JP2002019315A - 平版印刷版用支持体及び感熱性平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版用支持体及び感熱性平版印刷版

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JP2002019315A
JP2002019315A JP2000204258A JP2000204258A JP2002019315A JP 2002019315 A JP2002019315 A JP 2002019315A JP 2000204258 A JP2000204258 A JP 2000204258A JP 2000204258 A JP2000204258 A JP 2000204258A JP 2002019315 A JP2002019315 A JP 2002019315A
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particles
heat
forming
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JP2000204258A
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English (en)
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Kazuyuki Nishio
和之 西尾
Takaaki Kuroki
孝彰 黒木
Saburo Hiraoka
三郎 平岡
Yasuo Kojima
康生 児島
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム砂目支持体に代わる新規な平版
印刷用支持体を提供すること。 【解決手段】 平均粒径の異なる同一骨格を有する粒子
を含有する親水性層を有するか自己造膜性微粒子及び自
己非造膜性粒子を含有する親水性層を有する平版印刷版
用支持体及び感熱性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版に用い
る支持体及び感熱性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、印刷の主流となっているのは平版
印刷である。平版印刷とは、画線部と非画線部とを基本
的にほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容性、
非画線部をインキ反撥性とし、版へのインキの付着性の
差異を利用して、画線部のみにインキを着肉させた後、
紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方式をい
う。このような平版印刷にはPS版が用いられる。近
年、迅速に高解像度の平版印刷版を得ることを目的とし
て、また、フィルムレス化を目的として、画像情報に基
づいて、レーザー光によりデジタル露光した後に現像し
て平版印刷版を製造することが汎用されてきている。そ
の例としては、通信回線により伝送される画像信号、電
子製版システムや画像処理システムからの出力信号で光
源を変調し、感光性材料を直接走査露光し、印刷版を形
成するようなシステムが挙げられる。このようなシステ
ムには、光重合のプロセスを利用したダイレクト製版材
料等が用いられる。
【0003】これらの製版材料は、砂目立てしたアルミ
ニウム支持体上に光重合性層、更に酸素遮断層を設けた
構成よりなる。一般的な光重合性層は、アクリル系単量
体、アルカリ可溶性樹脂及び光重合性開始剤からなり、
更に必要に応じて種々の添加剤が添加される。例えば、
レーザー書き込みを行う場合には、レーザー光の波長に
適応させるために増感色素を含有している。これらの製
版材料は、画像様に露光し、アルカリ水系現像により未
露光部の溶出除去を行ない画像形成を行なっている。こ
のような方法は、従来のPS版に近い印刷適性、置き版
適性等の優れた面がある反面、従来のPS版と同様に液
体現像処理を必要とし、廃液の処理及び管理、現像機の
メンテナンス等が必要であるという問題を有している。
また、砂目立てしたアルミニウム支持体は製造工程が複
雑であるという問題もある。これに対して、従来の砂目
立てしたアルミニウム支持体を使用せず、また、液体現
像処理を行わないドライの画像形成方法を用いた平版印
刷版は、非常に簡便で環境的にも好ましい方法であると
いえる。
【0004】このような平版印刷版としては、例えば、
画像受理層を有する支持体上に、PPCを用い、トナー
などで画像形成し、非画像部をエッチ液などで不感脂化
処理し、インキ反撥層に変換させる直描型平版印刷原版
が広く実用に供されている。具体的には、耐水性支持体
上に、水溶性バインダポリマー、無機顔料、耐水化剤等
からなる画像受理層を設けた直描型平版印刷原版が一般
的であり、これら技術については、米国特許第2,53
2,865号明細書、特公昭40−23581号公報、
特開昭48−9802号公報、特開昭57−20519
6号公報、特開昭60−2309号公報、特開昭57−
1791号公報、特開昭57−15998号公報、特開
昭57−96900号公報、特開昭57−205196
号公報、特開昭63−166590号公報、特開昭63
―166591号公報、特開昭63−317388号公
報、特開平1−114488号公報、特開平4−367
868号公報などに記載されている。
【0005】また、これらの直描型平版印刷原版として
は、インキ反撥層に変換させる画像受理層を、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、澱粉、ヒドロキシエチルセル
ロース、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、
酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、スチレン−マレイン
酸共重合体などのような親水性を示す水溶性ポリマやア
クリル系樹脂エマルジョン等の水分散性ポリマ、シリ
カ、炭酸カルシウム等のような無機顔料及びメラミン・
ホルムアルデヒド樹脂縮合物のような耐水化剤で構成す
ることも提案されている。また、特開昭63−2564
93号公報などでは、不感脂化処理により加水分解され
て親水性基が発生する疎水性ポリマを主成分とした画像
受理層を用いた直描型平版印刷原版が提案されている。
このような直描型平版印刷原版は、いずれも画像受理層
をインキ反撥層に変換するために、不感脂化処理が必須
であり、該処理なしではインキ反撥性を殆ど示さず、ま
た、親水性も不十分であった。
【0006】また、このような画像形成方法を用いる場
合には、形成された親油性画像を強く保持することが要
求されているために、画像受容部の親水性を高くするこ
とができないという事情があった。これに対し、特開平
7−1849号公報等で開示されている親水性樹脂、親
油性成分含有カプセル等からなる平版印刷版は、露光部
がカプセルから放出される親油性物質で親油化される方
式であり、このため非画像部の親水性を幾分高く設計す
ることが可能であるが、これらの方法でもエッチ処理は
必要であり、未だ十分な親水性が得られているとはいえ
ない。また一方、平版印刷版の新規な支持体として、W
O97/19819号明細書には、珪酸ソーダ溶液と分
散粒子よりなる支持体が開示されているが、これらは、
従来の支持体と比較し、膜強度が劣っており、更に、印
刷汚れ、汚し回復等にも十分とはいえないものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、アルミニウム砂目支持体に代わる新規な平版
印刷用支持体を提供することにある。本発明の第2の目
的は、エッチ処理することなく高い親水性と耐刷性を有
し、印刷適性、刷りだし汚れ、汚し回復、解像度、ドッ
トゲイン及び耐薬品性が向上した平版印刷版が得られる
平版印刷用支持体を提供することにある。本発明の第3
の目的は、現像処理、エッチ処理などの煩雑なプロセス
を経ることなく画像を作成できる感熱性平版印刷版を提
供することにある。本発明の第4の目的は、高い親水性
と耐刷性を有し、印刷適性、刷りだし汚れ、汚し回復、
解像度、ドットゲイン及び耐薬品性が向上した平版印刷
版が得られる感熱性平版印刷版を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 (1)平均粒径の異なる同一骨格を有する粒子を含有す
る親水性層を有することを特徴とする平版印刷版用支持
体。 (2)自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子を含有す
る親水性層を有することを特徴とする平版印刷版用支持
体。 (3)自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子のみから
なる親水性層を有することを特徴とする上記(2)に記
載の平版印刷版用支持体。 (4)自己造膜性微粒子が、無機粒子であることを特徴
とする上記(2)または(3)に記載の記載の平版印刷
版用支持体。 (5)自己造膜性微粒子が、平均粒径1〜100nmの
粒子であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいず
れかに記載の平版印刷版用支持体。 (6)自己非造膜性粒子が、平均粒径0.2〜10μm
の粒子であることを特徴とする上記(2)〜(5)のい
ずれかに記載の平版印刷版用支持体。 (7)自己造膜性微粒子が、親水性層の50〜99%の
範囲を占めることを特徴とする上記(2)〜(6)のい
ずれかに記載の平版印刷版用支持体。 (8)自己非造膜性粒子が、シリカ、アクリル樹脂及び
酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも一種を有する
粒子であることを特徴とする上記(2)〜(7)のいず
れかに記載の平版印刷版用支持体。 (9)自己非造膜性粒子が、表面に無機処理及び有機処
理から選ばれた少なくとも一つの処理が施されたシリカ
粒子であることを特徴とする上記(2)〜(8)のいず
れかに記載の平版印刷版用支持体。 (10)自己造膜性微粒子が、コロイダルシリカまたは
アルミナゾルであることを特徴とする上記(2)〜
(9)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。 (11)親水性層の膜厚が、1〜50μmであることを
特徴とする上記(2)〜(10)のいずれかに記載の平
版印刷版用支持体。 (12)親水性層表面が、乾燥後において、0.2μm
以上1.2μm以下の中心線表面粗さ(Ra)を有して
おり、かつ、親水性層の25℃の水に対する溶解減量が
10%以下であることを特徴とする上記(2)〜(1
1)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。 (13)親水性層の吸水量が、0.1〜30g/m2
あることを特徴とする上記(2)〜(12)のいずれか
に記載の平版印刷版用支持体。 (14)親水性層が、コールター法による粒径分布で、
異なる2つ以上のピークを有する粒径分布を示す塗工液
を用いて形成された親水性層であることを特徴とする上
記(2)〜(13)のいずれかに記載の平版印刷版用支
持体。 (15)親水性層の平均粒径の大きい粒子が、AFMを
用いた観察法による粒径で、測定面内で小さいほうから
の10点平均粒径に対し、5倍以上大きい粒径を有する
粒子であることを特徴とする上記(2)〜(14)のい
ずれかに記載の平版印刷版用支持体。 (16)支持体上に、自己造膜性微粒子を含有する親水
性層及び熱により親水性が低下する画像形成層を有する
ことを特徴とする感熱性平版印刷版。 (17)自己造膜性微粒子が、無機粒子であることを特
徴とする上記(16)に記載の感熱性平版印刷版。 (18)自己造膜性微粒子の少なくとも一つが、平均粒
径1〜100nmの粒子であることを特徴とする上記
(16)または(17)に記載の感熱性平版印刷版。 (19)親水性層の膜厚が、0.1〜2μmであること
を特徴とする上記(16)〜(18)のいずれかに記載
の感熱性平版印刷版。 (20)感熱性平版印刷版の表面が、0.2μm以上
1.2μm以下の中心線平均粗さ(Ra)を有してお
り、かつ、25℃の水に対する溶解減量が10%以下で
あることを特徴とする上記(16)〜(19)のいずれ
かに記載の感熱性平版印刷版。 (21)親水性層において、自己造膜性微粒子が50〜
99%の範囲を占めることを特徴とする上記(16)〜
(20)のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。 (22)自己造膜性微粒子の少なくとも一つが、コロイ
ダルシリカまたはアルミナゾルであることを特徴とする
上記(16)〜(21)のいずれかに記載の感熱性平版
印刷版 (23)親水性層が、光熱変換剤を含有することを特徴
とする上記(16)〜(22)のいずれかに記載の感熱
性平版印刷版。 (24)水溶性樹脂層を有してなることを特徴とする上
記(16)〜(23)のいずれかに記載の感熱性平版印
刷。 (25)支持体上に、自己造膜性微粒子及び熱により表
面に疎水性領域を生じさせる粒子を含有する画像形成層
を有することを特徴とする感熱性平版印刷版。 (26)画像形成層が、自己非造膜性粒子を含有するこ
とを特徴とする上記(25)に記載の感熱性平版印刷
版。 (27)画像形成層の自己造膜性微粒子の60〜100
%が無機微粒子からなることを特徴とする上記(25)
または(26)に記載の感熱性平版印刷版。 (28)画像形成層の自己造膜性微粒子の60〜100
%がコロイダルシリカであることを特徴とする上記(2
5)〜(27)のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。 (29)画像形成層が、自己造膜性有機微粒子及び親水
性樹脂を含まないことを特徴とする上記(25)〜(2
8)のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。 (30)自己非造膜性粒子が、無機粒子からなることを
特徴とする上記(25)〜(29)のいずれかに記載の
感熱性平版印刷版。 (31)自己非造膜性粒子のコ−ルカウンター法による
平均粒径が、画像形成層膜厚の60〜200%であるこ
とを特徴とする上記(25)〜(30)のいずれかに記
載の感熱性平版印刷版。 (32)画像形成層の膜厚が、熱により表面に疎水性領
域を生じさせる粒子のコールター法による平均粒径の1
10〜250%であることを特徴とする上記(25)〜
