JP2002022376A - ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
輸送性能とを有する、放熱等の用途に適したヒートパイ
プを提供する。 【解決手段】 所定の空隙h1、h2を隔てて互いに離間
する複数のプレート11〜13の内部にそれぞれ管路1
1a、12a、13aを形成し、その管路11a〜13
a内に作動流体21の複数の液溜り部21aと蒸気泡部
21bとが交互に存在し、前記プレート内管路11a〜
13a同士を互いに連通させる連通管路16a、17a
を設けるよう構成する。
Description
し、管路内にその管路を閉塞する多数の液溜り部と蒸気
泡部が交互に存在するヒートパイプに関する。
を採用し、その細径管路中にいかなる設置姿勢において
も管路を閉塞する多数の作動液溜り(液相)と蒸気泡
(気相)とが交互に存在するように作動流体を所定圧力
で気液二相に封入したヒートパイプが知られている。
行溝を形成した複数の単位薄板を積層することにより、
その熱輸送性能を高めたプレート型のものがある(特許
第2544701号)。
来のプレート型ヒートパイプにあっては、積層された各
層間での熱移動を良好ならしめるべく、各層間の作動流
体の振動や循環が妨害されないように各層間の連通管路
が非常に短く形成され、プレート同士が密着する積層形
態が採られていた。
さらされる放熱面を十分に確保することが困難であっ
た。
が交互に存在するようにしたこの種のヒートパイプは管
路を小径にする必要があるため、大径の棒状のヒートパ
イプ形状を採ることができず、熱輸送性能が十分でなか
った。
構成を簡素にしながらその熱輸送性能の向上を図ること
を目的とするものであり、管路内に液溜り部と蒸気泡部
が交互に存在するよう作動流体が封入されたヒートパイ
プにおいては静圧伝播があれば少なくとも潜熱が輸送で
きる点に着目して、放熱等の用途に適したヒートパイプ
を実現するものである。
発明は、所定の空隙を隔てて互いに離間する複数のプレ
ートの内部にそれぞれ管路を形成し、該管路内に作動流
体の複数の液溜り部と蒸気泡部とが交互に存在し、前記
プレート内管路同士を互いに連通させる連通管路を設け
たことを特徴とするものである。
隔てて互いに離間する複数のプレートの内部にそれぞれ
管路が形成され、そのプレート内管路同士を連通させる
連通管路が設けられることから、プレート間に放熱面を
容易に確保することができる。
設けられた構成にすると、放熱用途に適したヒートパイ
プとなる。
と軸との間の嵌入周面に沿って管路を形成し、該管路内
に作動流体の複数の液溜り部と蒸気泡部とが交互に存在
することを特徴とするものである。このヒートパイプで
は、同軸部材間に細長い管路を容易に設けることがで
き、また、容易に大径・長尺化できる。
からなる多重同軸構造体の軸と軸との各嵌入周面に管路
を形成し、該管路同士を連通させる連通管路を前記軸部
材に設け、前記各管路内に作動流体の複数の液溜り部と
蒸気泡部とが交互に存在することを特徴とするものであ
る。このヒートパイプでは、同軸配置された3つ以上の
軸部材によって細長い管路を同軸の複数の嵌入周面上に
配置することができるとともに、各円周面上の管路同士
が連結管路で構成されているので、さらに大容量で熱輸
送性能の優れたヒートパイプとすることができる。
中心とする螺旋状に形成されると、ヒートパイプの軸方
向長さの長短にかかわらず、螺旋形状を適宜設定して所
要の管路長さを確保することができ、管路形成用の溝加
工等を容易に行うことができる。
を図面に基づいて説明する。
実施形態に係るヒートパイプを示す図であり、本発明を
プレート型に適用した例を示している。
所定の空隙h1、h2を隔てて互いに離間する複数のプレ
ート11、12、13と、これら複数のプレート11〜
13のうち対向する各一対のプレートの間に設けられた
フィン14、15と、プレート11〜13を相互に連結
する複数の連結部材16、17と、によって構成されて
いる。
すような蛇行部11b、11cを有する無端のプレート
内管路11aが形成されており、他のプレート12、1
3にもそれぞれプレート内管路11aと同一形状のプレ
ート内管路12a、13a(詳細平面形状は図2(a)
