JP2002020495A - アルキレンオキシド重合体粒子の処理方法 - Google Patents

アルキレンオキシド重合体粒子の処理方法

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JP2002020495A
JP2002020495A JP2000208848A JP2000208848A JP2002020495A JP 2002020495 A JP2002020495 A JP 2002020495A JP 2000208848 A JP2000208848 A JP 2000208848A JP 2000208848 A JP2000208848 A JP 2000208848A JP 2002020495 A JP2002020495 A JP 2002020495A
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alkylene oxide
oxide polymer
polymer particles
zinc
polymerization
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Application number
JP2000208848A
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English (en)
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Masashi Yukitake
雅士 雪竹
Terunori Matsushita
輝紀 松下
Hiroya Kobayashi
博也 小林
Tadao Shimomura
忠生 下村
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は従来技術の方法における問題点を解
決し、アルキレンオキシド重合体粒子の流動性を向上さ
せるのに効果的な方法を提供し、様々な用途でのアルキ
レンオキシド重合体粒子の取り扱いを容易にする手段を
提供することを課題とする。 【解決手段】 数平均分子量2万以上のアルキレンオキ
シド重合体粒子と1次粒子の平均粒径が0.1mm以下
である粒子状添加剤とを混合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキレンオキシ
ド重合体粒子の処理方法に関するもので、より詳細に
は、アルキレンオキシド重合体粒子の流動性を向上させ
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキシド重合体は、医療、食
品、製紙材料、セラミックバインダー、接着剤その他様
々な分野で用いられている高分子材料である。アルキレ
ンオキシド重合体粒子は高い結晶性を有する高分子材料
であり、その取り扱いの簡便さから、アルキレンオキシ
ド重合体粒子の工業的用途での形態は主に粒子である。
【0003】高分子量の重合体及び共重合体を生成する
ためにアルキレンオキシド化合物等の重合は長い間にわ
たって知られており、且つこの課題に関する参考文献は
数百に上る。アルキレンオキシドは鉄のような遷移金属
類並びにマグネシウム、アルミニウム、亜鉛及びカルシ
ウムのような金属類の酸化物及び/又は水酸化物を包含
する金属原子をベースとする広範囲にわたる触媒を使用
して重合されていた。米国特許2,971,988(1
961年2月14日)には、カルシウムをベースとし、
アンモニア改質したアミド/金属アルコキシド系の触媒
が開示されている。
【0004】また、有機亜鉛化合物を多価アルコール類
と反応させて得られる生成物(特公昭45−7751号
公報、特公昭53−27319号公報、特開昭62−2
32433号公報、特開平5−17566号公報)が、
アルキレンオキシドの単独重合または二種類以上のアル
キレンオキシドの共重合に対して優れた触媒活性を示
し、重合度の高い重合体が得られることが知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように、アルキ
レンオキシド重合体は、様々な分野で用いられている高
分子材料であり、アルキレンオキシド重合体粒子の工業
的用途での形態は主に粒子である。
【0006】粒子の状態のアルキレンオキシド重合体
は、取り扱いの面から好ましい形態であるが、その反
面、下記のような問題を持つ。
【0007】アルキレンオキシド重合体粒子を加工、溶
解するためにホッパー等から機器に投入する際には、粒
子の流動性が生産性に密接に関係し、装置の設計をも大
きく左右するという問題を持ち、アルキレンオキシド重
合体の性質に合せて装置の設計を行うということは、多
大な労力およびコストを要し、また生産トラブルの元と
もなりうる。また、運搬時にも、より多くのアルキレン
オキシド重合体粒子を移動させるには、体積当たりの粒
子の重量(嵩比重)を上げることが好ましい。
【0008】しかし、前記文献には、アルキレンオキシ
ドの重合方法についての記載はあるが、得られた粉体の
流動化および水等の溶剤への分散・溶解を容易にする方
法は、一切開示されていない。
【0009】一方、ポリ(エチレンオキシド)から残留
エチレンオキシドの除去について(特開平5−1560
01号公報)報告されており、加熱下でのポリ(エチレ
ンオキシド)粉体の凝集を防ぐ手段として、水に不溶な
無機の固体粒子材料を水溶性のポリ(エチレンオキシ
ド)に対して0.5〜5重量%加える方法が開示されて
いる。この方法は固体同士を混合する方法であり、加熱
下でのポリ(エチレンオキシド)粉体の凝集を防ぐ手段
である。
【0010】本発明者らは、上記のような、固体同士で
混合して得られた、ポリエチレンオキシド重合体粒子
は、混合ムラが起きやすくなるために、添加した無機の
固体粒子材料が均一にポリ(エチレンオキシド)の表面
を覆うことは困難であるという問題があることを見出し
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題を解決するべく、鋭意検討を行った。その結
果、特定の状態のアルキレンオキシド重合体に、特定の
粒径の粒子状添加剤を混合することで、混合ムラが起き
にくく、粒子間の相互作用を減少させ、流動性を向上さ
せることが可能であることを見出した。
【0012】即ち、本発明は、含液率が10重量%以上
である数平均分子量2万以上のアルキレンオキシド重合
体粒子と1次粒子の平均粒径が0.1mm以下である粒
子状添加剤とを混合することを特徴とするアルキレンオ
キシド重合体粒子の処理方法である。また、上記のよう
