JP2002018729A - 三層構造の砥石及びブレード - Google Patents

三層構造の砥石及びブレード

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JP2002018729A
JP2002018729A JP2000210296A JP2000210296A JP2002018729A JP 2002018729 A JP2002018729 A JP 2002018729A JP 2000210296 A JP2000210296 A JP 2000210296A JP 2000210296 A JP2000210296 A JP 2000210296A JP 2002018729 A JP2002018729 A JP 2002018729A
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Shigeru Mazaki
繁 真崎
Takehiro Oizumi
岳宏 大泉
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Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
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Mitsubishi Materials Corp
Nippon Diamond Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切れ味と砥石寿命を向上させる。 【解決手段】 ダイヤモンド切断で砥石円板型の基板2
の外周縁に所定間隔でスリット6を設ける。スリット6
で仕切った基板2の外周片7に超砥粒を金属結合相で固
着したセグメントチップ10を固定する。セグメントチ
ップ10は中央層12とその両側の外側層14,14を
積層した三層構造である。超砥粒の集中度は中央層12
に対して両外側層が1.5倍を越えて2.5倍までの範
囲に設定する。セグメントチップ10は全体の平均集中
度を0.88〜1.54ct/cm 3にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばコンクリー
トやアスファルト舗装面等を切断等するためのダイヤモ
ンドブレード等のブレード及び砥石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート舗装面等を切断する
ためのダイヤモンドブレードは円板状の基板の外周面に
所定間隔でウオーターウエイを構成するスリットが形成
され、隣り合うスリット間の各片部の外周縁にろう付け
や電着等により略円弧状の砥粒層をなすセグメントチッ
プがそれぞれ形成されている。このセグメントチップは
ダイヤモンド等の超砥粒が金属結合相中に分散固着され
て構成され、全体に均一な集中度とされている。このよ
うなダイヤモンドブレードを道路用カッタに装着してガ
ソリンエンジン等で回転させてコンクリート舗装面の切
断を行うと、セグメントチップは先端面の厚み方向にお
ける両外周エッジが中央部よりも激しく摩耗するために
切断作業が進むにつれてセグメントチップ先端が断面視
円弧状に丸みを呈し切れ味が低下する。また側面摩耗が
進みチップクリヤランスが無くなりカッタとして使用で
きなくなる。このような不具合を改善する手段として、
セグメントチップの砥粒層をその厚み方向に三層積層さ
せた三層構造とし、中央層の砥粒集中度をその両外側層
の砥粒集中度よりも小さくする技術が提案されている。
例えば中央層と両外側層の集中度の比を1:1.2〜
1.5に設定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな三層構造を採用しても、被削材の切断作業はセグメ
ントチップの先端両側の外周エッジで行われるために中
央層に対して両外側層がより激しく摩耗するという現象
を防止できず、依然としてセグメントチップ先端が丸く
なり切れ味の低下を抑えられず、またクリヤランス不足
となるため寿命が短かった。一方でセグメントチップに
ついて集中度が大きすぎると研削抵抗が増大し切れ味が