(31)記載の感熱性平版印刷版。 (33)熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子
が、コールター法による平均粒径が0.5〜3μmであ
る粒子であることを特徴とする上記(25)〜(32)
のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。 (34)熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子
が、画像形成層中に10〜50重量%含有されているこ
とを特徴とする上記(25)〜(33)のいずれかに記
載の感熱性平版印刷版。 (35)熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子の
30%以下が、画像形成層表面に露出していることを特
徴とする上記(25)〜(34)のいずれかに記載の感
熱性平版印刷版。 (36)熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子
が、軟化温度が80〜150℃、最大針入速度が100
〜800μm/minである粒子であることを特徴とす
る上記(25)〜(35)のいずれかに記載の感熱性平
版印刷版。 によって達成される。
【0009】以下、本発明の平均粒径の異なる同一骨格
を有する粒子を含有する親水性層を有することを特徴と
する平版印刷版用支持体について詳細に説明する。本発
明の平版印刷版用支持体において、親水性層が設けられ
る支持体としては、従来公知の支持体が特に制限なく使
用することができ、使用目的等に応じて、材質、層構成
及びサイズ等を適宜に選定し、使用することができる。
これら支持体としては、例えば、紙、コート紙、合成紙
(例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、もしくは、
それらを紙とはり合せた複合材料)等の各種紙類、塩化
ビニル系樹脂シート、ABS樹脂シート、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレート
フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリア
リレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエ
ーテルケトンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリエ
ーテルサルホンフィルム、ポリエーテルイミドスフィル
ム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム等のプラスチックフィルムないしシ
ートの単層あるいはそれらを2層以上積層した各種プラ
スチックフィルムないしシート、各種の金属で形成され
たフィルムないしシート、各種のセラミックス類で形成
されたフィルムないしシート、更には、アルミニウム、
ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、金属の薄膜
をラミネートまたは蒸着した樹脂コーティングした紙を
挙げることができる。これら支持体には、従来公知の表
面改質技術を用いて表面の改質をはかっておくことがで
きる。このような表面改質技術としては、硫酸処理、酸
素プラズマエッチング処理、コロナ放電処理、水溶性樹
脂の塗布等が挙げられ、本発明においては、いずれも好
ましく用いられる。
【0010】本発明の平版印刷版用支持体における親水
性層は、平均粒径の異なる同一骨格を有する粒子を含有
するが、同一骨格を有するとは、同一の化学構造の繰り
返し単位を有しているということであり、化学構造の繰
り返し単位としては、Si―O単位、Al―O単位、ア
クリル単位、ポリエステル単位、ウレタン単位等が挙げ
られる。本発明において、同一骨格を有するとは、同一
の化学構造の繰り返し単位を50%以上有していること
をいう。好ましくは、70%以上有することである。平
均粒径は、コールターカウンター法により求めたもので
あり、コールター法粒子数及び粒度分布測定装置〔マル
チサイザーII型(コールター株式会社製)〕を使用し、
JIS K−1150[シリカゲルの試験方法]に準じ
て測定したものである。混合されて用いられる平均粒径
の異なる粒子は、それぞれ無機系の粒子であっても有機
系の粒子であってもよい。無機系の粒子としては、例え
ば、シリカ(例えばコロイダルシリカ)、水ガラス、ア
ルミナあるいはアルミナ水和物(例えばアルミナゾル、
コロイダルアルミナ、ポリ水酸化アルミニウム、カチオ
ン性アルミニウム酸化物またはその水和物、疑ベーマイ
ト等)、表面処理カチオン性コロイダルシリカ、ジルコ
ン、水酸化ジルコン、弗化ジルコン、珪酸アルミニウ
ム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸
化ジルコニウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ずず、酸化マ
グネシウム、酸化アンチモン、酸化ニオブ、酸化セリウ
ム等が挙げられ、また、有機系の粒子としては、例え
ば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、
マイクロカプセル、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、メラミン樹脂、フッ素系樹脂などの微粒子が
挙げられる。また、平均粒径の異なる粒子は、同一骨格
を有していれば、以下に説明する自己造膜性粒子であっ
ても、自己非造膜性粒子であってもよい。
【0011】次に、自己造膜性微粒子及び自己非造膜性
粒子を含有する親水性層を有する平版印刷版用支持体に
ついて詳細に説明する。自己造膜性微粒子とは、その粒
子のみからなる塗布液を塗布乾燥したときに塗膜を形成
することができる微粒子をいう。自己造膜性微粒子は、
無機粒子であっても有機粒子であってもよいが、無機粒
子であることが好ましく、コロイダルシリカまたはアル
ミナゾルが好ましい。好ましい態様は、同一骨格を有す
る粒子よりなるものであり、少なくとも一種の粒子が1
〜100nmの粒径を有することが好ましく、2〜50
nm以下の平均粒径を有することがより好ましく、特
に、3〜25nm以下の平均粒径を有することが好まし
い。最も好ましい平均粒径は、4〜15nmである。平
版印刷版用支持体の親水性層における自己造膜性微粒子
の添加比率は、40%以上が好ましく、50〜99%が
より好ましく、特に好ましくは60〜98%である。
【0012】使用できる無機微粒子としては、例えば、
シリカ(コロイダルシリカ)、水ガラス、アルミナある
いはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミ
ナ、ポリ水酸化アルミニウム、カチオン性アルミニウム
酸化物またはその水和物、疑ベーマイト等)、表面処理
カチオン性コロイダルシリカ、ジルコン、水酸化ジルコ
ン、弗化ジルコン、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ずず、酸化マグネシウム、酸化
アンチモン、酸化ニオブ、酸化セリウム等が挙げられ
る。無機微粒子は、単独で用いてもよいし、また、2種
以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、同種
の骨格を有する微粒子を用いるのが特に好ましく、例え
ば、平均粒径3〜25nmの超微粒子コロイダルシリカ
と50〜100nmの微粒子コロイダルシリカというよ
うに平均粒径の異なる粒子を併用することが好ましい。
平均粒径の異なる粒子を併用するに当たっては、粒径の
小さな粒子を主成分として使用することが好ましく、粒
径の小さな粒子の添加量は、50%以上であることが好
ましく、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは
70%以上である。
【0013】有機微粒子としては、例えば、スチレン系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、マイクロカプセ
ル、尿素樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラ
ミン樹脂、フッ素系樹脂などの微粒子を挙げることがで
きる。自己非造膜性粒子とは、それ自身のみよりなる塗
布液を塗布乾燥しても皮膜を形成することができない粒
子をいう。自己非造膜性粒子としては、有機系または無
機系の粒子を使用することができる。本発明で使用され
る自己非造膜性粒子は、容易に水に分散されるものであ
ることが好ましい。有機粒子としては、アルギン酸カル
シウム、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のア
クリル系粒子、スチレン系粒子、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系粒子、ポリテトラフルオロエ
チレン等のフッ素系粒子、その他のラジカル重合系ポリ
マーの粒子、ポリエステル、ポリカーボネートなど縮合
ポリマーの粒子などが挙げられる。有機粒子は、どのよ
うな方法で作成したものでもよく、例えば、(A)乳化
重合、ソープフリー重合、分散重合のように重合中に粒
子を成長させる方法、(B)懸濁重合、ノズル振動法、
膨潤シード重合、二段膨潤重合のように液滴がそのまま
重合する方法、(C)ポリマーを富溶媒に、必要があれ
ば、加熱下で溶解した後、貧溶媒を添加するとか、冷却
するとかしてポリマーを析出させ、粒子を得る方法(析
出時に剪断力を掛けることにより粒子を得易い。)、
(D)サンドミル、ボールミルのような分散手段により
溶媒中で粉砕、分散して粒子を得る方法、(E)ドライ
状態で粉砕し、分級工程を通すことにより粒子を得る方
法によって得ることができる。
【0014】また、無機粒子としては、酸化アルミニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム、シリカ(酸化珪素)、ジルコ
ン系等の粒子が挙げられる。無機粒子は、どのような方
法での作成したものでもよく、例えば、塊状の原料を細
分化していくブレークダウン法、分子ないしは微粒を集
合していくビルドアップ法によって得ることができる。
ブレークダウン法としては、ジェットミル、撹拌ミル、
ボールミル、ローラーミル、スタンプミル、高遠回転ミ
ル等を用いた粉砕法が挙げられる。これらの粒子は、粉
砕することにより形成される活性部に第二成分を導入す
ることにより表面改質を行ってもよい。このような方法
は、「微粒子ハンドブック」(朝倉書店)234〜23
5頁に記載されている。ビルドアップ法としては、ガス
中蒸発法、スパッタ法、アークプラズマ蒸発法、レーザ
ー蒸着法、高周波プラズマ蒸着法等の蒸発凝集を利用す
る方法、熱CVD法、プラズマCVD法、レーザーCV
D法等のCVD法が挙げられ、「微粒子ハンドブック」
(朝倉書店)226〜320頁に記載された各種粒子形
成法を用いて作成することができる。また、各種溶媒に
溶解または分散させ微粒子化した後、溶剤を蒸発、乾燥
し作成する方法等を利用できる。
【0015】自己非造膜性粒子としては、優れた物理的
及び/または化学的濡れ性が得られるので、シリカ粒
子、アルミナ粒子、フッ素系粒子、アクリル系粒子、酸
化マグネシウム粒子・アルギン酸カルシウム粒子が好ま
しく、特に好ましいものはシリカ粒子、アクリル系粒
子、酸化マグネシウム粒子であり、最も好ましくはシリ
カ粒子、アクリル系粒子である。シリカ粒子は、主とし
て化学的濡れ性を強化する役割を果たし、上記の方法で
作成された粒子を好適に使用できる。中でも、粉砕法で
作製したシリカ粒子は、表面活性が高く、高親水性を発
現する上で好ましい。また、粒子の粒度分布を狭める目
的で、分級等の処理を行うことは、更に、物理的濡れ性
を向上させる観点からも好ましい。シリカ粒子の形状と
しては、多孔質形状を有するシリカが好ましく、シリカ
の細孔容積は0.5ml/g以上あることが好ましい。
中でも、1.0ml/g以上が好ましく、1.5ml/
g以上が特に好ましい。細孔容積は、全自動表面積測定
装置:1990型(アムコ製)を用いて測定することが
できる。また、表面の高親水性を充分に発現させること
ができる場合には、印刷時の膜強度を向上させる目的
で、多孔性でないシリカ、例えば、溶融シリカを用いる
ことが好ましい。
【0016】アクリル系粒子は、主に物理的濡れ性を強
化する目的を達成させるものであって、この目的を達成
できるものであれば、従来公知のアクリル系粒子が特に
制限なく使用できる。アクリル系粒子を構成するアクリ
ル樹脂としては、以下に示すモノマーを重合させ得られ
るアクリル樹脂を好ましく用いることができる。(1)
芳香族水酸基を有するモノマー、例えば、o−ヒドロキ
シフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアク
リレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート等。 (2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5
−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシ
ヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタク
リレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミ
ド、N−(2−ヒドロキシエチル}メタクリルアミド
等。 (3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えば、
m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−ア
ミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノス
ルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニル
フェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニ
ルフェニル)アクリルアミド等。 (4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えば、N
−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−
