JP2002026707A - Mosトランジスタの過電流保護装置 - Google Patents

Mosトランジスタの過電流保護装置

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JP2002026707A
JP2002026707A JP2000205723A JP2000205723A JP2002026707A JP 2002026707 A JP2002026707 A JP 2002026707A JP 2000205723 A JP2000205723 A JP 2000205723A JP 2000205723 A JP2000205723 A JP 2000205723A JP 2002026707 A JP2002026707 A JP 2002026707A
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voltage
mos transistor
constant voltage
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Shigenobu Matsuzaki
重伸 松▲崎▼
Makoto Iwashima
誠 岩島
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化によらず安定した作動特性が得られ
るMOSトランジスタの過電流保護装置を提供する。 【解決手段】 演算増幅回路31において、第1及び第
2の定電圧回路12,40の出力電圧の差を演算し、そ
の差に応じた電圧Vref2を出力し、比較回路34でこの
演算増幅回路の出力電圧Vref2とカレントミラーMOS
トランジスタ13のソースに接続されたセンス抵抗Rsの
端子電圧Vsとを比較する。そして制御回路50が負荷駆
動用MOSトランジスタ11とカレントミラーMOSト
ランジスタ13とのゲートへの制御電圧をこの比較回路
による比較結果に基づいて補正する。これにより、カレ
ントミラー型過電流保護装置において、MOSトランジ
スタのオン抵抗の温度係数による過電流検知電流値の温
度による影響を少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワー素子である
MOSトランジスタの過電流を保護するための過電流保
護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワー素子であるMOSトランジ
スタに対するカレントミラー型の過電流保護装置とし
て、例えば、コロナ社発行の「パワーデバイス・パワー
ICハンドブック」、第156ページに記載されたよう
なものが知られている。この従来のカレントミラー型の
過電流保護装置は、図4に示すような構成である。
【0003】図4において、10は半導体チップ、11
はこの半導体チップ10上に形成されたMOSトランジ
スタ、13はカレントミラーMOSトランジスタ、20
は負荷素子、30はコンパレータ回路(Comp)、4
0は定電圧(Vref)回路、50はゲートドライブ回路、
60は電源ライン、70はセンス抵抗(Rs)である。
【0004】この従来の過電流保護装置の動作について
説明する。ゲートドライブ回路50から‘Hi’信号が出
力され、MOSトランジスタ11及びカレントミラーM
OSトランジスタ13がオンになっている状態で、負荷
素子20に故障等が発生して短絡した場合、MOSトラ
ンジスタ11及びカレントミラーMOSトランジスタ1
3を介して電源ライン60とGNDが短絡され、短絡電
流Id1が流れる。この短絡電流Id1の内、Id2がMOSト
ランジスタ11側に流れ、Id3がカレントミラートラン
ジスタ13側に流れる。この短絡電流Id1が流れ続ける
と、MOSトランジスタ11及びカレントミラーMOS
トランジスタ13は破壊に至る。
【0005】カレントミラーMOSトランジスタ13に
流れる短絡電流Id3とこのトランジスタ13のオン抵抗
m*Ron(ここで、mはミラー比)と、センス抵抗13
の抵抗値Rsにより規定されるセンス電圧Vsは、次の数1
式のようになる。
【0006】
【数1】 このセンス電圧Vsと、定電圧回路40の出力電圧Vrefと
をコンパレータ回路34により比較し、Vs≧Vrefになっ
た場合、コンパレータ回路34はゲートドライブ回路5
0に対してMOSトランジスタ11及びカレントミラー
MOSトランジスタ13のゲート部を閉じるような信号
の出力を要求する。
