3に示すように、頭部の縁に
突起109を形成すると、調理用具を再び使用する際
に、頭部を流下する液が突起109から落下するように
なり、液の制御が容易となるので好ましい。
【0019】図4は、図3の技術思想の他の態様にかか
る調理用具(フライ返し)を示す。図4aは頭部及び柄
部の正面図、図4bは同側面図、図4cは同背面図、図
4dは他の態様の調理用具の正面図、図4eは図4dに
示す態様の調理用具の側面図である。図4に示すフライ
返し350においては、頭部351に開口355が設け
られると共に、頭部の第1の面358には開口355に
隣接して形成されている第1の液止め部材353が配置
されている。また、調理用具を頭部を上にして倒立保持
した場合に開口よりも下側の位置に第2の液止め部材3
54が配置されている。図4に示す態様のフライ返しに
おいては、第2の液止め部材354は、その周縁が頭部
を取り囲むように頭部の周囲に配置されている。図3に
示す態様のフライ返しと同様に、使用後、フライ返しを
倒立保持すると、頭部の両面に付着した液が頭部表面に
沿って流下する。第1の面(背面)を流下する液は、第
1の液止め部材353によって受け止められ、開口35
5を通って第2の面(表面)に誘導され、第2の液止め
部材354に受け止められる。図4に示す態様のフライ
返しにおいては、第2の液止め部材354が、頭部の周
囲に配置されているので、第1の面の液止め部材353
を乗り越えて流下する液や、頭部の縁を伝って流下する
液などを受け止めることができる。なお、第2の液止め
部材354は、図4に示されるように、第1の面から第
2の面に向かって下方に傾斜するように形成することに
よって、受け止められた液が全て第2の面(表面)側に
誘導されるようにすることが望ましい。また、頭部の第
2の面に液案内板(361)を設けて、第2の面357
を流下する液を全て第2の液止め部材354に誘導する
ようにすることができる。更に、頭部の縁部に沿って鍔
状の液導通手段359を形成することにより、液を液止
め部材により効率的に誘導するようにすることができ
る。また、液導通手段359を形成する場合には、液導
通手段359の側面に液体誘導部材360を配置して、
これを液案内板361と接続することによって、液を頭
部の第2の面に誘導し、更に第2の液止め部材354に
誘導するように構成することもできる。また、図5に示
すように、頭部に形成する開口を2個以上形成すること
もできる。更に、図6に示すように、頭部に形成する開
口として、縦方向に伸長する切れ目375を形成するこ
ともできる。
【0020】なお、本発明においては、調理用具の頭部
に液止め部材を形成することが重要な特徴であるが、本
発明において「調理用具の頭部」とは、必ずしも厳密に
掬部やへら部のみを指すのではなく、頭部に付着した液
を有効に誘導できる範囲であれば多少範囲を広く考える
ことができる。例えば、図7は本発明の他の態様に係る
調理用具を示す図であるが、ここでは、頭部の開口38
5及び第1の液止め部材383により、頭部の第1の面
を流下する液が開口385を通して第2の面に誘導さ
れ、次に、液誘導部材386によって柄部の頭部に近接
した位置に形成された液止め部材384に受け止められ
る。また、図8は本発明の更に他の態様に係る調理用具
を示す図であるが、ここでは、頭部の第1の面を流下す
る液が開口395及び第1の液止め部材393により第
2の面に誘導され、次に、液誘導部材396によって柄
部の頭部に近接した位置に形成された液止め部材394
に受け止められる。このような形態であっても、本発明
においては、「液止め部材が調理用具の頭部に形成され
ている」という範囲内に含まれると解される。
【0021】本発明に係る調理用具において、頭部、液
止め部材、柄部、把持部の材質は、プラスチック、ステ
ンレススチールなどのような任意のものを採用すること
ができ、各部品相互間の接合形態も任意のものを採用す
ることができる。例えば、頭部と柄部とを別々の部品と
して成形して、溶接、ねじ止め、接着などによって接合
することができ、或いは、頭部と柄部とを一体成形する
こともできる。他の部品に関しても同様であり、例え
ば、金属製の柄部にプラスチック製の把持部を取り付け
ることができ、或いは金属製の柄部の一部を把持部とし
て用いることもできる。また、上記及び下記に説明する
各種態様において、液止め部材の形状、大きさ、配置位
置などに関しては、調理用具の種類、頭部の大きさ、扱
う食品の種類などの種々のファクターを考慮して、最適
のものを適宜選択することができる。
【0022】なお、本発明にかかる調理用具において
は、頭部(掬部)後端部の外側表面に、頭部周縁に沿っ
て伸長する液誘導部材を形成することができる。液誘導
部材は、例えば、掬部後端部の外側表面において、後端