(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。 (5)α、β−不飽和カルボン酸類、例えば、アクリル
酸、メタクリル酸等。 (6)置換または無置換のアルキルアクリレート、例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アク
リル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル
酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−クロ
ロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、グリシジルアクリレート等。 (7)置換または無置換のアルキルメタクリレート、例
えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチ
ル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート等。 (8)アクリルアミド若しくはメタクリルアミド類、た
とえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチ
ルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−
シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチ
ル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキ
シフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタクリルアミド等。 (9)フッ化アルキル基を含有するモノマー、例えば、
トリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチル
メタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフ
ルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチル
メタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレ
ート等。 (10)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、
2−シアノエチルアクリレート等 (11)アミノ基を有するモノマー、例えばN、N−ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート等。
【0017】本発明に好ましく使用される有機粒子は、
化学的濡れ性の強化、塗布液のおける分散安定性及び高
親水性を与えるものが好ましく、具体的には、極性基を
有するモノマーユニットを有するポリマーが好ましい。
好ましい極性基としては、水酸基、カルボキシル基、ア
ミノ基、アミド基、スルフォン酸基、燐酸基等を挙げる
ことができ、これらの極性基の導入比は、70%以下が
好ましい。自己非造膜性粒子としては、コールターカウ
ンターでの平均粒径で0.2〜10μmの平均粒径を有
するものが好ましく、更に、0.3〜7μmの平均粒径
を有するものが好ましい。このような平均粒径を有する
粒子を80%以下使用できるが、好ましくは、1〜60
%の使用であり、更に好ましくは2〜50%の使用であ
る。このように設定することで支持体としての強度を向
上し、高い親水性を得ることができる。自己非造膜性粒
子は、同種及び/または異種のものを二種以上混合して
使用することができる。表面形状の制御の観点からする
と、自己非造膜性粒子の併用は、同種の自己非造膜性粒
子で粒怪の異なる自己非造膜性粒子を組み合わせて使用
することが好ましい。また、シリカとアクリル粒子の併
用は、化学的/物理的濡れ性のバランスを良化する目的
で好ましい態様である。また、自己非造膜性粒子は層表
面の突起を形成する場合が多いため、可能な限り粒径分
布がシャープな素材を選択することが好ましい。
【0018】本発明の親水性層には、必要に応じて、架
橋剤、ゲル化剤、反応促進剤、親水性樹脂等を添加する
ことができる。本発明においては、親水性層には高い耐
水性が要求されるが、架橋剤を添加し架橋することによ
りこの要求を満たすことができる。架橋剤は、主として
樹脂の極性基と反応するが、表面活性の高いシリカ等と
も反応するので塗布液の安定性を損なうこともあり、ま
た、液中、乾燥過程でのシリカ粒子の2次凝集を防止す
る等の点からしても、シリカ粒子の表面を無機処理また
は有機処理して改質しておくことは好ましい態様であ
る。
【0019】無機処理または有機処理は、従来公知の方
法が使用でき、以下のような表面処理方法でシリカ表面
を処理することである。これら表面処理方法としては、
例えば、界面活性剤、高分子化合物、親水性樹脂、ワッ
クス、無機化合物等を粒子表面に含浸コーティングする
方法、表面の活性基等とのラジカル反応、キレート反
応、カップリング反応、ゾル吸着等を利用したトポケミ
カルな改質方法、粉砕活性面と有機化合物とのグラフト
反応、無機化合物の吸着反応等を利用したメカノケミカ
ルな改質方法等が挙げられる。用いることができる表面
処理剤としては、例えば、レオロシールMT10、QS
10、QS102、QS30(以上、徳山曹達株式会社
製)、サイロイド83、378、161、162C、E
D41、ED20、ED30、ED40、ED44・E
D50、ED52、ED56、ED80、7000(以
上、グレースジャパン株式会社製)、サイリシア25
6、256N、358、435、445、436、44
6、456(以上、富士シリシア化学株式会社製)等を
挙げることができる。
【0020】架橋剤としては、本発明の粒子を架橋する
ことができるものであれば従来公知の架橋剤を広く利用
でき、有機系の架橋剤、無機系の架橋剤のいずれも好適
に使用できる。有機系の架橋剤としては、例えば、アミ
ノ樹脂、アミン系化合物、アジリジン系化合物、アルデ
ヒド類、イソシアネート化合物、カルボン酸または酸無
水物、ハロゲン化物、フェノールーホルムアルデヒド樹
脂、2つもしくはそれ以上のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物、エチレンイミン系化合物、シリケート化合物
等が挙げられる。また、無機系の架橋剤としては、例え
ば、クロムみょうばん、硼酸、硼素等を挙げることがで
きる。これらの架橋剤は、低分子量の化合物であっても
よく、また、オリゴマーもしくは重合体であってもよ
い。アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、ベンゾグ
アナミン、尿素等をアルデヒド類やケトン類と反応させ
た樹脂、具体的には、例えば、メラミン−ホルムアルデ
ヒド系樹脂、尿素−ホルムアルデヒド系樹脂、メチロー
ル化メラミン等が挙げられる。これらアミノ樹脂は、水
酸基、カルボキシル基、メルカプト基等を有する本発明
の粒子に対し有効である。ハロゲン化物としては、例え
ば、米国特許第3,325,287号明細書、同第3,
288,775号明細書、同第3,549,377号明
細書、ベルギー特許第6,622,226号明細書に記
載のジクロロトリアジン系化合等が挙げられれる。これ
らハロゲン化物は、水酸基、アミノ基等を有する本発明
の粒子に対し有効である。アミン系化合物及びアジリジ
ン系化合物としては、例えば、米国特許第3,392,
024号明細書に記載のアジリジン系化合物、米国特許
第3,549,378号明細書等に記載のエチレンイミ
ン系化合物及び下記の化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】これらアミン系化合物及びアジリジン系化
合物は、水酸基、カルボキシル基等を有する本発明の粒
子に対し有効である。イソシアネート化合物には、保護
基を有すイソシアネート(ブロックド−イソアネート)
も含まれる。これらイソシアネート化合物としては、例
えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キ
シレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ト
リフェニルメタンジイソシアネート、ビシクロヘプタン
ジイソシアネートが挙げられる。これらイソシアネート
化合物は、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、ア
ミノ基等を有する本発明の粒子に対し有効である。アル
デヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、グリオ
キザール、米国特許第3,291,624号明細書、同
第3,232,764号明細書、フランス特許第1,5
43,694号明細書、英国特許第1,270,578
号明細書に記載のジアルデヒド類が挙げられ。これらア
ルデヒド類は、水酸基を有する本発明の粒子に対し有効
である。また、無機系の架橋剤である硼酸、硼素として
は、例えば、オルト硼酸、メタ硼酸、次硼酸、四硼酸、
五硼酸及びそれらの塩等を挙げることができる。これら
架橋剤の中で好ましものは、アミノ樹脂、アジリジン系
化合物、アルデヒド類及びイソシアネート化合物類であ
る。本発明においては、架橋剤は40重量%以下の範囲
で使用される。好ましくは、30%以下での使用であ
り、特に好ましくは、20%以下での使用である。架橋
剤は、同種の架橋剤を1種または2種以上使用してもよ
く、また、異種の架橋剤を2種以上併用して使用しても
よい。
【0024】ゲル化剤も添加することにより親水性層の
耐久性を向上させることができる。反応促進剤は、架橋
剤と粒子との反応を高効率に反応させるために用いられ
る。架橋剤を使用する際には、反応促進剤を使用するこ
とも好ましい。反応促進剤は、架橋結合反応を促進さ
せ、高い印刷耐性を得るために必要な高水準の架橋結合
を保ちながら全体的な版製造時間を短縮することができ
る。反応促進剤としては、公知の反応促進剤を用いるこ
とができ、これら反応促進剤としては、例えば、塩化ア
ンモニウム、酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、第二リン酸アン
モニウム、チオシアン酸アンモニウム、スルファミン酸
アンモニウム等のアンモニウム塩系化合物、ジメチルア
ニリン塩酸塩、ピリジン塩酸塩、ピコリンモノクロール
酢酸、カタリストAC(モンサント社製)、キャタニッ
トA(日東化学社製)、スミライザーACX−P(住友
化学社製)等の有機アミン塩系化合物、塩化第二スズ、
塩化第二鉄、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等
の無機塩系化合物を挙げることができる。また、反応促
進剤の前駆体を使用することも有利である。反応促進剤
の前駆体は、加熱時に反応促進剤に転換し、反応促進剤
が形成される。反応促進剤の適当な前駆体は、例えば、
加熱時に酸を放出する前駆体である。これら前駆体とし
ては、例えば、英国特許第612,065号明細書、欧
州特許第615233号明細書、米国特許第5,32
6,677号明細書に開示されているスルホニウム化合
物、特に、ベンジルスルホニウム化合物、欧州特許第4
62,763号明細書、WO81/1755号明細書、
米国特許第4,370,401号明細書に開示されてい
る無機硝酸塩(例えば、Mg(NO32・6H2O、硝
酸アンモニウム)、有機硝酸塩(例えば、硝酸グアニジ
ニウム、硝酸ピリジニウム)、米国特許第5,312,
721号明細書に開示されているスルホン酸を放出する
化合物(例えば、3−スルホレン類、2,5−ジヒドロ
チオ−チオフェン−1,1−ジオキシド類)、英国特許
第1,204,495号明細書に開示されている熱分解
性化合物、米国特許第3,669,747号明細書に開
示されてアミンと揮発性有機酸との共結晶性付加物、米
国特許第3,166,583号明細書に開示されている
アラルキルシアノホルム類、欧州特許第159,725
号明細書及び西独特許第351,576号明細書に開示
されているサーモ・アシッド、米国特許第5,278,
031号明細書に開示されているスクエア酸発生化合
物、米国特許第5,225,314号明細書、米国特許
第5,227,277号明細書及び1973年11月の
リサーチ・ディスクロージャーNo.11511に開示
されている酸発生化合物である。
【0025】また、親水性樹脂としては、従来公知の親
水性樹脂を特に制限無く使用することができる。親水性
樹脂としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミ
ノ基、アミド基、カルバモイル基、スルホン酸基、スル
ホンアミド基、ホスホン酸基、メルカプト基、アルキル
エーテル基のような親水性基を有する樹脂が挙げられ。
親水性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、
ポリサッカライド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、ヒドロキシエチル澱粉、サクローズオクタ
アセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナト
リウム、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリス
チレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリ
アクリルアミド、無水マレイン酸共重合体、ポリウレタ
ン、ポリエステル等が挙げられる。本発明においては、
親水性樹脂は50重量%の範囲で使用される。好ましく
は40重量%以下の使用であり、更に好ましくは10重
量%以下での使用である。親水性樹脂は、同種の親水性
樹脂を1種または2種以上使用してもよく、また、異種
の親水性樹脂を2種以上併用して使用してもよい。
【0026】本発明の親水性層は、親水性層を形成する
塗布液を調製し、塗布、乾燥することによって形成する
ことができる。塗工液における粒子の粒径分布は、コー
ルター法による粒径分布で、異なる2つ以上のピークを
有する粒径分布を示すことが好ましい。また、親水性層
における粒径が、AFMを用いた観察法による粒径で、
測定面内で小さいほうからの10点平均粒径に対し、5
倍以上大きい粒径を有する粒子であることが好ましい。
本発明の自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子を含有
する親水性層を有する平版印刷版用支持体において、親
