JP2002022456A - 光ジャイロ、その駆動方法及び信号処理方法 - Google Patents

光ジャイロ、その駆動方法及び信号処理方法

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JP2002022456A
JP2002022456A JP2000211379A JP2000211379A JP2002022456A JP 2002022456 A JP2002022456 A JP 2002022456A JP 2000211379 A JP2000211379 A JP 2000211379A JP 2000211379 A JP2000211379 A JP 2000211379A JP 2002022456 A JP2002022456 A JP 2002022456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精度よく回転の角速度と回転方向を検知する
ことのできる光ジャイロを提供する。 【解決手段】 リングレーザ、及び該リングレーザのビ
ート周波数を検出する検出手段を備えた光ジャイロであ
って、ある方向の角速度が増大する時にビート周波数が
低くなるビート周波数変化領域を有する第1のリングレ
ーザと、回転方向にかかわらず角速度が増加するときに
は、該ビート周波数が高くなる第2のリングレーザ有
し、該第1及び第2のリングレーザが互いに光学的に独立
になるように配置されていることを特徴とする光ジャイ
ロ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リングレーザに関
する。より具体的には、リング共振器型半導体レーザを
用いて回転を検知するジャイロ装置、特に回転方向を検
知することが可能なジャイロ装置とその駆動方法および
信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転の角速度を検知するジャイロとして
は、回転子や振動子をもつ機械的ジャイロや、光ジャイ
ロが知られている。特に、光ジャイロは、瞬間起動が可
能でダイナミックレンジが広いため、ジャイロ分野で革
新をもたらしつつある。
【0003】このような光ジャイロには、リングレーザ
型ジャイロ、光ファイバジャイロ、受動型リング共振器
ジャイロなどがある。ガスレーザを用いたリングレーザ
型ジャイロは、すでに航空機などで実用化されている。
【0004】また、小型で高精度なリングレーザ型ジャ
イロとして、半導体基板上のリング共振器型半導体レー
ザからなるジャイロが提案されおり、特公昭 62-39836
号公報、特開平 4-174317 号公報、特公平 6-38529 号
公報に記載されている。
【0005】リング共振器型半導体レーザからなるジャ
イロは、振動子を有する機械式ジャイロよりも素子サイ
ズの小型化、消費電力の低減、起動時間の短縮化ができ
るため、スチルカメラおよびビデオカメラの手振れによ
る撮影ミスを防ぐ防振制御装置に使用するのに好適な素
子である。
【0006】このようなジャイロでは、ビート周波数が
角速度の情報を含んでいる。そして、ビート周波数を検
出するために、周波数-電圧変換回路によってビート周
波数を電圧信号に変換する方法や、周波数カウンタによ
って直接ビート周波数を検出する方法などがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
リングレーザからなるジャイロでは、そのままの出力信
号を用いては回転方向の検知ができなかった。そのた
め、微小回転振動(ディザ)を加えて、ディザと信号の
相関から回転方向を検知していた。
【0008】また、特公昭 62-39836 号公報、特開平 4
-174317 号公報においては、回転方向検知の方法は示さ
れていない。
【0009】また、特公平 6-38529 号公報において
は、2個の電極から得られる信号の位相情報を比較する
ことで、回転方向を検知することができると述べられて
いるが、そのための信号処理方法は、具体的には示され
ていない。
【0010】そこで、本発明の目的は、精度よく角速度
と回転方向を検知することができる光ジャイロを提供す
ることにある。
【0011】また、静止時のビート周波数が変動するこ
とを抑制する光ジャイロの駆動方法を提供することをも
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光ジャイ
ロは、リングレーザ、及び該リングレーザのビート周波
数を検出する検出手段を備えた光ジャイロであって、静
止時からある方向の角速度が増大する時にビート周波数
が低くなる第1のリングレーザと、回転方向にかかわら
ず角速度が増大するときに、該ビート周波数が高くなる
第2のリングレーザとを有し、該第1及び第2のリング
レーザが互いに光学的に独立になるように配置されてい
ることを特徴とする。
【0013】上記構成において、前記2つのリングレー
ザのビート周波数は、それぞれのリングレーザのインピ
ーダンスの変動の周波数に対応し、当該インピーダンス
変動の周波数変化は、角速度依存性が異なったものであ
るので、これを信号処理することで、角速度を得ること
ができる。以下、リングレーザとしてリング共振器型半
導体レーザを用いてより具体的に説明する。
【0014】リング共振器型半導体レーザにおいては、
導波路形状等にもよるが、特定の角速度領域において、
角速度と信号周波数の間の関係が非線形になったり、信
号の得られない場合がある。
【0015】角速度依存性の異なる2つのリング共振器
型半導体レーザでは、この非線形性の影響する角速度領
域が異なっているので、2 つのリング共振器型半導体レ
ーザから信号を取り出して、1つを選択あるいは2つを
合わせて処理することができる。このような処理によっ
て、非線形性に影響されずに、角速度を得ることができ
る。
【0016】また、第1のリング共振器型半導体レーザ
における、インピーダンス変動の周波数変化は回転方向
(角速度の符号)に対して、対称ではないので、このこ
とから回転方向を検知できる。
【0017】また、前記2つのリング共振器型半導体レ
ーザにおけるインピーダンス変動の周波数変化のそれぞ
れについて、適当な重みを付けた加算乃至減算を行う
と、第1のリング共振器型半導体レーザにおける静止時
のビート周波数が得られるので、この量の変動を抑える
フィードバック制御を行うことができる。あるいは、角
速度を得るための演算に静止時のビート周波数の変動を
反映させることができる。
【0018】これらの結果、上記2つのリング共振器型
半導体レーザによって、精度良く角速度と回転方向を知
ることができるジャイロを構成できる。
【0019】また、本発明にかかる光ジャイロの信号処
理方法は、角速度の絶対値が所定の値より小さいときに
は、前記第1のリングレーザからの信号を用いて角速度
を検知し、また角速度の絶対値が所定の値より大きいと
きには、前記第2のリングレーザからの信号を用いて、
角速度の絶対値を得ることを特徴とする。
【0020】また、本発明にかかる光ジャイロの信号処
理方法は、予め特定された第1の角速度領域において
は、前記第1のリングレーザからの信号と、第2のリン
グレーザからの信号とを演算して、静止時のビート周波
数を求め、第2の角速度領域では、上記静止時のビート
周波数と前記第1のリング共振器型半導体レーザからの
信号とから角速度を得ることを特徴とする。
【0021】更にまた、前記第1のリングレーザからの
信号と、第2のリングレーザからの信号とを演算した結
果にもとづいて角速度領域を求め、この領域に応じて信
号処理の方法を切り替えることを特徴とする。
【0022】また、本発明にかかる光ジャイロの信号処
理方法は、前記第1のリングレーザからの信号と、第2