に示す形状と同様であるので図示していない)が形成さ
れている。
又はそれに近い高熱伝導率を有する材料からなもので、
例えば図1に示すようにジグザグに屈曲又は湾曲した断
面形状を有している。また、フィン14は最上のプレー
ト11の下面とこれに対向するプレート12の上面とに
それぞれ多数個所で当接するよう固着されている。同様
に、フィン15はプレート12の下面とこれに対向する
プレート13の上面とにそれぞれ多数個所で当接するよ
う固着されている。
共に、あるいは更に図示しない他の連結部材と共に複数
のプレート11〜13を互いに連結しており、これら連
結部材16、17の内部にはプレート内管路11a、1
2a、13a同士を互いに連通させる連通管路16a、
17aがそれぞれ形成されている。
3aおよび連通管路16a、17aは全体として密閉さ
れた一つの管路20を形成しており、図2(b)に示す
ように、その管路20の内部には所定の作動流体21が
気液二相に封入されている。この作動流体21は、管路
20の軸方向で管路20内に交互に存在する多数の液溜
り部21aと蒸気泡部21bとを形成し、その各液溜り
部21aによって管路20の各部を閉塞している。
プレート11の上面やプレート13の下面が受熱面部と
なり、プレート12が放熱面部となる。あるいは、各プ
レート11〜13のプレート内管路11a、12a、1
3aのうち蛇行部11b側の一端が受熱面部、蛇行部1
1c側の一端が放熱部となる。
送原理について説明する。
能ではあるが、本実施形態における受熱部から放熱部へ
の熱輸送は、作動流体における受熱部から放熱部への圧
力伝播が支配的で、主として次のような圧力伝播による
熱輸送がなされる。
よる圧力損失がきわめて小さく無視できる状態となるよ
うに形成した場合、密封された管路20内の圧力はほぼ
均一であるということができる。なお、管路20を閉塞
している作動流体21の液溜り部21aの全体積および
蒸気泡部21bの全体積が受熱部・放熱部の温度変化に
かかわらずほぼ不変状態に保たれる範囲が、通常作動温
度範囲として設定されている。
圧をPh、放熱部(低温部)での飽和蒸気圧をPlとする
と、密封された管路20内の圧力は静的には均一である
から、管路内圧力Pm は、Ph>Pm >Plである。受熱
部では、蒸気泡部21bの内部圧力はPm であるから、
飽和蒸気圧Phより低いので、飽和蒸気圧Plに近付く
よう、受熱部作動流体の気化が進み、これに伴って受熱
部の周囲から大量の熱(潜熱)が吸収される。すなわ
ち、受熱部では、作動流体の一部で液相から気相への相
変換がなされ、蒸気泡部21bの圧力と体積の増加が生
じる。
増加は、中間にある多数の作動流体の液溜り部21aお
よび蒸気泡部21bを介して放熱部の蒸気泡部21bに
伝播され、放熱部の蒸気泡部21bの内部圧力が飽和蒸
気圧P1より高くなるので、その飽和蒸気圧P1に近付く
ように作動流体蒸気の凝縮が進み、周囲に大量の熱が放
出される。すなわち、放熱部では、受熱部からの圧力伝
播により気相から液相への相変換が行われ、蒸気泡部2
1bの体積が減少する。
てはその体積が増加し、また、他の部分の蒸気泡部21
bではその体積が減少して、多数の蒸気泡部21b全体
としてはほぼ一定の体積が維持されることになる。ま
た、受熱部から放熱部への熱の輸送作用の始まりは管路
20内の静圧伝播に準拠することから、この熱の輸送作
用はきわめて短時間のうちに開始されることになる。そ
の後の熱輸送は、受熱部での気化と放熱部での媒体の凝
縮の進行に依存するので、若干の時間を要する。
と、受熱部と放熱部が相当距離を隔てている場合でも、
中間の筐体が十分な断熱性を有する場合にはその管路2
0の大きさにさほど依存されることなくきわめて短時間
に熱輸送を行うことができる。したがって、受熱部と放
熱部の間に長い管路20を形成した場合でも、その管路
20内での静圧伝播によって、ヒートパイプとして要求
される熱輸送性能(例えば放熱部の温度の立ち上がり特
性で表される)を十分に確保することができる。
気泡密封型の熱輸送器を構成した場合には、気泡の生成
成長および減衰消滅等により熱媒体の循環流が発生する
ことが知られているが、その場合には、受熱部で熱せら
