JP2002023382A - 投影露光装置および投影露光方法 - Google Patents

投影露光装置および投影露光方法

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JP2002023382A
JP2002023382A JP19971097A JP19971097A JP2002023382A JP 2002023382 A JP2002023382 A JP 2002023382A JP 19971097 A JP19971097 A JP 19971097A JP 19971097 A JP19971097 A JP 19971097A JP 2002023382 A JP2002023382 A JP 2002023382A
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正洋 根井
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】時間変化する光学系の透過率変化に拘らず感光
性基板上の露光光の照度を目標値とすること。 【解決手段】露光条件に応じて光学系の透過率時間変化
特性を予め記憶する。露光にあたっては、露光条件に応
じた特性に基づいて、透過率の低下によるウエハ上の照
度低下を補償する。そのため、ウエハ25上での露光ド
ーズが目標値となるようにウエハ25に入射する露光光
の積算光量を調節する。これにより、照明光学系や投影
光学系の透過率が露光中に変動しても、ウエハ25上で
の露光ドーズが目標値となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、LSI等
の半導体素子、CCD等の撮像素子、液晶表示素子、あ
るいは薄膜磁気ヘッド等の半導体素子を製造するための
光リソグラフィー工程でマスクもしくはレチクル(以
下、マスクとする)等の原版のパターンをウエハ等の感
光性基板に露光するための投影露光装置およびその露光
装置を用いた露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の高集積化に伴い、その半導
体素子を製造するために重要な光リソグラフィー工程に
て使用される投影露光装置も長足な進歩を遂げてきてい
る。投影露光装置に搭載されている投影光学系の解像力
は、Rayleighの式で良く知られているように、
R=k×λ/NAの関係で表される。ここで、Rは投影
光学系の解像力、λは露光用の光の波長、NAは投影光
学系の開口数、kはレジストの解像力の他にプロセスに
よって決定される定数である。
【0003】半導体素子の高集積化に対応して投影光学
系での必要な解像力を実現するために、上式から分かる
ように、露光用の光源の短波長化や投影光学系の開口数
を大きくする、いわゆる、高NA化への努力が続けられ
ている。近年では、248nmの出力波長を持つ弗化ク
リプトンエキシマレーザ(KrFエキシマレーザ)を露
光用光源として、投影光学系の開口数も0.6以上の露
光装置が実用され、0.25μmにも達する微細なパタ
ーンの露光が可能となってきている。
【0004】特に、最近では、弗化クリプトンエキシマ
レーザに続く光源として、193nmの出力波長を持つ
弗化アルゴンエキシマレーザ(ArFエキシマレーザ)
が注目されてきている。この弗化アルゴンエキシマレー
ザを露光用光源とする露光装置が実現できれば、0.1
8μm〜0.13μmまで及ぶ微細加工が可能となるこ
とが期待されており、精力的な研究開発が盛んに行われ
ている。
【0005】この弗化アルゴンエキシマレーザの出力波
長(193nm)の波長域では、透過率の観点からレン
ズとして使用可能な材料は、現段階では合成石英ガラ
ス、弗化カルシウム(蛍石)の2つに限定されているの
で、この種の露光装置用の光学材料として、十分な透過
率と、内部均一性を有する材料の開発が引き続き精力的
に行われている。合成石英ガラスでは内部透過率が0.
995/cm以上、弗化カルシウムでは内部吸収が無視
できるレベルにまで到達している。
【0006】光学材料の表面にコートされる反射防止膜
用の材料も弗化クリプトンエキシマレーザの出力波長
(248nm)の波長域のものと比べて選択範囲が非常
に狭く、設計上の自由度に大きな制約を受ける。しかし
ながら、精力的な開発努力によりその問題も克服されつ
つあり、各レンズ面での損失が0.005以下というレ
ベルまで実現されてきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなKrFエキ
シマレーザ光の波長よりも短い波長域においては、投影
露光装置中の光学系(照明光学系、投影光学系)を構成
する光学素子の表面に水分や有機物が付着して光学系の
透過率が低下するという問題がある。これは、複数の光
学素子に挟まれた空間内の気体、または光学系を支える
鏡筒の内壁等から発生する水分や有機物が光学系の表面
に付着することに起因する。
【0008】図10は光学系の透過率の時間変化特性を
示すもので、レーザ光源からパルスレーザ光を連続して
出射させながら、レーザ光源とマスクとの間の露光光の
照度とウエハ上の露光光の照度を所定期間間隔で計測
し、その両照度の比である光学系透過率を計測時刻ごと
に算出して表したものである。図10から分かるよう
に、レーザ光の照射開始直後に大きく透過率が低下する
が、その後は徐々に上昇してある程度時間が経過すると
ほぼ飽和状態となる。レーザ照射開始直後の低下は硝材
の内部特性の変動によるものであり、その後で徐々に回
復する現象は光学系表面に付着した水分や有機物がレー
ザの照射により光学系表面から取除かれるためである。
このため、露光開始前に露光用レーザ光を所定時間照射
することによって透過率をほぼ飽和状態にし、しかる後
に露光動作を開始することが考えられるが、スループッ
トが低下するのに加えて、露光前にレーザを長時間発振
させることはレーザ光源の耐久性の低下につながり、好
ましくない。その上、ウエハやマスクの交換時を含めて
常に露光用レーザ光を照射し続けることは困難である。
【0009】本発明の第1の目的は、時間変化する光学
系の透過率変化に拘らず感光性基板上の露光光の照度を
常に目標値とすることができるようにした投影露光方法
および投影露光装置を提供することである。本発明の第
2の目的は、照明光学系や投影光学系の透過率が変化し
ても、感光性基板上での露光光の積算光量(露光ドー
ズ)を、常に感光性基板の感度に応じた適正値に制御す
ることができる投影露光方法および投影露光装置を提供
することである。本発明の第3の目的は、感光性基板を
露光する条件やマスクを照明する条件などが変更されて
も、照明光学系や投影光学系の透過率の変化に対応し
て、感光性基板に適正な露光ドーズを与えることができ
る投影露光方法および投影露光装置を提供することであ
る。本発明の第4の目的は、投影光学系の瞳面上での露
光光の強度分布、すなわち照明光学系内の2次光源の強
度分布(すなわち、形状や大きさ)、感光性基板に転写
すべきマスク上のパターン、および投影光学系の開口数
の少なくとも1つが変更されても、照明光学系や投影光
学系の透過率の変化による感光性基板上での露光ドーズ
の変動を防止できる投影露光方法および投影露光装置を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1の発明
は、露光用光源から射出される露光光で所定のパターン
が形成された原板を照明する照明光学系と、この照明光
学系により照明された原板のパターンの像を感光性基板
上に投影する投影光学系とを備え、照明光学系と投影光
学系との少なくとも一方における露光光の透過率が時間
とともに変化する投影露光装置の露光方法に適用され
る。そして、上述した目的は、露光用光源から射出され
る露光光の照度と、感光性基板上での露光光の照度との
比率、および照明光学系と投影光学系との少なくとも一
方における露光光の透過率の時間変化の特性とに基づい
て、感光性基板上に照射される露光光の強度を調整する
ことにより達成される。 (2)請求項2の発明は、所定のパターンが形成された
原版に露光用光源から出射される露光光を照明する照明
光学系と、この照明光学系により照明された原版のパタ
ーンを感光性基板に投影する投影光学系とを備え、投影
光学系における露光光の透過率が時間とともに変化する
投影露光装置の露光方法に適用される。そして、上述し