水性層の膜厚は1〜50μmであることが好ましい。本
発明の自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子を含有す
る親水性層を有する平版印刷版用支持体において、親水
性層表面が、乾燥後において、0.2μm以上1.2μ
m以下の中心線表面粗さ(Ra)を有しており、かつ、
親水性層の25℃の水に対する溶解減量が10%以下で
あることが好ましい。中心線表面粗さ(Ra)は、WY
KO社の光学的三次元表面粗さ計:RSTplusを使
用して測定された中心線表面粗さ(Ra)をいう。測定
は、対物レンズ×40、中間レンズ×1.0の条件で1
11×150μmの視野をN=5で測定し、平均値を求
めたものである。
【0027】また、本発明において、親水性層の25℃
の水に対する溶解減量は、下記のようにして求めた値を
いう。付き量の判っている平版印刷版用支持体を、10
cm四方に切断し、常温下で乾燥剤の入ったデシケータ
内で3時間静置し、これをすばやく取り出し重量を測定
した後、25℃の純水中に浸漬し1時間放置する。水か
ら取り出した後、DX−700(東京ラミネックス株式
会社製)にて、JKワイパーを載置し、下記条件により
搬送し、膨潤層に高圧とせん断力を与えた。 温度・・・25℃ 圧力・・・2kg/cm 速度・・・30mm/sec この後、60℃にて1時間乾燥後、更に、常温下で乾燥
剤の入ったデシケータ内に3時間静置し、すばやく取り
出し、重量を測定し、処理前の親水性層の付き量と処理
後の親水性層の重量の差(Δ)を求める。溶解減量は、
下記式により求められる。
【0028】
【数1】
【0029】本発明の自己造膜性微粒子及び自己非造膜
性粒子を含有する親水性層を有する平版印刷版用支持体
において、親水性層の吸水量は0.1〜30g/m2
あることが好ましい。吸水量は、下記により求めること
ができる。 吸水量(g/m2)=Wwet−Wdry Wwet:乾燥状態における重量(g/m2) Wdry:水中に25℃×10分浸漬した後の重量(g
/m2
【0030】次に、本発明の支持体上に自己造膜性微粒
子を含有する親水性層及び熱により親水性が低下する画
像形成層を有する感熱性平版印刷版(以下、感熱性平版
印刷版Aということもある。)について詳細に説明す
る。自己造膜性微粒子を含有する親水性層に用いられる
自己造膜性微粒子としては、先に述べた自己造膜性微粒
子が挙げられるが、無機粒子が好ましく、更に、コロイ
ダルシリカまたはアルミナゾルが好ましい。自己造膜性
微粒子としては、平均粒径が1〜100nmである自己
造膜性微粒子を用いることが好ましく、また、自己造膜
性微粒子を含有する親水性層において、自己造膜性微粒
子は50〜99%を占めるのが好ましい。また、親水性
層の膜厚は0.1〜2μmであることが好ましい。本発
明の感熱性平版印刷版Aにおける画像形成層は、熱によ
り表面に疎水性領域を生じさせる化合物を含有してお
り、像様に加熱することにより、像様に疎水性領域を形
成し平版印刷版として機能するようになる。
【0031】熱により表面に疎水性領域を生じさせる化
合物としては、従来公知のものを特に制限なく使用する
ことでき、例えば、ワックス分散物、熱可塑性樹脂、低
分子疎水性物質、撥水剤、架橋性化合物が挙げられる。
上記ワックス分散物に用いられるワックス類としては、
例えば、カルナバロウ、木ロウ、オウリキュリーロウ、
エスバル等の植物ロウ;密ロウ、昆虫ロウ、セラック、
鯨ロウ等の動物ロウ;パラフィンワックス、マイクロク
リスタルワックス、ポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、エステルワックス等の石油ワックス;モンタンワ
ックス?、オゾケライトワックス、セレシンワックス等
の鉱物ワックス等を挙げることができる。
【0032】熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン
系共重合体、スチレン系共重合体、ポリアミド系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルカルバゾール系樹
脂、セルロース系樹脂、ロジン系樹脂、ポリビニルアル
コール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、アイオノ
マー樹脂、石油系樹脂等の樹脂類;天然ゴム、スチレン
ブタジエンゴム、イソブレンゴム、クロロブレンゴム、
ジエン系コポリマー等のエラストマー類;エステルガ
ム、ロジンマレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、水
添ロジン等のロジン誘導体;フェノール樹脂、テルペン
樹脂、シクロペンタジエン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂
等を挙げることができる。また、自己水分散性樹脂も用
いられる。
【0033】自己水分散性樹脂粒子の樹脂の種類は特に
制限はないが、樹脂の粒子化、画像部の皮膜強度、非画
像部の親水性等を満足するものとして、スチレンあるい
はα−メチルスチレンのような置換スチレン、アクリル
酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリ
ル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエ
ステル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルエ
ステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸ブ
チルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメ
タクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一つ以上の
モノマー単位と、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれ
る少なくとも一つ以上のモノマー単位を含む共重合体が
好ましく、また特に樹脂の分子量範囲について制限はな
いが1000以上10万以下の分子量のものがより好ま
しい。
【0034】自己水分散性樹脂としては酸価を有してい
る合成樹脂と塩基性物質との塩や、水酸基等の親水基を
置換基として有するものがあるが、水分散性樹脂粒子の
微粒子化と、粒子の溶解・膨潤を防ぎながらかつ粒子に
大きな親水性を付与するために、樹脂として酸価が50
以上280以下の合成樹脂(A)の少なくとも一部が塩
基(B)で中和されてなる自己水分散性樹脂であること
が好ましい。特に該樹脂粒子同士の融合を防止するに
は、樹脂のガラス転移温度が50℃以上が好ましく、さ
らに好ましくは70℃以上のガラス転移温度が良い。
【0035】画像部の解離性を上げるためより樹脂粒子
の粒子径を小さくし、非画像部の未融着の樹脂粒子の親
水性を高めて非画像部のインキ汚れを小さくするために
は、合成樹脂(A)の酸基の60モル%以上が塩基
(B)で中和されていることが好ましい。合成樹脂に酸
価を与えるアニオン性官能基はカルボキシル基、スルホ
ン酸基、スルフィン酸基等特に限定されるものではない
が、カルボキシル基は一般的で良好な自己水分散性熱可
塑性樹脂を与える。更に、特公昭63−42593号公
報に記載のアイオノマー樹脂の粒子も好ましい。本発明
の好ましい一実施態様に従えば、アイオノマー樹脂がα
−オレフイン(特にエチレン)とα,β−不飽和カルボ
ン酸(特にアクリル酸またはメタクリル酸)との共重合
体を金属イオン(特にNa+、Mg++、Zn++)でイオ
ン架橋した樹脂であることであり、また、本発明の感熱
層が結着剤として水溶性高分子化合物(ポリビニルアル
コールが好ましく、特に85〜90%のビニルアルコー
ル単位を含むものが好ましい。)を含有することであ
り、さらにまた、アイオノマー樹脂と水溶性高分子化合
物の比が、重量比で3:2〜9:1であることである。
本発明に用いられるアイオノマー樹脂は、あらゆるアイ
オノマー樹脂を用いることができるが、好ましくは、α
−オレフインとα,β−不飽和カルボン酸を一種または
数種の金属イオンでイオン架橋させた樹脂である。この
アイオノマー樹脂のベースとなる共重合体に用いられる
α−オレフインは、一般式RCH=CH 2を有する。こ
こでRは水素原子またはアルキル基であり、そのアルキ
ル基の炭素原子数は1〜8個が好ましい。すなわち好適
なオレフインとしてはエチレン、プロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、3−
メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1等が含まれ
る。
【0036】共重合体の第二の成分であるα,β−不飽
和カルボン酸は、好ましくは炭素原子数が3〜8個の
α,β−不飽和カルボン酸である。すなわち、好適な
α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタ
クリル酸、エタクリル酸、イタコン酸マレイン酸、フマ
ル酸が挙げられ、これらにはさらにこれらカルボン酸の
エステル、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ノルマルブチ
ル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、マレイン
酸ジメチル等を含ませてもよい。これらのα−オレフイ
ンまたはα,β−不飽和カルボン酸は一種ずつ用いても
よく、また二種以上組み合わせて用いることもできる。
この共重合体よりアイオノマー樹脂を製造するのに適し
た金属イオンは1〜3価の原子価を有する金属イオンで
ある。適当な一価金属イオンとしてはNa+、K+、Li
+、Ag+、Hg+、二価金属イオンとしてはBe++、M
++、Ca++、Sr++、Ba++、Cu++、Cd++、Hg
++、Sn++、Pb++、Fe++、Co++、Ni++、Z
++、三価金属イオンとしてはAl+++、Sc+++、Fe
+++、Y+++が挙げられる。これらの中、本発明において
はNa+、Mg++またはZn++が好ましい。これらアイ
オノマー樹脂の中で好ましいものは、エチレンとアクリ
ル酸またはメタクリル酸との共重合体をN+、Mg++
たはZn++でイオン架橋させて得られるアイオノマー樹
脂である。本発明に用いられるアイオノマー樹脂の製造
方法については、特公昭39−6810号、特公昭42
−15768号、特開昭49−31556号、特開昭4
9−121891号の各公報等に記載されている方法に
準じればよい。
【0037】低分子疎水性物としては、例えば、テルピ
ネオール、メントール、1,4−シクロヘキサンジオー
ル、フェノール等のアルコール類;アセトアミド、ベン
ズアミド等のアミド類;クマリン、桂皮酸ベンジル等の
エステル類;ジフェニルエーテル、クラウンエーテル等
のエーテル類;カンファー、p−メチルアセトフェノン
等のケトン頬;バニリン、ジメトキシベンズアルデヒド
等のアルデヒド類;ノルボルネン、スチルベン等の炭化
水素類;パルミチン酸、ステアリン酸、マーガリン酸、
ベヘン酸等の高級脂肪酸;パルミチルアルコール、ステ
アリルアルコール、ベへニルアルコール、マルガニルア
ルコール、ミリシルアルコール、エイコサノール等の高
級アルコール;パルミチン酸セチル、パルミチン酸ミリ
シル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ミリシル等の
高級脂肪酸エステル;アセトアミド、プロピオン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アミド
ワックス等のアミド類;ステアリルアミン、ベヘニルア
ミン、パルミチルアミン等の高級アミン類;フタル酸エ
ステル類;トリメリット酸エステル類;アジピン酸エス
テル類を挙げることができる。更に、飽和あるいは不飽
和カルボン酸エステル類、クエン酸エステル類、エポキ
シ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、ステアリン酸エポキ
シ類、正燐酸エステル類、亜燐酸エステル類、グリコー
ルエステル類なども挙げられる。
【0038】撥水剤としては、従来公知のシリコーン化
合物、フッ素化合物等が挙げられ、例えば、シリコーン
系界面活性剤(例えば、シルウェットL720、FZ2
122、FZ2120、FZ2166、FZ2171
(日本ユニカー株式会社製)等)、シランカップリング
剤(例えば、不飽和基を含むシランカップリング剤)、
カルボキシル基、メルカブト基、イソシア基、アミノ基
含有カップリング剤のカップリング剤等が挙げられる。
フッ素系化合物としては、例えば、フッ素系界面活性
剤、フルオロ脂肪族基を含むアクリレート、メタクリレ
ート、(ポリオキシアルキレン)アクリレートまたは
(ポリオキシアルキレン)メタクリレートの共重合体、
特開昭62−170950号公報、特開昭62−226
143号公報、米国特許第3,787,351号明細書
に記載のフッ素系化合物等が挙げられる。具体的には、
例えば、メガファックF−171、173、177、1
79、142D、ディフェンサMCF300、312、
313(大日本インキ化学工業株式会社製)、モディバ
ーF−100、102、110(日本油脂株式会社製)
が挙げられる。更に、特開昭64−18142号公報に
記載の含フッ素アクリル系樹脂、特公平6−10535
1号公報、特公平8−3630号公報、特開平3−17
2849号公報に記載のフッ素系界面活性剤、特開平1
−260055号公報、特開平1−271478号公
報、特開平4−63802号公報に記載の化合物等も好
ましく使用することができるものとして挙げられる。撥
水剤粒子に用いる撥水剤としては、常温/水系液中で分
散状態を形成できる親水性を有するフッ素含有オリゴマ
ーが好ましく、具体的には、アサヒガードAG422、
428、490、530、550、710、780、8
80、970、LS317(旭硝子株式会社製)、TK
ガード505(高松油脂株式会社製)、ディックガード
F−52S、F−70、F18、F−90、F−90
N、FS−90H(大日本インキ株式会社製)などを挙
げることができる。これらの中でも、パーフルオロアル
キル基の側鎖が炭素数5〜15の撥水剤が好ましく、炭
素数6〜12の撥水剤が特に好ましい。
【0039】架橋性化合物としては、従来公知の水可溶
性・水分散性の自己架橋剤が好適に使用でき、例えば、
メチロール基含有化合物、メラミン基含有化合物、エポ
キシ基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、熱・
