JP2002026256A - 酸化物誘電体膜用電極構造およびそれを用いたキャパシタ素子及びそれらの製造方法 - Google Patents

酸化物誘電体膜用電極構造およびそれを用いたキャパシタ素子及びそれらの製造方法

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JP2002026256A
JP2002026256A JP2000201373A JP2000201373A JP2002026256A JP 2002026256 A JP2002026256 A JP 2002026256A JP 2000201373 A JP2000201373 A JP 2000201373A JP 2000201373 A JP2000201373 A JP 2000201373A JP 2002026256 A JP2002026256 A JP 2002026256A
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capacitor
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雄二 古村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 分極劣化等を防止する効果が高いキャパシタ
技術を提供する。 【解決手段】 PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜5
と、PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜3と接触する
TaN膜7aとを含み、前記TaN膜7aの少なくとも
厚さ方向の一部が全領域にわたってアモルファス化され
ている。前記TaN膜7aをアモルファス化する為には
Nイオンを注入する。 【効果】Nをイオン注入したTaN膜を用いるとアモル
ファス化したTaN膜の表面かつ水素等に対するバリア
層となり、加えてTaN膜のストレスの影響を低減する
効果があると推測される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物誘電体膜に
接して形成される酸化物誘電体膜用電極構造及びそれを
用いたキャパシタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において、強誘電体膜や高い
誘電率を有する高誘電体が注目を集めている。例えば、
ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic
Random Access Memory:DRA
M)に高誘電体膜を用いれば、一定電荷を蓄積するため
のキャパシタの面積を小さくすることができ、高集積化
に寄与する。また、DRAMのキャパシタを高い分極率
を有する強誘電体膜で形成すれば、不揮発性メモリを実
現することができる。
【0003】このような強誘電体膜の材料としては、例
えばPZT(Pb(Zr,Ti)O 3)などが、高誘電
体膜の材料としてBST((Ba,Sr)TiO3)な
どが研究されている。
【0004】このような酸化物誘電体膜を上下の電極で
挟むことによりキャパシタを形成することができる。
【0005】以下に、強誘電体材料であるPZT膜を用
いたキャパシタ構造の製造工程について簡単に説明す
る。
【0006】まず、例えば、6インチのn型Si基板
(抵抗率ρ =0.020Ωcm)を準備し、このn型
Si基板上に化学気相堆積(Chemical Vap
or Deposition: CVD)法により、W膜
を堆積する。例えば、成長温度は540℃、W膜の膜厚
は150nmである。
【0007】次に、スパッタ法によりTi膜とTiN膜
とを堆積する。例えば、Ti膜の厚さは50nm、Ti
N膜の厚さは100nmである。
【0008】次に、室温の条件下において、スパッタ法
によりPt膜を堆積する。例えばPt膜の厚さは100
nmである。
【0009】下から順にW/Ti/TiN/Ptの4層
構造を有する下部電極が形成される。
【0010】次に、Pt膜上にPZT膜を形成する。P
ZT膜は以下の方法により形成する。
【0011】まず、PZTのゾル−ゲル溶液を基板上に
スピンコート法を用いて塗布し、結晶化温度よりも低い
温度領域(250℃から300℃付近)、例えば300
℃で60分間前アニールを行い、ゾル−ゲル膜中の溶媒
成分を蒸発させて乾燥させる。その後、600℃から8
00℃の範囲、例えば700℃で20分間、非酸化雰囲
気で後アニールを行い、PZT膜の結晶化を推進する。
PZT膜の膜厚は、例えば150nmである。
【0012】結晶化したPZT膜上に、スパッタ法によ
り厚さ100nm程度のPt膜を堆積する。
【0013】次に、上記構造を加工してキャパシタ電極
を形成する工程を説明する。
【0014】Pt膜上にフォトレジストを塗布し、上部
電極を形成するためのフォトマスクを形成する。フォト
マスクを用いてイオンミリング法により上部電極をエッ
チングする。エッチングに用いたフォトマスクをアッシ
ング工程と洗浄工程により除去する。尚、電極の面積
は、例えば50×50μm2である。
【0015】例えばプラズマ法を用いて、TEOS(T