た目的は、露光用光源からの露光光の照度と感光性基板
上での露光光の照度との比率、および投影光学系におけ
る露光光透過率の時間変化の特性に基づいて、感光性基
板に入射する露光光の積算光量を調節することにより達
成される。 (3)請求項3の発明は、請求項2の露光方法におい
て、照明光学系における露光光の透過率も時間とともに
変化する場合には、照明光学系と投影光学系の全体の光
学系における露光光透過率の時間変化の特性と上記照度
の比率とに基づいて、露光用光源から出射される露光光
の強度を調節するものである。 (4)請求項4の発明は、請求項2または3の露光方法
において、露光光はパルスビームであり、感光性基板に
入射する露光光の強度と、感光性基板上の1点に照射さ
れる露光光の数との少なくとも一方を調整し、それによ
り露光光の積算光量を、感光性基板の感度に応じた適正
値に制御するものである。 (5)請求項5の発明は、請求項2または3の露光方法
において、感光性基板上にパターンを転写するために、
露光光に対してマスクを相対移動するのに同期して、マ
スクから発生して投影光学系を通過する露光光に対して
基板を相対移動するものである。 (6)請求項6の発明は、請求項5の露光方法におい
て、露光光はパルスビームであり、感光性基板に入射す
る露光光の強度と、感光性基板の移動方向に関する感光
性基板上での露光光の幅と、移動方向に関する感光性基
板の移動速度と、露光用光源の発振周波数との少なくと
も1つを調整し、それにより露光光の積算光量を、感光
性基板の感度に応じた適正値に制御するものである。 (7)請求項7の発明は、図1〜4の実施の形態を参照
して説明すると、所定のパターンが形成された原版16
に露光用光源1から出射される露光光を照明する照明光
学系と、この照明光学系により照明された原版16のパ
ターンを感光性基板25に投影する投影光学系23とを
備え、投影光学系23における露光光の透過率が時間と
ともに変化する投影露光装置に適用される。そして、上
述した目的は、露光用光源から原版16に照射される露
光光の照度を検出する原版照度検出器10と、感光性基
板25上における露光光の照度を検出する基板照度検出
器28と、投影光学系23における露光光透過率の時間
変化の特性を記憶する記憶装置57と、原版照度検出器
10で検出された原版16に照射される露光光の照度と
基板照度検出器28で検出された基板に照射される露光
光の照度との比率、および、記憶装置57に記憶されて
いる時間変化特性に基づいて、感光性基板25に入射す
る露光光の積算強度を調節する制御装置40とを備える
ことにより達成される。 (8)請求項8の発明は、請求項7の投影露光装置にお
いて、照明光学系における露光光の透過率も時間ととも
に変化する場合には、照明光学系と投影光学系23の全
体の光学系における露光光透過率の時間変化の特性を記
憶装置57に記憶したものである。 (9)請求項9の発明は、請求項7または8に記載の投
影露光装置において、記憶装置57に記憶される露光光
の時間変化特性を露光条件ごとに複数設定したものであ
る。 (10)請求項10の発明は、請求項9に記載の投影露
光装置において、露光条件が記憶装置57に記憶されて
いる露光条件と合致しないときは、記憶されている露光
条件の時間変化特性を補間演算して透過率を算出するも
のである。 (11)請求項11〜13の発明は、請求項9または1
0に記載の投影露光装置において、露光条件を照明光学
系の照明条件(たとえば照明系の可変開口絞りの径や変
形照明か通常照明かなど)、原版16の種類、投影光学
系23の開口数としたものである。 (12)請求項14の発明は、所定のパターンが形成さ
れた原版に露光用パルス光源から出射される露光光を照
明する照明光学系と、この照明光学系により照明された
原版のパターンを感光性基板に投影する投影光学系とを
備え、照明光学系と投影光学系の少なくとも一方におけ
る露光光の透過率が時間とともに変化する投影露光装置
の露光方法に適用される。そして、上述した目的は、露
光用光源からの露光光の照度と感光性基板上での露光光
の照度との比率、および照明光学系と投影光学系の少な
くとも一方における露光光透過率の時間変化の特性に基
づいて、感光性基板に入射する露光光の強度と数の少な
くとも一方を調節することにより達成される。 (13)請求項15の発明は、所定のパターンが形成さ
れた原版に露光用パルス光源1から出射される露光光を
照明する照明光学系と、この照明光学系により照明され
た原版16のパターンを感光性基板25に投影する投影
光学系23とを備え、照明光学系と投影光学系23の少
なくとも一方における露光光の透過率が時間とともに変
化する投影露光装置に適用される。そして、上述の目的
は、露光用光源1から原版16に照射される露光光の照
度を検出する原版照度検出器10と、感光性基板25上
における露光光の照度を検出する基板照度検出器28
と、照明光学系と投影光学系23の少なくとも一方にお
ける露光光透過率の時間変化の特性を記憶する記憶装置
57と、原版照度検出器10で検出された原版に照射さ
れる露光光の照度と基板照度検出器28で検出された感
光性基板23に照射される露光光の照度との比率、およ
び、記憶装置57に記憶されている時間変化特性に基づ
いて、感光性基板23に照射される露光光の積算光量が
感光性基板23に応じた適正値となるように、感光性基
板23に照射される露光光の強度と数の少なくとも一方
を調節する制御装置40とを備えることにより達成され
る。 (14)なお、露光光が連続光である場合には、感光性
基板上での露光光の強度と照射時間のいずれか一方、あ
るいは双方を調節してもよい。また、露光光がパルス光
である場合には、感光性基板上での露光光のパルス強度
とパルス数のいずれか一方、あるいは双方を調節しても
よい。原版のパターン領域に対応する感光性基板上の露
光領域に露光光を走査して露光する方式の場合には、露
光光の強度と、走査方向の露光光の幅と、走査方向の基
板の走査速度、および光源の発振周波数の少なくとも1
つを調節すればよい。
【0011】以上の課題を解決するための手段の欄では
実施の形態の図を参照して本発明を説明したが、これに
より本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による実施の形態について説明する。図1は本発明によ
る投影露光装置の概略的構成を示している。図1に示す
ように、例えば193nmの出力波長を持つパルス光を
発振するArFエキシマレーザ光源1からほぼ平行光束
としてのレーザ光が出射され、シャッタ2を介して投影
露光装置の本体側の光透過窓3へ導かれる。シャッタ2
は、たとえばウエハまたはレチクルの交換中に照明光路
を閉じ、これにより光源1が自己発振してパルス光の中
心波長、波長幅および強度の少なくとも1つを含むビー
ム特性を安定化(調節)する。
【0013】ここで、投影露光装置本体は、チャンバー
100内に収容されており、温度が一定に保たれるよう
に制御されている。光透過窓3を通過したレーザ光は、
ビーム整形光学系4で所定断面形状のレーザ光に整形さ
れ、タレット板TPに設けられた互いに透過率(減光
率)が異なる複数のNDフィルタの1つ(図1ではND
1)を通過して反射ミラー5で反射して、オプティカル
インテグレータとしてのフライアイレンズ6に導かれ
る。フライアイレンズ6は、多数のレンズ素子が束ねら
れて構成されており、このレンズ素子の射出面側には、
それを構成するレンズ素子の数に対応した多数の光源像
(2次光源)が形成される。
【0014】本実施例では、ターレット板TPは6つの
NDフィルターND1〜ND6(ND1、ND2のみ図
示)を保持しており、モータMT1によってターレット
板TPを回転させることにより、6つのNDフィルター
がそれぞれ交換可能に照明光学系内に配置されるように
なっている。ここで、6つのNDフィルターは、ウエハ
25上のレジストの感度、光源1の発振強度のばらつ
き、およびウエハ25上での露光ドーズの制御精度など
によって決定される、走査露光中にウエハ25上の1点
に照射すべきパルス光の数(露光パルス数)に応じて適
宜選択される。換言すれば露光パルス数とは、可変視野
絞り12によって規定されるレチクル16上の照明領域
と投影光学系23に関して共役な領域(すなわち、照明
領域内に存在するレチクル16のパターンの一部の像が
投影される領域)を、ウエハ25上の1点がその走査方
