JP2002021013A - 舗装構造 - Google Patents

舗装構造

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JP2002021013A JP2001120110A JP2001120110A JP2002021013A JP 2002021013 A JP2002021013 A JP 2002021013A JP 2001120110 A JP2001120110 A JP 2001120110A JP 2001120110 A JP2001120110 A JP 2001120110A JP 2002021013 A JP2002021013 A JP 2002021013A
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Takeshi Kunishima
武史 国島
Kenichi Yoshimura
賢一 吉村
Yoshibumi Fujii
義文 藤井
Shinichiro Ando
慎一郎 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 舗装面へ入射した電磁波を効率的に吸収し、
舗装面からの反射電磁波による電磁障害を防止する。 【解決手段】 電波発生源から放射する所定周波数の電
波が舗装構造20の外表面である舗装面31へ入射する
と、この電波の少なくとも一部が電磁波吸収層28内に
混合された炭素繊維32により熱エネルギに変換されて
吸収される。このとき、全ての電波が電磁波吸収層28
により吸収されなかった場合には、この吸収されなかっ
た残りの電波は放射波ROとして電磁波吸収層28内か
ら放射する。このとき、放射波ROの位相は、電磁波吸
収層28内へ入射する入射波RI及び電磁波吸収層28
の表面により直接的に反射される直接反射波RRの位相
に対して逆位相の関係となる。これにより、放射波RO
と入射波RI及び直接反射波RRとが合成されて相互に打
ち消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路、駐車場等の
施設における舗装面を構成する舗装構造に係り、特にマ
イクロ波等の電磁波を利用して車両等との間で交信を行
う施設に適した舗装構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】次世代の道路交通システムであるインテ
リジェント道路交通システム(ITS)の一環として、
有料道路の自動料金徴収システム(ETC)や、道路上
を走行する自動車の走行支援道路システム(AHS)の
開発が進んでいる。
【0003】この自動料金徴収システムは、高速道路等
の有料道路の料金所でも自動車の走行を停止させずに自
動車に搭載された通信装置と料金所に配置された通信装
置との間で電磁波を利用して交信し、有料道路の利用者
に対して通行料金を課金、徴収するためのデータ処理を
行うものである。自動料金徴収システムでは、料金所手
前に配置されたレーダ等の検出手段によって道路上を走
行してきた自動車が検出されると、料金所側の通信装置
から走行中の自動車側へ課金処理を開始するための起動
信号を送信する。これにより、自動車側に搭載された通
信装置は自動車の通行料金を算出するために必要な各種
の情報(入口料金所、車種、契約内容、支払口座等)を
料金所側の通信装置へ送信する。料金所側の自動料金収
受装置は、通信装置を介して自動車側から送られてきた
情報に基づいて通行料金を算出し、有料道路の利用者に
対して通行料を課金、徴収するための処理を実行する。
このとき、必要に応じて、自動料金収受装置は通信装置
を介して通行料金に関する情報を自動車側へ送信する。
【0004】また走行支援道路システムでは、例えば、
道路における自動車の走行経路に沿って所定の間隔毎に
ビーコンを埋設し、この道路上を走行する自動車に搭載
された走行支援装置のレーダ部がビーコンからの電磁波
信号を検出する。これにより、自動車に搭載された走行
支援装置は、ビーコンからの電磁波信号に基づいて適正
な走行ラインを算出し、この走行ラインに沿って自動車
を走行させるための処理を行う。この走行支援装置によ
る処理としては、例えば、走行レーンからの逸脱の可能
性等をドライバに警告することや、適正な走行ラインに
沿って自動車が走行するように自動操舵することが考え
られている。
【0005】上記したような自動車の自動料金徴収シス
テムや走行支援道路システムでは、料金所や自動車専用
道路等の施設(インフラストラクチャー)と走行中の自
動車とが比較的高い周波数の電磁波(例えば、1GHz
以上のマイクロ波)を利用して情報を通信したり、道路
上における自動車の位置を測定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の料金所
や道路等の舗装面では、通常、電磁障害に対する対策が
何ら採られていないことから、施設側の通信装置等の電
磁波発生源から自動車へ向けて出射された電磁波の一部
が道路の舗装面により反射し、この反射電磁波により様
々な電磁障害が発生するおそれがある。具体的には、例
えば、料金所側の通信装置側と自動車側の通信装置との
