JP2002018869A - 積層体の製造方法 - Google Patents

積層体の製造方法

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JP2002018869A
JP2002018869A JP2000205103A JP2000205103A JP2002018869A JP 2002018869 A JP2002018869 A JP 2002018869A JP 2000205103 A JP2000205103 A JP 2000205103A JP 2000205103 A JP2000205103 A JP 2000205103A JP 2002018869 A JP2002018869 A JP 2002018869A
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JP
Japan
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cell
mold
injection
thermoplastic resin
resin
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JP2000205103A
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English (en)
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Yoshito Nozaki
義人 野崎
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型のセル内の注入樹脂の流れが均一であり、
未充填部のない良好な積層体(浴槽等)を製造できる方
法を提供する。 【解決手段】 注入樹脂の流れが全体の流れに対して遅
くなる段差部等に注入樹脂を誘導してその注入を補助す
る為のバイパス溝9を設けた雌型4Aを用いて積層体
(浴槽等)を製造する方法。具体的には、あらかじめ所
定の形状に成形された熱可塑性樹脂成形品1と繊維補強
材3を雄型2に被せ、さらに雌型4Aを被せてセルを形
成し、注入口6から重合硬化性樹脂原料10を流し込
み、これを硬化させる積層体(浴槽等)の製造方法。バ
イパス溝9の代わりに、更なる注入口を設け、注入タイ
ミングを遅延させて用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内に重合硬化性
樹脂原料を注入し、これを重合硬化させる浴槽等の積層
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】型内に重合硬化性樹脂原料を注入充満さ
せ、硬化後、離型して得られる重合硬化性樹脂の製品
や、さらに重合硬化性樹脂にガラス繊維を含んだ繊維強
化重合硬化性樹脂(以下「FRP」という)の各種の製
品が上市されている。
【0003】また、熱可塑性樹脂成形品を型の一方に用
い、もう一方の型と組み合わせてセルを形成し、重合硬
化性樹脂原料を注入し、重合硬化して熱可塑性樹脂成形
品と一体化する方法が、特開昭51−91965号公
報、特開平5−237854号公報、特開平9−577
68号公報等に開示されている。具体的には、例えば外
観に優れるアクリル樹脂を表層に用い、裏面をFRPに
より補強した構成の浴槽に使用することが記載されてい
る。
【0004】図4は、型のセル内に重合硬化性樹脂原料
を注入し、重合硬化して積層体を製造する従来法の一例
を、浴槽の場合について示す為の模式図である。
【0005】図4に示す例においては、あらかじめ浴槽
形状に成形された熱可塑性樹脂成形品1とガラスプリフ
ォーム(繊維補強材)3を、ほぼ同形状の雄型2に被
せ、熱可塑性樹脂成形品1と所定の間隔をもって雌型4
Cを配置し、かつ所望により大きい補強板7を浴槽底部
に、小さい補強板8を段差部に配置して、両型2、4C
によりセルを形成し、かつ熱可塑性樹脂成形品1の周辺
部と雌型4Cの周辺部をシールパッキン5にてシール型
締めを行った状態で、雌型4Cのほぼ中央部に設けた注
入口6からセル内に重合硬化性樹脂原料10を流し込