向に沿って横切る間にその1点に照射されるパルス光の
数である。
【0015】なお、図1中のターレット板TPの代わり
に、例えば複数のスリットをそれぞれ有する2枚のプレ
ートを対向して配置し、その2枚のプレートをスリット
の配列方向に相対移動してパルス光の強度を調整するも
のでもよい。
【0016】また、光源1は光源制御回路45から送出
されるトリガパルスに応じてパルス光を発振するととも
に、光源制御回路45は光源1への印加電圧(充電電
圧)を調整して、光源1から射出されるパルス光の強度
を調整する。なお、光源制御回路45は、投影露光装置
全体を統括制御するメインコントローラ(制御回路)4
0からの指令に従って光源1を制御する。
【0017】本実施の形態では、光源制御回路45によ
る光源1の発振強度の調整と、ターレット板TPによる
パルス光の透過率(減光率)の調整との少なくとも一方
によって、レチクル16、すなわちウエハ25上でのパ
ルス光の強度を調整できるようになっている。
【0018】また、例えば特開平7−142354号公
報に開示されているように、本実施の形態ではレチクル
16とウエハ25とを同期移動してレチクル16のパタ
ーンの像でウエハ25を露光している間、モータMT2
によってミラー5を回転(振動)させる。従って、走査
露光中、可変視野絞り12によって規定されるレチクル
16上の照明領域内でスペックルなどの干渉縞が移動
し、これによりウエハ25上でのパルス光の積算光量分
布がほぼ均一される。このとき、レチクル16上の1点
がその走査方向に沿ってその照明領域を横切る間にその
干渉縞を少なくとも1回移動させる。また、照明領域内
で干渉縞が走査方向、およびその走査方向と直交する方
向にそれぞれ移動するように反射ミラー5を振動させる
ことが好ましい。なお、照明領域内で干渉縞をレチクル
16の走査方向に沿って移動させるときは、パルス発光
間にレチクル16が移動する距離を考慮し、レチクル1
6上の1点が照明領域を横切る間にその1点と干渉縞と
の位置関係が変化するように、そのパルス発光間での反
射ミラー5の振り角、すなわち干渉縞の移動量を決定す
る。
【0019】なお、本例ではフライアイレンズ6を1つ
設けているが、たとえば特開平1−259533号公報
に開示されているように、反射ミラー5とタレット板T
Pとの間に、第2オプティカルインテグレータとしての
フライアイレンズを設けてもよく、さらにはフライアイ
レンズの代わりに内面反射型のロッド状の光学部材をオ
プティカルインテグレータとして用いてもよい。
【0020】また後述するが、フライアイレンズ6によ
り形成される多数の2次光源が形成される位置におい
て、互いに形状と大きさの少なくとも一方が異なる複数
の開口絞り7a〜7hが形成されているタレット板7が
配設されている。このタレット板7はモータ8で回転駆
動され、ウエハ25上に転写すべきレチクル16のパタ
ーンに応じて、1つの開口絞りが選択されて照明光学系
の光路中に挿入される。なお、タレット板7とモータ8
で照明系用可変開口絞り装置が構成される。
【0021】フライアイレンズ6によって形成される多
数の2次光源からの光束は、タレット板7の可変開口絞
りを通過してビームスプリッタ9で2つの光路に分岐さ
れ、反射光はインテグレータセンサ(光電検出器)10
に導かれて照明光の照度(強度)が検出される。検出さ
れた照度に応じた信号は制御回路40に入力される。一
方、透過光はリレーレンズ11、長方形の開口を規定す
る可変視野絞り12、リレーレンズ13を通って反射ミ
ラー14で反射された後、複数のレンズ等の屈折性光学
素子で構成されるコンデンサ光学系15にて集光され
る。これにより、可変視野絞り12の開口によって規定
されるレチクル16上の照明領域が重畳的にほぼ均一照
明される。そして投影光学系23によってウエハ25上
にレチクル16上の回路パターンの像が形成され、ウエ
ハ25上に塗布されたレジストが感光して、ウエハ25
上に回路パターン像が転写される。
【0022】なお、可変視野絞り12によって規定され
るレチクル16上の照明領域は、レチクル16の走査方
向の幅がパターン領域よりも狭く、かつその走査方向と
直交する方向の幅がパターン領域よりも広くなってい
る。さらに照明領域は、投影光学系23の光軸AXを中
心とし、投影光学系23の円形イメージフィールド内で
その直径に沿って延びている。
【0023】また、モータMT3によって可変視野絞り
12を構成する少なくとも1つのブレードを移動するこ
とにより、可変視野絞り12の矩形開口の形状や大きさ
を変更できるようになっている。特に、その矩形開口の
短手方向の幅を変更すると、レチクル16上での照明領
域の走査方向の幅が変化し、これにより走査露光によっ
てウエハ25上の1点に照射される複数のパルス光の積
算光量(露光ドーズ)を調整することが可能となる。こ
れは、投影光学系23に関してレチクル16上の照明領
域と共役な矩形領域をウエハ25上の1点がその走査方
向に沿って横切る間にその1点に照射されるパルス光の
数が変更されるためである。
【0024】ここで、前述したように本実施の形態で
は、光源制御回路45から送出されるトリガパルスによ
って光源1の発振周波数を変更でき、これにより走査露
光中にウエハ25上の1点に照射される複数のパルス光
の積算光量を調整することが可能となっている。さら
に、ウエハ25(およびレチクル16)の走査速度を変
更することによっても、走査露光中にウエハ25上の1
点に照射される複数のパルス光の積算光量を調整でき
る。これも前述と同様に、発振周波数や走査速度の変更
により、レチクル16上の照明領域と共役な投影領域を
ウエハ25上の1点がその走査方向に沿って横切る間に
その1点に照射されるパルス光の数が変更されるためで
ある。
【0025】さて、走査型投影露光装置では、ウエハ2
5上でのパルス光の強度と、走査露光中にウエハ25上
の各点にそれぞれ照射されるパルス光の数との少なくと
も一方を調整し、これによりレチクル16のパターン像
で露光されるウエハ25上の領域内の各点にそれぞれ照
射される複数のパルス光の積算光量(露光ドーズ)を、
ウエハ25上のフォトレジストの感度に応じた適正値に
制御している。
【0026】前述したように本実施の形態では、光源1
の発振強度と、パルス光の透過率(減光率)とをそれぞ
れ変更できるようになっており、その発振強度と透過率
との少なくとも一方を変更することで、ウエハ25上で
のパルス光の強度を調整でき、これにより、露光ドーズ
を最適化することができる。本発明では、このようなパ
ルス光強度の調節による露光ドーズの最適化に代えて、
ウエハ25上の各点にそれぞれ照射されるパルス光の数
を調整することにより露光ドーズを最適化してもよい。
すなわち、この実施の形態では、前述した可変視野絞り
12の開口幅、すなわちウエハ25上でのパルス光(前
述の投影領域に対応)のその走査方向の幅と、光源1の
発振周波数と、ウエハ25の走査速度とをそれぞれ変更
できるようになっており、そのパルス光の幅と発振周波
数と走査速度との少なくとも1つを変更することで、ウ
エハ25上の各点にそれぞれ照射されるパルス光の数を
調整できる。もちろん、ウエハ25上でのパルス光の強
度と、ウエハ25上の各点にそれぞれ照射されるパルス
光の数をそれぞれ調整することによって、露光ドーズの
最適化を図ることもできる。
【0027】すなわち本実施の形態では、光源1の発振
強度、パルス光の透過率(減光率)、ウエハ25上での
パルス光の幅、光源1の発振周波数、およびウエハ25
の走査速度の少なくとも1つを調整して、ウエハ25上
の各点での露光ドーズをその適正値に、あるいはその露
光ドーズの制御精度を要求精度(例えば±1〜2%)内
に設定できる。
【0028】なお、本例の投影光学系23は全て屈折性
のレンズ等の光学素子で構成されており、投影光学系2
3の瞳(入射瞳)の位置には開口絞りEpが配置されて
いる。この開口絞りEpは投影光学系の開口数を変更で
きるように、その大きさを変更できる機構になっていて
もよく、この場合、投影光学系内の開口絞りEpと照明
光学系内の可変開口絞り7a〜7hとは、光学的に共役
な位置に配置される。
【0029】レチクル16はレチクルホルダ17により
レチクルステージ18に保持固定される。レチクルステ
ージ18は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元
的に移動するようにベース22に設けられている。レチ
