JP2002026963A - パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末 - Google Patents
パケット伝送方法、中継装置およびデータ端末Info
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Abstract
合であっても、あるパケットの喪失に起因して破棄され
るパケットを少なくすることができるパケット伝送方
法、中継装置およびデータ端末を提供する。 【解決手段】 送信側は、送信すべき非圧縮パケット
を、フルヘッダを含むフルヘッダパケットまたは圧縮ヘ
ッダを含むヘッダ圧縮パケットに変換して受信側に送信
する一方、受信側は、送信側から送信されたこれらのパ
ケットを受信して非圧縮パケットに変換する。さらに、
受信側は、上記送信側と受信側との間でフルヘッダパケ
ットまたはヘッダ圧縮パケットの喪失が発生した場合に
は、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受
信するまでの間に受信したヘッダ圧縮パケットを保持
し、パケット喪失後に受信したフルヘッダパケット内の
フルヘッダの内容に基づいて、保持したヘッダ圧縮パケ
ット内の圧縮ヘッダを復元する。
Description
間で行われるパケットの送受信を行うパケット伝送方
法、ならびにこれに用いられる中継装置およびデータ端
末に関する。
ルタイム性を要求されるデータを、インターネットを介
して伝送したいという要求が強くなってきている。かか
る要求に応えるためのプロトコルとして、インターネッ
トの標準化団体であるIETF(Internet Engineering Tas
k Force)が発行するRFC(Request For Comment)1889
には、RTP(Realtime Transport Protocol)が規定され
ている。このRTPによれば、ペイロードタイプの指
定、シーケンス番号の付与、タイムスタンプの付与
といった機能が規定されており、これにより音声や映像
などの実時間情報をインターネット上で伝送することが
できるようになっている。このRTPは、通常、ネットワ
ーク層のIP(Internet Protocol)およびトランスポー
ト層のUDP(User Datagram Protocol)の上位層として
利用されるものである。
IPに従って送信対象となるデータ(音声データまたは画
像データ等)に付加されるRTPヘッダ、UDPヘッダおよび
IPヘッダ(以下、これらを総称して「RTP/UDP/IPヘッ
ダ」という)の内容を示す図である。なお、以下では、
このRTP/UDP/IPヘッダを含むパケットをIPパケットと呼
ぶ。
0バイト、UDPヘッダは8バイト、RTPヘッダは12バイ
トとなり、これらのヘッダの合計のデータ量は40バイ
トとなる。一方、1つのIPパケットに含まれる画像デー
タは例えば50バイト程度であるから、かかる画像デー
タをパケット化して伝送する場合、そのオーバーヘッド
は44%にも達することとなる。同様に、音声データを
伝送する場合、1つのパケットに含まれる音声データを
20バイトとすれば、オーバーヘッドは66%にも達す
ることとなる。実際には、さらに他のレイヤにおいて付
加されるヘッダがあるため、1つのパケットに占めるヘ
ッダの割合が大きくなり、通信の効率が低下してしまう
という問題があった。
IETFが発行するRFC2508には、RTP/UDP/IPヘッダを圧縮
するRTP圧縮プロトコルが開示されている。このRT
P圧縮プロトコルによれば、図11(a)に示すRTP/UD
P/IPヘッダを、図11(b)に例示するヘッダ(以下、
「圧縮ヘッダ」という)に圧縮することができる。詳述
すると、以下の通りである。
でネットワークを介したパケットの送受信が行われる場
合に、当該ネットワークに含まれる2つのノード間にお
いて用いられる。具体的には、これらのうちの一方のノ
ード(以下、「送信側ノード」という)は、上記各デー
タ端末間で交換されるIPパケットのうちの一部のIPパケ
ット内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮ヘッダに変換し、ヘッ
ダ圧縮パケットとして他方のノード(以下、「受信側ノ
ード」という)に送信する一方、他の一部のIPパケット
内のRTP/UDP/IPヘッダは圧縮することなく、フルヘッダ
パケットとして受信側ノードに送信するのである。一
方、受信側ノードは、送信側ノードから受信したヘッダ
圧縮パケットまたはフルヘッダパケットを、IPパケット
に復元して次のノードまたは受信側のデータ端末に送信
する。なお、フルヘッダとは、図11(a)に示したRT
P/UDP/IPヘッダに含まれるlengthを、当該フルヘッダを
特定するためのCONTEXT_ID、および送信側ノードからの
送信順に順次付される連続番号であるリンクシーケンス
番号link_seqを含む情報に置き換えたものである。
内容について説明する。まず、図11(a)に示すRTP/
UDP/IPヘッダ内の密なハッチングが施された部分のデー
タ、すなわち、IPヘッダ内のバージョン番号(V)や、
RTPヘッダ内のペイロードタイプ(PT;画像データで
あるか音声データであるか等を示すデータのフォーマッ
トや、符号化方法等についての情報を含むデータ)等
は、送信側ノードから送信される各パケットにおいて共
通のデータ(以下、「一定値フィールド」という)であ
る。従って、図11(b)に示すように、圧縮ヘッダ内
にはこの一定値フィールドのデータは含まれない。送信
側ノードは、送信対象となるIPパケットのうち、少なく
とも最初のIPパケットは一定値フィールドを含むフルヘ
ッダパケットとして受信側ノードに送信する一方、その
後のIPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダは、一定値フィー
ルドを含まない圧縮ヘッダに変換し、ヘッダ圧縮パケッ
トとして受信側ノードに送信する。一方、受信側ノード
は、少なくとも最初に受信するフルヘッダパケット内の
フルヘッダからRTP/UDP/IPヘッダを復元して内部の記憶
装置に書込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダ内の一定
値フィールドを用いて、以後受信するヘッダ圧縮パケッ
ト内の圧縮ヘッダの一定値フィールドを復元するのであ
る。
ずしも全てのIPパケットにおいて一定値となるとは限ら
ず、変更が生じる場合もあり得る。このような変更があ
った場合、送信側ノードは、当該IPパケット内のRTP/UD
P/IPヘッダを圧縮することなく、フルヘッダパケットと
して受信側ノードに送信するようになっている。
ダ内のハッチングが施されていない部分のデータ、すな
わち、IPヘッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号
(sequence number)およびタイムスタンプ(timestam
p;当該パケットが送信された時刻を表す)は、送信対
象となる各IPパケット間で値が連続的に(所定の差分値
ずつ)変化し、連続する2つのIPパケット間における差
分値(変化量)が一定と期待されるデータ(以下、「差
分一定フィールド」という)である。図11(b)に示
すように、圧縮ヘッダ内には、原則としてこの差分一定
フィールドのデータは含まれない。上述したように、受
信側ノードは、記憶装置にRTP/UDP/IPヘッダを保持して
おり、このRTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドの
値に対して所定の差分値を順次加えることにより、以後
受信する圧縮ヘッダ内の差分一定フィールドを復元する
のである。
しては、必ずしも全てのIPパケット間で差分値が一定値
になるとは限らず、差分値に変更がある場合も生じる。
かかる場合には、変化後の差分値を受信側ノードに対し
て通知すれば、当該受信側ノードは、記憶装置に保持さ
れたRTP/UDP/IPヘッダの内容と新たに通知された差分値
とから、その後に受信したヘッダ圧縮パケット内の圧縮
ヘッダの差分一定フィールドの内容を復元することがで
きる。このため、図11(b)に示す圧縮ヘッダにおい
ては、差分一定フィールドについての差分値の変更の有
無を示すフラグS、TおよびIが含まれるとともに、各
差分値に変更があった場合には、図11(b)に破線で
示すように、当該変更後の差分値が付加されることとな
る。具体的には、RTPヘッダ内のシーケンス番号の差分
値に変更があった場合には、フラグSに「1」がセット
されるとともに、図11(b)に破線で示すように、当
該変更後のシーケンス番号の差分値を表すシーケンス番
号差分値(delta RTP sequence)が圧縮ヘッダに付加さ
れることとなる。同様に、RTPヘッダ内のタイムスタン
プの差分値に変更があった場合、このフラグTに「1」
がセットされるとともに、図11(b)に破線で示すよ
うに、当該変更後のタイムスタンプの差分値を表すタイ
ムスタンプ差分値(delta RTP timestamp)が圧縮ヘッ
ダに含まれることとなる。また、IPヘッダ内のIDの差分
値に変更があった場合、フラグIに「1」がセットされ
るとともに、当該変更後のIDの差分値を示すID差分値
(deltaIP ID)が圧縮ヘッダに付加されることとなる。
ヘッダには、フルヘッダと同様、CONTEXT_IDおよびlink
_seqが含まれている。受信側ノードにおいては、このCO
NTEXT_IDによって特定されるRTP/UDP/IPヘッダの内容に
従って、当該圧縮ヘッダが復元されることとなる。ま
た、受信側ノードは、送信側ノードから順次受信するパ
ケット(ヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケッ
ト)内のリンクシーケンス番号link_seqを参照し、この
リンクシーケンス番号に欠番が生じた場合には、送信側
ノードと受信側ノードとの間でパケットの喪失が発生し
たと判定するようになっている。
受信側ノードとの間でなされるパケット転送のための手
順を説明する。なお、同図においては、フィールドAは
RTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールド(すなわち、図
11(a)の密なハッチングが施されたデータのうちの
いずれか)を表し、フィールドBは差分一定フィールド
(すなわち、図11(a)のハッチングが施されていな
いデータのうちのいずれか)を表すものとする。また、
図12において、「F」はフルヘッダパケットを示し、
「C」はヘッダ圧縮パケットを示すものとする。
から受信側データ端末宛に送信されたIPパケットaを受
け取ると、このIPパケットa内のRTP/UDP/IPヘッダを内
