JP2000510454A - カルシウム依存性結合タンパク質の改変されたリガンド - Google Patents

カルシウム依存性結合タンパク質の改変されたリガンド

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カルシウム依存性結合タンパク質についての野生型リガンドのアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を含み、カルシウム依存性結合タンパク質についてのリガンドの親和性の増強をもたらす改変を有する、カルシウム依存性結合タンパク質に結合し得るリガンドに関する。

Description

【発明の詳細な説明】 カルシウム依存性結合タンパク質の改変されたリガンド緒言 本発明は、結合対を用いての分子の標的化、検出、固定化、および精製に関す る。詳細には、本発明は、カルシウム依存性結合タンパク質およびそのリガンド の使用に関する。本発明は、カルシウム依存性結合タンパク質についての改善さ れた親和性を有するリガンドを提供する。本発明の結合対は、生物学的手順に利 用される現在利用可能な結合対系に対して魅力的な選択肢を提供する。発明の背景 用語「結合対」は互いに高い親和性で結合する2つの分子をいう。多くの結合 対系は、現在、タグ化された化合物の精製および標的化のために存在する。現在 最も広く使われている系は、インビボでの腫瘍標的化方法にも用いられてきたビ オチン-ストレプトアビジン結合対である(Paganelliら,1991)。さらに、mycあ るいはFlagタグを発現している組換え融合タンパク質が、これらのタグに対する 抗体を使って単離および精製されている(MunroおよびPelham,1986;Hoppら,1988 )。ポリhisペプチドテールは組換えタンパク質に遺伝的に融合され、そしてニッ ケルでコートされたアガロースまたはアフィニティーカラムを使って精製されて いる(Skerraら,1991)。ストレプトアビジン結合strepタグ(SchmidtおよびSkerr a,1993)は同様の適用で使われている。 しかし、上記の例のそれぞれの適用は限られている。アフィニティー精製のよ うな技術は、厳しい溶出プロトコルで組換えタンパク質の機能を損なうことのな いように、特異的だが低い親和性相互作用を必要とする。逆に、標的化および特 異的固定化は、両方とも、長い半減期の相互作用での結合対とタグとの高い親和 性結合を必要とする。結合対を使う従来技術で記載された系はこの融通性を有さ ず、従って、普遍的に適用し得ない。 カルモジュリンは、広範囲の酵素を調節するカルシウム依存性結合タンパク質 であり、そして細胞内シグナル伝達において重要な役割を担う。それはまた、高 い親和性でリガンドに結合し得る小さなタンパク質の、わずかな例のうちの1つ である。 それらの大きさが小さいために、カルモジュリン-リガンド複合体は、タンパ ク質の会合および解離の研究で便利なモデルとして使われてきた。高親和性リガ ンド基質との複合体におけるカルモジュリンの3次元構造の解明以来、この系は 、タンパク質が高い親和性の相互作用において互いを認識する機構の研究のため に扱い易い。 係属中の特許出願WO95/12672は、組換えポリペプチドの検出、固定化、標的化 、および精製のための、カルモジュリンおよびカルモジュリンリガンドを含む結 合対の使用を開示する。この系は、結合相互作用が、カルシウムキレート剤の使 用を通して容易に制御され得るカルシウム濃度の変化により改変され得るので、 魅力的である。このことは、実験または治療の道具としての結合対の適用性を大 いに広げる。 Stofko-Hahnら,(1992)は、ウサギ骨格筋ミオシン軽鎖キナーゼ(sMLCK)のC末端 由来のカルモジュリン結合リガンドタグと組換えタンパク質との融合物を作製し た。彼らは、これを親和性支持体上での精製ストラテジーにおいて使用した。高 レベルのカルシウムの存在下で、この系は特異的な高い親和性相互作用を示し、 その結合対の解離定数は3nMのオーダーである。EGTA(カルシウムキレート剤の 1つ)の添加は、相互作用の親和性を低下させて非常に温和な溶出プロトコルを 可能にし、そして天然のタンパク質構造の変性または破壊がありそうにないこと を意味する。しかし、カルモジュリンリガンドへのカルモジュリンの親和性は高 いとはいえ、多くの標的化、固定化、特に治療的適用に充分なほど高くはない。 多くの治療的適用、ナノモルより小さいかまたはピコモルより小さい解離定数 、高い会合速度定数および極度に低い解離速度定数は、複合体の効率的な標的化 および結合相互作用の十分に長い半減期を確実にするために必要である。ビオチ ン-ストレプトアビジン結合対は、実験的および治療的の両方で、タンパク質の 標的化、精製、および固定化のために広く使用される。この系の主な魅力は、結 合対の相互作用の高い親和性(Kd=10-15M)にある。 しかし、この結合対を使用することの著しい不利益は、ヒトの体におけるスト レプトアビジンの免疫原性である。