に、アルキレンオキシド重合体粒子の流動性を向上させ
る方法に関するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、固体材料粒子を添加す
る事によるアルキレンオキシド重合体粒子の処理方法で
ある。その目的は、アルキレンオキシド重合体粒子を粒
子状添加剤で表面処理することにより、粒子間の相互作
用を減少させ、流動性を向上させることである。粒子状
添加剤は、含液率が10wt%以上であるアルキレンオ
キシド重合体粒子に添加し、乾燥状態にあるアルキレン
オキシド重合体粒子に添加する態様には当てはまらな
い。
【0014】本発明のアルキレンオキシド重合体粒子を
構成するアルキレンオキシド重合体は、下記一般式
(1)
【0015】
【化1】
【0016】(ここにおいてnは、重合体の数平均分子
量2万以上となるnの数に相当する値であり、n≧1で
ある。即ち1以上の炭素原子を主鎖中に有する)で表さ
れる、ポリアルキルエーテルの構造を有するものであ
る。
【0017】前述の数平均分子量2万以上となるnは、
主鎖の炭素数や置換基の種類によって適宜変わるので特
に限定は無いが、好ましくは、455以上である。さら
に好ましくは、2,300以上、より好ましくは、2
3,000以上、最も好ましくは56,000以上であ
る。nが前述の範囲より小さい場合、分子量が低すぎ
て、流動化処理ができない場合があり好ましくない。
【0018】前述のnは、n≧1であれば特に限定は無
いが、好ましくは、2である。
【0019】置換基の種類は、特に限定はなく、脂肪族
炭化水素および/または芳香族炭化水素であっても良
い。脂肪族炭化水素基および/または芳香族炭化水素基
は、飽和結合を含んでも良いし、不飽和結合を含んでも
良い。または、飽和結合と不飽和結合の両方を含んでも
良い。
【0020】本発明のアルキレンオキシド重合体の数平
均分子量(以下、Mnは数平均分子量を表す)は、2万
以上で有れば特に限定は無い。好ましくは、5万以上、
より好ましくは10万以上である。アルキレンオキシド
重合体の数平均分子量が前述の範囲より小さい場合、分
子量が低すぎて、流動化処理ができない場合があり好ま
しくない。また、アルキレンオキシド重合体の重量平均
分子量(以下、Mwは重量平均分子量を表す)および/
または粘度平均分子量は、50万以上が好ましい。より
好ましくは100万以上、さらに好ましくは250万以
上、最も好ましくは300万以上である。アルキレンオ
キシド重合体の重量平均分子量および/または粘度平均
分子量が前述の範囲より小さい場合、分子量が低すぎ
て、流動化処理ができない場合があり好ましくない。
【0021】前述の数平均分子量と重量平均分子量およ
び/または粘度平均分子量の分子量の大きさが著しく異
なるのは、合成する方法、触媒等により多分散度が著し
く変わるからである。多分散度は、分子量が10万以下
の比較的低い場合には、Mw/Mn 約1となるが、分
子量が10万または100万を越える高分子量の時に
は、Mw/Mn 数10ああるいは、100以上の広い
分布を示すことがある。したがって、分子量分布は、特
に本発明においては特に限定するものではない。一般式
(1)の具体例は、ポリエチレンオキシド、ポリプロプ
レンオキシド、ポリブチレンオキシド、ポリテトラメチ
レンオキシド、ポリアセタール、ポリジオキソラン、ポ
リスチレンオキシド、ポリエポキシブタン、ポリエポキ
シブテン、ポリエピクロロヒドリン、ポリアリルグリシ
ジルエーテル、ポリフェニルグリシジルエーテル、ポリ
オキセパン又はその共重合体粒子などある。
【0022】本発明のポリアルキレンオキシド重合体
は、Paulingの電気陰性度が0.9〜1.7である、金
属を用いて重合して得られるものであることが好まし
い。
【0023】本発明に係るPaulingの電気陰性度は、上
記のように、0.9〜1.7の金属であるのが好まし
く、より好ましくは、1.0〜1.6である。具体的に
は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Na、L
i、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Y、Zr、Nb、L
a、Ac、Hf、Ta、W、Zn、Cd、Al、Ca、
Inが挙げられる。中でもMg、Ca、Zn、Alから
選ばれた1種以上の金属を用いて得られたアルキレンオ
キシド重合体であると、本発明の流動化効果および水等
の溶剤への分散・溶解効果が著しいため好ましい。ま
た、Mg、Ca、Zn、Alから選ばれた1種以上の金
属を用いてアルキレンオキシド重合体を合成すると、よ
り分子量の高いアルキレンオキシド重合体が得られるた
め、本発明の流動化効果および水等の溶剤への分散・溶
解効果が顕著に出やすいため好ましい。
【0024】本発明のアルキレンオキサイド重合体粒子
は、前記アルキレンオキサイド重合体を含んでいれば特
に限定はない。本発明のアルキレンオキサイド重合体粒
子の粒径は、特に限定はなく、見かけの粒径が0.1m
m〜1.5mm程度の場合もあれば、粉体を強く手で握
りつぶして5cm以上の球状であってもよい。
【0025】本発明の粒子状添加剤は、前記アルキレン
オキシド重合体粒子に混合することで、流動化効果およ
び水等の溶剤への分散・溶解効果が発現するものであれ
ば特に限定はない。
【0026】本発明に係る粒子状添加剤の1次粒子の平
均粒径は、0.1mm以下であれば特に限定は無い。よ
り好ましくは1μm以下、さらに好ましくは10nm以
下、最も好ましくは1nm以下である。本発明に係る粒
子状添加剤の1次粒子の平均粒径が前述の範囲より大き
い場合、表面積が小さくなるため、前記アルキレンオキ
サイド重合体の表面処理が十分に行うことができずに流
動化効果および水等の溶剤への分散・溶解効果が低減す
るために好ましくない。また、この問題を回避するため
に添加量を増やす方法があるが、アルキレンオキサイド
重合体は基本的に水に溶かして使用するため、水に不溶
な成分が多くなるため好ましくない。
【0027】前記粒子状添加剤の比表面積は、1m2/g
以上であれば特に限定はない。好ましくは10m2/g以
上、より好ましくは20m2/g以上、さらに好ましくは
40m2/g以上、最も好ましくは100以上m2/gであ
る。粒子状添加剤の比表面積が前述の範囲より小さい場
合、アルキレンオキシド重合体粒子の流動化効果および
/または水等の溶剤への分散・溶解効果が低減するため
好ましくない。これらの流動化効果および/または水等
の溶剤への分散・溶解効果を損なわないように添加量を
増やすと、水等の溶剤へ不溶の成分が多くなるため好ま
しくない。
【0028】前記粒子状添加剤は、特に限定はないが、