部の記憶装置に記憶するとともに、当該ヘッダ内のleng
thをCONTEXT_IDおよびリンクシーケンス番号link_seqに
置き換えてフルヘッダを生成し、このフルヘッダと、上
記IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダ以外の部分のデータ
(以下、「RTPペイロード」という)とを含むフルヘッ
ダパケットを受信側ノードに送信する(図12中の
)。このフルヘッダパケットを受け取った受信側ノー
ドは、このパケット内のフルヘッダからRTP/UDP/IPヘッ
ダを復元し(すなわち、フルヘッダ内のCONTEXT_IDおよ
びlink_seqを取出して)、当該ヘッダを含むIPパケット
を次のノードまたは受信側データ端末に送信する。な
お、この際に、復元されたRTP/UDP/IPヘッダを内部の記
憶装置に記憶しておく。
次に受け取ったIPパケットb内のRTP/UDP/IPヘッダを圧
縮ヘッダに変換して、当該ヘッダ圧縮パケットbを受信
側ノードに送信する(図12中の)。このヘッダ圧縮
パケット内の圧縮ヘッダには、パケットb内の差分一定
フィールドBの値「1」と、直前に受け取ったパケット
aのフルヘッダ内の差分一定フィールドBの値「0」と
の差分値ΔB(=1)が付加されるとともに、差分値の
変更の有無を示すフラグ(図11(b)に示すフラグ
S、TまたはI)に「1」がセットされている。
側ノードは、記憶装置に記憶されたIPパケットaのRTP/
UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドBの値に、今回通
知された差分値ΔBを加えることにより、ヘッダ圧縮パ
ケットb内の圧縮ヘッダの差分一定フィールドBを求め
る。そして、当該差分一定フィールドB、およびIPパケ
ットaのRTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドAを含
むRTP/UDP/IPヘッダと、RTPペイロードとを含むIPパケ
ットbを送信する。なお、IPパケットbを復元する際に
参照されるRTP/UDP/IPヘッダ(この場合にはIPパケット
a内のRTP/UDP/IPヘッダ)は、ヘッダ圧縮パケットb内
のCONTEXT_IDによって特定される。また、ここではIPパ
ケットbのRTP/UDP/IPヘッダと、今回通知された差分値
ΔBとが内部の記憶装置に記憶される。
側ノードは、当該IPパケットc内のフィールドBの値
と、前回受信されたIPパケットb内の差分一定フィール
ドBとの差分値を求める。ここでは、差分値ΔBは「1
(=3−2)」であり、前回受信側ノードに対して通知
した差分値と同一であるから、新たに差分値を通知する
必要はない。従って、送信側ノードは、差分値(すなわ
ち、図11(b)において破線で示される情報)が付加
されない圧縮ヘッダを含んだヘッダ圧縮パケットcを受
信側ノードに対して送信する(図12中の)。一方、
このヘッダ圧縮パケットcを受信した受信側ノードは、
先に送信したパケットbの差分一定フィールドBに対し
て記憶装置に記憶されたΔBを加えることによってヘッ
ダ圧縮パケットc内の圧縮ヘッダの差分一定フィールド
Bを復元し、この値、およびフルヘッダパケットaのフ
ルヘッダ内の一定値フィールドAを含むRTP/UDP/IPヘッ
ダとRTPペイロードとからなるIPパケットcを送信す
る。以後、パケットdについても同様の処理がなされ
る。
ットeの差分一定フィールドBは「5」であり、前回の
IPパケットdの差分一定フィールドBとの差分値は
「2」である。このように、差分値ΔBに変更があった
場合、送信側ノードは、変更後の新たな差分値が付加さ
れ、フラグに「1」がセットされた圧縮ヘッダを含むヘ
ッダ圧縮パケットeを受信側ノードに送信する。受信側
ノードは、こうして通知された新たな差分値と、IPパケ
ットdの差分一定フィールドBの値とを加えることによ
りパケットeの差分一定フィールドBを復元し、当該差
分一定フィールドBを含むIPパケットを送信する。
ケットgは、直前に受信したIPパケットeと比較して一
定値フィールドAが異なっている。この場合、送信側ノ
ードは、当該IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダを圧縮せ
ず、パケットg内のRTP/UDP/IPヘッダ内のlengthをCONT
EXT_IDおよびlink_seqに置き換えたフルヘッダを含むフ
ルヘッダパケットgを受信側ノードに対して送信する。
このフルヘッダパケットgを受け取った受信側ノード
は、これに含まれるフルヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに復
元して内部の記憶装置に記憶する。
法(以下、「従来方法A」という)である。しかしなが
ら、この圧縮方法においては、以下に示す問題があっ
た。
パケットcが送信側ノードと受信側ノードとの間で何ら
かの原因により喪失した場合を想定する。上述したよう
に、受信側ノードは、IPパケットd内の差分一定フィー
ルドBを、IPパケットc内の差分一定フィールドBに差
分値ΔBを加えることにより復元するようになっている
ため、ヘッダ圧縮パケットcが喪失した場合にはヘッダ
圧縮パケットd内の差分一定フィールドBを復元するこ
とができない。この結果、受信側ノードにおいては、次
にフルヘッダパケットgが受信されるまでの間に受信し
たパケット、すなわち、図13におけるパケットd、e
およびfは破棄せざるを得ない。このように、一部のパ
ケットの喪失に伴ってバースト的なパケットの喪失が発
生する結果、ヘッダを圧縮しない方法を採った場合より
もスループットが低下してしまう場合も生じ得る。特に
送信側ノードと受信側ノードとの間に無線区間が含まれ
る場合には、当該無線区間においてパケットの喪失が発
生しやすいため、これに伴ってパケットのバースト的な
ロスが多く引き起こされるという問題があった。かかる
問題を解決するための技術として、IETFが発行するRFC2
507および2508ならびにInternet-Draftには、以下の各
技術が開示されている。
信(RFC2507) 上述した従来方法Aにおいては、送信側ノードは、ヘッ
ダ内の一定値フィールドに変更があった場合にのみフル
ヘッダパケットを送信するようにしたが、この方法1に
おいては、図14に示すように、一定値フィールドの変
更の有無に関わらず、送信対象となる複数のIPパケット
を一定個数間隔毎に選択し、選択したIPパケットについ
てはヘッダを圧縮することなくフルヘッダパケットとし
て受信側ノードに送信する一方、それ以外のパケットに
ついてはヘッダを圧縮してヘッダ圧縮パケットとして受
信側ノードに送信するようになっている。上記従来方法
Aにおいては、一定値フィールドに変更がない限り、受
信側ノードにはフルヘッダパケットが送信されないた
め、以後の全てのパケットが破棄されることとなるが、
本方法によれば、一定周期でフルヘッダパケットが送信
されるようになっているため、一部のパケットの喪失に
起因して破棄されるパケットの数を減らすことができる
という利点がある。しかしながら、本方法においては、
フルヘッダパケットの送信周期を長くすると、破棄され
るパケットの数が増加する一方、フルヘッダパケットの
送信周期を短くするとオーバーヘッドの大きいフルヘッ
ダパケットが多数送信されることとなり、通信効率の低
下を招くこととなるといった問題がある。
の要求(RFC2507,2508) 本方法においては、図15に示すように、パケットの喪
失を検知すると、受信側ノードは、送信側ノードに対し
てフルヘッダパケットを要求するためのメッセージであ
るCONTEXT_STATEを送信するようになっている。送信側
ノードは、このCONTEXT_STATEを受信すると、次に送信
すべきIPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノ
ードに送信する。この結果、受信側ノードにおいて、一
部のパケットの喪失に起因して他のパケットが破棄され
る期間を、パケットのロスが発生してから、CONTEXT_ST
ATEに応じて送信されたフルヘッダパケットを受信する
までの期間に抑えることができる。しかしながら、本方
法においては、受信側ノードがCONTEXT_STATEを送信し
てから、フルヘッダパケットを受信するまでの時間、す
なわちRTT(Round Trip Time)が大きいと、破棄さ
れるパケットが多くなるという問題がある。無線区間を
含んでパケットの送受信が行われる場合には、当該区間
において特にRTTが長くなるから、かかる問題は特に
顕著に現れる。
されるヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを、当該パケ
ットの喪失が発生する直前に受信し、復元したRTP/UDP/
IPヘッダに基づいて復元するようになっている。例え
ば、図16に示すように、パケットbが正常に受信され
た後、パケットcが喪失し、次にパケットdが正常に受
信された場合を想定する。この場合、パケットbからパ
ケットdの間で差分値ΔBの値に変化がないとすれば、
パケットd内の差分一定フィールドBは、パケットbの
差分一定フィールドBにΔBを2倍した数値を加えるこ
とにより算出することができる。さらに、本方法におい
ては、圧縮ヘッダ内にUDPチェックサムを含ませるよう
になっており(図11(b)参照)、このUDPチェック
サムを用いて、パケットが正しく復元できたか否かを判
断するようになっている。しかしながら、図16に示す
ように、パケットkが喪失し、かつ、パケットjからパ
ケットkの間で差分一定フィールドの差分値ΔBに変化
があった場合には、パケット喪失直後に受信されたパケ
ットlを正確に復元することができないという問題があ
る。特に、無線区間を含んでパケットの送受信が行われ
る場合にあっては、パケットの喪失が連続的に(すなわ
ち、長い期間にわたって)発生する。かかる場合には、
喪失された多数のパケット間で差分値ΔBが変化しない
場合は少ないと考えられるから、上記問題は特に顕著に
現れる。
て、差分値ΔBを推測するようになっている。例えば、
図17においては、パケットgおよびhが喪失し、か
つ、パケットgからパケットhの間で差分値ΔBの値に
変化があった場合を想定している。この場合、送信され
るメディアの特性に基づいて、差分値ΔBの変化が推測
され、推測された差分値ΔBをパケットfに加えること
により、パケットiを復元することができる。さらに、
本方法においては、誤り検出符号(CRC)によって正し
く復元できたか否かを確認するようになっている。本方
法によれば、差分値ΔBに変化があった場合であって
も、その後のパケットを復元することができる。しかし
ながら、本方法においては、差分値ΔBの変化をどのよ
