JP2002014673A - 電子楽器の演奏データ加工方法、演奏データ加工装置、自動演奏方法および自動演奏装置 - Google Patents

電子楽器の演奏データ加工方法、演奏データ加工装置、自動演奏方法および自動演奏装置

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JP2002014673A
JP2002014673A JP2000197196A JP2000197196A JP2002014673A JP 2002014673 A JP2002014673 A JP 2002014673A JP 2000197196 A JP2000197196 A JP 2000197196A JP 2000197196 A JP2000197196 A JP 2000197196A JP 2002014673 A JP2002014673 A JP 2002014673A
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sounding
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JP2000197196A
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Hidekazu Tamura
英一 田村
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テンポを変更した場合でも人間の演奏に近い
演出が可能なように演奏データを加工できる演奏データ
加工方法および演奏データ加工装置、テンポを変更した
場合でも人間の演奏に近い演出ができる自動演奏方法お
よび自動演奏装置を提供する。 【解決手段】 相対時間系の時間単位で発音持続時間を
示す発音持続時間データをそれぞれに含む発音データを
複数有する演奏データを記憶し、発音持続時間の管理に
ついての分類条件に基づいて、複数の各発音データが含
む発音持続時間データを複数種類に分類し、発音持続時
間データの分類結果を演奏データに反映させた修正演奏
データを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器の演奏デ
ータ加工方法、演奏データ加工装置、自動演奏方法およ
び自動演奏装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子ピアノや電子オルガンあるい
はシンセサイザ等の電子楽器では、種々の楽器音による
自動演奏(自動伴奏、オートプレイ)のための機能(自
動演奏装置)を備えることが一般化しつつある。この種
の電子楽器の自動演奏装置では、自動演奏のための演奏
データを記憶し、その演奏データには、楽譜上の各音符
に対応する発音データが含まれ、各発音データに基づい
て、指定されたタイミングから指定された持続時間分だ
け指定された音源からの発音を行う。
【0003】また、自動演奏装置では、自動演奏開始時
に演奏のテンポを調整(指定・変更)でき、さらに、自
動演奏中でも、操作者(ユーザ)がその場のいわゆる
「ノリ」に合わせて、演奏のテンポを調整(変更)でき
るものも知られている。これらの場合、自動演奏装置で
は、いわゆる分解能(タイムベース)の基本単位となる
ティック(ticks )およびその周期を整数倍したステッ
プに基づいて、演奏開始からの経過時間をティック数ま
たはステップ数により相対時間系で計時する。このた
め、一般に、各発音データには、音符の位置等を相対時
間系で示す発音開始データと、その発音の長さを相対時
間系で示す発音持続時間データが含まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、楽譜上に
は、奏法に関する記号(レガート、アルペジオ、グリッ
サンド、ポルタメント、ポルタート、トレモロ、ビブラ
ート、マルカート等)や、音符の長さに関する記号(テ
ヌート、スタッカート、スタッカーティシモ、メゾ・ス
タッカート(ポルタートによる)、スラー(レガートに
よる)、フェルマータ等)があるが、実際の楽器を人間
が演奏する場合、その演奏には、楽譜上には表現できな
い要素が加わる。
【0005】例えば、上述のテンポについて言えば、上
述の「ノリ」等に合わせてテンポが調整(変更)され
る。この場合、例えばスタッカートでは、基本的には音
符の長さの約1/2とされるが、遅いテンポの場合に完
全に1/2までのばすと、スタッカートにより演出しよ
うとした雰囲気がでなかったり、速いテンポの場合に1
/2にすると、短すぎて人間の耳では各音を認識できな
いことがある。また、速いテンポの場合には、実際問題
として人間には楽譜通りの相対的長さで演奏できない音
符も出てくる。他の記号についても同様であり、演奏を
するのもそれを聴くのも生身の人間なので、各音の長さ
や次の音との間隔を認識できるように演奏したり、その
曲の雰囲気を出すためには、テンポによって各記号等の
意味を微妙に変えて演奏する必要がある。あるいは演奏
の都合上、変えざるを得ない場合もある。このため、一
応の基準はあるものの、実際の楽器を人間が演奏する場
合、これらの演出については、奏者に委ねられる。
【0006】これに対し、上述のように、演奏データに
おける各発音データの発音持続時間データは、データ作
成時に想定した基準のテンポによるティック数等で規定
されている。このため、従来の自動演奏装置では、自動
演奏中にテンポの調整(変更)はできても、テンポを変
更した場合に、人間が演奏する場合のような演出はでき
ない。すなわち、速いテンポに変更した場合に、人間の
耳では各音を認識できないような短い音を出したり、遅
いテンポに変更した場合に、雰囲気に合わないような長
い音を出すことがある。そして、このことが、自動演奏
の場合に、人間的な暖かみのない無機質の(無機的な、
生命感や躍動感のない、冷淡な)演奏となることがある
一因となっている。
【0007】そこで、本発明は、テンポを変更した場合
でも人間の演奏に近い演出が可能なように演奏データを
加工できる演奏データ加工方法および演奏データ加工装
置、テンポを変更した場合でも人間の演奏に近い演出が
できる自動演奏方法および自動演奏装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の電子
楽器の演奏データ加工方法は、相対時間系の時間単位で
発音持続時間を示す発音持続時間データをそれぞれに含
む発音データを複数有する演奏データを記憶する演奏デ
ータ記憶工程と、前記発音持続時間の管理についての分
類条件に基づいて、前記複数の各発音データが含む発音
持続時間データを複数種類に分類する発音持続時間デー
タ分類工程と、前記発音持続時間データの分類結果を前
記演奏データに反映させた修正演奏データを生成する修
正演奏データ生成工程と、を備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項6の電子楽器の演奏データ加
工装置は、相対時間系の時間単位で発音持続時間を示す
発音持続時間データをそれぞれに含む発音データを複数
有する演奏データを記憶する演奏データ記憶手段と、前
記発音持続時間の管理についての分類条件に基づいて、
前記複数の各発音データが含む発音持続時間データを複
数種類に分類する発音持続時間データ分類手段と、前記
発音持続時間データの分類結果を前記演奏データに反映
させた修正演奏データを生成する修正演奏データ生成手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】この演奏データ加工方法およびその装置で
は、相対時間系の時間単位で発音持続時間を示す発音持
続時間データをそれぞれに含む発音データを複数有する
演奏データを記憶し、発音持続時間の管理についての分
類条件に基づいて、複数の各発音データが含む発音持続
時間データを複数種類に分類し、発音持続時間データの
分類結果を演奏データに反映させた修正演奏データを生
成する。この場合、修正演奏データには、発音持続時間
データの分類結果が反映されているので、その分類結果
に従って演奏可能な演奏データとなる。一方、発音持続
時間データは、相対時間系の時間単位で発音持続時間を
示している。このため、テンポを変更した場合、絶対時
間系の時間単位との対応関係を分類毎に異なるように演
奏することが可能になる。すなわち、人間の奏者がその
場の「ノリ」等に合わせてテンポを変更する場合に、音
符上の相対的長さを変えて演奏を演出するのと同様のこ
とが可能になる。言い換えると、修正演奏データは、テ
ンポを変更した場合でも人間の演奏に近い演出が可能な
演奏データとなる。したがって、この演奏データ加工方
法およびその装置では、テンポを変更した場合でも人間
の演奏に近い演出が可能なように演奏データを加工でき
る。
【0011】また、請求項1の演奏データ加工方法にお
いて、前記発音持続時間の管理についての分類条件に
は、分類される発音持続時間データが示す発音持続時間
の値の範囲に関する条件が含まれることが好ましい。
【0012】また、請求項6の演奏データ加工装置にお
いて、前記発音持続時間の管理についての分類条件に
は、分類される発音持続時間データが示す発音持続時間
の値の範囲に関する条件が含まれることが好ましい。
【0013】この演奏データ加工方法およびその装置で
は、発音持続時間の管理についての分類条件には、分類
される発音持続時間データが示す発音持続時間の値の範
囲に関する条件が含まれる。このため、発音持続時間の
値の範囲に関する条件に基づいて、発音持続時間データ
を分類できる。これにより、テンポを変更した場合、絶
対時間系の時間単位との対応関係が、発音持続時間の値
の範囲(例えば所定値以上、所定値以下、所定値から所
定値までの間、など)によって異なるように、演奏する
ことが可能になる。
【0014】また、請求項1または2の演奏データ加工
方法において、前記演奏データには、音色、エフェクト
およびリズムの少なくとも1つを所定のタイミングで指
示する演奏指示データが含まれ、前記発音持続時間の管
理についての分類条件には、分類される発音持続時間デ
ータを含む発音データによる演奏が、前記演奏指示デー
タによる指示の対象か否かの条件が含まれ、前記発音持
続時間データ分類工程は、前記各発音データについて、
前記演奏指示データによる指示の対象か否かを判別する
演奏指示判別工程を有することが好ましい。
【0015】また、請求項6または7の演奏データ加工
装置において、前記演奏データには、音色、エフェクト
およびリズムの少なくとも1つを所定のタイミングで指
示する演奏指示データが含まれ、前記発音持続時間の管
理についての分類条件には、分類される発音持続時間デ
ータを含む発音データによる演奏が、前記演奏指示デー
タによる指示の対象か否かの条件が含まれ、前記発音持
続時間データ分類手段は、前記各発音データについて、
前記演奏指示データによる指示の対象か否かを判別する
演奏指示判別手段を有することが好ましい。
【0016】この演奏データ加工方法およびその装置で
は、演奏データには、音色、エフェクトおよびリズムの
少なくとも1つを所定のタイミングで指示する演奏指示
データが含まれ、発音持続時間の管理についての分類条
件には、分類される発音持続時間データを含む発音デー
タによる演奏が、演奏指示データによる指示の対象か否
かの条件が含まれ、各発音データについて、演奏指示デ
ータによる指示の対象か否かを判別する。この場合、分
類される発音持続時間データを含む発音データによる演
奏が、演奏指示データによる指示の対象か否かの条件に
基づいて、発音持続時間データを分類できる。このた
め、例えば人間の奏者が演奏する場合であれば、いわば
「聞かせどころ」となる演奏に入るときには、音色、エ
フェクトおよびリズムの少なくとも1つを所定のタイミ
ングで指示する演奏指示データを含ませ、その指示対象
となる発音データの分類条件に含ませておくことによ
り、テンポ変更に拘わらず、あるいはテンポ変更をする
としても、絶対時間系の時間単位との対応関係が異なる
ように、演奏することが可能になる。
【0017】また、請求項4の電子楽器の自動演奏方法
は、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子楽器の演
奏データ加工方法における各工程を備えた電子楽器の自
動演奏方法であって、前記各発音データは、対応する音
源を示す音源情報データとその音源からの発音開始タイ
ミングを前記相対時間系の時間単位で示す発音開始デー
タと、をさらに含み、演奏のテンポを変化させるテンポ
変更工程と、前記テンポを変化させたときに、その変化
に反比例の関係を有して変化する第1相対時間系の時間
単位の周期で、第1タイミング信号を周期的に出力する
第1タイミング信号出力工程と、前記テンポの変化に対
する関係が前記第1相対時間系と異なる第2相対時間系
の時間単位の周期で、第2タイミング信号を周期的に出
力する第2タイミング信号出力工程と、前記複数種類の
うちの第1類に分類された第1発音持続時間データが示
す第1発音持続時間を、前記第1タイミング信号に基づ
いて計時する第1計時工程と、前記複数種類のうちの前
記第1類と異なる第2類に分類された第2発音持続時間
データが示す第2発音持続時間を、前記第2タイミング
信号に基づいて計時する第2計時工程と、前記第1発音
持続時間データを含む発音データの音源情報データが示
す音源を使用して、その発音開始データが示す発音開始