のリングレーザからの信号とを演算して、この結果から
回転方向を検知することを特徴とする。
【0023】また、本発明にかかる光ジャイロの駆動方
法、前記第1のリングレーザからの信号と、第 2 のリ
ングレーザからの信号とを演算して、静止時のビート周
波数に相当する値を求め、これを安定化させるフィード
バック制御を行うことを特徴とする。
【0024】また、本発明にかかる光ジャイロは、光導
波路に非対称なテーパ領域を有する第1のリングレーザ
と、非対称なテーパ領域を有していない第2のリングレ
ーザとを光学的に独立になるように配置されていること
を特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】静止時からある方向の角速度が増
大する時にビート周波数が低くなるビート周波数変化領
域を有する第1のリングレーザとして図1(a)の11
に示す導波路形状を有するリング共振器型半導体レーザ
を用意する。この第1のリングレーザは、静止時の前記
ビート周波数が零とはならない様に工夫されたものであ
る。図中13は、このために導入した非対称なテーパ領域
を示している。
【0026】そして、回転方向にかかわらず角速度が増
大するときに、該ビート周波数が高くなる第2のリング
レーザとして、12に示す導波路形状を有するリング共振
器型半導体レーザを用意する。
【0027】これら第1及び第2のリングレーザは互いに
光学的に独立になるように配置する。お互いに垂直で無
い面上に配置されれば良いが、好ましくはお互いに平行
な平面上、あるいは同一平面上に配置する。
【0028】なお、リングレーザとして、半導体レーザ
を例に示すが、気体レーザを用いてもよい。また、リン
グレーザの共振器形状も四角形のみならず、三角、多角
形、あるいは丸であってもよい。
【0029】上記構成において、前記第1のリング共振
器型半導体レーザにおいて、静止時にはそれぞれの光共
振器内でおたがいに反対方向に周回し、発振周波数の異
なる2つのレーザ光14,15が、前記光共振器内で光
ビートを生じる。
【0030】前記第2のリング共振器型半導体レーザに
おいて、静止時にはそれぞれの光共振器内でおたがいに
反対方向に周回するレーザ光は、発振周波数が同一なの
で、前記光共振器内で光ビートを生じない。
【0031】前記2つのリング共振器型半導体レーザは
おたがいに光学的に独立なので、これらを備えた前記ジ
ャイロが回転したときに、それぞれのレーザ光の発振周
波数は、サニャック効果によって独立に変化する。
【0032】第1のリング共振器型半導体レーザにおい
ては、ジャイロが第1の回転方向に回転するときに、上
記時計回りのレーザ光と反時計回りのレーザ光との発振
周波数差が拡大し、これとは逆の第2の回転方向に回転
するときには、この発振周波数差が縮小する。すなわ
ち、回転方向に応じて、光ビートの周波数が高くなった
り、低くなったりする。
【0033】また、第2のリング共振器型半導体レーザ
において、回転の角速度が大きくロックインの影響がな
いときには、サニャック効果によって、時計回りと反時
計回りのレーザ光の発振周波数が独立に角速度に比例し
て変化して、光共振器内でビート光を発生する。このビ
ート光の周波数は角速度の絶対値に比例する。
【0034】上記第1と第2のリング共振器型半導体レ
ーザにおける光ビートの周波数の変化を、端子間におけ
るインピーダンス変動の周波数の変化として検出する。
【0035】前記2つのリング共振器型半導体レーザに
おけるインピーダンス変動の周波数変化は、それぞれの
角速度依存性が異なっているので、これらを信号処理す
ることで、角速度と回転方向を得ることができる。
【0036】また、前記2つのリング共振器型半導体レ
ーザにおけるインピーダンス変動の周波数変化のそれぞ
れについて、適当な重みを付けた加算乃至減算を行う
と、第1のリング共振器型半導体レーザにおける静止時
のビート周波数が得られるので、この量の変動を抑える
フィードバック制御を行うことができる。
【0037】あるいは、静止時のビート周波数の変動
を、角速度を得るための演算に反映させることができ
る。これらの結果、上記 2 つのリング共振器型半導体
レーザによって、精度良く角速度と回転方向を検知する
ジャイロを構成することができる。
【0038】(テーパ領域)前記テーパ領域とは、具体
的には時計回りのレーザ光の伝搬方向に沿って徐々に光
導波路の幅が広くなる第1の部分と徐々に光導波路の幅
が狭くなる第2の部分からなり、第1の部分と第2の部
分の長さが異なるものである。かかる構成により静止時
の発振周波数に差を与えることが出来る。
【0039】ここで上記テーパ領域は、より詳細には以
下のように作用する。
【0040】光共振器内のレーザ光は、光導波路界面に
おいて全反射を繰り返しながら伝搬していく。上記テー
パ部においては、光導波路界面への入射角が全反射条件
からずれるので、導波損が生じる。周回方向によって、
テーパ部での界面への入射角が異なるので損失に差が生
じ、共振器損失が周回方向に依存することになる。
【0041】共振器損失に差があるので、リングレーザ
の発振しきい値に差が生じ、周回方向の異なる2つのレ
ーザ光が共存して発振するときに、その光子数密度に差
が生じる。この光子数密度の差は、非線形効果によって
レーザ光の発振周波数に差を与える。
【0042】これに対して、第2のリング共振器型半導
体レーザ12にはテーパ部がないので、共振器損失の周
回方向依存性がない。したがって、静止時には時計回り
のレーザ光と反時計回りのレーザ光の発振周波数が一致
する。
【0043】上記構成において、静止時には前記第1の
リング共振器型半導体レーザ13において、それぞれの光
共振器内でおたがいに反対方向に周回し、かつ発振周波
数の異なる2つのレーザ光は、前記光共振器内でビート
光を生じる。前記第2のリング共振器型半導体レーザ12
において、静止時にはそれぞれの光共振器内でおたがい
に反対方向に周回するレーザ光は、発振周波数が同一な
ので、前記光共振器内でビート光を生じない。
【0044】前記2つのリング共振器型半導体レーザは
おたがいに光学的に独立なので、これらを備えた前記ジ
ャイロが回転したときに、それぞれのレーザ光の発振周
波数は、サニャック効果によって独立に変化する。
【0045】第1のリング共振器型半導体レーザ11に
おいては、ジャイロが第1の回転方向に回転するとき
に、上記時計回りのレーザ光と反時計回りのレーザ光と
の発振周波数差が大きくなり、これとは逆の第2の回転
方向に回転するときには、この発振周波数差が小さくな
る。すなわち、回転方向に応じて、ビート光の周波数が
高くなったり、低くなったりする。
【0046】また、第 2 のリング共振器型半導体レー
ザ12においては、回転の角速度が大きくロックインの
影響がないときには、サニャック効果によって、時計回
りと反時計回りのレーザ光の発振周波数が独立に変化し
て、光共振器内でビート光が発生する。このビート周波
数は、角速度の絶対値に比例する。上記、第1と第2の
リング共振器型半導体レーザにおけるビート周波数の変
化を、ぞれぞれのリングレーザに設けられた電気端子間
におけるインピーダンス変動の周波数の変化として検出
する。
【0047】上記構成において、前記2つのリング共振
器型半導体レーザにおけるインピーダンス変動の周波数
変化は、それぞれの角速度依存性が異なっているので、
これらを信号処理することで、角速度と回転方向を得る
ことができる。
【0048】また、前記2つのリング共振器型半導体レ
ーザにおけるインピーダンス変動の周波数変化のそれぞ
れについて、適当な重みを付けた加算乃至減算を行う
と、第1のリング共振器型半導体レーザにおける静止時
のビート周波数が得られるので、この量の変動を抑える
フィードバック制御を行うことができる。
【0049】あるいは、静止時のビート周波数の変動
