JP2002017848A - 生体内注入可能な微粒子およびその製造法 - Google Patents

生体内注入可能な微粒子およびその製造法

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JP2002017848A
JP2002017848A JP2000211712A JP2000211712A JP2002017848A JP 2002017848 A JP2002017848 A JP 2002017848A JP 2000211712 A JP2000211712 A JP 2000211712A JP 2000211712 A JP2000211712 A JP 2000211712A JP 2002017848 A JP2002017848 A JP 2002017848A
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acid
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Ryuichi Urakawa
隆一 浦川
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Terumo Corp
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟組織増大、例えば、尿失禁または膀胱尿管
逆流症を治療するための注入剤であって、生体内分解吸
収性を有する疎水性高分子化合物からなる注入可能な微
粒子の提供。 【解決手段】生体内分解吸収性を有する脂肪族ポリエス
テルからなる疎水性高分子化合物が1〜50重量%溶解
された溶媒からなる油相と、0.01〜10重量%のポ
リビニールアルコール水溶液に10mg/ml以下とな
るように界面活性剤が添加されてなる水相とで形成され
るO/Wエマルジョンから作製された微粒子であって、
該微粒子の大きさが50μm〜500μmである生体内
注入可能な微粒子により上述の課題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟組織増大等、
例えば尿失禁あるいは膀胱尿管逆流症の改善・治療に用
いられる生体内に注入可能な微粒子、及びその製造法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】柔軟組織増大を必要とする治療として
は、胸部、鼻、ウイルス性あばたやにきび痕、ウオノメ
の下の荷重支持組織等への注入によるものがある。従
来、特に胸部において、豊胸整形用にシリコーンゲルの
注入法が行われていたが皮下注入されたシリコーンは周
囲の組織へ移行する傾向があり、また肉芽腫の形成等も
問題とされた。それ故、現在では使用されていない。
【0003】上述したような問題点を改善するために、
生体由来材料の検討が行われてきた。実際には、天然高
分子であるコラーゲンの注入剤の使用である。コラーゲ
ン注入剤は生体内の組織反応が緩慢であり馴染みが良
く、上述した問題はかなり改善されている。しかしなが
ら、コラーゲンの吸収が速く治療の効果を維持するのが
困難である。体内での吸収時間を長くするために、グル
タルアルデヒドのような架橋剤が必要となるが、残留グ
ルタルアルデヒドの毒性の問題を排除しきれない。
【0004】尿失禁や膀胱尿管逆流症の患者に対する尿
道周囲や尿管口近傍の組織内注入法としても、注入剤を
使用する方法が広く知られてくるようになった。197
3年にBergによって初めてテフロン(登録商標)
(Polytetrafluoroethylene)
からなる注入剤の効果が報告(Berg, S.,「P
olytefaugmentation urethr
oplasty;correction of sur
gically incurable urinary
incontinence by injectio
n technique」,Arch. Surg.,1
07,379−381(1973))されて以来、多く
の治療に用いられてきている。
【0005】しかしながら、このような注入剤はテフロ
ン微粒子とグリセリン液のペースト状混合物で、生体内
に注入後、ある程度時間が経過するとグリセリンは生体
内に散逸し、新陳代謝されるが、テフロン微粒子は生体
内で加水分解等を受けることなくそのままの形状で残存
し、肺、脳などの体の他の部位に移動したりして肺塞栓
などの問題を引き起こすとされている。
【0006】Maliziaらは(Malizia,
A. et al.,「Migration and
Granulomatous Reaction Af
ter Periurethral Injectio
n of Polytef(Teflon)」, JA
MA, Vol.251,No.24,3277(19
84))の動物研究において、肉芽腫の形成や、脳、
肺、リンパ節への移行を示した。この様な移行はヒトに
おいてもあることが、Claesらの報告(Clae
s,H. et al.,「Pulmonary Mi
gration Following Periure
thral Polytetrafluoroethy
lene Injection for Urinar
y Incontinence」, J.Urol.,
142,821(1989))で示された。
【0007】この様な微粒子の多臓器への移行は微粒子
の粒子サイズによるとされており、その大きさが40μ
mで以下であれば起こる可能性が高いといわれている。
さらにテフロン粒子の発癌性についても論じられてお
り、それはDewanらの報告(Dewan. P.