タイミングから、前記第1発音持続時間分だけ発音する
第1発音工程と、前記第2発音持続時間データを含む発
音データの音源情報データが示す音源を使用して、その
発音開始データが示す発音開始タイミングから、前記第
2発音持続時間分だけ発音する第2発音工程と、をさら
に備えたことを特徴とする。
【0018】また、請求項9の電子楽器の自動演奏装置
は、請求項6ないし8のいずれかに記載の電子楽器の演
奏データ加工装置を備えた電子楽器の自動演奏装置であ
って、前記各発音データは、対応する音源を示す音源情
報データとその音源からの発音開始タイミングを前記相
対時間系の時間単位で示す発音開始データと、をさらに
含み、演奏のテンポを変化させるテンポ変更手段と、前
記テンポを変化させたときに、その変化に反比例の関係
を有して変化する第1相対時間系の時間単位の周期で、
第1タイミング信号を周期的に出力する第1タイミング
信号出力手段と、前記テンポの変化に対する関係が前記
第1相対時間系と異なる第2相対時間系の時間単位の周
期で、第2タイミング信号を周期的に出力する第2タイ
ミング信号出力手段と、前記複数種類のうちの第1類に
分類された第1発音持続時間データが示す第1発音持続
時間を、前記第1タイミング信号に基づいて計時する第
1計時手段と、前記複数種類のうちの前記第1類と異な
る第2類に分類された第2発音持続時間データが示す第
2発音持続時間を、前記第2タイミング信号に基づいて
計時する第2計時手段と、前記第1発音持続時間データ
を含む発音データの音源情報データが示す音源を使用し
て、その発音開始データが示す発音開始タイミングか
ら、前記第1発音持続時間分だけ発音する第1発音手段
と、前記第2発音持続時間データを含む発音データの音
源情報データが示す音源を使用して、その発音開始デー
タが示す発音開始タイミングから、前記第2発音持続時
間分だけ発音する第2発音手段と、をさらに備えたこと
を特徴とする。
【0019】この自動演奏方法およびその装置では、ま
ず、請求項1ないし3のいずれかの演奏データ加工方法
における各工程あるいは請求項6ないし8のいずれかの
演奏データ加工装置を備えるので、テンポを変更した場
合でも人間の演奏に近い演出が可能なように演奏データ
を加工して修正演奏データを生成できる。また、各発音
データは、対応する音源を示す音源情報データとその音
源からの発音開始タイミングを相対時間系の時間単位で
示す発音開始データと、をさらに含む。この場合、発音
開始タイミングは発音持続時間と同様に相対時間系の時
間単位で示されるので、まとまった発音データとして管
理しやすいとともに、音源情報データが示す音源からの
発音開始タイミングまでに分類することが可能になり、
これにより、分類に従った発音持続時間の管理がし易く
なり、テンポを変更した場合でも、その影響が分類毎に
異なるように演奏し易くなる。
【0020】そこで、この自動演奏方法およびその装置
では、演奏のテンポを変化を変化させたときに、その変
化に反比例の関係を有して変化する第1相対時間系の時
間単位の周期で、第1タイミング信号を周期的に出力す
る。すなわち、この第1相対時間系の時間単位の周期の
変化は、テンポの変化に反比例するので、従来の自動演
奏装置等におけるテンポの変化に対するティックの周期
の変化と同様であり、例えばテンポを2倍にすれば、第
1タイミング信号の周期は半分となる。また、複数種類
のうちの第1類に分類された第1発音持続時間データが
示す第1発音持続時間を、第1タイミング信号に基づい
て計時するので、第1類に分類された第1発音持続時間
データが示す第1発音持続時間も、テンポが変化すれ
ば、その変化に反比例し、従来と同様の時間管理とな
る。また、第1発音持続時間データを含む発音データの
音源情報データが示す音源を使用して、その発音開始デ
ータが示す発音開始タイミングから、第1発音持続時間
分だけ発音するので、第1発音持続時間データを含む発
音データによる発音(演奏)は、従来と同様の時間管理
の元で行われ、その発音持続時間は、テンポの変化に反
比例する。
【0021】一方、テンポの変化に対する関係が第1相
対時間系と異なる第2相対時間系の時間単位の周期で、
第2タイミング信号を周期的に出力し、複数種類のうち
の第1類と異なる第2類に分類された第2発音持続時間
データが示す第2発音持続時間を、第2タイミング信号
に基づいて計時し、第2発音持続時間データを含む発音
データの音源情報データが示す音源を使用して、その発
音開始データが示す発音開始タイミングから、第2発音
持続時間分だけ発音する。このため、第2類に分類され
た第2発音持続時間データが示す第2発音持続時間も、
テンポの変化に対する関係が、第1類に分類された第1
発音持続時間データが示す第1発音持続時間とは異な
り、単純な反比例とは成らない。そして、これにより、
第2発音持続時間データを含む発音データによる発音
(演奏)は、従来とは異なる時間管理の元で行われるこ
とになる。ここで、第1発音持続時間データと第2発音
持続時間データとは、前述のように、発音持続時間の管
理についての分類条件に基づいて分類されたものであ
る。
【0022】このため、この自動演奏方法およびその装
置では、修正演奏データに対して、その修正(分類)の
意図に沿った時間管理ができ、テンポを変更した場合、
絶対時間系の時間単位との対応関係が分類毎に異なるよ
うに演奏することが可能になる。すなわち、人間の奏者
がその場の「ノリ」等に合わせてテンポを変更する場合
に、音符上の相対的長さを変えて演奏を演出するのと同
様のことが可能になる。したがって、テンポを変更した
場合でも人間の演奏に近い演出ができる。なお、この場
合、第1類に分類されたものについては、従来通りの時
間管理ができるので、従来通りの演奏がしたい場合に
は、全て第1類とするだけで済み、上位互換性を確保す
ることもできる。
【0023】また、請求項4の自動演奏方法において、
前記第2タイミング信号の周期の前記テンポの変化に対
する関係を、任意に設定する第2相対時間単位周期設定
工程をさらに備えたことが好ましい。
【0024】また、請求項9の自動演奏装置において、
前記第2相対時間系の時間単位の周期の前記テンポの変
化に対する関係を、任意に設定する第2相対時間単位周
期設定手段をさらに備えたことが好ましい。
【0025】この自動演奏方法およびその装置では、第
2タイミング信号の周期、すなわち第2相対時間系の時
間単位の周期の、テンポの変化に対する関係を、任意に
設定できる。この場合、設定方法としては、テンポを変
化させた場合の第2タイミング信号の周期(変化)を、
テーブルとして用意しておいてそれを参照しても良い
し、60(秒)/(テンポ×タイムベース)と同様の関
係式を用意してその式から求めても良い。また、テンポ
の関数や配列等で規定しても良い。あるいは例えばテン
ポ=40〜60のときにはXms、80〜140ではY
ms、160以上ではZms(X、Y、Zは任意の数)
等のように、所定範囲の複数のグループに分けて定める
こともできる。また、テンポの変化に対する第2タイミ
ング信号の周期の上限値や下限値を定めることができ
る。また、第1タイミング信号の周期に所定の比率を乗
じて、テンポの変化に対する第2タイミング信号の周期
の変化を小さくしたり、逆に大きくしたり、全テンポに
対して一律としたり、などの種々の設定ができる。した
がって、テンポを変更した場合でも、人間の演奏に近い
演出を、さらに容易に行うことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
電子楽器の演奏データ加工方法およびその装置並びに自
動演奏方法およびその装置を適用した電子オルガンタイ
プの電子楽器について、添付図面を参照しながら詳細に
説明する。
【0027】図1および図2に示すように、この電子楽
器1は、楽器であるとともに電子機器であり、ユーザと
のマンマシンインタフェースを行う操作部20と、その
操作部20を含めて電子楽器1内の各部を制御する制御
部10と、各部に電力を供給する電源部30とを備えて
いる。このため、電子楽器1のケースの内部には、図外
の回路基板が収納され、この回路基板には、電源部30
の電源ユニットの他、制御部20の各回路などが搭載さ
れ、図外のAC電源等にプラグ等を介して接続されてい
る。
【0028】操作部20は、楽器としての主操作部とな
りいわゆる手鍵盤となるキーボード3と、足鍵盤となる
ペダル群や演奏効果のための各種ペダル(オルガン系を
模擬するためのエクスプレッションペダル(リズムスト
ップスイッチ、グランドスイッチ、フィルインスイッチ
等が付属)、ピアノ系を模擬するためのラウドペダル
(ダンパペダル、サスティンペダル)、ソフトペダル、
ソステヌートペダル(マフラーペダル)等)を有するペ
ダル群6と、キーボード3の周囲に配置され電子機器と
しての主操作部となるパネル5と、外部記憶(ES)と
のインタフェース部となる外部記憶インタフェース(E
SI)7と、いわゆる発音回路やサウンドシステムのう
ちのスピーカ82近傍の回路(例えばアンプ等)81を
含む発音部8と、を備えている。
【0029】なお、ここでは、後述の音源部160と発
音部8とを後述のD/Aコンバータ162の出力部分で
区切って図示しているが、これらをまとめて、より大き
な意味での音源部(または発音部)となるので、音源部
160と発音部8との概念的な(ブロック図的な)区切
りはどこでも良い。
【0030】また、本実施形態では、外部記憶(ES)
としてフロッピー(登録商標)ディスク(FD)を用い
るので、ESI7は具体的にはFDドライブ(FDD)
の機構部となるが、FDの他、コンパクトディスク(C
D(CD−ROM、書込可能なCD−R、再書込可能な
CD−R/W等))、レーザディスク(LD)、光磁気
(MO)ディスク、ミニディスク(MD)、外付けのハ
ードディスク(HD:リムーバルハードディスク(RH
D)を含む)、ZIPなど、光や磁気等を用いた任意の
外部記憶(ES)を使用でき、これらの場合、それぞれ
のドライブを操作部20に備えれば良く、後述の外部記
憶コントローラ(ESC)140もこれらと対応するも
のを備えれば良い。
【0031】キーボード3は、図1では簡略化して図示
しているが、電子楽器1では、図2に示すように、上鍵
盤(アッパーマニュアル)、中鍵盤(ミドルマニュア
ル)および下鍵盤(ロアーマニュアル)から成る3段構
成のキーボード3(いわゆるコンソールタイプ)を備え
ている。
【0032】また、両図に示すように、電子楽器1で
は、キーボード3の周囲に、各種のプッシュ式、プル
式、スライド式、ダイヤル式等のキー、ボタン、スイッ
チ等(以下、キーボード3の「キー」と区別しやすいよ
うに、任意の一つを呼ぶときは「パネルスイッチ」とい
う。)51と、ボリュームインジケータ等の例えばLE
D等から成る各種のインジケータ52と、液晶等から成
る表示画面41を有するディスプレイ4と、を備えたパ
ネル5が設けられている。なお、パネル5の各部(パネ
ルスイッチ等について)の詳細は、必要に応じて後述す
る。また、ディスプレイ4をタッチパネルで構成し、パ
ネルスイッチ51の一部を表示されたタッチキーにより
構成して、パネルスイッチ数の削減やパネル部5の小型
化等を図ることもできる。
【0033】制御部10は、図1に示すように、CPU
11、ROM12、RAM13、周辺制御回路(周辺制
御コントローラ:PCN)100を備え、互いに内部バ
ス15により接続されている。また、水晶発振子を有し
て基本クロックを発生するとともに、基本クロックを分
周した各種のクロックを発生するクロック回路(CL
K)16を備え、各部に分配している。
【0034】ROM12は、CPU11で処理する制御
プログラムを記憶する制御プログラム領域12aの他、
ディスプレイ4の表示や各種演奏効果(音色や残響など
のエフェクト)に関する各部仕様に基づく制御データや
標準(デフォルト)の各部設定データなどの各種制御デ
ータを記憶している制御データ領域12bを有してい
る。なお、制御データの詳細は、必要に応じて後述す
る。
【0035】RAM13は、電源がオフにされても記憶
したデータを保持しておくように、電源部30のバック
アップ回路により電源のバックアップを受けており、各
種のレジスタやバッファなどの領域を有する他、ユーザ
が設定した各種設定データ(例えば音色、エフェクト、
リズムなどの設定や、その他、自動演奏用のセッティン
グなど:レジストレーションデータ)を記憶し、制御処
理のための作業領域として使用される。
【0036】PCN100には、CPU11の機能を補
うとともに周辺回路とのインタフェース信号を取り扱う
ための各種の回路が組み込まれている。PCN100を
機能的に分けると、検出部110と、駆動部120と、
MIDIインタフェース130と、外部記憶コントロー
ラ(ESC)140と、カウンタ部150と、音源部1
60と、を備えている。
【0037】検出部110は、ユーザによりパネル5の
各種のパネルスイッチ51が操作されたときに、その動
作を検出するパネルスイッチ操作検出回路(パネルスイ
ッチ操作検出センサ)111と、キーボード3の各鍵盤
(キー)の動作を検出するボードキー検出回路(ボード
キー操作検出センサ)112と、ペダル群6の各ペダル
61の動作を検出するペダル操作検出回路(ペダル操作
検出センサ)113と、を備え、各検出結果を内部バス
15(あるいは専用接続線でも可)を介してCPU11
に報告する。なお、これらの検出結果は、後述の割込イ
