JP2002014101A - タンパク質の検出方法、プローブペプチドおよびシトクロムcもしくはインシュリンの検出方法 - Google Patents

タンパク質の検出方法、プローブペプチドおよびシトクロムcもしくはインシュリンの検出方法

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JP2002014101A
JP2002014101A JP2000195462A JP2000195462A JP2002014101A JP 2002014101 A JP2002014101 A JP 2002014101A JP 2000195462 A JP2000195462 A JP 2000195462A JP 2000195462 A JP2000195462 A JP 2000195462A JP 2002014101 A JP2002014101 A JP 2002014101A
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智博 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液中の目的タンパク質を、クロマトグラフ
ィー、電気泳動、免役反応などを利用しないで簡便に精
度よく検出する方法を提供すること。 【解決手段】 包接、及び被包接の作用関係をとり得る
少なくとも2つ以上の分子が結合したプローブペプチド
を用いて目的タンパク質を検出する方法であって、該プ
ローブペプチドが目的タンパク質に親和性結合すること
により生じる該プローブペプチドの分光学的特性の変化
を検出すること、若しくはその変化量を測定することか
ら目的タンパク質を検出することを特徴とする目的タン
パク質の検出方法、プローブペプチドおよびシトクロム
Cもしくはインシュリンの検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンパク質を検出す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質は生体の基本的な構造を形成
する主要な物質であり、生体内や生体由来物質には多く
のタンパク質が含まれている。生体内におけるタンパク
質は、遺伝子の塩基配列からアミノ酸配列が決められて
おり、極めて多様性に富んでいる。タンパク質は約20
種のアミノ酸が直鎖状に結合したポリマーであるが、生
体の骨格を形成する構造タンパク、酵素やホルモンなど
として働く生理活性物質などその機能は様々で、生物に
とって必要不可欠であり重要な役割を担っている。
【0003】タンパク質は生体内において極めて重要な
役割を担うことから、生体内のタンパク質の存在や機能
の確認は重要な作業とされている。その中でも近年で
は、タンパク質を疾病のマーカー物質として取り扱う技
術が注目されている。この技術は、ある種の疾病に冒さ
れた患者の体内では、患部においてその疾病に特有のタ
ンパク質が産生されるため、血液検査等によりそのタン
パク質の有無や量を調べて病気の診断を行うという技術
である。例えば代表的な腫瘍マーカーは、ガンマーカー
とも呼ばれ、生体内の組織がガン化することにより異常
産出されるタンパク質であり、AFP(α−フェトプロ
テイン)、CEA(ガン胎児性抗原)、BFP(塩基性
胎児抗原)、PIVKA−II(異常プロトロンビン)な
どがよく知られている。これらのタンパク質の量を測定
することにより、ガンの診断が可能となっている。腫瘍
マーカー以外にも様々な疾病に対し産生される特異的な
タンパク質が解明されてきており、診断に応用され実用
化されているものも多い。
【0004】特定タンパク質の検出技術に関する重要性
は以前から認識され研究が行われてきている。しかし生
体内に存在するタンパク質は、遺伝子の塩基配列からア
ミノ酸配列が決められており、極めて多様性に富んでい
ること、分子量が大きく構造的あるいは化学的に不安定
のものも多いこと、生体内においてごく微量しか存在し
ないものが多いこと、などから、それらを区別して検出
する作業は困難を伴うことが多い。それはタンパク質が
通常約20種類のL−アミノ酸から構成されていて、異
なる種類のタンパク質であっても、アミノ酸の配列が異
なるだけだからである。それで、巨視的に見れば物性は
互いに極めて類似しており、その類似性がカラムクロマ
トグラフィーなどの物理化学的な手法による特定のタン
パク質の検出や同定に困難な作業性をもたらしている。
【0005】一方で、生物学的な手法による特定のタン
パク質を検出する方法は、これまでにも多くの技術が開
発され、実用化されている。代表的な技術としては、生
体内における抗原抗体反応を応用した技術がある。この
技術は検出したい目的タンパク質(抗原)に対し、特異
的に結合する抗体を用いて、得られた抗原−抗体複合物
を分離し、抗体に予め結合させておいた標識、たとえば
蛍光色素やヨウ素125などの放射性同位体、を測定す
ることによって、目的タンパク質を検出する方法であ
る。特に抗体を酵素で標識し、発色させる方法はエンザ
イムイノムアッセイ法と呼ばれ、研究レベルから実用レ
ベルまで広く一般的に利用されている。
【0006】しかし、抗体を用いた検出は、検出の特異
性や、高感度の検出といった長所はあるものの、抗体の
作製に際し、ウサギ、マウス、山羊等の免疫応答を必要
とし、生物を直接扱わなくてはならないなど、多くの時
間と労力を必要とするといった欠点がある。従って工業
的な応用を行う上では操作の煩雑さやコストの面で障害