A.,「Is Injected Potetrafl
uoroethylene(Polytef) Car
cinogenic?」,Br.J.Urol. 6
9,29(1992))で示された。このような問題が
患者の安全に対する懸念を引き起こしており、厚生省、
FDAではその使用を認可されていない。
【0008】また注入療法としてヒドロゲル中に縣濁さ
せたシリコーンの利用も試みられた。しかしながら、該
シリコーン微粒子はマクロファージを介して他の臓器に
移行することによって非局在化している可能性があると
いわれており、これについてもFDAは使用を認めてい
ない。シリコーン微粒子においてもテフロン微粒子と同
様生体内で加水分解等を受けず、生体内の代謝経路に入
って分解吸収され得ない。したがって、仮に生体内で移
行が起こったとしても、移行した臓器等で分解吸収され
ないこととなり、これが問題となる。また、前述した生
体に注入されるテフロンやシリコーンの微粒子の形状は
球状でないため、突起部等による形状から発生する細部
の炎症反応を回避することが困難である。
【0009】上述したような生物学的問題点を改善する
ために、コラーゲン製注入剤も用いられている。しかし
ながら、このコラーゲン注入剤もグルタルアルデヒドの
ような架橋剤が用いられており、上述したような残留グ
ルタルアルデヒドの毒性の問題を排除しきれない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
改善するような生体内で異物性を与えずかつ分解吸収さ
れうる生体内分解吸収性高分子材料からなり多臓器への
移行のない生体内注入可能な微粒子およびその製造法を
提供しようとするものである。
【0011】また、生体内注入可能な微粒子としては、
球状であり、多臓器への移行が起こらない様な大きさを
有し、生体内への注入が簡便かつ、生体内に注入された
移植部位で異物反応や炎症反応が小さく、さらに長期生
体内埋入において、他の臓器へは移行せず、仮に摩耗し
たりすることによって他の臓器に移行したとしてもその
ままの形状でとどまって副作用を起こすというようなこ
とがなく、生体内に分解吸収されうる微粒子を含有する
注入剤を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し目
的を達成するために、本発明では、生体内分解吸収性を
有する疎水性高分子化合物が1〜50重量%溶解された
溶媒からなる油相と、0.01〜10重量%のポリビニ
ールアルコール水溶液に10mg/ml以下となるよう
に界面活性剤が添加されてなる水相とで形成されるO/
Wエマルジョンから作製された微粒子であって、該微粒
子の大きさが50μm〜500μmである生体内注入可
能な微粒子を提供するものである。
【0013】また、本発明は、生体内分解吸収性を有す
る疎水性高分子化合物を1〜50重量%になるように溶
媒に溶解し油相を作製する工程と、ポリビニルアルコー
ルを0.01〜10重量%となるように溶解した水溶液
に10mg/mlを越えない量の界面活性剤を添加し水
相を作製する工程と、前記油相と前記水相を混合してO
/Wエマルジョンを作製する工程と、該O/Wエマルジ
ョンから前記溶媒を除去して、大きさが50μm〜50
0μmである微粒子を作製する工程とからなる体内注入
可能な微粒子の製造法を提供するものである。
【0014】本発明はまた、前記の生体内分解吸収性を
有する疎水性高分子化合物が脂肪族ポリエステルから選
ばれた生体に対して無害なものである生体内注入可能な
微粒子またはその製造法を提供するものである。
【0015】本発明は、前記の脂肪族ポリエステルがポ
リヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酪酸−ヒロドキシバリレ
ート共重合体の単独あるいはそれらの混合物、またはポ
リ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)の単独あるいはそれらの混合物から選ばれ
たものである生体内注入可能な微粒子またはその製造法
を提供するものである。
【0016】また、本発明は、前記の溶媒がクロロホル
ムあるいはクロロホルムとジクロロメタンの混合溶液で
あり、混合溶液におけるジクロロメタンの割合が1〜8
0重量%である生体内注入可能な微粒子およびその製造
法を提供するものである。
【0017】本発明は、前記の界面活性剤が、ポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共
重合体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油類、ポリビニルピ
ロリドン及びゼラチンからなる群から選ばれた1種また
は2種以上のものである生体内注入可能な微粒子または
その製造法を提供するものである。
【0018】さらに、本発明は、上記の生体内注入可能
な微粒子を含有してなる尿失禁あるいは膀胱尿管逆流症
を改善するための注入剤を提供するものである。
【0019】また、更に本発明は、上記の生体内注入可
能な微粒子を含有してなる柔軟組織増大に用いられる注
入剤を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
について詳細に説明する。本発明の生体内注入可能な微
