JP2002021834A - 締結装置 - Google Patents

締結装置

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JP2002021834A
JP2002021834A JP2000207030A JP2000207030A JP2002021834A JP 2002021834 A JP2002021834 A JP 2002021834A JP 2000207030 A JP2000207030 A JP 2000207030A JP 2000207030 A JP2000207030 A JP 2000207030A JP 2002021834 A JP2002021834 A JP 2002021834A
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holding member
divided
fastening device
nut
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Hidetoshi Motokawa
秀敏 本川
Katsumi Sakai
克己 酒井
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Sankyu Inc
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Sankyu Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雄ねじ部材への締結時間を短縮することがで
きる締結装置を提供する。 【解決手段】 取付けようとする雄ねじ部材11に螺合
し、外形断面が非円形となったナット部材14と、ナッ
ト部材14の外側に軸方向から被さって係合する保持部
材15と、雄ねじ部材11の外位置にあって、保持部材
15をナット部材14に対して軸方向に進退させるガイ
ド機構16を有し、ナット部材14は、それぞれの中心
角が180度を超えない範囲で複数に縦割され、しかも
縦割されて形成された各分割雌ねじ部材12、13は、
隣接する分割雌ねじ部材13、12に1箇所を除いて回
動可能に連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ボルト等
の雄ねじ部材への着脱を容易に行うことができ、締結及
び取外し時間を短縮することができる締結装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ボルト及びナットによる締結構造は、従
来より広く使用されている。例えば、図9に示すよう
に、遊動頭式の熱交換器70は、横置きされた円筒状の
胴部71内に多数のチューブ72を配置している。各チ
ューブ72は、胴部71の一端に図示しないガスケット
を介して配置された固定管板73と胴部71の他端から
外側に突出する遊動管板74に固着されている。また、
遊動管板74の外側には、遊動頭蓋81が設けられてい
る。胴部71の軸方向の両側部には、シェル側入口75
及びシェル側出口76がそれぞれ設けられ、胴部71内
には、複数の邪魔板77が配置されている。胴部71の
一端に設けられた固定管板73の外側には、内部を複数
室に仕切った仕切り室78が設けられている。仕切り室
78の各部屋にはチューブ側入口79とチューブ側出口
80がそれぞれ接続している。胴部71の他端には、遊
動管板74を囲む胴蓋82が図示しないガスケットを介
して設けられている。これら、熱交換器70を構成する
容器部分は、全て耐圧性及び耐熱性を有する肉厚の部材
で構成されている。シェル側入口75からは、例えば、
高温気体を流入させることができる。流入した高温気体
は、胴部71内の邪魔板77によって形成された流路を
通過して、チューブ72内の流体に熱を与えシェル側出
口76から排出される。チューブ側入口79からは、例
えば、低温液体を流入させることができる。流入した低
温液体は、チューブ側入口79付近のチューブ72内を
通過して高温気体と熱交換を行い、遊動管板74と遊動
頭蓋81との間の隙間に入り、再度チューブ側出口80
に連通する別のチューブ72内を通過して高温気体と熱
交換を行った後、仕切り室78のチューブ側出口80か
ら排出される。なお、この場合、入口と出口がシェル
側、チューブ側共それぞれ逆になる場合も当然あり得
る。熱交換器70は遊動頭式なので、胴部71やチュー
ブ72の熱膨張や熱収縮の影響を受けず、安定して動作
させることができた。
【0003】熱交換器70のメンテナンス時には、仕切