を、角速度を得るための演算に反映させることができ
る。これらの結果、上記2つのリング共振器型半導体レ
ーザによって、精度良く角速度と回転方向を検知するジ
ャイロを構成することができる。
【0050】(駆動方法)光ジャイロの駆動方法として
は、前記リング共振器型半導体レーザの各々を定電流駆
動し、前記電気端子から電圧変動を検知したり、あるい
はリング共振器型半導体レーザの各々を定電圧駆動し、
前記電気端子から駆動電流の変動を検知することができ
る。
【0051】定電圧駆動および定電流駆動によって、簡
単な回路構成で素子のインピーダンス変動を取りだすこ
とが可能になり、さまざまな信号の処理回路と容易に接
続できる。
【0052】また、信号の処理回路を用いることで、そ
れぞれのリング共振器型半導体レーザにおける角速度と
信号周波数との間の非線形な関係による影響をうけず
に、角速度を検知することができる。
【0053】また、第1のリング共振器型半導体レーザ
における、インピーダンス変動の周波数変化は回転方向
(角速度の符号)に対して、対称ではないので、これを
用いて回転方向を検知できる。また、適当な重みを付け
た加算乃至減算を行うと、第1のリング共振器型半導体
レーザにおける静止時のビート周波数が得られ、この量
の変動を抑えるフィードバック制御を行うことができ
る。あるいは、角速度を得るための演算の中に静止時の
ビート周波数の変動を反映させることができる。これら
の結果、精度良く角速度と回転方向を知ることができ
る。
【0054】(信号処理方法)第1及び第2のリング共振
器型レーザに関してのビート周波数の角速度依存性の一
例を図3(a)に示す。線a、bはそれぞれ第1及び第2
のリングレーザ11,12に対応する。角速度とビート
周波数が非線形な関係となる角速度領域がある場合であ
っても、角速度の値に応じて、信号処理の方法を切り替
えることで、前記2 つのリング共振器型半導体レーザに
おいて、角速度と信号周波数の間が非線形な関係となる
角速度領域を除外して、この非線形性の影響を受けない
ようにすることができる。この結果、精度良く角速度を
知ることができる。
【0055】例えば、角速度の絶対値が所定の値より小
さいときには、前記第1のリング共振器型半導体レーザ
11からの信号を用いて角速度を検出するのである。
【0056】また、第1のリング共振器型半導体レーザ
11から得られる信号の周波数から、静止時のビート周
波数を減ずることで、符号を含めて角速度に比例する信
号を得ることができる。こうして得られる角速度は、第
2のリング共振器型半導体レーザ12における非線形性
の影響を受けないので、精度良く角速度を知ることがで
きる。
【0057】また、角速度の絶対値が所定の値より大き
いときには、前記第2のリング共振器型半導体レーザ1
2からの信号を用いて、角速度の絶対値を得ることがで
きる。第2のリング共振器型半導体レーザからの信号の
周波数は、角速度の絶対値に比例し、しかも静止時ビー
ト周波数の変動に影響されないので、精度よく角速度を
得ることができる。
【0058】また、予め定められた第1の角速度領域
(図3(a)の領域II)においては、前記第1のリン
グ共振器型半導体レーザ11からの信号と、第 2 のリ
ング共振器型半導体レーザ12からの信号とを演算し
て、静止時のビート周波数を求める。そして、第2の角
速度領域(図3(a)の領域III)においては、上記
静止時のビート周波数と前記第 1 のリング共振器型半
導体レーザ11からの信号とから角速度を得ることも好
ましいものである。具体的には、前記第 1 のリング共
振器型半導体レーザ11からの信号と、第 2 のリング
共振器型半導体レーザ12からの信号とを演算すること
で、第1の角速度領域内では、任意の角速度のもとで、
静止時のビート周波数に相当する量が分かる。第 2の角
速度領域では、前記第2のリング共振器型半導体レーザ
からの信号を用いないで角速度を求める。すなわち、前
記第1のリング共振器型半導体レーザのビート周波数か
ら、静止時ビート周波数を減じて角速度に比例する量が
得られる。静止時におけるビート周波数が温度変動の影
響などによって変化すると、得られた角速度が誤差を含
んだものとなるが、上記構成では、第 1 の角速度領域
で最後に測定した最新の値を、現在の静止時ビート周波
数の推定値として用いることができる。従って、信号処
理に用いる静止時ビート周波数として、あらかじめ決め
た定数を用いる場合と比べて、精度よく角速度を得るこ
とができる。
【0059】また、前記第1のリング共振器型半導体レ
ーザからの信号と、第2のリング共振器型半導体レーザ
からの信号とを演算した結果にもとづいて角速度領域を
求め、この領域に応じて信号処理の方法を切り替えても
よい。かかる場合、第1と第2のリング共振器型半導体
レーザのそれぞれにおけるビート周波数の角速度依存性
が異なっているので、これらのレーザからのビート周波
数どうしの演算結果によって、角速度領域を区別するこ
とができる。そして、角速度領域にあわせた信号処理を
おこなって、精度よく角速度を検出することができる。
【0060】また、前記第1のリング共振器型半導体レ
ーザからの信号と、第2のリング共振器型半導体レーザ
からの信号とを演算して、この結果から回転方向を検知
することもできる。具体的には、これらの2つのリング
共振器型半導体レーザにおける、それぞれのビート周波
数の角速度依存性を組み合わせて、演算結果の符号およ
び値の大小によって回転方向を表すものである。
【0061】また、前記演算が、それぞれのリング共振
器の周回長と共振器の囲む面積の比で重みづけした減算
であることも好ましいものである。それぞれのリング共
振器の周回長と共振器の囲む面積の比は、角速度とビー
ト周波数の間の比例係数を定めるパラメータであり、こ
のパラメータを重みづけに用いることで、リングレーザ
間でリング共振器の周回長、乃至共振器の囲む面積が異
なっていても、それぞれのリング共振器型半導体レーザ
でのビート周波数を関係付けて演算することが可能とな
る。かかる信号処理によって、精度よい角速度の検出を
可能になる。
【0062】また、インピーダンス変動の周波数を基準
周波数と比較して、これをもとに回転方向を得ることも
好ましいものである。第1のリング共振器型半導体レー
ザでは、ある方向に回転しているときには、静止時と比
べてインピーダンス変動の周波数が低くなり、逆方向に
回転しているときには静止時と比べてインピーダンス変
動の周波数が高くなる。従って、静止時のビート周波数
を基準の周波数として、これと比較することで、回転方
向を検知できる。
【0063】また、前記光ジャイロから得られる角速度
信号の値に応じて、駆動条件の制御方法を切り替えるこ
とも好ましいものである。前記第1のリング共振器型半
導体レーザからの信号と、第2のリング共振器型半導体
レーザからの信号とに適当な重みを付けたあと、角速度
に応じて加算あるいは減算を行うと、第 1 のリング共
振器型半導体レーザにおける静止時のビート周波数が得
られる。さらに、このときの角速度が、第1,第2のリ
ング共振レーザのいずれにおいても、非線形性の影響が
小さい角速度範囲であれば、静止時のビート周波数に対
して、フィードバック制御を行う。第1のリング共振器
型半導体レーザのビート周波数から、静止時ビート周波
数を減じて角速度に比例する量が得られる。上に述べた
ように、静止時ビート周波数の変動を抑える制御を行う
ことで、精度よく角速度を得ることができる。
【0064】
【実施例】(実施例1)図1に従って、本発明の光ジャ
イロの第1の実施例を説明する。
【0065】図1(a)において、10は本発明による光
ジャイロであり、11,12 はそれぞれリング共振器型半
導体レーザ、13は光導波路の一部に設けた導波路幅の
変化する部分(テーパ領域)である。リング共振器型半