悪くなる等の不具合が生じる。
【0004】本発明は、このような実情に鑑みて、セグ
メントチップ先端の外周エッジの損耗を防止して良好な
切れ味を維持できて砥石寿命を向上できるようにした砥
石及びブレードを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による三層構造の
砥石は、超砥粒を金属結合相で固着した砥粒層が中央層
の両側に外側層を積層してなる三層構造の砥石であっ
て、集中度は中央層に対して外側層が1.5倍を越えて
2.5倍までの範囲に設定されていることを特徴とす
る。砥粒層の積層方向に直交する方向に砥石を進行させ
て切断・研削加工する場合、切断研削方向の先端両側の
外側層は外周エッジが中央層に対して激しく切断・研削
加工に供されてもシャープエッジを維持しつつ切断加工
できることになり、外周エッジがだれることなく切断・
研削作業を行えて砥粒層の寿命が長い。尚、中央層と外
側層の集中度の比は両層の集中度を違えて別個に設定し
てもよいし、同一の集中度にすると共に中央層にのみ気
孔や潤滑剤を分散してその集中度を低下させて設定して
もよい。
【0006】また本発明によるブレードは、円板状の基
板の外周に砥粒層を装着してなるブレードにおいて、前
記砥粒層は超砥粒が金属結合相で固着されてなり中央層
の両側に外側層を積層してなる三層構造であって、超砥
粒の集中度が中央層に対して外側層が1.5倍を越えて
2.5倍までの範囲に設定されていることを特徴とす
る。コンクリート舗装面等の各種被削材を高い切断スピ
ードで切断加工でき、しかも外側層の外周エッジの損耗
が抑制できてその寿命を向上できる。
【0007】また、砥粒層は全体の平均集中度が0.8
8〜1.54ct/cm3の範囲に設定されていてもよ
い。集中度が1.54ct/cm3より大きいと特に外
側層について側面抵抗が大きくなり切れ味が悪く、しか
も集中度の増大によって研削熱が大きくなり、金属結合
相の熱的劣化が起こる。他方、集中度が0.88ct/
cm3より小さいと切れ味や寿命性能が劣る。その点、
上記範囲内であれば切れ味や寿命性能を維持して砥石寿
命を向上できる。また砥粒層の中央層にはカーボンが添
加されていてもよい。中央層にのみカーボンを添加すれ
ば、集中度を中央層と外側層とで異なるものにしなくて
も両層の集中度を上記範囲に設定できることになり、し
かもカーボンが砥粒層表面から落下すると粉体となって
潤滑剤として機能して砥粒層の摩耗や摩擦熱を一層抑制
できる。
【0008】また砥粒層セグメントの中央層には気孔が
形成されていてもよい。中央層内に気孔を分散配置すれ
ば、集中度を中央層と外側層とで異なるものにしなくて
も両層の集中度を上記範囲に設定できることになり、し
かも砥粒層の自生発刃作用を促すことで切れ味を良好に
維持できる上に気孔が砥粒層表面に露出すればチップポ
ケットとしての機能を発揮してクーラントや切り粉を滞
留させて切れ味を維持でき切り粉の排出をスムーズに行
える。また砥粒層の外側面には溝部が基板の径方向内側
から外側に連通して傾斜して形成され、該溝部の外側開
口は砥粒層の長手方向中央線に対して基板の回転方向後
方に位置し且つ内側開口よりも基板の回転方向後方に位
置するとしてもよい。切断・研削加工時に摩擦熱が増大
しても溝部を通してクーラントを流すことで砥粒層や基
板の付け根の摩擦熱を抑えることができ、溝部の外側開
口が砥粒層の後方側に位置するために摩擦熱が特に上昇
しやすい砥粒層後方の発熱を効果的に抑制でき、この部
分の摩耗を防止して寿命を向上できる。また一対の溝部
が中央層に対して両外側層に対称に形成されていてもよ
い。砥粒層の両側に溝部を対称形状に対向配置したこと
で摩擦熱を冷却できる上に砥石の振動を抑制してびびり
を防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図4により説明する。図1は実施の形態によるダイ
ヤモンドブレードの部分平面図、図2は図1に示すダイ
ヤモンドブレードのセグメントチップの拡大図、図3は
ダイヤモンドブレードの半径方向におけるセグメントチ
ップの縦断面図、図4はセグメントチップの外周面を径