り室78と胴蓋82を取り外した後、各チューブ72を
固定管板73及び遊動管板74と共に胴部71から軸方
向に引き出すことができ、胴部71内の清掃を容易に行
うことができた。清掃終了後には、熱交換器70の組立
てを行うが、組立て時にチューブ72と固定管板73、
及びチューブ72と遊動管板74のかしめ又は溶接部分
の漏洩チェックを行っていた。このときには、仕切り室
78及び胴蓋82を取外した状態のまま熱交換器70の
軸方向両側からチューブ72の端部を確認できるように
リング状又は管状に形成された図示しないテストリング
で固定管板73及び遊動管板74の外周部と胴部71を
それぞれ固定していた。テストリングの固定には、仕切
り室78及び胴蓋82のフランジ部の固定に用いる多数
のボルト及びナットを用いて固定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のボルトは、肉厚の仕切り室78及び胴蓋82を固定
するため長さの長いものを用いていた。一方、テストリ
ングは、常温でテストを行うために肉薄のものを使用し
ており、多数のナットの締結に時間がかかっていた。本
発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、雄ねじ部材
への締結時間を短縮することができる締結装置を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る締結装置は、取付けようとする雄ねじ部材に螺合
し、外形断面が非円形となったナット部材と、該ナット
部材の外側に軸方向から被さって係合する保持部材と、
前記雄ねじ部材の外位置にあって、前記保持部材を前記
ナット部材に対して軸方向に進退させるガイド機構を有
し、前記ナット部材は、それぞれの中心角が実質的に1
80度を超えない範囲で複数個に縦割され、しかも縦割
されて形成された各分割雌ねじ部材は、隣接する分割雌
ねじ部材に1箇所を除いて回動可能に連結されている。
縦割とは、軸心方向に切断することをいう。外形断面が
非円形とは、外周部を外側から保持して回動させること
ができる形状であればよい。ナット部材の外形断面は、
例えば、矩形、六角形、八角形等に形成することがで
き、また、円形の一部に係合用の異形部を突出させ、又
は溝部を形成した形状にすることも可能である。雄ねじ
部材の外位置とは、取付け時において、締結される雄ね
じ部材と軸方向に重合しない位置をいう。また、ガイド
機構の位置は、保持部材の外側にあってもよいが、形状
をコンパクトにするため保持部材の内側に設けることが
好ましい。また、実質的に180度を超えない範囲と
は、取付けられる雄ねじ部材に、該雄ねじ部材の半径方
向外側から当接させて螺合させることができる範囲であ
れば180度を少し超えてもよい。複数個の分割雌ねじ
部材は、1箇所を除いて回動可能に連結されているの
で、連結されていない箇所で分離させてその他の部分を
回動させ、雄ねじ部材の外周を囲んで螺合させ、雄ねじ
部材の軸方向の任意の位置に取付けることができる。か
かる構成によって、例えば、長尺の雄ねじ部材にナット
を取付ける場合に、ナットを回転させるためにかかる時
間を短縮して取付けを簡単に行うことができる。
【0006】また、ナット部材に係合する保持部材を有
しているので、雄ねじ部材の任意の位置に螺合させたナ
ット部材に軸方向から被さって保持して、ナット部材が
分離して雄ねじ部材から脱落することを防止することが
できる。さらに、ガイド機構を有しているので、ナット
部材に保持部材を係合させるときの傾きを防止して、係
合を容易に行うことができると共に、保持部材と雄ねじ
部材との間の隙間を一定に保ったまま案内できるので、
保持部材が雄ねじ部材に衝突してねじ山に傷が付くこと
を防止することができる。また、保持部材を回転させる
ことによってナット部材を雄ねじ部材に締結することが
できる。
【0007】ここで、前記ガイド機構には、前記保持部
材に設けられ、該保持部材の軸心に平行なスライド孔が
形成されたスライド軸受部と、前記スライド孔内を進退
可能に設けられた案内軸と、前記分割雌ねじ部材を前記
案内軸に回動可能に連結する1つの回動部と、前記案内
軸が前記スライド孔から抜け落ちることを防止する抜け
止め部を設けることも可能である。1つの回動部とは、
2個の分割雌ねじ部材を設けた場合には、設けられた1
の回動部を示し、3個以上の分割雌ねじ部材を設けた場
合には、2以上の回動部のうちの1つの回動部を示す。
回動部を介して隣り合う分割雌ねじ部材を案内軸に回動
可能に取付けているので、分割雌ねじ部材を雄ねじ部材