が多い。
【0007】抗体を用いない生物学的な手法による検出
方法としては、目的タンパク質に親和性結合を有する短
鎖ペプチドを用いる方法がある。これは、抗体による目
的タンパク質の検出を、抗体と同レベルの結合力を有す
る短鎖のペプチドで代用し同様の検出を行うもので、動
物による免疫反応を利用せず、化学合成によりペプチド
が得られるという長所を有している。短鎖のペプチドに
よるタンパク質の検出は、具体的には以下のように行な
われることが多い。
【0008】まず目的タンパク質に親和性結合するペプ
チドのアミノ酸配列を決定する。アミノ酸配列の決定方
法にはいくつかの方法があり、ビーズの表面に合成され
たペプチドライブラリーを利用し、アミノ酸分析により
親和性結合するペプチドを決定するペプチドライブラリ
ー法や、大腸菌に感染するファージ表面のペプチドを利
用し、遺伝子解析によりアミノ酸配列を決定するファー
ジディスプレーライブラリー法などがあり、そこから得
られたアミノ酸配列をもとに、ペプチドを合成する。合
成したペプチドは末端の官能基などを利用してラテック
スやポリスチレン製のビーズ表面、あるいは、ガラスや
プラスチック製の板などの固相上に結合させる。固相上
に直接ペプチドを合成出来る場合にはそれを用いる。検
体となるタンパク質は、あらかじめフルオレセイン、ロ
ーダミンなどの蛍光色素や、ヨウ素などの放射性同位体
により標識しておき、固相上のペプチドと作用させる。
目的タンパク質と親和性結合する固相上ペプチドには、
目的タンパク質が親和性結合し、タンパク質に結合した
蛍光色素などの標識剤も同時に固相上に固定化される。
続いて固相上の標識剤から得られる情報信号、すなわち
蛍光強度や放射線を測定することにより、目的タンパク
質の検出を行なうことができる。
【0009】短鎖のペプチドを用いたタンパク質の検出
は、抗体などに比べ容易に検出プローブであるペプチド
が得られ、また抗体に比べて物理的、化学的に安定性が
高いことから、様々な形態での利用が可能であるといっ
た長所を有する。またペプチドは、自動合成機による合
成や工業的な規模での大量生産などが可能であるなど生
産性に優れているといった長所もあり、デバイス化した
センサーとしての応用が近年注目されている。例えば特
開平5−322901号公報には6merのペプチドに
よるエンドセリン−1の検出が記載されている。この発
明においては、目的タンパク質と親和性結合する受容体
のアミノ酸配列をもとに目的タンパク質に親和性結合す
る6merのペプチドを決定し、検出用プローブとして
利用しており、抗体のような大きな分子を用いることな
く、特定のタンパク質の検出が可能となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、目的タンパク
質に親和性結合するペプチドを用いて、目的タンパク質
の検出を行う場合、ペプチドに目的タンパク質が親和性
結合をしているかどうかを確認するためには、従来の技
術では、目的タンパク質に蛍光色素や放射線同位体など
を標識し、そこから発する情報を測定してきた。しか
し、検体を標識することは、工程自体が煩雑でコストの
上昇を招いてしまうだけでなく測定の精度や信頼性等の
面で、以下に述べるような様々な障害を生じる。
【0011】目的タンパク質にプローブとしてのペプチ
ドが親和性結合するメカニズムは複雑であるが、一般的
には、タンパク質表面の立体構造、チャージ、疎水性あ
るいは親水性などの特性に基づいて共有結合以外の分子
間相互作用によって結合するものである。蛍光色素や放
射線同位体などによる標識は、タンパク質のアミノ基、
カルボキシル基、チオール基などの官能基に対して行う
ことが多いため、目的タンパク質へのペプチドの親和性
結合部位をふさいでしまったり、標識の結合により目的
タンパク質分子全体の立体構造を変化させてしまうなど
の恐れがある。また、複数の標識可能な部位を有してい
るタンパク質の場合は、1分子のタンパク質に複数の標
識がなされることがあり、そのことも測定精度に影響を
及ぼす。その一方で、標識部位がないとか、もしくは、
立体構造上の制約から標識できないなどの障害により目
的タンパク質が標識されないといった問題が生じること
もある。また反対に、検体中に含まれる目的タンパク質
以外のタンパク質分子に標識がなされ、それが非特異的
にプローブとしてのペプチドに吸着することもある。そ
れで、目的タンパク質以外の分子を検出しまう恐れもあ
る。
【0012】また抗体、ペプチドによらず、プローブを
固定化する事はB/F分離が容易である等の長所もある
が、固相にする事による弊害があるのも事実である。そ
れはプローブを固相に結合させる場合、プローブが固相
の影響を受けやすく、プローブの立体構造の変化や固相
の立体的な障害が生じてしまうことである。特に目的タ
ンパク質が比較的大きな分子である場合には、固相の影
響でプローブであるペプチドと目的タンパク質が望まし
い立体的な位置関係をとれないといったことも考えられ
る。本発明の目的は、これらの問題点を解決し、特定の
タンパク質を精度よく検出できる簡易なタンパク質の検
出方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記のような問題点を解
決すべく検討を重ねた結果、検出対象となる目的タンパ
ク質に対して親和性結合するペプチドのしかるべき位置
に、包接及び被包接の作用関係をとり得る少なくとも2
つ以上の分子を結合させたプローブペプチドを用いるこ
とで上記問題を解決出来ることを見いだした。