導体レーザ11では14に示す反時計回りの周回モード
と15に示す時計回りの周回モードが存在している。勿
論、リング共振器型半導体レーザ12においても同様で
ある。
【0066】2つのリング共振器型半導体レーザ素子1
1と12は以下のようにして作製した。
【0067】はじめに、図1(b)の素子断面図に示す
半導体多層構造を有機金属気相成長法によって成膜し
た。すなわち、n-InP 基板 102 上に、1.3 μm 組成の
アンドープ InGaAsP 光ガイド層 103(厚さ 0.15 μ
m),1.55 μm 組成のアンドープInGaAsP 活性層 104
(厚さ 0.1 μm),1.3 μm 組成のアンドープ InGaAsP
光ガイド層 105(厚さ 0.15 μm),p-InP クラッド層
106(厚さ 1.5 μm),p-InGaAs キャップ層 107 を結
晶成長した。フォトレジストを塗布し、マスクパタンを
露光、現像してリング共振器形状のレジストパタンを形
成した。塩素ガスを用いたリアクティブイオンエッチン
グによって、高さ3μmのハイメサ形状のリッジ導波路
からなるリング共振器型半導体レーザを形成した。Cr/A
u をリッジ導波路上部に蒸着して、p-電極108とし
た。ウェハの下側には AuGe/Ni/Au を蒸着して n-電極
101とした。水素雰囲気中でアロイ化して、p,n の
電極と半導体の界面をオーミック接触とした。
【0068】さて、リング導波路を形成する導波路の形
状について、以下に詳細に説明する。
【0069】リング共振器型半導体レーザ11は、非対
称な形状となっている。すなわち、テーパ部13は、反
時計回りのレーザ光の伝搬方向に沿って、光導波路の幅
が広くなる第1の部分と、光導波路の幅が狭くなる第2
の部分からなっていて、第1の部分と第2の部分では長
さが異なる。特に図示した例では第1の部分が極端に短
くなっている。リング共振器型半導体レーザ11とリン
グ共振器型半導体レーザ 12 の共振器の形状は、光路が
囲む面積が同じでかつ周回長が同じである。すなわち、
共振器の囲む面積と共振器の周回長との比が互いに同じ
である。勿論、必ずしも当該比を同じにする必要は無
い。
【0070】同一の基板上に形成されるリング共振器型
半導体レーザ11と12は、互いのレーザの光が結合し
ないように間隔をあけて配置した。エバネッセント光の
影響を避けるためにおよそ15μm 以上の間隔としてい
る。また、非対称のテーパ部13 では、モード変換に伴
って導波路外に放射されるレーザ光が存在するので、こ
のテーパ部13をリング共振器型半導体レーザ12に対
向させないようにしている。
【0071】また、それぞれのリング共振器型半導体レ
ーザ間に、半導体層をエッチングせずに残した吸収体を
形成してもよい。さらに、この吸収体の側面および上面
に絶縁膜,電極金属を形成して遮光体としてもよい。こ
れらの遮光体は、遮光体表面での反射光がリング共振器
型半導体レーザに戻らないように傾けて配置すればよ
い。
【0072】また、素子側面に形成した絶縁膜とこの上
に形成した電極金属によって、遮光体としてもよい。
【0073】これらの素子配置,吸収体,遮光体によっ
て、リング共振器型半導体レーザ間の相互作用を低減さ
せることができる。
【0074】また、反射光が時計回りのレーザ光と反時
計回りのレーザ光とを結合させることを防ぎ、ロックイ
ンを抑えた。
【0075】リング共振器型半導体レーザ11と12
に、それぞれ独立に電流注入をして端子電圧を検出する
ために、図2に示すような回路を用いた。
【0076】図2において、10は本発明による光ジャ
イロであり、11,12はそれぞれリング共振器型半導
体レーザ、201,202は駆動電流入力端子、203
と204はカップリングコンデンサ、205と206は
コンパレータ、207,208はカウンタ、209 は演算
回路、210は出力端子、211は誤差信号出力端子で
ある。
【0077】端子201を電源に接続して、リング共振
器型半導体レーザ11を発振しきい値電流以上で定電流
駆動する。発振しきい値以上の注入電流では、リング共
振器型半導体レーザ11の中で、時計回りと反時計回り
のレーザ光が、それぞれ独立に存在している。
【0078】時計回りのレーザ光と反時計回りのレーザ
光とでは、静止時のレーザ光の発振周波数が異なってい
る。これは以下にのべるように、リング共振器型半導体
レーザ11の非対称なテーパ部13の作用による。
【0079】レーザ光は光導波路界面で全反射を繰り返
しながら伝搬していくが、テーパ部13においては、光
導波路界面への入射角度が変化するので導波損が生じ
る。周回方向によって、テーパ部での入射角が異なるの
で損失に差が生じ、共振器損失が周回方向に依存するこ
とになる。
【0080】レーザ光の周回方向によって共振器損失に
差があるため、リング共振器型半導体レーザの発振しき
い値に周回方向による差が生じる。2つのレーザ光が共
存する状態では、非線形光学効果によって、2つのレー
ザ光の光子数密度に差が生じる。共存する2つのレーザ
光(モード)の発振周波数 fj と光子数密度 Sj の間に
は以下の関係があり、光子数密度に差があれば、発振周
波数に差が生じることがわかる。
【0081】
【外1】
【0082】ここで、Φiは位相、Ω は共振角周波数、
σi はモードの引き込み係数、ρiはモードの自己押し
出しを示す係数、τij は、モードの相互押し出しを示
す係数である。ただし、 i,j = 1,2; i ≠ j である。
静止時にレーザ光の発振周波数f10 と f20 が異なって
いるので、静止時に Δf0 = f20−f10 という周波数
で、ビートが生じる。
【0083】さて、リング共振器型半導体レーザが角速
度 Ω で時計回りに回転すると、サニャック効果によっ
て時計回りの第1のレーザ光の発振周波数は、非回転時
の発振周波数 f10 と比べて Δf1 = 2 S Ω/(λ1 L) (2) だけ減少する。ここで S はリング共振器の囲む面積、L
は光路長、λ1は時計回りのレーザ光の媒質内波長であ
る。また同時に、反時計回りの第2のレーザ光の発振周
波数は、非回転時の発振周波数 f20 と比べて Δf2 = 2 S Ω/(λ2 L) (3) だけ増加する。ここで、λ2は第2のレーザ光の媒質内
波長である。
【0084】リング共振器の中で、時計回りの第 1 の
レーザ光と反時計回りの第2のレーザ光が共存している
ので、第1のレーザ光と第2のレーザ光の発振周波数と
の差の周波数に相当したビート光が発生する。このと
き、ビートの周波数 Δf は、 Δf = f2−f1 = f20−f10 +(Δf2+Δf1) = f20−f10 +(2 S Ω/L)・(1/λ2 + 1/λ1) (4) である。ビート光は、同じ周波数 Δfでの反転分布の脈
動を引き起こし、端子間のインピーダンスを変化させ
る。そこで、定電流駆動をしている場合には、端子間電
圧に、上記 Δf の周波数をもつ電圧変動が観測され
る。ただし、観測できる周波数は常に正なので、|Δf
|が得られる。
【0085】図3(a)の線a に示すように、レーザ光
の発振周波数f10 と f20 が静止時に異なっていれば、
静止時にΔf0 = f20−f10 というビートが生じる。さ
らにジャイロが回転すると、回転方向に応じてビート周
波数が増減する。ただし、2つのレーザ光の発振周波数
差があるしきい値以下のとき(破線部)には、2つのレ
ーザ光の間は強結合状態となって、2モード独立のレー
ザ発振ができなくなる場合がある。このとき、ビート光
および電圧の周期的変動は観測できない。
【0086】また、端子202を電源に接続して、リン
グ共振器型半導体レーザ12を発振しきい値電流以上
で、定電流駆動する。発振しきい値以上の注入電流にお
いて、リング共振器型半導体レーザ12でも、レーザ発