に取付けるときに各分割雌ねじ部材の軸方向の各々の位
置ずれを防止することができ、各分割雌ねじ部材の雄ね
じ部材への取付け及び雄ねじ部材からの取外しを簡単に
行うことができる。さらに抜け止め部を有しているの
で、保持部材とナット部材を一体的に設けることがで
き、使用時に部品が欠損して使用できなくなることを防
止することができる。
【0008】また、前記保持部材に、前記ナット部材の
外側に被さって係合する係合孔を形成し、該係合孔に、
内側テーパ面を形成し、各前記分割雌ねじ部材の外側部
に、前記係合孔の内側テーパ面に対応する傾斜面を形成
し、前記分割雌ねじ部材の少なくとも1個を、前記保持
部材の周壁部を径方向に貫通する固定手段によって着脱
可能に固定し、前記保持部材の外周部に、少なくとも1
組の平行面を設けることも可能である。ここで、固定手
段には、例えば、固定用小ねじを用いることができる。
例えば、保持部材の径方向に固定用雌ねじ部を貫通して
形成すると共に、該固定用雌ねじ部に対応する分割雌ね
じ部材の外周部に掛止用穴を形成し、固定用雌ねじ部に
螺合させた固定用小ねじの先部を掛止用穴に嵌入して分
割雌ねじ部材を固定することができる。この場合、固定
用小ねじを緩めると、分割雌ねじ部材を軸方向に移動で
きるので、固定用小ねじを外さなくてもよく、締結装置
の一部として一体的に保管しておけるので、効率よく使
用することができる。また、保持部材の径方向に貫通孔
を形成し、分割雌ねじ部材の該貫通孔に重合する位置に
固定用雌ねじ部を形成し、該固定用雌ねじ部に固定用小
ねじを螺合して固定することも可能である。
【0009】固定手段を設けているので、保持部材と分
割雌ねじ部材を一体化させて使用することができ、確実
に締結を行うことができる。また、保持部材の内側テー
パ面に分割雌ねじ部材の傾斜面が対応するので、保持部
材の案内を容易にして、ナット部材に簡単かつ確実に係
合させることができる。保持部材の外周部には、少なく
とも1組の平行面が設けられているので、スパナ等の締
結工具を用いて締結を簡単に行うことができる。なお、
保持部材の外周部には、3組の平行面を均等に形成する
ことが好ましい。かかる構成によって、締結をさらに容
易に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。図1に示すように、本発明の一実
施の形態に係る締結装置10は、例えば、取付け面から
先端までの長さが長く形成された長尺の雄ねじ部材の一
例である長尺ボルト11に用いられ、取付けようとする
長尺ボルト11に螺合し、2つの分割雌ねじ部材12、
13から構成され、かつ外形断面が実質的に正八角形に
形成されたナット部材14と、ナット部材14の外側に
軸方向から被さって係合する保持部材15と、取付けら
れる長尺ボルト11の外位置、かつ保持部材15の外周
よりも内側位置にあって、保持部材15及びナット部材
14を連結し、保持部材15をナット部材14に対して
軸方向に進退させるガイド機構16を有している。以
下、詳しく説明する。まず、ナット部材14と、ナット
部材14を構成する分割雌ねじ部材12、13について
説明する。
【0011】図1〜図3に示すように、分割雌ねじ部材
12、13は、ナット部材14を軸方向に縦割して形成
され、それぞれの中心角は実質的に180度になってい
る。分割雌ねじ部材12、13の軸心側には、長尺ボル
ト11に螺合可能な分割雌ねじ部17、18が形成され
ている。また、分割雌ねじ部材12、13の半径方向の
側部には、軸心に対して2〜8度の角度θを有する傾斜
面34〜38がそれぞれ形成されている。各傾斜面34
〜38は、取付けられる長尺ボルト11の先側に向かっ
て軸心に近接する方向にそれぞれ傾斜している。図2、
図3に示すように、各分割雌ねじ部材12、13のそれ
ぞれ対向して当接する分離部65〜68のうちの一方側
の分離部66、67の先側端には、回動ブラケット1
9、20がそれぞれ突出して設けられている。
【0012】回動ブラケット19、20は、各分割雌ね
じ部材12、13の対向する分離部65〜68を当接さ
せて配置したときに重合する回動用孔部21、22がそ
れぞれ形成された回動リング部23、24と、各回動リ
ング部23、24を、対応する分割雌ねじ部材12、1
3に固着する軸方向長さの異なる固定部25、26をそ
れぞれ有している。各回動ブラケット19、20は、ナ
ット部材14の軸心に平行に配置される案内軸27の基
側の一端部に形成された縮径部28に回動可能に連結さ
れている。回動ブラケット19、20及び案内軸27の
縮径部28によって回動部54を構成している。各分割