交信が正常に行えなくなったり、自動車の走行支援装置
がビーコンからの電磁波信号を正常に検出できなくなる
などの電磁障害が発生するおそれがある。
【0007】本発明の目的は、上記事実を考慮して、舗
装面へ入射した電磁波を効率的に吸収し、舗装面からの
反射電磁波による電磁障害を防止できる舗装構造を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の舗装構造は、骨
材、バインダと共に導電性材料及び磁性材料の少なくと
も一方を混合して構成され、表面側から入射した所定周
波数の電磁波の少なくとも一部を吸収可能とされた電磁
波吸収層と、前記電磁波吸収層の裏面へ面するように設
けられ、該電磁波吸収層を透過した電磁波を反射する電
磁波反射層と、を有するものである。
【0009】上記構成の舗装構造によれば、電磁波発生
源から放射する所定周波数の電磁波が舗装構造の外表面
である舗装面へ入射すると、この電磁波の少なくとも一
部が電磁波吸収層内を伝搬されるに従って、電磁波吸収
層内に混合された導電性材料又は磁性材料により吸収さ
れるが、全ての電磁波が電磁波吸収層により吸収されな
かった場合には、この吸収されなかった残りの電磁波は
電磁波吸収層を透過して電磁波反射層へ入射し、電磁波
反射層により反射されて電磁波吸収層内へ再び入射す
る。これにより、電磁波が電磁波吸収層内の導電性材料
又は磁性材料により再び吸収されて減少する。これによ
っても、全ての電磁波が吸収されないときには、残りの
電磁波は電磁波吸収層の表面から外部へ放射する。
【0010】このとき、電磁波吸収層の表面から電磁波
反射層までの厚さを入射する電磁波の周波数に対して所
定の関係としておけば、電磁波反射層により反射された
後に電磁波吸収層内から放射される電磁波(放射波)の
位相を、電磁波吸収層内へ入射する電磁波(入射波)及
び電磁波吸収層の表面により直接的に反射される電磁波
(直接反射波)の位相に対して逆位相の関係とすること
ができる。従って、放射波と入射波及び直接反射波とを
合成して相互に打ち消すことができるので、この電磁波
の合成作用によっても舗装面からの反射電磁波を減少さ
せることが可能となる。
【0011】また、本発明の舗装構造において、電磁波
吸収層を、その厚さ方向に直交する面に沿った平均的な
誘電率が表面側から裏面側へ向かって増大するようにす
れば、電磁波吸収層の表面により直接的に電磁波が反射
されることを効果的に抑制できるので、電磁波吸収層の
表面により直接反射される電磁波(直接反射波)を減少
させ、電磁波吸収層内へ入射する電磁波の比率を増加で
きる。この結果、電磁波吸収層内の導電性材料又は磁性
材料により電磁波を効率的に吸収させることができの
で、舗装面からの反射電磁波を更に効率的に減少できる
ようになる。ここで、例えば、電磁波吸収層の空隙率
を、該電磁波吸収層の表面側から裏面側へ向かって段階
的又は連続的に減少させれば、電磁波吸収層の面方向に
沿った平均的な誘電率を表面側から裏面側へ向かって増
大させることができる。
【0012】また、電磁波吸収層中の導電性材料及び磁
性材料の混合比率を、電磁波吸収層の表面側から裏面側
へ向かって段階的又は連続的に増加させれば、空隙率を
変化させた場合と同様に、電磁波吸収層の面方向に沿っ
た平均的な誘電率を表面側から裏面側へ向かって増大さ
せることができ、さらに電磁波吸収層の表面付近での電
磁波反射を抑制して電磁波吸収層内で効率的に電磁波を
吸収できるようになる。
【0013】また、本発明の舗装構造において、電磁波
が透過可能とされた表面保護層を電磁波吸収層の表面を
覆うように設ければ、タイヤ等との接触時の磨耗、剥離
等により電磁波吸収層が経時的に損耗することを防止で
きると共に、電磁波吸収層に経時的に圧縮変形等の変形
が生じることも防止できる。この結果、電磁波吸収層の
厚さが経時的に減少して、電磁波吸収層による電磁波の
吸収能力の低下を防止でき、さらに電磁波吸収層の表面
から電磁波反射層までの厚さが経時的に変化し、放射波
と入射波及び直接反射波との合成による反射電磁波に対
する抑制能力の低下も防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る舗
装構造について図面を参照して説明する。
【0015】(発明の概要)図1には本発明の実施形態
に係る舗装構造が適用される施設(インフラストラクチ
ャー)の一例として有料道路の自動料金徴収所10が示
されている。この自動料金徴収所10には、そのエリア
内における各走行レーン12の中央付近を横断するよう
にトールゲート14が設置されており、このトールゲー
ト14には、複数本(図1では4本)の走行レーン12
にそれぞれ対応する複数個の自動料金収受装置16が配
置されている。
【0016】自動料金収受装置16は、レーダや赤外線
遮断検出手段等の車両検出装置及び無線通信装置を内蔵
している。レーダを例に説明すると、このレーダは走行
レーン12におけるトールゲート14に対して手前側の
所定の検出領域へ車両検出用の電磁波(送信波)を放射
し、車両検出領域内へ走行してきた車両18により反射
された電磁波(反射波)を検出する。これにより、自動
料金収受装置16は、トールゲート14に近づいてくる
車両の存在を検知すると共に、この車両18の走行レー