ベントとなるので、各検出回路の他、各割込イベントを
その発生タイミングや優先順位等により整理・調整する
割込制御回路を設けることもできる。
【0038】駆動部120は、パネル5のディスプレイ
4を駆動するディスプレイドライバ121と、パネル5
上の各種インジケータ52を駆動するインジケータドラ
イバ122と、自動演奏の場合にその演出としてキーボ
ード3の各キー31やペダル群6の各ペダル61をソレ
ノイド等により駆動する演奏ドライバ123と、を備
え、(内部バス15あるいは専用接続線を介した)CP
U11からの指令に従って、操作部20の各部を駆動す
る。
【0039】MIDIインタフェース130は、MID
I送信回路(トランスミッタ)131と、MIDI受信
回路(レシーバ)132と、を備え、MIDIコネクタ
135を介して、他のMIDI楽器(シンセサイザ、シ
ーケンサを含む)やMIDI情報(MIDIデータ)を
扱えるコンピュータ等の外部装置と、MIDIケーブル
(5ピンDINケーブル)により接続され、CPU11
と連動して、それらの外部装置との間でMIDIデータ
を送受信を行う。
【0040】もちろん、THRU端子を用いてカスケー
ド(チェーン)接続したり、パラボックス(THRUボ
ックス)を用いて複数の外部装置と接続することもでき
る。また、パソコン等と接続する場合、パソコンのシリ
アルポート(RS−232C等)によるシリアルインタ
フェースとMIDIインタフェースとをコンバートする
コンバータも市販されているので、それを利用すること
もできる。なお、近年のオペレーティングシステム(O
S)により標準サポートされているUSB(Universal
Serial Bus)や、IEEE1394(ファイアワイア)
を利用できるようにしても良い。
【0041】ESC140は、外部記憶(ES:ここで
はFD)のコントローラであるとともに、内蔵のハード
ディスク(HD)141のコントローラであり、HD1
41や外部記憶(ES)を介したシーケンサとしての機
能を兼ね備えていて、CPU11と連動して、HD14
1やFD(ES)71に対して、ユーザが自分の演奏を
録音したり、記憶してある例えば先生のお手本の演奏を
再生することができるようになっている。また、SMF
(スタンダードMIDIファイル)形式等の演奏データ
の録音・再生や、ユーザが設定した各種設定データ(例
えば音色、エフェクト、リズム等やレジストレーション
データ等)を記憶することもできる。また、例えばパー
ト毎に(例えばSMF等に対応させて記録するトラック
を選択することにより)録音を重ねることもできる。
【0042】カウンタ部150は、絶対時間(時刻)系
で実時間(絶対時刻)を計測(カウント)する実時間タ
イマ(TIM)151と、相対時刻系で一拍(4分音
符)の長さ等の単位となるティック(ticks )を計測す
る第1ティックタイマ(T1T)152と、基本的には
ティックを計測するが、テンポ変更時の値を任意設定可
能な第2ティックタイマ(T2T)153と、各種の汎
用カウンタ154と、を備えている。第1ティックタイ
マ(T1T)152と第2ティックタイマ(T2T)1
53については、さらに後述する。
【0043】実時間タイマ(TIM)151は、例えば
MIDIタイムコード(MTC)やSMPTE(Societ
y of Motion Picture and Television Engineer )タイ
ムコードと同じ形式で実時間を計測するものである。こ
の計測により、電子楽器1では、時/分/秒/フレーム
(さらにフレーム下の単位としてビット(1フレーム=
80ビット)まで計測しても良い)の絶対時刻情報を得
ることができ、MIDIデータの送受信において、マル
チトラックレコーダ(MTR)等と絶対時間系での同期
を取りやすくなっている。また、各汎用カウンタ154
は、それぞれカウント値を保持するレジスタ部と、イン
クリメント/ディクリメント/セット/リセット/ホー
ルド用の論理回路と、を有して、カウンタとして機能す
る回路であり、CPU11からの指令に従って、タイマ
機能を含む各種のカウントが可能に構成されている。
【0044】なお、一般に、所定のメモリ(例えばRA
M13)内にカウント値記憶用の領域を設け、CPU1
1によって所定のタイミングでその値をインクリメント
等すれば、性能上の問題やメモリ容量等の問題がない限
り、各種カウンタを代用できるので、上記のTIM15
1、T1T152、T2T153と、各種の汎用カウン
タ154の一部あるいは全部を省略して、RAM13内
の領域を各種カウンタ領域としても良い。また、任意の
汎用カウンタ151を、逆に特定のカウンタ機能(例え
ばステップカウンタやゲートタイムカウンタ等)に特化
して、専用カウンタとすることもできる。ただし、本実
施形態の電子楽器1では、比較的性能上の制約が厳しい
TIM151、T1T152、T2T153のみをハー
ドウェア(論理回路)によるカウンタとして、他の各種
カウンタ(各種タイマ)はソフトウェア(プログラム処
理)によるカウンタとする。
【0045】音源部160は、CPU11からの指令に
従って、各種の音色に関するディジタルデータ(ウェー
ブテーブル方式等)を出力可能なトーンジェネレータ
(TG)161と、その出力をD/A変換するD/Aコ
ンバータ162と、を備えている。この音源部160
は、前述のように、発音部8とともに、より大きな意味
での音源部となっていて、GM(General MIDI)モード
においては、GMの音源仕様に準拠した音源(GM音
源:GM Instrument )として機能するほか、所定の特定
モードにおいては、GM音源としての機能を内包した上
位仕様の音源として機能する。このため、GMモードの
場合でも、メロディ用(MIDIの16チャンネルのう
ちのチャンネル10以外の全チャンネルに対応)の12
8音色およびリズム用の47音色(チャンネル10に対
応:音源としてはチャンネル10のノートナンバに対応
してリズム用に最大128音色を設定可能)の発音がで
きる。
【0046】なお、本実施形態の電子楽器1では、DT
M(Desk Top Music)等でも主流となっているPCM
(Pulse Code Modulatin)音源を使用するが、加算(ま
たは減算)合成方式、FM音源方式、非線形合成方式
等、あるいはこれらにPCM方式やアナログ方式を加え
た基本的な音源方式の単独型、または複数組み合わせた
複合型、さらには、これらの音色(波形)をミックス比
を変えて作るいわゆるベクトルシンセサイザ型など、種
々の方式の音源を使用することができる。
【0047】上述のように、PCN100には、CPU
11の機能を補うとともに周辺回路とのインタフェース
信号を取り扱うための各種回路が組み込まれている。こ
のため、各回路は、市販のセンサ、回路素子、IC等の
他、FPGAを含む各種ゲートアレイやカスタムLSI
あるいは複数種のベアチップ等を搭載したマルチチップ
モジュールなどにより、回路毎に個別構成することもで
きるし、複数の機能や回路を、アナログ/ディジタル混
在の専用のASICやパッケージ等としてまとめて構成
することもできる。
【0048】また、PCN100は、操作部20の各部
と接続され、操作部20からの各種指令や入力データあ
るいはそれらからの検出結果を、そのままあるいは加工
して内部バス15に取り込むとともに、CPU11と連
動して、CPU11等から内部バス15に出力されたデ
ータや制御信号を、そのままあるいは加工して操作部2
0に出力する。
【0049】そして、CPU11は、上記の構成によ
り、ROM12内の制御プログラムに従って、PCN1
00を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を
入力し、RAM13内の各種データ等を処理し、PCN
100を介して操作部20に制御信号を出力することに
より、電子楽器1を使用したユーザによる演奏あるいは
各種の演奏データに基づく自動演奏など、電子楽器1全
体を制御している。
【0050】次に、電子楽器1の制御全体の処理フロー
について、図3を参照して説明する。電源キー51sの
オン操作(電源オン)等により処理が開始すると、同図
に示すように、まず、電子楽器1を、前回の電源キー5
1sのオフ操作(電源オフ)時の状態に戻すために、退
避していた各制御フラグを復旧するなどの初期設定を行
い(S1)、次に、基準(デフォルト)の操作案内を表
示画面41に初期画面として表示する(S2)。なお、
予め所定の設定をしておくことによって、前回の電源オ
フ時(操作終了時)の表示画面を初期画面として表示さ
せることもできるし、(例えばMIDIファイル編集用
のエディタ画面)などの所定の画面を初期画面として設
定(カスタマイズ)しておくこともできる。
【0051】初期画面表示が終了すると(S2)、次
に、予め定めてある種類の(所定の)割込を許可する
(S3)。すなわち、所定の割込(初期許可割込)の割
込許可フラグをセットする。なお、この初期画面表示の
状態で認める割込の種類もカスタマイズが可能である。
【0052】図3のその後の処理、すなわち割込イベン
ト有りか否かの判断分岐(S4)および各種割込処理
(S5)は、概念的に示した処理である。電子楽器1で
は、初期画面表示(S2)が終了すると、初期許可割込
を許可するので(S3)、何らかの初期許可割込(次回
からはその時点で許可された割込)が発生するまでは
(S4:No)、その他の処理(不要なら省略も可)を
行い(S6)、何らかの初期許可割込(許可された割
込)が発生すると(S4:Yes)、それぞれの割込処
理に移行し(S5)、その割込処理が終了すると、その
他の処理を行ってから(S6)、再度、割込イベント待
機状態(S4:No)となる。
【0053】なお、この各種割込処理(S5)には、そ
の時点では許可されていない割込を許可したり、その時
点では許可されている割込を禁止(例えば割込許可フラ
グをリセット)する処理も含まれるので、全体として
は、種々の処理に必要な割込処理を次々とつないだ処理
が行われる。また、初期許可割込の種類を選択するため
処理(カスタマイズの処理)に入るための割込処理は、
初期許可割込として自動的に許可されるので、仮にユー
ザがカスタマイズに失敗して(間違って)、所望の処理
(割込処理)ができなくなっても、カスタマイズをやり
直すこと(またはやり直し後に再度電源を入れ直すこ
と)ができるようになっている。
【0054】以下では、説明を簡単にするため、例えば
キーボード3の各キー31の全ての操作、パネル5のパ
ネルスイッチ51の全ての操作、ペダル群6のペダル6
1の全ての操作、ESI(ここではFDD)7に対する
FDの挿入など、操作部20に対するユーザの操作(割
込イベント)により発生する割込処理の全てを、初期か
ら許可している(初期許可割込としている)ものとして
説明する。
【0055】次に、電子楽器1において、制御プログラ
ムに従って行うシーケンス機能(以下、単に「シーケン
サ」と略す)における時間管理と、そのシーケンサで扱
う演奏データ(シーケンスデータ)のフォーマットにつ
いて説明する。
【0056】まず、MIDI規格に従って演奏動作を表
現したMIDIメッセージは、大きく2つに分類でき
る。すなわち、MIDIシステムに含まれる個々の楽器
に対して別々の演奏情報を伝えるチャンネルメッセージ
と、MIDIシステムに接続された全ての機器に対する
システムメッセージに分類される。チャンネルメッセー
ジは、さらに、一般的な楽器の演奏情報を表現するボイ
スメッセージと、モノフォニックやポリフォニック等の
楽器の基本となる受信状態等を表現するモードメッセー
ジに分類される。一方、システムメッセージは、さらに
エクスクルーシブメッセージ、コモンメッセージ、リア
ルタイムメッセージの3つに大別される。
【0057】そして、ボイスメッセージの代表的なもの
が、例えばキーボード3の各キー(各ノート)に対する
押鍵(ノートオン)を表現するノートオンメッセージ
と、各キー(各ノート)からの離鍵(ノートオフ)を表
現するノートオフメッセージである。ノートオンメッセ
ージやノートオフメッセージは、ノートオンを示すステ
ータスバイト(9nH:以下「H」は16進(ヘキサ)
を示す。また、nは任意のチャンネル番号を示す。)や
ノートオフを示すステータスバイト(8nH)に続く2
バイトのデータバイトの計3バイトで構成される。この
場合の最初のデータバイトは、例えばキーボード3の各
キー31に数値を割り当てたノート番号(ノートナン
バ:note no.)を示し、次のデータバイトは、どのくら
いの早さで押鍵(ノートオン)または離鍵(ノートオ
フ)したか(すなわち間接的にその音量)を数値で表現
するベロシティ:velocity)を示している。
【0058】一般的なシーケンサと同様に、電子楽器1
のシーケンサにおいても、音の長さを管理しているのが
ゲートタイム(あるいはデュレーション)と呼ばれるパ
ラメータであり、ノートオンからノートオフまでの時間
を示している。ここで、楽器音の時間経過に伴う変化
を、音の立ち上がり時間や減衰時間等のパラメータでモ
デル化した楽器音のエンベロープにおいて、基本となる
パラメータは、アタックタイム(A)、ディケイタイム
(D)、サスティンレベル(S)、リリースタイム
(R)のいわゆるADSRの4パラメータであるが、上
記のノートオフは、人が演奏するときの離鍵のタイミン
グと同様に、音のリリースタイムの開始タイミングを示
す。
【0059】このため、人が演奏するときに音のリリー