雌ねじ部材12、13の軸方向の端部は、それぞれの先
側に回動ブラケット19、20を有し、一方、基側は自
由状態となっており、案内軸27を中心にしてそれぞれ
回動することができる。長尺ボルト11の雄ねじ部を径
方向外側から分割雌ねじ部17、18で挟み込んで分割
雌ねじ部材12、13の分離部65〜68を当接させて
螺合させることができ、逆に分割雌ねじ部材12、13
の分離部65〜68をそれぞれ離反させて、長尺ボルト
11から分割雌ねじ部材12、13を取外すことができ
る。各分割雌ねじ部材12、13の半径方向の側部の周
方向中央の傾斜面36には、径方向外側から手回し可能
な固定手段の一例である固定用小ねじ40(図5参照)
の先部を嵌入可能な掛止用穴39がそれぞれ形成されて
いる。
【0013】次に、図1、図6を参照して、案内軸27
について説明する。案内軸27は、保持部材15の軸方
向長さより長く形成され、各分割雌ねじ部材12、13
を取付ける縮径部28と、拡径して他端側に設けられた
抜け止め部29を有している。案内軸27の縮径部28
に外装される分割雌ねじ部材12、13の回動リング部
23、24は、案内軸27に設けられた抜け止めピン3
0によって案内軸27の軸方向へ移動できないように構
成されている。
【0014】次に、図1、図4、図5を参照して、保持
部材15について説明する。保持部材15は、外形断面
が実質的に正六角形に形成され、外周部に3組の平行面
が形成されている。保持部材15の内側を貫通して形成
された係合孔33は実質的に断面正八角形で、ナット部
材14の外側に被さって外嵌可能な大きさになってい
る。すなわち、係合孔33の周壁には、ナット部材14
の各傾斜面34〜38に対応する8つの内側テーパ面4
3が形成されている。係合孔33の周壁の一部には、径
方向内側に開口して案内軸27及び案内軸27に取付け
られた分割雌ねじ部材12、13の回動ブラケット1
9、20を挿通可能なU字状の案内溝41が軸方向に形
成されている。保持部材15の先側端部には、スライド
軸受部31が案内溝41に被さって形成され、スライド
軸受部31には、案内軸27の中間部分を挿通して抜け
止め部29を掛止可能なスライド孔32が保持部材15
の軸心に平行に形成されている。
【0015】案内軸27の中間部分は、スライド孔32
に挿通され、スライド孔32は、案内軸27の中間部分
が案内溝41を軸方向へ移動できるようにガイドしてい
る。また、案内軸27が基側に移動するときには、抜け
止め部29を掛止して、案内軸27の抜脱を防止してい
る。ガイド機構16は、保持部材15に設けられスライ
ド孔32が形成されたスライド軸受部31と、スライド
孔32内を進退可能に設けられた案内軸27と、それぞ
れの分割雌ねじ部材12、13を案内軸27に連結する
回動部54と、案内軸27がスライド孔32から抜け落
ちることを防止する抜け止め部29によって構成されて
いる。ガイド機構16を有することによって、分割雌ね
じ部材12、13は、案内軸27に対して回動のみを行
うことができ、保持部材15は、案内軸27に対して軸
方向の移動のみを行うことができる。このように、締結
装置10の各部材の移動方向を規制し、長尺ボルト11
への着脱を確実に行うことができる。また、分割雌ねじ
部材12、13と保持部材15を一体的に連結するので
部品がばらけることがなく、確実に保管及び使用するこ
とができる。
【0016】保持部材15の周壁部の対向する2箇所に
は、頭部嵌入溝部42aが形成され、頭部嵌入溝部42
aには、固定用雌ねじ部42が係合孔33まで貫通して
形成されている。固定用雌ねじ部42には、固定用小ね
じ40が外側から径方向に貫通して螺合され、固定用小
ねじ40の先部は、内側テーパ面43より内側に突出
し、それぞれ対応する分割雌ねじ部材12、13の掛止
用穴39内に嵌入する。かかる構成によって、分割雌ね
じ部材12、13に対して保持部材15が軸方向に移動
できないようにすることができる。また、固定用小ねじ
40を緩めて、固定用小ねじ40の先部と分割雌ねじ部
材12、13の掛止用穴39との掛合を解除すると、保
持部材15を軸方向に移動させることができる。このよ
うに分割雌ねじ部材12、13に対して保持部材15を
着脱可能に固定することができる。なお、固定用小ねじ
40は、固定用雌ねじ部42に螺合した状態で使用する
ことができ、また、手回し可能なので、簡単に使用でき
る。なお、固定用小ねじ40の頭部を低く形成し、頭部
嵌入溝部42a内に納まる寸法にすることも可能であ
り、この場合には、保持部材15の外周に形成された3
組の平行面をすべて締結用に使用することができる。