一般的には無機および/または有機の粒子である。これ
らの粒子は、親水性でも疎水性を示す物でも良く、また
は、親水性および/または疎水性粒子の表面を何らかの
方法で疎水および/または親水処理を施したもであって
も良い。また、これらの1種および2種以上の混合物で
あっても良い。
【0029】前記粒子状添加剤が、無機粒子であると、
有機溶媒中でアルキレンオキシド重合体を粉体処理する
ことができるため好ましい。粉体同しの混合で粉体処理
を行おうとすると、粉体が均一に混ざりにくいため、粉
体処理を行うのに長時間を要したり、均一に混ざらずに
ムラだらけになる場合があるため有機溶媒中で粉体処理
可能な無機粉体がより好ましい。
【0030】また、分散または解砕により生じた高エネ
ルギーのアルキレンオキシド重合体粒子の表面を覆うこ
とによって、粒子同士の再結合を防止する。アルキレン
オキシド重合体粒子を覆った固体粒子材料は、ファン・
デル・ワールス力を最小限にまで低下させ、内部摩擦の
減少をもたらし、アルキレンオキシド重合体粒子の流動
性を向上させる。
【0031】前記粒子状添加剤の添加方法は、特に限定
はない。前記粒子状添加剤をアルキレンオキシド重合体
粒子に添加する場合は、アルキレンオキシド重合体粒子
を含む液体スラリーおよび/または液体ケーキに加える
とより好ましい。この際、液体スラリーおよび/または
液体ケーキ中のアルキレンオキシド重合体粒子の流動性
は向上する。これらを乾燥することにより、流動性の向
上したアルキレンオキシド重合体粒子を得ることができ
る。また、乾燥したアルキレンオキシド重合体粒子に粒
子状添加剤を直接加えることによっても流動性を向上す
ることができる。
【0032】本発明の粒子状添加剤は、特に限定はない
が、シリカ、アルミナ、マグネシア、チタニア、タルク
などの無機粒子がある。中でもフュームドシリカ、フュ
ームドアルミナ、フュームドマグネシア、フュームドチ
タニアが好ましい。これらの1種以上を用いても良い。
【0033】前記粒子状添加剤は、親水性でも疎水性で
も良い。また、親水性と疎水性の物を組み合わせても良
い。さらに、2種以上の親水性および/または疎水性の
粒子を組み合わせても良い。水中できれいに分散させた
後に、溶解させるには、1種でもかまわないが、多種の
組み合わせでより効率よく水に分散・溶解できる場合が
ある。
【0034】以下に、本発明のアルキレンオキシド重合
体の合成方法を示すが、本発明は特に下記方法に限定さ
れるものではない。
【0035】本発明のアルキレンオキシド重合体は、金
属化合物を重合用触媒とし、不活性媒質中、アルキレン
オキシドを開環重合することで得られる。本発明のアル
キレンオキシド重合体の別の製法としては、アルキレン
グリールの縮合が挙げられる。その他の製法でも特に問
題はない。
【0036】本発明のアルキレンオキシド重合体を開環
重合で合成する場合、重合用触媒は、有機金属を主とす
る金属化合物とアルコール類を反応させて調製される。
その際、不活性媒質を使用したり、触媒活性を上げるた
めにアルコール類を逆ミセル化し、その逆ミセルを反応
場として触媒調製しても良い。
【0037】本発明のアルキレンオキシド重合体を合成
に用いる重合用触媒を調製する際に用いる有機金属とし
ては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、
ジ−イソプロピル亜鉛、ジブチル亜鉛、ジ−イソブチル
亜鉛、ジ−t−ブチル亜鉛、ジペンチル亜鉛、ジヘキシ
ル亜鉛、ジヘプチル亜鉛、ジオクチル亜鉛、ジ−2−エ
チルヘキシル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジトリル亜鉛、ジ
シクロブチル亜鉛、ジシクロペンチル亜鉛、ジ−メチル
シクロペンチル亜鉛、ジシクロヘキシル亜鉛、メチルフ
ェニル亜鉛、エチルフェニル亜鉛、カルシウムアミド、
カルシウムアミド変性物、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリイソヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニ
ウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチ
ルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウム
イソプロポキシド、アルミニウムメトキシド、アルミニ
ウムエトキシド、アルミニウム−n−プロポキシド、ア
ルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブト
キシド、アルミニウムイソブトキシド、アルミニウム−
n−ペントキシド、アルミニウムイソペントキシド、ア
ルミニウム−2−ブトキシド、アルミニウム−t−ブト
キシド、アルミニウム−t−ペントキシド、水酸化アル
ミニウム、亜鉛ジメトキシド、亜鉛ジエトキシド、亜鉛
ジイソプロポキシド、亜鉛ジ−n−プロポキシド、亜鉛
ジ−n−ブトキシド、亜鉛ジイソブトキシド、亜鉛ジ−
n−ペントキシド、亜鉛ジイソペントキシド、亜鉛ジ−
2−ブトキシド、亜鉛ジ−t−ブトキシド、亜鉛ジ−t
−ペントキシド、水酸化亜鉛、水素化カルシウム、ジエ
チルカルシウム、ジエチルカルシウム、カルシウムジメ
トキシド、カルシウムジエトキシド、カルシウムジイソ
プロポキシド、カルシウムジ−n−プロポキシド、カル
シウムジ−n−ブトキシド、カルシウムジイソブトキシ
ド、カルシウムジ−n−ペントキシド、カルシウムジイ
ソペントキシド、カルシウムジ−2−ブトキシド、カル
シウムジ−t−ブトキシド、カルシウムジ−t−ペント
キシド、水酸化カルシウム、ジメチルマグネシウム、ジ
エチルマグネシウム、マグネシウムジメトキシド、マグ
ネシウムジエトキシド、マグネシウムジイソプロポキシ
ド、マグネシウムジ−n−プロポキシド、マグネシウ
ム、マグネシウムジ−n−ブトキシド、マグネシウムジ
イソブトキシド、マグネシウムジ−n−ペントキシド、
マグネシウムジイソペントキシド、マグネシウムジ−2
−ブトキシド、マグネシウムジ−t−ブトキシド、マグ
ネシウムジ−t−ペントキシド、水酸化マグネシウム、
n−ブチルエチルマグネシウム等が挙げられる。これら
の有機金属の1種または必要に応じて2種以上を混合し
た物を使用しても良い。中でもジメチル亜鉛、ジエチル
亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジ−イソプロピル亜鉛、ジブチ
ル亜鉛、ジ−イソブチル亜鉛、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、ジエチルカルシウム、ジエチルカルシウム、ジメ
チルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、n−ブチル
エチルマグネシウムから選ばれる少なくとも1種以上で
あると、ポリオールおよび/または一価アルコールとの
反応性が良く触媒調製が容易になるため好ましい。ま
た、これより選ばれる少なくとも1種以上であると、よ
り高い触媒活性を示すため好ましい。
【0038】前記アルコール類としては、水酸基、チオ
ール基、アミン基、カルボキシル基、スルホン基等の置
換基を持った物であれば特に限定はない。中でも、ポリ
オール、一価アルコールがより高い活性を示す触媒を与
えるため好ましい。
【0039】ポリオールの具体例としては、水、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、1,3−プロパンジオール、2−ヒドロキシ
エトキシイソプロパノール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、シクロペンタンジオール、メチルシクロペンタンジ
オール、シクロヘキサンジオール、グリセリン、レゾル
シン、カテコール、ヒドロキノン等が挙げられる。これ
らのポリオールの1種または必要に応じて2種以上を混
合した物を使用しても良い。また、これらのチオアルコ
ールであっても良い。中でも水、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
3−プロパンジオールから選ばれる少なくとも1種以上
であると、有機金属との反応性が良く触媒調製が容易に
なるため好ましい。また、これより選ばれる少なくとも
1種以上であると、より高い触媒活性を示すため好まし
い。
【0040】一価アルコールとしては、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、フェノ
ール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノー
ル、オクタノール、エチルヘキサノール、ノナール、デ
カノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリメチル
ノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノー
ル、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノー
ル、ベンジルアルコール、グリシドール、フルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、α−テ
ルピネオール、アビエチルアルコール、トリクロロエタ
ノール、トリフルオロエタノール等が挙げられる。これ
らの一価アルコールの1種または必要に応じて2種以上
を混合した物を使用しても良い。また、これらのチオア
ルコールであっても良い。中でもメタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−ブタノール、t−ブタノール、アミルアルコ
ール、ヘキサノールから選ばれる少なくとも1種以上で
あると、有機金属との反応性が良く触媒調製が容易にな
るため好ましい。また、これより選ばれる少なくとも1
種以上であると、より高い触媒活性を示すため好まし
い。また、場合によっては、一価アルコールを使用しな
くても高い触媒活性を示す場合があるので必ずしも一価
アルコールを使用しなくても良い。
【0041】前記不活性媒質としては、溶解度バラメー
タ[δ:(cal・cm-3)1/2]が4.0〜25.0であれば
特に限定はない。さらに、それらの中で本発明に係るポ
リオールが溶解しなくて、本発明に係る可溶化剤が溶解
する不活性媒質であれば特に限定はない。
【0042】具体的には、n−ペンタン、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプタン、n−
オクタン、イソオクタン、n−デカン、2,2−ジメチ
ルブタン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、
ガソリン、灯油、石油スピリット、石油ナフサ、2−ペ
ンテン、混合ペンテン、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエ
チルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼ
ン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、テトラア
ミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼ
ン、アミルトルエン、コールタールナフサ、ソルベント
ナフサ、p−シメン、ナフタリン、テトラリン、デカリ
ン、ビフェニル、ジペンテン、テレビン油、ピネン、p
−メンタン、パイン油、ショウノウ油、塩化メチル、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、
塩化エチレン、塩化エチリデン、1,1,1−トリクロ
ロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,
1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラ
クロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタ
ン、塩化ビニリデン、1,2−ジクロロプロパン、塩化
ブチル、塩化アミル、混合塩化アミル、ジクロロペンタ
ン、塩化ヘキシル、塩化−2−エチルヘキシル、臭化メ
チル、臭化エチル、臭化エチレン、テトラブロムエタン
クロムブロムメタン、エチレンクロロブロミド、クロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリク
ロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジブロムベンゼ
ン、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、α−ク
ロロナフタレン、塩素化ナフタレン、フルオロジクロロ
メタン、ジクロロジフルオロメタン、フルオロトリクロ
ロメタン、トリフルオロモノブロムメタン、ジフルオロ
クロロエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフルオロエタン、エチルエーテル、ジクロロエチル
エーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテ
ル、ジイソアミルエーテル、n−ヘキシルエーテル、メ
チルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、n−
ブチルフェニルエーテル、アミルフェニルエーテル、
o,m,p−クレジルメチルエーテル、p−t−アイル
フェニル−n−アミルエーテル、エチルベンジルエーテ
ル、1,4−ジオキサン、トリオキサン、フラン、フル
フラール、ジオキソラン、2−メチルフラン、テトラヒ
ドロフラン、シネオール、メチラール、ジエチルアセタ
ール、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−アミル
ケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケト
ン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケト
ン、ジイソブチルケトン、2,6,8−トリメチルノナ
ノン−4、アセトン油、アセトニルアセトン、メシチル
オキシド、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、メ
チルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジプノン、シ
ョウノウ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ
酸−n−ブチル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−
n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸第二ブチル、酢酸−
n−アミン、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、
酢酸メトキシブチル、酢酸第二ヘキシル、酢酸−2−エ
チルブチル、酢酸メチルイソブチルカルビノール、酢酸
−2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチ
ルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸−n−ブチル、
プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪
酸−n−ブチル、酪酸イソアミル、オキシイソ酪酸エチ
ル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル、イソ吉草酸イソアミ
ル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベ
ンジル、ケイ皮酸エチル、サリチル酸メチル、アジピン
酸オクチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シ
ュウ酸ジアミル、マロン酸ジエチル、酒石酸ジブチル、
クエン酸トリブチル、セバシン酸ジオクチル、フタル酸
ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ニ
トロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベ
ンゼン、ニトロアニソール、モノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエ
チルアミン、トリエチルアミン、アニリン、トルイジ
ン、アセトアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、
ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、モルホリ
ン、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、プロパンスル
ホン、リン酸トリエチル等が挙げられる。これらのの1
種または必要に応じて2種以上を混合した物を使用して
も良い。中でもシクロヘキサン、n−ヘキサン、トルエ
ンから選ばれる不活性媒質であるとより高い活性の触媒
が調製されるため好ましい。
【0043】前記逆ミセル化に用いられる可溶化剤は、
両親媒性溶剤またはイオン性界面活性剤であれば特に限
定はない。また、イオン性界面活性剤は、カチオン性界
面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を示
す。中でもアニオン性界面活性剤は、本発明に係る不活
性媒質とポリオールの逆ミセル形成に適しているため好
ましい。
【0044】両親媒性溶剤の具体例は、アセトニトリ
ル、1,4−ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロ
フラン、アセトン、メチルアセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−n−プロピルケトン、ジオキソラン等が挙
げられる。また、イオン性界面活性剤の具体例は、脂肪
酸石鹸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸のナト
リウム塩および/またはカリウム塩)、N−アシル−N
−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−ア
ラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチ
ド、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン
重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合
物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハ
ク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
コハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィン
スルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル
−5−スルホイソフタレートナトリウム塩、硫酸化油、
高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシ
サルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロ
ールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族
アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウ
ム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾ
リウム塩、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸
塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルア
ミンオキサイドビストリデシルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシル
スルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘキシルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキル
アミングアニジンポリオキシエタノール、スルホコハク
酸ジナトリウムエトキシ化アルコール半エステル、スル
ホコハク酸ジナトリウムエトキシ化ノニルフェノール半
エステル、イソデシルスルホコハク酸ジナトリウム、N
−オクタデシルスルホコハク酸アミドジナトリウム、N
−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシル
スルホコハク酸アミドテトラナトリウム、硫酸化ノニル
フェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノールのアンモ
ニウム塩、モノ&ジドデシルジフェニルオキシドジスル
ホン酸ジナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム中和
縮合物等が挙げられる。これらのの1種または必要に応
じて2種以上を混合した物を使用しても良い。
【0045】イオン性界面活性剤の添加量は、アルコー
ル類に対して0.1重量%以上添加すれば特に限定はな
い。好ましくは5重量%以上、より好ましくは20重量
%以上、最も好ましくは50重量%以上である。イオン
性界面活性剤の添加量が前述の範囲より少ない場合、不
活性媒質中にポリオールおよび/または一価アルコール
が十分にミセル形成できないため、イオン性界面活性剤
の添加効果が現れなかったり、活性の高い触媒が調製で
きないため好ましくない。
【0046】前記重合用触媒は、通常窒素、アルゴン、
ヘリウム、ネオン、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で
調製が行われる。触媒調製における反応系内活性プロト
ン量は、500ppm以下が好ましい。反応系内活性プ
ロトン量とは、反応器等に付着している湿気、不活性媒
質・アルコール類・不活性ガス・有機金属等の原料に含
まれる水分および調製に不必要なアルコール化合物やカ
ルボン酸化合物等の酸性化合物のことを示す。反応系内
活性プロトン量は、より好ましくは、200ppm以
下、さらに好ましくは、100ppm以下、最も好まし
くは50ppm以下である。反応系内活性プロトン量が
前述の範囲より多いとき有機金属と活性プロトンが反応
して重合に必要な活性を持った触媒が調製できないか、
または、重合活性があっても、あまり活性の高い触媒が
調製できないため好ましくない。
【0047】触媒調製を行う温度は、−50〜300℃
であれば特に限定はない。好ましくは0〜200℃、よ
り好ましくは20〜150℃である。触媒調製温度が前
述の範囲より低い場合、有機金属とポリオールおよび/
または一価アルコールとの反応速度が著しく低くなり、
触媒調製を行う時間が長くなったり、十分に反応しない
ため、重合活性が低下するため好ましくない。一方、前
述の範囲より高い場合、触媒活性が著しく低下し、重合
時間が非常に長くなるため好ましくない。触媒調製の後
に、加熱処理を行っても良い。加熱処理を行うと、アル
キレンオキシド重合体が非常に再現性良く、しかも極く
少量の触媒量で短時間のうちに取得できるようになり、
また条件によっては従来得られていた重合体に比べて、
以外にも著しく重合度の高いアルキレンオキサイド重合
体が得られる場合がある。加熱処理を行う際には、高沸
点の炭化水素系溶剤を用いたり、オートクレーブで加圧
下で100℃以上に加熱処理しても良い。加熱処理の温
度は、通常80〜200℃、好ましくは120〜150
℃である。80℃より低温の場合は加熱処理を行わない
場合とほとんど同じ結果が得られ、例えば重合速度およ
び得られた重合体の重合度等の再現性が悪く、200℃
を超える温度の場合は、触媒活性が著しく低下し、重合
時間が非常に長くなるため好ましくない。
【0048】前記アルキレンオキシド重合体を合成条件
で用いられる原料としては、開環重合する化合物であれ
ば、特に限定されない。もちろん、単独重合での単一組
成の重合体の製造や、数種類の化合物を利用した共重合
体の製造等に利用できる。
【0049】前記開環重合する化合物としては、開環重
合可能な環状エーテルであれば特に限定はない。具体的
には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロ
ヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エポキシブタ
ン、エポキシブテン、エピクロルヒドリン、アリルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、オキセパン、1,3−ジオキソランなど
が挙げられる。しかし、経済性および反応しやすさを考
慮すると、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド
が好ましい。また、より好ましくはエチレンオキシドが
経済性および反応性の両面で優れている。必要によりエ
チレンオキシドの一部または全部を他の環状エーテルで
置換したものでもよい。好ましくは5〜100%、さら
に好ましくは5〜50%を置換してもよい。エチレンオ
キシドの一部または全部と置換可能な環状エーテルとし
ては、たとえば、プロピレンオキシド、シクロヘキセン
オキシド、スチレンオキシド、ブチレンオキシド、エポ
キシブテン、エピクロロヒドリン、アリルグリシジルエ
ーテル、フェニルグリシジルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、オキセパン、1,3−ジオキソランなどが挙げら