etra Etoxy Silane)により層間絶縁膜
を形成する。層間絶縁膜に上部電極に達するコンタクト
ホールを形成する。コンタクトホールを通して層間絶縁
膜の上部に配線を引き出す。
【0016】尚、必要に応じて、PZT膜、W/Ti/
TiN/Ptの4層構造を有する下部電極を加工すれ
ば、誘電体膜としてPZT膜を有するキャパシタ素子を
形成できる。
【0017】次に、高誘電体材料であるBST膜を用い
たキャパシタの製造工程を説明する。BST膜を用いた
キャパシタでは、上部電極としてRuを用いるのが一般
的である。
【0018】まず、例えば、6インチのn型Si基板
(抵抗率ρ = 0.020Ωcm)を準備し、Si基板
上に化学気相堆積(Chemical Vapor De
position: CVD)法により、W膜を堆積す
る。例えば、成長温度は540℃、W膜の膜厚は100
nmである。
【0019】次に、スパッタ法によりTiN膜を堆積す
る。TiN膜の厚さは例えば50nmである。
【0020】次に、下部電極としてCVD法によりRu
膜を堆積する。例えばRu膜の厚さは100nmであ
る。
【0021】次に、Ru膜上にBST膜を形成する。B
ST膜はスパッタリング法を用いて形成する。BST膜
の膜厚は、例えば30nmである。
【0022】BST膜上に、CVD法により厚さ100
nm程度のRu膜を堆積する。Ru膜上に例えばスパッ
タ法によりTiN膜を100nm程度堆積する。Ru膜
とTiN膜とにより上部電極が形成される。
【0023】次に、上記構造を加工してキャパシタ素子
を形成する工程を説明する。
【0024】TiN膜上にフォトレジストを塗布し、上
部電極を形成するためのフォトマスクを形成する。フォ
トマスクを用いてイオンミリング法により上部電極をエ
ッチングする。エッチングに用いたフォトマスクをアッ
シング工程と洗浄工程により除去する。尚、電極の面積
は、例えば50×50μm2である。
【0025】例えばプラズマ法を用いて、TEOS(T
etra Etoxy Silane)により層間絶縁膜
を形成する。層間絶縁膜の厚さは、例えば200nmで
ある。層間絶縁膜に上部電極に達するコンタクトホール
を形成する。コンタクトホールを通して層間絶縁膜の上
部に配線を引き出す。
【0026】必要に応じて、PZT膜、W/Ti/Ti
N/Ptの4層構造を有する下部電極を加工すれば、誘
電体膜としてPZT膜を有するキャパシタ素子を形成す
ることができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、誘電体膜を用いたキャパシタ構造を製造する際又は
製造後に、酸化物誘電体膜は、水素や水分と会合すると
電気的特性が著しく劣化する現象が生じる。
【0028】
【表1】 表1に、酸化物誘電体膜として強誘電体膜であるPZT
を用い、上部電極としてPtを用いた場合を含め様々の
上部電極構造を用いた場合におけるキャパシタの特性変
化を示す。
【0029】各上部電極を有したキャパシタ構造を、水
素雰囲気中で400℃において、100分間アニールし
た。キャパシタの特性を評価するための指標としては、
アニール後の残存分極電荷量率(アニール後の分極電荷
量/アニール前の分極電荷量)を用いた。尚、分極量Q
swとしては、20μC/cm2以上の値を有している
ことが望ましい。
【0030】上部電極として、Pt電極(100n
m)、Pt/SRO(SrRuO3)(100nm/5
0nm)、例えばスパッタリング法により形成したPt
/TiN、Pt/IrO2、Pt/TaN電極などを用
い、これら様々な電極についてアニール後の残存分極電
荷量率を調べた。
【0031】表1に示すように、上部電極としてPtを
用い、酸化物誘電体と上部電極との間にバリア層を用い
ない場合や、バリア層がTiN、TaNの場合には、残
存分極電荷量率は50%以下と小さな値になる。水素雰
囲気における特性劣化が著しいことがわかる。
【0032】一方、高誘電体は残留分極がない。メモリ
のリテンション特性は、リーク電流による。
【0033】高誘電体膜(BST膜)を含むキャパシタ
を、400℃、100分間水素雰囲気中でアニールした
際の、アニール前後のキャパシタのリーク電流を表2に
示す。
【0034】
【表2】 表2は、上部電極として上述のようにCVDにより形成
したRu膜を用いた場合と、スパッタ法により形成した
TaN膜を用いた場合のアニール前後でのリーク電流に
ついて示している。
【0035】表2に示すように、CVDにより形成した
Ru膜を上部電極として用いた場合、アニール前のリー
ク電流は、1×10-8A/cm2である。アニール後の
リーク電流は、5×10-8A/cm2である。アニール
により、リーク電流が5倍増加している。
【0036】尚、スパッタにより形成したTaN膜を上
部電極として用いた場合には、アニール前のリーク電流
は、2×10-8A/cm2である。アニール後のリーク
電流は、5×10-8A/cm2である。アニールによる
リーク電流の増加は、2.5倍である。
【0037】上部電極としてTaN膜を用いた場合の方
が、Ruを用いた場合よりもアニールの前後でのリーク
電流の増加率は低くなっている。但し、最終的なリーク
電流値は両者とも同じ様に増加した。