【0017】次に、図1、図5〜図7を参照して、締結
装置10の使用手順について説明する。締結装置10
は、例えば、図7に示す熱交換器本体45の漏洩テスト
に用いられる。熱交換器本体45は、熱交換器から仕切
り室及び胴蓋を外したものである。熱交換器本体45
は、円筒状の胴部46の内部に多数のチューブ47を挿
通している。多数のチューブ47の一端部は、固定管板
49に挿通されて、かしめ又は溶接によって固定されて
いる。また、多数のチューブ47の他端部は遊動管板4
8に挿通され、かしめ又は溶接によって固定されてい
る。固定管板49は、胴部46の一端部に図示しないガ
スケットを介して当接して配置され、遊動管板48は、
胴部46の他端部から突出した状態で配置されている。
熱交換器本体45の使用時には、胴部46の一端部に
は、図示しない仕切り室が固定管板49を挟んで固定さ
れ、他端部には、遊動管板48を覆って胴蓋が固定され
る。
【0018】熱交換器本体45の漏洩テストは、固定管
板49とチューブ47とのかしめ又は溶接部分、及び遊
動管板48とチューブ47とのかしめ又は溶接部分の密
封状態を調べるために行う。固定管板49は、胴部46
の一端に環状のテストリング50を介して固定されてい
る。また、胴部46の他端にガスケットを介して筒状の
テストリング51を設け、テストリング51の他端にテ
ストリング52を設け、テストリング51と遊動管板4
8との間の隙間をOリング53で塞いでいる。テストリ
ング50は、固定管板49の外周部を挟んで胴部46の
一側のフランジ部に複数の長尺ボルト11及び締結装置
10によって固定される。また、テストリング51は、
胴部46の他側のフランジ部に、テストリング52は、
テストリング51の他側端に、それぞれ複数の長尺ボル
ト11及び締結装置10を用いて固定される。テスト用
ガス、例えば、圧縮エアを胴部46に設けられた入口部
69から流入させると、胴部46内の気圧が上昇する。
この状態で、チューブ47のかしめ又は溶接部分からの
空気の漏洩があるかどうかを、固定管板49及び遊動管
板48の外側からチェックすることができる。
【0019】各テストリング50〜52の固定に用いら
れる長尺ボルト11は、熱交換器本体45に仕切り室と
胴蓋を固定する場合に使用されるものであり、仕切り室
及び胴蓋のフランジ部の肉厚に合わせて長さが長いもの
を使用している。多数の長尺ボルト11に螺合可能な市
販のナットを使用した場合には、締結が完了するまでナ
ットを回転させなければならない回数が多く、手間と時
間がかかっていた。締結装置10及び長尺ボルト11を
用いて、テストリング52をテストリング51に固定す
る場合(テストリング50、51を胴部46に固定する
ときも同様)には、図1、図5、図6に示すように、締
結装置10の案内軸27を、分割雌ねじ部材12、13
と保持部材15が離れる方向(図5の基側)に移動させ
る。そして、分割雌ねじ部材12、13が分離するよう
に回動部54を回動させてから長尺ボルト11に保持部
材15の係合孔33を外挿し、長尺ボルト11の基端部
の近傍まで分割雌ねじ部材12、13を移動する。
【0020】次に、分割雌ねじ部材12、13を回動さ
せ、長尺ボルト11を両側から挟むようにして分割雌ね
じ部材12、13の分離部65〜68をそれぞれ当接さ
せ、分割雌ねじ部17、18を長尺ボルト11の雄ねじ
部に螺合させる。次いで、保持部材15を、案内軸27
に沿って長尺ボルト11の基側に移動させ、保持部材1
5の係合孔33をナット部材14の外周部に外嵌させ
る。このとき、係合孔33には内側テーパ面43が、ナ
ット部材14の外周部には、これに対応する傾斜面34
〜38が設けられており、ナット部材14は、図5に示
すように、保持部材15の基側端部から少し突出した位
置で停止する。また、このとき、案内軸27は、保持部
材15のスライド軸受部31より長尺ボルト11の先側
に突出している。そして、保持部材15の側部に設けら
れた固定用小ねじ40を回転させ、固定用小ねじ40の
先部を分割雌ねじ部材12、13の掛止用穴39内に嵌
入して保持部材15と分割雌ねじ部材12、13を一体
的に固定する。そして、例えば、スパナ等の工具で保持
部材15の外周部の平行面を挟んで回転させ、基側に位
置するテストリング52にナット部材14の基側面を当
接させ、所定のトルクでさらに締結する。保持部材15
を回転させることによってナット部材14の基側面には
テストリング52から軸方向の力が加わるが、この軸方
向の力は、ナット部材14の内側の分割雌ねじ部17、
18を介して長尺ボルト11の雄ねじ部に伝達される。