み、注入に伴いセル内の重合硬化性樹脂原料10の未充
填部の空気を排気口11より排気し、これを硬化させ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】型のセル内に重合硬化
性樹脂原料を注入し、重合硬化して浴槽を製造する方法
では、図4に示したように、浴槽のデザイン上、腰掛け
部のような段差部や幅広の肘掛け部など複雑な形状があ
る場合、あるいは、繊維補強材等と共に複数の補強板等
をセル内に配置させる場合において、注入時の樹脂の流
れが不均一となることがある。すなわち、雌型の中心部
の一つの注入口6のみからの注入では、セル内の全てに
重合硬化性樹脂原料10を充填する事は難しく、セル内
の一部で未充填領域を残すことがあり、良好な積層体を
得ることができないことがある。
【0007】本発明は、かかる課題を解決すべくなされ
たものであり、複雑な積層体の形状、セル内構成におい
てでも注入時の樹脂の流れが均一であり、セル内に樹脂
の未充填部のない良好な積層体を製造できる方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、あらかじめ所
定の形状に成形された熱可塑性樹脂成形品単独、あるい
はあらかじめ所定の形状に成形された熱可塑性樹脂成形
品および繊維補強材を、該熱可塑性樹脂成形品とほぼ同
形状の雄型に被せ、該熱可塑性樹脂成形品と所定の間隔
をもって、該雄型と反対側に雌型を配置することによっ
てセルを形成し、該熱可塑性樹脂成形品の周辺部と該雌
型の周辺部をシールして型締めを行った状態で、該雌型
の注入口から該セル内に重合硬化性樹脂原料を流し込
み、これを硬化させる積層体の製造方法において、該注
入口が該雌型に二つ以上設けられており、該二つ以上の
注入口から該重合硬化性樹脂原料を注入すること、ある
いは、該注入口が該雌型に一つ以上設けられており且つ
該重合硬化性樹脂原料の注入を補助するバイパス溝が該
雌型に一つ以上設けられており、該一つ以上の注入口か
ら該重合硬化性樹脂原料を注入することを特徴とする積
層体の製造方法である。
【0009】さらに本発明は、あらかじめ所定の形状に
成形された熱可塑性樹脂成形品単独あるいはあらかじめ
所定の形状に成形された熱可塑性樹脂成形品および繊維
補強材を、該熱可塑性樹脂成形品とほぼ同形状の雄型に
被せ、該熱可塑性樹脂成形品と所定の間隔をもって、該
雄型と反対側に雌型を配置することによってセルを形成
し、該熱可塑性樹脂成形品の周辺部と該雌型の周辺部を
シールして型締めを行った状態で、該雌型の注入口から
該セル内に重合硬化性樹脂原料を流し込み、これを硬化
させる積層体の製造方法において、該注入口が該雌型に
二つ以上設けられており、一つの注入口からの注入時点
より、他の一つ以上の注入口からの注入タイミングを遅
延させて注入することを特徴とする積層体の製造方法で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0011】本発明で使用する所定の形状に成形された
熱可塑性樹脂成形品は、通常は、熱可塑性樹脂板を熱成
形したものである。熱可塑性樹脂板としては、例えば、
アクリル樹脂板、ポリスチレン板、ABS樹脂板または
これらの積層板などが挙げられる。熱可塑性樹脂板の成
形方法としては、例えば、真空成形、圧空成形、プレス
成形等が挙げられる。真空ないし圧空成形には、プラグ
等による補助成形も行うことができる。
【0012】熱可塑性樹脂板の板厚は、特に制限されな
いが、板厚が薄くなりすぎると補強用の重合硬化性樹脂
原料に含まれる溶剤でクラックが発生したり、重合硬化
性樹脂原料の硬化時の発熱による変形や注入時による変
形等が生じることがある。この点から、成形品の板厚が
最も薄いところで0.3mm以上、望ましくは0.8mm
以上とするのが良い。また必要に応じて、熱可塑性樹脂
板に印刷を施したり、フィルムをラミネートすることも
でき、さらにゲルコート樹脂による柄付けも可能であ
る。
【0013】積層体が浴槽である場合には、特に、特公
平6−70098号公報に開示されているアクリル樹脂
板が、熱成形加工性および耐溶剤性に優れているので好
ましい。即ち、メタクリル酸メチル単独またはメタクリ
ル酸メチル60重量%以上とアクリル酸エステル40重