【0038】上記のような電気的特性(PZT膜などの
強誘電体膜における残留分極電荷量率、BST膜などの
高誘電体膜におけるリーク電流)の劣化を回避するため
には、キャパシタなどの製造工程中及び製造工程後にお
ける水素や水の発生を避けること、或いは、酸化物誘電
体膜の上に形成される上部電極のさらに上に、水素や水
分を下部へ透過させないためのバリア層を設けることが
望ましい。
【0039】例えば、水素の発生を防止するために、通
常の上部電極として用いられ、触媒作用のあるPtの代
わりに、触媒作用のない電極材料、例えばSrRuO3
やIrO2を用いれば良い。
【0040】表1によれば、バリア層としてSrRuO3
層を用いた場合には、残存分極電荷量率は75%、バリ
ア層としてIrO2層を用いた場合には、残存分極電荷
量率は80%と高い値が得られ、これらの層が水素の透
過を防止するバリア層として機能していることが推測さ
れる。
【0041】しかしながら、バリア層としてIrO
2層、SrRuO3層を用いると、材料自体のコストが高
くなるため全体として製造コストが上昇してしまう。
【0042】コストを下げるためにIrO2層、SrR
uO3の電極膜厚を薄くすると、水素や水分を下部へ透
過させない機能が低下する。
【0043】表2によれば、Ru膜を上部電極材料とし
て用いた場合に、水素雰囲気中でのアニールによるリー
ク電流の増加が大きく、信頼性に問題がある。また、R
u膜は高価であるため、より安価な別材料を用いること
ができれば好ましい。
【0044】本発明の目的は、電気的特性の劣化、例え
ば酸化物誘電体を含むキャパシタの分極劣化やリーク電
流の増加などを抑制することができる低コストの電極技
術を提供することである。
【0045】本発明の他の目的は、分極劣化等を抑制す
る効果が高いキャパシタ技術を提供することである。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜用電極構造で
あって、前記PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜と接
触するTaN膜とを含み、前記TaN膜の少なくとも厚
さ方向の一部が全領域にわたってアモルファス化されて
いる酸化物誘電体膜用電極構造が提供される。
【0047】本発明の他の観点によれば、(a)Pbま
たはBiを含む酸化物誘電体膜と接触するTaN膜を形
成する工程と、(b)前記TaN膜の少なくとも厚さ方
向の一部を全領域にわたってアモルファス化する工程と
を含む酸化物誘電体膜用電極構造の製造方法が提供され
る。
【0048】本発明のさらに他の観点によれば、下地表
面上に形成された下部電極と、前記下部電極上に形成さ
れたPb又はBiを含む酸化物誘電体膜と、前記Pb又
はBiを含む酸化物誘電体膜上形成され、少なくとも厚
さ方向の一部が全領域にわたってアモルファス化されて
いる層を含むTaN膜と、前記TaN膜上に形成された
上部電極とを含むキャパシタ素子が提供される。
【0049】本発明のさらに別の観点によれば、a)下
地表面上に下部電極を形成する工程と、(b)前記下部
電極上にPbまたはBiを含む酸化物誘電体膜を形成す
る工程と、(c)前記酸化物誘電体膜上にTaN膜を形
成する工程と、(d)前記TaN膜の少なくとも厚さ方
向の一部を全領域にわたってアモルファス化する工程
と、(e)前記TaN膜上に上部電極を形成する工程と
を含むキャパシタ素子の製造方法が提供される。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明者らは、実験及び理論的検
討を重ねた結果、PZT膜又はBST膜などの酸化物誘
電体膜上にTaN膜をスパッタリングにより形成し、そ
の後にTaN膜中にNをイオン注入した膜をキャパシタ
の上部電極として用いると、水素雰囲気中でのアニール
を行った後においても、電気的特性(例えば、強誘電体
キャパシタの分極電荷量率、高誘電体キャパシタのリー
ク電流など)の劣化が少ないことを発見した。
【0051】Nをイオン注入したTaN膜をバリア層と
して用いると電気的劣化が抑制される理由については明
確ではない。イオン注入によりTaN膜、特にその表面
層がアモルファス化するためであり、水素等に対するバ
リア性が向上すること、加えて、イオン注入によりTa
N膜のストレスの影響が低減することも関連していると
思われる。
【0052】酸化物誘電体層としてBSTを用いた場合
は、単純にスパッタにより形成したTaN膜をバリア層
として用いた場合でも、水素雰囲気中でのアニールによ
るリーク電流の増加が抑制される。さらに、TaN膜に
Nをイオン注入すると、リーク電流の増加をさらに抑制
できることを見いだした。
【0053】リーク電流の抑制に関しても、TaN膜の
表面がアモルファス化したことに起因するものと推測し
ている。アニール雰囲気中の水素、意図せずに雰囲気中
に混入した水分は、アモルファス化したTaN膜の表面
層でブロックされ、それよりも下部の酸化物誘電体膜中
に入りにくくなるものと考えられる。
【0054】尚、アモルファス層の有無は、例えば、T
aN膜に電子線を照射し、低速電子線回折像(ow
nergy lectron iffractio
n:LEED)などの反射電子線像を観察すれば良い。