これは、治療的適用へのこの系の有用性を大 きく制限する。このように、高い親和性相互作用および低い免疫原性の両方を有 する、実験的に扱い易い結合対系についての大きな要求がある。発明の説明 本発明によれば、カルシウム依存性結合タンパク質に結合し得るリガンドが提 供される。このリガンドは、カルシウム依存性結合タンパク質の野生型リガンド の配列に相当するアミノ酸配列を含み、カルシウム依存性結合タンパク質へのリ ガンドの増強された親和性をもたらす改変を有する。 野生型リガンドとは、カルシウム依存性結合タンパク質に結合し得る、天然に 存在するリガンドを意味する。本発明により定義されるすべてのリガンドは、カ ルシウム依存性結合タンパク質と相互作用する、天然に存在するペプチドリガン ドの結合ドメインの改変を含むペプチドである。 適切なリガンドが誘導され得る野生型リガンドの例は、骨格のミオシン軽鎖キ ナーゼ、平滑筋ミオシン軽鎖キナーゼ、マストパラン、メリチン、AC-28、およ びNO-30であり、それらはすべてカルモジュリンに対して高い親和性結合を示す 。好ましくは、本発明のリガンドは、改変された骨格ミオシン軽鎖キナーゼリガ ンドを含む。 上記の改変は、カルシウム依存性結合タンパク質へのリガンドの親和性の改善 をもたらす、野生型リガンドにおける1つ以上のアミノ酸の置換、挿入、または 欠失からなり得る。本発明のリガンドは、20個まで、好ましくは10個まで、さら に好ましくは5個までの改変を野生型リガンドのアミノ酸配列に含み得る。 挿入および欠失とは、それぞれ、1つ以上のアミノ酸を導入または省略して野 生型リガンドのアミノ酸配列を伸長するかまたは短縮すること、従ってカルシウ ム依存性結合タンパク質へのその親和性を改変することを意味する。好ましくは 、改変は、野生型リガンドにおける1つ以上のアミノ酸の置換を含む。 置換は、野生型ペプチド配列における天然に存在するアミノ酸の代用残基での 置き換えを含む。好ましい代用残基はアラニンまたはバリンである。これらのア ミノ酸は両方とも、比較的無害の側鎖を有して疎水性であり、従って両方ともペ プチド構造の混乱を最小限にしてのらせん状ペプチド内での置換に理想的である 。このような分子の生成、同定、および操作を記載する十分に研究された実施例 が本明細書中に開示される。好ましくは、代用残基はアラニンである。 個々のアラニン残基は既にタンパク質の配列中に挿入されている。Clacksonお よびWells,(1995)は、ヒト成長ホルモンレセプター(hGHbp)の配列における接 触残基の系統だった置換を、近年報告した。この「アラニンスキャニング」技術 により、これらの変異タンパク質によって示される結合親和性の減少の定量化を 通して、結合相互作用に関与する残基が同定された。 バーネース(barnase:Bacillus amylolique-faciensの細胞外RNase)の生理学 的阻害剤であるバースター(barstar)もまたこのような実験的な操作に供され ている。バーネース-バースター複合体により所有される非常に高い会合速度定 数(3.8×109s-1M-1)は、4つの酸性側鎖アミノ酸残基に起因する。これらがす べて個々にアラニンへと変異した場合、これは会合速度定数の減少を引き起こす 。同時に、バースターの安定性においてわずかな増加がみられ、従って、タンパ ク質は第一にそれらの安定性よりも機能を最適化するように進化すると仮定され ている(Schrieberら,1994)。 驚くべきことに、本発明の改変されたリガンドは、増加した結合親和性および 会合定数を示す。カルシウム依存性結合タンパク質に結合可能なリガンドは、結 合親和性を最大にすることは出来なかったが、十分に高い結合親和性を達成する ことにより、それらの生物学的機能を果たすように進化してきたようである。 複数のアミノ酸置換もまた本発明で請求され、そして本明細書中に記載される 。個々の単一アミノ酸置換の組合せは異積効果を与え得、カルシウム依存性結合 タンパク質についてのリガンドのずっと増強された親和性を導く。 カルシウム依存性結合タンパク質とは、リガンドに結合し得るタンパク質であ って、ここでリガンドの解離定数がカルシウムイオンの存在下で減少する、すな わち、結合がカルシウムイオンの存在下でずっと強いタンパク質を意味する。 本発明のリガンドは、多くの生物学的な適用、例えば、タンパク質の精製およ び検出、二機能性の(巨大)分子の条件的形成、顕微鏡法、FACS分析、マイクロ センサーチップ上へのタンパク質の固定化、ならびに腫瘍標的化に適切である。 これらの適用の多くでは、カルシウム依存性結合タンパク質-ペプチドリガンド 結合対が、会合の早いon速度および非常に遅いoff速度(すなわち解離速度定数 )とともに非常に高い親和性を有することが望ましい。 本明細書中に記載される適用では、結合タンパク質が、そのカルシウムイオン 部位の10分の1を占有している場合に、結合親和性におけるカルシウム依存性の 減少は少なくとも10倍であることが好ましい。