粒子は、生体内分解吸収性を有する疎水性高分子化合物
が溶解されている油相と該油相を懸濁させ得られるO/
Wエマルジョンから作製される微粒子であって、油相に
おける前記疎水性高分子化合物の濃度が1〜50重量%
であり、油相を懸濁させる水溶液に0.01〜10重量
%のポリビニールアルコールが添加されており、さらに
該水溶液に対して10mg/ml以下となるように界面
活性剤が添加されており、該微粒子の大きさが50μm
〜500μmであることを特徴とする生体内注入可能な
微粒子およびその製造法である。
【0021】本発明の生体内分解吸収性を有する疎水性
高分子化合物は、脂肪族ポリエステルを用いるこが好適
であり、脂肪族ポリエステルとしては、ポリヒドロキシ
酪酸、ヒドロキシ酪酸−ヒロドキシバリレート共重合
体、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(ε
−カプロラクトン)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳
酸−グリコール酸共重合体、ポリジオキサノン、ポリジ
オキセパノン、ポリリンゴ酸、ポリマレイン酸、ポリ乳
酸またはポリグリコール酸とポリエチレングリコールの
共重合体等があげられる。またポリデプシペプチド、ポ
リ(γ−グルタミン酸)等、主鎖にペプチド結合を有す
るものであってもよい。中でもポリヒドロキシ酪酸、ポ
リ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)が好ましい。
【0022】また前記ポリヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ
酪酸−ヒロドキシバリレート共重合体、ポリ(3−ヒド
ロキシアルカノエート)は化学合成法、または微生物に
よる発酵合成法のうち何れかにより合成される。ポリヒ
ドロキシ酪酸の化学合成法としては、β−ブチロラクト
ンの開環重合法、3−ヒドロキシ酪酸の直接縮合法、3
−ヒドロキシ酪酸アルキルエステルのエステル交換によ
る重合法、または3−ヒドロキシ酪酸の環状オリゴマー
を開環重合法する方法のうち何れを用いてもよい。微生
物の発酵合成法では、水素細菌であるAlcalige
nes eutrophus、石油資化菌であるPse
udomonas oleovorans等といった微
生物の発酵合成法や、これら微生物が有しているポリヒ
ドロキシ酪酸ポリメラーゼを発現する遺伝子がクローニ
ングされたE.coliを用いることによっても得られ
る。発酵合成法ではR体のポリヒドロキシ酪散が得られ
るが、化学合成法ではR体、S体、あるいはR、Sの混
合物が得られ、所望の光学純度にすることができる。
【0023】前記ポリ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合
体、ポリ(ε−カプロラクトン)は化学合成によって得
られる。ポリ乳酸の合成法としては、ラクチドの開環重
合法、乳酸水溶液からの直接重縮合法、乳酸アルキルエ
ステルのエステル交換法のうち何れを用いてもよい。乳
酸−グリコール酸共重合体の合成法としては、ラクチド
とグリコリドの開環共重合法、乳酸とグリコール酸の水
溶液からの直接重縮合法、ポリ乳酸とポリグリコール酸
のエステル交換法のうち何れを用いてもよい。乳酸部に
おいてはL体のものが望ましいが、D体が混合されてい
ても良い。ポリ(ε−カプロラクトン)の合成法として
は、ε−カプロラクトンの開環重合法が最も一般的であ
る。
【0024】本発明の疎水性高分子化合物からO/Wエ
マルジョン法により微粒子を作製するに当たって、疎水
性高分子化合物は溶媒(疎水性有機溶剤)に溶解され
る。溶媒(疎水性有機溶剤)としては疎水性高分子化合
物を溶解できるものであればどの様なものでも使用可能
であるが、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、ク
ロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系炭化水素
または四塩化炭素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪酸
エステル、ベンゼン、トルエン、キシレン、デカリン等
の炭化水素等を用いることが可能である。ここで、例え
ば、ポリヒドロキシ酪酸はクロロホルム以外の有機溶剤
には殆ど溶けないため、ポリヒドロキシ酪酸のクロロホ
ルム溶液から作製される。
【0025】クロロホルム溶液からも微粒子作製が十分
に可能であるが、油相の溶媒の水中での気化速度を上
げ、懸濁された油相同士の再結合等を減少させるために
クロロホルムよりも沸点の低いジクロロメタンを添加し
ても良い。ポリヒドロキシ酪酸はジクロロメタンには単
独では溶解しないが、一度クロロホルムに溶解したもの
はジクロロメタンをその溶液に添加してもポリマーが析
出するようなことはない。クロロホルムとジクロロメタ
ンの混合溶媒系で微粒子を作製する場合においては、好
ましいクロロホルムに対するジクロロメタンの重量比は
1〜80重量%、さらに好ましくは1〜50重量%であ
ればよい。
【0026】水溶液中に前記油相を懸濁するにあたっ
て、該油相をうまく分散させたり、乳化するための乳化