うに推測するかが問題となる。
トのRTP/UDP/IPヘッダを圧縮した場合であっても効率よ
くデータ通信を行うための方法として各種の方法が提案
されてはいるものの、いずれの方法も何らかの問題を有
しており、送信側ノードと受信側ノード間で生じたある
パケットの喪失に起因して破棄されるパケットの数を効
果的に減らすには限界があるのが現状であった。
ものであり、送受信すべきパケットのヘッダを圧縮する
場合であっても、あるパケットの喪失に起因して破棄さ
れるパケットの数を有効に減らすことができるパケット
伝送方法、中継装置およびデータ端末を提供することを
目的としている。
ために、本発明は、送信側と受信側とを含むネットワー
クにおいて、前記送信側は、送信すべき非圧縮パケット
を、フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮
ヘッダを有するヘッダ圧縮パケットに変換して前記受信
側に送信する一方、前記受信側は、前記送信側から送信
されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットを
受信して非圧縮パケットに変換するパケット伝送方法で
あって、前記受信側は、前記送信側と受信側との間で前
記フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットの喪失
が発生した場合には、当該パケット喪失後、次にフルヘ
ッダパケットを受信するまでの間に受信したヘッダ圧縮
パケットを保持し、前記パケット喪失後に受信したフル
ヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記
保持したヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元する
ことを特徴とするパケット伝送方法を提供するものであ
る。
実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発
明の一態様を示すものであり、この発明を限定するもの
ではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
信システムの構成を模式的に例示するブロック図であ
る。この通信システムにおいては、送信側データ端末1
と受信側データ端末2とが、ネットワーク3を介してパ
ケットの交換を行うことができるようになっている。な
お、以下では、送信側データ端末1が受信側データ端末
2に対してパケットを送信する場合を例に説明を進め
る。
よび受信側ノード3bが含まれている。この送信側ノー
ド3aおよび受信側ノード3bは、送信側データ端末1
と受信側データ端末2との間で交換されるパケットの中
継を行う役割を担っている。なお、図1に示すネットワ
ーク3には、送信側ノード3aおよび受信側ノード3b
が1つずつ含まれている場合を例示しているが、本発明
を適用できるのはかかる場合に限られず、より多数のノ
ードが含まれていてもよいことはいうまでもない。
受信側データ端末2を宛先に特定したパケットをネット
ワーク3に対して順次送信する。ここで、送信側データ
端末1から送信されるパケットは、図11(a)に示し
たRTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケットである。送信側ノ
ード3aは、この送信側データ端末1から送信されたIP
パケットを順次受信し、受信したIPパケットをフルヘッ
ダを含むフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッダを含むヘ
ッダ圧縮パケットのいずれかに変換して受信側ノード3
bに送信する。ここで、フルヘッダとは、上述したよう
に、IPパケット内のRTP/UDP/IPヘッダにおけるIPヘッダ
またはUDPヘッダに含まれるlength値を、CONTEXT_IDま
たはlink_seqを含むデータに代えたものである。一方、
こうして送信側ノード3aから送信されたヘッダ圧縮パ
ケットまたはフルヘッダパケットを受信した受信側ノー
ド3bは、ヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダまたはフ
ルヘッダパケット内のフルヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに
復元するとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケ
ットを受信側データ端末2に送信する。受信側データ端
末2は、受信側ノード3bから送信されたIPパケットを
受信し、受信したIPパケットに従って所定の処理(例え
ば、RTPペイロードに従った画像の表示や音声の再生
等)を行う。
フルヘッダパケットは、当該フルヘッダパケットに含ま
れるフルヘッダの内容のみに基づいてRTP/UDP/IPヘッダ
を含むIPパケットを復元可能なパケットである。なお、
RTP/UDP/IPヘッダ内のlength値は、フルヘッダにおいて
CONTEXT_STATEおよびlink_seqに置き換えられるが、下
位レイヤの情報から復元可能である。これに対し、ヘッ
ダ圧縮パケットは、当該ヘッダ圧縮パケットに含まれる
圧縮ヘッダのみではRTP/UDP/IPヘッダを含むIPパケット
を復元することはできないが、その他のパケット(フル
ヘッダパケット等)の内容に基づいて、IPパケットに復
元可能なパケットである。
の構成を説明する。同図に示すように、受信側ノード3
bは、受信部31b、送信部32b、制御部33bおよ
び記憶部34bと、これらの各部を接続するバス35b
とを含んで構成されている。
信されたフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケット
を通信回線を介して受信し、制御部33bに出力するた
めの手段である。また、送信部32bは、制御部33b
から出力されたデータを通信回線を介して受信側データ
端末2に送信するための手段である。
れ、記憶部34bに記憶されたプログラムを実行するこ
とによりこの受信側ノード3bの各部を制御するための
手段である。具体的には、制御部33aは、送信側ノー
ド3aから受信部31bを介して受信したフルヘッダパ
ケットまたはヘッダ圧縮パケットをIPパケットに変換
し、送信部32bを介して受信側データ端末2に送信す
る機能を有している。また、本実施形態における制御部
33bは、送信側ノード3aと受信側ノード3bとの間
で生じたパケットの喪失を検知することができる。そし
て、かかるパケットの喪失が検知された場合、制御部3
3bは、送信側ノード3aに対してフルヘッダパケット
の送信を要求するためのCONTEXT_STATEを送信するよう
になっている。
においては、送信側と受信側との間でパケットの喪失が
生じた場合、喪失したパケット以後のパケットであっ
て、次にフルヘッダパケットが受信されるまでの間に受
信されたパケットは破棄されるようになっていた。これ
に対し、本実施形態における受信側ノード3b内の制御
部33bは、パケットの喪失を検知した後、次にフルヘ
ッダパケットを受信するまでの間に受信されたヘッダ圧
縮パケットを記憶部34bに順次書き込むようになって
いる。そして、当該パケットの喪失後にフルヘッダパケ
ットを受信すると、当該フルヘッダパケット内のフルヘ
ッダの内容に基づいて、記憶部34bに記憶されたヘッ
ダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元してIPパケットを
生成し、受信側データ端末2に送信するようになってい
る。なお、制御部33bが行う処理については、後の動
作説明において詳述する。
側ノード3bと同様の構成となっている。すなわち、送
信側ノード3aは、送信側データ端末1からのIPパケッ
トを受信する受信部31aと、当該送信側ノード3a内
の各部を制御する制御部33aと、記憶部34aと、制
御部33aから出力されたパケットを受信側ノード3b
に対して送信する送信部32aとを含んで構成されてい
る。ただし、本実施形態においては、送信側ノード3a
内の制御部33aは、送信側データ端末1から送信され
たIPパケットのうち、少なくとも最初のIPパケットをフ
ルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する一
方、その他のIPパケットをヘッダ圧縮パケットとして受
信側ノード3bに送信するようになっている。また、送
信側ノード3a内の制御部33aは、受信側ノード3b
からCONTEXT_STATEを受信した場合、その直後に送信す
べきIPパケットをフルヘッダパケットとして受信側ノー
ド3bに送信するようになっている。
作を例示するタイミングチャートである。同図に示すよ
うに、送信側データ端末1から送信対象となる最初のIP
パケットaを受信すると、送信側ノード3a内の制御部
33aは、当該パケットをフルヘッダパケットとして受
信側ノード3bに送信する。具体的には、当該IPパケッ
ト内のRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むとと
もに、当該RTP/UDP/IPヘッダに含まれるlengthフィール
ドをCONTEXT_IDおよびlink_seqを含む情報に置き換えた
フルヘッダを生成し、当該フルヘッダと、IPパケット中
のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケットaを受信
側ノード3bに対して送信する。
bを受信した場合、制御部33aは、当該IPパケットb
をヘッダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信す
る。詳述すると、制御部33aは、まず、当該IPパケッ
トのRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むととも
に、当該RTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールドの値
と、記憶部34aに記憶されているIPパケットaのRTP/
UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値との差分値を演
算する。そして、制御部33aは、当該差分値を含む圧
縮ヘッダを生成し、この圧縮ヘッダと、IPパケットb内
のRTPペイロードとを含むヘッダ圧縮パケットを、受信
側ノード3bに対して送信する。
トcを受信すると、制御部33aは、当該IPパケット内
のRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに書き込むととも