ン12上における位置を判断する。
【0017】料金自動徴収装置16は、レーダにより検
知された車両18が走行レーン12上における検出領域
の下流側に設定された通信領域に達したことを判断する
と、その無線通信装置から通信用の電磁波信号を通信領
域内の車両18へ向かって出射する。このとき、通信用
の電磁波信号としては1GHz以上(例えば、5.8G
Hz帯)のマイクロ波が利用される。
【0018】一方、車両18には、無線通信装置を内蔵
した自動料金支払装置(図示省略)が搭載されており、
この自動料金支払装置は、その無線通信装置が自動料金
収受装置16からの電磁波信号を受信すると、車両18
の通行料金の算出及び徴収に必要な情報(入口料金所、
車種、契約内容、支払口座等)を自動料金収受装置16
へ電磁波信号を利用して送信する。この車両18側から
の電磁波信号を受けた自動料金収受装置16は、有料道
路上での車両18の走行距離等に基づき通行料金を算出
すると共に、この通行料金を有料道路の利用者から徴収
するための処理を実行する。
【0019】上記した自動料金徴収所10のエリア内で
は、自動料金収受装置16の無線通信装置からの送信波
が出射される走行レーン12上の通信領域及びレーダか
らの車両検出用の電磁波が出射される走行レーン12上
の検出領域における電磁波反射を可能な限り抑制するこ
とが望ましい。
【0020】すなわち、通信領域及び検出領域内の舗装
面による電磁波反射率が大きいと、各種の電磁障害が生
じる。具体的には、例えば、通信領域内の舗装面による
電磁波反射率が大きいと、自動料金収受装置16からの
電磁波信号が舗装面により反射され、これが目標とする
車両18以外の車両(例えば、後続の車両)へ入射して
しまい、自動料金収受装置16と目標とする車両18と
の間での正常な無線通信ができなくなったり、また検出
領域内の舗装面による電磁波反射率が大きいと、レーダ
からの送信波が舗装面により反射され、これが目標とす
る車両18以外の車両に放射してしまい、この車両から
の反射波がノイズとしてレーダに入射して車両の位置検
出精度が低下するなどの電磁障害現象が生じる。
【0021】自動料金徴収所10では、上記のような電
磁障害を防止するため、少なくとも通信領域及び検出領
域内の走行レーン12の舗装構造として本発明の実施形
態に係る舗装構造が採用され、これにより、走行レーン
12の舗装面からの反射電磁波による電磁障害を抑制し
ている。
【0022】(第1の実施形態)図2には本発明の第1
の実施形態に係る舗装構造が示されている。この舗装構
造20では、砂利、砂等が突き固められた路盤(図示省
略)上に加熱アスファルト混合物等からなる基層22が
設けられると共に、この基層22の上部層として表層2
4が設けられている。この表層24は厚さ方向に沿って
機能がそれぞれ異なる複数の層からなる多層構造とさ
れ、基層22側から舗装面31へ向かって電磁波反射層
26、電磁波吸収層28及び表面保護層30が順に積層
されている。
【0023】図1に示される走行レーン12の舗装面3
1を構成する表面保護層30は、通常のアスファルト舗
装の場合と同様に、骨材及びアスファルトが混合されて
構成され、その下部層である電磁波吸収層28の表面2
9を覆っている。ここで、表面保護層30は、舗装面3
1から電磁波吸収層28までの電磁波透過を容易にする
ため、その強度を損なわないことを限度に、空隙率が高
くなるような骨材配合とすることが好ましい。但し、表
面保護層30内への電磁波透過性は、主として表面保護
層30の舗装面31付近における誘電率の影響が大き
い。このため、表面保護層30は、舗装面31側の誘電
率を十分小さくし、舗装面31から裏面側へ向かって誘
電率が増加するように構成しても、電磁波反射を減少し
て電磁波吸収層28へ電磁波を効率的に透過させること
ができる。
【0024】表層24の電磁波吸収層28は、砂、砂利
等からなる骨材及びバインダとしてのアスファルトと共
に、導電性材料としての炭素繊維32を加熱混合した舗
装材料により構成されている。このとき、電磁波吸収層
28内へ入射する電磁波(電磁波)の周波数に対応する
所定長さ炭素繊維32をアスファルト混合物へ混合する
ことにより、電磁波吸収層28内へ入射した電磁波(電
磁波)を炭素繊維32により散乱し、この散乱した電磁
波を電磁波吸収層28内で共振させることが可能にな
る。これにより、電磁波吸収層28内へ入射した電磁波
を熱エネルギに効率良く変換して減衰できる。
【0025】ここで、電磁波吸収層28内に混合された
炭素繊維32の長さ(=L)の最小値及び最大値は、次
の〜ような基準により設定される。
【0026】 電磁波吸収層28内の炭素繊維32へ
電磁波が入射したときの抵抗損失を期待するためには、
吸収対象となる電磁波の波長λ(空気中)に対して抵抗
損失体としての炭素繊維32の長さLは、L=nλ/2
(nは自然数)となることが好ましい。
【0027】 電磁波は、通過する物質、媒質、抵抗
損失体(この場合は炭素繊維)自体の誘電率等の電気特
性による波長短縮効果により、空気中よりも波長が短く
なる。この点を考慮して、炭素繊維32の長さLの最小
値を理論的に計算し、これを実験で確認すると、アスフ
ァルト混合物へ混合する炭素繊維32の長さLの最小値