方向外側から見た図である。図1及び図2に示す実施の
形態によるダイヤモンドブレード1(ブレード)は、例
えば円板状の基板2の中央軸心の領域に図示しない道路
カッタの回転軸を嵌合させる中心孔4が穿孔され、基板
2の外周縁7aにはその周方向に一定間隔を開けて基板
2の径方向内側に切り込まれた複数のスリット6…が形
成されている。このスリット6は内側端部が拡径された
円形孔とされていて水などのクーラントが径方向内側か
ら外側に流れるウオーターウエイを構成する。基板2の
中心孔4の周囲には同心円状に略円板状空間をなすクー
ラント溜め部8が形成されており、基板2の回転時に車
載タンク等から供給されたクーラントをクーラント溜め
部8から基板2の両側表面に沿って径方向外側に放射状
に吐出するようになっている。
【0010】周方向に隣り合う各二つのスリット6、6
で仕切られた基板2の外周片7には外周縁7aに沿って
円弧状をなす所定幅Tの砥粒層がセグメントチップ10
としてろう付けや電着などにより固着されている。この
セグメントチップ10は図3及び4に示すようにNiや
Co等の金属または合金からなる金属結合相中にダイヤ
モンド(またはcBN)等の超砥粒が分散されて固着さ
れたものであり、基板2より厚みの大きい幅Tを有して
いる。セグメントチップ10はその厚み方向に三層構造
を呈しており、基板2に連結されている中央層12に対
してその両側に一対の外側層14,14が積層された構
成とされている。そして三層の超砥粒の集中度は、中央
層12に対して両外側層14,14の方が大きく各外側
層14の集中度は中央層12の1.5倍を越えて2.5
倍までの範囲とされている。ここで外側層14の集中度
が中央層12の1.5倍以下であるとコンクリート舗装
面など被削材の切断・研削時における外側層14の外周
エッジ14aの摩耗を十分抑制できず、外周エッジ14
aにだれが生じるのを防止できずセグメントチップ10
の寿命低下を来す。また2.5倍以上であると外側層1
4の砥粒密度が大きくなるために研削抵抗が増大して切
断スピードが低下し、セグメントチップの摩擦熱が増大
して金属結合相が劣化する。
【0011】更にセグメントチップ10全体の平均集中
度(集中度)は0.88〜1.54ct/cm3の範囲
に設定する。この集中度が0.88ct/cm3より小
さいと良好な切れ味が得られず研削効率が悪くなる。ま
た1.54ct/cm3より大きいと特に集中度の高い
外側層14の砥粒密度が高く成りすぎて研削抵抗及び摩
擦熱の増大による切断スピードの低下、更にこれらと金
属結合相の熱劣化に起因する寿命低下を来すことにな
る。次にセグメントチップ10の厚みである幅Tに対し
て中央層12の幅Taは外側層14の幅Tbより大き
く、幅Tbは超砥粒二層程度に設定することが好まし
い。そしてT=Ta+2Tbということになる。一例を
挙げるとTa=1.4mm、Tb=0.8mm、T=
3.0mmとなる。
【0012】またセグメントチップ4の両外側層14,
14の各側面には基板2の径方向内側から外側に連通開
口する溝部16,16が形成されている。一対の溝部1
6,16は中央層12に対して対称をなすように同一位
置に同一形状とされている。しかも各溝部16は基板2
の径方向に見て内周側から外周側に連通してセグメント
チップ10の外側層14の側面を分断するように傾斜状
態で形成され、内周側の開口10aは外周側の開口16
bより基板2の回転方向前方例えばセグメントチップ1
0をその円弧状の長さ方向に等分割する仮想の中央線E
付近に位置し、外周側の開口16bは内周側の開口16
aよりも基板2の回転方向後方側に位置するように傾斜
している。実施の形態では、溝部16は全長に亘って同
一の幅と深さを有する直線状とされているが、平面視で
径方向外側に凸をなす円弧状に形成されていてもよい。
このような構成とすればクーラントの溝部内滞留時間が
増してセグメントチップ10の冷却効率が向上する。
尚、基板2の外周片7の回転方向前方の壁面7bには、
高剛性材料、例えば超硬合金製板状の補強部18がろう
付けなどではめ込まれて固着されている。
【0013】本実施の形態によるダイヤモンドブレード
1は上述の構成を有しており、次にその作用を説明す
る。道路用カッタの回転軸にダイヤモンドブレード1を