量%以下との単量体混合物を重合開始剤の存在下で重合
させてアクリル樹脂板を製造するにあたり、あらかじめ
単量体全体に対して0.01〜20重量%の連鎖移動剤
を添加してシラップを製造し、次いでその得られたシラ
ップに対して0.02〜1.0重量%の架橋剤を添加して
鋳型中で注型重合させることによって得られるアクリル
樹脂板を使用することが好ましい。
【0014】本発明で使用する繊維強化材としては、ガ
ラス繊維が好ましい。ガラス繊維は、織布や不織布など
のマット形状に成形したり、所定の形状の熱可塑性樹脂
成形品とほぼ同形状に、吹き付けやプレスするなどして
ガラス繊維プリフォームに成形しておくこともできる。
繊維強化材は、重合硬化性樹脂原料を注入するに先立っ
てセル中にセットすることもできる。フィラーやガラス
繊維マットやガラス繊維プリフォーム等の補強材料は、
主に強度を向上させるため、および耐熱性を向上させる
ため混入するもので、その含有率は重合硬化性樹脂原料
との合計量に対して10重量%〜90重量%の範囲で用
いるのが好ましい。
【0015】また、補強材として一枚または複数に分割
したベニヤ板や樹脂板などを繊維強化材と共にセル内に
入れ込み重合硬化性樹脂と一体化することも有効であ
る。補強層の厚みはセル間隔で調整することができる。
【0016】本発明で使用する熱可塑性樹脂成形品とほ
ぼ同形状の雄型および、その熱可塑性樹脂成形品と所定
の間隔をもって配置される雌型としては、エポキシ樹脂
やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを
用いたFRPの型、FRPとレジンコンクリートなどの
積層体からなる型、Ni電鋳の型(FRPの表面にニッ
ケルをコートしたもの)、アルミ合金などの金属の型、
さらにこれらをリブ構造により補強したものなどが挙げ
られる。セル内に充満させた重合硬化性樹脂原料は重合
硬化後、雌型から離型するため、重合硬化性樹脂原料が
接する雌型の面に離型剤を塗布したり、またはテフロン
(登録商標)などの密着しない材料でラミネートしたり
することが好ましい。雄型は押さえ具であるので、熱可
塑性樹脂成形品とほぼ同形状とし、熱可塑性樹脂成形品
を変形させないように保持させるとよい。
【0017】本発明における熱可塑性樹脂成形品と雌型
によって構成されるセル間隔は、重合硬化性樹脂原料が
セル内に完全充填された時に、設定された補強層の厚み
になっていればよく、注入時のセル間隔が完成された積
層体の補強層の厚みと一致している必要はない。すなわ
ち、注入時の重合硬化性樹脂原料の流動抵抗を少なくす
るために、注入時のセル間隔は、完成した積層体の補強
層の厚み+1〜10mmとしてもよい。また注入直後か
ら充填完了までのセル間隔は、雄型と雌型の型締め圧力
を徐々に上げ、一定以上の圧力を加えないように制御
し、セル内の樹脂圧力の極端な上昇を抑えることが望ま
しい。このようにして形成される積層体の全体の厚みは
2〜15mm程度が好ましい。積層体が浴槽である場合
は、浴槽の全体の厚みは5〜15mm程度が好ましい。
【0018】また、熱可塑性樹脂成形品と雌型によって
構成されるセルの周辺部は、パッキン等によりシールし
て、注入された重合硬化性樹脂原料がセル外に漏れない
ようにする。
【0019】本発明に使用する重合硬化性樹脂原料とし
ては、例えば、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ビ
ニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、およ
びこれらを変性した樹脂などが挙げられる。不飽和ポリ
エステル樹脂としては、オルソ型、イソ系、テレ系また
はビス系不飽和ポリエステル樹脂およびこれらのアクリ
ル変性不飽和ポリエステル樹脂並びにオルソ系、イソ
系、テレ系またはビス系不飽和ポリエステル樹脂にアク
リル樹脂を添加した不飽和ポリエステル樹脂などが挙げ
られる。ただし、重合硬化性樹脂原料は、これらに限定
されず、所定の形状に成形された熱可塑性樹脂成形品と
親和性を有し、重合硬化してかかる熱可塑性樹脂成形品
と密着一体化可能なものであればよい。
【0020】重合硬化性樹脂原料には、補強用のフィラ
ーを混合させることができる。フィラーとしては、例え