振が生じるが、ジャイロが静止している場合には、2つ
のモードの光子数密度に差がなく、発振周波数が等し
い。
【0087】ジャイロが回転すると、リング共振器型半
導体レーザ11の場合と同様に、サニャック効果によっ
て時計回りの第1のレーザ光の発振周波数と反時計回り
の第2のレーザ光の発振周波数は変化する。後方散乱に
よって、静止時に2つのレーザ光が、強結合となってい
る場合、2つのレーザ光の発振周波数差があるしきい値
を越えると、弱結合状態となって2モード独立のレーザ
発振が可能になる。そして、ビート光および電圧の周期
的変動が観測できる。後方散乱が十分小さく、静止時に
おいても2つのレーザ光が弱結合であれば、回転ととも
にビート光が生じる。
【0088】静止時に 2 つのレーザ光が強結合となっ
ている場合の、角速度とビート周波数の関係を、図3
(a)の線b に示す。−Ωc < 0 < Ωc の範囲を除
いては、角速度の絶対値に比例したビート周波数 Δf
が得られる。
【0089】ここで、図3(a)の線 a と b とで、角速
度 Ω に対するビート周波数 Δf の傾きが一致してい
る。これは、2つのリング共振器において、囲む面積 S
と光路長 L の比 S/L が等しいためである。このこと
によって、あとで述べるように、ジャイロの信号処理が
簡単になる。勿論、かかる構成に限定されるものではな
い。
【0090】図2に示す信号処理回路で、以下のように
角速度を検出した。
【0091】コンデンサ203と204を介して、各々のリン
グ共振器型半導体レーザからの電圧変動の信号を取り込
み、コンパレータ205と206によって周波数信号を矩形波
状に整形した。カウンタ207と208で所定時間内のパルス
数をカウントした。各素子からのパルス数を演算回路2
09に取り込んで、以下のような処理をして角速度信号
および、駆動電流調整のための誤差信号を得た。
【0092】はじめに、角速度の範囲を、図3(a)に
示すように、範囲 I: Ω < Ωa, 範囲 II :Ωa ≦ Ω <
−Ωc, 範囲 III: −Ωc ≦ Ω ≦Ωc, 範囲 IV: Ωc
< Ωに分ける。ここで、I は、リング共振器型半導体レ
ーザ 11 において、ロックインの影響による非線形性の
影響が大きくなる角速度範囲、III は、リング共振器型
半導体レーザ12において、ロックインの影響による非線
形性の影響が大きくなる角速度範囲である。
【0093】つぎに、リング共振器型半導体レーザ12の
ビート周波数 Δfa とリング共振器型半導体レーザ12の
ビート周波数 Δfb から,ビート周波数の和 f+ = Δf
a +Δfb とビート周波数の差 f- = Δfa − Δfb
計算する。Ω と f+,f- の関係を図3(b)に示す。
【0094】角速度範囲 I においては、リング共振器
型半導体レーザ12からのビート信号Δfb をもとに、角
速度の絶対値を得る。さらに、回転方向を表すために、
−1を乗じて、信号出力210とする。リング共振器型半導
体レーザ11からの信号は、出力に反映させない。この角
速度領域では、ロックインの影響があり、角速度に対し
て線形な変化が得られないので、精度の高い信号が得ら
れないためである。また、ビート周波数が低いので、信
号処理に時間がかかり、応答速度が低下することを避け
る効果もある。
【0095】角速度範囲 II においては、リング共振器
型半導体レーザ12からのビート信号Δfb をもとに、角
速度の絶対値を得る。また、回転方向を表すために、−
1を乗じて、信号出力210とする。さらに、リング共振
器型半導体レーザ11から得られるビート信号の周波数
とリング共振器型半導体レーザ12から得られるビート信
号の周波数との和 f+ が、リング共振器型半導体レーザ
11の静止時ビート周波数 Δfo に相当するので、これが
一定値となるように、リング共振器型半導体レーザ11
と12の駆動条件を制御する。このための誤差信号21
1として f+ を出力した。
【0096】角速度範囲 III においては、リング共振
器型半導体レーザ11からのビート信号の周波数 Δfa
から Δfo を減じて、回転方向を表す符号を含めて、角
速度に比例する信号を得る。ここで、Δfo は、基準と
する静止時のビート周波数である。この角速度領域で
は、リング共振器型半導体レーザ12からの信号は、出
力に反映させない。ロックインの影響があり、角速度に
対して線形な変化が得られなかったり、ビートが観測で
きなかったりするためである。また、ビート周波数が低
くなるので、信号処理に時間がかかり、応答速度が低下
することを避ける効果もある。
【0097】最後に、角速度範囲 IV においては、リン
グ共振器型半導体レーザ12からのビート信号 Δfb
もとに、角速度の絶対値を得る。回転方向を表す符号は
正であるので、このまま信号出力210とする。さら
に、リング共振器型半導体レーザ11から得られるビー
ト信号の周波数とリング共振器型半導体レーザ12から
得られるビート信号の周波数との差 f- が、リング共振
器型半導体レーザ11の静止時ビート周波数 Δfo に相
当するので、これが一定値となるように、リング共振器
型半導体レーザ11と12の駆動条件を制御する。この
ための誤差信号211として f- を出力した。
【0098】リング共振器型半導体レーザ11における
静止時ビート周波数 Δfo の制御は、以下のように行
う。リング共振器型レーザの駆動電流をしきい値より増
加していくと式 (1) に示す2 モード間の光強度の差が
増加し、Δfo が大きくなる傾向がある。そこで、Δfo
が減少したときには駆動電流を増やし、Δfo が増大し
たときには駆動電流を減らすように制御すればよい。
【0099】設定部212にてあらかじめ設定した量
(静止時のビート周波数 Δfo の初期値)に対する誤差
信号として上記演算回路からの誤差信号211を用い
る。これにしたがって、調整部213おいて、リング共
振器型半導体レーザの駆動電流を調整する。
【0100】リング共振器型半導体レーザ11と12
は、同一基板上に近接して形成されており、周囲温度が
共通なので、2つのレーザの注入電流を一致させておけ
ば、駆動条件を同等とみなすことができる。そこで本実
施例では、リング共振器型半導体レーザ12の駆動条件
は、常にリング共振器型半導体レーザ11の駆動条件と
一致させた。
【0101】角速度範囲 II と IV において、リング共
振器型半導体レーザ11と12の各々から得られるビー
ト信号の周波数を演算して得られた f+、ないし f- を、
リング共振器型半導体レーザ11の静止時ビート周波数
Δfo と一致させる上記制御は、以下のように言い換え
ることもできる。この制御は、リング共振器型半導体レ
ーザ11と12の各々から得られるビート信号の周波数
から得られる角速度の値を、一致させることを目標とす
る制御である、といってもよい。
【0102】さて、上記角速度範囲の判別は、例えば以
下のようにして行うことができる。f- が負で、所定の
値より小さいときには、角速度範囲 I である。
【0103】f- の絶対値が所定の値 Δfc-より小さい
ときには、角速度範囲 II である。
【0104】f- が正で、かつリング共振器型半導体レ
ーザ12におけるビート周波数が所定の値よりも小さい
(あるいは、観測できない)ときには、角速度範囲 III
である。
【0105】それ以外の場合(f- が正で、かつリング
共振器型半導体レーザ12におけるビート周波数が所定
の値よりも大きいとき)には、角速度範囲 IV である。
【0106】上述したように、角速度の小さいときには
テーパ部を有するリング共振器型半導体レーザのビート
周波数から、回転方向を表す符号も含めて角速度に比例
した信号を得た。また、角速度の大きいときには、テー
パ部なしのリング共振器型半導体レーザから、角速度の