は、L≧λ/10とすることで有効な電磁波吸収効果が
得られることが判明した。
【0028】 一方、電磁波吸収層28に混合される
炭素繊維32の長さLの最大値については、次のような
点を考慮する必要がある。
【0029】炭素繊維32の長さLが極端に長いと、炭
素繊維32同志が絡み合ってしまい、電磁波吸収層28
内に均一に分散させることが困難となる。
【0030】また、表層24は、通常、一回当たりの施
工厚さが30〜50mm程度とされ、1回乃至複数回の
施工を行って設計された厚さとされる。よって、電磁波
吸収層28内へ混合する炭素繊維32の長さが一回当た
り施工厚さよりも長いと、電磁波吸収層28内で炭素繊
維32が偏在し易くなる。
【0031】また、炭素繊維32は、曲げ方向及び剪断
方向の荷重によって破断し易い特性を有している。一
方、道路舗装で使用される骨材の最大寸法は15mm以
下の場合が多い。このため、骨材の最大寸法に対して極
端に長い炭素繊維32は、ミキシング時に破断し易く、
施工後の炭素繊維32の長さが不安定になる原因とな
る。
【0032】以上の点を考慮し、炭素繊維32の長さL
の最大値は、安定した電磁波吸収性能を得るために50
mm以下とすれば良いことが判明した。これにより、お
およそ電磁波吸収特性が5.8GHzにおいて−10〜
−15dB(現地実験結果)という良好な結果が得られ
た。
【0033】次に、電磁波吸収層28内で最も効率良く
吸収対象となる波長λの電磁波を吸収できる炭素繊維3
2の長さLの設定方法について説明する。炭素繊維32
が最も効率良く波長λの電磁波を吸収するのは、炭素繊
維32の長さが波長λの電磁波に共振する長さとなった
ときである。
【0034】すなわち、通信、検出又は計測用に用いら
れる波長λの電磁波に対してnλ/2(nは自然数)と
いう演算式により算出される値を炭素繊維32の長さL
とすれば、共振効果により波長λの電磁波を効率的に吸
収できる。但し、表面保護層30及び電磁波吸収層28
内を伝搬する電磁波の波長λは、表面保護層30及び電
磁波吸収層28の誘電率等の電気特性によって波長が短
縮される。さらに電磁波吸収層28内では、電磁波が炭
素繊維32へ入射することによってもその誘電率等の電
気特性により波長が短縮される。
【0035】従って、電磁波吸収層28へ混合する炭素
繊維32の長さLは、表面保護層30、電磁波吸収層2
8及び炭素繊維32により短縮された波長に対応させて
設定する必要がある。このような炭素繊維32の長さL
を設定する場合、例えば、表面保護層30及び電磁波吸
収層28を構成するアスファルト混合物の電気特性及び
炭素繊維32の電気特性から電磁波吸収層28内での電
磁波の波長を予測する。
【0036】次に、予測された電磁波の波長から演算さ
れた炭素繊維32の長さ(演算値)に対して段階的に長
さを変えた複数種類の炭素繊維32を用意し、これら長
さが異なる炭素繊維32がそれぞれ混合された電磁波吸
収層28のサンプルを作成する。そして、これらのサン
プルへ波長λの電磁波を照射して、その吸収特性を測定
する。このとき、吸収特性のピーク効果が得られた炭素
繊維32の長さを、通信、検出又は計測用に用いられる
波長λの電磁波に対して共振する炭素繊維32の長さL
(目標値)として設定する。このようにして設定された
L又はそれに近似する長さを有する炭素繊維32を電磁
波吸収層28へ混合すれば、波長λの電磁波を電磁波吸
収層28内で効率的に吸収できる。
【0037】次に、電磁波吸収層28内へ混合する炭素
繊維32の混合量について説明する。電磁波吸収層28
内への炭素繊維32の混入量を増やしていくと、電磁波
の反射率が増加して、最終的には電磁波の反射体と見な
せるようになる。実験的には、アスファルトと骨材との
混合比が5:95(重量比)のアスファルト混合物を用
い、このアスファルト混合物に混合する炭素繊維32
(長さ5mm)を骨材の0.5%(重量比)より多く混
合すると、電磁波吸収層28が電磁波吸収体としてより
も電磁波反射体としての性質を強く示すようになること
が判明した。よって、電磁波吸収層28を構成するアス
ファルト混合物への炭素繊維32の混合比は、骨材の
0.5%(重量比)以下とすることが望ましい。
【0038】表層24における下部層である電磁波反射
層26は、炭素や金属等の導電性材料により構成されて
いる。この電磁波反射層26は、例えば、炭素繊維、金
属繊維等を網状に編んだメッシュ構造体を基層22上に
敷いて構成される。この際、メッシュ構造体のメッシュ
サイズは、吸収対象とする電磁波の波長に対する20分
の1以下とすることが好ましい。また電磁波反射層26
の構造としては、導電性材料をメッシュ構造体としたも
の以外にも、金属薄膜や導電性塗料を基層22の表面に
設置して電磁波反射層26としたものや、多量の導電性
材料をアスファルト混合物に混合し、このアスファルト
混合物により基層22上に電磁波反射層26を構成した
ものなどが適用可能である。
【0039】次に、電磁波吸収層28へ入射する電磁波
の波長λに対応して設定される電磁波吸収層28の厚さ
について説明する。表層24の厚さについては道路の仕
様等により予め規格化されていることから、電磁波吸収
層28の厚さTについても表層24の厚さに応じて制限