れる。
【0050】前記重合用触媒を用いたアルキレンオキシ
ドの合成反応は、任意の所望の方法で行うことができ
る。該方法はバッチ法、連続法、半連続法又はそれらの
組み合わせであることができる。重合用触媒は全部を1
度に、又は反応中に少しずつ分割に添加したり、もしく
は連続的に添加することができる。同様に、環状エーテ
ルを反応器に連続的に添加することができる。不活性媒
質中もしくは希釈剤の存在下において行うことができ
る。不活性媒質中もしくは希釈剤は特に限定はなく、重
合反応及び触媒と反応不活性であれば使用可能である。
不活性媒質中もしくは希釈剤の具体例としては、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、石油エーテル、クロロホル
ム、メチルシクロペンタン等が挙げられる。
【0051】重合反応後に、使用可能であることが知ら
れており、しかも有害性の無い任意の添加剤を添加する
ことができる。これらの添加剤は当業界に周知であり、
例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、着色剤、充
填剤、帯電防止剤、触媒失活剤等が挙げられる。
【0052】前記アルキレンオキシド重合体を合成する
際の重合温度は、特に限定は無い。重合は約−50〜1
50℃で行うことが可能であり、好ましくは−10〜6
5℃、さらに好ましくは0〜45℃である。これらの温
度は当業界において好ましい温度であるとして公知であ
り、しかも該使用温度は本発明に対して臨界的ではな
い。
【0053】前記アルキレンオキシド重合体を合成する
際の重合圧力は、特に限定はなく、大気圧下、減圧下や
加圧下で行うことができる。好ましい圧力範囲は、大気
圧下〜1.0MPaであり、その範囲内であると重合操
作が行い易いために好ましい。しかし、その範囲外でも
重合を行うことは可能である。
【0054】前記アルキレンオキシド重合体を合成する
際の重合操作は、通常窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオ
ン、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行われる。重合
操作における反応系内活性プロトン量は、500ppm
以下が好ましい。反応系内活性プロトン量とは、反応器
等に付着している湿気、不活性媒質・前記環状エーテル
・前記調製触媒等の原料に含まれる水分および重合反応
に不必要なアルコール化合物やカルボン酸化合物等の酸
性化合物のことを示す。反応系内活性プロトン量は、よ
り好ましくは、200ppm以下、さらに好ましくは、
100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下であ
る。反応系内活性プロトン量が前述の範囲より多いとき
有機金属と活性プロトンが反応して重合に必要な活性を
持った触媒が低減してしまい重合活性が低下もしくは触
媒自体が失活するため好ましくない。重合に使用される
触媒の量は、特に制限はないが、供給される単量体のモ
ル数に対し亜鉛原子を基準にして0.001〜10.0
モル%の範囲で供給させることができる。また得られた
アルキレンオキシド重合体は、塊状化することなく細か
い粒状物として容易に溶媒から分離除去することができ
る。
【0055】本発明で得られたポリアルキレンオキシド
重合体粒子の、流動性や嵩比重等の粒子の性質を定義す
る方法としては、JIS R1639−4やJIS Z
2502でファインセラミックスや金属粉の流動性を、
または、JIS R1628−4やJIS R9301
−2−3でファインセラミックス粉末やアルミナ粉末の
嵩密度を測定する方法がある。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0057】<製造例1>よく乾燥して、よく窒素置換
した500mlのフラスコに1,4−ブタンジオールを
1.25g、含まれるメタノールと水をヘキサンとの共
沸脱水で事前に除去したリカコールM−75(化学名:
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:東邦理化株式会
社)の34重量%ヘキサン溶液を90.8g、ヘキサン
20gを仕込み、室温で約30分間撹拌を行い、1,4
−ブタンジオールをリカコールM−75でミセル化する
ことにより、ヘキサンに可溶化させ、無色透明の液体と
した。
【0058】前述の無色溶液を室温で撹拌しながら、2
0.2重量%のジエチル亜鉛ヘキサン溶液13.4gを
シリンジにて約20分で滴下した。滴下終了後、室温で
約1時間撹拌を行った。その後、50℃で約1時間撹拌
した。室温まで冷却し、メタノール0.56gとヘキサ
ン9.18gの混合溶液をシリンジにて、約10分で滴
下した。その後、40℃で約1時間撹拌した。触媒はヘ
キサンスラリーとして得られた。
【0059】次に、1Lのオートクレーブに脱水ヘキサ
ン533mlを仕込み、上記操作で得られた触媒スラリ
ーの全量の1/20を入れ、エチレンオキサイドを1
7.9g仕込み25℃で重合反応を始めた。重合開始後
25分から、175.2gのエチレンオキサイドを約8
時間かけてフィードした。フィード終了後、3時間熟成
した。アルキレンオキシド35重量%のヘキサンスラリ
ー(1)が得られた。
【0060】<製造例2>よく乾燥して、よく窒素置換
した500mlフラスコに脱水ヘキサン21.9ml、
20.2重量%のジエチル亜鉛ヘキサン溶液を13.4
g仕込み、シリンジにて1,4−ブタンジオール1.2
6g(脱水テトラヒドロフラン8.03gと脱水ヘキサ
ン3.65gの混合溶液に溶かした物)を室温にて、約
1時間かけて滴下した。気体を発生しながら、ミルク状
の分散液になる。滴下終了後、室温で約1時間撹拌を行
う。その後、50℃で約1時間撹拌した。室温まで冷却
し、メタノール0.70gのヘキサン9.13g混合溶
液をシリンジにて、約40分で滴下した。その後、約4
0℃で1時間撹拌を行った。触媒はヘキサンスラリーと
して得られた。
【0061】次に、1Lのオートクレーブに脱水ヘキサ
ン533mlを仕込み、上記操作で得られた触媒スラリ
ーの全量の1/20を入れ、エチレンオキサイドを1
7.9g仕込み25℃で重合反応を始めた。重合開始後
40分から、175.2gのエチレンオキサイドを約1
6時間かけてフィードした。フィード終了後、3時間熟
成した。アルキレンオキシド35重量%のヘキサンスラ
リー(2)が得られた。
【0062】実施例で実施した評価方法は以下の通りで
ある。 (嵩比重)粉体処理によるアルキレンオキシド重合体粒
子の流動性の変化を、下記の方法による嵩比重の測定に