このとき、固定用小ねじ40には軸方向への力は加わら
ないので、締結装置10の締結強度一杯に締付けを行っ
ても、固定用小ねじ40は損傷しない。他の長尺ボルト
11に取付ける締結装置10も同様の手順を繰り返すこ
とによって固定することができ、このように構成するこ
とによってテストリング50〜52を固定することがで
きる。締結を解除して締結装置10を取外すときには、
上記手順の略逆の手順によって行うことができる。この
ように、長尺ボルト11の雄ねじ部分の長さに関係な
く、任意の位置に締結装置10を取付けることができる
ので、着脱時間を短縮して、作業を効率よく行うことが
できる。
【0021】図8に変形例に係る締結装置55を示す。
締結装置55は、ナット部材58を3分割して形成した
ものであり、その他の構造は前記実施の形態に係る締結
装置10と同じにしているので、同一部材には同一番号
を付して、説明は省略する。保持部材56は、保持部材
15の案内溝41と同形状の案内溝57を、保持部材1
5に追加して形成したものである。案内溝57の位置
は、案内溝41の位置から120度ずらして形成されて
いる。ナット部材58を分割した分割雌ねじ部材59〜
61の中心角は、それぞれ120度ずつに形成されてい
る。分割雌ねじ部材59、60の隣り合う分離部の間に
設けられた回動ブラケット19、20は、案内軸27に
回動可能に取付けられている。
【0022】一方、分割雌ねじ部材60、61の隣り合
う分離部の間に設けられた回動ブラケット19、20と
同形状の回動ブラケット62、63は、短尺の連結ピン
64によって回動可能に連結されている。かかる構成に
よって、図示しないボルトに保持部材56を外挿し、分
割雌ねじ部材59〜61を回動させ環状のナット部材5
8を形成してボルトに螺合させ、その後、案内軸27を
内側に取付けた保持部材56をナット部材58の外側か
ら被せ、保持部材56とナット部材58を図示しない固
定手段で固定することによって締結装置55をボルトに
締結することができる。ナット部材58を3分割してい
るので、特に使用するボルト径が大きく、ナット部材5
8の重量が大きくなったときに、各分割雌ねじ部材59
〜61の回動を簡単に行うことができる。
【0023】以上、本発明に係る実施の形態について説
明してきたが、本発明は、前記実施の形態に限定される
ものではなく、例えば、分割雌ねじ部材の分割数を4以
上に設定することができる。また、前記実施の形態にお
いては、固定用小ねじをそれぞれの分割雌ねじ部材に固
定したが、分割雌ねじ部材の少なくとも1個が固定され
ていればよい。さらに、保持部材の外形断面は実質的に
正六角形に形成したが、少なくとも1組みの平行面が形
成されていればよい。
【0024】
【発明の効果】請求項1〜3記載の締結装置において
は、ナット部材を複数に縦割しているので、例えば、長
い雄ねじ部材にナット部材を取付ける場合に、ナットを
回転させるためにかかる時間を短縮して取付けを簡単に
行うことができる。また、分割雌ねじ部材に係合する保
持部材を有しているので、雄ねじ部材の任意の位置に螺
合させたナット部材に軸方向から被さって保持して、ナ
ット部材が雄ねじ部材から脱落することを防止すること
ができる。さらに、ガイド機構を有しているので、ナッ
ト部材に保持部材を係合させるときの傾きを防止して、
係合を容易に行うことができると共に、保持部材が雄ね
じ部材に当接してねじ山に傷が付くのを防止することが
できる。また、ナット部材を回動させてナット部材を雄
ねじ部材に取付けるので、操作性がよくなり、着脱を容
易に行うことができる。特に、請求項2記載の締結装置
においては、回動部で連結された分割雌ねじ部材を案内
軸に回動可能に取付けているので、分割雌ねじ部材を雄
ねじ部材に取付けるときに各分割雌ねじ部材の軸方向へ
の取付け位置の位置ずれが発生することを防止すること
ができ、各分割雌ねじ部材の雄ねじ部材への取付け及び
雄ねじ部材からの取外しを簡単に行うことができる。さ
らに抜け止め部を有しているので、保持部材とナット部
材を一体的に設けることができ、使用時に部品が欠損し
て使用できなくなることを防止することができる。そし
て、請求項3記載の締結装置においては、保持部材の周
壁部を径方向に貫通する固定手段を設けているので、保
持部材と分割雌ねじ部材を一体化させて使用することが
でき、確実に締結を行うことができる。また、保持部材
の内側テーパ面に分割雌ねじ部材の傾斜面が符合するの
で、保持部材を滑らかに案内して、ナット部材に簡単か
つ確実に係合させることができる。さらに保持部材に
は、少なくとも1組の平行面が設けられているので、ス