される。このような制限を考慮せずに、電磁波吸収層2
8の厚さTを電磁波の強度に対して十分厚くできれば、
電磁波吸収層28内へ入射した電磁波は、電磁波吸収層
28の表面から電磁波反射層26へ達した後、この電磁
波反射層26により反射して電磁波吸収層28の表面ま
での伝搬する間に全て吸収される。
【0040】しかし、電磁波吸収層28の厚さTを、常
に電磁波の強度に対して十分厚くすることは現実的では
なく、電磁波吸収層28の厚さTを十分厚くできない場
合にも、電磁波吸収層28へ入射する電磁波を効率的に
吸収、除去する必要がある。このためには、電磁波吸収
層28の内部から外部へ放射される電磁波(放射波)と
電磁波吸収層28へ入射する電磁波(入射波)とを合成
し、これらを相互に打ち消すことが有効であり、このよ
うな作用を得るための電磁波吸収層28の構成を次に説
明する。
【0041】電磁波吸収層28へ入射する入射波R
Iを、電磁波吸収層28内からの放射波ROと合成して打
ち消すためには、放射波ROの位相を入射波RIの位相の
逆位相とする必要がある。また電磁波吸収層28の表面
により直接的に反射される電磁波(直接反射波RR)は
入射波RIと同一位相であるので、この直接反射波RR
放射波ROとの合成により打ち消される。ここで、放射
波ROの位相を入射波RI及び直接反射波RRの位相と逆
位相とするためには、電磁波吸収層28の厚さTをT=
nλ/4(但し、λは入射波RIの波長、nは自然数)
とする必要がある。
【0042】電磁波吸収層28の厚さTを上記のように
設定することにより、電磁波吸収層28内へ入射し、電
磁波反射層26により反射されて電磁波吸収層28の表
面から放射される放射波ROの位相が、入射波RI及び直
接反射波RRの位相と逆位相となり、放射波ROが電磁波
吸収層28の表面付近で入射波RI及び直接反射波R R
それぞれ合成されることにより、入射波RI及び直接反
射波RRをそれぞれ打ち消すことができる。
【0043】但し、T=nλ/4という演算式により設
定される厚さTは、電磁波吸収層28の誘電率εが真空
の誘電率ε0に近似していると仮定した場合のものであ
り、本実施形態のように電磁波吸収層28の誘電率εが
真空の誘電率ε0と無視できない程度に異なる場合に
は、電磁波吸収層28の誘電率εに応じて厚さTを補正
する必要がある。すなわち、電磁波吸収層28の実測長
ではなく、誘電率εに応じて変化する電気長T´をnλ
/4から算出される値と一致させる必要がある。また、
これを換言すれば、電磁波吸収層28の厚さが施工上、
制限されてその実測長をnλ/4と一致できない場合で
も、電磁波吸収層28の誘電率εを調整することにより
電気長T´をnλ/4と一致させることが可能になる。
【0044】ここで、電磁波吸収層28へ混合する導電
性材料の混合率を変化させることにより、電磁波吸収層
28の誘電率εを調整することが可能になる。従って、
炭素繊維32の混合率を変化させても、電磁波吸収層2
8の誘電率εを調整できるが、炭素繊維32については
前述したように骨材の0.5%以下とすることが望まし
く、その混合率を大きく変化させることができない。一
定の大きさ(粒径)を有する金属、炭素等の導電性材料
をアスファルト混合物へ混合すると、導電性材料が実質
的に骨材として機能することから、電磁波吸収層28の
強度等の機械性質が変化するおそれがある。これらの点
を考慮し、本実施形態では、所定粒径の骨材の一部又は
全部に置換し、この骨材と略同径の粒度を有する炭素粒
を置換する骨材と略同量だけ電磁波吸収層28内へ混合
し、電磁波吸収層28の誘電率εを目標とする値へ調整
している。
【0045】また以上説明したように、電磁波吸収層2
8の厚さT又はT´をnλ/4から算出される値と一致
させることにより、放射波ROと入射波RI及び直接反射
波R Rとを互いに逆位相の関係にできるが、このときの
厚さT又はT´は入射波RIが電磁波吸収層28の表面
29へ垂直に入射すると仮定した場合、すなわち電磁波
発生源が無限遠の位置にあると見なせる場合の値であ
る。すなわち、入射波RIの電磁波吸収層28への入射
角が小さくなる(水平に近づく)に従い、電磁波吸収層
28の表面から電磁波反射層26までの入射波RIの伝
搬経路は長くなっていく。このため、電磁波発生源が舗
装面31と比較的近接している場合には、電磁波発生源
からの舗装面31に沿った距離に応じて電磁波吸収層2
8の厚さを変化させて、電磁波吸収層28内における入
射波RIの伝搬経路をnλ/4から算出される値と一致
させることが望ましい。
【0046】次に、以上説明した第1の実施形態に係る
舗装構造20を図1に示される自動料金徴収所10へ適
用した場合の作用について説明する。図1に示される自
動料金徴収所10では、自動料金収受装置16の無線通
信装置による通信領域及びレーダによる検出領域内にお
ける走行レーン12の舗装構造として、それぞれ図2に
示される舗装構造20が採用されている。但し、電磁波
発生源としての無線通信装置とレーダとでは、それぞれ
異なる周波数の電磁波を使用していることから、通信領
域と検出領域とは、それぞれ使用される電磁波周波数に
応じて電磁波吸収層28の厚さが異なっている。また、
自動料金徴収所10では、電磁波発生源からの舗装面3