中心孔4で装着固定し、ダイヤモンドブレード1を所定
の周速で(図中矢印で示す方向に)回転させつつコンク
リート舗装面に切り込んで切断加工する。セグメントチ
ップ10でコンクリート舗装面に切り込むと、コンクリ
ート舗装面はセグメントチップ10の両外側層14、1
4の特に外周エッジ14a,14aで切断加工される。
この外側層14は中央層12に対して超砥粒の集中度が
1.5倍を越えて2.5倍の範囲で高く設定されている
ために摩耗しにくく、外側エッジ14aがシャープエッ
ジの状態を維持して切断加工が行える。
【0014】その際、外側層14と中央層12の集中度
の差にも関わらずセグメントチップ10全体の平均集中
度が0.88〜1.54ct/cm3の範囲に設定され
ているために、より大きな負荷がかかる外側層14と比
較的負荷の小さい中央層12とでほぼ均一に摩耗しつつ
切断するためセグメントチップ10の外周エッジ14
a,14aを含む外周面10aの平坦度を維持しながら
切断加工できる。そのため外側層14の集中度が高くな
りすぎず砥粒保持力が低下して脆くなったり切れ味が低
下することが抑制され、しかも中央層12が外側層14
に対してより大きく摩耗して凹部状に凹むことを抑制で
きる。外側層14に対して中央層12の損耗が激しいと
中央層12が例えば断面四角形や台形状などのように角
張った状態で凹みクラックを生じ易いという欠点が生
じ、逆に中央層12に対して外側層14の損耗が激しい
とセグメントチップ10の外周側先端が略円弧状に摩耗
して切れ味と寿命が低下する欠点が生じる。
【0015】また切断加工時には図示しない車載タンク
等からクーラントとして例えば水が供給され、ダイヤモ
ンドブレード1のクーラント溜まり部8を介してダイヤ
モンドブレード1の回転による遠心力のために基板2の
両表面に沿って放射状にクーラントが吐出されることに
なる。その際、クーラントは基板2の回転によって回転
中心側のクーラント溜まり部8側から各セグメントチッ
プ10に向けて回転方向に凸曲線を描いて流出する。そ
してクーラントが基板2の外周縁7a付近に到達する
と、その一部は各スリット6を通して径方向内側から外
側に排出され、他は基板2の外周縁7aにおけるセグメ
ントチップ10との接続部の段差10b上を周方向後方
に流れて一部は溝部16を通して径方向外側に排出さ
れ、残りは段差10bを更に流れて後方のスリット6か
ら排出されることになる。
【0016】特にセグメントチップ10はその長手方向
の後方領域が高温に加熱され金属結合相が劣化し易い
が、本実施の形態ではセグメントチップ10の後方に溝
部16の外側開口16bを形成したことでセグメントチ
ップ10の後方部分を効果的に冷却することができ、後
方部分の摩耗によるだれを抑制できてその寿命を長くす
ることができる。またスリット6で仕切られた基板2の
外周片7の回転方向を向く端面に補強部18を設け更に
溝部16を設けたことで基板2の外周縁7aであるセグ
メントチップ10との接続部(首下部)の摩耗を効果的
に抑制できる。
【0017】上述のように本実施の形態によれば、セグ
メントチップ10によるコンクリート舗装面の切断加工
時に特に両外側層14,14の外周エッジ14a,14
aで高いスピードで切断加工できる上に外側エッジ14
a,14aの摩耗を抑制してシャープエッジを維持でき
て切れ味を維持できると共に中央層12が凹部状に摩耗
するのを抑制できてセグメントチップ10の外周面10
aの形状を平坦に維持してセグメントチップ10が摩滅
するまで切断加工でき、寿命を向上できる。しかも両外
側層14に傾斜する溝部16を対称に形成したことで、
外側層14の超砥粒の集中度が上がってもセグメントチ
ップ10の後方部分を効果的に冷却できて金属結合相の
劣化を抑えて寿命を向上できる。
【0018】尚、上述の実施の形態ではセグメントチッ
プ10の中央層12と外側層14とで単位体積当たりの
超砥粒の含有量を増減変化させることで集中度の差異を
もたせることとしたが、本発明はこれに限定されること
なく他の手法によって集中度に差異をもたせても良い。
例えば図5に示す変形例のように中央層12と外側層1
4,14の超砥粒密度を同一にすると共に中央層12の