反射電子線像に、アモルファス状態を示すハローパター
ンが形成されてスポットパターンがなければ、アモルフ
ァス層が形成されていると判断できる。
【0055】以下本発明を実施例に沿って説明する。
【0056】まず、本発明の第1実施例による電極構造
を含むキャパシタ及びその製造方法を説明する。
【0057】図1は、本発明の第1実施例による酸化物
誘電体用電極構造を含むキャパシタの構造を示す断面図
である。
【0058】図1に示すように、キャパシタAは、n型
Si基板1上に形成されている下部電極3と、下部電極
3の上に形成されているPZT膜5と、PZT膜5上に
形成されている上部電極7と、上部電極7を覆ってPZ
T膜5上に形成されている層間絶縁膜11と、層間絶縁
膜11内に形成され上部電極7の一部表面を開口する開
口15とを有している。
【0059】下部電極3は、基板1側から順にW膜3a
とTi膜3bとTiN膜3cとPt膜3dとを含む。
【0060】上部電極7は、PZT膜側から順にTaN
膜7aとPt膜7bとを含む。TaN膜7aは、少なく
とも厚さ方向の一部が全領域にわたってアモルファス化
されている。
【0061】本明細書において、「TaN膜の少なくと
も厚さ方向の一部が全領域にわたってアモルファス化さ
れている」との記載は、例えば平坦な下地の上にTaN
膜を形成した場合において、厚み方向(下地の法線方
向)に関する一部、例えば表面領域がアモルファス化さ
れている状態や、表面領域ではなく内部領域がアモルフ
ァス化されている状態を含む。
【0062】尚、微視的に観察した場合に面内の一部領
域がアモルファス化されていなくても、巨視的にみれば
大部分の領域(面内)においてアモルファス化されてい
れば、バリア性の向上を期待できるため、そのような状
態も上記表現は包含する。
【0063】次に、電極構造及びキャパシタの詳細な構
造について、製造工程を含めて以下に説明する。
【0064】まず、n型の6インチSi基板1(抵抗率
ρ =0.1Ωcm)を準備し、Si基板1上にCVD
法により、W膜3aを堆積する。例えば、W膜3aの成
長温度は540℃、W膜3aの膜厚は150nmであ
る。
【0065】次に、スパッタ法によりTi膜3bとTi
N膜3cとを堆積する。例えばTi膜3bの厚さは50
nm、TiN膜3cの厚さは100nmである。
【0066】次に、室温の条件下において、スパッタ法
によりPt膜3dを堆積する。例えばPt膜3dの厚さ
は100nmである。
【0067】W/Ti/TiN/Ptの4層構造を有す
る下部電極3が形成される。
【0068】次に、Pt膜3d上にPZT膜5を形成す
る。PZT膜5は以下の方法により形成する。
【0069】まず、PZTのゾル−ゲル溶液をSi基板
上(Pt膜3d上)にスピンコート法を用いて塗布し、
結晶化温度よりも低い温度、250℃から300℃付
近、例えば300℃で60分間の前アニールを行い、ゾ
ル−ゲル膜中の溶媒成分を蒸発させて乾燥させる。その
後、700℃から800℃の温度範囲、例えば700℃
で20分間の後アニールを行い、PZT膜を結晶化させ
る。PZT膜5の膜厚は、例えば150nmである。
【0070】結晶化したPZT膜5上に、スパッタ法に
より、例えば厚さ200nmのTaN膜7aを堆積す
る。次に、イオン注入法によりTaN膜7a中にNイオ
ンを注入する。
【0071】表3に、Nのドーズ量を示す。1×1013
cm-2、1×1014cm-2、1×1015cm-2の3通り
である。注入エネルギーは、30keVである。
【0072】イオン注入によりTaN膜がアモルファス
化される。TaN膜7aの上に厚さ100nm程度のP
t膜7bを堆積する。
【0073】次に、上記構造を加工してキャパシタ素子
を形成する工程を説明する。
【0074】Pt膜7b上にフォトレジストを塗布し、
上部電極7を加工するためのフォトマスクを形成する。
フォトマスクを用いてイオンミリング法により上部電極
7(7a、7b)をエッチングする。エッチングに用い
たフォトマスクをアッシング工程と洗浄工程により除去
する。さらに別のフォトマスクを用いて、PZTをエッ
チングし、別のフォトマスクを除去する。
【0075】プラズマ法を用いてTEOS(Tetra
Etoxy Silan)により層間絶縁膜11を形成
する。層間絶縁膜11にコンタクトホール15を形成す
る。コンタクトホール15を覆って層間絶縁膜11上に
上部電極7と接続する配線層Lを形成する。上部電極7
の面積は、例えば50×50μm2である。
【0076】尚、1回のフォトリソグラフィー工程によ
り形成した1のフォトマスクにより、上部電極とPZT
膜との加工を行っても良い。1回のフォトリソグラフィ
ー工程により上部電極とPZT膜とをエッチングできれ
ば、工程を簡単化できる。また、キャパシタ構造自体も
微細化が可能になる。
【0077】下部電極から配線を引き出す必要がある場
合には、下部電極を上部電極及びPZT膜よりも大きめ
に加工し、下部電極の露出している表面から配線を行っ
ても良い。或いは、後述のように、下部電極と接続され
る接続構造と、該接続構造の上に層間絶縁膜を介して形
成される下部電極とを、例えば前記層間絶縁膜内に形成
されたコンタクトホールを埋めるプラグを介して配線す
ることにより接続することもできる。