部周縁に沿って伸長する突起をエンボス加工などによっ
て形成することによって構成することができる。
【0023】上記においては、柄部をホルダーに差し込
むことによって倒立保持させる態様の倒立保持型調理用
具に関して説明したが、本発明の技術思想を、本出願人
が先に出願した特願平11−225445号に記載した
倒立保持型の調理用具に適用することができる。即ち、
本発明の他の態様は、上記に示した各種態様の倒立保持
型調理用具において、柄部の、頭部とは反対側の端部
に、調理用具を頭部を上にして倒立させた状態で支持す
るための支持部材が形成されていることを特徴とする倒
立保持型調理用具に関する。
【0024】図9に、かかる態様の倒立保持型調理用具
の構成例(お玉杓子)を示す。図9に示す本発明に係る
お玉杓子は、図2に示す態様のものと同様の頭部402
及び液止め部材405を有し、頭部402には、液止め
部材405と接するように開口406が形成されてい
る。また、柄部403の頭部とは反対側の末端に支持部
材408が形成されている。かかるお玉杓子を一時的に
鍋等から出して保持する場合には、頭部402を上に、
支持部材408を下にした状態で調理台等に置くと、支
持部材408によってお玉杓子が略倒立した状態で保持
される。必要により、柄部403の一部分に把持部40
7を取付けることができる。頭部402、開口406及
び液止め部材405に関しては、上記に説明した各種態
様の構成を採用することができる。
【0025】支持部材408の形状としては、調理用具
を略直立した状態で安定して保持することのできるもの
であれば、いかなる形状であってもよい。例えば、図9
に示すように、環状の線材又は板材によって支持部材4
08を構成することができる。更には図10に示すよう
に、支持部材210が、Y字型のものであってよい。こ
のような形を採用することにより、収納の際に場所をと
らずに収めることが可能になる。なお、支持部材を図9
に示すような環状の線材又は板材によって構成すれば、
調理用具をしまう場合には環状の部分でフック等に引っ
かけて吊るしておくことができる。また、支持部材の先
端に頭部に向かって伸長する突起を設ければ、この折り
曲げ部をフック等に引っかけて吊るすことができる。更
には、支持部材を、動物や花或いはキャラクターの形状
にしてもよく、見た目の面白さも得られる。例えば、環
状線材によって動物などの輪郭を形成することができ、
或いは動物などの形に打ち抜いた板状部材を支持部材と
して形成することができる。例えば、ウサギの形に打ち
抜いた板状部材を支持部材として形成すると、見た目の
面白さだけでなく、ウサギの耳の部分を長くとることが
できるので、違和感なしに支持部材の面積を大きくする
ことができ、支持部として有用であり、調理用具を安定
して直立させることができる。
【0026】支持部材の形成方向、支持部材の大きさ、
形状等は、頭部の形状、頭部の大きさ、柄部の長さなど
に依存し、調理用具を安定して倒立させるように選択す
ることができる。
【0027】支持部材は、調理用具の柄部又は把持部を
構成する部材と一体に成形することができる。例えば、
図9を参照して説明すると、柄部403を構成する部材
を、把持部407を貫通して伸長せしめ、把持部の先で
屈曲させることによって、支持部材408を構成するこ
とができる。また、支持部材は、把持部と一体に成形す
ることもできる。即ち、例えばプラスチックで成形され
ている把持部407の末端部に支持部材408が形成さ
れるように、把持部及び支持部材を一体成形することが
できる。更には、支持部材は、柄部とは別の部材を把持
部に取り付けることによって構成することもできる。ま
た、支持部材は、金属で形成してもよく、或いはプラス
チックを成形することによって形成することもできる。
支持部材は、把持部に対して、取り外し可能な状態に取
り付けることもできる。例えば、支持部材を、把持部の
端に嵌合させて取り付けるような構造とし、調理用具を
収納する場合には支持部材を取り外し、使用する際のみ
に支持部材を把持部に嵌合させて取り付けることができ
る。或いは、支持部材のみを、把持部から取り外した状
態で調理台等に置いておき、調理用具を一時保持する際
に該支持部材に調理用具の把持部を接続することによっ
て、調理用具を直立保持させることもできる。
【0028】なお、把持部は、必ずしも必要なものでは
なく、柄部の一部をそのまま把持部として用いることも
できることは云うまでもない。支持部材は、柄部に対し
て所定の角度を有して固定されているように形成するこ
ともでき、或いは、支持部材を柄部に回動自在に取り付
けて、柄部及び把持部に対する支持部材の角度を自由に
調節できるようにすることもできる。このようにすれ
ば、適宜、柄部に対する支持部材の角度を調節すること
