JP2002023663A - 粘着シート及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

粘着シート及びそれを用いた液晶表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置中へ装着する遮光性粘着スペー
サーシートや遮光性両面粘着シートとして用い得る粘着
シート、および、それを用いた液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】 この粘着シートは、セパレータ、粘着剤
層、少なくとも2層の金属蒸着層を有する基材シートの
順に積層されており、且つ、セパレータを除いた該粘着
剤層と反対側の面において金属蒸着層が露出していない
構造を有する。この粘着シートを遮光性両面粘着シート
として用いる場合は、上記粘着剤層と反対側の上記基材
シートの面上に別の粘着剤層、別のセパレータがこの順
で積層されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着シート及びそ
れを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワープロやパソコンを始めとする広範な
分野で液晶表示装置が用いられており、特に電子手帳、
携帯電話、PHS等においては益々小型化された液晶表
示装置が用いられるようになってきた。このような液晶
表示装置で、例えば、サイドライト型バックライト方式
の液晶表示装置は、一般に、枠体の中に反射板、導光
板、拡散板、必要に応じて2枚のプリズムシート(輝度
を高める)、液晶セルの順の積層構造を有し、導光板の
側方に冷陰極管等の光源とランプリフレクタが配置され
ているが、最近、電池を用いる様な小型の液晶表示装置
においては冷陰極管に代えて消費電力の小さい白色発光
ダイオード等の発光ダイオード(LED)が光源として
用いられるようになってきた。拡散板の周辺部と液晶セ
ルの周辺部の間や液晶セルの周辺部とそれを上から押さ
える板金又は樹脂成形物からなる押え枠との間には、上
記各部材の固定やゴミの侵入の防止やクッション性を持
たせて衝撃による上記各部材の割れを防ぐなどの目的
で、例えば、粘着スペーサーシートや両面粘着シート
(使用時は細切され、その幅は通常約0.7mm〜約1
0mmである)が挟み込まれている。
【0003】上述の様に、液晶表示装置の小型化が進む
につれて、LED等の小消費電力光源の位置と液晶ディ
スプレイ(液晶表示面)の端部の位置とが近くなり、液
晶表示面を見る時、点灯したLEDも輝いて見えて見栄
えも良くないため、上記粘着スペーサーシートや両面粘
着シートの基材としてアルミニウム等の金属を蒸着した
片面金属蒸着プラスチックフィルムを遮光の為に用い
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、片面金属蒸
着プラスチックフィルムの金属蒸着層はピンホールを有
することが多く、しかも、例えば、加工中に傷つき易
い。金属蒸着層のピンホールや傷は、LED等の光源か
らの光を通すため、液晶表示面に輝点や雑多な模様を生
じることもあり、点灯時の液晶表示面を見にくくするの
で、金属蒸着層のピンホールや傷による上記の様な遮光
性の欠陥を実質的に避ける必要性が生じていた。従っ
て、本発明は、かかる従来技術の欠点を少しでも解消せ
んとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、セパレータ、
粘着剤層、少なくとも2層の金属蒸着層を有する基材シ
ートの順に積層されており、且つ、セパレータを除いた
該粘着剤層と反対側の面において金属蒸着層が露出して
いない構造を有することを特徴とする粘着シート、並び
に、上記の様な粘着シートをスペーサー兼遮光用シート
又は固定用シート兼遮光用シートとして用いたことを特
徴とする液晶表示装置を提供するものである。ここで、
「該粘着剤層と反対側の面において金属蒸着層が露出し
ていない構造」は、後に詳述する様に、1枚の両面金属
蒸着プラスチックフィルム上に上記粘着剤層に加えて別
の粘着剤層や保護層を設ける方法や、2枚の片面金属蒸
着プラスチックフィルムを粘着剤等の接着剤により貼り
合せ、その際に少なくとも上記粘着剤層が設けられない
方の片面金属蒸着プラスチックフィルムの金属蒸着層を
内側にして貼り合せる方法で実現することができるが、
これらに限定されない。なお、上記の別の粘着剤層を設
ける場合は、その上に別のセパレータを設ける。また、