【0007】これを受けてゲートドライブ回路50は
‘Lo’信号を出力し、MOSトランジスタ11及びカレ
ントミラーMOSトランジスタ13はオフし、短絡電流
Id1を遮断してデバイス破壊を防ぐ。このときのカレン
トミラーMOSトランジスタ13の短絡電流Id3は、数
2式に示すものである。
【0008】
【数2】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のカレントミラー型の過電流保護装置の場合、カレ
ントミラーMOSトランジスタ13のオン抵抗とセンス
抵抗70の抵抗値Rsとの比で決まるセンス電圧を定電圧
回路40の出力電圧Vrefと比較する構成であるため、次
のような問題点があった。すなわち、カレントミラーM
OSトランジスタ13のオン抵抗Ronの温度係数により
センス電圧は温度特性をもつため、検知電流値も温度特
性を持つことになる。例えば、検知電流値Id3は、カレ
ントミラーMOSトランジスタ13のオン抵抗Ronの温
度係数を考慮すると、次の数3式で表わされる。
【0010】
【数3】 ここで、αはオン抵抗Ronの温度係数である。
【0011】このパワーMOSトランジスタのオン抵抗
の温度係数αは非常に大きいことが知られており、例え
ば、α=0.35%/℃である。すると、オン抵抗Ron
は−40℃〜150℃の範囲で−25%〜45%程度変
動することになる。一方、比較電圧Vrefには、BGR回
路ような温度依存性のほとんどない定電圧回路40の出
力電圧が使用される。このため、数3式で示されるよう
な検知電流Id3は、MOSトランジスタ13のオン抵抗R
onの温度係数により大きく変動し、−40℃〜150℃
の範囲で−30%〜30%程度変動することになる。
【0012】このように、従来のMOSトランジスタの
過電流保護装置では、過電流検知電流がMOSトランジ
スタのオン抵抗の温度係数により大きく変動し、安定し
た作動特性が得られない問題点があった。
【0013】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、温度変化によらず安定した作動特性が
得られるMOSトランジスタの過電流保護装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のMOS
トランジスタの過電流保護装置は、半導体基板上に集積
された負荷駆動用MOSトランジスタ及びこれと並列な
カレントミラーMOSトランジスタと、前記カレントミ
ラーMOSトランジスタのソースに接続されたセンス抵
抗と、前記半導体基板上に形成された、適数段のダイオ
ードで成る第1の定電圧回路と、温度依存性の少ない第
2の定電圧回路と、前記第1の定電圧回路の出力電圧を
第1の抵抗を介して入力する第1の入力端と、前記第2
の定電圧回路の出力電圧を入力する第2の入力端と、出
力端とを有し、かつ前記第1の入力端と当該出力端との
間に第2の抵抗が接続され、前記第1及び第2の定電圧
回路の出力電圧の差を演算すると共にその差に応じた電
圧を出力する演算増幅回路と、前記演算増幅回路の出力
電圧と前記センス抵抗の端子電圧とを比較する比較回路
と、前記負荷駆動用MOSトランジスタとカレントミラ
ーMOSトランジスタとのゲートへの制御電圧を前記比
較回路による比較結果に基づいて補正する制御回路とを
備えたものである。
【0015】請求項2の発明のMOSトランジスタの過
電流保護装置は、半導体基板上に設けられた負荷駆動用
MOSトランジスタと、前記半導体基板上に形成され
た、適数段のダイオードで成る第1の定電圧回路と、温
度依存性の少ない第2の定電圧回路と、前記第1の定電
圧回路の出力電圧を第1の抵抗を介して入力する第1の
入力端と、前記第2の定電圧回路の出力電圧を入力する
第2の入力端と、出力端とを有し、かつ前記第1の入力
端と出力端との間に第2の抵抗が接続され、前記第1及
び第2の定電圧回路の出力電圧の差を演算すると共にこ
の差に応じた電圧を出力する演算増幅回路と、前記演算
増幅回路の出力電圧と負荷駆動用MOSトランジスタの
ドレイン電圧とを比較する比較回路と、前記負荷駆動用
MOSトランジスタのゲートへの制御電圧を前記比較回
路による比較結果に基づいて補正する制御回路とを備え
たものである。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明のMOSトランジスタの
過電流保護装置では、演算増幅回路において、第1及び
第2の定電圧回路の出力電圧の差を演算し、その差に応
じた電圧を出力し、比較回路でこの演算増幅回路の出力