ば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ガラス繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維など、
従来より知られる各種のフィラーを用いることができ
る。これらは、一種または二種以上を適宜組み合わせて
使用することも可能である。また、これらフィラーに
は、カップリング処理を施すことが好ましい。
【0021】本発明においては、様々な積層体の形状に
対して、重合硬化性樹脂の未充填をなくすために、雌型
に重合硬化性樹脂を注入するための注入口を複数設け
る。その位置は、積層体が浴槽である場合には、腰掛け
部のような段差部、幅広の肘掛け部、その他複雑な形状
および複数に分割された補強板などにより、注入樹脂の
流れが全体の流れに対して遅くなる領域の中央部分等に
設けるとよい。各々の注入口の大きさは、注入条件にも
よるが直径5〜15mmとするのが望ましい。
【0022】また、雌型に注入を補助するバイパス溝を
一個以上設けても良い。この場合、注入口は一つでも良
い。ここで言うバイパス溝とは、注入樹脂が接する雌型
面において、注入口からの注入樹脂を、注入樹脂の流れ
が全体の流れに対して遅くなる領域の中央部分等に誘導
する為のものである。バイパス溝は、例えば注入口と少
なくとも同程度から4倍程度の断面積を持つ溝であるこ
とが好ましい。また、バイパス溝の断面形状は、角形、
半円型など特に規定はなく、脱型時に支障がない形状で
あれば良い。
【0023】以上のように、注入口を複数個設けたり、
あるいはバイパス溝を設けることにより、上記原因によ
る樹脂流れのバランスが良くなり、未充填部の発生を抑
えることができる。
【0024】二つ以上の注入口を設けた場合、2番目以
降の注入口の位置が、主となる1番目の注入口から極端
に離れている場合は、2番目以降の注入口から重合硬化
性樹脂原料を注入するタイミングを、主となる1番目の
注入口から注入するタイミングに対して遅らせることも
好ましい。2番目以降の注入口において注入を遅らせる
時間は、主となる1番目の注入口からの距離や注入条件
により異なるが、主となる1番目の注入口から注入した
重合硬化性樹脂原料が、注入を遅らせる2番目以降の注
入口付近にちょうど到達する時間か、あるいはそれより
も少し前に注入を開始するのが良い。このように注入タ
イミングを遅延させることにより、複数の注入口の間の
領域で発生する未充填部をより良好に抑えることができ
る。
【0025】セル内に充填された重合硬化性樹脂原料を
重合硬化させる際は、硬化発熱により所定の形状の熱可
塑性樹脂成形品が変形することがないように硬化条件を
調整するとよい。この調整は、具体的には、硬化剤量や
雄型、雌型の温度コントロールにより行うことができ
る。
【0026】本発明の積層体の製造方法は、浴槽のみな
らず、洗面ボール及びシャワーパン等の製造に用いるこ
とができる。更に肉薄の熱可塑性樹脂成形品を補助する
際にも適用できる。
【0027】以下、本発明の好適な例のうち、特に浴槽
を製造する場合について、図面により説明する。
【0028】図1は、本発明の方法の一例を示す為の模
式図である。図1に示す例における型4Aの基本的な構
成は図4に示したものと同様であるが、注入口6からの
注入樹脂の流れが全体の流れに対して遅くなり易い領域
である小さい補強板8付近の中央部分に、バイパス溝9
を設けた点が従来技術と異なる。図2は、このバイパス
溝9の具体的な構成を示す為の模式図であり、(a)は
図1のバイパス溝9の部分図、(b)はその部分に対す
る底面図、(c)はさらにそのバイパス溝9の断面図で
ある。このバイパス溝9が注入樹脂を誘導することによ
って、セル内全体の樹脂の流れが均一となり、樹脂の未
充填部のない良好な積層体(浴槽)が得られる。
【0029】図3は、本発明の方法のさらなる一例を示
す為の模式図である。図3に示す例においては、注入口
6からの注入樹脂の流れが全体の流れに対して遅くなり
易い領域である小さい補強板8付近の中央部分に、2番
目の注入口12を設けた点が従来技術と異なる。主とな
る1番目の注入口6と共に、2番目の注入口12からも
樹脂を注入することによって、セル内全体の樹脂の流れ