ができると共に、引き出し等に収納する場合には、折り
畳むことによって、場所を取らずに収納することが可能
になる。また、例えば、支持部材をウサギの形にする
と、収納時に支持部材を折り畳んだ際に、ウサギの耳の
部分が柄部と重なるようにすることによって、よりコン
パクトに収納することが可能になる。
【0029】本発明に係る調理用具においては、柄部に
も、一つ以上の液止め部材を設けることができる。柄部
に取付ける液止め部材としては、図11に示すように、
頭部に向かって開放されている皿状の部材を柄部502
に取付けることによって液止め部材501を形成するこ
とができる。また、図12に示すように、柄部512
に、水平方向に伸長する突起511を形成することによ
って、液止め部材を構成することができる。図12に示
すような形態の液止め部材においては、突起511は、
柄部の両面のみに形成することもできるし、柄部の全周
(即ち両面及び端部の全て)に形成することもできる。
また、必要により、図11及び12に示すような形態の
液止め部材を、柄部に複数個設けることもできる。
【0030】柄部にもこのような液止め部材を設けるこ
とにより、調理用具を倒立させて保持した際に、調理用
具の頭部に形成した液止め部材で受け切れずに柄部を伝
って流下してくる液を受け止めて、調理台や把持部を汚
すことを防ぐことができる。
【0031】また、図13に示すように、把持部520
の頭部側の端部に、例えば図13aに示すように皿状の
部分521を設けたり、或いは図13bに示すように穿
孔部分523を形成することによって、把持部に液受け
部を形成することもできる。このように把持部に液止め
部材を設ければ、調理用具を倒立保持させた際に液が柄
部522を伝って流下してきても、この把持部の液受け
部によって液が受け止められるので、把持部を汚すこと
がない。
【0032】本発明の倒立保持型調理用具を、倒立保持
させた後、再び使用する際には、柄部の液止め部材内に
溜まっている液は、流しに廃棄したり、布巾等で取って
もよいし、フライパン等の上で調理用具を横にすること
によってフライパンの中に戻すこともできる。
【0033】本発明の調理用具において、頭部と柄部、
及び(設ける場合には)支持部材と柄部との角度は、倒
立保持させた際の調理用具のバランス、使用する際の取
り回し易さなどを考慮して、頭部の形状、大きさなどと
関連して最適なものを選択することができる。また、柄
部は、直線状に限らず、途中で屈曲していたり湾曲して
いてもよい。但し、図2等において示されているよう
に、調理用具が掬部を有する掬い具の場合には、掬い具
を倒立保持させた際に、掬部の周縁が、柄部に向かって
下方に傾斜するように配置されている必要がある。この
ように掬部を配置することによって、掬い具を倒立保持
させた際に掬部内及び掬部の外表面に付着している液
が、柄部に向かって流下し、液止め部材によって受け止
められる。
【0034】以上、本発明に関して、便宜上フライ返し
及び玉杓子を例として説明したが、本発明の技術思想
は、食品を取り扱う頭部及び柄部を有するいかなる調理
用具にも適用することができる。即ち、本発明に係る調
理用具としては、フライ返し、玉杓子の他には、例え
ば、へら、シャモジ、計量スプーン、皮むき器、包丁、
ナイフ、フォーク又はスプーンなどを挙げることができ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る調理用具は、頭部を上にし
て倒立させて保持させた場合に頭部に付着した液が落下
飛散して調理台等を汚すことがないので、直接食品に触
れる頭部が調理台等に触れることがないのに加えて、調
理台等の衛生をも確保することができ、調理用具の一時
的保持の際の占有面積を減少させ、且つ衛生上の問題を
も解決する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の倒立保持型調理用具の構成例を示す
図である。図1aは、調理用具の側面図であり、図1b
は調理用具の斜視図である。
【図2】本発明の一態様に係る倒立保持型調理用具の構
成例を示す図である。図2aは調理用具の側面図であ
り、図2bは同斜視図である。
【図3】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図3aは、頭
部及び液止め部材を示す拡大斜視図であり、図3bは同
側断面図である。
【図4】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図4aは正面
図であり、図4bは側面図であり、図4cは背面図であ
る。図4dは更に他の態様に係る調理用具の正面図であ
り、図4eは同側面図である。