れた作動流体が放熱部に循環・移動することで顕熱によ
る熱輸送もなされることになる。しかし、この顕熱によ
る熱輸送は、熱媒体液の流れの速さ、管路壁と作動流体
の間の熱伝達等によるものであることから、潜熱による
熱輸送に対してその立ち上がりは遅く、通常、熱伝達の
容量も比較的小さいと思われる。
トパイプ10においては、所定の空隙h1、h2を隔てて
離間するプレート11〜13の内部にそれぞれプレート
内管路11a〜13aが形成され、これらがプレート1
1〜13を連結する連結部材16、17の内部の連通管
路16a、17aによって接続されているので、プレー
ト11〜13の間に放熱面を容易に確保するとともに、
プレート11〜13間における熱輸送をプレート内管路
11a〜13aおよび連通管路16a、17aによって
迅速に行うことができ、優れた放熱性能を得ることがで
きる。しかも、プレート11〜13の間の連通管路16
a、17aの配置により折り返した管路20の間に空隙
を確保したり、管路20を各プレート11〜13内に平
面的に配置した無端管路の接続という形態でなく、複数
のプレートに跨る無端管路として立体的に配置させるよ
うなプレート内管路の形状およびそれら相互の連通接続
も可能である。
熱面積の比較的大きなヒートパイプにおいてその構成を
簡素にしながらも、放熱性能や熱輸送性能の向上を図る
ことができるものである。
路の形状は図2に示す形状に限らず、図3に示すよう
に、複数の平行管路31の両端をそれぞれ直交管路3
3、34で接続した管路30としたり、図4に示すよう
に、波形に蛇行した管路41の両端を直線管路42で接
続した管路40としたりすることができ、さらに、他の
任意の管路形状にすることができる。勿論、管路の断面
形状も円形に限らず、非円形(例えば矩形、半円形な
ど)断面形状とすることができる。
実施形態に係るヒートパイプを示す図であり、本発明を
中空丸棒状の2重同軸型ヒートパイプに適用した例を示
している。なお、上述と同一の構成については上述例と
同一の符号を用いて説明する。
は、管路60内に上述したヒートパイプ10と同様の作
動流体21が気液二相に封入されており、管路60内に
作動流体21の多数の液溜り部21aと蒸気泡部21b
とが交互に存在し、その各液溜り部21bによって管路
60が閉塞されている。
1と、管状体51の内側又は外側、例えば外側に同軸に
圧入により結合された円筒状の同軸部材52と、によっ
て多重同軸構造体(同軸な内外複数の軸部材からなる構
造体)として構成されており、これら内外に対向する管
状体51および同軸部材52によって管路60が形成さ
れている。具体的には、管路60は、管状体51の軸線
を中心とする螺旋状に形成されており、例えば管状体5
1の外周部に形成された螺旋溝51gと管状体51の外
周に嵌合した同軸部材52の円筒内周面52a(嵌入周
面)とによって長方形断面の螺旋状の細長い管路60が
所定半径の円筒面上に配置されている。
1の軸方向に延びる所定長さの連通管路が63が配置さ
れており、互いに180度位相をずらして同軸配置され
た一対の螺旋管路61、62が連通管路63を介して接
続され、他端側も同様に接続されることによって管路6
0が構成されている。なお、同軸管路61、62が管状
体51の一端部で互いに折り返すように接続されただけ
の構成であってもよい。
は、管状体51の外周に管路形成用の螺旋溝51gを例
えば二条のねじ溝を形成する要領で容易に溝加工でき、
その加工が容易であるとともに、多数の直線状ヒートパ
イプを円筒配置したりすることなく容易に大径・長尺の
円筒型ヒートパイプを容易に作製できる。さらに、ヒー
トパイプ50の軸方向長さの長短にかかわらず、管路6
0の螺旋形状を適宜設定して所要の管路長さを確保する
ことができるとともに、所定の嵌入周面に沿った立体的
な管路配置が可能になる。また、嵌入周面上の管路配置
は、螺旋以外の蛇行や折返し形状等、プレート型の場合
と同様に任意であるから、管路配置の自由度も高くな
る。
明の第3の実施形態に係るヒートパイプを示す図であ
り、本発明を大径の多重同軸円筒型ヒートパイプに適用
した例を示している。なお、上述と同一の構成について
は上述例と同一の符号を用いて説明する。