に、当該RTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値
と、記憶部34aに記憶されているIPパケットbのRTP/
UDP/IPヘッダの差分一定フィールドの値との差分値を求
め、当該差分値が、記憶部34aに記憶されている差分
値(すなわちIPパケットbとIPパケットaとの間の差分
値)と同一であるか否かを判定する。この結果、同一で
あると判定した場合には、受信側ノード3bに対して新
たに差分値を通知する必要はないから、制御部33a
は、差分値を含まない圧縮ヘッダを生成するとともに、
当該圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケットcを受信側ノ
ード3bに対して送信する。これに対し、上記差分値が
同一でないと判定した場合には、今回新たに求められた
差分値を受信側ノード3bに対して通知すべく、当該差
分値を含む圧縮ヘッダを生成するとともに、当該圧縮ヘ
ッダとIPパケットc内のRTPペイロードとを含むヘッダ
圧縮パケットを受信側ノード3bに対して送信する。さ
らに、制御部33aは、記憶部34aに既に記憶されて
いる差分値(すなわち、IPパケットaとIPパケットbと
の間の差分値)を、今回新たに得られた差分値に更新す
る。
d、eおよびfを受信した場合も、上記IPパケットcと
同様の処理がなされ、差分値を含むヘッダ圧縮パケット
または差分値を含まないヘッダ圧縮パケットが受信側ノ
ード3bに送信される。
データ端末1からIPパケットgを受信する直前に受信側
ノード3bからのCONTEXT_STATEを受信した場合を想定
している。この場合、送信側ノード3a内の制御部33
aは、CONTEXT_STATEの受信直後に送信すべきIPパケッ
トgを、フルヘッダパケットgとして送信する。以後同
様に、送信側ノード3a内の制御部33aは、パケット
h〜lについてはヘッダ圧縮パケットとして受信側ノー
ドに送信する一方、CONTEXT_STATEの受信直後に送信す
べきパケットmについてはフルヘッダパケットとして受
信側ノード3bに送信する。
は、フルヘッダパケットaを受信すると、これに含まれ
るフルヘッダからRTP/UDP/IPヘッダを復元し、これを含
むIPパケットaを受信側データ端末2に送信するととも
に、当該RTP/UDP/IPヘッダを記憶部34bに記憶する。
次に、ヘッダ圧縮パケットbを受信すると、制御部33
bは、記憶部34bに保持されたIPパケットaのRTP/UD
P/IPヘッダの内容を参照してヘッダ圧縮パケットb内の
圧縮ヘッダをRTP/UDP/IPヘッダに復元し、得られたIPパ
ケットbを受信側データ端末2に送信する。
aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが何らかの理由
により喪失された場合を例示している。この場合、受信
側ノード3b内の制御部33bは、喪失したヘッダ圧縮
パケットcの次のヘッダ圧縮パケットdを受信し、当該
パケットd内のlink_seqがパケットb内のlink_seqから
連続していないことによりパケットcが喪失されたこと
を検知する。パケットcの喪失が検知されると、制御部
33bは、送信側ノード3aに対し、CONTEXT_STATEを
送信するとともに、パケットの喪失から次のフルヘッダ
パケットを受信するまでの間に受信されるヘッダ圧縮パ
ケットを記憶部34bに順次書き込む。図3に示す例で
は、パケットcの喪失が発生してからフルヘッダパケッ
トgを受信するまでの間に、ヘッダ圧縮パケットd〜f
が受信され、これらのヘッダ圧縮パケットが順次記憶部
34bに書込まれることとなる。
は、CONTEXT_STATEに応じて送信側ノード3aから送信
されたフルヘッダパケットgを受信する。ここで、本実
施形態における制御部33bは、このフルヘッダパケッ
トg内の差分一定フィールドの値から、差分値Δを順次
減じることによって、パケットd〜fのヘッダ内の差分
一定フィールドを復元するようになっている。具体的に
は、図3に示すように、フルヘッダパケットg内の差分
一定フィールドの値から差分値Δを減じることにより、
パケットf内の差分一定フィールドの内容を復元し、こ
うして復元されたパケットf内の差分一定フィールドの
値から差分値Δを減じることにより、パケットe内の差
分一定フィールドの内容を復元する、といった具合であ
る。さらに、本実施形態においては、記憶部34bに記
憶されたIPパケットbのRTP/UDP/IPヘッダの内容に基づ
いて、パケットd〜f内の一定値フィールドの内容も復
元されるようになっている。こうして、パケットd〜f
内のRTP/UDP/IPヘッダの内容が復元されるのである。以
下、図4に示すフローチャートを参照して、上記圧縮ヘ
ッダの復元のために受信側ノード3b内の制御部33b
が実行する処理の詳細について説明する。
は、link_seqの欠番によってパケットcの喪失を検知す
ると、レジスタNに「0」をセットする(ステップS
1)。続いて、レジスタNの内容を「1」だけインクリ
メントする(ステップS3)。
るべきRTP/UDP/IPヘッダのうち、一定値フィールド、le
ngth値、UDPチェックサムおよびマーカビットを復元す
る。具体的には、記憶部34bに記憶されたIPパケット
bのRTP/UDP/IPヘッダを読み出し、当該ヘッダに含まれ
る一定値フィールドをパケットdのRTP/UDP/IPヘッダの
一定値フィールドとする。なお、UDPチェックサムおよ
びマーカビットは、図11(b)に示すように、圧縮ヘ
ッダ内に含まれるものである。また、length値は、下位
レイヤのヘッダに含まれる情報によって取得することが
できる。さらに、制御部33bは、パケットdに新たな
差分値が含まれている場合(図11(b)に示す破線部
分が含まれている場合)には当該差分値を抽出する(ス
テップS4)。
定値フィールド等について)に復元されたRTP/UDP/IPヘ
ッダと、ヘッダ圧縮パケットdに含まれるRTPペイロー
ドの内容をデータIP(1)として記憶部34bに記憶する
とともに、当該時点におけるIPヘッダのIDの差分値、RT
Pヘッダ内のシーケンス番号の差分値、およびタイムス
タンプの差分値を、それぞれΔIP_ID(1)、ΔRTP_SN(1)
およびΔRTP_TS(1)として記憶部34bに書き込む(ス
テップS5)。なお、当該時点における各情報(ID、シ
ーケンス番号およびタイムスタンプ)の差分値とは、パ
ケットdに新たな差分値が付加されている場合には当該
差分値であり、含まれていない場合にはその時点におい
て記憶部34bに保持されている差分値である。
までの間に受信されるヘッダ圧縮パケットeおよびf
(n=2〜3)についても、ステップS2〜S5の処理
が同様に行われる。
と、これに含まれるフルヘッダから取得されるRTP/UDP/
IPヘッダを、IP(4)として記憶部34bに記憶する(ス
テップS6)。続いて、パケットfとフルヘッダパケッ
トgとの間で差分値に変更がないものとみなし、パケッ
トeとパケットfとの間のID、SNおよびTSについての差
分値、すなわち、ΔIP_ID(3)、ΔRTP_SN(3)、ΔRTP_TS
(3)を、パケットfとフルヘッダパケットgとの間のI
P、SNおよびTSについての差分値、すなわち、ΔIP_ID
(4)、ΔRTP_SN(4)およびΔRTP_TS(4)とする(ステップ
S7)。つまり、 ΔIP_ID(4)=ΔIP_ID(3) ΔRTP_SN(4)=ΔRTP_SN(3) ΔRTP_TS(4)=ΔRTP_SN(3) とする。
フィールドの内容から、パケットfとgとの間の差分値
とみなされた数値、すなわち、上述したΔIP_ID(4)、Δ
RTP_SN(4)およびΔRTP_TS(4)を減じることにより、パケ
ットfの差分一定フィールドの内容を復元する(ステッ
プS8)。具体的には、パケットfについて、復元対象
となるIPヘッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号
(SN)、およびRTPヘッダ内のタイムスタンプ(TS)の
値を、それぞれIP(3).IP_ID、IP(3).RTP_SN、およびIP
(3).RTP_TSとし、フルヘッダパケットgについて、IPヘ
ッダ内のID、RTPヘッダ内のシーケンス番号、およびRTP
ヘッダ内のタイムスタンプの値を、それぞれIP(4).IP_I
D、IP(4).RTP_SN、およびIP(4).RTP_TSとすると、以下
の演算によりパケットfの差分一定フィールドの内容が
復元できる。 IP(3).IP_ID=IP(4).IP_ID−ΔIP_ID(4) IP(3).RTP_SN=IP(4).RTP_SN−ΔRTP_SN(4) IP(3).RTP_TS=IP(4).RTP_TS−ΔRTP_TS(4)
復元されると、制御部33bは、パケットfに含まれて
いたUDPチェックサムを用い、正しく復元されたか否か
を判定する(ステップS9)。この結果、正しく復元さ
れたと判定される場合には、レジスタNの値を「1」だ
けデクリメントした後(ステップS10)、パケットe
およびdについても同様に、ステップS8およびS9の
処理を実行する。
できていないと判定される場合には、それよりも前に受
信されたパケットについても正しく復元することはでき
ないから、その時点で処理を止めてステップS11に移
行する。また、ステップS10において、Nの値を
「1」だけデクリメントした結果、Nの値が「0」とな
った場合には(ステップS12)、復元対象となる全て
のパケットの復元が終了したことを意味するから、ステ
ップS11に移行する。
て、正しく復元できた各パケットを、当該各パケットに
含まれるRTPヘッダ内のシーケンス番号の順に、順次受
信側データ端末2に送信する。なお、正しく復元できな
かったパケットについては破棄される。以上が本実施形
態における動作である。
ト伝送方法によれば、パケット喪失が発生した後に受信
されるヘッダ圧縮パケットを保持しておき、次に受信し
たフルヘッダパケットの内容に基づいてこれらのパケッ
トのヘッダを復元するようになっている。ここで、上記
従来の技術において示した各方法においては、パケット
の喪失が発生した後、次のフルヘッダパケットが受信さ
れるまでの間においては、各パケットが適切に受信され
ているにもかかわらず破棄しなければならないという問
題があった。これに対し、本実施形態においては、パケ
ットの喪失から次のフルヘッダパケット受信までの間に
受信されたパケットを有効に利用することができる。従
って、パケットの喪失によって、受信側データ端末にお
けるデータの再生等に与えられる影響を、従来の技術と
比較して小さくすることができるという利点がある。
してから次のフルヘッダパケットgが受信されるまでの
間に受信されたパケットd〜fの一定値フィールドを、
当該パケットcの喪失よりも前に受信されたIPパケット