クルホルダ17にはミラー21が設置され、レーザ干渉
計20からのレーザ光がミラー21で反射されてレーザ
干渉計20に入射し、レーザ干渉計20によりレチクル
ステージ18の位置が計測される。この位置情報は制御
回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路
40はレチクルステージ駆動用モータ19を駆動してレ
チクル16の位置、および走査露光中のレチクル16の
速度などを制御している。
【0030】ウエハ25はウエハホルダ26によりウエ
ハステージ27に保持固定される。ウエハステージ27
は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元的に移動
するように設けられている。ウエハステージ27にはミ
ラー31が設置され、レーザ干渉計30からのレーザ光
がミラー31で反射されてレーザ干渉計30に入射し、
レーザ干渉計30によりウエハステージ27の位置が計
測される。この位置情報は制御回路40に入力され、こ
の位置情報に基づいて制御回路40はウエハステージ駆
動用モータ29を駆動してウエハ25の位置および走査
中のウエハ25の速度などを制御している。ウエハステ
ージ27上には照度センサ(光電検出器)28が設けら
れ、ウエハ25に照射される露光光の照度が検出され
る。この照度センサ28の検出信号は制御回路40に入
力される。
【0031】この実施の形態の投影露光装置では、照明
光学系を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中に配設す
る。そのため、たとえば特開平6−260385号公報
に開示されているように、図示しない照明光学系の筐体
に不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置と、筐体か
ら汚染された不活性ガスを排出する不活性ガス排出装置
とが設けられる。また、投影光学系23を構成する複数
の光学部材間に形成される複数の空間にも窒素ガスなど
の不活性ガスを供給し、汚染された不活性ガスを複数の
空間から排出する。そのため、不活性ガス供給装置41
と不活性ガス排出装置42が設けられ、ガス供給装置4
1はパイプ43を介して投影光学系23の内部へ乾燥し
た窒素などの不活性ガスを供給し、また排出装置42は
投影光学系23の内部の気体をパイプ44を介して外部
へ排出する。なお、不活性ガスとしては窒素に限ること
なく、ヘリウム、アルゴン等の気体を用いることも可能
である。
【0032】次に、投影露光装置における照明光学系の
開口数(すなわち2次光源の形状や大きさ)を変更する
可変開口絞り装置について説明する。図1に示すよう
に、タレット板7上の、照明光学系の光路中に挿入され
た開口絞りの最周縁(最外径)からの光軸AXに平行な
主光線Riにより決定される照明光学系の開口数をNA
i(=sinθi)とし、投影光学系23の開口絞りE
pの最周縁(最外径)からの光軸AXに平行な主光線R
0により決定される投影光学系23の照明光学系側の開
口数をNAo(=sinθ0)とするとき、コヒーレン
スファクターとしてのσ値は、次式にて定義される。
【数1】σ=NAi/NAo
【0033】なお、投影光学系23の瞳(入射瞳)の位
置に配置される開口絞りEpと照明光学系のタレット板
7上の可変開口絞りとは光学的に共役であり、投影光学
系23の瞳上には可変開口絞りの像(2次光源の像)が
形成されるため、可変開口絞りの像の直径をD7とし、
投影光学系23の開口絞りEpの直径をD23とすると
き最大のコヒーレンスファクターとしてのσ値は次式で
定義することができる。
【数2】σ=D7/D23
【0034】一般的に、光リソグラフィー工程における
投影露光装置のσ値は、0.3〜0.8の範囲に設定さ
れるように構成されている。本例では、図1に示すタレ
ット板7には、図2に示す複数の開口絞り7a〜7hが
設けられ、後述するように、用途に応じていずれかの開
口絞りが選択される。
【0035】図2に示すように、石英等の透明基板から
なるタレット板7には、8つの開口絞り7a〜7hが形
成されている。円形開口を持つ5つの開口絞り7a,7
e〜7hは、σ値を積極的に変化させるためのものであ
り、そのうちの3つの開口絞り7e,7f,7gは、実
際の露光動作時において用いられる絞りであり、残りの
2つの開口絞り7a,7hは、光洗浄動作時において用
いられる開口絞りである。
【0036】また3つの変形開口を持つ開口絞り7b〜
7dは露光動作時において用いることによって投影光学
系23の解像力(焦点深度)を向上させるためのもので
ある。開口絞り7c,7dは、互いに輪帯比(輪帯開口
の内径と外径の比)の異なる輪帯開口を持つ絞りであ
り、残りの1つの開口絞り7bは、4つの偏心した2次
光源を形成するために4つの偏心した開口を持つ絞りで
ある。
【0037】8つの開口絞り7a〜7hを持つターレッ
ト板7は、図1に示すモータ8を介して回転され、8つ
の開口絞りのうちの1つの開口絞り、すなわち所望の開
口形状を有する絞りがフライアイレンズ6の射出面に近
接して配置される。換言すれば、フライアイレンズ6に
よって2次光源が形成される、その射出側焦点面に設定
される。このモータ8の駆動は制御回路40によって制
御されている。
【0038】図3は、互いに異なる大きさの円形開口を
持つ開口絞り7a、7e〜7hの像が投影光学系23内
の開口絞りEp上に形成されるときの様子を示してい
る。それぞれの開口絞りについて詳細に(1)〜(5)
により説明する。
【0039】(1)一番小さな円形開口を持つ開口絞り
7eが照明光路内に設定されると、照明光学系の開口数
NAiが一番小さくなり、このとき、開口径D23aを
持つ開口絞りEpの内部には、開口径D7eの開口絞り
7eの像が形成され、σ値が0.4に設定される。すな
わち、σ=D7e/D23a=NAi/NAo=0.4
の関係が成立する。したがって、開口絞り7eが照明光
路内に設定されると、0.4のσ値のもとでレチクル1
6のパターンをウエハ25上に転写することができる。
【0040】(2)開口絞り7eよりも大きな円形開口
を持つ開口絞り7fが照明光路内に設定されると、照明
光学系の開口数NAiは、開口絞り7eが照明光路内に
設定された時よりも大きくなる。このとき、開口径D2
3aを持つ開口絞りEpの内部に、開口径D7fの開口
絞り7fの像が形成され、σ値が0.6に設定される。
すなわち、σ=D7f/D23a=NAi/NAo=
0.6の関係が成立する。したがって、開口絞り7fが
照明光路内に設定されると、0.6のσ値のもとでレチ
クル16のパターンをウエハ25上に転写することがで
きる。
【0041】(3)開口絞り7fよりも大きな円形開口
を持つ開口絞り7gが照明光路内に設定されると、照明
光学系の開口数NAiは、開口絞り7fが照明光路内に
設定された時よりも大きくなる。このとき、開口径D2
3aを持つ開口絞りEpの内部に、開口径D7gの開口
絞り7gの像が形成され、σ値が0.8に設定される。
すなわち、σ=D7g/D23a=NAi/NAo=
0.8の関係が成立する。したがって、開口絞り7gが
照明光路内に設定されると、0.8のσ値のもとでレチ
クル16のパターンをウエハ25上に転写することがで
きる。
【0042】(4)開口絞り7gよりも大きな円形開口
を持つ開口絞り7hが照明光路内に設定されると、照明
光学系の開口数NAiは、開口絞り7gが照明光路内に
設定された時よりも大きくなる。このとき、開口絞りE
pの開口径D23aと同じ大きさの開口径D7hを持つ
開口絞り7hの像が形成され、σ値が1.0に設定され
る。すなわち、σ=D7h/D23a=NAi/NAo
=1.0の関係が成立する。したがって、開口絞り7h
が照明光路内に設定されると、照明光学系のコンデンサ
光学系15を構成する光学素子の有効径、および投影光
学系23を構成するレンズ等の光学素子の有効径、さら
にはこれらの光学素子の有効径を越える部分にまで十分
に照明光束を導ける。このため、これらの光学素子の表
面に付着した水分や有機物等を露光用の照明光束による
光洗浄効果によって消失させることができる。
【0043】(5)開口絞り7hよりも大きな円形開口
を持つ開口絞り7aが照明光路内に設定されると、照明
光学系の開口数NAiは、開口絞り7hが照明光路内に
設定された時よりも大きくなる。このとき、開口径D2