【0014】すなわち、本発明は、包接、及び被包接の
作用関係をとり得る少なくとも2つ以上の分子が結合し
たプローブペプチドを用いて目的タンパク質を検出する
方法であって、該プローブペプチドが目的タンパク質に
親和性結合することにより生じる該プローブペプチドの
分光学的特性の変化を検出すること、若しくはその変化
量を測定することから目的タンパク質を検出することを
特徴とする目的タンパク質の検出方法である。
【0015】より詳しくは、この方法は、目的タンパク
質に親和性結合するペプチドを合成し、ペプチド分子内
のしかるべき位置に、包接錯体の形成が可能な少なくと
も2種類の分子、すなわち包接作用をする分子及びその
被包接作用を有する分子をすくなくとも2分子以上結合
させたプローブペプチドをつくり、プローブペプチドの
分子内において包接作用を有する分子と被包接作用を有
する分子の包接錯体を形成させ、この包接錯体を形成し
たプローブペプチドを用いて目的タンパク質を検出する
をことを特徴とする。目的タンパク質が存在しない環境
下では、プローブペプチドに結合した包接作用を有する
及び被包接作用を有する分子は、分子内で包接錯体を形
成したままである。一方、目的タンパク質の存在下で
は、プローブペプチドが目的タンパク質と結合すべく立
体構造を変化させ、それに伴って包接錯体の解離が生じ
る。例えば、被包接作用を有する分子として蛍光色素を
用い、包接作用を有する分子としてシクロデキストリン
を結合させた場合、蛍光色素がシクロデキストリンに包
接された状態では、蛍光分子はシクロデキストリン内部
の疎水環境に置かれ、さらには立体的に分子運動が制限
され、その環境に応じた分光特性を示す。一般的に蛍光
物質は周辺の環境が疎水的である場合は蛍光強度は強く
なり、また分子運動が制限されても蛍光強度は強くなる
特性を有している。これに対して、プローブペプチドの
立体構造の変化により包接が解除された場合には、蛍光
色素は外部の親水的な環境にさらされ、同時に分子運動
の自由度も増し、それに応じて分光特性も変化する。
【0016】そこで、本発明では、上記の特性を利用
し、目的タンパク質が含まれる検体溶液に本発明のプロ
ーブペプチドを添加・混合し、その場合に生じる溶液の
蛍光強度等の分光特性の変化を検出すること、若しくは
その変化量を測定することにより、検体中の目的タンパ
ク質の検出を行う。本発明では、固相ではなく溶液中に
おける本発明のプローブペプチドと目的タンパク質との
親和性結合を利用しているので、目的タンパク質が比較
的大きな分子であっても、目的タンパク質の立体構造を
大きく変化させることなく、目的タンパク質を検出する
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明において用いる用語を以下
のように定義する。“検出”とは、本来の意味の目的タ
ンパク質の検出の他に、目的タンパク質の存在量、濃度
等の測定をも意味するものとする。“プローブペプチ
ド”とは、検出の対象の目的タンパク質と親和性結合す
るペプチドであって、化学的修飾が施され、目的タンパ
ク質を検出するのに用いるペプチドのことをいう。“目
的タンパク質にプローブペプチドが親和性結合する”と
は、目的タンパク質の表面の立体構造、チャージ、疎水
性あるいは親水性などの特性に基づく共有結合以外の分
子間相互作用により、目的タンパク質にプローブペプチ
ドが特異的に結合することをいうもので、一般的に生命
科学分野で用いられている用語と同じ意味である。包接
作用関係をとり得る二つの分子、すなわち、包接作用を
有する分子および被包接作用を有する分子がペプチドに
結合すると、もはやそれらの分子は本来分子と呼称され
ず何何残基と呼称さる(例えばペプチドを構成するアミ
ノ酸はアミノ酸残基と呼称される。)が、本発明におい
ては便宜上継続して分子と呼称するものとする。包接作
用関係にあって、包接作用を有する分子を“ホスト”
と、また被包接作用を有する分子を“ゲスト”と呼称さ
れることもあるが、本発明においては、“ホスト”を包
接作用を有する分子と、“ゲスト”を被包接作用を有す
る分子と呼称を統一した。
【0018】本発明のプローブペプチドを構成するペプ
チドの長さは、4〜40mer、好ましくは5〜20m
er、より好ましくは7〜18merである。そして、
4mer未満の場合、タンパク質との結合が起こらなく
なり、40merを超える場合は、タンパク質との結合
には有利であるが、合成の面で制限が多くなり困難な問
題を抱えるようになる。
【0019】本発明は以下に示す工程によりなされる。 (1)検出対象とするタンパク質に強い親和性を有する
ペプチドを探索する工程。 (2)しかるべき位置に包接作用を有する分子および被
包接作用を有する分子を結合させたプローブペプチドを
合成する工程。 (3)目的タンパク質にプローブペプチドを作用させ、
プローブペプチドに結合した被包接作用を有する分子の
分光学的な特性の変化若しくは変化量から目的タンパク
質を検出する工程。 更に、必要に応じて、上記(2)と(3)の間に、包接
作用を有する分子と被包接作用を有する分子が分子内包
接錯体を形成する工程を加えてもよい。本来本発明のプ
ローブペプチドは合成された時点で分子内包接錯体を形
成しているが、形成していない場合もある。
【0020】本発明の最初の工程である、目的タンパク
質に親和性結合するペプチドの探索は、例えばファージ
ディスプレーライブラリー法によって容易に探索するこ
とが出来る。ファージディスプレーライブラリー法はB
ioLab社から市販されているキット、例えば、Ph.