電圧とカレントミラーMOSトランジスタのソースに接
続されたセンス抵抗の端子電圧とを比較する。そして制
御回路が負荷駆動用MOSトランジスタとカレントミラ
ーMOSトランジスタとのゲートへの制御電圧をこの比
較回路による比較結果に基づいて補正し、過電流を検知
した場合にはMOSトランジスタのゲートをオフさせ
る。
【0017】これにより、カレントミラー型過電流保護
装置において、MOSトランジスタのオン抵抗の温度係
数による過電流検知電流値の温度による影響を少なくす
ることができる。
【0018】請求項2の発明のMOSトランジスタの過
電流保護装置では、演算増幅回路において、第1及び第
2の定電圧回路の出力電圧の差を演算し、その差に応じ
た電圧を出力し、比較回路でこの演算増幅回路の出力電
圧と負荷駆動用MOSトランジスタのドレイン電圧とを
比較する。そして制御回路が負荷駆動用MOSトランジ
スタのゲートへの制御電圧をこの比較回路による比較結
果に基づいて補正し、過電流を検知した場合にはMOS
トランジスタのゲートをオフさせる。
【0019】これにより、ドレイン型の過電流保護装置
において、MOSトランジスタのオン抵抗の温度係数に
よる過電流検知電流値の温度による影響を少なくするこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
カレントミラー型のMOSトランジスタの過電流保護装
置の回路構成を示している。
【0021】半導体チップ10内にMOSトランジスタ
11と第1の定電圧回路12であるn段(nは適当な自
然数)直列のダイオードと、カレントミラーMOSトラ
ンジスタ13が形成されている。このダイオード12の
出力電圧の温度係数が、MOSトランジスタ11のオン
抵抗Ronの温度係数と逆符号の場合の構成は、以下のよ
うになる。
【0022】MOSトランジスタ11のソース電極はグ
ランドGNDに、ドレイン電極は負荷素子20を介して
電源ライン60に接続されている。カレントミラーMO
Sトランジスタ13のソース電極はセンス抵抗(Rs)7
0に、ドレイン電極はMOSトランジスタ11のドレイ
ン電極に接続され、MOSトランジスタ11,13が並
列接続されている。
【0023】第1の定電圧回路12であるダイオードの
カソード部はGNDに接続されている。またこのダイオ
ードのアノード部は過電流検知回路30内の定電流源3
5と、第1の抵抗素子(R1)32の一端とに接続されて
いる。この過電流検知回路30は、この定電流源35
と、第1の抵抗素子32と、第2の抵抗素子(R2)33
と、演算増幅回路(OP)31と、コンパレータ回路
(Comp)34により構成されている。第1の抵抗素
子32の他端は、第2の抵抗素子33の一端と、演算増
幅回路31の反転入力とに接続されている。
【0024】第2の定電圧回路40は従来例の定電圧回
路と同様のもので、温度依存性がほとんどないものであ
る。この第2の定電圧回路40の一端はGNDに接続さ
れ、他端は演算増幅回路31の非反転入力に接続されて
いる。この演算増幅回路31の出力は、第2の抵抗素子
33の他端とコンパレータ回路34の一端の入力とに接
続されている。
【0025】このコンパレータ回路34の他端の入力に
は、カレントミラーMOSトランジスタ13のソース電
極とセンス抵抗70の一端とが接続され、このセンス抵
抗70の端子間電圧が入力されるようにしてある。コン
パレータ回路34の出力端子は、ゲートドライブ回路5
0に接続されている。
【0026】このゲートドライブ回路50の出力は、M
OSトランジスタ11とカレントミラーMOSトランジ
スタ13とのゲートに接続され、これらのトランジスタ
11,13に‘Hi’/‘Lo’の信号を与えてこれらをオ
ン/オフ制御する。
【0027】また第1の定電圧回路12であるダイオー
ドの出力電圧の温度係数が、MOSトランジスタ11の
オン抵抗Ronの温度係数と同符号の場合に構成は、演算
増幅回路31の反転入力、非反転入力が逆になるが、そ
の他の構成は上記と同一である。
【0028】次に、第1の実施の形態の過電流保護装置
の動作を説明する。ゲートドライブ回路50から‘Hi’
信号が出力され、MOSトランジスタ11及びカレント
ミラーMOSトランジスタ13がオンになっている状態
で、負荷素子20に故障等が発生して短絡した場合、M
OSトランジスタ11及びカレントミラーMOSトラン
ジスタ13を介して電源ライン60とGNDが短絡さ
れ、短絡電流Id1が流れる。この短絡電流Id1の内、Id2