を促すものとして水溶性高分子化合物が溶解されている
ことが望ましい。前記水溶性高分子化合物としてはポリ
ビニールアルコール、ゼラチンといったものが使用可能
である。中でもポリビニールアルコールが好ましい。ま
た水溶液に溶解される水溶性高分子化合物の濃度として
は0.01〜10重量%が好ましい。0.01重量%以
下では水溶液中の油相が不安定となり、10重量%以上
では水溶液粘度が高くなりすぎ、その剪断効果によって
水中に懸濁された油相が分断されすぎ粒径が小さくなる
ため、本発明の目的とする粒径を有する微粒子の作製が
困難となる。
【0027】水溶液中に懸濁された油相同士が衝突等に
よって生ずる再結合防ぐためや油相の安定化を行うため
に界面活性剤が水溶液中に添加されていることが好まし
い。この界面活性剤の添加量は該水溶液100mlに対
して1000mg以下、即ち10mg/ml以下である
ことが好ましい。この濃度以上であると懸濁液の乳化が
著しく安定な微粒化が起こりにくい。
【0028】界面活性剤としては、油相を懸濁させる水
相中において油相を安定化させるものであればよい。こ
の様な界面活性剤としては、イオン性および非イオン性
界面活性剤が用いられるが、イオン性界面活性剤として
は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、
オレイン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オレ
イン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸トリエタノ
ールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナト
リウム等のものが挙げられる。非イオン性界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体(プルロニック
F−68、F−87,F−108、F−127など、ポ
ロクサマー118、403、235など)、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート
類、Tween80、60、40、20など)、ポリオ
キシエチレン硬化ひまし油類、デカグリセリルモノラウ
レート、デカグリセリルモノステアレート、デカグリセ
リルモノミリステート等のデカグリセリン脂肪酸エステ
ル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリビニルピロリ
ドン、ゼラチン等のものが挙げられる。用いられる界面
活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、特
にポリオキシエチレングリコール−ポリプロピレングリ
コールブロック共重合体、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類
が好ましい。
【0029】O/Wエマルジョン法により微粒子を作製
するにあたっては、プロペラ攪拌機、あるいはマグネチ
ックスターラーなどで攪拌しながら常圧もしくは徐々に
減圧して行うか、またはロータリーエバポレーターなど
を用いて、真空度を調節しながら行う。本発明が目的と
する微粒子の粒径を実現するためには、例えばマグネチ
ックスターラーで攪拌しながら行う場合は、その回転数
を100〜1500rpmにするとよい。この様にして
得られた微粒子は遠心分離あるいば篩いにかけた後、蒸
留水で数回洗浄し、減圧乾燥あるいは凍結乾燥させる。
必要であれば乾燥を加熱下に行い、微粒子中に残存して
いる有機溶媒の除去をより完全に行う。
【0030】得られた微粒子の洗浄中における粒子同士
の凝集を防ぐために、凝集防止剤が添加されていても良
い。前記凝集防止剤としては、マンニトール、ラクトー
ル、ブドウ糖、澱粉類等の水溶性糖類、グリシン、アラ
ニン、ロイシン等のアミノ酸類、ゼラチン、フィブリ
ン、コラーゲン等のタンパク質類などが挙げられる。
【0031】また微粒子作製過程で粒径が50μm以下
と本発明が目的とする粒径よりも小さい微粒子が含まれ
てしまう場合には、篩い分けすることによって粒径の小
さな微粒子を簡単に取り除くことが可能である。
【0032】この様にして得られた生体ない分解吸収性
を有する疎水性高分子化合物からなる微粒子は実質的に
水に不溶であり、生体内にすぐさま溶出することはな
い。生体内長期埋入においても生体組織に対して異物性
を与ることなく残存することができる。したがって、上
記注入材は生体内長期安定性と生体適合性を有し、尿失
禁または膀胱尿管逆流現象の治療の効果を維持すること
が可能である。
【0033】また該微粒子を粘調な液体で懸濁させるこ
とにより注入可能となる。最適な注入操作を促すために
は注入剤の適度な粘性と流動性が必要である。注入剤の
適度な粘性と流動性を実現するためには、縣濁液中に占
める該生体内分解吸収性を有する疎水性高分子化合物か
らなる微粒子の割合は20〜80重量%であることが望
ましい。20重量%以下の場合、縣濁液は注入しやすい
が、生体内で水溶性有機化合物が散逸した後に残存する
微粒子が少なく治療の効果が薄れてしまう。一方、80
重量%以上の場合、縣濁液は注入に対し非常大きな力が