絶対値に比例した信号を得た。このとき、回転方向は2
つのリング共振器型半導体レーザからの信号を処理して
得ることができた。(上記角速度範囲の判別法が、回転
方向を示している。)また、リング共振器型半導体レー
ザの駆動条件に対するフィードバック制御を行って、安
定性に優れた光ジャイロとすることができた。
【0107】フィードバック制御系によって、駆動電流
を制御する例を示したが、素子の温度調整回路に対する
フィードバック制御を行って静止時のビート周波数を安
定させてもよい。この場合、素子の温度を下げることで
素子のしきい値電流を下げると、同一駆動電流での2 モ
ード間の強度差が大きくなって静止時のビート周波数は
増大する傾向がある。静止時のビート周波数が増大した
ときには素子の温度を上げ、静止時のビート周波数が減
少したときには素子の温度を下げるように制御すればよ
い。
【0108】また、角速度を得るための演算は、上に説
明した方法の他に、角速度範囲 I': |Ω|< Ωc と角速
度範囲 II' :Ωc < |Ω| という 2 つの領域を考える
だけでも可能である。
【0109】角速度範囲 I' においては、リング共振器
型半導体レーザ 11 からのビート信号の周波数 Δfa
ら Δfo を減じて、回転方向を表す符号を含めて、角速
度に比例する信号を得る。ここで、Δfo は、基準とす
る静止時のビート周波数である。
【0110】また、角速度範囲 II' においては、リン
グ共振器型半導体レーザ12からのビート信号の周波数
Δfb から、角速度の絶対値に比例する信号を得るとと
もに、リング共振器型半導体レーザ 12 からのビート信
号の周波数が、Δfo から増加している(Ωは正)か、
減少している(Ωは負)かを調べて、回転方向を決定し
てもよい。ただし、リング共振器型半導体レーザ 11 に
おいて、負の Ω の絶対値が大きく、Δf > Δf0 とな
るような角速度は使用範囲外となる。このとき、f-
値から回転方向を決定することにすれば、この問題は回
避できる。なお、f- = Δf0 のとき、Ωは正、f-
Δfc- のとき、Ωは負である。ただし、Δfc- は、図3
(b)に示す基準の周波数である。
【0111】図8は、本実施例のジャイロを用いた防振
システムを有するコンパクトカメラを示す。このカメラ
は、光軸111に対して、矢印112,113で示すカ
メラの縦振れおよび横振れに対して振れ補正を行う機能
を有している。114は補正手段、115,116は本実
施例のジャイロと駆動回路を1パッケージに収めた振動
検出装置、117はカメラマイコンであり、118は補
正レンズである。
【0112】振動検出装置115,116からの出力信
号は、それぞれ、カメラの縦振れおよび横振れの角速度
に相当する。この信号を、カメラマイコン117に入力
する。カメラのレリーズボタンが押し切り状態となった
ときに、カメラマイコン117にて、焦点距離、被写体
の距離に応じた信号の補正を加え、この信号によって補
正手段114を駆動する。補正手段114では、駆動信
号に応じて、光軸と直交する面内で2軸方向に補正レン
ズ118を移動させて、振れ補正を行い、カメラの振れ
による撮影ミスを防ぐ。
【0113】本実施例のジャイロからなる振動検出装置
は、小型、低消費電力であるので、コンパクトカメラに
適した防振システムを構成することができた。
【0114】(実施例2)図4は、本発明に係る光ジャ
イロの他の一例を示す斜視図であり、リング共振器型半
導体レーザを一つの筐体内に複数設けた場合を示す。
【0115】図4において、40は筐体として用いたス
テム、41はステムに接続された共通電極、42 と 43
は、それぞれリング共振器型半導体レーザ、44 はリン
グ共振器型半導体レーザ42と43に対応した電極、4
5は各電極44とリング共振器型半導体レーザ42およ
び43とを接続するワイヤである。ここで、リング共振
器型半導体レーザ42と43の層構成は、第1の実施例
として示したリング共振器型半導体レーザと同じ構成で
ある。リング共振器型半導体レーザ42には、時計回り
のレーザ光の伝搬方向に沿って、徐々に光導波路の幅が
広くなる第1の部分と、徐々に光導波路の幅が狭くなる
第2の部分からなるテーパ部421が存在する。また、
リング共振器型半導体レーザ43には、テーパ部がな
い。リング共振器型半導体レーザ42と43とは、それ
ぞれの共振器の囲む面積と共振器の周回長との比がおた
がいに同じである。
【0116】上記構成では、各リング共振器型半導体レ
ーザ42と43の基板側を共通電極として、ステム41
に半田によって個別に接着するとともに、各リング共振
器型半導体レーザ42と43のキャップ層側の電極は各
ワイヤ45によって、個別の電極44に接続した。
【0117】定電流駆動をしながら、各リング共振器型
半導体レーザの電極間における電圧変化を検出する。電
流の注入と電圧の検出を同一の電極で行うために、図5
に示すような回路を用いた。図5において、40は本発
明による光ジャイロの筐体であり、42と43はそれぞ
れリング共振器型半導体レーザ、501と502は駆動
電流入力端子、503と504はカップリングコンデン
サ、505と506はf-V 変換回路、507は信号処理
部である。また、508は信号出力端子である。
【0118】端子501と502のそれぞれを電源に接
続し、リング共振器型半導体レーザの発振しきい値電流
以上の電流で、リング共振器型半導体レーザ42と43
を定電流駆動する。発振しきい値以上の注入電流におい
てリング共振器型半導体レーザ 42と43では、それ
ぞれ、時計回りと反時計回りのレーザ光が存在する。特
に、テーパ部つきのリング共振器型半導体レーザ42で
は、時計回りと反時計回りのレーザ光は独立で、発振周
波数がおたがいに異なっているので、ビート光信号が発
生する。
【0119】ジャイロの角速度Ωと各リング共振器型半
導体レーザからのビート信号の周波数Δf との関係は第
1の実施例と同様である。(図3参照)
【0120】図5に示す信号処理回路で、以下のように
角速度を検出した。コンデンサ503と504を介し
て、各々のリング共振器型半導体レーザからの電圧変動
の信号を取り込み、f-V 変換回路505と506によっ
てビート信号の周波数に応じた電圧に変換した。さらに
演算回路507において、以下のような処理をして角速
度信号508を得た。
【0121】第1の実施例同様に、角速度の範囲を、範
囲 I:Ω< Ωa, 範囲 II :Ωa ≦Ω<−Ωc,範囲 III: −
Ωc ≦Ω≦Ωc, 範囲 IV:Ωc < Ωに分ける。
【0122】角速度範囲 I,II,IV において角速度を
得るための処理は、第1の実施例と同様である。本実施
例では、フィードバック制御を行っていない。そのかわ
り、角速度範囲 III における角速度を得るために、以
下のようにして、静止時ビート周波数の変動を取り込ん
でいる。
【0123】角速度範囲 II においては、リング共振器
型半導体レーザ42から得られるビート信号の周波数と
リング共振器型半導体レーザ43から得られるビート信
号の周波数との和 f+ が、リング共振器型半導体レーザ
42の静止時ビート周波数Δfo に相当するので、これ
を最新の Δfo として記憶する。また、角速度範囲IV
においては、リング共振器型半導体レーザ42から得ら
れるビート信号の周波数と、リング共振器型半導体レー
ザ43から得られるビート信号の周波数との差 f- が、
リング共振器型半導体レーザ42の静止時ビート周波数
Δfo に相当するので、これを最新の Δfo として記憶
する。
【0124】角速度範囲 III においては、リング共振
器型半導体レーザ42からのビート信号の周波数から、
上に述べた静止時のビート周波数に相当する量 Δfo
減じて、回転方向を表す符号を含めて、角速度に比例す
る信号を得る。