触媒存在下で保護基等を脱離することにより上記の化合
物を放出する化合物等が好適に使用できる。具体的に
は、「架橋剤ハンドブック」大成社(山下晋三、金子東
助編)記載の化合物が好適に使用できる。架橋性化合物
に用いられる触媒としては、上述の反応促進剤を好適に
使用でき、特にこれらの中でも、露光エネルギー(熱ま
たは光)により触媒効果を発揮するような化合物が非常
に好適に使用できる。熱により表面に疎水性領域を生じ
させる化合物は、単独あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。これらの中で特に好ましくは、ワック
ス分散物、熱可塑性樹脂、架橋性化合物である。熱によ
り表面に疎水性領域を生じさせる化合物は、画像形成層
に0.5〜90重量%の範囲で使用することが好まし
く、より好ましくは10〜50重量%の範囲で使用する
ことである。これら化合物の含有量が少ないと熱により
表面を親水性から疎水性に変えることが不可能となり、
また、含有量が多いと非画像部の親水性が低下し、印刷
時汚れが発生してしまう。
【0040】更に、熱により表面に疎水性領域を生じさ
せる化合物は、マイクロカプセル等に封入して用いるこ
ともできる。上記マイクロカプセルにおいて、その壁
材、内包物および製造方法については、特開昭64−9
0788号公報2頁右下18行目〜5頁右下13行目及
び特開平5−169801号公報7頁左16行目〜7頁
右26行目に記載されており、該記載の壁材、内包物お
よび製造方法を用いることができる。熱により表面に疎
水性領域を生じさせる化合物粒子の最適なサイズは、粒
子の軟化温度、加熱時の流動速度、周囲への濡れ特性な
どに依存するが、コールカウンター法による平均粒子径
が0.2〜5.0μmであることが好ましく、より好ま
しくは0.5〜3.0μmである。粒子径が小さすぎる
と加熱時に、表面を親水性から疎水性に変えることが不
可能となり、粒子径が大きすぎると感度の低下、画像解
像度の低下が生じる。
【0041】熱により親水性が低下する画像形成層は、
例えば、上述の熱により表面に疎水性領域を生じさせる
化合物の粒子と親水性樹脂、水分散性フィラー等を用い
ることにより形成することができる。また、該画造形成
層は、その機能を分離して2層以上で形成することも可
能であり、下層に疎水性物質を含有する層、上層に親水
性樹脂を主成分とする層のように設計して使用すること
も可能である。本発明の感熱性平版印刷版Aの画像形成
層は、膜厚を、加熱により表面に疎水性領域を生じさせ
る化合物の粒子の粒径との関係で制御する必要がある。
実際には、画像形成層の膜厚を、コールター法による平
均粒径が最大である熱により表面に疎水性領域を生じさ
せる粒子の平均粒径の110〜250%とする。熱によ
り表面に疎水性領域を形成する粒径に対して膜厚が薄い
と、常に粒子が表面に露出することになり、印刷時に非
画線部が非常に汚れやすくなる。また、露出した粒子の
突起部が高くなる程、物理的接触により表面が疎水性に
変化しやすい。
【0042】粒径に対して画像形成層の膜厚が厚いと、
熱により表面に疎水性領域を生じさせる化合物の粒子が
画像形成層の表面あるいは下面に局在しやすくなり、画
像形成機能を制御することが困難となる。また、画像形
成層表面における疎水性領域を生じさせる化合物の粒子
の露出率も印刷適性に非常に重要であり、露出率が30
%を越えると物理的接触面が疎水性に変化し、また接触
しなくても大気中の汚れを吸着しやすいため、印刷時に
非画像部の汚れが発生しやすい。
【0043】本発明の感熱性平版印刷版Aの表面は、
0.2μm以上1.2μm以下、好ましくは0.3μm
以上0.8μm以下の中心線平均粗さ(Ra)を有して
おり、かつ、25℃の水に対する溶解減量が10%以下
であることが好ましい。本発明の感熱性平版印刷版Aに
おいて、光熱変換を生じさせる化合物(光熱変換剤)を
存在させると、レーザーなどの光の照射により光熱変換
が起こり加熱され、親水性から疎水性ヘの物性変化を得
ることができ、レーザーなどの光を利用した像形成は高
精度な書き込みを可能にする。本発明の感熱性平版印刷
版Aを、簡易な印刷を行うシステムに利用する場合に
は、光熱変換剤を存在させなくてもよいが、本発明の感
熱性平版印刷版Aには、光熱変換剤を用いることが好ま
しい。光熱変換剤を本発明の感熱性平版印刷版Aに存在
させることによって、サーマルヘッド等により加熱して
書き込みを行なう以外に、高出力なレーザーなどの光を
利用した高精度な書き込みができるようになる。光熱変
換剤は、光熱変換によって発生した熱を効率的に画像形
成に至らせるために、親水性層、画像形成層、その上
層、あるいは、下層の少なくとも一層に存在させる必要
がある。
【0044】光熱変換剤は、光を吸収し効率よく熱に変
換する材料が好ましく、使用する光源によって異なる
が、例えば、近赤外光を放出する半導体レーザーを光源
として使用する場合、近赤外に吸収帯を有する近赤外光
吸収剤が好ましく、これら近赤外光吸収剤としては、例
えば、カーボンブラック、シアニン系色素、ポリメチン
系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チ
オピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキ
ノン系色素等の有機化合物、フタロシアニン系、アゾ
系、チオアミド系の有機金属錯体などが好適に用いら
る。具体的には、特開昭63−139191号公報、同
64−33547号公報、特開平1−160683号公
報、同1−280750号公報、同1−293342号
公報、同2−2074号公報、同3−2659З号公
報、同3−30991号公報、同3−34891号公
報、同3−36093号公報、同3−36094号公
報、同3−36095号公報、同3−42281号公
報、同3−97589号公報、同3−103476号公
報等に記載の化合物が挙げられる。これらは1種または
2糎以上を組み合わせて用いることができる。光熱変換
剤は、蒸着膜として使用することも可能であり、光熱変
換剤の蒸着膜としては、例えば、カーボンブラックの蒸
着膜、特開昭52−20842号公報に記載の金、銀、
アルミニウム、クロム、ニッケル、アンチモン、テル
ル、ビスマス、セレン等のメタルブラックの蒸着膜、コ
ロイド銀を含有する蒸着膜等を挙げることができる。光
熱変換剤層を画像形成層とは別の層に存在させる場合、
光熱変換剤層にバインダーを含有させることが好まし
い。バインダーとしては、Tgが高く、熱伝導率の高い
樹脂を用いることも好ましく、例えば、ポリメタクリル
酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルセ
ルロース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アラ
ミド等の一般的な耐熱性樹脂を使用することができる。
【0045】また、バインダーとしては、水溶性ポリマ
ーも用いることもできる。水溶性ポリマーは光照射時の
耐熱性がよく、過度な加熱に対しても、所謂、飛散が少
ない点で好ましい。水溶性ポリマーを用いる場合には、
光熱変換物質をスルホ基を導入する等の手段により水溶
性に変性したり、水系分散したりして用いることが望ま
しい。ゼラチン、PVAは水溶性の赤外吸収色素の凝集
が少なく、光熱変換層が安定にコーティングでき、記録
媒体の保存性に優れ、赤外吸収色素の凝集による色濁
り、感度低下がなく好ましい。光熱変換層の膜厚は0.
1〜3μmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0
μmである。光熱変換層における光熱転換剤の含有量
は、通常、画像記録に用いる光源の波長での吸光度が
0.3〜3.0、更に好ましくは0.7〜2.5になる
ように決めることができる。
【0046】次に、本発明の持体上に、自己造膜性微粒
子及び熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子を含
有する画像形成層を有する感熱性平版印刷版(以下、本
発明の感熱性平版印刷版Bということもある。)につい
て詳細に説明する。
【0047】本発明の感熱性平版印刷版Bにおける画像
形成層は、熱により表面に疎水性領域を生じさせる化合
物を含有しており、像様に加熱することにより、像様に
疎水性領域を形成し平版印刷版として機能するようにな
る。画像形成層に用いられる自己造膜性微粒子として
は、先に述べた自己造膜性微粒子が挙げられるが、無機
粒子が好ましく、更に、コロイダルシリカが好ましい。
無機粒子を用いる場合、無機粒子は用いられる自己造膜
性微粒子の60〜100%であることが好ましい。更
に、コロイダルシリカを用いる場合、コロイダルシリカ
は用いられる自己造膜性微粒子の60〜100%とする
ことが好ましい。自己造膜性微粒子及び熱により表面に
疎水性領域を生じさせる粒子を含有する画像形成層に
は、自己造膜性微粒子として自己造膜性有機微粒子を用
いてもよく、また、親水性樹脂を含有させてもよいが、
自己造膜性有機微粒子及び親水性樹脂を共に含有させな
いことが好ましい。
【0048】本発明の感熱性平版印刷版Bの画像形成層
には、自己造膜性微粒子と共に自己非造膜性粒子を含有
させることができる。画像形成層に用いられる自己非造
膜性粒子としては、先に述べた自己非造膜性粒子が挙げ
られるが、無機粒子が好ましい。また、用いる自己非造
膜性粒子のコ−ルカウンター法による平均粒径は、画像
形成層膜厚の60〜200%であることが好ましい。本
発明の感熱性平版印刷版Bにおける画像形成層は、上記
自己造膜性微粒子と共に熱により表面に疎水性領域を生
じさせる化合物よりなる粒子を含有しており、像様に加
熱することにより、像様に疎水性領域を形成し平版印刷
版として機能するようになる。本発明の感熱性平版印刷
版Bの画像形成層に用いられる熱により表面に疎水性領
域を生じさせる粒子としては、感熱性平版印刷版Aの説
明において述べた熱により表面に疎水性領域を生じさせ
る粒子が挙げられる。
【0049】本発明の感熱性平版印刷版Bにおいて用い
られる熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子は、
軟化温度が80〜150℃、最大針入速度が100〜8
00μm/minである粒子が好ましい。ここで、軟化
温度及び最大針入速度は下記の測定方法で測定された値
をいう。
【0050】(軟化温度)軟化温度は、JIS K71
96「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機
械分析による軟化温度試験方法」に基づき算出すること
ができる。
【0051】(最大針入速度)上記軟化温度測定におけ
るTMA曲線(温度/変形量)において、曲線の傾きが
最大の点、即ち、探針の下降速度が最大の点における針
の下降速度(μm/min.)を求め、最大針入速度と
した。また、熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒
子の最適なサイズは、粒子の軟化温度、加熱時の流動速
度、周囲への濡れ特性などに依存するが、コールカウン
ター法による平均粒子径が0.2〜5.0μmであるこ
とが好ましく、より好ましくは0.5〜3.0μmであ
る。粒子径が小さすぎると加熱時に、表面を親水性から
疎水性に変えることが不可能となり、粒子径が大きすぎ
ると感度の低下、画像解像度の低下が生じる。
【0052】熱により表面に疎水性領域を生じさせる化
合物は、画像形成層に0.5〜90重量%の範囲で使用
することが好ましく、より好ましくは10〜50重量%
の範囲で使用することである。これら化合物の含有量が
少ないと熱により表面を親水性から疎水性に変えること
が不可能となり、また、含有量が多いと非画像部の親水
性が低下し、印刷時汚れが発生してしまう。本発明の感
熱性平版印刷版Bの画像形成層は、その膜厚を、加熱に
より表面に疎水性領域を生じさせる化合物の粒子の粒径
との関係で制御することが好ましい。実際には、画像形
成層の膜厚を、コールター法による平均粒径が最大であ
る熱により表面に疎水性領域を生じさせる粒子の平均粒
径の110〜250%とすることが好ましい。熱により
表面に疎水性領域を生じさせる粒子の粒径に対して膜厚
が薄いと、常に粒子が表面に露出することになり、印刷
時に非画線部が非常に汚れやすくなる。更に、膜厚が薄
いと露出した粒子の突起部が高くなり、物理的接触によ
り表面が疎水性に変化し易くなったしまう。また、熱に
より表面に疎水性領域を生じさせる粒子の粒径に対して
画像形成層の膜厚が厚いと、熱により表面に疎水性領域
を生じさせる粒子が画像形成層の表面あるいは下面に局
在しやすくなり、画像形成機能を制御することが困難と
なってしまう。
【0053】また、画像形成層表面における熱により表
面に疎水性領域を生じさせる粒子の露出率は印刷適性に
対して非常に重要な影響を与え、露出率が30%を越え
ると物理的接触面が疎水性に変化し、また、接触しなく
ても大気中の汚れを吸着しやすいため、印刷時に非画像
部の汚れが発生し易いので、本発明の感熱性平版印刷版
Bにおいては、露出率を30%以下とすることが好まし
い。本発明の感熱性平版印刷版Bにおいて、本発明の感
熱性平版印刷版Aと同様に光熱変換を生じさせる化合物
(光熱変換剤)を存在させると、レーザーなどの光の照
射により光熱変換が起こり加熱され、親水性から疎水性
ヘの物性変化を得ることができ、レーザーなどの光を利
用した像形成は高精度な書き込みを可能にする。本発明
の感熱性平版印刷版Bを、簡易な印刷を行うシステムに
利用する場合には、光熱変換剤を存在させなくてもよい
が、本発明の感熱性平版印刷版Bには、光熱変換剤を用
いることが好ましい。光熱変換剤を本発明の感熱性平版
印刷版Bに存在させることによって、サーマルヘッド等
により加熱して書き込みを行なう以外に、高出力なレー
ザーなどの光を利用した高精度な書き込みができるよう
になる。光熱変換剤は、光熱変換によって発生した熱を
効率的に画像形成に至らせるために、画像形成層、その
上層、あるいは、下層の少なくとも一層に存在させる必
要がある。
【0054】用いることができる光熱変換剤としては、
本発明の感熱性平版印刷版Aの説明において挙げた光を
吸収し効率よく熱に変換する材料が挙げられ、これら光
を吸収し効率よく熱に変換する材料は1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。光熱変換剤は、
蒸着膜として使用することも可能であり、光熱変換剤の
蒸着膜としては、本発明の感熱性平版印刷版Aの説明に
おいて挙げた蒸着膜を挙げることができる。光熱変換剤