がMOSトランジスタ11側に流れ、Id4がカレントミ
ラートランジスタ13側に流れる。この短絡電流Id1が
流れ続けると、MOSトランジスタ11及びカレントミ
ラーMOSトランジスタ13は破壊に至る。
【0029】そこで、カレントミラーMOSトランジス
タ13に流れる短絡電流Id4とこのトランジスタ13の
オン抵抗m*Ron(ここで、mはミラー比)と、センス
抵抗13の抵抗値Rsにより規定されるセンス電圧Vsを求
め、このセンス電圧Vsと、第2の定電圧回路40の出力
電圧Vref2とをコンパレータ回路34により比較し、Vs
≧Vref2になった場合、コンパレータ回路34はゲート
ドライブ回路50に対してMOSトランジスタ11及び
カレントミラーMOSトランジスタ13のゲート部を閉
じるような信号の出力を要求する。
【0030】これを受けてゲートドライブ回路50は
‘Lo’信号を出力し、MOSトランジスタ11及びカレ
ントミラーMOSトランジスタ13はオフし、短絡電流
Id1を遮断してデバイス破壊を防ぐ働きをする。
【0031】さらにこの働きを詳しく説明する。半導体
チップ10内のMOSトランジスタ11及びカレントミ
ラーMOSトランジスタ13のオン抵抗Ronの温度係数
は、従来例と同様にα%/℃(>0)とし、MOSトラ
ンジスタ11のオン抵抗Ronに対してカレントミラーM
OSトランジスタ13のオン抵抗をm*Ron(mはミラ
ー比)とする。また第1の定電圧回路12であるダイオ
ードの段数をn、1段当たりの順方向電圧をVf、この順
方向電圧の温度係数をβV/℃(<0)とし、さらにセ
ンス抵抗70の抵抗値をRsとする。
【0032】このとき、センス抵抗70の端子間電圧で
あるセンス電圧Vsは、MOSトランジスタ13に流れる
電流をId4として、次の数4式で表わされる。
【0033】
【数4】 ここで、Tは温度(℃)である。
【0034】次に、このセンス電圧Vsとコンパレータ回
路34で比較する基準電圧Vref2は、次のようになる。
【0035】
【数5】 センス電圧Vsが基準電圧Vref2より大きくなったときに
過電流と検知されるので、上記の数4,5式より、Vs≧
Vref2である。
【0036】よって、このときの過電流検知電流値Id4
は、次の数6式のようになる。
【0037】
【数6】 このように示される過電流検知電流値Id4の温度による
影響が、従来の回路構成の温度による影響に比べて小さ
くなることは、次に示すとおりである。
【0038】本実施の形態の回路構成の温度による検知
電流変化率d(Id4)/dTの全温度範囲における平均値
が、従来例の回路構成の温度による検知電流変化率d(I
d3)/dTの全温度範囲における平均値より小さければ
本実施の形態の回路構成に効果があることが確認でき
る。
【0039】本実施の形態の回路構成の検知電流変化率
d(Id4)/dTの全温度範囲(−40〜150℃)にお
ける平均値f4は、次の式7のようになる。
【0040】
【数7】 また従来例の回路構成の場合の検知電流変化率d(Id3)
/dTの全温度範囲における平均値f3は、次の数8式の
ようになる。
【0041】
【数8】 ここで、150−(−40)>0であるので、R2/R1=
rとして、数7,8式を計算すると、それぞれ次の数9
式、数10式のようになる。
【0042】
【数9】
【数10】 これらより、
【数11】f3′(r)>f4′(r) を満足するようなr(=R1/R2)を設定することによ
り、本実施の形態の回路構成の過電流保護装置において
過電流検知電流値の温度による影響を、従来の回路構成
の温度による影響より少なくすることが可能となる。
【0043】これに具体的な数値を入れと計算すると、
次の通りである。MOSトランジスタ11のオン抵抗値
をRon=2mΩ(25℃)、ミラー比m=1000、オ
ン抵抗の温度係数をα=0.35%/℃、第1の定電圧
回路12のダイオードの段数をn=3、順方向電圧をVf
=0.7V(25℃)、センス抵抗値Rs=1Ω、順方向
電圧の温度係数をβ=−0.002V/℃、第2の定電
圧回路40の出力電圧をVref1=1.2とする。
【0044】数9〜数11式をrについて解くと、次の
ようになる。
【0045】
【数12】0<r<0.37 となる。
【0046】つまり、本実施の形態の回路構成におい
て、R2/R1を適切な値に設定することで、従来の回路構
成に比べ、検知電流値に対するMOSトランジスタのオ
ン抵抗Ronの温度係数による影響を小さくすることがで
きるのである。
【0047】なお、図2には本実施の形態の回路構成に