bのRTP/UDP/IPヘッダの内容に従って復元するようにし
たが、これに限らず、例えば、これらのパケットd〜f
の一定値フィールドを、新たに受信されたフルヘッダパ
ケットgの内容に基づいて復元するようにしてもよい。
図5は、本変形例におけるパケット復元のための動作を
表すフローチャートである。なお、同図に示すフローチ
ャートは、復元対象となるパケット内の一定値フィール
ドを、これらの各パケットの受信後に受信されたフルヘ
ッダパケットgの内容に基づいて復元する点を除いて前
掲図4に示したものと同様であるため、以下では、図4
と比較して異なる点についてのみ説明する。
ップS4において、パケットの喪失後に受信されたヘッ
ダ圧縮パケット内の一定値フィールドの情報を、既に受
信され記憶部34bに保持されているIPパケットbのRT
P/UDP/IPヘッダの一定値フィールドを用いて復元するよ
うにしたが、本変形例においては、ステップS4’にお
いては一定値フィールドの復元は行わず、length値、UD
PチェックサムおよびマーカビットMのみを復元するよ
うになっている。従って、続くステップS5において、
IP(N)として記憶部34bに記憶されるのは、一定値
フィールドおよび差分一定フィールドを含まないRTP/UD
P/IPヘッダと、今回受信したヘッダ圧縮パケット内のRT
Pペイロードとを有するパケットである。
ィールドは、ステップS8’において、当該パケットの
次のフルヘッダパケットgの内容に基づいて復元され
る。すなわち、図5のステップS8’に下線を付して示
すように、復元対象となるパケットの一定値フィールド
を、当該パケットの直後に受信されたフルヘッダパケッ
トに含まれる一定値フィールドの内容と同様の内容とみ
なすのである。例えば、図3に示した状況を例にとる
と、パケットfの一定値フィールドの内容を、当該パケ
ットfの直後に受信されたフルヘッダパケットgの一定
値フィールドと同一とみなすことにより、パケットfの
一定値フィールドの内容を復元する。また、パケットe
の一定値フィールドの内容を、こうして復元されたパケ
ットfの一定値フィールドの内容と同一であるとみなす
ことにより、パケットeの一定値フィールドの内容を復
元するようになっている。
ックサムにより正確に復元されたか否かが判定され、正
確に復元されたパケットのみが受信側データ端末に送信
されることとなる。本変形例によっても上記第2実施形
態と同様の効果を得ることができる。
ノード3bにおいて、パケットの喪失が発生した後に受
信したヘッダ圧縮パケットを保持するとともに、当該パ
ケット喪失後に受信したフルヘッダパケットの内容に基
づいて、保持したヘッダ圧縮パケットの内容を復元する
ようにした。しかしながら、上記各実施形態において
は、パケットの喪失後に受信したフルヘッダパケットの
差分一定フィールドと、当該フルヘッダパケットの直前
に受信したヘッダ圧縮パケットの差分一定フィールドと
の差分値に変更がないものと仮定して上記復元を行うよ
うにしたため(図4中のステップS7)、この差分値に
変更があった場合には、保持されたヘッダ圧縮パケット
の内容を正しく復元できないという問題が発生し得る。
本実施形態は、このような問題を解決可能なパケット中
継方法に係るものである。
らびに送信側ノード3aおよび受信側ノード3bの構成
は、前掲図1および図2に示したものと同様となる。た
だし、上記実施形態における送信側ノード3aから受信
側ノード3bへの送信対象がフルヘッダパケットまたは
ヘッダ圧縮パケットであったのに対し、本実施形態にお
ける送信側ノード3aは、これらのパケットに加え、所
定の場合には差分値を含むフルヘッダパケットを送信対
象とする点で異なっている。具体的には、本実施形態に
おける送信側ノード3aは、送信側データ端末1から受
信したIPパケットをフルヘッダパケットとして送信すべ
き場合であって、かつ、当該IPパケットの差分一定フィ
ールドと、その直前に受信したIPパケットの差分一定フ
ィールドとの差分値が、記憶部34aに記憶された差分
値と異なっている場合(すなわち、差分値に変更があっ
た場合)には、当該新たな差分値を含むフルヘッダパケ
ットを受信側ノード3bに対して送信するようになって
いる。
たフルヘッダパケットの内容を模式的に表す図である。
同図に破線で示すように、このフルヘッダパケットに
は、RTP/UDP/IPヘッダ内の差分一定フィールド(すなわ
ち、IPヘッダ内のID、ならびにRTPヘッダ内のシーケン
ス番号およびタイムスタンプ)のうちの差分値に変更が
あったものについて、当該変更後の差分値が含まれるこ
ととなる。また、上記各実施形態と同様に、フルヘッダ
パケット内のフルヘッダは、IPヘッダおよびUDPヘッダ
内のlength(図6(a)において斜線を付した部分)を
CONTEXT_IDおよびlink_seqに置き換えたものであるが、
差分値を付加した場合のフルヘッダパケットにおいて
は、図6(b)および(c)に示すように、CONTEXT_ID
およびlink_seqに加え、フラグS、TおよびIが含まれ
ることとなる。これらの各フラグは、差分値に変更があ
った差分一定フィールドを示す情報である。例えば、RT
Pヘッダ内のシーケンス番号の差分値に変更があった場
合、図6(a)に破線で示すように当該変更後の差分値
ΔRTP_SNがヘッダに付加されるとともに、フラグSに
「1」がセットされるのである。また、IPヘッダ内の
IDの差分値に変更があった場合、当該変更後の差分値
ΔIP_IDがヘッダに付加されるとともに、フラグIに
「1」がセットされる。同様に、RTPヘッダ内のタイ
ムスタンプの差分値に変更があった場合には、変更後の
差分値ΔRTP_TSがヘッダに付加されるとともに、フラグ
Tに「1」がセットされる。受信側ノード3bは、差分
値が付加されたフルヘッダパケットを受信すると、上記
フラグを参照することにより変更があった差分一定フィ
ールド(ID、シーケンス番号、タイムスタンプのいずれ
であるか)を検知するとともに、当該差分一定フィール
ドの変更後の差分値を取得することができるのである。
なお、以下では、上記第1実施形態と同様に、送信側ノ
ード3aが、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受
信することを契機として、IPパケットをフルヘッダパケ
ットとして受信側ノード3bに送信する場合を例示す
る。
a乃至fを順次受信すると、送信側ノード3a内の制御
部33aは、最初のIPパケットaについてはフルヘッダ
パケットとして受信側ノード3bに送信する一方、IPパ
ケットb乃至cについてはヘッダ圧縮パケットとして受
信側ノード3bに送信する。なお、この動作は、上記第
1実施形態で示したものと同様であるため、その詳細な
説明を省略する。
a内の制御部33aが、送信側データ端末1からIPパケ
ットgを受信する直前に、受信側ノード3bからCONTEX
T_STATEを受信した場合を想定している。この場合、制
御部33aは、当該CONTEXT_STATEの受信直後に送信側
データ端末1から受信したIPパケットgを、差分値を含
まないフルヘッダパケットまたは差分値が付加されたフ
ルヘッダパケットとして受信側ノード3bに送信する。
具体的には、以下の通りである。
ケットgに含まれるRTP/UDP/IPヘッダを記憶部34aに
書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダの差分一定フ
ィールドの値と、記憶部34aに記憶されているRTP/UD
P/IPヘッダ(IPパケットfに含まれていたもの)の差分
一定フィールドの値との差分値を求める。続いて、制御
部33aは、得られた差分値が、記憶部34aに記憶さ
れた差分値と同一であるか否かを判定する。この結果、
記憶部34aに記憶された差分値と同一であると判定し
た場合には、当該差分値は既に受信側ノード3bに通知
されているから、今回得られた差分値を受信側ノード3
bに改めて通知する必要はない。従って、制御部33a
は、IPパケットgのRTP/UDP/IPヘッダ内のlengthをCONT
EXT_ID(上記フルヘッダパケットaに含ませたCONTEXT_
IDとは異なるもの)およびlink_seqを含む情報に置き換
えたフルヘッダを生成し、当該フルヘッダとIPパケット
g内のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケットgを
受信側ノード3aに対して送信する。
aに記憶された差分値と同一でないと判定した場合、制
御部33aは、今回得られた差分値を受信側ノード3b
に対して通知すべく、当該差分値を含むフルヘッダパケ
ットを受信側ノード3bに対して送信する。詳述する
と、制御部33aは、まず、IPパケットgのRTP/UDP/IP
ヘッダ内のlengthを、CONTEXT_IDおよびlink_seq、なら
びに変更があった差分一定フィールドに対応して「1」
がセットされたフラグ(図6(c)参照)を含むデータ
に置き換えるとともに、上記変更後の新たな差分値(図
6(a)に破線で示す部分)を含むフルヘッダを生成す
る。そして、制御部33aは、このフルヘッダと、IPパ
ケットg内のRTPペイロードとを含むフルヘッダパケッ
トgを、受信側ノード3bに対して送信するのである。
なお、図7においては、IPパケットfとIPパケットgと
の間の差分一定フィールドの差分値に変更があり、当該
IPパケットgが差分値を含むフルヘッダパケットgとし
て送信された場合を例示している。
h乃至nを受信した場合にも上記と同様の処理がなさ
れ、差分値を含まないヘッダ圧縮パケットまたはフルヘ
ッダパケット、もしくは差分値を含むヘッダ圧縮パケッ
トまたはフルヘッダパケットのいずれかが、適宜送信側
ノード3aから受信側ノード3bに対して送信される。
が、上記のようにして送信側ノード3aから送信された
パケットを受信した場合の動作を説明する。まず、送信
側ノードから送信されたフルヘッダパケットaを受信す
ると、受信側ノード3b内の制御部は、当該フルヘッダ
パケットa内のフルヘッダに含まれるCONTEXT_IDおよび
link_seq等を抽出して記憶部34bに書き込むととも
に、フルヘッダ中のこれらの情報を、下位レイヤの内容
に基づいて得られるlengthに置き換えて、RTP/UDP/IPヘ
ッダを復元する。そして、このRTP/UDP/IPヘッダを、先
に書込んだCONTEXT_IDおよびlink_seqに対応付けて記憶
部34bに書き込むとともに、当該RTP/UDP/IPヘッダを
含むIPパケットaを受信側データ端末2に対して送信す
る。
ッダ圧縮パケットbを受信すると、受信側ノード3b内
の制御部33bは、当該ヘッダ圧縮パケットbに含まれ
る差分値を記憶部34bに書き込む。さらに、制御部3
3bは、当該圧縮ヘッダに含まれるCONTEXT_IDと同一の