必要となり、術者の手技を煩雑にしてしまい患者に苦痛
を与えたり、さらに手術自体を失敗してしまう恐れがあ
る。従って、好ましい縣濁液中に占める生体内分解吸収
性を有する疎水性高分子化合物からなる微粒子の割合は
20〜80重量%であり、さらに好ましくは30〜70
重量%である。
【0034】水溶性有機化合物は、それ自体が粘性を有
しており、前記生体内分解吸収性合成高分子材料の微粒
子を縣濁させるものであればよい。低分子水溶性有機化
合物としては、グリセリン、グリセリン誘導体の様な生
体内に存在し、代謝されうるものが好ましい。またプロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、低分子化
合物ではないが、ゼラチン水溶液、ヒアルロン酸等の多
糖類の水溶液、ポリエチレングリコールの水溶液等を用
いてもよい。好ましい水溶性有機化合物はグリセリンで
ある。
【0035】本発明の微粒子を用いて生体内注入剤を作
製する場合は、生体内分解吸収性を有する疎水性高分子
化合物からなる微粒子と低分子水溶性有機化合物の縣濁
液を安定化させる為に乳化剤、分散剤等が用いられても
良い。この様な乳化剤、分散剤としてはポリソルベート
等のポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、ソルビタンモノ脂肪酸エステルモノス
テアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル等の多価
アルコールアルキルエステル、ステアリン酸ポリオキシ
ル等のポリオキシエチレンアルキルエステル、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等のア
ルギン酸塩、ペクチン、ペクチン酸ナトリウム等のペク
チン誘導体、ラノリン、コレステリン及びその誘導体で
ある羊毛由来物質、アラビアゴム、トラガント等のゴム
類等を使用することが可能である。
【0036】また本発明の微粒子を生体内に注入剤とし
て注入させる時に患者が痛みを訴える場合があり、その
痛みを軽減あるいは消失させるために、体内に注入する
微粒子の懸濁液中に局所麻酔剤を含んでいても良い。局
所麻酔剤としては、リドカイン、テトラカイン、キシロ
カイン、コカイン誘導体、プロカイン、オキシプロカイ
ン、メピバカイン、ブピバカイン、ジブカイン、アミノ
安息香酸エチル、ピペリジノアセチルアミノ安息香酸エ
チル、プロピトカイン、オキセサゼインまたはこれらの
塩酸付加塩等から選ばれる。上記微粒子は、粘調液体に
懸濁させ注入剤とし、例えば2.5ccのシリンジ等の
容器に予め充填されており、術者はカテーテルや内視鏡
等のデバイスを用いることによって、容易に注入部位に
該注入剤を注入することが可能である。
【0037】また、体内注入部位において異物反応等の
生体反応を最小限にするために、前記微粒子中には薬剤
が含浸されており、それが徐放されていても良い。前記
薬剤としては、抗炎症剤、抗癌剤等が挙げられる。ま
た、本発明の微粒子は骨修復材料としても有効に使用で
きる。
【0038】
【実施例】本発明の実施例を以下に挙げ、さらに詳細に
ついて説明する (実施例1)ポリヒドロキシ酪酸(Aldrich社
製)1gをクロロホルム9gに溶解させポリマー濃度が
10重量%の油相を作製した。この油相10mlをプル
ロニック(F−68)50mgを添加した0.5重量%
ポリビニールアルコール水溶液500mlに投入しO/
Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマグネチ
ックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを揮散さ
せ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微粒子を
遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥させ
目的とする微粒子を得た。
【0039】(実施例2)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gをクロロホルム9gに溶解させポリ
マー濃度が10重量%の油相を作製した。この油相10
mlをプルロニック(F−68)100mgを添加した
0.5重量%ポリビニールアルコール水溶液500ml
に投入しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョ
ンをマグネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホ
ルムを揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。得ら
れた微粒子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、
減圧乾燥させ目的とする微粒子を得た。
【0040】(実施例3)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)2gをクロロホルム8gに溶解させポリ
マー濃度が20重量%の油相を作製した。この油相10
mlをプルロニック(F−68)50mgを添加した