スを考慮して早めに離鍵するのと同様に、ゲートタイム
は、通常、音符の長さより短く設定される。ただし、ゲ
ートタイムを音符の長さの何%程度にすべきかは、音色
にもよるし、曲の流れや雰囲気、テンポによっても変化
し、また、ゲートタイムを短めにして、リバーブ等のエ
フェクトでリリースを補うことにより、同時発音数を稼
ぐこともできる。
【0060】ところで、MIDI用のシーケンサは、演
奏情報をシーケンシャル(順番)に送信するものであ
る。このため、シーケンスデータは、演奏情報とその情
報をいつ実行するかという時間情報を含んでいる。そし
て、その時間管理の方法には、大別して、絶対時間(時
刻)系と相対時間系の2つの方法がある。楽譜は、演奏
テンポによって同じ4分音符でも実際の演奏時間が違う
ように、相対時間系の表記であるため、演奏にはテンポ
変化による表現を行うなど、相対時間系の方が感覚的に
マッチしている。このため、電子楽器1においても、基
本的には、相対時間系を用いている。
【0061】相対時間系のシーケンサにおける時間管理
では、音符の位置(ロケーション)やゲートタイムを示
すために、1拍(4分音符)の長さを細かな単位で表現
する。この最小単位を、一般にクロック(clock )やテ
ィック(ticks )等と呼び、シーケンサの精度を表す分
解能(タイムベース)は、1拍(4分音符)の長さに相
当するクロック数(ティック数)により表される(図4
参照)。なお、情報処理の分野では、上記とは異なる意
味で「クロック」という語を使用し、図1で前述の説明
においても、それと同じ意味で(すなわち「基準クロッ
ク」等と)使用しているので、本実施形態では、タイム
ベースの単位には「ティック」の語を用いて、「クロッ
ク」の語と区別して用いる。
【0062】電子楽器1では、タイムベース=384の
精度でゲートタイムを管理するため、前述のように、第
1ティックタイマ(T1T)152と、第2ティックタ
イマ(T2T)153と、を備えている。T1T152
は、タイムベース=384のティック信号(第1ティッ
ク信号)を発生する下位側のカウンタと、その桁上がり
信号(すなわち第1ティック信号)により、第1ティッ
ク信号を8回までカウント(3ビット)して、その桁上
がり信号を第1ステップ信号として発生させ、さらに、
MIDI通信時の同期信号(以下「MIDIクロッ
ク」:タイムベース=24のティックに相当するタイミ
ングクロック(F8H)を示すリアルタイムメッセー
ジ)を発生させる(1ビット)上位側のカウンタ(計4
ビット)と、を有している。このため、第1ステップ信
号は、いわば分解能(タイムベース)=48の場合のテ
ィック信号に相当する(図4参照)。また、MIDI規
格のタイムベースは24となっている。
【0063】この第1ステップ信号は、音符ロケーショ
ン等の管理をし易いように設けられたものであり、演奏
開始時等にRAM13内に領域を確保したステップカウ
ンタ(STPC:図9(b)参照:もちろんハードウェ
アで構成することもできる)156のカウントアップ信
号として用いる。このカウント値が、演奏開始等からそ
の時点までのステップ数(図9(b)では「current st
ep」と表記:以下、「ステップタイム」という。)を示
し、このステップタイムが、音符ロケーション等の管理
のための単位となる。
【0064】例えば、拍子が4/4の1小節で、最初の
4分音符の位置がステップタイム=0の場合、2番目の
4分音符の位置はステップタイム=48、3番目の位置
はステップタイム=96、4番目の位置はステップタイ
ム=144として、表現できる。すなわち、ステップカ
ウンタ(STPC)156をリセットしてから演奏を開
始し、そのカウント値(ステップタイム)=0、48、
96、144のタイミングで、それぞれ1番目、2番
目、3番目、4番目の4分音符に対応するノートオンを
行うことになる。
【0065】ここで、前述のように、ティックは相対時
間系の単位なので、演奏のテンポにより、1ティックに
要する時間(絶対時間)が変化する。例えば図5に示す
ように、テンポ=120の場合、タイムベース=384
の第1ティック信号の周期は60(秒)/(120×3
94)から約1.30msであり、第1ステップ(タイ
ムベース=48のティック相当)信号の周期はその8倍
の約10.4msとなる。これに対し、テンポ=60の
場合、第1ティック信号の周期は約2.60ms、第1
ステップ信号の周期は約20.8ms、テンポ=180
の場合、第1ティック信号の周期は約0.87ms、第
1ステップ信号の周期は約7.0ms、などのように、
変化する。
【0066】上記のテンポを変化させた場合のティック
信号の周期(変化)を求めるには、図5で上述のよう
に、テーブルとして用意しておいてそれを参照しても良
いし、上記の60(秒)/(120×394)のよう
に、60/(テンポ×タイムベース)と同様の関係式を
用意しその式から求めても良い。また、テンポの関数や
配列等で規定しても良い。あるいは例えばテンポ=40
〜60のときには2.6ms、80〜140では1.3
ms、160以上は1.0ms等のように、所定範囲の
複数のグループに分けて定めることもできる。
【0067】そこで、電子楽器1では、テンポとティッ
クの周期との関係において、第1ティック信号について
は、従来と同様(テンポに反比例)とし、第2ティック
信号として、ユーザあるいは電子楽器1の設計者が自由
(任意)に周期を設定できるようにしている。
【0068】この場合、例えば図5の第2ティック信号
の周期の欄のに示すように、テンポ≦60では、一律
2.5ms、テンポ≧160では、一律1.00msの
ように、テンポの変化に対する第2ティック信号の周期
の上限値や下限値を定めることができる。また、第1テ
ィック信号の周期に所定の比率を乗じて、テンポの変化
に対する第2ティック信号の周期の変化を小さくしたり
(参照)、逆に大きくしたり(参照)、全テンポに
対して一律としたり(参照)、などの種々の設定がで
きる。
【0069】上述のように、電子楽器1では、設定され
たテンポに対する周期を任意設定可能な第2ティックタ
イマ(T2T)153を備えている。T2T153は、
任意に設定された周期の第2ティック信号を発生する下
位側のカウンタと、その桁上がり信号(すなわち第2テ
ィック信号)により、第2ティック信号を8回までカウ
ントして、その桁上がり信号を第2ステップ信号(+対
応するMIDIクロック)として発生する上位側(3+
1=4ビット)のカウンタと、を有している。この第2
ステップ信号は、例えばゲートタイムの管理をも、ティ
ックの単位でなく、ステップの単位で管理する場合等に
利用できる。
【0070】ここで、前述のように、実時間タイマ(T
IM)151は、MTCやSMPTEのタイムコードと
同様に、時/分/秒/フレームの形式で計時ができる。
また、この場合のフレームは、例えば1/25(秒:
s)、すなわち40msとしている。電子楽器1では、
CLK16において、基準クロックを分周して1μs周
期の分周クロック信号を生成して、カウンタ部150に
分配している。TIM151の最下位側のカウンタ(1
6ビットで可)は、それを4万回カウント(分周)し
て、フレームカウントトリガ信号(フレームトリガ信
号)として発生する。もちろん、1μsよりもっと長い
周期(例えば10μs)の分周クロック信号等に基づい
ても同様のことはできる。
【0071】そして、このフレームトリガ信号を桁上が
り(キャリ)信号として入力して、TIM151のうち
のフレームカウント担当のカウンタ部(フレームカウン
タ)によりフレーム数をカウントし、25フレームまで
カウントしたときの桁上がり(キャリ)信号を、秒カウ
ントトリガ信号(秒トリガ信号)として発生する。この
秒トリガ信号を、TIM151のうちの秒カウント担当
部(秒カウンタ)に入力し、60秒までカウントしたキ
ャリ信号を、分カウントトリガ信号(分トリガ信号)と
して発生する。同様に、この分トリガ信号により分カウ
ント担当部(分カウンタ)で60分までカウントし、時
トリガ信号を生成し、これにより、時カウント担当部
(時カウンタ)で24時までカウントすることにより、
時/分/秒/フレームの全ての情報を生成できる。
【0072】また、テンポ120の場合、例えばT1T
152に10進の「1302」に相当する値をセットし
て、上記の1μsの分周クロック信号によりカウントし
て、1302μs(約1.30ms)に1回の第1ティ
ック信号を生成するようにすれば良い。図5で前述の他
のテンポの場合の第1ティック信号についても同様であ
る。また、T2T153についても同様にすれば、各種
の任意設定値の第2ティック信号を生成できる。
【0073】前述のように、電子楽器1では基本的には
相対時間系を用いているので、音符ロケーションやゲー
トタイム等については、ステップ数やティック数に基づ
いて管理する。この場合、実際に演奏(play)等をする
ときには、それと並行してTIM151により絶対時刻
を計測して、ディスプレイ4に表示すれば、例えば連続
する曲と曲の区切りや、曲の途中の好みの部分の時刻を
知ることができる。ただし、次回、早送り(FF)や巻
戻し(REW)によって、何曲目の何小節目の何拍目等
でなく、絶対時間系を参考に所望の部分の頭出しをする
ためには、相対時間系と関連づけて時刻の表示等を行う
必要がある。
【0074】このため、電子楽器1では、相対時間系の
ステップ数等から逆算して絶対時間系の時刻を得られる
ようにしている。前述のように、電子楽器1のタイムベ
ース=384は、4分音符を第1ティック信号のティッ
ク数で示したものであり、テンポは、1分間の4分音符
の数で表されているので、第1ティック信号の周期×タ
イムベース×テンポ=1分となる。このため、1秒=
(タイムベース/60)×テンポ×(第1ティック信号
の周期)=(((4分音符のステップ数)×8)/6
0)×テンポ×(第1ティック信号の周期)=((4分
音符のステップ数)/60)×テンポ×(8×(第1テ
ィック信号の周期))=((4分音符のステップ数)/
60)×テンポ×(第1ステップ信号の周期)となる。
【0075】このうち、第1ティック信号の周期や第1
ステップ信号の周期は、図5で前述のように、テンポに
応じて定めることができる。また、タイムベース/60
=384/60=6.4や、(4分音符のステップ数)
/60=48/60=0.8は、固定値なので、1秒=
6.4×テンポ×(第1ティック信号の周期)=0.8
×テンポ×(第1ステップ信号の周期)となる。このた
め、例えば図6に示すように、1秒相当の第1ティック
数や第1ステップ数(ここでは、1秒相当の第1ステッ
プ数とし、以下「SEC」と略す。)を、各テンポに応
じて定めることができる。したがって、所望の部分が、
何曲目の何小節目の何拍目かなどの相対時間系(ステッ
プタイム)で求められれば、それに基づいて、対応する
絶対時間系の秒数等を求めることができる。
【0076】なお、このため、TIM151の秒カウン
タとフレームカウンタには、ソフト的にプログラムから
アクセス(セット/リセット/カウントの指示等)でき
るように構成されている。また、図6に示すように、フ
レームについても定めることができるので、シーケンサ
やコンピュータ等が、プログラム等に従って絶対時間に
基づいて自動頭出しを行う場合等でも対応できるが、人
間が表示により確認して頭出しを行うには、通常、秒単
位程度までで十分なので、以下では、秒単位までとして
説明する。
【0077】電子楽器1では、例えば図7に示すよう
に、通常の演奏(play)の場合か、早送り(FF)や巻
戻し(REW)の場合か、に拘わらず、途中のテンポ変
更を検出したときには、テンポ変更割込を発生させて、
テンポ(Tempo )変更処理(S10)を起動する。この
処理(S10)では、まず、第1ティック信号の周期
(T1T152のカウント値)を更新し(S11)、続
いて、第2ティック信号の周期(T2T152のカウン
ト値)を更新し(S12)、秒相当のステップ数(SE
C)を更新して、終了する(S13)。これにより、変
更後のテンポに応じて、新たに設定(更新)された周期
で、第1ティック信号、第1ステップ信号、第2ティッ
ク信号、第2ステップ信号等を発生する。また、秒相当
のステップ数(SEC)を更新して、時刻算出処理の準
備がされる。
【0078】例えば図8に示すように、サブルーチン等
としてステップ加算処理(S20)が起動されると、ま
ず、前回の時刻表示時の値(MTCC(下記)の値)か
らのステップ数の加算分(加算ステップ)を変数ADC
に代入し(S21)、その分(ADC)をステップカウ
ンタ(STPC)156に加算し(S22)、フレーム
カウンタに加算し(S23)、その値が秒相当のステッ
プ数(SEC)以上か否かを判別する(S24)。フレ
ームカウンタの値がSEC以上のときには(S24:Y
es)、秒カウンタをインクリメント(1だけ加算:以
下、インクリメント(+1)を「++」と示す。)し
(S25)、フレームカウンタの値からSEC分減算し
(S26)、再度、フレームカウンタの値がSEC以上
か否かを判別する(S24)。フレームカウンタの値が
SEC未満になると(S24:No)、その時点の時刻
(時/分/秒)を、例えば現在の小節や拍とともに、デ
ィスプレイ4に表示して(S27)、処理(S20)を
終了する(S28)。
【0079】なお、ディスプレイ4に表示した時刻は、
前回の時刻表示時の値として、RAM13内にMIDI
タイムコードカウンタ(MTCC:図9(b)参照)1