CONTEXT_IDを記憶部34bから検索し、検索されたCONT
EXT_IDに対応付けられたRTP/UDP/IPヘッダ(この場合に
はIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ)を読み出す。そし
て、読み出したRTP/UDP/IPヘッダの差分一定フィールド
に、今回取得した差分値を加算して得られる差分一定フ
ィールドと、IPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダ内の一定
値フィールドとを含むRTP/UDP/IPヘッダを生成する。さ
らに、制御部33bは、記憶部34bに既に記憶されて
いるIPパケットaのRTP/UDP/IPヘッダを、今回新たに得
られたRTP/UDP/IPヘッダに更新するとともに、当該RTP/
UDP/IPヘッダを含むIPパケットbを、受信側データ端末
2に対して送信する。
aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが何らかの理由
により喪失された場合を例示している。この場合、受信
側ノード3bの制御部33bは、ヘッダ圧縮パケットd
内のlink_seqがパケットb内のlink_seqから連続してい
ないことによってヘッダ圧縮パケットcが喪失されたこ
とを検知する。以下、図8に示すフローチャートを参照
して、かかるパケットの喪失が検知された場合に制御部
33bによって実行される動作について説明する。
は、レジスタnに「0」をセットするとともに(ステッ
プS21)、直前に受信したパケット(すなわち、喪失
されたパケットの次のパケット)がヘッダ圧縮パケット
であるか否かを判定する(ステップS22)。図7に示
す例では、パケット喪失直後に受信したのはヘッダ圧縮
パケットdであるから、この判定の結果は「Yes」と
なる。次に、制御部33bは、このヘッダ圧縮パケット
について、一定値フィールド、length値、UDPチェック
サムおよびマーカビット(Mbit)を復元し、復元され
た情報と今回受信したヘッダ圧縮パケット内のRTPペイ
ロードとをIP(n)として記憶部34bに記憶する(ステ
ップS23)。すなわち、ヘッダ圧縮パケットdから復
元されるべきIPパケットd内の差分一定フィールド以外
のフィールドが復元され、IP(0)として記憶部34bに
記憶されることとなる。なお、この復元動作は、上記第
1実施形態に示したものと同様にして行うことができ
る。
る差分一定フィールドの差分値、すなわち、IPヘッダの
IDの差分値、RTPヘッダのシーケンス番号の差分値、お
よびRTPヘッダのタイムスタンプの差分値を、それぞれ
ΔIP_ID(n)、ΔRTP_SN(n)、およびΔRTP_TS(n)として
(以下、これらをまとめて「Δ(n)」と表記する)、記
憶部34bに記憶する(ステップS24)。なお、当該
時点における差分値とは、今回受信したヘッダ圧縮パケ
ットに新たな差分値が付加されている場合には当該差分
値であり、含まれていない場合には当該時点において記
憶部34bに記憶されている差分値である。
受信するまで待機し、当該次のパケットを受信すると
(ステップS25)、レジスタnの値を「1」だけイン
クリメントする(ステップS26)。以後、上記のステ
ップS22〜S26に示した動作がヘッダ圧縮パケット
eおよびfについても実行され、この結果、ヘッダ圧縮
パケットd〜fについては、図9に例示する各情報(す
なわち、IP(n)およびΔ(n))が記憶部34bに記憶され
る。
パケットを受信すると、続くステップS22における判
定結果が「No」となってステップS27に進む。すな
わち、制御部33bは、受信したフルヘッダパケットg
内のフルヘッダに含まれるCONTEXT_IDおよびlink_seq等
をlengthに置き換えたRTP/UDP/IPヘッダを生成し、当該
RTP/UDP/IPヘッダと今回受け取ったフルヘッダパケット
のRTPペイロードとからなるIPパケットを生成する。そ
して、得られたIPパケットを、IP(3)として記憶部34
bに記憶する(ステップS27)。ここで、図9に示す
ように、すなわちフルヘッダパケットから得られたIPパ
ケット(IP(3))のRTP/UDP/IPヘッダには、差分一定フ
ィールド(すなわち、ID、シーケンス番号およびタイム
スタンプ)の値も含まれる。
ケットとその前に受信されたヘッダ圧縮パケットとの間
の各差分一定フィールドの差分値をΔ(n)として記憶部
34bに記憶する。図7の場合を例にとれば、以下の通
りである。まず、制御部33bは、今回受信したフルヘ
ッダパケットgに新たな差分値(図6(a)において破
線で示された部分)が付加されているか否かを判定する
(ステップS28)。この結果、差分一定フィールドの
いずれかについての差分値が付加されていると判定する
と、当該差分一定フィールドについては新たな差分値
を、他の差分一定フィールドについては、当該時点にお
いて記憶部34bに記憶された差分値を、それぞれΔ
(3)として記憶部34bに記憶する(ステップS2
9)。これに対し、今回受信したフルヘッダパケットg
に新たな差分値が付加されていない場合には、当該時点
において記憶部34bに記憶されている差分値を、Δ
(3)として記憶部34bに記憶する(ステップS3
0)。
について、図9に示す情報が記憶部34bに記憶される
こととなる。なお、この時点において、IP(3)として記
憶されたIPパケットgには差分一定フィールドの値も含
まれているものの、パケットd乃至fの差分一定フィー
ルドはIP(0)〜IP(2)には含まれていない。従って、以
後、これらのパケットd乃至f(すなわち、ヘッダ圧縮
パケットとして受信されたパケット)のRTP/UDP/IPヘッ
ダに含ませるべき差分一定フィールドの値を復元するた
めの動作が実行される。
「1」だけデクリメントするとともに(ステップS3
2)、フルヘッダパケットから復元されたRTP/UDP/IPヘ
ッダ中の差分一定フィールドの値から、上記のようにし
て得られた差分値を減算することにより、当該フルヘッ
ダパケットの直前に受信したヘッダ圧縮パケットの差分
一定フィールドを復元する(ステップS33)。図7に
例示した場合にあっては、フルヘッダパケットgの内容
に基づいて記憶されたIP(3)に含まれる差分一定フィー
ルドの各値から、Δ(3)として記憶された各差分一定フ
ィールドの差分値を減算することにより、ヘッダ圧縮パ
ケットfの差分一定フィールドを復元する。具体的に
は、IP(3)に含まれるIDの値をIP(3).IP_ID、IP(3)に含
まれるシーケンス番号の値をIP(3).RTP_SN、IP(3)に含
まれるタイムスタンプの値をIP(3).RTP_TSとすると、ヘ
ッダ圧縮パケットfの差分一定フィールドIP(2).IP_I
D、IP(2).RTP_SN、IP(2).RTP_TSの値は、 IP(2).IP_ID=IP(3).IP_ID−ΔIP_ID(3) IP(2).RTP_SN=IP(3).RTP_SN−ΔRTP_SN(3) IP(2).RTP_TS=IP(3).RTP_TS−ΔRTP_TS(3) なる演算によって得られる(図9参照)。
ると、制御部33bは、当該差分一定フィールドと、IP
(2)として記憶部34bに記憶されている差分一定フィ
ールド以外の部分とを合わせてIPパケットfを生成す
る。この後、制御部34bは、当該IPパケットfに含ま
れるUDPチェックサムを用い、正しく復元されたか否か
を判定する(ステップS34)。この結果、正しく復元
されていると判定した場合、制御部33bは、当該IPパ
ケットfを記憶部34bに記憶する(ステップS3
5)。以後、制御部33bは、他のヘッダ圧縮パケット
eおよびdの差分一定フィールドを復元するための動
作、すなわち、上述したステップS32〜S35に示し
たのと同様の動作を繰り返す。
タnの値が「0」となった場合には、保持されたすべて
のヘッダ圧縮パケットの復元が終了したことを意味して
いるから、それまでに記憶部34bに記憶されたIPパケ
ット(フルヘッダパケットから得られたIPパケットも含
む)を、RTPヘッダ中のシーケンス番号の順番に、受信
側データ端末2に対して順次送信する(ステップS3
7)。
元できていないと判定される場合には、それよりも前に
受信されたヘッダ圧縮パケットについても正しく復元す
ることはできないから、復元が失敗したパケットを破棄
するとともに(ステップS36)、それ以前に復元が完
了しているIPパケットを受信側データ端末2に対して送
信する(ステップS37)。以上が本実施形態の動作で
ある。
の変更があった場合には、ヘッダ圧縮パケットのみなら
ずフルヘッダパケットについても当該差分値を付加して
送信するようになっている。従って、フルヘッダパケッ
トとして送信すべきIPパケットとその直前のIPパケット
との間で差分値に変更があった場合であっても、受信側
ノード3bにおいては正確にヘッダ圧縮パケットの内容
を復元することができる。
したフルヘッダパケット内の差分一定フィールドの値か
ら、パケット喪失後に保持したヘッダ圧縮パケットに関
する差分値を順次減算することによって、保持したヘッ
ダ圧縮パケットをIPパケットに復元するようにした。し
かしながら、パケット喪失後に受信したフルヘッダパケ
ットに基づいて、保持したヘッダ圧縮パケットを復元す
るための方法は、これに限られるものではない。以下に
示す本実施形態は、かかる方法の一例に関するものであ
る。なお、以下では、本実施形態のうち、上記各実施形
態と異なる部分についてのみ説明する。
は、IPパケット中の差分一定フィールドの差分値に変更
があった場合、ヘッダ圧縮パケットの圧縮ヘッダ中に当
該変更後の差分値を含ませるようにした。これに対し、
本実施形態においては、この差分値に代えて、各差分一
定フィールドの値を表すビット列のうちの下位の数ビッ
ト(以下、「下位ビット列LSB」という)を、ヘッダ圧
縮パケット中の圧縮ヘッダに含ませるようになってい
る。
ータ端末1からヘッダ圧縮パケットとして送信すべきIP
パケットを受信すると、当該IPパケット内の差分一定フ
ィールドの値と、記憶部34aに記憶されているIPパケ
ット(その直前に受信したIPパケット)内の各差分一定
フィールドの値との差分値を求め、記憶部に記憶されて
いる差分値と比較する。この結果、いずれかの差分一定
フィールドの差分値に変更があったと判定すると、送信
側ノード3a内の制御部33aは、今回受信したIPパケ
ット中の変更があった差分一定フィールドを表すビット
列から下位ビット列LSBを抽出する。そして、この下位
ビット列LSBと、変更があった差分一定フィールドに応
じて「1」がセットされたフラグ(図11(b)におけ
るフラグS、TおよびIに相当する)とを含む圧縮ヘッ
ダを生成し、この圧縮ヘッダを含むヘッダ圧縮パケット
を受信側ノード3bに対して送信するのである。一方、