が均一となり、樹脂の未充填部のない良好な樹脂製浴槽
が得られる。この2番目の注入口12からの注入は、主
となる1番目の注入口6から注入した重合硬化性樹脂原
料が2番目の注入口12付近にちょうど到達する時間
か、あるいはそれよりも少し前に開始することが好まし
い。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0031】[実施例1]本実施例においては、図1に
示した例に従い、以下の通り、積層体から成る浴槽を製
造した。
【0032】まず、熱可塑性樹脂成形品1として、厚さ
5mmのアクリル樹脂板(商品名:PX200 三菱レ
イヨン(株)製)を熱成形により浴槽形状に成形したも
のを用意した。その形状は、腰掛け部、肘掛け部のある
浴槽としては複雑な形状のものとした。雄型2として
は、熱可塑性樹脂成形品1の内表面形状とほぼ同形状の
ものを用いた。
【0033】この雄型2に熱可塑性樹脂成形品1を被
せ、さらにあらかじめ熱可塑性樹脂成形品1とほぼ同形
状にした繊維補強材であるガラスプリフォーム3を熱可
塑性樹脂成形品1の上に被せた。
【0034】雌型4Aは、熱可塑性樹脂成形品1の外表
面(重合硬化性樹脂と接する面)に対して約4mm大き
い形状としたものを用い、これをガラスプリフォーム3
に被せるように配置した。次に、熱可塑性樹脂成形品1
と雌型4Aの周囲を、弾性体のシールパッキン5により
シールし、適当な型締め機を利用して上下から加圧し、
密閉したセルを形成した。
【0035】雌型4Aに設けた注入口6は直径8mmで
大きい補強板7付近に一箇所設け、小さい補強板8付近
には図2のような構造のバイパス溝9を設けた。溝の深
さは深さ約10mm、幅約10mmで、小さい補強板8
の中央から注入口6の方向へ水平に設けた。
【0036】図1のように配置した密閉セルにおいて、
雄型2と雌型4Aの間隔を型締め機により狭めつつ、注
入口6より重合硬化性樹脂原料10を注入した。重合硬
化性樹脂原料10には、不飽和ポリエステル樹脂(商品
名:ユピカ8865P 日本ユピカ(株)製)100重
量部に、触媒(商品名:パーキュアーA 日本油脂
(株)製)1.5重量部を注入直前にスタティックミキ
サーにより混合したものを用いた。この注入に伴い、セ
ル内の重合硬化性樹脂原料10の未充填部の空気は排気
口11より排気された。このようにセル内に充填した重
合硬化性樹脂原料10を重合硬化させ、その後脱型し
て、樹脂製の浴槽を得た。この浴槽は、複雑な形状であ
るにもかかわらず、セル内の一部未充填領域を残すこと
なく充填して重合硬化したものなので、非常に良好な積
層体(浴槽)であった。
【0037】[実施例2]本実施例においては、図3に
示した例に従い浴槽を製造した。
【0038】すなわち、実施例1における雌型4Aの替
わりに、図3に示したような2番目の注入口12が設け
られている雄型4Bを用いて実施した。重合硬化性樹脂
原料10の注入の際は、まず1番目の注入口6より実施
例1と同様の熱硬化性樹脂原料10を注入し、樹脂流れ
が2番目の注入口12に到達するタイミングで2番目の
注入口12からも熱硬化正樹脂原料10を注入させた。
実際に注入口12からの注入を遅延させた時間は、注入
口6と注入口12との距離(実際に熱硬化性樹脂原料1
0が流れる距離)が約450mmであり、熱硬化性樹脂
原料10が注入口6より注入を開始してから約40〜4
5秒後に注入口12に到達したため、遅延時間は40秒
とした。本実施例で得た浴槽は、実施例1で得たものと
同様に、セル内の一部未充填領域を残すことなく充填し
て重合硬化したものなので、非常に良好な積層体(浴
槽)であった。
【0039】[比較例]本比較例においては、図4に示
した例に従い浴槽を製造した。
【0040】すなわち、実施例1における雌型4Aの替
わりに、図4に示したような注入口6のみが設けられて
いる雄型4Cを用い、これ以外は実施例1と同様の条件
にて浴槽を製造した。本比較例で得た浴槽は、小さい補
強板8付近で重合硬化性樹脂原料の未充填部が残り、良
好な積層体(浴槽)ではなかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複雑な積層体の形状、セル内構成においてでも注入時の
樹脂の流れを均一にできるので、セル内に樹脂の未充填