57用の領域を確保してそこに格納(記憶)し、次回の
上記処理(S20)等で使用される。また、本実施形態
では、秒単位以上の分や時間等のカウントは、前述のT
IM151で実行されるので、ここでは、秒カウンタへ
の桁上がり(キャリ)信号の入力のみ操作すればよい。
もちろん、プログラムにおいて、上記のフローに加え
て、秒が60以上になったか否かを判別して分カウンタ
に桁上がりをさせたり、さらに分カウンタが60以上か
否かを判別して時カウンタに桁上がりをさせたり、同様
のことを行っても良い。また、前述の説明では、通常の
演奏(play)では、ハード(論理回路)として用意した
TIM151を使用して絶対時間系の時刻を測定できる
としたが、通常の演奏(play)の場合にも、上記の処理
(S20)を利用するようにしても良い。
【0080】次に、電子楽器1のシーケンサで扱う演奏
データ、すなわちシーケンスデータは、タイミング信号
+MIDIメッセージの情報を示すデータと同等のもの
である。一方、スタンダードMIDIファイル(SM
F)形式のシーケンスデータは、基本的にはデルタタイ
ム(タイミング信号)+MIDIメッセージの情報を示
すデータなので、以下で説明する電子楽器1のシーケン
スデータとSMF形式のシーケンスデータとは、容易に
相互変換ができる。
【0081】MIDIメッセージのステータスバイト
は、8nH〜FFHの1バイトであり、このうちのF8
H〜FFHがリアルタイムメッセージを示す。リアルタ
イムメッセージのうちのFFHは、MIDI規格上はシ
ステムリセットであるが、種々の問題があって、実際に
は使われていない。このため、SMF形式においては、
演奏情報以外のメタイベントとして使用され、電子楽器
1においても、SMF形式に対応できるようにしてい
る。
【0082】SMF形式のメタイベントのうち一般的に
使用頻度の高いのは、セットテンポ(イベントタイプ:
51H)である。電子楽器1では、パネル5のテンポ調
整ダイヤル(テンポ変更スイッチ)51a(図2参照)
を使用することにより、演奏前後ばかりでなく、演奏中
においてもテンポを増減できるようになっている。この
ため、図7で前述のテンポ変更割込の要因には、上記の
セットテンポのメタイベントと、テンポ変更スイッチ5
1aの操作によるものが含まれる。また、この他、SM
F形式のメタイベントでは、主に表示用に、調(59
H)や拍子(58H)が入れられる。また、コピーライ
ト表示(02H)、トラック名(03H)、楽器名(0
4H)、歌詞(05H)などは、表示用のテキストを入
れる場合等に使用される。
【0083】MIDIのリアルタイムメッセージのうち
のFEHは、アクティブセンシングであり、MIDI通
信時に、ノートオン後のMIDIケーブルの断線等によ
りノートオフ不可となることを回避するために、電子楽
器1でも、採用している。また、各発音データ(ノート
データ:note data )は、図9(a)に示すように、M
IDI規格(MIDIメッセージ)に合わせてノートオ
ンの対象を示すノートナンバ(note no.)と、ベロシテ
ィ(velocity)を含む他、相対時間系の時間管理のため
にノートオンのタイミングを示すステップタイム(step
time )と、ゲートタイム(gate time )を含んでい
る。
【0084】図9(a)のスタートバー(start bar
)、コンティニューバー(continue bar)、エンドバ
ー(end bar )は、それぞれ、MIDIのリアルタイム
メッセージのスタート(FAH)、コンティニュー(F
BH)、ストップ(FCH)に相当するシーケンスデー
タである。
【0085】例えば電子楽器1がMIDI通信のマスタ
ー側で、図示の+が演奏データの場合に、ユーザに
より演奏(play)ボタン(スタートスイッチ)51b
(図2参照)が押され、演奏の途中で一時停止(pause)
ボタン(ポーズスイッチ)51cが押されて、一時停止
となり、再度、ポーズスイッチ51cが押されて、一時
停止時点から演奏が再開され、最後に終了(stop)ボタ
ン(ストップスイッチ)51dが押され、あるいは曲の
最後を検出して、演奏を終了したときの、シーケンスデ
ータに相当する。または、逆に電子楽器1がMIDI通
信のスレーブ側で、マスター側の機器で上記と同様の動
作をしたときに、電子楽器1にて受信して認識するシー
ケンスデータに相当する。または、上記のいずれかにお
ける演奏動作を、再現可能なように記録しておいた場合
の、その記録されたシーケンスデータに相当する。
【0086】電子楽器1がマスター側の場合、通信開始
時点から(例えばT1T152側の)MIDIクロック
(リアルタイムメッセージのタイミングクロック(F8
H))を定期的に出力し、自己における動作を図9
(a)のようにシーケンスデータとして記録するととも
に、スタートスイッチ51bの操作に従って、スタート
バー(start bar )に対応してスタートメッセージ(F
AH)を出力し、続いて、の演奏データ(ノートデー
タ群)に対応するノートオン(8nH)/ノートオフ
(9nH)を順次出力する。続いて、ポーズスイッチ5
1cの操作に従って、コンティニューバーを記録すると
ともに、一旦、ストップメッセージ(FCH)を出力す
る。
【0087】次に、再度、ポーズスイッチ51cの操作
があったときには、まず、コモンメッセージのソングポ
ジションポインタ(F2H)により、再開する演奏のス
タートポイントを出力してから、コンティニューメッセ
ージ(FBH)を出力する。
【0088】電子楽器1では、前述のように、音符ロケ
ーションをタイムベース=48に相当する第1ステップ
信号のステップ数により、ステップタイムとして管理し
ている。この場合、ソングポジションポインタのMID
Iビートを表す式、すなわち、24(MIDIのタイム
ベース)×((1小節当たりの拍数)×(対象小節前の
小節数)+対象小節内の対象拍までの拍数)/6(MI
DIの16分音符の長さ:ティック数)のうちの、24
(MIDIのタイムベース)/6(MIDIの16分音
符の長さ)=4の項は、電子楽器1の48(ステップタ
イムのタイムベース)/12(16分音符のステップ
数)=4と一致する。このため、再開するロケーション
(図9(a)のの最初)のステップタイムを12(1
6分音符のステップ数)で割り(乗余はでないように1
6分音符の長さ単位の同期を取る)、その商をMIDI
ビートとして出力すれば良い。
【0089】次に、の演奏データ(ノートデータ群)
に対応するノートオン(8nH)/ノートオフ(9n
H)を順次出力する。続いて、ストップスイッチ51d
の操作に従って、エンドバーを記録するとともに、スト
ップメッセージ(FCH)を出力する。
【0090】次に、電子楽器1がスレーブ側の場合、マ
スター側からMIDIクロック(F8H)を定期的に入
力し、入力されたMIDIメッセージを図9(a)のシ
ーケンスデータに変換して記録するとともに、入力され
たMIDIクロックに同期させてそのシーケンスデータ
に従って演奏する。
【0091】まず、スタートメッセージ(FAH)を入
力すると、スタートバーを記録するとともに、次のMI
DIクロック(F8H)の入力を待ち、そのMIDIク
ロックの入力に同期させて演奏を開始する。ノートオン
(8nH)/ノートオフ(9nH)を順次入力して、
の演奏データ(ノートデータ群)に変換して記録し、M
IDIクロックに同期させて、そのシーケンスデータ
(のノートデータ群)に従って演奏する。ストップメ
ッセージ(FCH)を入力すると、エンドバーを記録す
るとともに、次のMIDIクロックの入力に同期させて
演奏を終了する。
【0092】次に、コモンメッセージのソングポジショ
ンポインタ(F2H)を入力すると、スタートのステッ
プタイムをソングポジションポインタのMIDIビート
から求め、次のメッセージを待つ。次のメッセージがス
タートメッセージの場合には、スタートバーを記録し
て、上記のの場合と同様に、演奏データをシーケンス
データとして記録する。
【0093】一方、次のメッセージがコンティニューメ
ッセージの場合には、コンティニューバーを記録する
が、その前に、ソングポジションポインタのMIDIビ
ートから得られたステップタイムが、前回終了時と同じ
ときには、前回最後のエンドバーを削除してから、コン
ティニューバーを記録し、次のMIDIクロックの入力
を待ち、そのMIDIクロックの入力に同期させて演奏
を開始する。ノートオン(8nH)/ノートオフ(9n
H)を順次入力して、の演奏データ(ノートデータ
群)に変換して記録し、MIDIクロックに同期させ
て、そのシーケンスデータ(のノートデータ群)に従
って演奏する。ストップメッセージ(FCH)を入力す
ると、エンドバーを記録するとともに、次のMIDIク
ロックの入力に同期させて演奏を終了する。
【0094】次に、上記のいずれかにおける演奏動作を
再現する場合、そのシーケンスデータ、すなわち図9
(a)のシーケンスデータの最大ステップタイム(曲の
最後等に該当)を検索して、RAM13内に確保した変
数(MXSP)の領域に記憶する、この場合、FD等に
SMF形式で記録されていたシーケンスデータを変換し
て、図9(a)のように展開したものでも良い。また、
変換・展開の処理と並行して(すなわちシーケンスデー
タとして記録(変換・展開)するのと並行して)、演奏
を行うようにしても良い。また、シーケンスデータとし
て展開後に、電子楽器1をスレーブ側として、マスター
側からMIDIクロック(F8H)のみを定期的に入力
し、入力されたMIDIクロックに同期させて、そのシ
ーケンスデータに従って演奏させるようにもできる。
【0095】なお、電子楽器1のシーケンサでは、一般
のシーケンサと同様に、複数の曲を記憶でき、1つの曲
をソングとして管理しているので、上記のソングポジシ
ョンポインタ+コンティニュー以外に、コモンメッセー
ジのソングセレクト(F3H)により、曲を選択して、
スタートメッセージにより選択した曲の演奏を開始する
こともできる。また、上記の例では、スタートスイッチ
51bとストップスイッチ51d以外にポーズスイッチ
51cを設けたが、演奏を停止させるときのポーズスイ
ッチ51cの機能はストップスイッチ51dにて兼用
し、演奏を再開させるときのポーズスイッチ51cの機
能はスタートスイッチ51bにて兼用して、ポーズスイ
ッチ51c自体またはそのコンティニュー機能を削減す
ることもできるが、本実施形態では、理解を容易にする
ため、ポーズスイッチ51cにて上記のコンティニュー
の機能を行う。
【0096】また、電子楽器1では、上述したMIDI
メッセージ以外にも、例えばコモンメッセージのクオー
ターフレーム(F1H:MIDIタイムコード(MT
C))も、SMPTEと同様に絶対時間系との同期のた
めに使用している。また、コモンメッセージのうちのチ
ェーンリクエスト(F6H)は、アナログシンセサイザ
のチューニングを命ずるメッセージではあるが、現在で
は使用されていないので、電子楽器1内部の仕様として
ステータスバイト(F6H)+タイミング信号(ステッ
プタイム)+データとして、ユーザや設計者(デフォル
ト)が設定したレジストレーションデータ(音色、エフ
ェクト、リズムその他、自動演奏用のセッティングな
ど)を指定するシーケンスデータとして使用している。
【0097】このデータもタイミング信号を含むので、
図9(a)で前述のノートデータ群の任意のノートデー
タ間に挿入してノートデータとともに利用可能である。
なお、このレジストレーションデータの変更指示(以下
「レジスト切換指示」)データは、実行するとテンポ変
更を伴う可能性があるので、図7で前述のテンポ変更割
込の要因となる。
【0098】また、システムエクスクルーシブメッセー
ジ(F0HおよびF7H)も、タイミング信号(ステッ
プタイム)を付加して、メーカー専用エクスクルーシブ
メッセージの他、ユニバーサルエクスクルーシブにも対
応できるようにしている。また、前述のように、システ
ムリセット(FFH)も実際には使用されていないの
で、上記のレジスト切換指示(F6H)と同様に、かつ
SMF形式に合わせて、タイミング信号(ステップタイ
ム)を付加して(SMF互換の)メタイベントメッセー
ジとして使用している。これらのデータもタイミング信
号を含むので、ノートデータとともに、シーケンスデー
タとして利用できる。
【0099】また、上述の例では、ボイスメッセージと
してノートオン(8nH)およびノートオフ(9nH)
から変換したノートデータについて説明したが、他のボ
イスメッセージについては、単にタイミング信号(ステ
ップタイム)を付加して、シーケンスデータとして利用
している。すなわち、ポリフォニックキープレッシャー
(AnH)、コントロールチェンジ&モードメッセージ
(BnH)、プログラムチェンジ(CnH)、チャンネ
ルプレッシャー(DnH)、ピッチベンドチェンジ(E
nH)も、タイミング信号(ステップタイム)を付加し
た形態で、シーケンスデータの一部にノートデータとと
もに利用できる。
【0100】次に、シーケンスデータが記憶されている
状態で、電子楽器1がスレーブ側として設定されている
場合、マスターからのMIDIクロックによりシーケン
スデータに従った処理が開始される。その先頭アドレス
がスタートバーやコンティニューバーであれば、演奏開
始となる。この場合、MIDIクロック入力が演奏開始
のトリガとなる。また、シーケンスデータが記憶されて
いる状態で、電子楽器1がスレーブでなく、単独あるい