「スペーサー兼遮光用シート」は、保護層が設けられた
粘着シートであり、液晶表示装置の拡散板の周辺部と液
晶セルの周辺部の間に用いる場合や、液晶セルの周辺部
とそれを上から押さえる板金又は樹脂成形物からなる押
え枠との間に用いる場合であって上記押え枠が粘着剤層
がなくても固定できる構造となっている場合に用いる。
「固定用シート兼遮光用シート」は、別の粘着剤層と別
のセパレータを設けられた粘着シートであり、「スペー
サー兼遮光用シート」の様な使用態様の制限はない。
【0006】本発明の粘着シートは、少なくとも2層の
金属蒸着層を有しているので、それぞれの金属蒸着層が
ピンホールや傷を有していても、平面方向の同じ位置で
全ての金属蒸着層がピンホール又は傷を有する確率は極
めて低くなり、粘着シート全体としては上述した様な遮
光性の欠陥を無くすことができ、また、セパレータを除
く上記粘着剤層と反対側の面において金属蒸着層が露出
していない構造となっていることによって、上述の様な
液晶表示装置中に粘着シートを装着する際も傷を受ける
ことが無い。また、粘着剤層がクッション性を付与す
る。
【0007】セパレータとしては、紙やプラスチックフ
ィルムに剥離剤を塗布した通常のセパレータやポリオレ
フィンフィルムや弗素樹脂フィルムなどのフィルム自体
が剥離性を有するセパレータでよい。粘着剤層として
は、通常のアクリル系、ゴム系、シリコーン系等の粘着
剤の層でよいが、ずれの生じない僅かに架橋または加硫
したものが好ましく、また、電気絶縁性、耐寒性等の点
ではシリコーン系の粘着剤層が好ましく、価格や耐久性
等の面でアクリル系の粘着剤層が特に好ましい。LED
等の小電力消費光源の場合は、アクリル系の粘着剤層で
も電気絶縁性は充分である。
【0008】基材シートとしては、通常、プラスチック
フィルム類を基材として用いたもので、コスト的に最も
有利な基材シートはプラスチックフィルムの両面にアル
ミニウムや銀等の金属を蒸着した両面金属蒸着プラスチ
ックフィルムの上記粘着剤層と接する面と反対側の面上
に保護層を設けるか、別の粘着剤層と別のセパレータを
この順で設けたものであり、この場合は金属蒸着層が2
層であるが、通常、2層の金属蒸着層で充分に本発明の
目的を達成することができる。なお、この様な態様にお
いては、保護層を設けた場合、便宜上、「両面金属蒸着
プラスチックフィルム+保護層」を請求項1で言うとこ
ろの「基材シート」として扱い、別の粘着剤層と別のセ
パレータをこの順で設けた場合、「両面金属蒸着プラス
チックフィルム」を「基材シート」として扱う。その他
の基材シートとしては、両面金属蒸着プラスチックフィ
ルムの片面にプラスチックフィルムを粘着剤等の接着剤
を介して貼り合せた2層の金属蒸着層を有する基材シー
ト、2枚の片面金属蒸着プラスチックフィルムを粘着剤
等の接着剤を介して貼り合せた2層の金属蒸着層を有す
る積層型の基材シート(該基材シートの1面が金属蒸着
層面であって他の面がプラスチック層面となっているも
のでも、上記の粘着剤等の接着剤を介して金属蒸着層面
同士を貼り合せる様にしたものでもよい)や、両面金属
蒸着プラスチックフィルムの片面に片面金属蒸着プラス
チックフィルムの金属蒸着層面を粘着剤等の接着剤を介
して貼り合せた3層の金属蒸着層を有する基材シート、
両面金属蒸着プラスチックフィルムの片面に片面金属蒸
着プラスチックフィルムの非金属蒸着層面を粘着剤等の
接着剤を介して貼り合せて後者の金属蒸着面上に保護層
や別の粘着剤層を設けた基材シート(保護層を設けた場
合、便宜上、保護層も含めて「基材シート」として扱う
のは、上述の場合と同様である)等の3層以上の金属蒸
着層を有する積層型の基材シートなどを挙げることがで
きる。液晶表示装置において、保護層を設けた粘着シー
トはスペーサー兼遮光用シートとして用いることがで
き、一方、別の粘着剤層と別のセパレータをこの順で設
けた粘着シートは固定用シート兼遮光用シートとして用
いることができる。なお、貼り合わせに際して、(金属
蒸着)プラスチックフィルムにプライマー層を設けて粘
着剤等の接着剤に対する接着性の向上を図ってもよいの
は勿論である。
【0009】基材シートの基材として用いるプラスチッ
クフィルムは、例えば、価格等の点ではポリプロピレン
フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム、ポリカーボネートフィルムなどが好ましく、耐熱
性や寸法安定性等の物性が良好な点ではPETフィル
ム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポ
リカーボネートフィルムなどがより好ましく、更にコス
ト等の点でPETフィルムが特に好ましい。
【0010】保護層の材料としては、例えば、有機溶剤
可溶のポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂等の各種樹脂類を挙げることができる。有機溶剤
可溶のポリエステル系樹脂が好ましく、その例として
は、線状飽和ポリエステル樹脂、これを内部可塑化した
ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エ
ポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステ
ル樹脂等を挙げることができ、これらの具体例として
は、東洋紡績株式会社製の「バイロン(商品名)」シリ
ーズの各種樹脂類を挙げることができる。なお、これら
のポリエステル系樹脂を混合系として用いることもでき
るのは言うまでもない。上述の様に、本明細書では、
「基材シート」とは、単一のプラスチックフィルムを指
称するものではなく、少なくとも2層の金属蒸着層や保
護層等を含めた概念として扱うものと定義する。
【0011】本発明の粘着シートは少なくとも2層の金
属蒸着層を有するので、これを液晶表示装置中に用いた
時に、液晶表示装置の設計仕様によっては、金属蒸着層
によってLED等の光源からの光が乱反射して液晶表示
面の輝度の均一性が損なわれる場合がある。かかる場合
は、上記の少なくとも2層の金属蒸着層の外側に存在す
るセパレータ以外の層の少なくとも一つを光拡散反射性
又は光吸収性とするのが好ましい。光拡散反射性とする
には、チタンホワイトや亜鉛華等の白色顔料や炭酸カル
シウム等の体質顔料を練り込んだ白色乃至半透明の粘着
剤や樹脂などを用いて粘着剤層や保護層などを形成すれ
ば良い。また、光吸収性とするには、カーボンブラック
等の黒色顔料、必要に応じて上記の様な白色顔料等を練
り込んだ黒色乃至灰色の粘着剤や樹脂などを用いて粘着
剤層や保護層などを形成すれば良い。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しつつ本発明の
粘着シートの製造方法を中心として好ましい発明の実施
の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、各図において、各要素のサイズやそれ
らの比などは実際のものを表す訳ではなく、理解を容易
にする為の概念的なものである。
【0013】まず、図1の概念的概略断面図を参照しつ
つ、本発明の粘着シートの一例の製造方法の一例を説明
する。好ましくは約5μm〜約300μm、より好まし
くは約10μm〜約200μm、更に好ましくは約20
μm〜約100μmの両面アルミニウム蒸着PETフィ
ルム等の両面金属蒸着プラスチックフィルム3(各金属
蒸着層の厚みは、例えばアルミニウム蒸着の場合、好ま
しくは約400〜500オングストローム)の片面上
に、アクリル系等の粘着剤の溶液(溶剤:トルエン、メ
チルエチルケトン等)を塗工乾燥し、好ましくは約5μ
m〜約150μm、より好ましくは約10μm〜約70
μmの乾燥厚みの粘着剤層2を形成し、セパレータ1を
貼り合せる。次に、チタンホワイト等の白色顔料を練り
込んだアクリル系等の粘着剤の溶液(溶剤:トルエン、
メチルエチルケトン等)を両面金属蒸着プラスチックフ
ィルム3の他の片面上に塗工乾燥し、好ましくは約5μ
m〜約150μm、より好ましくは約10μm〜約70
μmの乾燥厚みの他の粘着剤層4を形成し、他のセパレ
ータ5を貼り合せる。図1で、斜線を施した2層は両面
金属蒸着プラスチックフィルム3の金属蒸着層を表す。
【0014】次に、図2の概念的概略平面図を参照しつ
つ、得られた粘着シートを液晶表示装置へのその使用に
適した帯状体に加工する方法の一例を説明する。粘着シ
ートを適当な幅に縦方向に裁断すると共に、セパレータ
1の側から位置合わせ穴16と17及びつまみ穴13を
打ち抜く。次いで、セパレータ1の側から液晶表示面対
応部分14では他のセパレータ5のみを残す様に半抜き
する。次いで、他のセパレータ5の側から「固定用兼遮
光用フレーム11+つまみ12(他のセパレータ5の一
部)」の領域の外周に沿って半抜きし、該領域の外側の
部分ではセパレータ1のみが残る様にかす取りする。次
いで、微粘着テープ15をセパレータ1の外側から貼り
付ける様にして帯状体を作成するが、この微粘着テープ
15は固定用兼遮光用フレーム11を液晶表示装置に装
着する際にゴミが入るのを可及的に少なくする為に用い