おいて、数12式を満足するR2/R1=0.1,0.2,
0.3の場合と、従来の回路構成の場合の検知電流値の
温度特性を示し、その効果を確認した。
【0048】次に、本発明の第2の実施の形態の過電流
保護装置について説明する。図3に示す第2の実施の形
態の過電流保護装置は、ドレイン電圧検知型であること
を特徴とする。
【0049】図3において、半導体チップ10内にMO
Sトランジスタ11と第1の定電圧回路12であるn段
直列のダイオードを有している。このダイオードの出力
電圧の温度係数が、MOSトランジスタ11のオン抵抗
Ronの温度係数と逆符号の場合の構成は、以下のように
なる。MOSトランジスタ11のソース電極はグランド
GNDに、ドレイン電極は負荷素子20を介して電源ラ
イン60に接続されている。第1の定電圧回路12のダ
イオードのカソード部はGNDに接続されている。また
このダイオードのアノード部は、過電流検知回路30内
の定電流源35と、第1の抵抗素子32の一端に接続さ
れている。過電流検知回路30は、この定電流源35
と、第1の抵抗素子32と、第2の抵抗素子33と、演
算増幅回路(OP)31と、コンパレータ回路(Com
p)34より構成されている。
【0050】第1の抵抗素子(R1)32の他端は、第2
の抵抗素子(R2)33の一端と演算増幅回路31の反転
入力とに接続されている。第2の定電圧回路40の一端
はGNDに、他端は演算増幅回路31の非反転入力に接
続されている。この演算増幅回路31の出力は、第2の
抵抗素子33の他端と、コンパレータ回路34の一端の
入力とに接続されている。なお、第2の定電圧回路40
は第1の実施の形態と同様であり、温度依存性のほとん
どないものである。
【0051】コンパレータ回路34の他端の入力には、
MOSトランジスタ11のドレイン電極が接続されてい
る。このコンパレータ回路34の出力端子は、ゲートド
ライブ回路50に接続されている。
【0052】ゲートドライブ回路50の出力は、MOS
トランジスタ11とカレントミラーMOSトランジスタ
13のゲートに接続されている。
【0053】また第1の定電圧回路12であるダイオー
ドの出力電圧の温度係数が、MOSトランジスタ11の
オン抵抗Ronの温度係数と同符号の場合の構成は、演算
増幅回路31の反転入力、非反転入力が逆になるが、そ
の他の構成は上記と同一である。
【0054】次に、上記の構成の第2の実施の形態の過
電流保護装置の動作を説明する。ゲートドライブ回路5
0の作用は第1の実施の形態と同様である。そしてその
動作特性は、次の通りである。
【0055】半導体チップ10内のMOSトランジスタ
11のオン抵抗Ronの温度係数は、第1の実施の形態と
同様にα%/℃(>0)とし、また第1の定電圧回路1
2のダイオードの段数をn、1段当たりの順方向電圧を
Vf、この電圧Vfの温度係数をβ%/℃(<0)とする。
【0056】MOSトランジスタ11のドレイン電圧Vd
は、MOSトランジスタ11のオン抵抗Ronとして、次
の数13式で表わされる。
【0057】
【数13】 ここで、Id1はドレイン電流、Tは温度である。
【0058】次に、このドレイン電圧Vdとコンパレータ
回路34で比較する基準電圧Vref2は次の数14式で表
わされる。
【0059】
【数14】 ドレイン電圧Vdが基準電圧Vref2より大きくなったとき
に過電流と検知されるので、上記の数13,14式よ
り、Vd≧Vref2となる。よって、このときの過電流検知
電流値Id1は、次の数15式のようになる。
【0060】
【数15】 この数15式で示した過電流検知電流値Id1の温度Tに
よる変化率が0ならば、Id2の温度による影響がなくな
ることになる。よって、数15式の両辺をTで微分する
と、次の数16式のようになる。
【0061】
【数16】 ここで、d(Id1)/dT=0とすると、R2/R1は次の数
17式のようになる。
【0062】
【数17】 このような条件を満たす第1、第2の抵抗素子R1,R2を
設定すれば、MOSトランジスタ11のオン抵抗Ronの
温度による影響をなくすことが可能となる。
【0063】このときの過電流検知電流値Id1は、数1
5式より、次の数18式となり、
【数18】 温度Tの項がなく、温度の影響を受けないことが分か
る。任意の過電流検知電流値Id1にするためには、第2
の定電圧回路40の出力電圧Vref1を変えることにより
可能となる。
【0064】次に、具体的な数値を用いて示すことにす
る。MOSトランジスタ11のオン抵抗をRon=2mΩ