【0078】表3に、上記のキャパシタ構造Aを、40
0℃で100分間水素雰囲気中においてアニールしたの
後の残存分極電荷量率(%)を示す。
【0079】
【表3】 TaN膜7aへのNのドーズ量、1×1013cm-2、1
×1014cm-2、1×1015cm-2の3通りに対応し
て、残存分極電荷量率としてそれぞれ30%、60%、
70%の値が得られた。
【0080】表1に示すように、TaN膜にNのイオン
注入をしなかった場合には、残存分極電荷量率は40%
である。表3のデータをグラフにして残存分極電荷量率
が40%を越えるドーズ量を求めると、約5×1×10
14cm-3となる。この結果より、ドーズ量を少なくとも
5×1×1014cm-3以上、好ましくは1×1014cm
-3以上のドーズ量にすれば、TaN膜中へのNのイオン
注入による残存分極電荷量率の向上の効果が現れると考
えられる。
【0081】前述のように、TaN膜中にNをイオン注
入するとPZT膜を含むキャパシタの残存分極電荷量率
が向上するのは、TaN膜の表面領域がアモルファス化
され、水素や水分のPZT膜内への侵入をある程度阻止
するためと考えられる。
【0082】尚、上記の実施例1においては、キャパシ
タのサイズ(上部電極のサイズ)は50×50μm2
ある。キャパシタのサイズが2×2μm2程度まで小さ
くなると、同様の条件によりTaN膜中にNをイオン注
入しても、水素雰囲気中でのアニール後の残存分極電荷
量率は30%程度であり、電気的特性の劣化を抑制でき
ないことがわかった。この実験結果から、キャパシタの
サイズをあまり小さくすると、TaN膜にNをイオン注
入することによる残存分極電荷量率の低下防止の効果は
小さかった。
【0083】イオン注入による残存分極電荷量率の低下
防止効果にキャパシタサイズ依存性が存在する現象に関
しては、サイズが小さい場合には、周辺部の寄与が相対
的に大きくなり、キャパシタの周辺からの水素等の回り
込みの影響が顕著になる可能性が強いこと、電極膜のス
トレスが変化すること起因するのではないかと推測され
る。
【0084】従って、例えばキャパシタ素子の外周部を
水素等の回り込みから保護する構造、例えばキャパシタ
素子の側壁に、厚さ方向の一部がアモルファス化された
TaN層を全領域にわたって含む層を形成することによ
り解決できるのではないかと考えられる。
【0085】次に、第1実施例の変形例について説明す
る。
【0086】第1実施例の変形例による電極構造の製造
方法は、TaN膜にイオン注入するイオン種がNではな
くSiである点において、第1実施例による電極構造の
製造方法と異なる。
【0087】表4に、TaN膜中へのSiのイオン注入
量(ドーズ量)と残存分極電荷量率との関係を示す。
【0088】
【表4】 表4に示すように、Siのドーズ量を1×1015
-2、1×1016cm-2とした時の残存分極電荷量率
は、それぞれ70%、75%と高い値が得られた。
【0089】尚、SiはPZTとの反応性が高いので、
Siイオンが注入される深さを、TaN膜の厚さ(20
0nm)の1/2(100nm)を越えないように、注
入エネルギーを20keVに設定している。
【0090】尚、「Siイオンが注入される深さを、T
aN膜の厚さ(200nm)の1/2(100nm)を
越えないように設定する。」とは、注入されたイオン濃
度のテール部分が厚さの1/2を越えないようにすると
いう意味である。
【0091】次に、本発明の第2実施例によるキャパシ
タ装置及びその製造方法について説明する。
【0092】図2は、本発明の第2実施例によるキャパ
シタ構造を示す断面図である。
【0093】図2に示すように、キャパシタBは、n型
Si基板31上形成されている下部電極33と、下部電
極33の上に形成されているBST膜35と、BST膜
35上に形成されている上部電極37と、上部電極37
を覆ってBST膜35上に形成されている層間絶縁膜4
1と、層間絶縁膜41内に形成され上部電極37の一部
表面を開口する開口45とを有している。
【0094】下部電極33は、基板31側から順にW膜
33a、TiN膜33bとRu膜33cとを含む。上部
電極37は、BST膜35側から順にTaN膜37aと
Pt膜37bとを含む。
【0095】より詳細な構造について、製造工程を含め
て以下に説明する。
【0096】n型の6インチSi基板(抵抗率ρ =
0.1Ωcm)31を準備し、Si基板31上にCVD
法により、W膜33aを堆積する。例えば、成長温度は
540℃、W膜33aの膜厚は100nmである。
【0097】次に、スパッタ法によりTiN膜33bを
堆積する。例えば、TiN膜33bの厚さは50nmで
ある。
【0098】次に、下部電極としてCVD法によりRu
膜33cを堆積する。例えば、Ru膜33cの厚さは1
00nmである。
【0099】次に、Ru膜33c上にBST膜35を形
成する。BST膜35はスパッタリング法を用いて形成
する。BST膜35の膜厚は、例えば30nmである。
【0100】BST膜35上に、スパッタ法により、例
えば厚さ200nmのTaN膜37aを堆積する。次
に、イオン注入法によりTaN膜37a中にNイオンを
注入する。
【0101】イオン注入によりTaN膜がアモルファス
化される。TaN膜37aの上に例えば厚さ100nm
