JP2002025436A - 含浸型陰極構体の製造方法 - Google Patents

含浸型陰極構体の製造方法

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JP2002025436A
JP2002025436A JP2000211684A JP2000211684A JP2002025436A JP 2002025436 A JP2002025436 A JP 2002025436A JP 2000211684 A JP2000211684 A JP 2000211684A JP 2000211684 A JP2000211684 A JP 2000211684A JP 2002025436 A JP2002025436 A JP 2002025436A
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Eiichiro Uda
英一郎 宇田
Sadao Matsumoto
貞雄 松本
Kiyomi Koyama
生代美 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧、高周波数条件下でも、十分な耐イオ
ン衝撃性を有し、良好な電子放射特性、さらには良好な
低温動作性を有する、高性能、高寿命の含浸型陰極構体
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 多孔質の高融点金属の焼結体表面にスカ
ンジウムあるいはその化合物を含む下層を形成する工程
と、前記下層上に高融点金属からなる上層を形成する工
程と、前記下層および上層からなる表面被覆層を形成し
た後に、前記多孔質の高融点金属の焼結体に、アルカリ
土類金属を含む複合酸化物を溶融含浸させるとともに、
前記表面被覆層を改質する工程とにより形成されること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー受像管、ク
ライストロン、進行波管等の電子管に用いられる含浸型
陰極構体の製造方法に係り、特に、高電流密度動作が可
能な、高性能、長寿命の含浸型陰極構体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査線を増加させ、解像度を改善
したカラー受像管や、超高周波対応受像管の開発が要請
されている。また、投写管等においても、輝度の向上が
望まれている。これらの要請に応えるためには、陰極か
らの放出電流密度を従来よりも大幅に増加させる必要が
ある。
【0003】ところで、含浸型陰極は、酸化物陰極に比
べて大きな電流密度が得られるため、これまで撮像管、
進行波管、クライストロン等の電子管に使用されてき
た。カラー受像管の分野では、HD−TV管、ED−T
V管等の特殊用途のみに限られていたが、近年、大型C
PT用等への適用の要請が高まり、含浸型陰極の採用範
囲が急速に拡大されている。
【0004】一般に、含浸型陰極を用いた陰極構体は、
陰極ホルダーにより支持された円筒状陰極スリーブの先
端に陰極基体を取り付けることにより構成されている。
陰極スリーブ内にはヒーターが配置され、このヒータに
より陰極基体が加熱され、陰極基体に含浸された電子放
出物質から電子が放出される。
【0005】このような含浸型陰極を用いた陰極構体
は、陰極基体として、例えば空孔率15%から20%の
多孔質タングステンを用い、この陰極基体の空孔部に、
例えば酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(Ca
O)および酸化アルミニウム(Al2 3 )等の電子放
射物質を含浸したものである。
【0006】また、このような陰極基体の電子放射面上
に、スパッター法などの薄膜形成手段により、イリジウ
ム(Ir)等の薄膜層が設けられた、メタルコート型含
浸陰極構体もある。
【0007】このような含浸型陰極構体では、陰極基体
が電子管内でヒーターによって加熱されることにより、
陰極基体内に含浸された、例えばバリウム(Ba)ある
いは酸素(O)等が拡散し、陰極基体表面の電子放射面
上に電気二重層が形成されることによって、高密度の電
流放射が可能となる。
【0008】電子管用陰極構体は、省電力の目的からコ
ンパクトな構造に構成されている。従って、陰極基体は
必然的にその厚さおよび直径が制限され、そのため電子
放射物質を充分に含浸させることが困難となる。
【0009】一般に、含浸型陰極基体の寿命特性は、電