層を画像形成層とは別の層に存在させる場合、光熱変換
剤層にバインダーを含有させることが好ましい。バイン
ダーとしては、Tgが高く、熱伝導率の高い樹脂を用い
ることも好ましく、これらバインダーとしては、本発明
の感熱性平版印刷版Aの説明において挙げたバインダー
を挙げることができる。 光熱変換層を別層賭して設け
る場合、その膜厚は0.1〜3μmが好ましく、より好
ましくは0.2〜1.0μmである。光熱変換層におけ
る光熱転換剤の含有量は、通常、画像記録に用いる光源
の波長での吸光度が0.3〜3.0、更に好ましくは
0.7〜2.5になるように決めることができる。ま
た、これらの化合物を親水性支持体上に層状に設けた
後、画像形成し非画像部を水または印刷機上の湿し水等
により除去することで平版印刷版を形成することも完全
なドライシステムとは厳密には言えないが、非画像部の
親水性が非常に高く保つことが容易となり非常に好まし
い態様の一つである。
【0055】本発明の支持体に適用できる液体現像を伴
わない画像形成処理方法としては、従来公知の画像形成
方法が好適に利用できる。
【0056】本発明の画像形成層は、膜厚を、加熱によ
り表面に疎水性領域を形成する粒子の粒径との関係で制
御する必要がある。実際には画像形成層の膜厚を、コー
ルター法による平均粒径が最大である熱により表面に疎
水性領域を生じさせる粒子の平均粒径の110〜250
%とする。熱により表面に疎水性領域を形成する粒径に
対して膜厚が薄いと、常に粒子が表面に露出することに
なり、印刷時に非画線部が非常に汚れやすくなる。ま
た、露出した粒子の突起部が高くなる程、物理的接触に
より表面が疎水性に変化しやすい。粒径に対して画像形
成層の膜厚が厚いと、熱により表面に疎水性領域を形成
する粒子が画像形成層の表面あるいは下面に局在しやす
くなり、画像形成機能を制御することが困難となる。ま
た、画像形成層表面における疎水性領域を形成する粒子
の露出率も印刷適性に非常に重要であり、露出率が30
%を越えると物理的接触面が疎水性に変化し、また接触
しなくても大気中の汚れを吸着しやすいため、印刷時に
非画像部の汚れが発生しやすい。画像形成層表面におけ
る、熱により疎水性領域を生じさせる粒子の露出率は、
疎水性領域を生じさせる粒子が充分に溶融及び流動する
温度まで画像形成層を加熱し、加熱前後の表面形状の変
化を走査型電子顕微鏡で観察する。表面において新たに
凹状のくぼみが発生している部分が、熱により疎水性領
域を生じさせる粒子が露出していた部分であり、観察面
積における凹状のくぼみの面積率(%)を画像処理装置
によって計測する。画像形成層の支持体は加熱温度に充
分に耐えられるものを用い、また、疎水性領域を生じさ
せる粒子の周囲の破壊を防止するため、急激な昇温は行
わない。
【0057】本発明の感熱性平版印刷版は、保存時の安
定性を向上させることを目的として、水溶性の保護層を
設けることができる。水溶性保護層の素材は、水洗で容
易に除去できるものであれば構わないが、例えば、水酸
基、カルボキシル基、(2級または3級)アミンを有す
る基、アミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルホン
酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、メルカプト
基、アルキルエーテル基のような親水性基を有する化合
物等、例えば、ポリビニルアルコール、ポリサッカライ
ド、ボリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、
ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシエチル澱粉等が挙げられる。これらの化合物
を単独または2種以上混合したものを主成分として用い
ることができる。
【0058】本発明の感熱性平版印刷版は、あらかじめ
25℃の水に1時間浸漬したときの感熱層の溶解量が1
0%以下となるようにして設計されていることが好まし
い。なお、水溶性保護層を設けた感熱性平版印刷版の場
合は、水溶性保護層を設ける前の状態で測定する。
【0059】25℃の水に1時間浸漬したときの溶解量
が10%以下である感熱層を得るには、親水性樹脂の結
晶性の高い素材を使用、或いは、上述の架橋剤を添加す
ることが好ましく、特に架橋剤の添加が強度の面から有
効である。このように架橋剤を添加した材料を乾燥後に
全面加熱処理を行うことにより高い耐水性を付与するこ
とが可能となる。全面加熱処理の温度は、30〜80℃
の範囲が好ましく、より好ましくは35℃〜70℃、特
に好ましくは40℃〜60℃の範囲である。加熱時間
は、架橋剤の量、種、反応促進剤の有無等によつて異な
り一律ではないが、25℃の水に1時間浸漬したときの
溶解量が10%以下である感熱層が得られるように任意
に設定すればよい。上記の全面加熱処理は乾燥に引き続
いて行うこともできる。また、本発明の感熱性平版印刷
版を使用するに先だって行うこともできる。
【0060】25℃の水に1時間浸漬したときの溶解量
は下記の溶解量の測定法によって測定することができ
る。 「溶解量の測定法」付き量の判っている感熱性平版印刷
版を10cm四方に切断し、常温下で乾燥剤の入ったデ
シケータ内で3時間静置する。これをすばやく取り出し
重量を測定した後、25℃の純水中に浸漬し1時間放置
する。水から取り出した後、DX−700(東京ラミネ
ックス株式会社製)にて、JKワイパーを載置し、下記
条件により搬送することで、膨潤時に高圧とせん断を与
えた。 温度・・・25℃ 圧力・・・2kg/cm 速度・・・30mm/sec この後、60℃にて1時間乾燥後、更に常温下で乾燥剤
の入ったデシケータ内で3時間静置し、すばやく取り出
し重量を測定する。溶解量は付き量に対する処理前の重
量と処理後の重量の差として求められる。このようにし
て溶解量の測定を行うことで、平版印刷版の印刷時に近
い状況で非画像部の強度及び耐水性を確認することがで
きる。
【0061】本発明の親水性層または画像形成層は、上
述の支持体上に公知の方法で形成される 本発明において好ましく用いられる塗設方法には、ディ
ッピング塗布、エアードクター塗布、カーテン塗布、ホ
ッパー塗布等種々の塗布方法を用いることができる。ま
た米国特許第2,781,791号、同第2,941,
898号に記載の方法による2層以上の同時塗布を用い
ることもできる。本発明の感熱性平版印刷版には、親水
性層または画像形成層の側とは反対側に、カール防止や
印字直後に重ね合わせた際のくっつきを防止させるため
に種々の種類のバック層を設けることができる。
【0062】本発明の平版印刷版に画像を形成する方法
としては、サーマルヘッド等による直接的に画像様に熱
エネルギーを付与する方法、高出力光のエネルギーを画
像様に照射し、これを熱エネルギーに変換し付与する方
法が挙げられる。サーマルヘッド等による直接的に画像
様に熱エネルギーを付与する方法は、安価で低解像度ま
たは線画画像の出力を主な目的として使用する場合に好
ましく、高出力光のエネルギーを画像様に照射し、これ
を熱エネルギーに変換し付与する方法は、高精細な書き
込みが容易にできるので、商業印刷のように高解像度ま
たは網画像の出力を主な目的として使用する場合に好ま
しい。画像露光する光源としては、例えば、レーザー、
発光ダイオード、キセノンフラツシュランプ、ハロゲン
ランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タ
ングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光源等を挙
げることができる。高出力光のエネルギーを画像様に照
射するには、所望露光画像のパターンを遮光性材料で形
成したマスク材料を感光材料に重ね合わせ、キセノンラ
ンプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハラ
イドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無
電極光源等を用いて一括露光すればよい。
【0063】発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を
使用して、あるいは、ハロゲンランプ、メタルハライド
ランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZ
T等の光学的シヤツター材料で制御して露光する場合に
は、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能で
あり好ましい。この場合はマスク材料を使用せず、直接
書き込みを行うことができる。露光にレーザーを用いる
と、光をビーム状に絞り、画像データに応じた走査露光
が可能であるため、マスク材料を使用せずに、直接書き
込みを行うことができる。また、レーザーを光源として
用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容
易であり、高解像度の画像形成が可能となる。レーザー
光源としてはアルゴンレーザー、He−Neガスレーザ
ー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に
用いることが可能である。これらの中でも、本発明の平
版印刷版に適した高出力を比較的安価で小型装置に組み
込める点で、半導体レーザー、YAGレーザーの使用が
より好ましい。レーザーの走査露光方法としては、円筒
外面走査、円筒内面走査、平面走査などによる露光方法
がある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付け
たドラムを回転させながらレーザー照射を行う。この場
合、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走
査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料
を固定し、レーザービームを内側から照射する。この場
合、光学系の一部または全部を回転させることにより円
周方向に主走査を行ない、光学系の一部または全部をド
ラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副
走査を行なう。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバ
ノミラーとレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査
を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面
走査及び円筒内面走査は、光学系の精度を高め易く、高
密度記録に適している。
【0064】本発明の感熱性平版印刷版への画像形成
は、上記の画像露光が全てであり、従来のような液体を
用いた現像をして非画像部除去処理を行なわないことが
特徴である。このため、本発明の感熱性平版印刷版への
画像形成を専用の露光装置で行い、得られた平版印刷版
を印刷機に装填して使用することもできるし、また、版
胴上で画像形成を行い、そのまま印刷を行なえるシステ
ムとして利用することもできる。
【0065】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの塗布
面側を15W/m2・minのエネルギーでコロナ放電
処理し支持体を作成した。 《平版印刷版用支持体試料1の作成》上記支持体上に、
下記の親水性層組成物1を、乾燥膜厚が2.0μmにな
るように塗布し、70℃で10分乾燥し、平版印刷版用
支持体試料1を作成した。 (親水性層組成物1) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 70.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:無機処理シリカ 30.0重量部 (サイリシア435:富士シリシア化学株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0066】《平版印刷版用支持体試料2の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物2を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料2を作成した。 (親水性層組成物2) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 55.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己造膜性粒子:コロイダルシリカ 45.0重量部 (スノーテックスXL:日産化学工業株式会社) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0067】《平版印刷版用支持体試料3の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物3を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料3を作成した。 (親水性層組成物3) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 70.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:有機処理シリカ 30.0重量部 (サイロイド7000:グレースジャパン株式会社) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0068】《平版印刷版用支持体試料4の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物4を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料4を作成した。 (親水性層組成物4) 自己造膜性微粒子:アルミナゾル 70.0重量部 (アルミナゾル520:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:有機処理シリカ 30.0重量部 (サイロイド7000:グレースジャパン株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0069】《平版印刷版用支持体試料5の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物5を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料5を作成した。 (親水性層組成物5) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 60.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:有機処理シリカ 30.0重量部 (サイロイド7000:グレースジャパン株式会社製) メラミン架橋剤 10.0重量部 (スミレーズレジン613:住友化学株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0070】《平版印刷版用支持体試料6の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物6を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料6を作成した。 (親水性層組成物6) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 60.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:フッ素系粒子 30.0重量部 (AD−1:旭硝子株式会社製) メラミン架橋剤 10.0重量部 (スミレーズレジン613:住友化学株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0071】《平版印刷版用支持体試料7の作成》親水