程度のPt膜37bを堆積する。
【0102】次に、上記構造を加工してキャパシタ電極
を形成する工程を、図2を参照して説明する。
【0103】Pt膜37b膜上にフォトレジストを塗布
し、上部電極37を形成するためのフォトマスクを形成
する。フォトマスクを用いてイオンミリング法により上
部電極をエッチングする。エッチングに用いたフォトマ
スクをアッシング工程と洗浄工程により除去する。さら
に別のフォトマスクを形成して、BST膜を加工する。
【0104】プラズマ法によりTEOS(Tetra
Etoxy Silan)を用いて層間絶縁膜41用に
堆積する。厚さ200nmの層間絶縁膜41にコンタク
トホール45を形成する。コンタクトホール45を覆っ
て層間絶縁膜41上に上部電極37と接続する配線層L
を形成する。キャパシタ構造が完成する。尚、電極の面
積は、例えば50×50μm2である。
【0105】尚、第1実施例と同様に、上部電極とBS
Tとの加工を1のフォトマスクにより行うこともでき
る。
【0106】また、下電極にはRuを含む電極を用い
たが、Ru膜の代わりに、TaN膜又は少なくとも一部
領域がアモルファス化されたTaN膜を用いても良い。
【0107】表5に、上記キャパシタ構造Bを水素ガス
雰囲気中において400℃で100分アニールした場合
の、アニール前後におけるリーク電流を示す。
【0108】
【表5】 上記の各ドーズ量に対応した注入エネルギーは30ke
Vである。
【0109】表5に示すように、Nをイオン注入した場
合のドーズ量を1×1013cm-2とした場合、アニール
前のリーク電流は、2×10-8A/cm2である。アニ
ール後のリーク電流は、8×10-8A/cm2である。
アニールにより、リーク電流が4倍に増加した。
【0110】Nのドーズ量を、1×1014cm-2とした
場合、アニール前のリーク電流は、2×10-8A/cm
2、アニール後のリーク電流は、5×10-8A/cm2
ある。アニールにより、リーク電流が2.5倍増加し
た。
【0111】Nのドーズ量を、1×1015cm-2とした
場合、アニール前のリーク電流は、1×10-8A/cm
2、アニール後のリーク電流は、5×10-8A/cm2
ある。アニールにより、リーク電流が5倍増加した。
【0112】上記の実験結果より、Nのドーズ量として
1×1014cm-2以上で、アニール処理後のリーク電流
が低いことがわかる。
【0113】Nのドーズ量として1×1014cm-2又は
1×1015cm-2であれば、アニール後のリーク電流は
5×10-8A/cm2であり、表2に示したCVD−R
uを上部電極に用いた場合とほぼ同等のリーク電流値に
抑えることができた。
【0114】尚、Nのドーズ量として5×1013
-2、好ましくは1×1014cm-2であればリーク電流
の増大は抑制される。
【0115】表6に、TaN膜にSiをイオン注入した
場合の、水素雰囲気中でのアニール前後におけるキャパ
シタのリーク電流を示す。
【0116】
【表6】 表6に示すように、TaN膜中にSiをイオン注入した
場合、ドーズ量を、1×1015cm-2にすると、アニー
ル前のリーク電流は、2×10-8A/cm2である。ア
ニール後のリーク電流は、5×10-8A/cm2であ
る。アニールにより、リーク電流が2.5倍増加した。
【0117】Siのドーズ量を、1×1016cm-2にす
ると、アニール前のリーク電流は、2×10-8A/cm
2である。アニール後のリーク電流は、5×10-8A/
cm2である。アニールにより、リーク電流が2.5倍
増加した。
【0118】上記の実験結果より、1×1015cm-2
は1×1016cm-2であれば、アニール後のリーク電流
は5×10-8A/cm2であり、表2に示したRuを上
部電極に用いた場合とほぼ同等のリーク電流値に抑える
ことができることがわかる。
【0119】以上、第1実施例及び第2実施例について
説明した。第1実施例、第2実施例においては、酸化物
誘電体膜の上部に形成される上部電極の一部(バリア
層)として、少なくとも厚さ方向の一部を全領域にわた
ってアモルファス化されたTaN膜を用いた例について
説明した。
【0120】工程を単純にするために、酸化物誘電体膜
の下部に形成される下部電極の一部としてTaN膜を用
いても良い。
【0121】この場合、酸化物誘電体膜上に形成される
上部電極もTaN膜を含む層で形成し、かつ、少なくと
も厚さ方向の一部を全領域にわたってアモルファス化さ
れたTaN膜を形成しておいても良い。
【0122】TaN膜と酸化物誘電体膜との接触箇所
は、その目的や構造に応じて任意に選択されるものであ
る。
【0123】もちろん、少なくとも厚さ方向の一部を全
領域にわたってアモルファス化されたTaN膜と、表1
に示される種々の電極構造とを組み合わせることもでき
ることは言うまでもない。
【0124】表7は、6インチウェハー一枚当たりの上
部電極(バリア電極)製造工程に要するコストを比較し
たものである。
【0125】
【表7】 表7に示すように、SRO電極、CVD−Ru電極を用
いると、製造コストが3000円となる。IrO2電極
を用いると製造コストは4500円である。
【0126】一方、TaN電極を用いると、製造コスト
は800円である。イオン注入工程を加えても、製造コ
ストは1300円である。