3aを持つ開口絞りEpを含むように、開口径D7aの
開口絞り7aの像が形成され、σ値が1.2に設定され
る。すなわち、σ=D7a/D23a=NAi/NAo
=1.2の関係が成立する。したがって、開口絞り7a
が照明光路内に設定されると、照明光学系のコンデンサ
光学系15を構成する光学素子の有効径、および投影光
学系23を構成するレンズ等の光学素子の有効径は勿論
のこと、これらの光学素子の有効径を越えたレンズ周縁
部にまで十分に照明光束を導ける。このため、これらの
光学素子の表面に付着した水分や有機物等を光洗浄する
という効果を十分に得ることができる。
【0044】次に本例における動作について説明する。
まず、図1に示すように、乾燥した窒素等の不活性ガス
をガス供給装置41からパイプ43を介して投影光学系
23の内部に供給し、完全に充填された後、排出装置4
2により投影光学系23の内部の気体をパイプ44を介
して外部へ排出する。照明光学系の露光光の光路全体
も、投影光学系23のように密閉構造とし、同様に乾燥
した窒素等の不活性ガスを供給充填するとともに、排出
装置で内部の気体を排出する。
【0045】なお、露光中もガス供給装置41と排出装
置42を常時作動させ、レンズ室などの光学素子間の雰
囲気を常に乾燥清浄された状態に保持するのが好ましい
が、露光動作に先立ってレンズ室などの光学素子間に形
成される空間の気体を清浄化した後は、供給装置41と
排出装置42を停止させてもよい。照明光学系も同様で
ある。
【0046】次いで、不図示のレチクルローディング機
構により、転写の目的となるパターンの描画されたレチ
クル16をレチクルステージ18の上に搬送して載置す
る。このとき、そのレチクル16が所定の位置に設置さ
れるように、不図示のレチクルアライメント系によりそ
のレチクル16の位置を計測し、その結果にしたがっ
て、不図示のレチクル位置制御回路によってレチクル1
6の位置を所定の位置に設定する。
【0047】レチクル16のパターンが転写されるウエ
ハ25の表面には感光材料であるレジストがあらかじめ
塗布されており、その状態で不図示のウエハローディン
グ機構によりウエハ25が搬送されてウエハステージ2
7上に設置される。ウエハ25はウエハステージ27上
でアライメントされて保持固定される。ウエハステージ
27上に設置されたウエハ25は第1回目のパターンの
転写では、そのウエハ25上にパターンは存在せず、ウ
エハステージ27上の所定の位置に、例えばウエハ25
の外径基準で定められる位置に設置される。その後、ウ
エハ25上にパターンが転写される。この転写は、レチ
クル16上のパターンの一部を可変視野絞り(レチクル
ブラインド)12によって選択的に照明し、レチクルス
テージ18によってレチクル16をその可変視野絞り1
2によって規定される照明領域に対して相対移動し、そ
れに同期しながらウエハ25をウエハステージ27によ
って投影光学系23に関してその照明領域と共役な投影
領域に対して相対移動する、いわゆる走査型の転写(ス
テップアンドスキャン方式)である。あるいは、転写し
たいレチクル16上のパターン領域の全面を1度に全て
照明して転写するステップアンドリピート方式でもよ
い。
【0048】ウエハ25に対する第2回目以降のパター
ンの転写の場合には、少なくともウエハ25上にはパタ
ーンが存在するから、そのあらかじめ転写されたパター
ンに付設されるマークを不図示のウエハアライメント系
により計測することによりウエハ25上のそのパターン
の位置を計測し、その結果にしたがって、ウエハ25上
に先に転写されたパターンに対して、これから転写する
パターンが所定の位置関係になるように、レチクルステ
ージ18やウエハステージ27の位置を制御する。
【0049】図4は本発明におけるレーザ光の強度をウ
エハ上での目標照度にフィードバック制御するブロック
図であり、たとえば制御回路40内にソフトウエアやハ
ードウエアの形態で設けることができる。目標値設定回
路51には、レジストの感度特性などに応じて決定され
るウエハ上での目標照度が設定される。インテグレータ
センサ10はフライアイレンズ6で均一化された露光光
の照度に応じた検出信号LIを出力する。照度センサ2
8はウエハステージ27上の露光光の照度に応じた検出
信号LWを出力する。そこで、露光作業を開始する前
に、照度センサ28を投影光学系23の光軸AX上に移
動して、インテグレータセンサ10の計測値LIと照度
センサ28の計測値LWをサンプルホールド回路52で
保持する。インテグレータセンサ10の検出信号LIと
照度センサ28の検出信号LWとの比(センサ28の出
力LW/センサ10の出力LI)を割算器53で算出
し、ゲインα演算器54は、LW/LIに所定の係数K
1を乗じてゲインαを演算する。そして露光作業中は、
乗算器55でインテグレータセンサ10の出力信号にゲ
インαが乗じられ、推定実照度LPRが出力される。す
なわち、推定実照度LPRは、露光開始時においてイン
テグレータセンサ10の計測値が100でウエハ上の照
度が50であるとした場合、50/100の比率に所定
の係数K1を乗じて求めたゲインαに露光中のインテグ
レータセンサ10の出力信号を乗じてウエハ上の照度を
推定したものである。
【0050】インテグレータセンサ10の検出信号に乗
算器55でゲインαが乗じられた推定実照度信号LPR
にはさらに乗算器56でゲインβが乗じられて、ウエハ
上での補正後の推定実照度信号LPRCが演算される。
ゲインβは次のようにして算出される。予め定められた
照明光学系と投影光学系23の各々における透過光の時
間変化特性が記憶されている記憶装置57を、タイマ5
8の露光開始からの経過時間によってアクセスして透過
率を読み出す。その読み出した結果はゲインβ演算器5
9に入力され、ゲインβ演算器59は所定の係数K2を
乗じてゲインβを演算する。たとえば、透過率が80%
である場合にはゲインβは0.8×K2に設定される。
【0051】このようにしてインテグレータセンサ10
の検出信号にゲインα、βが乗じられた信号LPRCは
ウエハステージ27上での実照度を推定した値を表し、
この信号は偏差器60に入力される。偏差器60は、目
標値設定回路51から出力されるウエハ上での目標照度
と補正後の推定実照度との偏差を計算し、この偏差をP
ID演算回路61に入力してPID演算を行ない、その
演算結果を光源制御回路回路45に送って光源1を制御
する、すなわちその発振強度を調節する。
【0052】記憶装置57の記憶内容について説明す
る。図5は、レチクルの種類による投影光学系23の透
過率の時間変化特性を示すもので、実線RWは、レチク
ル表面積(パターンが形成される矩形領域の面積)に対
するパターン面積(遮光部(クロム)の面積)の比率の
小さい、いわゆる白レチクルと呼ばれるレチクルの特性
であり、破線RBは、レチクル表面積に対するパターン
面積の比率の大きい、いわゆる黒レチクルと呼ばれるレ
チクルの特性である。白レチクルは黒レチクルに比べて
照明される露光光の透過率が大きいので、投影光学系2
3に対する自己洗浄効果が高く、黒レチクルに比べて透
過率の立上がりが急峻であり、しかも飽和透過率も高く
なる傾向にある。
【0053】このような透過率の時間変化特性は、使用
するレチクルの種類の他にも種々の露光条件ごとに異な
った傾向を有する。可変開口絞り装置により通常照明用
の開口絞り7e,7f,7gを使用する場合には、図6
に示すように実線7e、一点鎖線7f、破線7gのよう
になる。ここで、実線T7eは開口絞り7e、一点鎖線
T7fは開口絞り7f,破線T7gは開口絞り7gの特
性である。なお、投影光学系23の開口数NAが一定で
あれば、σの大きさは開口絞りの大きさに依存し、図7
に示すように開口絞り7g,7f,7eを使用するとき
はσ大,σ中,σ小にそれぞれ相当することになる。一
方、投影光学系23の開口数NAによってもこの時間変
化特性は異なった傾向を示すが、開口数NAが大きけれ
ば、投影光学系の、その開口絞りEpよりもウエハ側の
光学系に入射する露光光が多くなるから、より急峻な立
上がり特性で、かつ飽和透過率も高くなる傾向となる。
【0054】変形照明を行なうときに使用されるタレッ
ト板7の輪帯開口7c、7dについても、輪帯の内径と
外径に応じて透過率の時間変化特性が異なるから、予め
これらの特性を計測して記憶する。
【0055】図4の記憶装置57には、各種の露光条件
ごとに予め計測された図5,図6に示すような時間変化