性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物7を用いた
以外は平版印刷版用支持体試料1と同様にして平版印刷
版用支持体試料7を作成した。 (親水性層組成物7) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 70.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:シリカ 30.0重量部 (サイロイドP403:グレースジャパン株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0072】《平版印刷版用支持体試料8(比較)の作
成》上記支持体上に、下記の親水性層組成物8を、乾燥
膜厚が2.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥
した。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、平版
印刷版用支持体試料8を作成した。 (親水性層組成物8) ゼラチンバインダー 90.0重量部 ホルムアデヒド 10.0重量部 純水で固形分8%になるように調液する。
【0073】《平版印刷版用支持体試料9(比較)の作
成》上記支持体上に、下記の親水性層組成物9を、乾燥
膜厚が3.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥
した。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、平版
印刷版用支持体試料9を作成した。 (親水性層組成物9) ゼラチンバインダー 60.0重量部 微小粒径フィラー 30.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) ホルムアデヒド 10.0重量部 純水で固形分8%になるように調液する。
【0074】《平版印刷版用支持体試料10(比較)の
作成》親水性層組成物1に代え、下記の親水性層組成物
10を用いた以外は平版印刷版用支持体試料1と同様に
して平版印刷版用支持体試料試料10を作成した。 (親水性層組成物10) ゼラチンバインダー 66.7重量部 シリカ粒子 33.3重量部 (サイロイド622:グレースジャパン株式会社製) 純水で固形分7.2%になるように調液する。
【0075】《平版印刷版用支持体試料11(比較)の
作成》上記平版印刷版用支持体試料10上に、メラミン
架橋剤の0.4%液を上記と同一のウェット膜厚となる
ように塗布し、50℃で5分乾燥した。次いで、55℃
で3時間全面加熱処理をし、平版印刷版用支持体試料1
1を作成した。
【0076】平版印刷版用支持体試料1〜11の作成に
用いた自己非造膜性粒子の詳細について表1に示す。ま
た、親水性層の膜厚を表2に示す。また、表面の中心線
表面粗さ(Ra)、溶解減量(非画像部、γh)、印刷
汚れ、膜強度を求めた。得られた結果を表2に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】実施例2 《感熱性平版印刷版1の作成》支持体上に、下記の画像
形成層組成物1を、乾燥膜厚が3.0μmになるよう塗
布し、50℃で5分乾燥した。次いで、55℃で3時間
全面加熱処理をし、画像形成層1を有する感熱性平版印
刷版1を作成した。 (画像形成層組成物1) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 40.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:無機処理シリカ 30.0重量部 (サイリシア435:富士シリシア化学株式会社製) ワックスエマルジョン 14.0重量部 (A101:岐阜セラック株式会社製) メラミン樹脂 固形分として5.0重量部 (Sumirez Resin 613:住友化学社製) 有機アミン塩 固形分として1.0重量部 (Sumirez Accerelator ACX−P:住友化学社製) カーボンブラック 固形分として10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。
【0080】《感熱性平版印刷版2の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物2を、乾燥膜厚が1.5μ
mになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次いで、
55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層2を形成
した。 (画像形成層組成物2) ポリビニルアルコール 20.0重量部 (Z100:日本合成化学株式会社製) ワックスエマルジョン 30.0重量部 (A101:岐阜セラック株式会社製) 無機処理シリカ粒子 30.0重量部 (サイリシア435:富士シリシア化学株式会社製) メラミン樹脂 固形分として5.0重量部 (Sumirez Resin 613:住友化学社製) 有機アミン塩 固形分として 1.0重量部 (Sumirez Accerelator ACX−P:住友化学社製) カーボンブラック 固形分として14.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) この後、前記平版印刷版支持体用組成物3を、乾燥膜厚
が0.5μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥し
た。次いで55℃で3時間全面加熱処理を行い、親水性
層3を形成し感熱性平版印刷版2を作成した。
【0081】《感熱性平版印刷版3の作成》平版印刷版
用支持体3上に、下記組成の熱架橋性の画像形成層組成
物3を乾燥膜厚が1.0μmになるよう塗布し、40℃
で10分乾燥し、画像形成層3を有する感熱性平版印刷
版3を作成した。 (熱架橋性の画像形成層組成物3) ブロックイソシアネート 100.0重量部 (エラストロンBN69:第一工業製薬株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。上記感熱性平
版印刷版1〜3を半導体レーザー(波長830nm、出
力500mW)で画像露光を行った。レーザー光径はピ
ークにおける強度の1/e2で10μmであった。ま
た、解像度は走査方向、副走査方向とも2400dpi
とした。
【0082】《感熱性平版印刷版4、5の作成》 [バインダーの合成]窒素気流を通している三ツ口フラ
スコに2−ヒドロキシエチルメタアクリルアミド35
部、メタアクリル酸3部、メタアクリル酸メチル30
部、アクリロニトリル25部、メタアクリル酸エチル2
部、ラウリルアクリレート5部を入れ、エタノール50
0部、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を添
加し、窒素気流中で80℃のオイルバスで6時間反応さ
せた。その後、反応停止剤としてハイドロキノンを10
部添加し反応を終了させた。反応終了後、反応液を室温
まで冷却し水中で結析させこれを濾過・乾燥することで
目的の化合物を得た。得られた化合物の重量平均分子量
はGPCによるプルラン標準、N,N−ジメチルホルム
アミド溶媒で測定したところ13万であった。上記で作
成したバインダーを使用し、厚さ100μmPET上
に、下記の転写型組成物4を、乾燥膜厚2.0μmとな
るように塗布し、80℃で3分間乾燥し、転写性層4を
形成した。 (転写型組成物4) アクリル系共重合体 35.0重量部 3,3′,4,4′−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフ エノン 4.0重量部 エチレンオキサイド変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌルエート 35.0重量部 ポリテトラメチレングリコールジアクリレート 10.0重量部 多官能ウレタンアクリレート 5.0重量部 (15HA:新中村化学工業株式会社製) 2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5− メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート 0.5重量部 フッ素系界面活性剤 0.5重量部 (FC−431:住友スリーエム(株)製) 赤外線吸収色素 8.0重量部 (CY−9:日本化薬株式会社製) シランカップリング剤 8.0重量部 (TSL8370:東芝シリコーン社製) これら組成物をシクロヘキサノン/メチルエチルケトン
=1/1で固形分8%になるように調液した。このよう
にして作成した転写型シートを、前記平版印刷版用支持
体3と重ね合わせ、レーザー露光することにより画像を
形成し感熱性平版印刷版4を作成した。更に、画像作成
後、150℃で1分間熱処理を行い感熱性平版印刷版5
を作成した。
【0083】《感熱性平版印刷版6の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物5を、乾燥膜厚が1.5μ
mになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次いで、
55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層5を形成
した。 (画像形成層組成物5) ポリビニルアルコール 23.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) ワックスエマルジョン 35.0重量部 (A101:岐阜セラック株式会社製) 無機処理シリカ粒子 35.0重量部 (サイリシア435:富士シリシア化学株式会社製) メラミン樹脂 固型分として6.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 有機アミン塩 固型分として1.0重量部 (Sumirez Accerelator ACX−P:住友化学社製) 次いで、下記の親水性組成物6を、乾燥膜厚が0.5μ
mになるように塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理を行い、親水性層11
を形成し感熱性平版印刷版6を作成した。 (親水性層組成物11) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 85.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) カーボンブラック 固型分として15.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) 純水で固形分8%になるように調液する。 《感熱性平版印刷版7の作成》感熱性平版印刷版2上
に、下記の水溶性保護層組成物1を、乾燥膜厚が0.5
μmになるように塗布し、40℃で10分乾燥し、水溶
性保護層1を形成し感熱性平版印刷版7を作成した。 (水溶性保護層組成物1) ポリビニルアルコール 100.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 純水で固型分5%となるように調液する。
【0084】上記感熱性平版印刷版6、7を半導体レー
ザー(波長830nm、出力500mW)で画像露光を
行った。レーザー光径はピークにおける強度の1/e2
で10μmであった。また、解像度は走査方向、副走査
方向とも2400dpiとした。得られた感熱性平版印
刷版1〜7の種別、画像形成要素、層数、層構成、画像
形成層の膜厚を一覧として表3に示す。また、得られた
感熱性平版印刷版1〜7について、表面の中心線表面粗
さ(Ra)、溶解減量(非画像部、画像部、γh)、印
刷汚れ、膜強度、感度、印刷再現性、着肉性、水幅、ド
ットゲインを求めた。得られた結果を表3及び4に示
す。
【0085】《印刷汚れ、膜強度、感度、印刷再現性、
着肉性、水幅、ドットゲイン》175線の画像をベタ部
が均一に転写されるのに必要とされる露光エネルギーで
作成し、印刷機(ハイデルGTO)で、コート紙、印刷
インキ(東洋インキ製造(株)社製:ハイプラスM紅)
及び湿し水(コニカ(株)社製:SEU−32.5%水
溶液)を用いて印刷を行い、下記の方法により、刷り出
し時及び10000枚後の印刷汚れ、膜強度、感度、印
刷再現性、着肉性、水幅、ドットゲインを評価した。 (印刷汚れの評価)印刷開始からM濃度がマクベス反射
濃度計での測定値で最終濃度領域の95%以上の濃度
(最終濃度部14であれば1.33以上の濃度)になる
迄に要するヤレ紙(損紙)の枚数を下記の5段階で評価
した。 ○・・・10枚以下 ○△・・11〜20 △・・・21〜30 △×・・31〜50 ×・・・51〜 (膜強度の評価)印刷枚数10,000枚となったとこ
ろで親水性層の剥離の程度をルーペ及び目視により以下
のように評価した。 ◎・・・変化なし ○・・・部分的に微点状剥離 △・・・全面に微点状剥離 ×・・・点状剥離 ここで微点とは、点の面積を真円とした時の直径が0.