【0127】表7より、従来の電極を用いた場合に比べ
て、イオン注入によりアモルファス化されたTaN膜を
用いると、コストは半分以下に下がることがわかった。
【0128】上記のキャパシタとトランジスタとを同一
基板上に多数形成し、例えば、1つのトランジスタのソ
ース端子と電源電圧VDとの間に1つのキャパシタを直
列に接続し、トランジスタのドレイン端子をビット線
に、トランジスタのゲート端子をワード線に接続してメ
モリセルとすれば、ランダムアクセスが可能なメモリ装
置を形成することができる。
【0129】酸化物誘電体膜として、PZT等の強誘電
体膜を用いれば、不揮発性のメモリである強誘電体メモ
リ(FeRAM)を形成することができる。酸化物誘電
体膜として高誘電体膜を用いれば、高性能のDRAMを
形成することができる。
【0130】本発明の第3の実施の形態による半導体記
憶装置について図3及び図4を参照して説明する。
【0131】図3は、図1に示す強誘電体膜を用いたキ
ャパシタ素子を、FeRAMのキャパシタ素子として用
いた構造を示す断面図である。
【0132】図3に示すように、メモリセル構造MC
は、p型シリコン半導体層(ウェル層)51内に、ソー
ス領域/ドレイン領域を形成するn型半導体層55S/
55Dが形成されている。単位セルを画定するための境
界には、例えば局所酸化法(LOCOS)を用いて素子
分離用の酸化膜57が形成されている。
【0133】ソース領域/ドレイン領域を形成する半導
体層55S/55D間に、トランジスタのゲート電極G
が形成されている。ゲート電極Gは、より詳細には、シ
リコン基板51表面に形成されている酸化膜61上に形
成されている。ゲート電極Gは、例えば、多結晶シリコ
ン層65とWSi膜67とからなるポリサイドにより形
成される。ゲート電極Gはワード線WLを兼ねている。
【0134】シリコン半導体51の表面には、ゲート電
極Gを覆って第1の層間絶縁膜71が形成されている。
第1の層間絶縁膜71は、シリコン酸化膜、シリコン酸
化窒化膜、スピンオングラス(SOG)等の単層又は複
数層の絶縁膜で形成される。
【0135】上記のソース/ゲート/ドレインにより1
つのトランジスタTrが形成される。
【0136】尚、図3においては、1つのメモリセルM
Cの他に、左側に該1つのメモリセルMCに隣接し、か
つ、ソース領域S(ビット線BL)を共通にする別のメ
モリセルに含まれるトランジスタの一部(ワード線を含
む)が示されている。
【0137】第1の層間絶縁膜71内に、その表面から
ドレイン領域を形成するn型半導体層55Dに達する第
1のコンタクトホール73が形成されている。
【0138】第1のコンタクトホール73内に、Wによ
り形成される導電性プラグ75が充填されている。
【0139】第1の層間絶縁膜71の表面の所定領域に
導電性プラグ75を覆ってTi/TiNバリア層83、
Ptにより形成される下部電極85、PZT(Pb(Z
r,Ti)O3)などにより形成されている強誘電体膜
87、アモルファスTaN層を含むTaN膜91aとP
t電極91bとを含む上部電極91の第1の積層構造S
Sが例えば島状に形成されている。第1の積層構造SS
は、強誘電体キャパシタを形成する。
【0140】第1の積層構造SSを覆って、第1の層間
絶縁膜71上に第2の層間絶縁膜81が形成される。第
2の層間絶縁膜81も、第1の層間絶縁膜71と同様の
層構造で形成できる。
【0141】第2の層間絶縁膜81表面から第1の積層
構造SS上に達する第2のコンタクトホール93が形成
されている。
【0142】また、第2の層間絶縁膜81表面から第2
及び第1の層間絶縁膜81、71を貫通し、ソース領域
を形成する半導体層55Sに達する第3のコンタクトホ
ール101が形成される。
【0143】第2及び第3のコンタクトホール93、1
01の内壁に、TiNからなるバリア層95,103が
形成される。第2及び第3のコンタクトホール93,1
01内であってバリア層95,103の上に、Wにより
形成されるプラグ97、105が充填される。
【0144】プラグ97、105を覆うように、第2の
層間絶縁膜81上に、TiN膜113、Al膜115、
TiN膜117をこの順に堆積し、パターニングするこ
とによって第2の積層構造SS2を帯状に形成する。
【0145】ソース領域Sに接続する第2の積層構造S
S2はビット線BLを形成し、キャパシタ素子を構成す
る第1の積層構造SSに接続する第2の積層構造SS2
は、プレート線PLを形成する。
【0146】第2の層間絶縁膜81上に、ビット線BL
とプレート線PLとを覆うように第3の層間絶縁膜11
1が形成されている。
【0147】図4は、図3に対応するメモリセルを複数
個アレイ状に含むメモリ装置を示す回路図である。
【0148】図4に示すように、ビット線BLとワード
線WLの各交点にメモリセルMCが接続されている。メ
モリセルMCは、1つのトランジスタTrと、1つの強
誘電体キャパシタ素子FCとを含む。トランジスタTr
と強誘電体キャパシタ素子FCとが直列に接続されてい
る。
【0149】より詳細には、トランジスタTrのゲート
電極Gは、ワード線WLに接続され、トランジスタTr
のソースSとビット線BLとが接続されている。トラン
ジスタTrのドレインDと強誘電体キャパシタFCの一