作動流体21が管路80内に気液二相に封入されてお
り、その管路80内に作動流体21の複数の液溜り部2
1aと蒸気泡部21bとが交互に存在し、各液溜り部2
1aによって管路80が閉塞されている。
3つ以上の管状体、例えば4つの円筒形の管状体71、
72、73、74を互いに圧入嵌合させて同軸に配置
し、これら管状体71〜74により、隣接する各一対の
管状体71、72、管状体72、73あるいは管状体7
3、74に沿って同軸的に配置された複数の同軸管路8
1、82、83を形成した構成となっている。
周にはそれぞれ軸方向両端部で屈曲した蛇行管路形成用
溝72g、73g、74gが形成されており、管状体7
1の円筒内周面71a(嵌入周面)と管状体72の外周
(溝部72gを含む)の間、管状体72の円筒内周面7
2a(嵌入周面)と管状体73の外周(溝部73gを含
む)の間、並びに管状体73の円筒内周面73a(嵌入
周面)と管状体74の外周(溝部74gを含む)の間
に、それぞれ蛇行した同軸の管路81、82、83が形
成されている。そして、図7に示すように、管状体72
には内外同軸に配置された管路81、82を互いに接続
する半径方向の連通管路84が、管状体73には内外同
軸に配置された管路82、83を互いに接続する(その
結果管路81〜83を相互に接続する)半径方向の連通
管路85が、それぞれ形成されている。
は、同軸配置された3つ以上の管状体71〜74によっ
て、細長い管路81〜83を同軸な円筒面(嵌入周面)
上に配置するとともに、それら同軸の管路81〜83同
士を連通管路84、85により連通させているので、多
数の直線状ヒートパイプを円筒配置したりすることな
く、大径・長尺のヒートパイプ70を非常に簡素な構成
で容易に作製することができる。また、管状体71〜7
4の間における熱輸送を同軸配置された管路81〜83
および連通管路84、85によって迅速に行うことがで
き、優れた熱輸送性能を得ることができる。さらに、内
外各層の嵌入周面上に配置された管路をそれぞれ容易に
無端管路とすることができ、作動流体の振動や循環によ
る顕熱輸送をも期待できるものとなる。
型の受放熱面積の比較的大きなヒートパイプの構成を簡
素にしながらも、その熱輸送性能の向上を図ることがで
きる。
示すその正面断面図である。
面図である。
内管路の変形態様を示す図2と同様な平面図である。
内管路の他の変形態様を示す図2と同様な平面図であ
る。
示すその縦断面図である。
内部構造を示す一部破断面を含む斜視図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】所定の空隙を隔てて互いに離間する複数の
プレートの内部にそれぞれ管路を形成し、該管路内に作
動流体の複数の液溜り部と蒸気泡部とが交互に存在し、
前記プレート内管路同士を互いに連通させる連通管路を
設けたことを特徴とするヒートパイプ。 - 【請求項2】前記複数のプレートの間にフィンが設けら
れたことを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ。 - 【請求項3】2重同軸構造体の軸と軸との間の嵌入周面
に沿って管路を形成し、該管路内に作動流体の複数の液
溜り部と蒸気泡部とが交互に存在することを特徴とする
ヒートパイプ。 - 【請求項4】少なくとも3つの軸部材からなる多重同軸
構造体の軸と軸との各嵌入周面に管路を形成し、該管路
同士を連通させる連通管路を前記軸部材に設け、前記各
管路内に作動流体の複数の液溜り部と蒸気泡部とが交互
に存在することを特徴とするヒートパイプ。 - 【請求項5】前記管路が前記嵌入周面の軸線を中心とす
る螺旋状に形成されたことを特徴とする請求項3又は4
に記載のヒートパイプ。
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- 2000-07-13 JP JP2000213111A patent/JP4514910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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