み所定間隔で中空の気孔20を形成し、中央層12の平
均集中度(超砥粒平均密度)に対して外側層14の集中
度が1.5倍を越えて2.5倍までの範囲になるように
してもよい。この場合、切断加工時において外側層14
に中央層12よりも大きな負荷がかかるためにセグメン
トチップ10外周面10aの形状が断面略円弧状になり
易いが、中央層12には所定間隔で気孔20が設けられ
ているために外側層14よりも自生発刃し易く略平坦状
の外周面10aが形成され外周エッジ14aが維持され
ることになる。
【0019】或いは他の変形例として図6に示すように
中央層12と外側層14,14の超砥粒密度を同一にす
ると共に中央層12のみに所定間隔でフィラーとして粒
子状のカーボン22を分散配置させるか或いは粉体状の
カーボンを金属結合相中に分散させ、中央層12の平均
集中度(超砥粒平均密度)に対して外側層14の集中度
が1.5倍を越えて2.5倍までの範囲になるようにし
てもよい。後者の場合、好ましくはセグメントチップ1
0は金属粉または合金粉を超砥粒及びカーボン粉と共に
バインダーで混合成形して焼結したメタルボンド砥石と
する。このダイヤモンドブレード1を用いた切断加工時
において、中央層14ではカーボン22(またはカーボ
ン粉)がセグメントチップ10の外周面10aに露出し
て流出すると潤滑剤として機能し、セグメントチップ1
0の摩耗を抑制できる。しかもカーボン22が脱落する
ことで中央層12の自生発刃を促進し平坦状の外周面1
0aが形成されることになる。尚、粒子のカーボン22
が脱落したり気孔20がセグメントチップ10の表面に
露出すればチップポケットを形成でき、切り粉やクーラ
ントを滞留できる。
【0020】次に実施の形態によるダイヤモンドブレー
ド1について行った切断試験について説明する。試験用
のダイヤモンドブレードは図1及び図2に示すものと同
一形状をなし、直径14インチ、セグメントチップ10
の幅(T)3mm×長さ47mm、セグメントチップの
数を21枚とし、超砥粒としてダイヤモンドを用いセグ
メントチップ全体の平均集中度を1.15ct/cm3
とした。そして複数のダイヤモンドブレードについて中
央層の集中度を1として外側層の集中度が1,1.2
5,1.5,2.0,2.5,3.0のものを表1に示
すようにそれぞれ従来例1、比較例1、実施例1、実施
例2、実施例3、比較例2とした。切断試験に当たっ
て、各ダイヤモンドブレードを37馬力エンジンの道路
用カッタに装着して周速2100m/minで回転させ
つつコンクリート舗装面を被削材として切り込み深さ1
0cmで切断した。切断試験により、表2に示す結果が
得られた。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】表2に示す試験結果から、被削材の切断ス
ピードは外側層の集中度が特に高い比較例2を除いて他
はほぼ2.0m/分以上となった。またダイヤモンドブ
レードのセグメントチップの寿命は従来例1及び比較例
1が短く、実施例1〜3及び比較例2は従来例1及び比
較例1よりも長寿命が得られた。これらの試験結果から
従来例や比較例1,2と比較して実施例1〜3が切断ス
ピードと砥石寿命のいずれもが良好でバランスがよいこ
とを確認できた。
【0024】また本発明によるセグメントチップ10は
電着、無電解めっき、焼結等各種の製法によって製造さ
れ得る。また本発明はコンクリート舗装路切断用のダイ
ヤモンドブレードに限定されることなく各種の砥石に採
用できる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る三層構
造の砥石は、平均集中度が中央層に対して外側層が1.
5倍を越えて2.5倍までの範囲に設定されているか
ら、被削材を切断・研削加工する場合、両側の外側層は
中央層より大きな負荷がかかってもシャープエッジを維
持しつつ切断加工できてエッジがだれることなく切断・
研削作業を行え、中央層についても凹状に摩耗が進むこ
とを抑制できて切れ味が向上して寿命が長い。
【0026】また本発明によるブレードは、中央層の両
側に外側層を積層してなる三層構造であって、超砥粒の
集中度は中央層に対して外側層が1.5倍を越えて2.