子放射物質の主要成分であるBaの蒸発量に支配され、
蒸発によりBaが消耗すると陰極基体のBa単原子層被
覆率が減少して、要求される長寿命特性が得られない。
このことは、実用上大きな問題となっている。
【0010】これらの理由から、低温動作および高電流
密度動作が可能な含浸型陰極構体の開発が強く要望さ
れ、この要望に応える陰極として、酸化スカンジウム
(Sc23 )を分散させた含浸型陰極、あるいは陰極
基体表面にスカンジウム(Sc)化合物を被着したスカ
ンジウム系含浸型陰極の開発が行われている。
【0011】このスカンジウム系含浸型陰極を用いた陰
極構体では、例えば900℃から1000℃の動作温度
で、数10A/cm2 の放出電流密度が得られているこ
とが報告されている。
【0012】また、二極管にスカンジウム系含浸型陰極
構体を適用した例では、パルス幅5μ秒、周波数50H
zのパルス放射電流評価では、従来のメタルコート型含
浸陰極構体の約10倍ほどの放射電流密度が得られるこ
とが報告されており、従来の陰極構体の放射電流よりも
大幅な向上が期待される。しかし、高周波パルスでは事
情が異なる。
【0013】二極管によるパルス評価では、その周波数
を受像管等で一般に使用される15.75kHzとした
場合には、従来のメタルコート型と同等程度の放射電流
しか得られない。つまり、スカンジウム系含浸型陰極構
体には、デューティーの低い動作条件ではカソード温度
が比較的低温でも、充分なエミッションを得ることがで
きるが、高デューティー領域の動作になると、この低温
動作効果が減少し、メタルコート含浸型陰極構体とスカ
ンジウム系含浸型陰極構体との特性に顕著な差がなくな
ってくる。
【0014】この原因は以下のように考察される。即
ち、低デューティー動作では、多孔質基体の空孔部から
拡散するBa、O、Scの供給が充分であるために、陰
極基体の電子放射面上の電気二重層が保たれているが、
高デューティーの動作では、この電気二重層がイオン衝
撃をうけて破壊されてしまう。従って、低デューティー
動作領域で優位であったスカンジウム系陰極が、高デュ
ーティー動作領域でメタルコート型と差異がなくなるの
は、Scの拡散速度の遅さに起因するものと考えられ
る。
【0015】スカンジウム系含浸型陰極の陰極基体をオ
ージェ電子分光により表面解析をしたところ、イオン衝
撃をうけると、表面のScが消失し、電子放射の良好な
Sc濃度に回復するまでにかなりの時間を要することが
わかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
スカンジウム系含浸型陰極では、高電圧、高周波数の条
件下では、十分な耐イオン衝撃性を得ることが出来なか
った。即ち、高周波数動作でイオン衝撃をうけると、消
失したScの回復が遅く、低温動作性が低下するという
欠点があり、実用上不十分なものであった。
【0017】本発明は、上述のような従来技術の問題点
に鑑みてなされたもので、高電圧、高周波数条件下で
も、十分な耐イオン衝撃性を有し、良好な電子放射特
性、さらには良好な低温動作性を有する、高性能、高寿
命の含浸型陰極構体の製造方法を提供することを目的と
する。
【0018】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、陰極基体と、この陰極基体を加熱するヒ
ーターとを含む電子管用含浸型陰極構体の製造方法であ
って、前記陰極基体は、多孔質の高融点金属の焼結体表
面にスカンジウムあるいはその化合物を含む下層を形成
する工程と、前記下層上に高融点金属からなる上層を形
成する工程と、前記下層および上層からなる表面被覆層
を形成した後に、前記多孔質の高融点金属の焼結体に、
アルカリ土類金属を含む複合酸化物を溶融含浸させると
ともに、前記表面被覆層を改質する工程とにより形成さ
れることを特徴とする電子管用含浸型陰極構体の製造方
法を提供する。
【0019】このような本発明の電子管用含浸型陰極構
体の製造方法において、アルカリ土類金属を含む複合酸
化物として、スカンジウムあるいはその化合物を含む複
合酸化物を用いることが出来る。複合酸化物に含まれる
スカンジウムあるいはその化合物の含有量は、0.1〜
15重量%であるのが望ましい。
【0020】なお、複合酸化物に含まれるスカンジウム
あるいはその化合物としては、金属スカンジウム(S
c)、酸化スカンジウム(Sc2 3 )、水素化スカン
ジウム(ScH2 )等を用いることが出来る。複合酸化
物の含浸および表面被覆層の改質の工程は、例えば16