1に沿った距離に応じて電磁波吸収層28の厚さが調整
されている。
【0047】すなわち、自動料金徴収所10の通信領域
及び検出領域内の走行レーン12を舗装構造として舗装
構造20を採用することにより、自動料金収受装置16
の電磁波発生源である無線通信装置及びレーダから放射
する所定周波数の電磁波が舗装構造20の外表面である
舗装面31へ入射すると、この電磁波の少なくとも一部
が電磁波吸収層28内を伝搬するに従って、電磁波吸収
層28内に混合された導電性材料である炭素繊維32に
より熱エネルギに変換されて吸収される。このとき、全
ての電磁波が電磁波吸収層28により吸収されなかった
場合には、この吸収されなかった残りの電磁波は電磁波
吸収層28を透過して電磁波反射層26へ入射し、電磁
波反射層26により反射されて電磁波吸収層28内へ再
び入射する。これにより、電磁波が電磁波吸収層28内
の炭素繊維32により再び吸収されて減衰する。これに
よっても、全ての電磁波が電磁波吸収層28内で吸収さ
れないときには、残りの電磁波は電磁波吸収層28の表
面29から放射される。
【0048】このとき、電磁波吸収層28の表面29か
ら電磁波反射層26までの厚さ(電気長)がnλ/4か
ら算出される値と一致していることにより、電磁波反射
層26により反射された後に電磁波吸収層28内から放
射される電磁波(放射波RO)の位相を、電磁波吸収層
28内へ入射する電磁波(入射波RI)及び電磁波吸収
層28の表面により直接的に反射される電磁波(直接反
射波RR)の位相に対して逆位相の関係とすることがで
きる。従って、放射波ROと入射波RI及び直接反射波R
Rとを合成して相互に打ち消すことができるので、この
電磁波の合成作用によっても舗装面31からの反射電磁
波を減衰できる。
【0049】従って、本実施形態に係る舗装構造20を
自動料金徴収所10の通信領域及び検出領域内の走行レ
ーン12へ適用することにより、舗装面31からの反射
電磁波による各種の電磁障害を防止できる。具体的に
は、例えば、自動料金収受装置16からの電磁波信号が
舗装面により反射され、これが目標とする車両18以外
の車両(例えば、後続の車両)へ入射してしまい、自動
料金収受装置16と目標とする車両18との間での正常
な無線通信ができなくなったり、またレーダからの送信
波が舗装面31により反射され、これが目標とする車両
18以外の車両に放射してしまい、この車両からの反射
波がノイズとしてレーダに入射して車両の位置検出精度
が低下するなどの電磁障害現象を防止できる。
【0050】なお、本実施形態に係る舗装構造20で
は、電磁波吸収層28内に導電性材料として耐久性及び
強度に優れ、しかも電磁波周波数に応じた長さLの調整
が容易な炭素繊維32を混合しているが、導電性材料と
しては、十分な電気導電性を有していれば炭素繊維32
以外も使用可能であり、例えば、カーボン含有繊維、ニ
ードルカーボン、メタルファイバ、導電性繊維等を電磁
波吸収層28へ混合するようにしてもよい。
【0051】また炭素繊維32は、電磁波吸収層28の
素材となるアスファルト混合物をミキシングする際に、
必ずしも骨材及びアスファルトと同時にミキシングして
混合する必要はなく、例えば、予め炭素繊維32をアス
ファルト等のバインダと混合して塊又は粒状としてお
き、これを骨材及びアスファルトと共にミキシングして
アスファルト混合物としてもよく、また骨材表面にアス
ファルト等のバインダにより付着させ、この炭素繊維3
2が付着した骨材の一部としてアスファルト混合物を製
造するようにしてもよい。
【0052】また電磁波吸収層28内には、導電性材料
に代えて、又は導電性材料と共に磁性材料を混合し、こ
の磁性材料により電磁波を吸収するようにしてもよい。
ここで、電磁波吸収層28へ混合する磁性材料として
は、フェライト等の強磁性材料が特に適しており、例え
ば、フェライト粒を、電磁波吸収層28を構成するアス
ファルト混合物の骨材の一部として混合する。さらに本
実施形態では、電磁波吸収層28を構成する舗装材料の
バインダとしてアスファルトを用いたが、このようなバ
インダとしては、タール等の他の瀝青材料やセメント等
を用いることもできる。
【0053】また、本実施形態に係る舗装構造20で
は、電磁波吸収層28の表面29を覆うように電磁波が
透過可能とされた表面保護層30が設けられていること
により、車両18のタイヤ等との接触時の磨耗、剥離等
により電磁波吸収層28が経時的に損耗することを防止
できると共に、電磁波吸収層28に経時的に圧縮変形等
の変形が生じることも防止できる。この結果、電磁波吸
収層28の厚さが経時的に減少して、電磁波吸収層28
による電磁波の吸収能力の低下を防止でき、さらに電磁
波吸収層28の表面29から電磁波反射層26までの厚
さが経時的に変化し、放射波ROと入射波RI及び直接反
射波RRとの合成による反射電磁波に対する抑制能力の
低下も防止できる。
【0054】(第2の実施形態)図3には本発明の第2
の実施形態に係る舗装構造が示されている。なお、図3
では、図2に基づいて説明した第1の実施形態に係る舗
装構造20と同一部材については同一符号を付して説明
を省略する。この舗装構造34では、基層22の上部層
として表層35が設けられている。この表層35は、基