(25℃)、オン抵抗の温度係数をα=0.35%/
℃、第1の定電圧回路12のダイオードの段数をn=
3、順方向電圧をVf=0.7V(25℃)、順方向電圧
の温度係数をβ=−0.002V/℃、第2の定電圧回
路40の出力電圧Vref1=1.2Vとする。
【0065】数17式より、R2/R1は次の数19式のよ
うになる。
【0066】
【数19】 例えば、R1=10kΩ,R2=4.6kΩとすると、この
ときの過電流検知電流値Id1は数18式より、次の数2
0式のようになる。
【0067】
【数20】 これより、過電流検知電流値Id1は全温度範囲で一定と
することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路図。
【図2】上記実施の形態の検知電流−温度依存性の特性
を従来例と比較したグラフ。
【図3】本発明の第2の実施の形態の回路図。
【図4】従来例の回路図。
【符号の説明】
10 半導体チップ 11 MOSトランジスタ 12 第1の定電圧回路 13 カレントミラーMOSトランジスタ 20 負荷素子 30 過電流検知回路 31 演算増幅回路 32 第1の抵抗 33 第2の抵抗 34 コンパレータ回路 35 定電流源 40 第2の定電圧回路 50 ゲートドライブ回路 60 電源 70 センス抵抗
フロントページの続き Fターム(参考) 5J055 AX32 AX53 BX16 CX07 DX13 DX22 DX50 DX52 DX83 EX02 EX07 EY01 EY12 EY21 EZ04 EZ09 EZ10 EZ65 FX05 FX08 FX12 FX19 FX32 FX38 GX01 GX06 5J090 AA03 AA43 CA02 CA56 CN01 FA04 FA17 FN10 HA10 HA19 HA25 HN07 KA09 KA17 KA28 MA13 TA01 TA02 5J091 AA03 AA43 CA02 CA56 FA04 FP01 FP05 GP01 HA10 HA17 HA19 HA25 KA09 KA17 KA28 MA13 TA01 TA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に集積された負荷駆動用M
    OSトランジスタ及びこれと並列なカレントミラーMO
    Sトランジスタと、 前記カレントミラーMOSトランジスタのソースに接続
    されたセンス抵抗と、 前記半導体基板上に形成された、適数段のダイオードで
    成る第1の定電圧回路と、 温度依存性の少ない第2の定電圧回路と、 前記第1の定電圧回路の出力電圧を第1の抵抗を介して
    入力する第1の入力端と、前記第2の定電圧回路の出力
    電圧を入力する第2の入力端と、出力端とを有し、かつ
    前記第1の入力端と出力端との間に第2の抵抗が接続さ
    れ、前記第1及び第2の定電圧回路の出力電圧の差を演
    算すると共にその差に応じた電圧を出力する演算増幅回
    路と、 前記演算増幅回路の出力電圧と前記センス抵抗の端子電
    圧とを比較する比較回路と、 前記負荷駆動用MOSトランジスタとカレントミラーM
    OSトランジスタとのゲートへの制御電圧を前記比較回
    路による比較結果に基づいて補正する制御回路とを備え
    て成るMOSトランジスタの過電流保護装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に設けられた負荷駆動用M
    OSトランジスタと、 前記半導体基板上に形成された、適数段のダイオードで
    成る第1の定電圧回路と、 温度依存性の少ない第2の定電圧回路と、 前記第1の定電圧回路の出力電圧を第1の抵抗を介して
    入力する第1の入力端と、前記第2の定電圧回路の出力
    電圧を入力する第2の入力端と、出力端とを有し、かつ
    前記第1の入力端と出力端との間に第2の抵抗が接続さ
    れ、前記第1及び第2の定電圧回路の出力電圧の差を演
    算すると共にこの差に応じた電圧を出力する演算増幅回
    路と、 前記演算増幅回路の出力電圧と負荷駆動用MOSトラン
    ジスタのドレイン電圧とを比較する比較回路と、 前記負荷駆動用MOSトランジスタのゲートへの制御電
    圧を前記比較回路による比較結果に基づいて補正する制
    御回路とを備えて成るMOSトランジスタの過電流保護
    装置。
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