特性をサンプル時刻とともに記憶しておき、露光条件が
決定されたら、露光条件に応じたテーブルを参照して露
光動作開始からの経過時間に応じて透過率を読み出す。
【0056】ここで、レチクル16のパターンの像でウ
エハ25を露光する条件とは、そのパターンの種類と、
その種類に応じて決定される、そのレチクルを照明する
条件、すなわち複数の光源像からなる2次光源の強度分
布(形状と大きさ)と、その種類に応じて決定される、
投影光学系23の開口数とをそれぞれ組合せたものであ
る。
【0057】記憶装置57に予め記憶されている露光条
件と異なる露光条件のときは、最も近い露光条件のテー
ブルを用い、補間演算により透過率を算出することがで
きる。たとえば、レチクル表面積に対するパターン面積
の比率が白パターンと黒パターンの間の比率であるとき
は、白パターンもしくは黒パターンの時間変化特性から
読取った透過率を、パターン面積比率の割合に応じて補
正して求めることができる。
【0058】以上の時間変化特性の説明は、1つの露光
条件の中でその条件を変更した場合であったが、実際に
は、レチクルの種類、照明光学系の照明方法、投影光学
系の開口数など、複数種類の露光条件のそれぞれを最適
に組合せた多数の露光条件が予想されるから、予め全て
の露光条件ごとに時間変化特性を計測しておくことは難
しい。したがって、実際には、典型的な複数の露光条件
で時間変化特性を計測しておき、記憶装置57に記憶し
た露光条件と異なる場合には、その露光条件のにおける
透過率の時間変化特性を予想した補正演算を行なってゲ
インβを算出することになる。
【0059】なお、本例ではレチクルの種類、2次光源
の形状および大きさ(照明条件)、および投影光学系2
3の開口数をそれぞれ組合せた複数の露光条件の各々に
ついてその透過率の時間変化特性を計測、記憶しておく
ものとしたが、その3つの条件を組合せた露光条件でな
くてもよく、その3つの条件の少なくとも2つ、たとえ
ばレチクルの種類と照明条件とを組合せた露光条件を複
数、計測して記憶しておくだけでもよい。
【0060】図7は予め時間変化特性を計測する場合の
手順を示すフローチャートである。ステップS1で照明
光学系の可変開口絞りと、レチクルの種類と、投影光学
系の開口数NAを決定して入力する。これに基づいて、
タレット板7がモータ8で回転駆動されて、その種類に
対応する形状および大きさを有する2次光源を形成する
開口絞りが照明光路に挿入され、投影光学系23の開口
数NAが開口絞りEpにより調節される。また、決定さ
れたレチクル16がレチクルライブラリから搬送されて
レチクルステージ18にセットされる。
【0061】ステップS2では、照度センサ28が投影
光学系23の光軸上に位置するようにウエハステージ2
7を移動する。ステップS3では、レーザ光源1を駆動
してレーザ光を出射させ、インテグレータセンサ10で
照明光学系での露光光の照度を検出し、照度センサ28
でウエハステージ27上での露光光の照度を検出する。
ステップS4では、それらの検出結果を計測時刻ととも
に記憶保存する。ステップS5で計測が終了と判定され
るまでステップS3とS4を繰り返し、ステップS5で
計測が終了と判定されるとステップS6において、計測
されたインテグレータセンサ10での検出結果と照度セ
ンサ28での検出結果に基づいて、計測時刻ごとに透過
率を算出して記憶し、これにより、図5あるいは図6に
示したような時間変化特性のテーブルが記憶保存され
る。
【0062】次に、ウエハの交換作業などにより露光作
業が途中で中断する場合について図8に基づいて説明す
る。図8は、時刻t1でウエハの搬出作業が開始され、
時刻t2で次のウエハの搬入作業が終了して露光作業が
開始された場合の透過率の時間変化を一点鎖線で示すも
のである。時刻t1でレーザ光の照射が中断されると、
投影光学系23および照明光学系の自己洗浄作用も中断
し、投影光学系23や照明光学系内の浮遊汚染物が各光
学系の光学素子の表面に再び付着したり、光学素子自身
の透過率(その硝材の透過率)が変動して、投影光学系
23や照明光学系の透過率が低下する。時刻t2でレー
ザ光の照射が再開されると光学素子は再び自己洗浄され
て透過率が上昇する。
【0063】そこで、レーザ光の照射を再開する時刻t
2において、照度センサ28を投影光学系23の光軸上
に移動してウエハステージ27上での露光光の照度を計
測し、同時にインテグレータセンサ10により照明光学
系の露光光の照度を計測する。両計測結果に基づいて時
刻t2での透過率を算出し、実線の透過率時間変化特性
に基づいてその透過率を示す時刻t0を求め、露光再開
時に、露光開始からの露光経過時間を計測するタイマ5
8の計時を時刻t0にリセットする。したがって、露光
作業が開始されると、記憶装置57は図8の透過率時間
変化特性のテーブルを参照して、タイマ58の計時時間
からデータを読み出してゲインβを算出することができ
る。
【0064】次に、レチクルの交換作業により露光作業
が途中で中断する場合について図9に基づいて説明す
る。図9は図5の白レチクルと黒レチクルの透過率の時
間変化特性図に対応するもので、時刻t1で白レチクル
の露光作業をいったん中止て黒レチクルに交換する作業
が開始され、時刻t2で黒レチクルの搬入作業が終了し
て露光作業が開始され、さらに、時刻t3で黒レチクル
の露光作業を中断して白レチクルに交換する作業が開始
され、時刻t4で白レチクルの搬入作業が終了して露光
作業が開始されれた場合を説明する図である。
【0065】時刻t1でレーザ光の照射が中断される
と、投影光学系23および照明光学系の自己洗浄作用も
中断し、投影光学系23や照明光学系内の浮遊汚染物が
各光学系の光学素子の表面に再び付着したり、光学素子
自身の透過率(その硝材の透過率)が変動して、投影光
学系23や照明光学系の透過率が低下する。時刻t2で
レーザ光の照射が再開されると光学素子は再び自己洗浄
されて透過率が上昇する。
【0066】そこで上述したと同様に、レーザ光の照射
を再開する時刻t2において、照度センサ28を投影光
学系23の光軸上に移動してウエハステージ27上での
露光光の照度を計測し、同時にインテグレータセンサ1
0により照明光学系の露光光の照度を計測する。両計測
結果に基づいて時刻t2での透過率を算出し、破線で示
す黒レチクルの透過率時間変化特性に基づいて、その透
過率を示す時刻t0を求め、露光再開時に、露光開始か
らの露光経過時間を計測するタイマ58の計時を時刻t
0にリセットする。したがって、露光作業が開始される
と、記憶装置57は図9の黒レチクルの透過率時間変化
特性が格納されたテーブルを参照して、タイマ58の計
時時間からデータを読み出してゲインβを算出すること
ができる。
【0067】時刻t3で黒レチクルから白レチクルへの
交換作業が開始され、時刻t4で白レチクルによる露光
が開始された場合には、同様にして時刻t4での透過率
を算出し、白レチクルの透過率時間変化特性が格納され
たテーブルを参照して、その透過率を示す時刻t0’を
求め、露光再開時に、露光開始からの露光経過時間を計
測するタイマ58の計時を時刻t0’にリセットする。
したがって、露光作業が開始されると、記憶装置57は
図9の白レチクルの透過率時間変化特性が格納されたテ
ーブルを参照して、タイマ58の計時時間からデータを
読み出してゲインβを算出することができる。
【0068】図8および図9では、いったん中断した露
光を再開する際の光学系の透過率を求め、この透過率に
対応する時刻を透過率時間変化特性から特定して露光再
開時の時刻を補正することにより、再開時のウエハ上の
露光光の照度を目標値に制御するようにした。しかしな
がら、再開時に、予め記憶してある透過率時間変化特性
線図上の透過率となるまでレーザパルスを空打ちしても
よい。この場合、ウエハ上にレーザパルスが入射しない
ような遮光手段を設ける必要がある。たとえば、投影光
学系23とウエハ25との間の光路を開閉するシャッタ
を設ければよい。シャッタはメカニカルシャッタあるい
は液晶を用いた電気的シャッタなど種々の方式のものが
採用できる。
【0069】また、本実施の形態ではウエハを交換する
たびに、インテグレータセンサ10と照射センサ28と
を用いて透過率を計測することとしたが、この交換中の
透過率の低下は、光学素子(硝材)自体の透過率の低下
の影響の方が浮遊汚染物の再付着による透過率の低下の
影響よりも大きいことが分かっている。従って、ウエハ