【0125】このように、角速度範囲 II ないし角速度
範囲 IV にあるときに、演算処理によって、最新の Δf
o を求め、この値を用いて、角速度範囲 III における
角速度測定を行い、精度よく角速度を求めることができ
る。
【0126】上記説明では筐体としてステムを用いた例
を示したが、本発明による筐体は、複数個のリング共振
器型半導体レーザをハイブリッド実装することができれ
ばどのような形態のものでもよく、例えばケースなどで
も構わない。これまで述べた2 つの実施例では、リング
共振器型半導体レーザのリング共振器形状として四角形
のものを示したが、円周状、三角形状など閉じた経路を
なすものを適用してよい。
【0127】(実施例3)図6は、本発明に係る光ジャ
イロの他の実施例を示す図である。図6において、70
は本発明による光ジャイロであり、71はテーパ部のあ
るリング共振器型半導体レーザ、72はテーパ部の無い
リング共振器型半導体レーザであり、リング共振器型半
導体レーザ71の共振器の中に入れ子状に形成されてい
る。レーザの層構成は第 1 の実施例と同様である。本
実施例では、リング共振器型半導体レーザ71(oute
r)と72(inner)における共振器の囲む面積と周回長
の比 S/L には、共振器の間での比が R=(S/L)outer/(S/L)inner=2 (5) という関係がある。
【0128】次に、このジャイロを構成するリング共振
器型半導体レーザに電流注入して、レーザ発振させたと
きの回転角速度 Ω とビート周波数 Δfの関係を図7に
示す。線 a と 線 b が、それぞれリング共振器型半導
体レーザ71と72の特性である。ここで、回転時のビ
ート周波数 Δf の角速度 Ω に対する傾きの絶対値
は、式(4)で示されるように2(1/λ1 + 1/λ2)S / L
となるので、2つのリング共振器型半導体レーザ71と
72との間において、この傾きの比 R は 1/2 となって
いる。
【0129】第1の実施例同様、角速度の範囲を、範囲
I:Ω< Ωa, 範囲 II :Ωa ≦Ω <−Ωc, 範囲 III: −
Ωc ≦ Ω ≦ Ωc, 範囲 IV: Ωc < Ω に分ける。ここ
で、範囲 I は、リング共振器型半導体レーザ71にお
いて、ロックインの影響による非線形性の影響が大きく
なる角速度範囲、角速度範囲 III は、リング共振器型
半導体レーザ72において、ロックインの影響による非
線形性の影響が大きくなる角速度範囲である。
【0130】角速度範囲 I においては、リング共振器
型半導体レーザ72からのビート信号をもとに、角速度
の絶対値を得る。さらに、回転方向を表すために、−1
を乗じた。S/L 比の影響を補正するために、R =2を乗
じて、信号出力とする。
【0131】角速度範囲 II,III,IV においては、リ
ング共振器型半導体レーザ71から得られるビート信号
から、静止時ビート周波数 Δfo を減じて、回転方向を
表す符号を含めて、角速度に比例する信号を得る。
【0132】また、角速度範囲 II においてはリング共
振器型半導体レーザ71から得られるビート信号の周波
数 Δfa とリング共振器型半導体レーザ72から得られ
るビート信号の周波数 Δfb との重み付き加算によっ
て、 f+ =Δfa + RΔfb =Δfa +2Δfb を求める。
ここで、重みは 1:R としている。f+ は、リング共振器
型半導体レーザ71の静止時ビート周波数 Δfo に相当
する量なので、これを新たな Δf0 として、その後の信
号処理を行う。
【0133】また、角速度範囲 IV においては、重み付
き減算によって f-= Δfa − RΔf b = Δfa −2Δfb
を求める。角速度範囲 II の場合と同様に、このf-
が、リング共振器型半導体レーザ71の静止時ビート周
波数 Δfo に相当するので、これを新たな Δf0 とし
て、その後の信号処理を行う。
【0134】範囲 II と IV において、実施例 1 で
は、テーパなしのリングレーザからのビート信号にもと
づいて角速度に比例する信号を得ていたが、本実施例で
は、テーパ付リング共振器型半導体レーザ71からのビ
ート信号にもとづいて信号を得ている。Δf の角速度
Ω に対する傾きがより大きいので、信号の変化量が大
きくなり、S/N の点で有利となるためである。
【0135】上述したように、2つのリング共振器型半
導体レーザからのビート周波数を用いた演算によって、
回転方向を表す符号も含めて角速度に比例した信号が得
られた。静止時ビート周波数に相当する量を、逐次更新
していくことで、安定性に優れた光ジャイロとすること
ができた。
【0136】これまで述べた3つの実施例では、定電流
駆動を行い、素子の角速度に応じた端子間電圧変動を検
出する場合を示したが、素子を駆動しているときに素子
の受けた角速度によって素子インピーダンスが変化する
のを検出するという測定原理から明らかなように、素子
を定電圧駆動して電流変化を検出したり、その他のイン
ピーダンス測定法によってインピーダンス変化を計測す
ることによって、角速度を知ることもできる。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
精度よく回転の角速度と回転方向を検知することのでき
る光ジャイロと共にその信号処理方法が得られた。
【0138】また、容易な回路構成によって素子のイン
ピーダンス変動を観測でき、種々の信号の処理回路と容
易に接続できるので、精度よく回転の角速度と回転方向
を検知することのできる光ジャイロの駆動方法が得られ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例に記載の光ジャイロ
を模式的に示す図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例に記載の光ジャイロ
の駆動及び信号処理回路を示す図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例に記載の光ジャイロ
のビート信号の周波数と角速度の関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係る第2の実施例に記載の光ジャイロ
を模式的に示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施例に記載の光ジャイロ
と駆動、信号処理回路を示す図である。
【図6】本発明に係る第3の実施例に記載の光ジャイロ
を模式的に示した平面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施例に記載の光ジャイロ
のビート信号の周波数と角速度の関係を示すグラフであ
る。
【図8】本発明に係る第1の実施例の光ジャイロで振動
を検出して、防振を行うカメラの模式図である。
【符号の説明】
10,70 光ジャイロ素子 11,12,42,43,71,72 リング共振器型
半導体レーザ素子 13,421 テーパ部 14 反時計回りのレーザ光 15 時計回りのレーザ光 205,206 コンパレータ 207,208 カウンタ 505,506 f−V 変換回路 209,507 演算処理部

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リングレーザ、及び該リングレーザのビ
    ート周波数を検出する検出手段を備えた光ジャイロであ
    って、静止時からある方向の角速度が増大する時にビー
    ト周波数が低くなる第1のリングレーザと、回転方向に
    かかわらず角速度が増大するときに、該ビート周波数が
    高くなる第2のリングレーザとを有し、該第1及び第2の
    リングレーザが互いに光学的に独立になるように配置さ