端とが接続され、強誘電体キャパシタFCの他端は、プ
レート線PLに接続されている。
【0150】プレート線PLは、ビット線BLと平行に
配置しても、ワード線WLと平行に配置しても、平面的
に配置しても良い。
【0151】強誘電体キャパシタFCが誘電分極をも
つ。ワード線WLにトランジスタのオン電圧を印加して
おき、ビット線BLとプレート線PLとの間に所定の電
圧(強誘電体に誘電分極を生じさせる以上の電圧)を印
加すると、その後、ビット線BLとプレート線PLとの
間の電圧をゼロに戻しても残留分極が残る。この状態
を"1"の書き込み状態とする。
【0152】記憶状態"1"を記憶状態"0"に変化させる
ためには、ワード線WLにトランジスタのオン電圧を印
加しておき、負の残留分極−Prが残るまで、ビット線
BLとプレート線PLとの間に負の電圧を印加すれば良
い。一旦生じた誘電分極は、ビット線BLとプレート線
PLとの間に所定の大きさ以上の正又は負の電圧が印加
されるまで半永久的に保持される。
【0153】上記のようなFeRAMを構成した場合、
少なくとも厚さ方向の一部を全領域にわたってアモルフ
ァス化されたTaN層を含むTaN膜をPZTキャパシ
タ膜とPt層との間に設けたため、アニール雰囲気の水
素と意図せずに含まれる水分などの通過が、アモルファ
スTaN膜においてブロックされる。残存分極電荷率の
高いPZT強誘電体キャパシタを備えるFeRAMが安
価に製造できる。
【0154】尚、強誘電体キャパシタの代わりにBST
膜などの高誘電体膜を用いたメモリセルを形成すること
により、リーク電流の少ないDRAMを製造することも
できる。
【0155】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。その他、種
々の変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自
明であろう。
【0156】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸化物誘電体膜とそれと接触する電極とによる電極構造
を得ることができる。
【0157】この電極を用い、電気的特性の劣化が少な
いキャパシタ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例によるキャパシタ素子の
概略断面図である。
【図2】 本発明の第2実施例によるキャパシタ素子の
概略断面図である。
【図3】 本発明の第3実施例によるFeRAMの構造
を示す断面図である。
【図4】 本発明の第3実施例によるFeRAMの回路
図である。
【符号の説明】
A、B キャパシタ 1、31 Si基板 3、33 下部電極 5、35 酸化物誘電体膜(PZT) 7、37 上部電極 11、41 層間絶縁膜 15、45 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F038 AC05 AC15 EZ13 EZ14 EZ20 5F083 AD00 AD14 AD22 FR02 GA06 GA21 JA14 JA15 JA17 JA38 JA39 JA40 JA43 MA06 MA16 MA17 PR23 PR33 PR36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜用
    電極構造であって、 前記PbまたはBiを含む酸化物誘電体膜と接触するT
    aN膜とを含み、 前記TaN膜の少なくとも厚さ方向の一部が全領域にわ
    たってアモルファス化されている酸化物誘電体膜用電極
    構造。
  2. 【請求項2】 (a)PbまたはBiを含む酸化物誘電
    体膜と接触するTaN膜を形成する工程と、 (b)前記TaN膜の少なくとも厚さ方向の一部を全領
    域にわたってアモルファス化する工程とを含む酸化物誘
    電体膜用電極構造の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(b)が、 (b−1)前記TaN膜中にイオン注入する工程を含む
    請求項2に記載の酸化物誘電体膜用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 下地表面上に形成された下部電極と、 前記下部電極上に形成されたPb又はBiを含む酸化物
    誘電体膜と、 前記Pb又はBiを含む酸化物誘電体膜上形成され、少
    なくとも厚さ方向の一部が全領域にわたってアモルファ
    ス化されている層を含むTaN膜と、 前記TaN膜上に形成された上部電極とを含むキャパシ
    タ素子。
  5. 【請求項5】 a)下地表面上に下部電極を形成する工
    程と、 (b)前記下部電極上にPbまたはBiを含む酸化物誘
    電体膜を形成する工程と、 (c)前記酸化物誘電体膜上にTaN膜を形成する工程
    と、 (d)前記TaN膜の少なくとも厚さ方向の一部を全領
    域にわたってアモルファス化する工程と、 (e)前記TaN膜上に上部電極を形成する工程とを含
    むキャパシタ素子の製造方法。
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