の交換時には前述した透過率の計測は行わず、単にその
透過率の時間変化特性を予め計測して記憶しておき、ウ
エハの交換時にはその記憶された時間変化特性に基づい
てその透過率を予測(計算)して、光源1から射出され
る露光光の強度を調整するようにしてもよい。
【0070】この場合、照明光学系および投影光学系の
透過率の低下は、主に硝材自体の透過率の低下によるも
のであるから、前述した予測(計算)のみでも両光学系
の透過率を精度良く求めることができ、ウエハの露光ド
ーズの制御精度を悪化させることなく、しかもスループ
ットを向上させることができる。ただし、前述の予測制
御だけでは時間の経過とともにその制御誤差が大きくな
り得る。
【0071】この種の投影露光装置では、例えば25枚
のウエハを1ロットとして一括に処理している。そこ
で、1つのロット内のウエハの露光が終了するたび、あ
るいはレチクルを交換するたびに、インテグレータセン
サ10と照射センサ28とを用いて透過率を計測する。
そして、この計測値を初期値とし、かつ透過率の時間変
化特性のテーブルを参照してゲインβを算出して、光源
1から射出される露光光の強度を調整する。この場合、
露光ドーズの制御精度を低下させることなく、スループ
ットの低下を最小限に抑えることができる。
【0072】以上ではレチクルの種類として、レチクル
表面積に対するパターン面積の比の大小で分類する場合
について説明したが、位相シフトレチクル、ハーフトー
ン位相レチクルなど、転写の解像度を向上する目的で使
用される種々のレチクルでもその透過率は異なり、した
がって、投影光学系の透過率時間変化特性も異なるの
で、このような観点からレチクルを分類してもよい。こ
の場合、使用するレチクルに応じて照明方式も変更され
る。
【0073】以上の実施の形態では、照明光学系や投影
光学系の透過率を予測、または計測して、光源1から射
出される露光光の強度を調整し、それによりウエハ上の
各点にそれぞれ照射される複数のパルス光の積算光量
(露光ドーズ)を適正値に制御するものとした。しかし
ながら、例えばパルスビームを露光光として用いる走査
型投影露光装置(スキャニング・ステッパー)では、前
述のように予測、または計測された透過率、またはこの
透過率から求められるウエハ上での露光光の強度に応じ
て、走査露光によってウエハ上の1点に照射されるパル
ス光の数を調整する、すなわちウエハ上での露光光のそ
の走査方向の幅、光源1の発振周波数、およびウエハの
走査速度の少なくとも1つを調整し、それにより前述の
露光ドーズを適正値に制御するようにしてもよい。要
は、ウエハ上での露光光の強度、露光光の幅、発振周波
数、および走査速度の少なくとも1つを調整して、走査
露光によってウエハに与えられる露光ドーズ(露光量)
を適正値に制御すればよい。このとき、ウエハ上での露
光光の強度は、光源1への印加電圧を変えてその発光強
度を調整する、または図1中のターレット板TPを回転
させてNDフィルターを交換する、あるいは発光強度の
調整とNDフィルターの交換とを併用することによって
調整することができる。
【0074】また、連続光を露光光として用いる走査型
投影露光装置(スキャニング・ステッパー)では、前述
した透過率(予測値、または計測値)またはウエハ上で
の露光光の強度に応じて、光源の発光強度、図1中のタ
ーレット板TPなどの光量調整器における透過率(減光
率)、ウエハ上での露光光の幅、およびウエハの走査速
度の少なくとも1つを調整して、前述の露光ドーズを適
正値に制御すればよい。さらに、パルスビームを露光光
として用いる、レチクルとウエハとを静止させたままレ
チクルのパターン像でウエハを露光する投影露光装置
(ステッパー)では、ウエハ上での露光光の強度(パル
ス光源の発光強度など)とその数との少なくとも一方を
調整すればよい。また、連続光を露光光として用いるス
テッパーでは、ウエハ上での露光光の強度(光源の発光
強度など)とその照射時間との少なくとも一方を調整す
ればよい。
【0075】なお、露光中は照明光学系および投影光学
系の透過率の変動を無視してよいが、その変動を無視で
きない場合は、露光中に前述の調整(例えばウエハ上で
の露光光の強度やパルス数などの調整)を行うようにし
てもよいし、特にパルスビームを用いるスキャニング・
ステッパーでは、走査露光中の透過率の変化量(または
変化率)を更に考慮して、前述の露光パルス数を決定す
るようにしてもよい。
【0076】ところで、前述の実施の形態(図1)で
は、投影光学系23はレンズなどの屈折光学素子のみか
ら構成されているものとしたが、例えばミラーなどの反
射光学素子と屈折光学素子とを組み合わせた、いわゆる
カタディオプティック光学系であってもよいし、あるい
は反射光学素子のみから光学系であってもよい。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、予め露光
条件に応じた透過率時間変化特性を記憶し、この特性に
基づいて感光性基板上での露光光の照度が目標値となる
ように露光光源の強度を調節するようにしたので、照明
光学系や投影光学系の透過率が露光中に変動しても感光
性基板上での露光光の照度を目標値に制御することがで
きる。また本発明によれば、照明光学系や投影光学系の
透過率が変化しても、感光性基板上での露光光の積算光
量(露光ドーズ)を、常に感光性基板の感度に応じた適
正値に制御することができる。さらに本発明によれば、
感光性基板を露光する条件やマスクを照明する条件など
が変更されても、照明光学系や投影光学系の透過率の変
化に対応して、感光性基板に適正な露光ドーズを与える
ことができる。さらにまた本発明によれば、投影光学系
の瞳面上での露光光の強度分布、すなわち照明光学系内
の2次光源の強度分布(すなわち、形状や大きさ)、感
光性基板に転写すべきマスク上のパターン、および投影
光学系の開口数の少なくとも1つが変更されても、照明
光学系や投影光学系の透過率の変化による感光性基板上
での露光ドーズの変動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の概略的構成を示す
【図2】図1に示したタレット板に形成された可変開口
絞りを示す図
【図3】図1の投影露光装置内の投影光学系の瞳位置に
形成される照明光学系内の可変開口絞りの様子を示す図
【図4】ウエハ上の露光光の照度目標値に制御するため
のフィードバック系のブロック図
【図5】レチクルの種類によって異なる透過率の時間変
化特性を説明する図
【図6】可変開口絞りによって異なる透過率の時間変化
特性を説明する図
【図7】露光条件により異なる透過率の時間変化特性を
予め記憶するための手順を示すフローチャート
【図8】ウエハ交換作業により中断した露光作業を再開
した後の透過率を説明する図
【図9】レチクル交換作業により中断した露光作業を再
開した後の透過率を説明する図
【図10】露光時間に応じて変動する透過率を説明する
【符号の説明】
1 ArFエキシマレーザ光源 7 タレット板 7a〜7h 照明光学系内の可変開口絞り 10 インテグレータセンサ 16 レチクル 23 投影光学系 25 ウエハ 28 照度センサ 40 制御回路 51 照度目標値設定回路 54 ゲインα演算器 57 記憶装置 58 タイマ 59 ゲインβ演算器 Ep 投影光学系内の開口絞り

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】露光用光源から射出される露光光で所定の
    パターンが形成された原板を照明する照明光学系と、該
    照明光学系により照明された前記原板のパターンの像を
    感光性基板上に投影する投影光学系とを備え、前記照明
    光学系と前記投影光学系との少なくとも一方における露
    光光の透過率が時間とともに変化する投影露光装置の露
    光方法において、 前記露光用光源から射出される露光光の照度と、前記感
    光性基板上での前記露光光の照度との比率、および前記
    照明光学系と前記投影光学系との少なくとも一方におけ
    る露光光の透過率の時間変化の特性とに基づいて、前記
    感光性基板上に照射される露光光の強度を調整すること
    を特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】所定のパターンが形成された原版に露光用
    光源から出射される露光光を照明する照明光学系と、こ
