JP2002017873A

JP2002017873A - 治療器具

Info

Publication number: JP2002017873A
Application number: JP2000203296A
Authority: JP
Inventors: Yoshiaki Akihiro; 良昭秋廣
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2000-07-05
Filing date: 2000-07-05
Publication date: 2002-01-22

Abstract

(57)【要約】【課題】口唇周りのリハビリができる器具を提供す
る。【解決手段】治療器具１は上下の口唇装着部３，５を
備え、口唇装着部３，５は連結部７によって連結されて
いる。口唇装着部３，５の口唇接触面には電極９が配置
されている。電極９，１１へは外部のパルス発生器によ
って刺激パルスが電極９，１１へ送られ、患者は自ら口
唇等を動かさなくても、表情筋に対する刺激を与えるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、顔面神経支配筋肉
を刺激することにより、口腔のリハビリ等を行う治療器
具に関する。

【０００２】

【従来の技術】脳出血や脳梗塞等の脳血管障害により身
体の一部が麻痺したとき、従来においては、口腔運動機
能を回復するための適当なリハビリ器具がなかった。そ
こで、本発明者は、口腔リハビリ器具の開発に着手し、
先に、上唇及び下唇に当接させて口周辺の筋肉のストレ
ッチングを効果的に行うことができる口唇器具を完成さ
せた（特許第３０７２６２６号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記口唇器具は自分で
口唇をつむぐことができる患者に対して有効であるが、
自力で口唇を動かすことができない患者にとっては利用
することが難しい。そこで、本発明は、口唇を自力で動
かすことができない患者も利用できる治療器具を提供す
ることを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記口唇器
具を用いた治療を行う過程において、口唇に負荷をかけ
ると、口唇の周りの筋肉である口輪筋が刺激され、そう
すると口輪筋につながる表情筋が広範囲にわたって刺激
されるため、口腔全般にわたってリハビリができること
を確認した。また、表情筋は顔面神経に支配されている
ため、表情筋への刺激は顔面神経を刺激し、顔面神経を
介して大脳皮質前縁の右側前頭葉を刺激することを確認
した。そこで、顔面神経支配筋肉に電気的な刺激を与え
れば同様な効果が得られることに着目して、本発明を完
成した。

【０００５】すなわち、本発明の治療器具は、顔面神経
支配筋肉に電気的刺激を与える電極を備えたことを特徴
とするものである。顔面神経支配筋肉とは、顔面神経の
支配下にある筋肉をいい、具体的には、額から首にかけ
ての表情筋のことである。電極の取付具または取付位置
は特に限定されることはなく、電極は、例えば、口唇に
装着される口唇装着部内に配置したり、顔面を覆うマス
クの顔面に接触する部位に配置したりすることができ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は本発明の実施の形態の一例
を示す治療器具１の斜視図、図２は断面図、図３は使用
状態を示す図である。治療器具１は、口唇に装着される
上下の口唇装着部３，５と、上下の口唇装着部３，５を
連結する連結部７とを備えている。口唇装着部３，５
は、口唇の外側に露出する外壁部３ａ，５ａと、口唇の
内側（歯と口唇との間）に配置される内壁部３ｂ，５ｂ
と、底部３ｃ，５ｃとで構成され、これらで囲まれた部
分が溝部３ｄ，５ｄとなり、この溝部３ｄ，５ｄに口唇
が挿入される。図３は治療器具１を口腔内に装着した状
態を示し、外壁部３ａ，５ａが露出し、その他の部分は
口腔内に挿入される。

【０００７】溝部３ｄ，５ｄの内面には、電極９，１１
がそれぞれ設けられ、電極９，１１にはリード線１３，
１５が接続され、リード線１３，１５は外部のパルス発
生装置に接続される。電極９，１１は金属箔、導電製樹
脂等により構成し、その他の部分はプラスチック等で構
成する。電極９，１１はそれぞれ単一の電極であっても
よいし、複数の小電極に分割して配置してもよい。また
電極９の形状も特に限定されない。電気的刺激として
は、低周波電流、低周波パルス、微弱電流等を使用する
ことができる。