D.-12 Pharge Display Peptide Libray Kitなどを用
い、所定の操作方法に従って行うことで特定のタンパク
質に親和性結合するアミノ酸配列を知ることが出来る。
ファージディスプレーライブラリー法以外にも、ペプチ
ドライブラリーの利用によって目的タンパク質に親和性
結合するペプチドを選び出すことも可能である。ペプチ
ドライブラリーはビーズ状の樹脂の上に約10merの
ペプチドが人工的に合成されたもので、約20種のアミ
ノ酸からなるあらゆる配列を持ったペプチドを含んでい
る。1つのビーズには1種のペプチドが存在するため、
目的タンパク質と作用させ、強い親和性のあるビーズ樹
脂を選び出し、ビーズ上のペプチドのアミノ酸配列を解
析すれば、目的タンパク質に親和性結合するペプチドを
選び出すことが出来る。ファージディスプレーライブラ
リー法は目的タンパク質をマイクロタイタープレート等
の上に吸着させる必要があるのに対し、ライブラリーを
用いる方法は遊離状態のタンパク質で操作が可能であ
る。どちらの方法も親和性結合するペプチドが複数得ら
れる可能性があるが、必要に応じて1種に絞り込んでも
良いし、複数種のペプチドを選択しても良い。
【0021】また上記手法を行なわなくても、目的タン
パク質に親和性結合するペプチドがあらかじめ文献等で
わかっている場合には、その情報をもとにアミノ酸配列
を決定しても良い。例えば、目的タンパク質に作用する
抗体や酵素の認識部位、立体構造、認識のメカニズムな
どが判明している場合には、その情報をもとにタンパク
質に親和性結合するペプチドのアミノ酸配列を決定して
も良い。
【0022】次に、前記のようにして得られたアミノ酸
配列を基にペプチドを合成する。それは、一般的に行わ
れる従来方法で行うことができる。例えば、樹脂上のF
moc固相合成法や、Boc固相合成法などの方法など
を挙げることができる。その合成過程において包接作用
を有する分子や被包接作用を有する分子を固相上でペプ
チドに導入できればよいが、それが出来ない場合には、
結合形態によって必要に応じて好ましい官能基を有する
アミノ酸を挿入した配列でペプチド合成を行い、その
後、各官能基に対し包接作用を有する分子及び被包接作
用を有する分子を結合させればよい。例えばアミノ基を
導入したい場合はリジン、またチオール基を導入したい
場合はシステインを導入すればよく、また合成が可能で
あればアミノ酸以外の分子を結合させてもよい。包接作
用を有する分子や被包接作用を有する分子の導入箇所
は、プローブペプチドの目的タンパク質への親和性結合
部位を維持する上でペプチドの末端が望ましいが、プロ
ーブペプチドとタンパク質の親和性結合が得られるなら
ば、必ずしも末端に限定されることはなく、ペプチドの
配列中部に導入しても構わない。また、包接状態を取り
やすくするために、分子の配向性や適度な長さのリンカ
ーが必要であれば、それに応じて必要なアミノ酸等を別
途導入しても良い。
【0023】包接作用を有する分子としては、α、β、
γのシクロデキストリン、クラウンエーテル、ポルフィ
リンなどが一般的に知られており、これらの化合物の誘
導体と共に本発明に用いることが出来るが、必ずしもこ
れらの化合物に限定されるものではない。これらのなか
でも好適なものとしてα、β、γのシクロデキストリ
ン、クラウンエーテルなどの具体例を挙げることができ
る。また被包接作用を有する分子としては、各種色素、
染料、芳香族化合物など、ペプチドに結合した包接作用
を有する分子と相互作用しうる化合物を使用することが
できるが、包接作用を有する分子との相互作用の形態に
より分光学的特性が大きく変化する化合物が望ましい。
これらのなかでも好適なものとして、アゾ染料、アント
ラキノン染料、蛍光性染料などが挙げられる。具体例と
しては、メチルレッド、フルオレセイン、ローダミン、
アクリジンオレンジ、ピレンなどを挙げることができ
る。
【0024】包接作用を有する分子と被包接作用を有す
る分子が分子内包接錯体を形成する工程は、プローブペ
プチドを親水的な環境下に置くこと、または溶媒組成を
変えることである。それは、一般的に包接作用を有する
分子の包接部も被包接作用を有する分子も疎水性を有し
ていることが多いので、プローブペプチドを親水的な環
境下に置くことで、自己的に分子包接錯体を形成する。
しかし、そうでない場合は、溶媒組成を変えることによ
り、分子内包接錯体が形成される。得られたプローブペ
プチドが包接作用を有する分子と被包接作用を有する分
子とが、分子内で包接錯体を形成している事を確認する
には、溶媒中で蛍光あるいは吸収スペクトルを測定する
ことによって確認できる。例えばシクロデキストリンな
どの包接化合物の内部は疎水環境になっており、また、
包接されることで立体的に分子の運動が制限され、それ
に伴って親水環境下とは異なった特徴を持ったスペクト
ルが得られる。
【0025】得られた本発明のプローブペプチドを用い
て目的タンパク質の検出を行うには、プローブペプチド
と検体とを混合すればよい。検体とプローブペプチドを