    の照明光学系により照明された前記原版のパターンを感
    光性基板に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学
    系における露光光の透過率が時間とともに変化する投影
    露光装置の露光方法において、 前記露光用光源からの露光光の照度と前記感光性基板上
    での露光光の照度との比率、および前記投影光学系にお
    ける露光光透過率の時間変化の特性に基づいて、前記感
    光性基板に入射する露光光の積算光量を調節することを
    特徴とする投影露光方法。
  3. 【請求項3】請求項2の露光方法において、前記照明光
    学系における露光光の透過率も時間とともに変化する場
    合には、前記照明光学系と投影光学系の全体の光学系に
    おける露光光透過率の時間変化の特性と前記照度の比率
    とに基づいて、前記露光用光源から出射される露光光の
    強度を調節することを特徴とする投影露光方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3の露光方法において、 前記露光光はパルスビームであり、前記感光性基板に入
    射する露光光の強度と、前記感光性基板上の1点に照射
    される露光光の数との少なくとも一方を調整し、それに
    より前記露光光の積算光量を、前記感光性基板の感度に
    応じた適正値に制御することを特徴とする露光方法。
  5. 【請求項5】請求項2または3の露光方法において、 前記感光性基板上に前記パターンを転写するために、前
    記露光光に対して前記マスクを相対移動するのに同期し
    て、前記マスクから発生して前記投影光学系を通過する
    露光光に対して前記基板を相対移動することを特徴とす
    る露光方法。
  6. 【請求項6】請求項5の露光方法において、 前記露光光はパルスビームであり、前記感光性基板に入
    射する露光光の強度と、前記感光性基板の移動方向に関
    する前記感光性基板上での前記露光光の幅と、前記移動
    方向に関する前記感光性基板の移動速度と、前記露光用
    光源の発振周波数との少なくとも1つを調整し、それに
    より前記露光光の積算光量を、前記感光性基板の感度に
    応じた適正値に制御することを特徴とする露光方法。
  7. 【請求項7】所定のパターンが形成された原版に露光用
    光源から出射される露光光を照明する照明光学系と、こ
    の照明光学系により照明された前記原版のパターンを感
    光性基板に投影する投影光学系とを備え、前記投影光学
    系における露光光の透過率が時間とともに変化する投影
    露光装置において、 前記露光用光源から前記原版に照射される露光光の照度
    を検出する原版照度検出器と、 前記感光性基板上における露光光の照度を検出する基板
    照度検出器と、 前記投影光学系における露光光透過率の時間変化の特性
    を記憶する記憶装置と、 前記原版照度検出器で検出された原版に照射される露光
    光の照度と前記基板照度検出器で検出された前記基板に
    照射される露光光の照度との比率、および、前記記憶装
    置に記憶されている時間変化特性に基づいて、前記感光
    性基板に入射する露光光の積算光量を調節する制御装置
    とを備えることを特徴とする投影露光装置。
  8. 【請求項8】請求項7の投影露光装置において、前記照
    明光学系における露光光の透過率も時間とともに変化す
    る場合には、 前記記憶装置には、前記照明光学系と投影光学系の全体
    の光学系における露光光透過率の時間変化の特性が記憶
    されていることを特徴とする投影露光装置。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の投影露光装置に
    おいて、 前記記憶装置に記憶される前記露光光の時間変化特性は
    露光条件ごとに複数設定されていることを特徴とする投
    影露光装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の投影露光装置におい
    て、 露光条件が前記記憶装置に記憶されている露光条件と合
    致しないときは、記憶されている露光条件の時間変化特
    性を補間演算して透過率を算出することを特徴とする投
    影露光装置。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載の投影露光装
    置において、 前記露光条件は前記照明光学系の照明条件であることを
    特徴とする投影露光装置。
  12. 【請求項12】請求項9または10に記載の投影露光装
    置において、 前記露光条件は前記原版の種類であることを特徴とする
    投影露光装置。
  13. 【請求項13】請求項9または10に記載の投影露光装
    置において、 前記露光条件は前記投影光学系の開口数であることを特
    徴とする投影露光装置。
  14. 【請求項14】所定のパターンが形成された原版に露光
    用パルス光源から出射される露光光を照明する照明光学
    系と、この照明光学系により照明された前記原版のパタ
    ーンを感光性基板に投影する投影光学系とを備え、前記
    照明光学系と投影光学系の少なくとも一方における露光
    光の透過率が時間とともに変化する投影露光装置の露光
    方法において、 前記露光用光源からの露光光の照度と前記感光性基板上
    での露光光の照度との比率、および前記照明光学系と前
    記投影光学系の少なくとも一方における露光光透過率の
    時間変化の特性に基づいて、前記感光性基板に入射する
    パルス露光光の強度とパルス数の少なくとも一方を調節
    することを特徴とする投影露光方法。
  15. 【請求項15】所定のパターンが形成された原版に露光
    用パルス光源から出射される露光光を照明する照明光学
    系と、この照明光学系により照明された前記原版のパタ
    ーンを感光性基板に投影する投影光学系とを備え、前記
    照明光学系と前記投影光学系の少なくとも一方における
    露光光の透過率が時間とともに変化する投影露光装置に
    おいて、 前記露光用光源から前記原版に照射される露光光の照度
    を検出する原版照度検出器と、 前記感光性基板上における露光光の照度を検出する基板
    照度検出器と、 前記照明光学系と前記投影光学系の少なくとも一方にお
    ける露光光透過率の時間変化の特性を記憶する記憶装置
    と、 前記原版照度検出器で検出された原版に照射される露光
    光の照度と前記基板照度検出器で検出された前記基板に
    照射される露光光の照度との比率、および、前記記憶装
    置に記憶されている時間変化特性に基づいて、前記感光
    性基板に照射される露光光の積算光量が前記感光性基板
    に応じた適正値となるように、前記感光性基板に照射さ
    れるパルス露光光の強度とパルス数の少なくとも一方を
    調節する制御装置とを備えることを特徴とする投影露光
    装置。
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EP98933930A EP1009020B1 (en) 1997-07-25 1998-07-24 Exposure method and exposure apparatus
AU83581/98A AU8358198A (en) 1997-07-25 1998-07-24 Projection aligner, projection exposure method, optical cleaning method and method of fabricating semiconductor device
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JP2006049730A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Sharp Corp 露光装置、露光量制御方法、露光量制御プログラムとその記録媒体

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