パナ等の締結工具を用いて外側からの締結を簡単に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る締結装置の斜視図
である。
【図2】同締結装置の一方の分割雌ねじ部材の正面図で
ある。
【図3】同締結装置の他方の分割雌ねじ部材の正面図で
ある。
【図4】(A)、(B)は、それぞれ同締結装置の保持
部材の平断面図と正面図である。
【図5】同締結装置の使用状態を示す平断面図である。
【図6】同締結装置の使用状態を示す側断面図である。
【図7】同締結装置が適用される熱交換器本体の漏洩テ
スト時の側面図である。
【図8】変形例に係る締結装置の正面図である。
【図9】従来例に係る締結装置の側面図である。
【符号の説明】
10:締結装置、11:長尺ボルト(雄ねじ部材)、1
2、13:分割雌ねじ部材、14:ナット部材、15:
保持部材、16:ガイド機構、17、18:分割雌ねじ
部、19、20:回動ブラケット、21、22:回動用
孔部、23、24:回動リング部、25、26:固定
部、27:案内軸、28:縮径部、29:抜け止め部、
30:抜け止めピン、31:スライド軸受部、32:ス
ライド孔、33:係合孔、34〜38:傾斜面、39:
掛止用穴、40:固定用小ねじ(固定手段)、41:案
内溝、42:固定用雌ねじ部、42a:頭部嵌入溝部、
43:内側テーパ面、45:熱交換器本体、46:胴
部、47:チューブ、48:遊動管板、49:固定管
板、50〜52:テストリング、53:Oリング、5
4:回動部、55:締結装置、56:保持部材、57:
案内溝、58:ナット部材、59〜61:分割雌ねじ部
材、62、63:回動ブラケット、64:連結ピン、6
5〜68:分離部、69:入口部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付けようとする雄ねじ部材に螺合し、
    外形断面が非円形となったナット部材と、該ナット部材
    の外側に軸方向から被さって係合する保持部材と、前記
    雄ねじ部材の外位置にあって、前記保持部材を前記ナッ
    ト部材に対して軸方向に進退させるガイド機構を有し、
    前記ナット部材は、それぞれの中心角が実質的に180
    度を超えない範囲で複数に縦割され、しかも縦割されて
    形成された各分割雌ねじ部材は、隣接する分割雌ねじ部
    材に1箇所を除いて回動可能に連結されていることを特
    徴とする締結装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の締結装置において、前記
    ガイド機構は、前記保持部材に設けられ、該保持部材の
    軸心に平行なスライド孔が形成されたスライド軸受部
    と、前記スライド孔内を進退可能に設けられた案内軸
    と、前記分割雌ねじ部材を前記案内軸に回動可能に連結
    する1つの回動部と、前記案内軸が前記スライド孔から
    抜け落ちることを防止する抜け止め部を有していること
    を特徴とする締結装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の締結装置におい
    て、前記保持部材には、前記ナット部材の外側に被さっ
    て係合する係合孔が形成され、該係合孔には、内側テー
    パ面が形成され、各前記分割雌ねじ部材の外側部には、
    前記係合孔の内側テーパ面に対応する傾斜面が形成さ
    れ、前記分割雌ねじ部材の少なくとも1個は、前記保持
    部材の周壁部を径方向に貫通する固定手段によって着脱
    可能に固定され、前記保持部材の外周部には、少なくと
    も1組の平行面が設けられていることを特徴とする締結
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024880A (ja) * 2003-02-10 2009-02-05 Atsushi Imai 液体圧装置
US8703037B2 (en) 2005-04-01 2014-04-22 3D Systems, Inc. Edge smoothness with low resolution projected images for use in solid imaging
JP2017115995A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 三菱重工業株式会社 締結装置

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