混合する際には、プローブペプチドに結合した包接作用
を有する分子と被包接作用を有する分子が分子内包接錯
体を形成した時と同じ条件下で混合することが望ましい
が、その限りではない。その条件の一例を例示すると、
まずプローブペプチドを緩衝液などの溶液に溶解する。
その際のプローブペプチドの添加量は、溶液の濃度が1
〜100μg/mL、好ましくは10〜30μg/mL
になるような量である。緩衝液としては、リン酸緩衝
液、トリス塩酸緩衝液、グット緩衝液、などの一般的に
生化学研究分野で使用されているものがよい。好適なも
のとして、リン酸緩衝液を挙げることができる。緩衝液
の濃度は1〜1000mM、好ましく10〜100mM
である。そのpH値は3.0〜9.0、好ましくは6.
0〜8.0である。勿論蒸留水などの単なる水中で行っ
ても本発明は達成できる。
【0026】上記の緩衝液または水には、プローブペプ
チドと目的タンパク質の親和性結合が促進されるために
は、一般的には、金属イオンが存在しない方がよいが、
当該結合が特別に阻害されなければ、取り除くこともな
い。
【0027】目的タンパク質含有の検体中にプローブペ
プチドに親和性結合するタンパク質が含まれていると、
プローブペプチドは目的タンパク質に親和性結合すべく
分子構造を変化させる。それと同時にプローブペプチド
に結合している包接作用を有する分子と被包接作用を有
する分子の包接状態(包接錯体)が変化(解離)し、被
包接作用を有する分子化合物の分光学的な特性、例え
ば、光の吸収や蛍光スペクトルあるいはそれらの強度が
変化する。検体を加える前と加えた後で測定をそれぞれ
行い、その変化若しくは変化量より検体中に含まれる目
的タンパク質を検出する。なお、光の吸収強度、蛍光強
度をより強く測定できるように、目的タンパク質とプロ
ーブペプチドとの相互作用に大きな影響を与えない範囲
で、溶媒組成やpHを調節するのも効果的である。
【0028】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 ピレン及びシクロデキストリンの結合したシトクロムC
に親和性結合するプローブペプチドの合成例 [1]シトクロムCに親和性結合するペプチドの探索 シトクロムCに親和性結合するペプチドの探索は、Bi
oLab社から市販されているPhage Display Peptide
Library Kitにより行った。用いたキットは12mer
のペプチドがファージに結合したライブラリーで、約2
×109種類の配列の異なるペプチドが含まれているラ
イブラリーである。シトクロムCはSigma社より市
販されている製品(カタログNo.C−3131)を使
用した。このキットを用いて、キットに添付されている
説明書のプロトコールに従ってシトクロムCと親和性を
持つ12merのペプチド1種を取得した。当該ペプチ
ドのアミノ酸配列は下記の[配列番号1]に示す配列で
ある。 [配列番号1] (N末端)Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-
Pro-Gly(C末端)
【0029】[2]被包接作用を有する分子としてのピ
レンおよび包接作用を有する分子としてのシクロデキス
トリンに対する結合部位を有するペプチドの合成 [配列番号1]のペプチドにはピレン及びシクロデキス
トリンを結合させてピレンとシクロデキストリンの包接
錯体を形成させる必要がある。従って[配列番号1]の
ペプチドに各結合部位を設けるために、[配列番号1]
のC末端にアミノ酸配列(N末端)Gly-Gly-Gly-Ser-Gl
u(C末端)を付加して、[配列番号2]のアミノ酸配
列を有する17merペプチドを合成した。 [配列番号2] (N末端)Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-
Pro-Gly-Gly-Gly-Gly-Ser-Glu(C末端)
【0030】ペプチドの合成は以下の通りに行った。渡
辺化学工業製のFmoc−NH−SAL−Resin2
00mgをNMP(N−メチルピロリドン)により膨潤
させ、PPD(ピペリジン)の20%NMP溶液でFm
oc基を除去した。樹脂をNMPで洗浄しPPDを完全
に除去した後、Fmocアミノ酸、縮合剤PyBOP
{ベンゾトリアゾール−1−イロキシ(トリスピロデ
ィ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート}、触媒
HoBt(N−ヒドロキシベンゾトリアゾール)を各3
当量、ジイソプロピルエチルアミンを6当量それぞれ加
えアミノ酸のカップリング反応を行った。合成物につい
てカイザーテスト(E.kaiser,et al.,Anal.Bioche
m.,34巻,595頁,1970年)を行ってアミノ酸
の導入を確認した。カイザーテストによりアミノ基の残
留が確認された場合は、再度反応を行い、アミノ基が完
全に反応するまで繰り返した。側鎖の官能基保護が必要
なアミノ酸は、必要に応じてトリフルオロ酢酸により脱
保護可能な保護基により保護されたものを使用した。F