00〜1800℃で行われることが望ましい。
【0021】焼結体を構成する高融点金属としては、タ
ングステンまたはモリブデンを用いることが出来る。ア
ルカリ土類金属の複合酸化物として、BaO:CaO:
Al2 3 =4:1:1モル比のものを、混合するスカ
ンジウムあるいはその化合物として酸化スカンジウムを
用いた場合、混合する割合は10重量%以下が好まし
く、より好ましくは1重量%以下である。酸化スカンジ
ウムの含有率が高くなるにしたがい、上記作用の効果は
顕著となるが、高すぎると逆に電子放出特性が低くな
る。
【0022】本発明者らによる実験によれば、下層であ
るスカンジウムあるいはその化合物からなる薄膜層とし
て、金属スカンジウム(Sc)のほか、酸化スカンジウ
ム(Sc2 3 )、水素化スカンジウム(ScH2 )、
レニウム−スカンジウム(Re−Sc)合金等を用いる
ことができる。上層である高融点金属からなる薄膜層と
しては、タングステン(W)のほか、モリブデン(M
o)を用いることができる。
【0023】下層であるスカンジウムあるいはその化合
物からなる薄膜層として酸化スカンジウム(Sc
2 3 )を、上層である高融点金属からなる薄膜層とし
てタングステン(W)を用いる場合には、酸化スカンジ
ウム層の膜厚は10Å〜1500Å、酸化スカンジウム
層とタングステン層をあわせた膜厚は100Å〜300
0Åが好ましく、酸化スカンジウム層の膜厚は150Å
〜1500Å、酸化スカンジウム層とタングステン層を
あわせた膜厚は300Å〜3000Åであることがより
好ましい。
【0024】酸化スカンジウム層が薄くなりすぎると、
初期電子放出特性が悪化し、同時に陰極の寿命も短くな
る。逆に、酸化スカンジウム層が厚くなりすぎると、陰
極表面のスカンジウム濃度が高くなりすぎ、やはり電子
放出特性が悪化する。
【0025】金属スカンジウム層とタングステン層をあ
わせた膜厚は、薄すぎると有効な拡散層を形成すること
ができず、厚すぎると表面にスカンジウムを出現させる
のに極めて高い温度あるいは長い時間の含浸温度が必要
となり、陰極の製造が困難となる。
【0026】本発明者らは、スカンジウム系含浸型陰極
が、高電圧、高周波数動作条件の下で十分な耐イオン衝
撃性を示すために、電子放射面上に電気二重層を構成す
る酸素、スカンジウム、バリウムが、イオン衝撃後に非
常に早い回復を示すような改良された電子放射面を形成
することを試み、種々研究を重ねた結果、本発明をなす
に至った。
【0027】従来、陰極基体の表面被覆層の改質は、電
子管の活性化工程で行われるのが常識であった。しか
し、電子管の活性化工程では、陰極ヒーターを用いて陰
極基体を加熱しなければならないため、それによって上
限温度が決まってしまう。スカンジウムの拡散が長期に
わたって持続するようにするためには、厚い拡散層を作
ることが必要であるが、そのためには、陰極ヒーターに
よるよりも高い温度による表面被覆層の改質が必要であ
る。
【0028】本発明の方法では、表面被覆層の改質を、
アルカリ土類金属を含む複合酸化物の溶融含浸の工程で
同時に行っている。このような高温での表面被覆層の改
質により、厚い拡散層が形成され、スカンジウムの拡散
が長期にわたって持続される。
【0029】なお、溶融含浸の工程におけるような高温
では、多孔質の焼結体を構成する高融点金属と、空孔部
に溶融含浸されているアルカリ土類金属を含む複合酸化
物と、表面被覆層に含まれるスカンジウムあるいはその
化合物とが反応して形成された反応生成物が、陰極の電
子放出特性を劣化させることが考えられる。しかし、溶
融含浸する酸化物中にスカンジウムあるいはその化合物
を混合することにより、そのような反応系生物の生成が
逆に抑えられ、また、スカンジウムの供給も活性化する
ことが見出された。
【0030】本発明の方法により得た含浸型陰極構体の
陰極基体は、基体中のスカンジウム原子濃度が、電子放
射側表面から深さ方向に向かって正の勾配を有してい
る。固体中の物質は、その物質の濃度勾配に比例して高
濃度領域から低濃度領域へと拡散していくので、結果と
して陰極基体内部から陰極表面方向へスカンジウムが拡
散し、電子放射面へのスカンジウムの積極的な供給が促
される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態を示し、本発明について具体的に説明する。
【0032】実施形態1 図1は、本発明の一実施形態に係る、陰極線管用の含浸
型陰極構体を示す概略図である。図1に示す含浸型陰極
構体において、陰極スリーブ2の一端部の内側には、そ