はマスター側の場合、スタートスイッチ51bまたは一
時停止後のポーズスイッチ51cの操作が、演奏開始の
トリガとなる。
【0101】これらの演奏開始のトリガにより演奏開始
割込が発生すると、例えば図10に示すように、演算開
始処理(S30)を起動する。この処理(S30)で
は、まず、(最大ステップタイム(MXSP)はセット
済みなので)CPU11が参照するアドレスカウンタ1
59に先頭アドレスをセットし(S31)、続いて、ス
テップカウンタ(STPC)156(および必要ならM
IDIタイムコードカウンタ(MTCC)157)をリ
セットし(S32)、次に、バーデータ処理を行って
(S33(S40))、処理(S30)を終了する(S
34)。
【0102】バーデータ処理(S40)では、図11に
示すように、まず、エンドバーか否かを判別して(S4
1)、エンドバーのときには(S41:Yes)、次回
演奏に備えて先頭アドレスをセットし(S42)、処理
(S40)を終了する(S47)。しかし、ここでは、
演奏開始直後であり、エンドバーではないので(S4
1:No)、次に、スタートバーか否かおよびコンティ
ニューバーか否かを判別し(S43、S44)、いずれ
かであれば(S43またはS44:Yes)、アドレス
をインクリメント(+1)して(S45)、処理(S4
0)を終了する(S47)。
【0103】なお、ここでは、バーデータとしてスター
トバー、コンティニューバー、エンドバーのみを規定し
ているので、いずれでもないときには(S44:N
o)、エラーとして例えばエラー表示等を行う(S4
6)。もちろん、他のバーデータがあり得るときには、
そのバーデータか否かの判別およびそれに応じた処理を
行うことになる。
【0104】次に、前述のT1T152から第1ステッ
プ信号が発生すると、電子楽器1では、第1ステップ信
号をステップ数による時間管理の基準としているので、
ステップ割込を発生する。ステップ割込が発生すると、
例えば図12に示すように、ステップ処理(S50)を
起動する。この処理(S50)では、まず、演奏中か否
かを判別して(S51)、演奏中でなければ(S51:
No)、そのまま処理(S50)を終了する(S5
8)。すなわち、これにより、演奏中以外では、単に待
機することになる。一方、演奏中のときには(S51:
Yes)、次に、その時点で行うイベントがあるか否か
を判別する(S52)。
【0105】電子楽器1では、前述のように、ノートデ
ータばかりでなく、バーデータ以外の全てのシーケンス
データに、ステップタイムによるタイミング指定が含ま
れている。このため、ここでのイベントの有無の判別
は、その時点のステップカウンタ(STPC)156の
値、すなわちその時点のステップタイム(カレントステ
ップ(current step))を処理開始タイミング(のステ
ップタイム)として指定するシーケンスデータがあるか
否かを判別する(S52)。なお、上述の各種のメッセ
ージデータは、シーケンスを進める上での所定のタイミ
ング(ステップタイム)に実行するイベントを示してい
るので、以下、ステップタイム指定を伴う各シーケンス
データ(メッセージデータ)を適宜「イベントデータ」
といい、その指定されたタイミングで実行される機能を
「イベント」という。
【0106】次に、その時点で行うイベントがあれば
(S52:Yes)、それらのイベント処理の全てを行
い(S53)、イベントがないときには(S52:N
o)、そのまま、次に、ステップカウンタ(STPC)
156のインクリメントを行う(S54)。なお、図1
0で前述のS32の処理でMTCCのリセットをしてお
くことにより、ここで(加算ステップ=1の状態で)、
図8のステップ加算処理(S20)を使用しても良い。
これにより、演奏中の絶対時間系(時/分/秒)の表示
ができる。
【0107】ステップカウンタ(STPC)156のイ
ンクリメントが終了すると(S54)、次に、マックス
ステップ(MXSP)か否か(すなわちSTPC=MX
SPか否か)を判別し(S55)、マックスステップで
なければ(S55:No)、そのまま処理(S50)を
終了する(S58)。一方、マックスステップのときに
は(S55:Yes)、予定のシーケンスを全て終了し
たことになるので、次回演奏のために、ステップカウン
タ(STPC)156をリセットし(S56)、バーデ
ータ処理を行う(S57)。
【0108】この場合、図9(a)のシーケンスデータ
と同様に、一連のシーケンスデータの最後にはエンドバ
ーがあるので、図11に示すように、エンドバーである
ことを判別し(S41:Yes)、次回演奏にそなえて
先頭アドレスをセットし(S42)、バーデータ処理
(S40)を終了し(S47→S57)、図12に示す
ように、続いてステップ処理(S50)を終了する(S
58)。
【0109】ところで、図12で前述のイベント処理
(S53)のイベントとしてあり得るのは、前述のよう
に、ノートオン/オフ(ノートデータ)、レジスト切換
指示(F6H)、システムエクスクルーシブメッセージ
(F0HおよびF7H)、メタイベント(FFH)、ポ
リフォニックキープレッシャー(AnH)、コントロー
ルチェンジ&モードメッセージ(BnH)、プログラム
チェンジ(CnH)、チャンネルプレッシャー(Dn
H)、ピッチベンドチェンジ(EnH)等である。
【0110】これらのうち、例えばポリフォニックキー
プレッシャー(AnH)やチャンネルプレッシャー(D
nH)ではアフタータッチを、プログラムチェンジ(C
nH)では音色等を、ピッチベンドチェンジ(EnH)
では音程を、コントロールチェンジ&モードメッセージ
(BnH)では、ボリューム系、ペダル系、各種音響エ
フェクト等を、指定して変更できる。また、レジスト切
換指示(F6H)は、それらを工夫した結果の音色、エ
フェクト、リズムその他、自動演奏用のセッティングを
変更でき、システムエクスクルーシブメッセージ(F0
HおよびF7H)でも同様のことが可能である。また、
メタイベントでは、拍等の変更ができる。また、これら
において指定できる内容にはテンポも含まれる。
【0111】そして、これらのイベントデータ(シーケ
ンスデータ)は、そのまま従った場合、すなわち予定通
りの自動演奏を行った場合に、所望の結果が得られるよ
うに用意される。そもそも、楽譜上には、奏法に関する
記号(レガート、アルペジオ、グリッサンド、ポルタメ
ント、ポルタート、トレモロ、ビブラート、マルカート
等)や音符の長さに関する記号(テヌート、スタッカー
ト、スタッカーティシモ、メゾ・スタッカート(ポルタ
ートによる)、スラー(レガートによる)、フェルマー
タ等)があるが、自動演奏時にも、人間が演奏するのと
同様にこれらを演出できることが、シーケンスデータ作
成者の理想である。
【0112】このため、電子楽器1では、演奏開始前に
演奏のテンポを調整(指定・変更)できるばかりでな
く、さらに、自動演奏中でも、操作者(ユーザ)がその
場のいわゆる「ノリ」に合わせて、演奏のテンポを調整
(変更)できるようにしている。すなわち、例えば、ユ
ーザは演奏開始前のエディット表示において、所望のテ
ンポを示す数値(例えば4分音符を120拍:テンポ=
120等)により直接入力したり、あるいは増減(+/
−)させることができるばかりでなく、自動演奏中に
も、ダイヤル式のテンポ変更スイッチ15bを右(+)
または左(−)側に回転させることにより、現状設定か
らの変化分として入力できる。ユーザによるテンポ調整
が行われると、図7で前述のように、電子楽器1では、
基本的には、調整されたテンポに応じて第1ティック信
号の発生周期を調整する。
【0113】しかし、実際の楽器を人間が演奏する場
合、その演奏には、楽譜上には表現できない要素が加わ
る。例えばスタッカートでは、基本的には音符の長さの
約1/2とされるが、遅いテンポの場合に完全に1/2
までのばすと、スタッカートにより演出しようとした雰
囲気がでなかったり、速いテンポの場合に1/2にする
と、短すぎて人間の耳では各音を認識できないことがあ
る。また、速いテンポの場合には、実際問題として人間
には楽譜通りの相対的長さで演奏できない音符も出てく
る。他の記号についても同様であり、演奏を聴くのが生
身の人間なので、各音の長さや次の音との間隔を認識で
きるように演奏したり、その曲の雰囲気を出すために
は、テンポによって各記号等の意味を微妙に変えて演奏
する必要がある。あるいは演奏の都合上、変えざるを得
ない場合もある。このため、一応の基準はあるものの、
実際の楽器を人間が演奏する場合、これらの演出につい
ては、奏者に委ねられる。
【0114】これに対し、上述のように、シーケンスデ
ータは、予定通りの自動演奏を行った場合に、所望の結
果が得られるように用意されている。このため、図5で
前述のように、テンポ変更に対して、従来と同様(テン
ポに反比例)に周期を変化させる第1ティック信号によ
って、全ての時間管理をしたのでは、テンポを変更した
場合に、実際の楽器を人間が演奏する場合のような演出
はできない。すなわち、速いテンポに変更した場合に、
人間の耳では各音を認識できないような短い音を出した
り、遅いテンポに変更した場合に、雰囲気に合わないよ
うな長い音を出すことになる。そして、このことが、従
来の自動演奏の場合に、人間的な暖かみのない無機質な
演奏となり易い一因となっている。
【0115】そこで、電子楽器1では、図5で前述のよ
うに、ユーザあるいは電子楽器1の設計者が自由(任
意)に周期を設定できる第2ティック信号を発生させ、
第1ティック信号によるものとは別の時間管理ができる
ようにしている。この場合、各ノートデータの時間管理
を、第1ティック信号および第2ティック信号のいずれ
で行うかは、例えばテンポ変更時に第2ティック信号の
管理下に分類する分類条件をテーブルあるいはパラメー
タあるいはそれらを用いた条件式などによって定めてお
けば良い。また、各ノートデータによるノートオン/オ
フ以前に他のイベントがある場合、そのイベントの種類
や内容等によっても変更できるように、上記の分類条件
を多様化させておけば、より肌理の細かい時間管理がで
きる。
【0116】例えばコントロールチェンジ(特にコンテ
ィニュアスコントローラ系やエフェクト系)やピッチベ
ンドチェンジあるいはプログラムチェンジ、レジスト切
換指示、システムエクスクルーシブメッセージ等のイベ
ントデータ(演奏管理データ)により、その後のノート
データによる特殊な音色、エフェクト、リズムを演出し
ているような場合、すなわち、人間の奏者が演奏する場
合であれば、いわば「聞かせどころ」となる演奏に入る
ときには、テンポ変更に拘わらず、あるいはテンポ変更
をするとしても、従来と同様の定型的な一律の時間管理
(の変更)、すなわち第1ティック信号によるのではな
く、任意設定の第2ティック信号側の管理にする、など
の工夫ができる。
【0117】また、詳細な方法は省略するが、音符を短
い音の連続音により規定したノートデータとするなどの
工夫をすることにより、さらに多様な表現が可能とな
る。例えば奏法に関する記号として、グリッサンドやポ
ルタメントでは、遅いテンポのときには、隣り合う高さ
の2音またはそれ以上の音が重複発音される期間を少し
長めにして滑らかな感じの移動を演出し、速いテンポで
は、逆に重複期間を短めにして2音間を移動している感
じを強調したり、あるいは途中の音を少し間引いて演奏
するなど、が可能である。また、トレモロやビブラート
では、遅いテンポでは反復回数を増加させ、速いテンポ
では減少させるなども可能である。
【0118】また、例えば音符の長さに関する記号とし
て、テヌート、フェルマータ、スラー等では、元の演奏
データ通り、あるいは次の音と少し重複させて、テンポ
に合わせた十分な長さだけ演奏し、スタッカートやスタ
ッカーティシモ等では、遅いテンポでは、元のゲートタ
イムデータが示す値より少し短めに、早いテンポでは長
めに演奏するなど、が可能である。また、スラーを伴う
メゾ・スタッカートでは、スラー等とスタッカート等と
の中間程度で演奏するなど、が可能である。
【0119】なお、上記の説明では、ノートデータ以外
によるイベントの種類等により分類条件を設定するもの
としたが、ノートデータ自体による分類条件としても良
い。例えばベロシティが所定値以下のものは、図5の設
定の第2ティック信号の管理下として、テンポ変更を
少し大げさに表現するようにしたり、例えばゲートタイ
ムが所定値(例えば1000)以上または所定値(例え
ば60)以下のもの(図4のタイムベース=384参
照)は、図5の設定またはの第2ティック信号の管
理下として、テンポ変更をしても長すぎや短すぎに感じ
ないようにしたり、など、自己の値を使用しても、種々
の分類条件を定めることができる。
【0120】次に、イベント処理(S60)では、図1
3に示すように、ステップタイムが一致する全てのイベ
ントを行う。まず、イベントデータがノートデータか否
かを判別し(S61)、ノートデータのときには(S6
1:Yes)、ノートデータ処理を行った後(S6
2)、発音処理(ノートオン処理)を行う(S63)。
ノートデータでないときには(S61:No)、そのイ
ベントデータに応じたイベント処理を行い(S65)、
それ以前のイベントの種類や内容等によって、ノートデ
ータ分類条件を設定する(S66)。それらが終了する
と、次に、同一のステップタイムの他のイベントの有無
を判別し(S67)、他のイベントがあるときには(S
67:Yes)、同様にして、そのイベントを行い、全
てを終了して、そのステップタイムにおけるイベントが