moc基の脱保護からアミノ酸の結合までの操作を各ア
ミノ酸ごとに繰り返し行い、目的のペプチドを合成し
た。樹脂からのペプチドの切り出しは、m−クレゾー
ル、チオアニソールの存在下トリフルオロ酢酸を用いて
行った。アミノ酸の各保護基はトリフルオロ酢酸により
脱保護されるため、樹脂からの切り出しと同時に各アミ
ノ酸の保護基は全て除去された。切り出したペプチドは
ジエチルエーテル中で沈殿させ、デカンテーションによ
り繰り返し洗浄した。
【0031】得られた粗ペプチドは、HPLC用カラム
Wakosil DNA(和光純薬工業株式会社)を装
着したHPLC装置(Waters社製HPLCシステ
ム)により、カラムの保持量をこえないように分割して
精製した。展開溶媒は0.1%TFA存在下、水とアセ
トニトリルの混合溶媒を使用した。なお、ペプチドの検
出は220nm及び280nmの吸収を測定することに
よって行い、目的の精製ペプチド36mgを得た。
【0032】[3][配列番号2]のペプチドにピレン
の結合(プローブペプチドの合成) [配列番号2]の17merペプチドのN末端にピレン
を結合させた。当該ペプチド20mgをDMF100μ
lに溶かし充分溶解させた後、1-Pyrenebutanoic Acid
Succinimidyl Esterを15mg加えた。攪拌しながら6
時間室温にて反応させた。反応は前記と同様のHPLC
にて追跡し、ピレン基の吸収(波長340nm)とペプ
チドの吸収(波長215nm)を併せ持つ目的物の生成
を確認した。反応が大部分進んだことを確認した後、カ
ラムの保持量を超えないよう分割して前記同様のカラム
精製を行い、N末端にピレンが結合したペプチドの精製
物14mgを得た。得られた化合物の構造は下記(a)
に示すとおりである。
【0033】
【化3】
【0034】[4]モノ−6−O−エチレンジアミン−
β−CD(エチレンジアミンCD)の合成 β−CD誘導体の合成は、上野らの手法(上野昭彦
他;シクロデキストリン基礎と応用、産業図書、199
5年)に従い、ピリジン中においてβ−CDとp−トシ
ルクロライドを反応させ、6位の水酸基が1ヶ所だけト
シル化されたモノトシル化β−CDを合成した。続いて
大過剰のエチレンジアミンのDMF溶液をオイルバスに
て60℃にて環流し、攪拌しながらモノトシル化β−C
DのDMF溶液(100mg/ml)をゆっくりと滴下
した。反応はTLCにて濃硫酸による発色(「機器分析
の手引き」、化学同人、1986年)により追跡し、約
3時間でほぼ完全に反応が進んだことを確認した。反応
液をエバポレーターにて濃縮し大部分のエチレンジアミ
ンを溜去した後、残った溶液を大量の攪拌させたアセト
ン中にゆっくりと滴下して目的物を沈殿させ、沈殿物を
アセトンで洗浄しエチレンジアミンCDの粗精製物を得
た。エチレンジアミンCDの精製は、脱塩したファルマ
シア社製の陽イオン交換ゲル(CM−25)カラムによ
って行った。エチレンジアミンCDの構造を下記(b)
に示す。
【0035】
【化4】
【0036】[5]本発明のプローブペプチドの合成 [3]で得られた合成物10mgと[4]で得られた合
成物5mgを500μlのDMFに溶解させ、完全に溶
解したのを確認して氷浴中で冷却した。ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド5mg及びHoBtを3mg加え氷浴
中で2時間攪拌し、その後室温中で一晩反応させた。T
LCにて反応が進んだことを確認し、アセトン中に反応
液を入れ、目的物を沈殿させた。得られた粗精製物を
水:アセトニトリル(2:1v/v)の混合溶媒に溶解
させて[2]と同様にHPLCで精製し、[配列2]の
ペプチドにピレンとβ−シクロデキストリンが結合した
本発明のプローブペプチド7mgを得た。本プローブペ
プチドは先に(a)で示した合成物のC末端のカルボキ
シル基と上記(b)のエチレンジアミンCDのアミノ基
が酸アミド結合したもので、下記(c)に示される化合
物である。それは、元素分析、およびUV、IR、NM
R、CMR、MSの各スペクトルを解析した結果、確認
された。
【0037】
【化5】
【0038】実施例2 シトクロムCの検出 実施例1で得られた本発明のプローブペプチドを10μ
g/mlの濃度でpH7.4の10mMリン酸緩衝液
(PBS)に溶解した。得られたペプチド溶液1mlを
石英セル(光路長1cm)に入れ、励起波長340n
m、蛍光波長376nmの条件で蛍光強度を測定した。
続いて100μg/mlの濃度となるよう調製したSi
gma社製のシトクロムC(カタログNo.C−313
1)のPBS溶液10μlを上記のセルに加えた。セル
内部を良く攪拌し、再び先程と同じ条件で蛍光強度を測
定した。その結果、蛍光強度はシトクロムCを加える前
に比べて大きく減少した。この結果は、シトクロムCの
添加により本発明のプローブペプチドがシトクロムCに
結合し、それに伴いプローブペプチドの立体構造に変化
が生じ、分子内包接錯体が解消したことを示している。
これはとりもなおさず本発明のプローブペプチドを用い