より評価した。200mlのガラス製メスシリンダーに
粉体処理された約10gのアルキレンオキシド重合体粒
子を投入した。投入したアルキレンオキシド重合体粒子
の重量(g)とその時の体積(ml)を読む事によって
下記の(式1)により嵩比重D(g/ml)を得た。
【0063】
【数1】
【0064】(流動速度)JIS R1639-4(ファインセラ
ミックス-か(顆)粒特性の測定方法-第4部:流動度)
を参考に、アルキレンオキシド重合体粒子の流動性を評
価した。図1に示された漏斗底部の排出口下端を指でふ
さぎ、約12gの粉体未処理または粉体処理されたアル
キレンオキシド重合体粒子を充填した。漏斗底部の排出
口下端から指を離し、その瞬間から最後の試料が排出口
の下端を離れるまでの時間をtを読みとった。単位時間
(s)当たりに排出されたアルキレンオキシド重合体粒
子の重量(g)を、下記(式2)により算出し、流動度
F(g/s)とした。
【0065】
【数2】
【0066】(実施例1)製造例1で得られた35wt
%アルキレンオキシド重合体粒子のヘキサンスラリーに
酸化マグネシウム(和光純薬株式会社)をアルキレンオ
キシド重合体粒子に対して、3.0重量部添加し、10
0r.p.m.で10分撹拌後、No2濾紙にて濾過し、窒素雰
囲気下で乾燥した。乾燥したアルキレンオキシド重合体
粒子の嵩比重を測定したところ0.36g/mlであっ
た。流動度は2.48g/sであった。結果を表1にま
とめた。
【0067】(実施例2〜12)アルキレンオキシド重
合体粒子のヘキサンスラリー、粒子状添加剤及び/また
はその添加量を変えた以外は実施例1と同様にして嵩比
重及び、流動度を測定した。結果をまとめて表1に示し
た。
【0068】(表1において、AEROSIL200、AEROSIL5
0、AEROSIL380、AEROSILR974、AEROSILT805、AEROSILP2
5、酸化アルミニウムCは、日本アエロジル社製、炭酸
カルシウムは丸尾カルシウム製、酸化ジルコニウムは和
光純薬製である。) (比較例1)製造例1で得られたアルキレンオキシド重
合体粒子のヘキサンスラリーをNo2濾紙にて濾過し、窒
素雰囲気下で乾燥した。乾燥したアルキレンオキシド重
合体粒子の嵩比重を測定したところ0.28g/mlで
あった。流動度を測定したところ約5gのアルキレンオ
キシド重合体粒子が排出されたのみで、残りのアルキレ
ンオキシド重合体粒子は漏斗上に滞留した。結果を表1
に示した。
【0069】(比較例2)製造例2で得られたアルキレ
ンオキシド重合体粒子のヘキサンスラリーをNo2濾紙に
て濾過し、窒素雰囲気下で乾燥した。乾燥したアルキレ
ンオキシド重合体粒子の嵩比重を測定したところ0.2
8g/mlであった。流動度を測定したところ約3gの
アルキレンオキシド重合体粒子が排出されたのみで、残
りのアルキレンオキシド重合体粒子は漏斗上に滞留し
た。結果を表1に示した。
【0070】(比較例3)製造例1で得られたアルキレ
ンオキシド重合体粒子のヘキサンスラリーをNo2濾紙に
て濾過し、窒素雰囲気下で乾燥した。125mlのポリプロ
ピレン容器に、乾燥したアルキレンオキシド重合体粒子
を約12.0g秤量した。粒子状添加剤として酸化マグネシ
ウムを3.0重量部添加し、ふたを閉めた後2−3分シ
ェイクした。得られた粉体処理されたアルキレンオキシ
ド重合体粒子の嵩比重を測定したところ0.31g/m
lであった。流動度は2.24g/sであった。結果を
表1に示した。
【0071】(比較例4〜5)粒子状添加剤及び/また
はその添加量を変えた以外は比較例3と同様にして嵩比
重及び、流動度を測定した。結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】実施例が示すとおり、アルキレンオキシド
重合体粒子のヘキサンスラリーに粒子状添加剤を添加
し、濾過、乾燥後得られたアルキレンオキシド重合体粒
子の嵩比重及び流動度は、比較例1及び2の粒子状添加
剤無添加の乾燥アルキレンオキシド重合体粒子に比べて
大きい。さらに、実施例で、粒子状添加剤をアルキレン
オキシド重合体粒子のヘキサンスラリーに添加した物の
嵩比重及び流動度は、比較例で、乾燥したアルキレンオ
キシド重合体粒子と粒子状添加剤を混合した物の嵩比重
及び流動度よりも大きい。
【0074】
【発明の効果】本発明で得られる粒子状添加剤で処理さ
れたアルキレンオキシド重合体粒子は流動性に優れてお
り、ホッパー等を用いて機器等に投入する際の作業性を
向上できる。流動性の向上に由来する嵩比重の増大は、
アルキレンオキシド重合体粒子の貯蔵及び運搬時のコス
トを削減する効果がある。又、流動性に優れたアルキレ
ンオキシド重合体粒子は、溶媒への分散性及び溶解性が
良く、例えば、水溶液調製などの際にも溶解時間が短縮
できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法で得られた、アルキレンオキシ
ド重合体粒子の流動性を評価するのに用いた漏斗の断面
図である。
フロントページの続き (72)発明者 下村 忠生 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F070 AA52 AC13 AC16 AC23 AE30 DB08 DB10 FA01 4J002 CH021 DE076 DE136 DE146 DJ016 DJ046 FA086 GB01 GJ01 GM00 HA09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含液率が10重量%以上である数平均分
    子量2万以上のアルキレンオキシド重合体粒子と1次粒
    子の平均粒径が0.1mm以下である粒子状添加剤とを
    混合することを特徴とするアルキレンオキシド重合体粒
    子の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023145864A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 住友精化株式会社 ポリアルキレンオキシド粒子、医薬用組成物、製剤用組成物及び製剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023145864A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 住友精化株式会社 ポリアルキレンオキシド粒子、医薬用組成物、製剤用組成物及び製剤

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