【０００８】以上の治療器具により、電極９，１１から
刺激パルス等を口唇に印加して、口唇に電気的刺激を与
える。口唇を輪状に取り囲む口輪筋は、その深層におい
て頬筋とつながり、表層において上唇挙筋、大頬骨筋、
小頬骨筋、下唇下制筋、笑筋につがなっている。したが
って、口唇に電気的刺激を与えれば、口輪筋を介して表
情筋（前頭筋、鼻筋、口輪筋、頬筋など顔面神経に支配
される顔面横紋筋の総称）が広く刺激される。これによ
り、患者は口唇を動かさなくても、口腔の全般にわたる
リハビリが可能となる。

【０００９】さらに、表情筋への刺激は、顔面神経を介
して大脳皮質前縁の右側前頭葉を刺激し、これにより右
側前頭葉の脳血流を増加させる。右側前頭葉の脳血流を
増加させることにより、前頭葉・側頭葉の活動を賦活
し、脳の老化防止、痴呆症の治療・予防に効果的であ
る。

【００１０】本発明者は、光トポグラフィー装置（日立
メディコ社製）を用いて、口唇を刺激することによる脳
血量の変化を測定した。光トポグラフィー装置は、局所
脳血液量を非侵襲的に計測する装置であり、近赤外線を
用いて、血液中の酸化及び還元ヘモグロビンの光吸収性
の違いを利用してヘモグロビンの濃度変化を検出するこ
とにより脳血量を測定する。実験結果によれば、口唇を
刺激することにより、右側前頭葉の血液量が増加するこ
とが認められた。したがって、本発明の治療器具によっ
て、顔面神経支配筋肉を刺激することにより、右側前頭
葉への脳血量を増加させ、老人性痴呆症等の脳疾患の治
療・予防を効果的におこなうことができる。

【００１１】図４（Ａ）は、治療器具の別の例を示し、
治療器具２は、溝状の口唇装着部４を環状に形成したも
のであり、口唇は溝６に挿入される。溝６には電極８が
配置され、この電極８から刺激パルスが与えられる。治
療器具２は図４（Ｂ）に示すように口唇に装着され、環
状に形成されているので外れにくく、患者に対して確実
に治療を施すことができる。

【００１２】図５は、治療器具のさらに別の例を示し、
治療器具１７は上下の口唇装着部１９，２１を備え、口
唇装着部１９，２１はスプリング２２によって連結され
ている。スプリング２３は、治療器具１７を口唇に装着
したときに装着部１９，２１を口唇に押圧するためのも
のである。口唇装着部１９，２１の口唇接触面には複数
の電極２５が配置されている。

【００１３】図６は、治療器具の別の例を示し、治療器
具２７は上下の口唇装着部２９，３１を備え、口唇装着
部２９，３１は板ばね３３によって連結されている。板
ばね３３は、治療器具２７を口唇に装着したときに装着
部２９，３１を口唇に押圧するためのものである。口唇
装着部２９，３１の口唇接触面には複数の電極３５が配
置されている。

【００１４】図７は、本発明の治療器具の更に異なる例
を示し、治療器具３６はマスク部３７を有し、マスク部
３７の顔面側には複数の電極３９（図７では一部のみ表
示）が配置され、電極３９はリード線４１を介して外部
のパルス発生器に接続されている。電極３９によって顔
面神経支配筋肉に刺激パルスが与えられる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
口唇周りのリハビリができるとともに、顔面支配筋肉に
刺激を与えることにより表情筋を刺激し、もって右側前
頭葉に刺激を与えるので、痴呆症等の治療に効果的であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の治療器具の一例を示す斜視図。

【図２】図１の治療器具の断面図。

【図３】治療器具を装着した状態で示す図。

【図４】治療器具の別の例を示す図。

【図５】治療器具の別の例を示す図。

【図６】治療器具の別の例を示す図。

【図７】治療器具の別の例を示す図。

【符号の説明】

１，２，１７，２７，３６治療器具３，４，５，１９，２１，２９，３１口唇装着部８，９，２５，３５，３９電極３７マスク部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】顔面神経支配筋肉に電気的刺激を与える
ための電極を備えたことを特徴とする治療器具。
【請求項２】口唇に装着する口唇装着部を備え、前記口
唇装着部の口唇当接面に前記電極を配置した請求項１に
記載の治療器具。
【請求項３】マスク部を備え、前記マスク部の顔面側
に前記電極を配置した請求項１に記載の治療器具。