部のない良好な積層体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一例(実施例1)を示す為の模
式図である。
【図2】図1のバイパス溝9の具体的な構成を示す為の
模式図であり、(a)は図1のバイパス溝9の部分図、
(b)はその部分に対する底面図、(c)はさらにその
バイパス溝9の断面図である。
【図3】本発明の方法の一例(実施例2)を示す為の模
式図である。
【図4】従来法の一例を示す為の模式図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂成形品 2 雄型 3 ガラスプリフォーム 4A バイパス溝のある雌型 4B 注入口が二つある雌型 4C 注入口が一つの雌型 5 シールパッキン 6 注入口 7 大きい補強板 8 小さい補強板 9 バイパス溝 10 重合硬化性樹脂原料 11 排気口 12 2番目の注入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:06 B29K 105:06 701:12 701:12 Fターム(参考) 2D032 AB02 4F202 AD05 AD16 AD27 AD35 AG03 AH49 CA01 CB01 CB12 CB20 CK06 CK15 CK41 4F204 AA41 AD05 AD16 AD27 AD35 AG03 AH49 AJ04 EA03 EB01 EB11 EF27 EK22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ所定の形状に成形された熱可
    塑性樹脂成形品単独、あるいはあらかじめ所定の形状に
    成形された熱可塑性樹脂成形品および繊維補強材を、該
    熱可塑性樹脂成形品とほぼ同形状の雄型に被せ、該熱可
    塑性樹脂成形品と所定の間隔をもって、該雄型と反対側
    に雌型を配置することによってセルを形成し、該熱可塑
    性樹脂成形品の周辺部と該雌型の周辺部をシールして型
    締めを行った状態で、該雌型の注入口から該セル内に重
    合硬化性樹脂原料を流し込み、これを硬化させる積層体
    の製造方法において、 該注入口が該雌型に二つ以上設けられており、該二つ以
    上の注入口から該重合硬化性樹脂原料を注入すること、
    あるいは、該注入口が該雌型に一つ以上設けられており
    且つ該重合硬化性樹脂原料の注入を補助するバイパス溝
    が該雌型に一つ以上設けられており、該一つ以上の注入
    口から該重合硬化性樹脂原料を注入することを特徴とす
    る積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 あらかじめ所定の形状に成形された熱可
    塑性樹脂成形品単独、あるいはあらかじめ所定の形状に
    成形された熱可塑性樹脂成形品および繊維補強材を、該
    熱可塑性樹脂成形品とほぼ同形状の雄型に被せ、該熱可
    塑性樹脂成形品と所定の間隔をもって、該雄型と反対側
    に雌型を配置することによってセルを形成し、該熱可塑
    性樹脂成形品の周辺部と該雌型の周辺部をシールして型
    締めを行った状態で、該雌型の注入口から該セル内に重
    合硬化性樹脂原料を流し込み、これを硬化させる積層体
    の製造方法において、 該注入口が該雌型に二つ以上設けられており、一つの注
    入口からの注入時点より、他の一つ以上の注入口からの
    注入タイミングを遅延させて注入することを特徴とする
    積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009031217A1 (ja) * 2007-09-05 2009-03-12 Nok Corporation シールの製造方法
JP2015003502A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 三菱電機株式会社 繊維強化プラスチック成形体の製造方法及び製造装置、並びにエレベータの壁

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