層22側から順に電磁波反射層26、電磁波吸収層36
及び表面保護層30からなる3層構造とされている。表
層35における電磁波吸収層36は、更に厚さ方向及び
面方向に沿ってそれぞれ機能がそれぞれ異なるプレキャ
スト層40及び充填層42からなる二層構造とされてい
る。
【0055】電磁波吸収層28におけるプレキャスト層
40は、複数個の略角錐台又は略円錐台のブロック体4
4から構成されており、このブロック体44は、図3に
示されるように厚さ方向に沿った断面形状が上方へ向か
って幅が狭くなるような台形状とされている。ブロック
体44は、基本的には第1の実施形態の舗装構造20に
おける電磁波吸収層28と同一材料、すなわち導電性材
料及び磁性材料の少なくとも一方が混合されたアスファ
ルト混合物により形成されている。但し、アスファルト
混合物へ混合される導電性材料又は磁性材料について
は、その混合比が電磁波吸収層36全体として第1の実
施形態の電磁波吸収層28と略等しくなるように混合さ
れている。従って、ブロック体44単体としては、導電
性材料又は磁性材料の混合比が電磁波吸収層28より高
くなっている。
【0056】ブロック体44は、工場に設置された成形
装置(図示省略)や施工現場等へ移動可能とされた自走
式の成形装置(図示省略)により図示の形状に成形さ
れ、基層22上に敷き詰められる。これにより、舗装構
造34には電磁波吸収層36のプレキャスト層40が形
成される。基層22上に敷き詰められたブロック体44
の外側面間には、アスファルト混合物が隙間なく充填さ
れ、このアスファルト混合物により電磁波吸収層36の
充填層42が形成される。
【0057】ここで、ブロック体44には導電性材料及
び磁性材料の少なくとも一方が混合され、充填層42に
は導電性材料及び磁性材料の何れもが混合されていない
ことから、充填層42の誘電率はプレキャスト層40の
誘電率に対して十分小さくなっている。この結果、電磁
波吸収層36全体には、その厚さ方向に直交する面に沿
った平均的な誘電率が表面37側から裏面38側へ向か
って連続的に増大するような電磁気的特性が付与され
る。
【0058】なお、このときの電磁波吸収層28の厚さ
方向に沿った単位長さ当たりの誘電率の増加量(増加
率)は、ブロック体44の表面37側から裏面38側へ
の断面積の増加率を変化させれば調整可能となる。また
ブロック体44の形状は、必ずしも円錐台状又は角錐台
状である必要はなく、例えば、面方向に沿った断面積が
それぞれ異なる複数の円柱体や角柱体を複数個積み重ね
た形状のもの等でも、厚さ方向に直交する面に沿った平
均的な誘電率が表面37側から裏面38側へ向かって増
大できる。但し、この場合には、電磁波吸収層36にお
ける平均的な誘電率は表面37側から裏面38側へ向か
って段階的に増大することになる。
【0059】なお、図3では充填層42と表面保護層3
0とをそれぞれ異なる層として示しているが、充填層4
2と表面保護層30とを同一材料により一体的に成形す
るようにしてもよい。また電磁波吸収層36(プレキャ
スト層40)へ混合する導電性材料としての炭素繊維3
2の長さ及び混合比については、第1の実施形態の場合
と同様の考え方により適正値を求めることができ、また
電磁波周波数に応じて設定される電磁波吸収層28の電
気長に基づく厚さT´についても、第1の実施形態の場
合と同様の考え方により適正値を求めることができる。
【0060】以上説明した第2の実施形態に係る舗装構
造34によれば、充填層42と共に電磁波吸収層36を
構成するプレキャスト層40に導電性材料及び磁性材料
の少なくとも一方が混合され、かつ電磁波吸収層36が
電磁波周波数に応じた厚さT´とされていることによ
り、第1の実施形態に係る舗装構造20と同様に、電磁
波吸収層36へ入射した電磁波(入射波RI)を共振効
果等により吸収できると共に、放射波ROとの合成によ
っても入射波RI及び直接反射波RRを減少できるので、
舗装面31からの反射電磁波を効率的に減少できる。
【0061】さらに第2の実施形態に係る舗装構造34
では、電磁波吸収層36の厚さ方向に直交する面に沿っ
た平均的な誘電率が表面37側から裏面38側へ向かっ
て連続的に増大することにより、電磁波吸収層36の表
面37により直接的に電磁波が反射されることを効果的
に抑制できるので、直接反射波RRを減少させ、電磁波
吸収層36内へ入射する電磁波を増加できる。この結
果、電磁波吸収層36内の導電性材料又は磁性材料によ
り入射波RIを効率的に吸収させることができので、第
1の実施形態の舗装構造20と比較して、さらに舗装面
31からの反射電磁波を効率的に減少できるようにな
る。従って、本実施形態に係る舗装構造34を自動料金
徴収所10の通信領域及び検出領域内の走行レーン12
へ適用することにより、第1の実施形態の舗装構造20
を用いた場合と比較して、舗装面31からの反射電磁波
による各種の電磁障害を更に効果的に防止できる。
【0062】なお、第2の実施形態に係る舗装構造34
では、プレキャスト層40を構成するブロック体44の
断面積を厚さ方向に沿って変化させ、電磁波吸収層36
の誘電率を連続的に変化させているが、このような構成
以外にも、例えば、電磁波吸収層36の空隙率を表面3