上記差分値の比較の結果、双方の差分値が同一である場
合には、今回受信したIPパケットを圧縮したヘッダ圧縮
パケット中には、下位ビット列LSBは含ませない。
一定フィールドを表すビット列のうちの下位何ビットに
設定するかは、送信対象となるデータや、差分一定フィ
ールド(ID、シーケンス番号およびタイムスタンプ)ご
との性質等に応じて適宜選定される。例えば、差分一定
フィールドを表すビット列のうち、変更が生じないと予
想される上位数ビットを除いたビット列を、下位ビット
列LSBとすることが考えられる。
作を説明する。なお、実際には、上記第1実施形態等に
も示したように、差分一定フィールドにはIPヘッダ中の
IDや、RTPヘッダ中のシーケンス番号およびタイムスタ
ンプ等が含まれるが、以下では、簡単のため、これらを
総称して単に「差分一定フィールド」と呼ぶこととす
る。
端末1から最初に受信したIPパケットaをフルヘッダパ
ケットとして、以後受信したIPパケットb乃至fをヘッ
ダ圧縮パケットとして受信側ノード3bに送信する。さ
らに、図10においては、IPパケットgを受信する直前
に、受信側ノード3bからCONTEXT_STATEを受信した場
合を想定しているので、送信側ノード3aは、IPパケッ
トgについてはフルヘッダパケットとして受信側ノード
3bに送信する。ここで、上述したように、ヘッダ圧縮
パケット中の圧縮ヘッダには、差分一定フィールドの差
分値に変更があったものについてのみ下位ビット列LSB
が含まれることとなる。図10においては、ヘッダ圧縮
パケットb、dおよびfには下位ビット列LSBb、LSBdお
よびLSBfがそれぞれ含まれる一方、ヘッダ圧縮パケット
eには下位ビット列LSBが含まれない場合を想定してい
る。
は、送信側ノード3aから最初に受信したフルヘッダパ
ケットaからIPパケットaを復元して記憶部34bに格
納するとともに、このIPパケットaを受信側データ端末
2に送信する。続いて制御部33bは、次に受信したヘ
ッダ圧縮パケットbを、IPパケットaを用いて復元す
る。具体的には、図10に示すように、記憶部34bに
格納されたIPパケットaのうちの差分一定フィールドを
読み出し、この差分一定フィールドを表すビット列のう
ちの下位ビット列LSBaを、ヘッダ圧縮パケットbに含ま
れる下位ビット列LSBbに置換することによってヘッダ圧
縮パケットbの差分一定フィールドを復元する(図10
中の)。そして、制御部33bは、この差分一定フィ
ールドを含むIPパケットbを生成して記憶部34bに格
納するとともに、このIPパケットbを受信側データ端末
2に送信するのである。
3aから送信されたヘッダ圧縮パケットcが、受信側ノ
ード3bによって受信される前に、何らかの原因によっ
て喪失された場合を想定している。受信側ノード3b内
の制御部33bは、ヘッダ圧縮パケットbの次にヘッダ
圧縮パケットdを受信したことによってヘッダ圧縮パケ
ットcが喪失されたことを検知すると、送信側ノード3
aに対してCONTEXT_STATEを送信する。
失後、次にフルヘッダパケットgを受信するまでに受信
したヘッダ圧縮パケットd乃至fを記憶部34bに順次
格納する。具体的には、下位ビット列LSBを含むヘッダ
圧縮パケットを受信した場合には、当該ヘッダ圧縮パケ
ットをそのまま記憶部34bに格納する。一方、下位ビ
ット列LSBを含まないヘッダ圧縮パケットを受信した場
合には、当該ヘッダ圧縮パケットに対して、その直前に
受信した、下位ビット列LSBを含むヘッダ圧縮パケット
のLSBを付加して記憶部34bに格納する。例えば、図
10に示す例においては、ヘッダ圧縮パケットeは下位
ビット列LSBを含まないので、その直前に受信した下位
ビット列を含むヘッダ圧縮パケットdの当該下位ビット
列LSBdが、下位ビット列LSBeとして、ヘッダ圧縮パケッ
トeとともに記憶部34bに格納されることとなる。
て送信側ノード3aから送信されたフルヘッダパケット
gを受信すると、制御部33bは、このフルヘッダパケ
ットgの内容に基づいて、記憶部34bに保持されたヘ
ッダ圧縮パケットd乃至fをIPパケットに復元するため
の処理を実行する。以下、この復元処理について詳述す
る。
トgをIPパケットgに復元して記憶部34bに格納する
とともに、当該IPパケットgを受信側データ端末2に送
信する。なお、図10においては、当該IPパケットg中
の差分一定フィールドを表すビット列のうち、下位ビッ
ト列を「LSBg」、それ以外のビットを「G」によってそ
れぞれ表記している。
納されたIPパケットg内の差分一定フィールドを読み出
し、当該差分一定フィールドを表すビット列のうちの下
位ビット列LSBgを、記憶部34bに格納されたヘッダ圧
縮パケットfの下位ビット列LSBfに置き換え、ヘッダ圧
縮パケットfの差分一定フィールドを復元する(図10
中の)。そして、制御部33bは、この差分一定フィ
ールドと、IPパケットgの一定値フィールドとを含むIP
パケットfを生成するとともに、ヘッダ圧縮パケットf
中に含まれていたチェックサムを用いて正しく復元でき
たか否かを判定する。
は、このIPパケットfを用いてヘッダ圧縮パケットeが
復元される。すなわち、制御部33bは、IPパケットf
の差分一定フィールドのうちの下位ビット列LSBfを、記
憶部34bに格納されたヘッダ圧縮パケットeの下位ビ
ット列LSBe(LSBdと同一の内容である)に置き換えて、
ヘッダ圧縮パケットeの差分一定フィールドを復元する
(図10中の)。一方、IPパケットfが正しく復元で
きなかった場合には、フルヘッダパケットとして受信・
復元されたIPパケットgを用いてヘッダ圧縮パケットe
が復元される。すなわち、制御部33bは、IPパケット
gの差分一定フィールドのうちの下位ビット列LSBgを、
記憶部34bに格納されたヘッダ圧縮パケットeに対応
する下位ビット列LSBeに置き換えて、ヘッダ圧縮パケッ
トeの差分一定フィールドを復元する。
かの内容に基づいて、ヘッダ圧縮パケットeについての
差分一定フィールドを復元すると、制御部33bは、こ
の差分一定フィールドと、IPパケットfまたはg内の一
定値フィールドとを含むIPパケットeを生成するととも
に、ヘッダ圧縮パケットeに含まれていたチェックサム
を用いて正しく復元できたか否かを判定する。
後、フルヘッダパケットgの受信までの間に受信したす
べてのヘッダ圧縮パケットについて同様の処理を行う。
そして、すべてのヘッダ圧縮パケットについて処理を終
了すると、正しく復元できたIPパケットのみを、各々の
RTPヘッダ中に含まれるシーケンス番号の順に、順次受
信側データ端末2に送信する。一方、正しく復元できな
かったパケットは破棄する。
各実施形態と同様に、パケット喪失後に受信されたヘッ
ダ圧縮パケットが、当該パケット喪失直後に受信された
フルヘッダパケットに基づいて順次復元されるようにな
っているため、上記各実施形態と同様の効果を得ること
ができる。さらに、本実施形態においては、あるヘッダ
圧縮パケットの復元に際し、パケット喪失直後に受信し
たフルヘッダパケット、または当該ヘッダ圧縮パケット
の直前に復元されたIPパケットのうちのいずれかを用い
ることができる。例えば、図10においては、ヘッダ圧
縮パケットdの復元に際してフルヘッダパケットgを復
元したIPパケットg、またはヘッダ圧縮パケットeを復
元したIPパケットeのうちのいずれかを用いることがで
きる。従って、復元対象となるヘッダ圧縮パケットdの
直前の復元対象であるヘッダ圧縮パケットeが正しく復
元されなかった場合であっても、IPパケットgの内容に
基づいてヘッダ圧縮パケットdを復元することができる
のである。従って、本実施形態によれば、上記各実施形
態と比較して復元の効率を向上させることができるとい
う利点がある。
おいては、パケット喪失後に受信・保持したヘッダ圧縮
パケットの内容を、当該パケット喪失直後に受信したフ
ルヘッダパケットの内容に基づいて復元するものであれ
ばよい。すなわち、パケット喪失直後に受信したフルヘ
ッダパケットを用いて、それ以前のヘッダ圧縮パケット
を復元する方法は、上記各実施形態に示した方法に限ら
れるものではなく、他の種々の方法をも用いることがで
きるのである。
は、送信側ノード3aがIPパケットをヘッダ圧縮パケッ
トまたはフルヘッダパケットに変換する機能(以下、
「圧縮機能」という)を有する一方、受信側ノード3b
がヘッダ圧縮パケットまたはフルヘッダパケットをIPパ
ケットに変換する機能(以下、「復元機能」という)を
有するようにした。これに対し、本実施形態において
は、図1に示す送信側データ端末および受信側ノード3
bが圧縮機能を有し、送信側ノード3aおよび受信側デ
ータ端末2が復元機能を有するようになっている。
対象となるIPパケットを順次生成し、最初のIPパケット
および送信側ノード3aからCONTEXT_STATEを受信した
直後に送信すべきIPパケットについては、フルヘッダパ
ケットとして送信側ノード3aに送信する一方、その他
のIPパケットについては、ヘッダ圧縮パケットとして送
信側ノード3aに送信する。
形態における受信側ノード3bと同様の動作を行うこと
により、送信側データ端末1から送信されたフルヘッダ
パケットまたはヘッダ圧縮パケットをIPパケットに復元
し、受信側ノード3bに送信する。受信側ノード3b
は、これらのIPパケットを受信し、フルヘッダパケット
またはヘッダ圧縮パケットに変換して受信側データ端末
に送信する。
ド3bから受信したフルヘッダパケットまたはヘッダ圧
縮パケットをIPヘッダに変換する。ここで、受信側ノー
ド3bと受信側データ端末2との間で生じたパケットの
喪失を検知すると、受信側データ端末2は、当該パケッ
トの喪失後、次にフルヘッダパケットが受信されるまで
の間に受信されたヘッダ圧縮パケットを内部の記憶装置
に記憶する。そして、当該パケットの喪失後にフルヘッ
ダパケットを受信すると、当該フルヘッダパケット内の
フルヘッダの内容に基づいて、上記記憶装置に記憶され
たヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元してIPパケ
ットを生成するのである。この後、受信側データ端末2
は、受信した各パケットに含まれるデータに従って画像
の表示や音声の出力等の処理を行う。こうした場合に
も、上記各実施形態と同様の効果が得られる。
次にフルヘッダパケットを受信するまでに受信されたヘ
ッダ圧縮パケットの圧縮ヘッダの内容を、当該フルヘッ
ダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて復元する機
能を、受信側データ端末に持たせるようにしてもよいの
である。すなわち、本発明にかかるパケット伝送方法
は、ネットワーク内でパケットの送受信を行う任意の装
置に対して適用可能である。つまり、特許請求の範囲に