て目的タンパク質を検出することができることを示して
いる。
【0039】比較例1 実施例1で得られたプローブペプチドを10μg/ml
の濃度になるように前記と同様なPBSに溶解した。当
該プローブペプチド溶液1mlを石英セル(光路長1c
m)に入れ、励起波長340nm、蛍光波長376nm
の条件で蛍光強度を測定した。続いて100μg/ml
の濃度となるよう調製したSigma社製のα−キモト
リプシン(Type II)(カタログNo.C−412
9)のPBS溶液10μlを前記セルに加えた。セル内
部を良く攪拌し、再び先程と同じ条件で蛍光強度を測定
した。その結果、キモトリプシンを加える前と蛍光強度
はほとんど変わらなかった。この結果は、キモトリプシ
ンの添加が溶液中のプローブペプチドの立体構造に何ら
影響を与えていないことを示しており、実施例2の結果
と合わせ、本発明のタンパク質の検出方法は特異的タン
パク質の検出方法として極めて有効なものである。
【0040】実施例3 ピレン及びシクロデキストリンの結合したインシュリン
に親和性を有するプローブペプチドの合成例 インシュリンに親和性結合するペプチドの探索は、実施
例1に記載の方法と同様に行った。インシュリンとして
はSigma社より市販されている製品(I−025
9)を使用した。インシュリンに親和性結合するペプチ
ドは[配列番号3]に示されるアミノ酸配列のものであ
った。 [配列番号3] (N末端)Trp-His-Trp-Pro-Trp-Tyr-Gln-Gly-Gln-Leu-
Trp-Pro(C末端)
【0041】ピレン及びシクロデキストリンの結合した
プローブペプチドの合成に関しても、実施例1と同様に
行い、[配列番号4]のアミノ酸配列のペプチドを有す
るプローブペプチド(下記化学式参照)を合成した。 [配列番号4] (N末端)Trp-His-Trp-Pro-Trp-Tyr-Gln-Gly-Gln-Leu-
Trp-Pro-Gly-Gly-Gly-Ser-Glu(C末端)
【0042】
【化6】
【0043】実施例4 インシュリンの検出 実施例3で得られた本発明のプローブペプチドを、10
μg/m1の濃度でpH7.4の10mMリン酸緩衝液
(PBS)に溶解し、また、100μg/mlの濃度と
なるよう調製したSigma社製のインシュリン(I−
0259)のPBS溶液を準備し、実施例2と同様にし
てインシュリンを加える前と加えた後の蛍光強度の比較
を行った。その結果、蛍光強度はインシュリンを加えた
ことにより大きく減少した。この結果はインシュリンの
添加により本発明のプローブペプチドがインシュリンに
結合し、それに伴いプローブペプチドの立体構造に変化
が生じ、分子内包接錯体が解離したことを示している。
これはとりもなおさず本発明のプローブペプチドを用い
て目的タンパク質を検出することが出来る事を示してい
る。
【0044】比較例2 実施例3で得られたプローブペプチドを用い、比較例1
と同様にキモトリプシンと作用させたところ、キモトリ
プシンの添加に伴う蛍光強度の変化は測定されなかっ
た。この結果はキモトリプシンの添加が溶液中のプロー
ブペプチドの立体構造に何ら影響を与えていないことを
示しており、実施例4の結果と合わせ、本発明のタンパ
ク質の検出方法はタンパク質の特異的検出方法として極
めて有効なものであることが分かる。
【0045】
【発明の効果】包接作用を有する分子と被包接作用を有
する分子を結合した本発明のプローブペプチドを用いる
ことにより、目的タンパク質およびプローブペプチドの
いずれも固相上に固定化することなく、溶液状態のまま
で容易に検体中に含まれる目的タンパク質を検出できる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】目的タンパク質に親和性結合するペプチドに包
接作用を有する分子及び被包接作用を有する分子を結合
させた本発明のプローブペプチドが、目的タンパク質と
親和性結合するに伴い立体構造を変化させることを示し
た概念図である。
【符号の説明】
101:ペプチド 102:包接作用を有する分子 103:被包接作用を有する分子(蛍光色素) 104:目的タンパク質

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包接、及び被包接の作用関係をとり得る
    少なくとも2つ以上の分子が結合したプローブペプチド
    を用いて目的タンパク質を検出する方法であって、該プ
    ローブペプチドが目的タンパク質に親和性結合すること
    により生じる該プローブペプチドの分光学的特性の変化
    を検出すること、若しくはその変化量を測定することか
    ら目的タンパク質を検出することを特徴とする目的タン
    パク質の検出方法。
  2. 【請求項2】 プローブペプチドの分光学的特性の変化
    若しくはその変化量が、該プローブペプチドが目的タン
    パク質に親和性結合したことに伴って生じる該プローブ
    ペプチドの分子構造の変化に起因する請求項1に記載の