なくなったときに(S67:No)、処理(S60)を
終了する(S68)。
【0121】ノートデータ処理(S70)では、図14
に示すように、まず、対象となるノートデータ(note d
ata )の先頭アドレスからノートナンバ(note no.)を
取得し(S71)、アドレスをインクリメントして(S
72)、次のアドレスからベロシティ(velocity)を取
得し(S73)、アドレスをインクリメントして(S7
4)、次のアドレスからゲートタイム(gate time )を
取得し(S75)、アドレスをインクリメントしてから
(S76)、ノートデータ分類処理を行って(S7
7)、処理(S70)を終了する(S78)。なお、本
実施形態のノートデータ(note data )は、便宜上、ノ
ートナンバ(note no.)、ベロシティ(velocity)、ゲ
ートタイム(gate time )のアドレス順で格納されてい
るものとするが、これらは対応付けされていれば良く、
順番は任意である。
【0122】ノートデータ分類処理(S80)では、図
15に示すように、まず、分類条件が成立するか否かを
判別し(S81)、成立しなければ(S81:No)、
T1T152からの第1ティック信号の管理下とするフ
ラグ(T1管理フラグ:T1F)をセットし(S8
2)、成立すれば(S81:Yes)、T2T153か
らの第2ティック信号の管理下とするフラグ(T2管理
フラグ:T2F)をセットし(S83)、ノートデータ
を所定バッファに格納して(S84)、処理(S80)
を終了する(S85)。
【0123】なお、上述の処理(S80)では、「ノー
トデータを所定バッファに格納(S84)」としたが、
この場合、例えばRAM13内に、図16に示すような
所定のバッファ(ノートデータバッファ)を設けて、ノ
ートデータ(note data )のみを順次格納し、それら
(図示の場合、note data 1〜6)のそれぞれに対応し
て、その分類を示すT1管理フラグ(T1F)またはT
2管理フラグ(T2F)がセットされていれば良い。こ
の場合、順番通り格納するので、ノートデータバッファ
に格納するタイミングは、分類の判断分岐(S81)の
前でも良い。また、この場合、ノートデータをそのまま
格納し、分類を示すT1管理フラグ(T1F)またはT
2管理フラグ(T2F)との対応が明確であれば良いの
で、シーケンスデータとして格納してあるノートデータ
に各管理フラグを対応させ、ノートデータバッファとし
て新たな領域に格納しないでも良い。
【0124】また、図17に示すように、逆に分類毎に
ノートデータバッファを設け、T1管理用とT2管理用
等として各ノートデータを格納するようにしても良い。
また、図17のような場合、格納場所でいずれの分類か
が明確なので、T1管理フラグ(T1F)やT2管理フ
ラグ(T2F)等を設けなくても良い。また、演奏中に
分類するのであれば、ステップタイムはすでに使用済み
なので、ノートデータバッファに格納するときには、ス
テップタイムのデータを省略しても良い(後述のよう
に、演奏前に分類するときには必要)。
【0125】また、T1管理フラグやT2管理フラグ等
を設ける場合、これらのフラグは、所定のレジスタ等を
用意して、その各ビットをフラグとして用いても良い
し、RAM13内にこれらのための領域を確保して、フ
ラグとして用いるようにしても良い。また、2分類なの
で、例えばT管理フラグなどとして、フラグ=0または
1の各1ビットで分類を区別するようにしても良い。ま
た、逆に、T1管理フラグ(T1F)およびT2管理フ
ラグ(T2F)の双方とも用意しておいて、指定のステ
ップタイムとなり分類された時点でセット(例えば
「1」と)しておけば、その後、発音処理(ノートオン
処理:図13のS63参照)して、ゲートタイム経過後
にリセット(例えば「0」と)することにより、ノート
データの状態、すなわち発音(ノートオン)中か否かを
容易に把握できる。
【0126】次に、前述のT1T152から第1ティッ
ク信号が発生すると、電子楽器1では、T1管理下のノ
ートデータのゲートタイムに対する時間管理の基準とし
て、第1ティック信号を使用しているので、第1ティッ
ク割込(T1割込)を発生する。ここで、例えば図16
で前述のノートデータ1(note data 1 )のゲートタイ
ム(gate time )をGATE(1)、ノートデータ2
(note data 2 )のゲートタイム(gate time )をGA
TE(2)、……、のように示す。
【0127】T1割込が発生すると、例えば図18に示
すように、第1ティック処理(S90)を起動する。こ
の処理(S90)では、まず、変数i=1に初期化し
(S91)、T1F(i)が1か否か、すなわちGAT
E(i)がT1管理下か否かを判別し(S92)、T1
管理下であれば(S92:Yes)、ゲートタイムカウ
ント処理を行い(S93)、T1管理下でなければ(S
92:No)、そのまま、次に、全て終了か否かを判別
し(S94)、終了していなければ(S94:No)、
変数iをインクリメント(+1)して(S95)、同様
の処理を行い(S92〜S94)、全てが終了すると
(S94:Yes)、処理(S90)を終了する(S9
6)。
【0128】次に、前述のT2T153から第2ティッ
ク信号が発生すると、同様に、第2ティック割込(T2
割込)を発生する。T2割込が発生すると、例えば図1
9に示すように、第2ティック処理(S100)を起動
する。この処理(S100)では、図18の処理(S9
0)と同様に、変数iの初期化(S101)〜GATE
(i)がT2管理下か否かの判別(S102)〜ゲート
タイムカウント処理(S103)〜終了判別(S10
4)〜ループ処理(S105〜S104)を行い、全て
が終了すると(S104:Yes)、処理(S100)
を終了する(S106)。
【0129】ゲートタイムカウント処理(S110)で
は、図20に示すように、まず、ゲートタイム(GAT
E(i))が1以上か(0を越えるか)否か判別し(S
111)、1以上でなければ(S111:No)、その
まま終了し(S115)、1以上であれば(S111:
Yes)、デクリメント(−1)して(S112)、こ
の時点で、0になったか否かを判別し(S113)、0
になっていなければ(S111:No)、そのまま終了
する(S115)。GATE(i)=0のとき(0にな
っているとき)には(S113:Yes)、ゲートタイ
ム終了なので、消音処理(ノートオフ処理)を行った後
(S114)、処理(S110)を終了する(S11
5)。
【0130】なお、上述の例では、ノートデータの分類
処理を、自動演奏を開始した後に行ったが、演奏開始前
に分類して準備しておくこともできる。この場合、例え
ば演奏前のエディット表示等において、ノートデータの
事前分類を指定できるようにしておき、一種のエディッ
ト(ノートデータ事前分類)割込を発生させ、例えば図
21に示すように、ノートデータ事前分類処理(S12
0)を起動する。この処理(S120)では、まず、ス
テップカウンタ(STPC)を0に初期化し(S12
1)、イベントがあるか否かを判別し(S122)、イ
ベントがないときには(S122:No)、次に、マッ
クスステップ(MXSP)か否かを判別し(S12
4)、マックスステップでなければ(S124:N
o)、STPCをインクリメントして、次のステップに
ついて同様のことを行う。
【0131】上記の処理(S122→S124→S12
5→S122)は、実は図12で前述のステップ処理
(S50)の一部の処理(S52→S54→S55)を
連続して行う処理であり、イベントがあるとき(S12
2:Yes)の処理であるステップ毎ノートデータ分類
処理(S123)は、図13で前述のイベント処理(S
60)からイベント実行用の処理(S62およびS6
5)を除いたものである。すなわち、このノートデータ
事前分類処理(S120)は、イベントを行わずにステ
ップ処理を連続して実行することにより、ノートデータ
の分類処理を、演奏開始前に高速に行う処理になってい
る。また、この処理(S120)を事前に行ったときに
は、例えば図22に示すイベント処理(S60T)によ
って、図13で前述のイベント処理(S20)の代用と
すれば、演奏中のイベント処理の負荷を軽くでき、か
つ、同じ自動演奏を行うことができる。
【0132】上述のように、電子楽器1では、演奏中に
処理するか演奏前に処理するかには拘わらず、ティック
数(相対時間系の時間単位)でゲートタイム(発音持続
時間)を示すゲートタイムデータ(発音持続時間デー
タ)をそれぞれに含むノートデータ(発音データ)を複
数有するシーケンスデータ(演奏データ)を記憶し、ゲ
ートタイム(発音持続時間)の管理についての分類条件
に基づいて、複数の各ノートデータが含むゲートタイム
データを複数種類に分類し、ゲートタイムデータの分類
結果をシーケンスデータに反映させ、例えば図16で前
述の管理フラグ等の指示情報を有するノートデータバッ
ファのデータ(修正演奏データ)を生成する。なお、シ
ーケンスデータに対応して管理フラグ等の指示情報を持
った場合、その指示情報を有するシーケンスデータが修
正演奏データとなる。
【0133】これらの場合、修正演奏データには、ゲー
トタイムデータの分類結果が反映されているので、その
分類結果に従って演奏可能な演奏データとなる。一方、
ゲートタイムデータは、ティック数(相対時間系の時間
単位)でゲートタイムを示している。また、T1管理下
(第1ティック信号の管理下)とT2管理下(第2ティ
ック信号の管理下)に分類している。すなわち、分類毎
に、絶対時間系の時間単位との対応関係が異なる時間管
理ができる。このため、テンポを変更した場合、絶対時
間系の時間単位との対応関係を分類毎に異なるように演
奏することが可能になる。
【0134】すなわち、人間の奏者がその場の「ノリ」
等に合わせてテンポを変更する場合に、音符上の相対的
長さを変えて演奏を演出するのと同様のことが可能にな
る。言い換えると、修正演奏データは、テンポを変更し
た場合でも人間の演奏に近い演出が可能な演奏データと
なる。したがって、この電子楽器1では、テンポを変更
した場合でも人間の演奏に近い演出が可能なように演奏
データを加工でき、また、その修正演奏データに対し
て、その修正(分類)の意図に沿った時間管理ができ、
テンポを変更した場合、絶対時間系の時間単位との対応
関係が分類毎に異なるように演奏することが可能にな
る。なお、この場合、T1管理下(第1ティック信号の
管理下:第1類)に分類されたものについては、従来通
りの時間管理ができるので、従来通りの演奏がしたい場
合には、全てT1管理下(第1類)とするだけで済み、
上位互換性を確保することもできる。
【0135】また、図5等で前述のように、第2ティッ
ク信号(第2タイミング信号)の周期のテンポの変化に
対する関係を、任意に設定できることが好ましい。設定
方法としては、テンポを変化させた場合の第1ティック
信号の周期(変化)を、テーブルとして用意しておいて
それを参照しても良いし、例えば60(秒)/(テンポ
×タイムベース)と同様の関係式を用意してその式から
求めても良い。また、テンポの関数や配列等で規定して
も良い。あるいは例えばテンポ=40〜60ではXm
s、80〜140ではYms、160以上ではZms
(X、Y、Zは任意の数)等のように、所定範囲の複数
のグループに分けて定めることもできる。また、テンポ
の変化に対する第2ティック信号の周期の上限値や下限
値を定めることができる。また、第1ティック信号の周
期に所定の比率を乗じて、テンポの変化に対する第2テ
ィック信号の周期の変化を小さくしたり、逆に大きくし
たり、全テンポに対して一律としたり、などの種々の設
定ができる。したがって、テンポを変更した場合でも、
人間の演奏に近い演出を、さらに容易に行うことができ
る。
【0136】なお、上述の実施形態では、説明および理
解の容易さのために、ティック信号を2種類(第1ティ
ック信号、第2ティック信号)としたが、第2ティック
信号と同様に、ユーザあるいは電子楽器1の設計者が自
由(任意)に周期を設定できるティック信号をより多く
の種類発生させ、時間管理を多種類で行うようにするこ
ともできる。
【0137】この場合、例えば第1ティックタイマ(T
1T)からの第1ティック信号の管理下、第2ティック
タイマ(T2T)からの第2ティック信号の管理下、第
3ティックタイマ(T3T)からの第3ティック信号の
管理下、の3分類とすれば、所定の分類条件により、い
ずれに分類されるかを判別し(図15のS81相当:た
だし多分岐となる)、例えばT1管理フラグ(T1
F)、T2管理フラグ(T2F)、T3管理フラグ(T
3F)のいずれか対応するフラグをセットすることにな
る(図15のS82、S83相当)。
【0138】また、上述の実施形態では、ゲートタイム
等の管理のために(第1ティック信号による)ティック
数を用い、音符ロケーション等の管理のために、その8
倍の周期を持つステップ信号によるステップ数を用いた
が、ゲートタイム等の管理のためにステップ数を用いる
こともできるし、逆に音符ロケーション等の管理のため
にティック数を用いることもできる。この場合、(第
1)ティック信号と(第1)ステップ信号とが一致する
ので、図12で前述のステップ割込と図18で前述のT
1割込とが同一のものになり、このため、例えば図18
の第1ティック処理を、図12の終了(S58)の直前
に連続して実行することもできる。
【0139】なお、上述の実施形態では、電子オルガン