の一端部開口縁とほぼ同一面をなすようにカップ状固定
部材が固定されており、このカップ状固定部材内に、電
子放射物質の含浸された多孔質陰極基体1が取付けられ
ている。
【0033】陰極スリーブ2は、複数個の短冊状ストラ
ップ3により、その内側に同軸的に配置された筒状ホル
ダー4に取付けられている。即ち、短冊状ストラップ3
の一端部は陰極スリーブ2の多端部外側面にとりつけら
れ、多端部は筒状ホルダー4の一端部に形成された内側
張り出し部に取り付けられて、陰極スリーブ2を筒状ホ
ルダー4の内側に同軸的に支持している。
【0034】陰極スリーブ2の内側には、ヒーター5が
配置されていて、このヒータ5により多孔質陰極基体1
が加熱される構成となっている。なお、この陰極構体
は、例えば筒状ホルダー4の外表面に取り付けられたス
トラップを介して陰極構体上に順次所定間隔離れて配置
される複数個の電極とともに、絶縁支持体に固定され
る。
【0035】以上のように構成される陰極構体の多孔質
陰極基体1を、以下に示すようにして作製する。最初
に、粒径3μmのタングステン粒子からなる、空孔率約
17%の多孔質タングステン基体を焼結によって形成す
る。この多孔質基体に酸化スカンジウムおよびタングス
テンの薄膜層を順次成膜し、多孔質基体上に表面被覆層
を形成する。成膜はスパッター法によって行う。
【0036】最初に酸化スカンジウム(Sc2 3 )を
ターゲット材として用い、スパッターガスとして1vo
l.%の酸素(O2 )を混合したアルゴン(Ar)を用
い、あらかじめ測定したスパッター速度の条件にしたが
って酸化スカンジウムを300Åの厚さにスパッターす
る。引き続いて、タングステン(W)をターゲット材と
して用い、スパッターガスとしてアルゴン(Ar)を用
い、やはりこれもあらかじめ測定したスパッター速度の
条件にしたがってタングステンを2700Åの厚さにス
パッターする。
【0037】このようにして得られた、表面被覆層を有
する多孔質タングステン基体の空孔部に、BaO:Ca
O:Al2 3 =4:1:1モル比の混合物からなる電
子放射物質を、H2 雰囲気中、1700℃で、約10分
間加熱することにより、複合酸化物を溶融含浸させた。
このとき、同時に、表面被覆層が改質された。
【0038】このようにして作製した陰極構体を陰極線
管に組み込み、陰極と第一グリッドに、印加電圧300
V、パルス幅5μsec.,パルス周期50Hzのパル
スを印加し、二極管動作で特性を評価した。その結果、
得られた放射電流は、陰極動作温度1300Kで80A
/cm2 、1150Kで20A/cm2 であった。な
お、従来の陰極線管で得られる放射電流は、動作温度1
300Kで最大でも20A/cm2 程度である。
【0039】この陰極線管の二極管動作で放出電流密度
とデューティとの関係を測定した結果を図2に示す。陰
極動作温度は1300K、陽極電圧は300Vである。
図2より明らかなように、本実施形態に係る陰極構体
(1A)は、低いデューティ領域でこそ放出電流は小さ
いが、負荷の高い実動作条件に近い4%以上の高デュー
ティ領域では、従来のスカンジウム系含浸型陰極(1
B)よりも優れた特性を示している。
【0040】実施形態2 この実施形態は、本発明に係る含浸型陰極構体の第2の
例を示す。この陰極構体も、実施例1と同じ陰極線管用
陰極構体である。
【0041】この陰極構体の多孔質陰極基体も同様に、
粒径3μmのタングステン粒子からなる、空孔率約17
%の多孔質タングステン基体を焼結によって形成する。
この多孔質基体に、実施形態1と同様の酸化スカンジウ
ムおよびタングステンの薄膜層を順次成膜し、表面被覆
層を形成する。
【0042】本実施形態では、製膜後の多孔質タングス
テン基体の空孔部にBaO:CaO:Al2 3 =4:
1:1モル比の混合物に酸化スカンジウム(Sc
2 3 )を0.1重量%混合した電子放射物質を、H2
雰囲気中、1700℃で、約10分間加熱することによ
り、複合酸化物を溶融含浸させた。このようにして形成
された陰極基体を含む陰極構体を陰極線管内に組み込
み、特性を評価したところ、実施形態1における結果と
ほぼ同様の結果が得られた。
【0043】次に、この陰極線管を、陰極動作温度を1
300Kとして通常の陰極線の使用条件で連続動作を行
って、寿命試験を行った。放出電流は陰極動作温度13
00Kで、陽極に800V印加した三極管動作で評価し
た。その結果、図3に示すように、本実施形態による陰
極構体(2A)は、従来のスカンジウム系含浸型陰極