【図5】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図5aは正面
図であり、図5bは側面図であり、図5cは背面図であ
る。図5dは更に他の態様に係る調理用具の正面図であ
り、図5eは同側面図である。
【図6】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図6aは正面
図であり、図6bは側面図であり、図6cは背面図であ
る。図6dは更に他の態様に係る調理用具の正面図であ
り、図6eは同側面図である。
【図7】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図7aは正面
図であり、図7bは側面図である。
【図8】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
頭部及び液止め部材を示す拡大図である。図8aは正面
図であり、図8bは側面図である。
【図9】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具の
構成例を示す斜視図である。
【図10】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具
の構成例を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具
の構成例を示すための、柄部及び柄部に形成された液止
め部材を示す拡大斜視図である。
【図12】本発明の他の態様に係る倒立保持型調理用具
の構成例を示すための、柄部及び柄部に形成された液止
め部材を示す拡大斜視図である。
【図13】本発明の他の態様に係る調理用具において、
把持部に形成された液受け部を示す拡大図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柄部と、前記柄部の一端に取付けられて
    いる頭部とを有する調理用具であって、前記頭部に、調
    理用具を頭部を上にして倒立させた際に頭部に付着して
    いる液を受け止めるための液止め部材が形成されてお
    り、更に、頭部に開口が形成されていることを特徴とす
    る、倒立保持型調理用具。
  2. 【請求項2】 頭部の周縁に沿って液誘導部材が形成さ
    れている請求項1に記載の倒立保持型調理用具。
  3. 【請求項3】 液止め部材が皿状の形状である請求項1
    又は2に記載の倒立保持型調理用具。
  4. 【請求項4】 頭部に開口が形成されると共に、頭部の
    第1の面及び第2の面にそれぞれ高さ位置が異なる液止
    め部材が形成されていて、調理用具を頭部を上にして倒
    立させた際に、頭部の第1の面に付着している液が開口
    を通って第2の面に誘導されるようになっている請求項
    1に記載の倒立保持型調理用具。
  5. 【請求項5】 柄部の、頭部とは反対側の端部に、調理
    用具を頭部を上にして倒立させた状態で支持するための
    支持部材が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の倒立保持型調理用具。
  6. 【請求項6】 柄部に液止め部材が形成されている請求
    項1〜5のいずれかに記載の倒立保持型調理用具。
  7. 【請求項7】 柄部に形成されている液止め部材が皿状
    の形状である請求項6に記載の倒立保持型調理用具。
  8. 【請求項8】 柄部に形成されている液止め部材が突起
    の形状である請求項6に記載の倒立保持型調理用具。
  9. 【請求項9】 柄部の一部分に把持部を有しており、把
    持部の頭部側の端部に液受け部が形成されている請求項
    1〜8のいずれかに記載の倒立保持型調理用具。
  10. 【請求項10】 玉杓子、杓子、フライ返し、へら、シ
    ャモジ、計量スプーン、皮むき器、包丁、ナイフ、フォ
    ーク又はスプーンである請求項1〜10のいずれかに記
    載の調理用具。
JP2000216864A 1999-08-09 2000-07-18 倒立保持型調理用具 Pending JP2002028090A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007254594A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Jsr Corp 表面疎水化用組成物、表面疎水化方法、および半導体装置
JP5605886B1 (ja) * 2014-03-24 2014-10-15 悠梨香 前田 お玉

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