タイプの電子楽器の例を挙げたが、本発明の電子楽器の
演奏データ加工方法、演奏データ加工装置、自動演奏方
法および自動演奏装置は、シーケンサ機能を有して自動
演奏可能な電子楽器であれば、他のタイプ(例えば電子
ピアノタイプ)にも適用できる。また、演奏データ加工
方法およびその装置は、それ自体にシーケンサ機能や自
動伴奏機能を有しなくても、演奏データをエディット
(編集・修正等)可能な他の装置(例えばパソコン等の
いわゆるコンピュータ等)にも適用できる。また、これ
らに利用する場合に、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、適宜変更も可能である。
【0140】
【発明の効果】上述のように、本発明の電子楽器の演奏
データ加工方法または演奏データ加工装置によれば、テ
ンポを変更した場合でも人間の演奏に近い演出が可能な
ように演奏データを加工でき、また、本発明の電子楽器
の自動演奏方法または自動演奏装置によれば、テンポを
変更した場合でも人間の演奏に近い演出ができる、など
の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子楽器の演奏デー
タ加工方法およびその装置並びに自動演奏方法およびそ
の装置を適用した電子楽器のブロック図である。
【図2】図1の電子楽器の主操作部となるキーボードお
よびパネルの概略外観を示す説明図である。
【図3】図1の電子楽器の制御全体の概念的処理を示す
フローチャートである。
【図4】タイムベースと各音符に対するティック数との
関係を示す説明図である。
【図5】タイムベース=384の場合の演奏のテンポに
対する基本的な時間単位信号の設定例を示す説明図であ
る。
【図6】タイムベース=384の場合の演奏のテンポに
対する絶対時間系と相対時間系の関連を示す相関図であ
る。
【図7】テンポ変更処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図8】ステップ加算処理の一例を示すフローチャート
である。
【図9】演奏データ(シーケンスデータ)の一例を示す
説明図である。
【図10】演奏開始処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図11】バーデータ処理の一例を示すフローチャート
である。
【図12】ステップ処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図13】イベント処理の一例を示すフローチャートで
ある。
【図14】ノートデータ処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図15】ノートデータ分類処理の一例を示すフローチ
ャートである。
【図16】分類条件によって分類されたノートデータの
一例を示す説明図である。
【図17】別の一例を示す、図16と同様の説明図であ
る。
【図18】第1ティック処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図19】第2ティック処理の一例を示すフローチャー
トである。
【図20】ゲートタイムカウント処理の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図21】ノートデータ事前分類処理の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図22】ノートデータが事前に分類されている場合
の、図13とは別のイベント処理の一例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 電子楽器 3 キーボード 4 ディスプレイ 5 パネル 6 ペダル 7 外部記憶インタフェース(ESI) 8 発音部 10 制御部 11 CPU 12 ROM 12a 制御プログラム領域 12b 制御データ領域 13 RAM 15 内部バス 16 クロック回路(CLK) 20 操作部 30 電源部 31 キー(鍵) 41 表示画面 51 パネルスイッチ 51a テンポ調整ダイヤル(テンポ変更スイッチ) 51b 演奏(play)ボタン(スタートスイッチ) 51c 一時停止(pause)ボタン(ポーズスイッチ) 51d 終了(stop)ボタン(ストップスイッチ) 51s 電源キー 52 インジケータ 61 ペダル 71 FD(ES) 81 スピーカ近傍の回路(アンプ等) 82 スピーカ 100 周辺制御回路(周辺制御コントローラ:PC
N)100 110 検出部 111 パネルスイッチ操作検出回路(パネルスイッチ
操作検出センサ) 112 ボードキー検出回路(ボードキー操作検出セン
サ) 113 ペダル操作検出回路(ペダル操作検出センサ) 120 駆動部 121 ディスプレイドライバ 122 インジケータドライバ 123 演奏ドライバ 130 MIDIインタフェース 131 MIDI送信回路(トランスミッタ) 132 MIDI受信回路(レシーバ) 135 MIDIコネクタ 140 外部記憶コントローラ(ESC) 141 ハードディスク(HD) 150 カウンタ部 151 実時間タイマ(TIM) 152 第1ティックタイマ(T1T) 153 第2ティックタイマ(T2T) 154 汎用カウンタ 156 ステップカウンタ(STPC) 157 MIDIタイムコードカウンタ(MTCC) 160 音源部 161 トーンジェネレータ(TG) 162 D/Aコンバータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対時間系の時間単位で発音持続時間を
    示す発音持続時間データをそれぞれに含む発音データを
    複数有する演奏データを記憶する演奏データ記憶工程
    と、 前記発音持続時間の管理についての分類条件に基づい
    て、前記複数の各発音データが含む発音持続時間データ
    を複数種類に分類する発音持続時間データ分類工程と、 前記発音持続時間データの分類結果を前記演奏データに
    反映させた修正演奏データを生成する修正演奏データ生
    成工程と、を備えたことを特徴とする電子楽器の演奏デ
    ータ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記発音持続時間の管理についての分類
    条件には、分類される発音持続時間データが示す発音持
    続時間の値の範囲に関する条件が含まれることを特徴と
    する、請求項1に記載の電子楽器の演奏データ加工方
    法。
  3. 【請求項3】 前記演奏データには、音色、エフェクト
    およびリズムの少なくとも1つを所定のタイミングで指
    示する演奏指示データが含まれ、 前記発音持続時間の管理についての分類条件には、分類
    される発音持続時間データを含む発音データによる演奏
    が、前記演奏指示データによる指示の対象か否かの条件
    が含まれ、 前記発音持続時間データ分類工程は、前記各発音データ
    について、前記演奏指示データによる指示の対象か否か
    を判別する演奏指示判別工程を有することを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の電子楽器の演奏データ加
    工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の電
    子楽器の演奏データ加工方法における各工程を備えた電
    子楽器の自動演奏方法であって、 前記各発音データは、対応する音源を示す音源情報デー
    タとその音源からの発音開始タイミングを前記相対時間
    系の時間単位で示す発音開始データと、をさらに含み、 演奏のテンポを変化させるテンポ変更工程と、 前記テンポを変化させたときに、その変化に反比例の関
    係を有して変化する第1相対時間系の時間単位の周期
    で、第1タイミング信号を周期的に出力する第1タイミ
    ング信号出力工程と、 前記テンポの変化に対する関係が前記第1相対時間系と
    異なる第2相対時間系の時間単位の周期で、第2タイミ
    ング信号を周期的に出力する第2タイミング信号出力工
    程と、 前記複数種類のうちの第1類に分類された第1発音持続
    時間データが示す第1発音持続時間を、前記第1タイミ
    ング信号に基づいて計時する第1計時工程と、 前記複数種類のうちの前記第1類と異なる第2類に分類
    された第2発音持続時間データが示す第2発音持続時間
    を、前記第2タイミング信号に基づいて計時する第2計
    時工程と、 前記第1発音持続時間データを含む発音データの音源情
    報データが示す音源を使用して、その発音開始データが
    示す発音開始タイミングから、前記第1発音持続時間分
    だけ発音する第1発音工程と、 前記第2発音持続時間データを含む発音データの音源情
    報データが示す音源を使用して、その発音開始データが
    示す発音開始タイミングから、前記第2発音持続時間分
    だけ発音する第2発音工程と、をさらに備えたことを特
    徴とする電子楽器の自動演奏方法。
  5. 【請求項5】 前記第2タイミング信号の周期の前記テ
    ンポの変化に対する関係を、任意に設定する第2相対時
    間単位周期設定工程をさらに備えたことを特徴とする、
    請求項4に記載の電子楽器の自動演奏方法。
  6. 【請求項6】 相対時間系の時間単位で発音持続時間を
    示す発音持続時間データをそれぞれに含む発音データを
    複数有する演奏データを記憶する演奏データ記憶手段
    と、 前記発音持続時間の管理についての分類条件に基づい
    て、前記複数の各発音データが含む発音持続時間データ
    を複数種類に分類する発音持続時間データ分類手段と、 前記発音持続時間データの分類結果を前記演奏データに
    反映させた修正演奏データを生成する修正演奏データ生
    成手段と、を備えたことを特徴とする電子楽器の演奏デ
    ータ加工装置。
  7. 【請求項7】 前記発音持続時間の管理についての分類
    条件には、分類される発音持続時間データが示す発音持
    続時間の値の範囲に関する条件が含まれることを特徴と
    する、請求項6に記載の電子楽器の演奏データ加工装
    置。
  8. 【請求項8】 前記演奏データには、音色、エフェクト
    およびリズムの少なくとも1つを所定のタイミングで指
    示する演奏指示データが含まれ、 前記発音持続時間の管理についての分類条件には、分類
    される発音持続時間データを含む発音データによる演奏
    が、前記演奏指示データによる指示の対象か否かの条件
    が含まれ、 前記発音持続時間データ分類手段は、前記各発音データ
    について、前記演奏指示データによる指示の対象か否か
    を判別する演奏指示判別手段を有することを特徴とす
    る、請求項6または7に記載の電子楽器の演奏データ加
    工装置。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし8のいずれかに記載の電
    子楽器の演奏データ加工装置を備えた電子楽器の自動演
    奏装置であって、 前記各発音データは、対応する音源を示す音源情報デー
    タとその音源からの発音開始タイミングを前記相対時間
    系の時間単位で示す発音開始データと、をさらに含み、 演奏のテンポを変化させるテンポ変更手段と、 前記テンポを変化させたときに、その変化に反比例の関
    係を有して変化する第1相対時間系の時間単位の周期
    で、第1タイミング信号を周期的に出力する第1タイミ
    ング信号出力手段と、 前記テンポの変化に対する関係が前記第1相対時間系と
    異なる第2相対時間系の時間単位の周期で、第2タイミ
    ング信号を周期的に出力する第2タイミング信号出力手
    段と、 前記複数種類のうちの第1類に分類された第1発音持続
    時間データが示す第1発音持続時間を、前記第1タイミ
    ング信号に基づいて計時する第1計時手段と、 前記複数種類のうちの前記第1類と異なる第2類に分類
    された第2発音持続時間データが示す第2発音持続時間
    を、前記第2タイミング信号に基づいて計時する第2計
    時手段と、 前記第1発音持続時間データを含む発音データの音源情
    報データが示す音源を使用して、その発音開始データが
    示す発音開始タイミングから、前記第1発音持続時間分
    だけ発音する第1発音手段と、 前記第2発音持続時間データを含む発音データの音源情
    報データが示す音源を使用して、その発音開始データが
    示す発音開始タイミングから、前記第2発音持続時間分
    だけ発音する第2発音手段と、をさらに備えたことを特
    徴とする電子楽器の自動演奏装置。
  10. 【請求項10】 前記第2相対時間系の時間単位の周期
    の前記テンポの変化に対する関係を、任意に設定する第
    2相対時間単位周期設定手段をさらに備えたことを特徴
    とする、請求項9に記載の電子楽器の自動演奏装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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