(2B)に比べ、初期放出電流密度は小さいが、寿命時
間1000時間を過ぎたところでは優れた特性を示して
いる。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
方法により製造された含浸型陰極構体は、高電圧、高周
波数条件下でも十分な耐イオン衝撃性を示し、良好な電
子放出特性を有する。また、良好な電子放出特性を維持
しつつも、その低温動作性が向上し、十分な寿命が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により製造された含浸型陰極構体
の構成を示す一部切欠概略図。
【図2】本発明の第1の形態により製造された含浸型陰
極構体の、デューティと二極管放出電流密度との関係を
表す特性図。
【図3】本発明の第2の形態により製造された含浸型陰
極構体の、寿命試験時間と三極管放出電流密度との関係
を表す特性図。
【符号の説明】
1…多孔質陰極基体 2…陰極スリーブ 3…短冊状ストラップ 4…筒状ホルダー 5…ヒーター
フロントページの続き (72)発明者 小山 生代美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5C027 CC01 CC07 CC11 CC12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極基体と、この陰極基体を加熱するヒー
    ターとを含む電子管用含浸型陰極構体の製造方法であっ
    て、 前記陰極基体は、 多孔質の高融点金属の焼結体表面にスカンジウムあるい
    はその化合物を含む下層を形成する工程と、 前記下層上に高融点金属からなる上層を形成する工程
    と、 前記下層および上層からなる表面被覆層を形成した後
    に、前記多孔質の高融点金属の焼結体に、アルカリ土類
    金属を含む複合酸化物を溶融含浸させるとともに、前記
    表面被覆層を改質する工程とにより形成されることを特
    徴とする電子管用含浸型陰極構体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記アルカリ土類金属を含む複合酸化物と
    して、スカンジウムあるいはその化合物を含む複合酸化
    物を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子管用
    含浸型陰極構体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記複合酸化物に含まれるスカンジウムあ
    るいはその化合物の含有量は、0.1〜15重量%であ
    る請求項2に記載の電子管用含浸型陰極構体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記複合酸化物に含まれるスカンジウムあ
    るいはその化合物は、金属スカンジウム、酸化スカンジ
    ウム、水素化スカンジウムからなる群から選択された少
    なくとも1種である請求項2または3に記載の電子管用
    含浸型陰極構体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記複合酸化物の含浸および表面被覆層の
    改質の工程は、例えば1600〜1800℃で行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子管用含浸型陰極
    構体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記焼結体を構成する高融点金属は、タン
    グステンまたはモリブデンである請求項1に記載の電子
    管用含浸型陰極構体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記上層を構成する高融点金属は、タング
    ステンまたはモリブデンである請求項1に記載の電子管
    用含浸型陰極構体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記下層を構成するスカンジウムあるいは
    その化合物は、金属スカンジウム、酸化スカンジウム、
    水素化スカンジウムからなる群から選択された少なくと
    も1種である請求項1に記載の電子管用含浸型陰極構体
    の製造方法。
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