0.5重量%ポリビニールアルコール水溶液500ml
に投入しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョ
ンをマグネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホ
ルムを揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。得ら
れた微粒子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、
減圧乾燥させ目的とする微粒子を得た。
【0041】(実施例4)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gをクロロホルム9gに溶解させポリ
マー濃度が10重量%の油相を作製した。この油相10
mlをプルロニック(F−68)50mgを添加した5
重量%ポリビニールアルコール水溶液500mlに投入
しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマ
グネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを
揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微
粒子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾
燥させ目的とする微粒子を得た。
【0042】(実施例5)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gを9gのクロロホルム/ジクロロメ
タン(1/1;(wt/wt))に溶解させポリマー濃
度が10重量%の油相を作製した。この油相10mlを
プルロニック(F−68)50mgを添加した0.5重
量%ポリビニールアルコール水溶液500mlに投入し
O/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマグ
ネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを揮
散させ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微粒
子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥
させ目的とする微粒子を得た。
【0043】(実施例6)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gを9gのクロロホルム/ジクロロメ
タン(1/1;(wt/wt))に溶解させポリマー濃
度が10重量%の油相を作製した。この油相10mlを
プルロニック(F−68)50mgを添加した5重量%
ポリビニールアルコール水溶液500mlに投入しO/
Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマグネチ
ックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを揮散さ
せ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微粒子を
遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥させ
目的とする微粒子を得た。
【0044】(実施例7)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gを9gのクロロホルム/ジクロロメ
タン(1/1;(wt/wt))に溶解させポリマー濃
度が10重量%の油相を作製した。この油相10mlを
プルロニック(F−68)50mgを添加した0.5重
量%ポリビニールアルコール水溶液1000mlに投入
しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマ
グネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを
揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微
粒子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾
燥させ目的とする微粒子を得た。
【0045】(実施例8)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gを9gのクロロホルム/ジクロロメ
タン(1/1;(wt/wt))に溶解させポリマー濃
度が10重量%の油相を作製した。この油相10mlを
0.5重量%ポリビニールアルコール水溶液500ml
に投入しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョ
ンをマグネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホ
ルムを揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。得ら