5倍までの範囲に設定されているから、コンクリート舗
装面等の各種被削材を高い切断スピードで切断加工で
き、しかも外側層のエッジの損耗が抑制できてその寿命
を向上できる。
【0027】また、砥粒層は全体の集中度が0.88〜
1.54ct/cm3の範囲に設定されているため、超
砥粒の集中度が1.54ct/cm3より大きいと特に
集中度の高い外側層について金属結合相による砥粒保持
力が小さくなって脆くなる上に切れ味が悪く、しかも集
中度の増大によって研削熱が大きくなり、砥粒層や砥粒
層を支持する基板の寿命が小さくなる。他方、集中度が
0.88ct/cm3より小さいと切れ味や研削効率が
悪い。上記範囲内であれば切れ味を維持して砥石寿命を
向上できる。また砥粒層の中央層にはカーボンが添加さ
れているから、超砥粒の集中度を中央層と外側層とで異
なるものにしなくても両層に集中度の差を設定できるこ
とになり、カーボンが砥粒層表面に露出すると摩擦で粉
体となって潤滑剤として機能して砥粒層の摩耗や摩擦熱
を一層抑制して切れ味及び寿命の向上に寄与する。
【0028】また砥粒層の中央層には気孔が形成されて
いるから、集中度を中央層と外側層とで異なるものにし
なくても範囲に平均集中度の差を設定できることにな
り、しかも気孔によって中央層の自生発刃作用を促すこ
とで切れ味を良好に維持できる上に気孔が砥粒層表面に
露出すればチップポケットとしての機能を発揮してクー
ラントや切り粉を滞留させて切れ味を良好に維持できて
切り粉の排出をスムーズに行える。また砥粒層の外側面
には溝部が基板の径方向内側から外側に連通して傾斜し
て形成され、該溝部の外側開口は砥粒層の長手方向中央
線に対して基板の回転方向後方に位置し且つ内側開口よ
りも基板の回転方向後方に位置するから、切断・研削時
に摩擦熱が増大しても溝部を通してクーラントを流すこ
とで砥粒層や基板の付け根の摩擦熱を抑えることがで
き、溝部の外側開口が砥粒層の後方側に位置するために
摩擦熱が特に上昇しやすい砥粒層後方の発熱を抑えて摩
耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるダイヤモンドブレ
ードの要部平面図である。
【図2】 図1に示すダイヤモンドブレードのセグメン
トチップの拡大図である。
【図3】 セグメントチップの縦断面図である。
【図4】 ダイヤモンドブレードのセグメントチップの
外周面を示す図である。
【図5】 セグメントチップの変形例を示す縦断面図で
ある。
【図6】 セグメントチップの他の変形例を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンドブレード 2 基板 10 セグメントチップ(砥粒層) 12 中央層 14 外側層 16 溝部 20 気孔 22 カーボン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24D 5/12 B24D 5/12 Z (72)発明者 大泉 岳宏 神奈川県横浜市都筑区佐江戸町681 日本 ダイヤモンド株式会社内 Fターム(参考) 3C063 AA02 AA10 AB03 BA05 BA12 BA24 BA31 BB02 BB18 BC02 BD01 EE16 FF07 FF08 FF16 FF23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超砥粒を金属結合相で固着した砥粒層が
    中央層の両側に外側層を積層してなる三層構造の砥石で
    あって、集中度は前記中央層に対して前記外側層が1.
    5倍を越えて2.5倍までの範囲に設定されていること
    を特徴とする砥石。
  2. 【請求項2】 円板状の基板の外周に砥粒層を装着して
    なるブレードにおいて、前記砥粒層は超砥粒が金属結合
    相で固着されてなり中央層の両側に外側層を積層してな
    る三層構造であって、集中度が前記中央層に対して前記
    外側層が1.5倍を越えて2.5倍までの範囲に設定さ
    れていることを特徴とするブレード。
  3. 【請求項3】 前記砥粒層は全体の集中度が0.88〜
    1.54ct/cm 3の範囲に設定されていることを特
    徴とする請求項2記載のブレード。
  4. 【請求項4】 前記砥粒層の中央層にはカーボンが分散
    配置されていることを特徴とする請求項2または3記載
    のブレード。
  5. 【請求項5】 前記砥粒層の中央層には気孔が分散配置
    されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか
    記載のブレード。
  6. 【請求項6】 前記砥粒層の外側層には溝部が基板の径
    方向内側から外側に連通して傾斜して形成され、該溝部
    の外側開口は砥粒層の長手方向中央線に対して基板の回
    転方向後方に位置し且つ内側開口よりも基板の回転方向
    後方に位置することを特徴とする請求項2から5のいず
    れか記載のブレード。
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