おける「送信側」および「受信側」は、データ端末間の
パケットの交換を中継するパケット中継装置のみなら
ず、パケットの送信元であるデータ端末およびパケット
の送信先であるデータ端末をも含む概念である。
3aは、受信側ノード3bからのCONTEXT_STATEを受信
した直後に送信すべきIPパケットを、フルヘッダパケッ
トとして受信側ノード3bに対して送信するようにし
た。しかしながら、送信側ノード3aがフルヘッダパケ
ットとして送信するIPパケットの条件は、これに限られ
るものではない。送信側ノード3aからフルヘッダパケ
ットとして送信されるIPパケットとしては、例えば以下
のようなものが考えられる。
定値フィールドの値に変更が生じない場合、送信側ノー
ド3aは、上記実施形態に示したように、最初に送信す
べきIPパケット、および受信側ノードからCONTEXT_STAT
Eを受信した直後に送信すべきIPパケットについてのみ
フルヘッダパケットとして送信することも可能である。
しかしながら、一定値フィールドの値に変更が生じ得る
場合には、かかるパケットに加え、上記従来技術Aにも
示したように、一定値フィールドの内容に変更があった
パケットもフルヘッダパケットとして送信される必要が
ある。すなわち、送信側ノード3a内の制御部33a
は、RTP/UDP/IPヘッダ内の一定値フィールドに変更があ
ったパケットについても、フルヘッダパケットとして送
信するようにしてもよい。なお、CONTEXT_STATEを受信
した直後に送信すべきIPパケットに代えて、一定値フィ
ールドに変更があったIPパケットについてのみフルヘッ
ダパケットとして送信するようにしてもよいことは言う
までもない。
方法1として示したように、送信側データ端末1から順
次送信されるパケットのうちの1のパケットを一定個数
間隔毎に選択し、選択したパケットをフルヘッダパケッ
トとして受信側ノード3bに送信するようにしてもよ
い。
も、受信側ノード3bは、パケットの喪失が発生してか
ら、送信側ノード3aからのフルヘッダパケットが受信
されるまでに受信されたパケットを保持しておき、当該
フルヘッダパケットの内容に基づいてこれらの保持した
パケットを復元する点は上記各実施形態と同様である。
ッダ圧縮パケットは、上記各実施形態に示したものに限
られない。すなわち、本発明における「フルヘッダパケ
ット」とは、送信側ノードにおける圧縮動作の内容と、
受信側ノードにおける復元動作の内容とを一致させるた
めの機能を有するパケットであればいかなる構成であっ
てもよい。例えば、フルヘッダパケットは、上記機能を
有していれば、必ずしもそれ自身の内容に基づいて非圧
縮パケットを復元可能なパケットである必要はないし、
また、必ずしもIPヘッダに基づいて生成されるパケット
である必要はない。一方、圧縮ヘッダは、他のパケット
(フルヘッダパケットや、ヘッダ圧縮パケットを復元し
たIPパケット)の内容に基づいて復元可能なパケットで
あれば、いかなる構成としてもよい。
ら次にフルヘッダが受信されるまでに受信されたヘッダ
圧縮パケットを保持しておき、当該パケットの喪失後に
受信したフルヘッダパケットの内容に基づいて、当該保
持されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元する
ようになっている。この結果、上記従来の技術と比較し
て、他のパケットの喪失に伴って破棄されるパケットを
減らすことができるという利点がある。
構成を例示するブロック図である。
を例示するブロック図である。
グチャートである。
ケット喪失時の動作を示すフローチャートである。
時の動作を示すフローチャートである。
おける差分値付きフルヘッダパケットの構成を表す図で
ある。
グチャートである。
ケット喪失時の動作を示すフローチャートである。
受信側ノード内の記憶部の記憶内容を例示する図であ
る。
における動作を示すタイミングチャートである。
であり、(b)は圧縮ヘッダの内容を示す図である。
手順を示すタイミングチャートである。
めのタイミングチャートである。
を示すタイミングチャートである。
を示すタイミングチャートである。
を示すタイミングチャートである。
を示すタイミングチャートである。
……ネットワーク、3a……送信側ノード(中継装
置)、3b……受信側ノード(中継装置)、31a……
受信部、32a……送信部、33a……制御部、34a
……記憶部、35a……バス。
Claims (8)
- 【請求項1】 送信側と受信側とを含むネットワークに
おいて、前記送信側は、送信すべき非圧縮パケットを、
フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッ
ダを有するヘッダ圧縮パケットに変換して前記受信側に
送信する一方、前記受信側は、前記送信側から送信され
たフルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットを受信
して非圧縮パケットに変換するパケット伝送方法であっ
て、 前記受信側は、 前記送信側と受信側との間で前記フルヘッダパケットま
たはヘッダ圧縮パケットの喪失が発生した場合には、当
該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信する
までの間に受信したヘッダ圧縮パケットを保持し、 前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケット内の
フルヘッダの内容に基づいて、前記保持したヘッダ圧縮
パケット内の圧縮ヘッダを復元することを特徴とするパ
ケット伝送方法。 - 【請求項2】 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘ
ッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変化す
る差分一定情報を含み、 前記受信側は、 前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットのフ
ルヘッダに含まれる差分一定情報から所定の差分値を減
ずることにより、前記保持したヘッダ圧縮パケットの差
分一定情報を復元することを特徴とする請求項1に記載
のパケット伝送方法。 - 【請求項3】 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘ
ッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変換す
る差分一定情報を含み、 前記送信側は、 前記非圧縮パケットを変換したフルヘッダパケットのう
ち少なくとも一部の前記フルヘッダパケットに対し、当
該非圧縮パケットと他の非圧縮パケットとの間の前記差
分一定情報の差分値を付加する一方、 前記受信部は、 前記パケット喪失後に、前記差分値が付加されたフルヘ
ッダパケットを受信した場合には、当該差分値と、当該
フルヘッダパケットのフルヘッダに含まれる差分一定情
報とを用いて、前記保持したヘッダ圧縮パケットの差分
一定情報を復元することを特徴とする請求項1に記載の
パケット伝送方法。 - 【請求項4】 前記送信側は、 前記非圧縮パケットをフルヘッダパケットとして送信す
る場合であって、当該非圧縮パケットと、当該非圧縮パ
ケットの直前の非圧縮パケットとの間の差分一定情報の
差分値が、他の非圧縮パケット間の差分一定情報の差分
値と異なる場合に、当該フルヘッダパケットに対して差
分値を付加することを特徴とする請求項3に記載のパケ
ット伝送方法。 - 【請求項5】 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘ
ッダは、各非圧縮パケット間で同一となる一定値情報を
含み、 前記受信側は、 前記パケット喪失直前または直後に受信したフルヘッダ
パケット内のフルヘッダに含まれる一定値情報に基づい
て、前記保持したヘッダ圧縮パケットの一定値情報を復
元することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
載のパケット伝送方法。 - 【請求項6】 前記非圧縮パケットに含まれる非圧縮ヘ
ッダは、各非圧縮パケット間で所定の差分値ずつ変化す
る差分一定情報を含む一方、少なくとも一部の前記ヘッ
ダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダは、前記非圧縮ヘッダ内
の差分一定情報を表すビット列のうちの一部である部分
ビット列を含み、 前記受信側は、 前記パケット喪失後に受信したフルヘッダパケットのフ
ルヘッダに含まれる差分一定情報を表すビット列のうち
の一部を、所定のヘッダ圧縮パケットに含まれる前記部
分ビット列に置き換えることによって、前記保持したヘ
ッダ圧縮パケットの差分一定情報を復元することを特徴
とする請求項1に記載のパケット伝送方法。 - 【請求項7】 複数のデータ端末間に介在し、各データ
端末間で交換されるパケットを中継する中継装置におい
て、 フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッ
ダを有するヘッダ圧縮パケットを受信して、非圧縮パケ
ットに変換する受信手段と、 前記フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットが、
前記受信手段によって受信される前に喪失した場合に
は、当該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受
信するまでの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを保持
する保持手段と、前記パケット喪失後に受信されたフル
ヘッダパケット内のフルヘッダの内容に基づいて、前記
保持手段によって保持されたヘッダ圧縮パケット内の圧
縮ヘッダを復元する復元手段とを具備することを特徴と
する中継装置。 - 【請求項8】 他のデータ端末との間でネットワークを
介したパケット交換が可能なデータ端末であって、 フルヘッダを有するフルヘッダパケットまたは圧縮ヘッ
ダを有するヘッダ圧縮パケットを受信して、非圧縮パケ
ットに変換する受信手段と、 フルヘッダパケットまたはヘッダ圧縮パケットが、前記
受信手段によって受信される前に喪失した場合には、当
該パケット喪失後、次にフルヘッダパケットを受信する
までの間に受信されたヘッダ圧縮パケットを保持する保
持手段と、 前記パケット喪失後に受信されたフルヘッダパケット内
のフルヘッダの内容に基づいて、前記保持手段によって
保持されたヘッダ圧縮パケット内の圧縮ヘッダを復元す
る復元手段とを具備することを特徴とするデータ端末。
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