れた微粒子を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、
減圧乾燥させ目的とする微粒子を得た。
【0046】(実施例9)ヒドロキシ酪酸−ヒドロキシ
バリレート共重合体(Aldrich社製)1gをクロ
ロホルム9gに溶解させポリマー濃度が10重量%の油
相を作製した。この油相10mlをプルロニック(F−
68)50mgを添加した0.5重量%ポリビニールア
ルコール水溶液500mlに投入しO/Wエマルジョン
を作製した。該エマルジョンをマグネチックスターラー
で室温で攪拌し、クロロホルムを揮散させ、油相中のポ
リマーを固化させた。得られた微粒子を遠心分離し、さ
らに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥させ目的とする微粒
子を得た。
【0047】(実施例10)ポリ乳酸1gをクロロホル
ム9gに溶解させポリマー濃度が10重量%の油相を作
製した。この油相10mlをプルロニック(F−68)
50mgを添加した0.5重量%ポリビニールアルコー
ル水溶液500mlに投入しO/Wエマルジョンを作製
した。該エマルジョンをマグネチックスターラーで室温
で攪拌し、クロロホルムを揮散させ、油相中のポリマー
を固化させた。得られた微粒子を遠心分離し、さらに蒸
留水で数回洗浄し、減圧乾燥させ目的とする微粒子を得
た。
【0048】(実施例11)ポリ乳酸1gを9gのクロ
ロホルム/ジクロロメタン(1/1;(wt/wt))
に溶解させポリマー濃度が10重量%の油相を作製し
た。この油相10mlをプルロニック(F−68)50
mgを添加した0.5重量%ポリビニールアルコール水
溶液500mlに投入しO/Wエマルジョンを作製し
た。該エマルジョンをマグネチックスターラーで室温で
攪拌し、クロロホルムを揮散させ、油相中のポリマーを
固化させた。得られた微粒子を遠心分離し、さらに蒸留
水で数回洗浄し、減圧乾燥させ目的とする微粒子を得
た。
【0049】(実施例12)乳酸−グリコール酸共重合
体1gを9gのクロロホルム/ジクロロメタン(1/
1;(wt/wt))に溶解させポリマー濃度が10重
量%の油相を作製した。この油相10mlをプルロニッ
ク(F−68)50mgを添加した0.5重量%ポリビ
ニールアルコール水溶液500mlに投入しO/Wエマ
ルジョンを作製した。該エマルジョンをマグネチックス
ターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを揮散させ、油
相中のポリマーを固化させた。得られた微粒子を遠心分
離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥させ目的と
する微粒子を得た。
【0050】(実施例13)ポリ(ε―カプロラクト
ン)1gを9gのクロロホルムに溶解させポリマー濃度
が10重量%の油相を作製した。この油相10mlをプ
ルロニック(F−68)10mgを添加した0.5重量
%ポリビニールアルコール水溶液500mlに投入しO
/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンをマグネ
チックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルムを揮散
させ、油相中のポリマーを固化させた。得られた微粒子
を遠心分離し、さらに蒸留水で数回洗浄し、減圧乾燥さ
せ目的とする微粒子を得た。
【0051】(比較例1)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)1gをクロロホルム9gに溶解させポリ
マー濃度が10重量%の油相を作製した。この油相10
mlをプルロニック(F−68)10gを添加した0.
5重量%ポリビニールアルコール水溶液500mlに投
入しO/Wエマルジョンを作製した。該エマルジョンを
マグネチックスターラーで室温で攪拌し、クロロホルム
を揮散させ、油相中のポリマーを固化させた。この様に
界面活性剤が多い系では油相がうまく分散せず乳濁して
しまい、目的とする粒径の微粒子はうまく作製できなか
った。
【0052】(比較例2)ポリヒドロキシ酪酸(Ald
rich社製)0.05gをクロロホルム9.95gに
溶解させポリマー濃度が10重量%の油相を作製した。
この油相10mlをプルロニック(F−68)50mg
を添加した0.5重量%ポリビニールアルコール水溶液
500mlに投入しO/Wエマルジョンを作製した。該
エマルジョンをマグネチックスターラーで室温で攪拌
し、クロロホルムを揮散させ、油相中のポリマーを固化
させた。この様に油相中のポリマー濃度が低い系では得
られた微粒子の大きさが小さくなり過ぎ、目的とする粒
径の微粒子はうまく作製できなかった。
【0053】また本発明の実施例に挙げる微粒子のin
vivoにおけるSD系ラットを用いた組織学的評価
について以下実験例として説明する。微粒子の皮下埋入
試験は、ラットをネンブタール麻酔下にラット背部皮下
に該微粒子を埋入し、所定時間後、ラットをエーテル下
に屠殺し、剖検を行った。その後、検体とその周辺組織
を10%中性緩衝ホルマリン溶液で固定し、パラフィン
包埋処理を行って、マイクロトームにて薄切し、組織片
を作製した。得られた薄切切片をヘマトキシリン&エオ