    目的タンパク質の検出方法。
  3. 【請求項3】 分子構造の変化が、プローブペプチドに
    結合し包接及び被包接の作用関係にある少なくとも2つ
    以上の分子の包接状態の変化である請求項2に記載の目
    的タンパク質の検出の検出方法。
  4. 【請求項4】 プローブペプチドに結合した包接作用を
    有する分子がシクロデキストリンである請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の目的タンパク質の検出方法。
  5. 【請求項5】 シクロデキストリンがα、β、γいずれ
    かのシクロデキストリンである請求項4に記載の目的タ
    ンパク質の検出方法。
  6. 【請求項6】 プローブペプチドに結合した包接作用を
    有する分子がクラウンエーテルである請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の目的タンパク質の検出方法。
  7. 【請求項7】 プローブペプチドに結合した被包接作用
    を有する分子が、芳香族化合物である請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の目的タンパク質の検出方法。
  8. 【請求項8】 プローブペプチドに結合した被包接作用
    を有する分子が、染料である請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の目的タンパク質の検出方法。
  9. 【請求項9】 染料が、蛍光染料である請求項8に記載
    の目的タンパク質の検出方法。
  10. 【請求項10】 芳香族化合物が、ピレンである請求項
    7に記載の目的タンパク質の検出方法。
  11. 【請求項11】 分光学的特性が、蛍光または光の吸収
    である請求項1〜10のいずれか1項に記載の目的タン
    パク質の検出方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    のプローブペプチド。
  13. 【請求項13】 検出対象とする目的タンパク質が、シ
    トクロムCである請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の目的タンパク質の検出方法。
  14. 【請求項14】 包接、及び被包接の作用関係をとり得
    る少なくとも2つ以上の分子が結合したプローブペプチ
    ドを用いてシトクロムCを検出する方法であって、プロ
    ーブペプチド鎖に[配列番号1]のアミノ酸配列を有す
    るペプチドを有することを特徴とする、請求項13に記
    載の目的タンパク質の検出方法。 [配列番号1] (N末端)Thr-Leu-Pro-Pro-Gln-Gly-Leu-Ser-Pro-Ser-
    Pro-Gly(C末端)
  15. 【請求項15】 包接、及び被包接の作用関係をとり得
    る2つの分子が各々シクロデキストリン及びピレンであ
    ることを特徴とする、請求項13に記載の目的タンパク
    質の検出方法。
  16. 【請求項16】 β−シクロデキストリンとピレンがプ
    ローブペプチドの側鎖または/および末端に結合し、
    [配列番号1]のアミノ酸配列を有することを特徴とす
    るプローブペプチド。
  17. 【請求項17】 下記の構造式で示されるシトクロムC
    の検出用プローブペプチド。 【化1】
  18. 【請求項18】 検出対象とする目的タンパク質が、イ
    ンシュリンである請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の目的タンパク質の検出方法。
  19. 【請求項19】 包接、及び被包接の作用関係をとり得
    る少なくとも2つ以上の分子が結合したプローブペプチ
    ドを用いてインシュリンを検出する方法であって、プロ
    ーブペプチド鎖に[配列番号3]のアミノ酸配列を有す
    るペプチドを有することを特徴とする、請求項18に記
    載の目的タンパク質の検出方法。 [配列番号3] (N末端)Trp-His-Trp-Pro-Trp-Tyr-Gln-Gly-Gln-Leu-
    Trp-Pro(C末端)
  20. 【請求項20】 包接、及び被包接の作用関係をとり得
    る2つの分子が各々シクロデキストリン及びピレンであ
    ることを特徴とする、請求項18に記載の目的タンパク
    質の検出方法。
  21. 【請求項21】 β−シクロデキストリンとピレンがプ
    ローブペプチドの側鎖または/および末端に結合し、
    [配列番号3]のアミノ酸配列を有することを特徴とす
    るプローブペプチド。
  22. 【請求項22】 下記の構造式で示されるインシュリン
    の検出用プローブペプチド。 【化2】
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