るもので、必ずしも必須の要素ではない。なお、位置合
わせ穴16と17は、上記帯状体の加工作成過程のみな
らず、該帯状体を用いて固定用兼遮光用フレーム11を
液晶表示装置中に機械的に装着する場合にも、位置合わ
せに利用することができる。また、図2では固定用兼遮
光用フレームが実質的に四角の形状として描かれている
が、これに限定されるものではなく、要は液晶表示面の
形状やその周辺の液晶表示装置の構造によって異なって
くるものである。
【0015】次に、得られた帯状体を用いて、液晶表示
装置中に固定用兼遮光用フレーム11を装着する手順の
一例を説明する。まず、つまみ12を摘み上げて「セパ
レータ1+微粘着テープ15」からその他の部分を引き
剥がす。固定用兼遮光用フレーム11の部分には粘着剤
層2が残っているので、該粘着剤層により液晶セルの周
辺部に該その他の部分を貼り付ける。次いで、つまみ1
2を引き上げてセパレータ5を引き剥がす。固定用兼遮
光用フレーム11には他の粘着剤層4が残っているの
で、該他の粘着剤層により板金又は樹脂成形物からなる
押え枠を貼り付けて、該固定用兼遮光用フレーム11の
液晶表示装置中への装着を完了する。
【0016】以上、本発明の粘着シートを固定用兼遮光
用のフレーム状として液晶表示装置中へ装着する場合に
ついて述べたが、本発明の粘着シートの使用法はこれに
限定されず、例えば、細いテープ状に裁断し、フレーム
の各辺に相当する4片のテープをそれぞれの位置に貼り
付けて使用する方法などを採ることもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明の粘着シートによれば、少なくと
も2層の金属蒸着層があり且つ該金属蒸着層が露出しな
い構造となっているので、液晶表示装置中に装着する従
来技術の遮光性粘着スペーサーシートや遮光性両面粘着
シートの片面金属蒸着プラスチックフィルムの金属蒸着
層のピンホールや傷に起因する液晶表示面の輝点や雑多
な模様等の遮光性の欠陥を可及的に少なくすることがで
きる。なお、本発明の粘着シートは、液晶表示装置中へ
装着する遮光性粘着スペーサーシートや遮光性両面粘着
シートの用途に限られず、その他の目的で用いる遮光性
粘着シートなどの用途もあると期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の粘着シートの一例を示す概念
的概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の粘着シートから加工作成した
液晶表示装置へのその使用に適した帯状体の一例を示す
概念的概略平面図である。
【符号の説明】
1、5 セパレータ 2、4 粘着剤層 3 両面金属蒸着プラスチックフィルム(この形態
では、基材シート) 11 固定用兼遮光用フレーム 12 つまみ 13 つまみ穴 14 液晶表示面対応部分 15 微粘着テープ 16、17 位置合わせ穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 誠二 東京都立川市羽衣町2丁目1番10号 株式 会社コスモテック内 Fターム(参考) 2H091 FA34X FB08 FC02 FD15 GA17 5C094 AA16 BA03 BA43 CA19 DA11 EC02 EC03 ED13 ED15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セパレータ、粘着剤層、少なくとも2層
    の金属蒸着層を有する基材シートの順に積層されてお
    り、且つ、セパレータを除いた該粘着剤層と反対側の面
    において金属蒸着層が露出していない構造を有すること
    を特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 前記粘着剤層と反対側の前記基材シート
    の面上に別の粘着剤層、別のセパレータがこの順で積層
    されていることを特徴とする請求項1に記載の粘着シー
    ト。
  3. 【請求項3】 上記の少なくとも2層の金属蒸着層の外
    側に存在するセパレータ以外の層の少なくとも一つが、
    光拡散反射性又は光吸収性であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の粘着
    シートをスペーサー兼遮光用シート又は固定用シート兼
    遮光用シートとして用いたことを特徴とする液晶表示装
    置。
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