ジン染色により染色し、光学顕微鏡下で観察した。
【0054】(実験例1)実施例1で得られた微粒子を
ラット皮下に埋入した。1週間後、及び4週間後に剖検
しその組織反応を観察した。いずれにおいても、埋入部
において若干のマクロファージの浸入はあるものの炎症
反応は低く、組織適合性のよいものであった。
【0055】(実験例2)微生物の発酵合成法によって
得られたポリヒドロキシ酪酸のグラニュール(平均粒径
約1μm)をラット皮下に埋入した。1週間後、及び4
週間後に剖検しその組織反応を観察した。いずれにおい
ても、マクロファージ、好中球等の炎症性、異物性細胞
の侵入が非常に多く、炎症性が強いことがわかった。ま
たこの様な粒径の小さいものでは注入部位からの多臓器
への移行の可能性が高いと考えられる。
【0056】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明によれば、
生体内で異物性を与えずかつ分解吸収されうる生体内分
解吸収性高分子材料からなり多臓器への移行のない生体
内注入可能な微粒子が製造できるため柔軟組織の増大に
よる機能の回復・改善、例えば尿失禁、膀胱尿管逆流
症、更に骨修復材等に安全で安心して使用できる微粒子
が提供できる。
【0057】また、生体内注入可能な微粒子は、球状で
あり、多臓器への移行が起こらない様な大きさを有し、
生体内への注入が簡便かつ、生体内に注入された移植部
位で異物反応や炎症反応が小さく、さらに長期生体内埋
入において、多くの臓器へは移行せず、仮に摩耗したり
することによって他の臓器に移行したとしてもそのまま
の形状でとどまって副作用を起こすというようなことが
なく、生体内に分解吸収されうる微粒子を含有する注入
剤が製造でき、柔軟組織の増大による機能の回復・改
善、例えば尿失禁、膀胱尿管逆流症、更に骨修復材等に
安全で安心して使用できる注入剤が提供できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内分解吸収性を有する疎水性高分子
    化合物が1〜50重量%溶解された溶媒からなる油相
    と、0.01〜10重量%のポリビニールアルコール水
    溶液に10mg/ml以下となるように界面活性剤が添
    加されてなる水相とで形成されるO/Wエマルジョンか
    ら作製された微粒子であって、該微粒子の大きさが50
    μm〜500μmである生体内注入可能な微粒子。
  2. 【請求項2】生体内分解吸収性を有する疎水性高分子化
    合物を1〜50重量%になるように溶媒に溶解し油相を
    作製する工程と、ポリビニルアルコールを0.01〜1
    0重量%となるように溶解した水溶液に10mg/ml
    を越えない量の界面活性剤を添加し水相を作製する工程
    と、前記油相と前記水相を混合してO/Wエマルジョン
    を作製する工程と、該O/Wエマルジョンから前記溶媒
    を除去して、大きさが50μm〜500μmである微粒
    子を作製する工程とからなる体内注入可能な微粒子の製
    造法。
  3. 【請求項3】前記生体内分解吸収性を有する疎水性高分
    子化合物が脂肪族ポリエステルから選ばれた生体に対し
    て無害なものである請求項1または2に記載の生体内注
    入可能な微粒子またはその製造法。
  4. 【請求項4】前記脂肪族ポリエステルがポリヒドロキシ
    酪酸、ヒドロキシ酪酸−ヒロドキシバリレート共重合体
    の単独あるいはそれらの混合物、またはポリ乳酸、乳酸
    −グリコール酸共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン)
    の単独あるいはそれらの混合物から選ばれたものである
    請求項3に記載の生体内注入可能な微粒子またはその製
    造法。
  5. 【請求項5】前記溶媒がクロロホルムあるいはクロロホ
    ルムとジクロロメタンの混合溶液であり、混合溶液にお
    けるジクロロメタンの割合が1〜80重量%である請求
    項1または2に記載の生体内注入可能な微粒子およびそ
    の製造法。
  6. 【請求項6】前記界面活性剤が、ポリエチレングリコー
    ル−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリ
    オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
    エチレン硬化ひまし油類、ポリビニルピロリドン及びゼ
    ラチンからなる群から選ばれた1種または2種以上のも
    のである請求項1または2に記載の生体内注入可能な微
    粒子またはその製造法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の生体内注
    入可能な微粒子を含有してなる尿失禁あるいは膀胱尿管
    逆流症を改善するための注入剤。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の生体内注
    入可能な微粒子を含有してなる柔軟組織増大に用いられ
    る注入剤。
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