    れていることを特徴とする光ジャイロ。
  2. 【請求項2】 前記第1のリングレーザは、静止時の前
    記ビート周波数が零ではない請求項1記載の光ジャイ
    ロ。
  3. 【請求項3】 前記第2のリングレーザは、角速度が同
    一であれば回転方向にかかわらず同一のビート周波数が
    得られる第1のリングレーザである請求項1記載の光ジャ
    イロ。
  4. 【請求項4】 前記第1のリングレーザでは、互いに反
    対の周回方向に伝搬する2つのレーザー光の静止時の発
    振周波数が異なり、前記第2のリングレーザでは、互い
    に反対の周回方向に伝搬する2つのレーザー光の静止時
    の発振周波数が同一である請求項1に記載の光ジャイ
    ロ。
  5. 【請求項5】 前記第1のリングレーザは、光導波路の
    一部に非対称なテーパ領域を有する請求項1記載の光ジ
    ャイロ。
  6. 【請求項6】 前記テーパ領域は、時計回りのレーザ光
    の伝搬方向に沿って徐々に光導波路の幅が広くなる第1
    の部分と徐々に光導波路の幅が狭くなる第2の部分から
    なり、第1の部分と第2の部分の長さが異なっているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の光ジャイロ。
  7. 【請求項7】 前記第 1 のリングレーザにおける共振
    器の囲む面積と共振器の周回長との比が、前記第2のリ
    ングレーザにおける共振器の囲む面積と共振器の周回長
    との比と等しいことを特徴とする請求項1乃至6に記載
    の光ジャイロ。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2のリングレーザが、互い
    に垂直でない面に配置されている請求項1乃至7記載の
    光ジャイロ。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のリングレーザが、互い
    に平行な平面である請求項1乃至7に記載の光ジャイ
    ロ。
  10. 【請求項10】 前記互いに平行な平面とは、同一平面
    である請求項9に記載の光ジャイロ。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2のリングレーザの少な
    くとも一方には光学的結合を防ぐ吸収体ないし遮光体が
    形成されている請求項1乃至10に記載の光ジャイロ。
  12. 【請求項12】 前記ビート周波数とは、前記第1及び
    第2のリングレーザのインピーダンス変動の周波数であ
    る請求項1記載の光ジャイロ。
  13. 【請求項13】 前記ビート周波数は、前記第1及び第2
    のリングレーザに備えられた電気端子から検知される請
    求項1記載の光ジャイロ。
  14. 【請求項14】 前記第1及び第2のリングレーザをそれ
    ぞれ定電流駆動し、前記電気端子から電圧変動を検知す
    る請求項1から13に記載の光ジャイロに対する駆動方
    法。
  15. 【請求項15】 前記第1及び第2のリングレーザをそれ
    ぞれ定電圧駆動し、前記電気端子から駆動電流の変動を
    検知する請求項1から13記載の光ジャイロに対する駆
    動方法。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第2のリングレーザへの
    注入電流ないし印加電圧が同一である請求項14あるい
    は15に記載の光ジャイロの駆動方法。
  17. 【請求項17】 角速度の値に応じて、信号処理の方法
    を切り替えることを特徴とする請求項1乃至3に記載の
    光ジャイロに対する信号処理方法。
  18. 【請求項18】 角速度の絶対値が所定の値より小さい
    ときには、前記第1のリングレーザからの信号を用いて
    角速度を得ることを特徴とする請求項17に記載の光ジ
    ャイロの信号処理方法。
  19. 【請求項19】 角速度の絶対値が所定の値より大きい
    ときには、前記第 2のリングレーザからの信号を用い
    て、角速度の絶対値を得ることを特徴とする請求項17
    に記載の光ジャイロの信号処理方法。
  20. 【請求項20】 第1の角速度領域において、前記第1
    のリングレーザからの信号と、第2のリングレーザから
    の信号とを演算して、静止時のビート周波数を求め、第
    2の角速度領域においては、上記静止時のビート周波数
    と前記第 1のリング共振器型半導体レーザからの信号
    とから角速度を得ることを特徴とする請求項17に記載
    の光ジャイロの信号処理方法。
  21. 【請求項21】 前記第1のリングレーザからの信号
    と、第2のリングレーザからの信号とを演算した結果に
    もとづいて角速度領域を求め、この領域に応じて信号処
    理の方法を切り替えることを特徴とする請求項17に記
    載の光ジャイロの信号処理方法。
  22. 【請求項22】 前記第1のリングレーザからの信号
    と、第 2 のリングレーザからの信号とを演算して、こ
    の結果から回転方向を検知することを特徴とする請求項
    1乃至13に記載の光ジャイロに対する信号処理方法。
  23. 【請求項23】 前記演算が、それぞれのリング共振器
    の周回長と共振器の囲む面積の比で重みづけした減算で
    あることを特徴とする請求項22に記載の光ジャイロの
    信号処理方法。
  24. 【請求項24】 前記第1のリングレーザにおいて、イ
    ンピーダンス変動の周波数を基準周波数と比較して、こ
    れをもとに回転方向を得ることを特徴とする請求項1乃
    至13に記載の光ジャイロに対する信号処理方法。
  25. 【請求項25】 前記光ジャイロから得られる角速度信
    号の値に応じて、駆動条件の制御方法を切り替えること
    を特徴とする請求項1乃至13に記載の光ジャイロに対
    する駆動方法。
  26. 【請求項26】 前記制御方法の少なくともひとつが、
    前記第 1 のリングレーザからの信号と、第2のリング
    レーザからの信号とを演算して、静止時のビート周波数
    に相当する値を求め、これを安定化させるフィードバッ
    ク制御であることを特徴とする請求項25に記載の光ジ
    ャイロの駆動方法。
  27. 【請求項27】 前記演算が、それぞれのリング共振器
    の周回長と共振器の囲む面積の比で重みづけした加算乃
    至減算であることを特徴とする請求項26に記載の光ジ
    ャイロの駆動方法。
  28. 【請求項28】 前記制御方法のひとつが、前記第2の
    リング共振器型半導体レーザから得られる角速度を基準
    として、前記第1のリング共振器型半導体レーザから得
    られる角速度の値を、これと一致させるものであること
    を特徴とする請求項25に記載の光ジャイロの駆動方
    法。
  29. 【請求項29】 光導波路に非対称なテーパ領域を有す
    る第1のリングレーザと、非対称なテーパ領域を有して
    いない第2のリングレーザとを光学的に独立になるよう
    に配置されていることを特徴とする光ジャイロ。
  30. 【請求項30】 前記リングレーザとは、リング共振器
    型半導体レーザである請求項1あるいは29記載のジャ
    イロ。
  31. 【請求項31】 前記第1及び第2のリングレーザーの
    間に、光学的結合を防ぐ吸収体ないし遮光体が形成され
    ている請求項1から10に記載の光ジャイロ。
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