7側から裏面38側へ向かって段階的又は連続的に減少
させれば、電磁波吸収層36の面方向に沿った平均的な
誘電率を表面37側から裏面38側へ向かって連続的又
は段階的に増大させることができる。この場合には、電
磁波吸収層36を構成するアスファルト混合物へ混合す
る骨材配合を連続的又は段階的に変化させることによ
り、電磁波吸収層36の空隙率を表面37側から裏面3
8側へ向かって段階的又は連続的に減少させることが可
能になる。また電磁波吸収層36の空隙率を段階的に変
化させる場合には、電磁波吸収層36をそれぞれ骨材配
合を変えた複数種類のアスファルト混合物により段階的
に形成するようにしてもよい。また電磁波吸収層36に
混合される導電性材料又は磁性材料の混合比を、表面3
7側から裏面38側へ向かって段階的又は連続的に増加
させても、電磁波吸収層36の面方向に沿った平均的な
誘電率を表面37側から裏面38側へ向かって連続的又
は段階的に増大させることができる。
【0063】以上の説明では、第1及び第2の実施形態
に係る舗装構造20,34を自動料金徴収所10の走行
レーン12へ適用した場合のみを説明したが、これらの
舗装構造20,34は、舗装面31上にて電磁波が使用
されるならば、どのような施設の電磁障害を防止するた
めに適用できる。例えば、各種走行支援道路システム
や、道路上にある交通情報提供装置、ナビゲーションシ
ステム等を利用する道路の舗装の他、コンクリートをバ
インダとした防音壁や防護法面、建造物の壁面、トンネ
ル坑内を構成する構造物等へも適用できる。その他、道
路以外でも駐車場の自動料金徴収所や、建造物内の車路
における走行支援装置の電磁障害防止用にも適用でき
る。
【0064】
【発明の効果】以上説明した本発明の舗装構造によれ
ば、舗装面へ入射した電磁波を効率的に吸収し、舗装面
からの反射電磁波による各種の電磁障害を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る舗装構造が適用され
る施設の一例としての有料道路の料金所の構成を示す斜
視図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に係る舗装構造の構
成を示す断面図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る舗装構造の構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
20 舗装構造 26 電磁波反射層 28 電磁波吸収層 30 表面保護層 31 舗装面 32 炭素繊維(導電性材料) 34 舗装構造 36 電磁波吸収層 40 プレキャスト層(電磁波吸収層) 42 充填層(電磁波吸収層) 44 ブロック体(プレキャスト層)
フロントページの続き (72)発明者 斉藤 俊夫 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 原川 健一 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 国島 武史 東京都中央区銀座8丁目21番地1号 株式 会社竹中道路内 (72)発明者 吉村 賢一 東京都中央区銀座8丁目21番地1号 株式 会社竹中道路内 (72)発明者 藤井 義文 東京都中央区銀座8丁目21番地1号 株式 会社竹中土木内 (72)発明者 安藤 慎一郎 東京都中央区銀座8丁目21番地1号 株式 会社竹中土木内 Fターム(参考) 2D051 EA01 EA06 5E321 AA41 BB21 BB31 BB51 BB60 GG11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 骨材、バインダと共に導電性材料及び磁
    性材料の少なくとも一方を混合して構成され、表面側か
    ら入射した所定周波数の電磁波の少なくとも一部を吸収
    可能とされた電磁波吸収層と、 前記電磁波吸収層の裏面へ面するように設けられ、該電
    磁波吸収層を透過した電磁波を反射する電磁波反射層
    と、 を有することを特徴とする舗装構造。
  2. 【請求項2】 前記電磁波吸収層は、その厚さ方向と直
    交する面に沿った平均的な誘電率が表面側から裏面側へ
    向かって増大することを特徴とする請求項1記載の舗装
    構造。
  3. 【請求項3】 前記電磁波吸収層の空隙率を、該電磁波
    吸収層の表面側から裏面側へ向かって段階的又は連続的
    に減少させたことを特徴とする請求項2記載の舗装構
    造。
  4. 【請求項4】 前記電磁波吸収層中の導電性材料及び磁
    性材料の混合比率を、該電磁波吸収層の表面側から裏面
    側へ向かって段階的又は連続的に増加させたことを特徴
    とする請求項1、2又は3記載の舗装構造。
  5. 【請求項5】 前記電磁波吸収層の表面を覆うように設
    けられ、電磁波が透過可能とされた表面保護層を有する
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の舗装構
    造。
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