5mm以下のものを示す。 (感度の評価)上記印刷条件において、露光部のベタ部
が均一にインクを受容するのに必要な露光エネルギー
(mj/cm2)で評価した。 (印刷再現性の評価)適性濃度、適性水条件で175線
0、2、4、6、8、10、20、30、40、50、
60、70、80、90、92、94、96、98、1
00%画像の印刷を行い、100倍のルーペを用いて再
現領域を調べた。 (着肉性の評価)10,000枚印刷時の紙面で、上記
感度評価で求めた露光エネルギー(mj/cm2)領域
において、マクベス反射濃度計でのM濃度を刷り出し時
と比較し、以下のように評価した。 ◎・・・濃度変化が刷り出し時の90%以上 ○・・・濃度変化が刷り出し時の80%以上 △・・・濃度変化が刷り出し時の70%以上 ×・・・濃度変化が刷り出し時の60%以下 (水幅の評価)通常の水−インキバランスから水をダイ
ヤル値で1及び2絞った条件で印刷を行い設定変更後5
00枚印刷時の汚れの発生状況で水幅適性を確認した。 ○・・・2絞り条件で汚れなし △・・・1絞り条件で汚れなし ×・・・1絞りで汚れ (ドットゲインの評価)適性濃度、適性水条件で175
線0、2、4、6、8、10、20、30、40、5
0、60、70、80、90、92、94、96、9
8、100%画像の印刷を行い、X−RITEを用い、
0−100補正を行い印刷物の再現面積率を測定し、画
像データとの差をドットゲイン量とした。
【0086】
【表3】
【0087】
【表4】
【0088】実施例3 《感熱性平版印刷版8の作成》平版印刷版用支持体上
に、下記の画像形成層組成物8を、乾燥膜厚が5.0μ
mになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次いで、
55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層8を有す
る感熱性平版印刷版8を作成した。 (画像形成層組成物8) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 15.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 18.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 平均粒径5.0μmワックスエマルジョン 55.0重量部 (A110:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として20重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0089】《感熱性平版印刷版9の作成》平版印刷版
用支持体上に、下記の画像形成層組成物9を、乾燥膜厚
が5.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥し
た。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形
成層9を有する感熱性平版印刷版9を作成した。 (画像形成層組成物9) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 10.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 15.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 自己非造膜性粒子:平均粒径12μmアクリル樹脂 8.0重量部 (ジュリマーMB−10:日本純薬株式会社製) 平均粒径5.0μmワックスエマルジョン 55.0重量部 (A110:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.00重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として2.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0090】《感熱性平版印刷版10の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物10を、乾燥膜厚が5.0
μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層10
を有する感熱性平版印刷版10を作成した。 (画像形成層組成物10) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 25.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 4.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 自己非造膜性粒子:平均粒径12μmアクリル樹脂 5.0重量部 (ジュリマーMB−10:日本純薬株式会社製) 平均粒径5.0μmワックスエマルジョン 55.0重量部 (A110:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として1.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0091】《感熱性平版印刷版11の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物11を、乾燥膜厚が5.0
μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層11
を有する感熱性平版印刷版11を作成した。 (画像形成層組成物11) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 30.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 10.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 自己非造膜性粒子:平均粒径12μmアクリル樹脂 18.0重量部 (ジュリマーMB−10:日本純薬株式会社製) 平均粒径5.0μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (All0:岐阜セラツク株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として2.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0092】《感熱性平版印刷版12の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物12を、乾燥膜厚が3.0
μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層12
を有する感熱性平版印刷版12を作成した。 (画像形成層組成物12) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 40.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:平均粒径4μmアクリル樹脂 20.0重量部 (ジュリマーMB−S:日本純薬株式会社製) 平均粒径2.0μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (A212:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0093】《感熱性平版印刷版13の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物13を、乾燥膜厚が3.0
μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層13
を有する感熱性平版印刷版13を作成した。 (画像形成層組成物13) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 60.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 平均粒径2.0μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (A212:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0094】《感熱性平版印刷版14の作成》支持体上
に、下記の画像形成層組成物14を、乾燥膜厚が3.0
μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥した。次い
で、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像形成層14
を有する感熱性平版印刷版14を作成した。 (画像形成層組成物14) 自己造膜性微粒子:コロイダルシリカ 45.0重量部 (スノーテックスS:日産化学工業株式会社) 自己非造膜性粒子:平均粒径2.0μm溶融シリカ 20.0重量部 (FB−01:電気化学工業株式会社製) 平均粒径1.5μmワックスエマルジョン 25.0重量部 (A101:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0095】《感熱性平版印刷版15(比較)の作成》
上記支持体上に、下記の画像形成層組成物15を、乾燥
膜厚が3.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥
した。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像
形成層15を有する感熱性平版印刷版15を作成した。 (画像形成層組成物15) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 40細重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 自己非造膜性粒子:平均粒径2.0μm溶融シリカ 15.0重量部 (FB−01:電気化学工業株式会社製) 平均粒径2.0μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (A212:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として5.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0096】《感熱性平版印刷版16(比較)の作成》
上記支持体上に、下記の画像形成層組成物16を、乾燥
膜厚が3.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥
した。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像
形成層16を有する感熱性平版印刷版16を作成した。 (画像形成層組成物16) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 40.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 自己非造膜性粒子:平均粒径4.0μmアクリル樹脂 15.0重量部 (ジュリマーMB−S:日本純薬株式会社製) 平均粒径2.0μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (A212:岐阜セラック株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として5.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0097】《感熱性平版印刷版17(比較)の作成》
上記支持体上に、下記の画像形成層組成物17を、乾燥
膜厚が3.0μmになるよう塗布し、50℃で5分乾燥
した。次いで、55℃で3時間全面加熱処理をし、画像
形成層17を有する感熱性平版印刷版17を作成した。 (画像形成層組成物17) 親水性樹脂:ポリビニルアルコール 55.0重量部 (Z−100:日本合成化学株式会社製) 平均粒径1.2μmワックスエマルジョン 30.0重量部 (V414P:住友精化学株式会社製) カーボンブラック 10.0重量部 (SD9020:大日本インキ株式会社製) メラミン樹脂 固型分として5.0重量部 (Sumirez Resin613:住友化学社製) 純水で固形分濃度8%となるように調液する。
【0098】表5に感熱性平版印刷版8〜17の構成の
概略、膜厚、表面露出度を示す。上記感熱性平版印刷版
8〜17を半導体レーザー(波長830nm、出力50
0mW)で画像露光を行った。レーザー光径はピークに
おける強度の1/e2で10μmであった。また、解像
度は走査方向、副走査方向とも2400dpiとした。
感熱性平版印刷版8〜17について、実施例2と同様に
して刷り出し時の印刷汚れ、印刷再現性、着肉性、水
幅、ドットゲインを評価した。また、耐刷性を評価し
た。得られた結果を表5に示す。
【0099】
【表5】
【0100】
【発明の効果】本発明の平版印刷用支持体はエッチ処理
することなく高い親水性と耐刷性を有し、印刷適性、刷
りだし汚れ、汚し回復、解像度、ドットゲイン、耐薬品
性が向上した平版印刷版が得ることができる。また、本
発明の感熱性平版印刷版は、現像処理、エッチ処理など
の煩雑なプロセスを経ることなく画像を作成でき、高い
親水性と耐刷性を有し、優れた印刷適性、刷りだし汚
れ、汚し回復、解像度、ドットゲイン、耐薬品性を有し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA02 AA06 AA07 AA08 AA12 AB03 AC08 AD01 AD03 BH03 CC20 DA19 DA20 DA36 FA03 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 CA05 CA20 EA04 LA16 2H114 AA04 AA22 AA24 BA01 DA03 DA15 DA26 DA44 DA45 DA49 DA52 DA56 DA59 DA73 DA78 EA01 EA03 EA05 FA16 GA34 GA38

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径の異なる同一骨格を有する粒子
    を含有する親水性層を有することを特徴とする平版印刷
    版用支持体。
  2. 【請求項2】 自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子
    を含有する親水性層を有することを特徴とする平版印刷
    版用支持体。
  3. 【請求項3】 自己造膜性微粒子及び自己非造膜性粒子
    のみからなる親水性層を有することを特徴とする請求項
    2に記載の平版印刷版用支持体。
  4. 【請求項4】 自己造膜性微粒子が、無機粒子であるこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載の記載の平版印
    刷版用支持体。
  5. 【請求項5】 自己造膜性微粒子が、平均粒径1〜10
    0nmの粒子であることを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  6. 【請求項6】 自己非造膜性粒子が、平均粒径0.2〜
    10μmの粒子であることを特徴とする請求項2〜5の
    いずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  7. 【請求項7】 自己造膜性微粒子が、親水性層の50〜
    99%の範囲を占めることを特徴とする請求項2〜6の
    いずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  8. 【請求項8】 自己非造膜性粒子が、シリカ、アクリル
    樹脂及び酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも一種
    を有する粒子であることを特徴とする請求項2〜7のい
    ずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  9. 【請求項9】 自己非造膜性粒子が、表面に無機処理及
    び有機処理から選ばれた少なくとも一つの処理が施され
    たシリカ粒子であることを特徴とする請求項2〜8のい
    ずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  10. 【請求項10】 自己造膜性微粒子が、コロイダルシリ
    カまたはアルミナゾルであることを特徴とする請求項2
    〜9のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  11. 【請求項11】 親水性層の膜厚が、1〜50μmであ
    ることを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の
    平版印刷版用支持体。
  12. 【請求項12】 親水性層表面が、乾燥後において、
    0.2μm以上1.2μm以下の中心線表面粗さ(R
    a)を有しており、かつ、親水性層の25℃の水に対す
    る溶解減量が10%以下であることを特徴とする請求項
    2〜11のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  13. 【請求項13】 親水性層の吸水量が、0.1〜30g
    /m2であることを特徴とする請求項2〜12のいずれ
    かに記載の平版印刷版用支持体。
  14. 【請求項14】 親水性層が、コールター法による粒径
    分布で、異なる2つ以上のピークを有する粒径分布を示
    す塗工液を用いて形成された親水性層であることを特徴
    とする請求項2〜13のいずれかに記載の平版印刷版用
    支持体。
  15. 【請求項15】 親水性層の平均粒径の大きい粒子が、
    AFMを用いた観察法による粒径で、測定面内で小さい
    ほうからの10点平均粒径に対し、5倍以上大きい粒径
    を有する粒子であることを特徴とする請求項2〜14の
    いずれかに記載の平版印刷版用支持体。
  16. 【請求項16】 支持体上に、自己造膜性微粒子を含有
    する親水性層及び熱により親水性が低下する画像形成層
    を有することを特徴とする感熱性平版印刷版。
  17. 【請求項17】 自己造膜性微粒子が、無機粒子である
    ことを特徴とする請求項16に記載の感熱性平版印刷
    版。
  18. 【請求項18】 自己造膜性微粒子の少なくとも一つ
    が、平均粒径1〜100nmの粒子であることを特徴と
    する請求項16または17に記載の感熱性平版印刷版。
  19. 【請求項19】 親水性層の膜厚が、0.1〜2μmで
    あることを特徴とする請求項16〜18のいずれかに記
    載の感熱性平版印刷版。
  20. 【請求項20】 感熱性平版印刷版の表面が、0.2μ
    m以上1.2μm以下の中心線平均粗さ(Ra)を有し
    ており、かつ、25℃の水に対する溶解減量が10%以
    下であることを特徴とする請求項16〜19のいずれか
    に記載の感熱性平版印刷版。
  21. 【請求項21】 親水性層において、自己造膜性微粒子
    が50〜99%の範囲を占めることを特徴とする請求項
    16〜20のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。
  22. 【請求項22】 自己造膜性微粒子の少なくとも一つ
    が、コロイダルシリカまたはアルミナゾルであることを
    特徴とする請求項16〜21のいずれかに記載の感熱性
    平版印刷版
  23. 【請求項23】 親水性層が、光熱変換剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項16〜22のいずれかに記載の感
    熱性平版印刷版。
  24. 【請求項24】 水溶性樹脂層を有してなることを特徴
    とする請求項16〜23のいずれかに記載の感熱性平版
    印刷。
  25. 【請求項25】 支持体上に、自己造膜性微粒子及び熱
    により表面に疎水性領域を生じさせる粒子を含有する画
    像形成層を有することを特徴とする感熱性平版印刷版。
  26. 【請求項26】 画像形成層が、自己非造膜性粒子を含
    有することを特徴とする請求項25に記載の感熱性平版
    印刷版。
  27. 【請求項27】 画像形成層の自己造膜性微粒子の60
    〜100%が無機微粒子からなることを特徴とする請求
    項25または26に記載の感熱性平版印刷版。
  28. 【請求項28】 画像形成層の自己造膜性微粒子の60
    〜100%がコロイダルシリカであることを特徴とする
    請求項25〜27のいずれかに記載の感熱性平版印刷
    版。
  29. 【請求項29】 画像形成層が、自己造膜性有機微粒子
    及び親水性樹脂を含まないことを特徴とする請求項25
    〜28のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。
  30. 【請求項30】 自己非造膜性粒子が、無機粒子からな
    ることを特徴とする請求項25〜29のいずれかに記載
    の感熱性平版印刷版。
  31. 【請求項31】 自己非造膜性粒子のコ−ルカウンター
    法による平均粒径が、画像形成層膜厚の60〜200%
    であることを特徴とする請求項25〜30のいずれかに
    記載の感熱性平版印刷版。
  32. 【請求項32】 画像形成層の膜厚が、熱により表面に
    疎水性領域を生じさせる粒子のコールター法による平均
    粒径の110〜250%であることを特徴とする請求項
    25〜31記載の感熱性平版印刷版。
  33. 【請求項33】 熱により表面に疎水性領域を生じさせ
    る粒子が、コールター法による平均粒径が0.5〜3μ
    mである粒子であることを特徴とする請求項25〜32
    のいずれかに記載の感熱性平版印刷版。
  34. 【請求項34】 熱により表面に疎水性領域を生じさせ
    る粒子が、画像形成層中に10〜50重量%含有されて
    いることを特徴とする請求項25〜33のいずれかに記
    載の感熱性平版印刷版。
  35. 【請求項35】 熱により表面に疎水性領域を生じさせ
    る粒子の30%以下が、画像形成層表面に露出している
    ことを特徴とする請求項25〜34のいずれかに記載の
    感熱性平版印刷版。
  36. 【請求項36】 熱により表面に疎水性領域を生じさせ
    る粒子が、軟化温度が80〜150℃、最大針入速度が
    100〜800μm/minである粒子であることを特
    徴とする請求項25〜35のいずれかに記載の感熱性平
    版印刷版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007015212A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Fujifilm Holdings Corp 平版印刷用親水性基板
JP2007090564A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Fujifilm Corp 平版印刷版原版の製版方法

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