好ましくは、解離定数はpH6〜9 、20℃で10nMより大きく、そして50μMカルシウムイオンの存在下で10nM以下で あり、最も好ましくは1nM以下である。いくつかのカルシウム依存性結合タンパ ク質では、他の類似のイオンは、カルシウムを例えばストロンチウムに置き換え 得る。 好ましいカルシウム依存性結合タンパク質は、カルモジュリンである。このタ ンパク質は比較的小さく(148残基)、従って、結合対の一員として使用するた めに適切である。カルモジュリンと他のタンパク質とのハイブリッド組換えタン パク質は、遺伝子融合によって容易に作製され得る;小さなタンパク質のタグと しての使用は、融合相手のタンパク質構造を混乱させる危険性を減少させ、そし てまた立体障害を通してその相手の機能を妨害する機会を減少させる。 トロポニンC、カルシニューリン、パルブアルブミン、およびオンコモジュリ ンのような他のカルシウム依存性結合タンパク質もまた、本発明で使用され得る ことが理解される。 いくつかのタンパク質、ペプチド、または有機化合物は、カルモジュリンに高 い親和性(nMまたはnMよりも小さい解離定数で)で結合する。実際、カルモジュ リンおよびペプチドリガンドの三次元構造が利用可能である(Ikuraら,1992;Mea dorら,1992,1993)。カルモジュリンと骨格のミオシン軽鎖キナーゼ(sMLCK)由 来の26アミノ酸ペプチドとの複合体のNMR構造は、中央の19マーの配列、RWKKNFI AVSAANRFKKISのみがカルモジュリンと接触することを示している(Ikuraら,1992 )。本発明において、好ましい野生型ペプチドリガンドは、本明細書中でさらに 記載されるように、この配列の改変を含む。 本発明のリガンドが、野生型リガンドに対して少なくとも10の係数で、好まし くは少なくとも100の係数で、さらに好ましくは少なくとも1000の係数で、Kdの 減少を示すことが好ましい。ここで、 Kd=koff/kon ただし、koff=反応の速度解離定数、 およびkon=反応の速度会合定数。 解離定数の減少は、koffもしくはkon値のいずれかの改変、または両方の速 度の値における改変の組合せに由来し得る。好ましくは、解離定数の低下により 反映される結合親和性の改善は、少なくとも10の係数で、さらに好ましくは少な くとも100で、最も好ましくは少なくとも1000の係数で低下したkoff値によって 支配される。結合親和性はまた、相互作用の半減期(t1/2)にも反映される。 ここで、 t1/2=1/koff である。 相互作用の半減期は、好ましくは少なくとも15分、さらに好ましくは少なくと も1時間である。 添付の表1におけるペプチド6、10、および17は、野生型ペプチドに対してKd で最大の改善を示す。特に、ペプチド6はえり抜きのリガンドである。 本発明のさらなる局面によれば、野生型カルシウム依存性結合リガンドの結合 親和性を増強する方法が提供され、この方法は野生型カルシウム依存性結合リガ ンドのアミノ酸配列を改変する工程を含む。 本発明のリガンドは、固相オリゴペプチド合成および組換えDNA技術を含む、 従来のペプチド合成技術により合成され得る。 ロボットのマルチウェルペプチド合成機は、複数のアミノ酸置換を含む多くの 異なるペプチドの1〜2日での生成を可能にする。マルチウェル装置でのペプチ ドの脱保護、切断、および蛍光標識の平行法は、生成したぺプチドの迅速な分析 を可能にする。競合実験による速度解離定数の測定のために本明細書で使用され る未変性ゲル電気泳動法はまた、複数のマルチウェルゲルを使用して、ペプチド 生成と平行して使用され得る。 さらに、組換えDNA技術(Smithら,1985)によりペプチドのライブラリーが、 設計され、そして繊維状ファージの表面上に発現され得る。適切なストリンジェ ントの選択/増殖およびスクリーニング技術(例えば平行蛍光未変性ゲル電気泳 動)は、改善されたリガンドを同定するために使用され得る。 本発明のさらなる局面によれば、カルシウム依存性結合タンパク質と本発明に よるリガンドとを含む結合対が提供される。 本発明によれば、結合対としてのカルシウム依存性結合タンパク質に関連して 、本発明によるリガンドの使用が提供される。 本発明のカルシウム依存性結合タンパク質-リガンド結合対は、高い親和性の 結合対を必要とする任意の適用において用いられ得る。本発明による結合親和性 の改変は、結合対の結合親和性を特定の適用の必要条件に合わせるのを可能にす る。 本発明のさらなる局面によれば、本発明のリガンドは別の部分と連結され得る 。例えば、Medical Research Councilの名称で1996年4月25日に出願された、同 時係属中の英国特許出願「酵素の単離」は、酵素に連結したカルモジュリンの使 用を開示する。さらに、カルモジュリンリガンドは、この酵素によって触媒され る特定の反応の基質に連結される。カルモジュリン-酵素部分とリガンド-基質部 分との結合、および酵素による基質から生成物への変換に続いて、生成物が活性 部位から解離した後に、生成物は(カルモジュリン-カルモジュリンリガンド結 合対を介して)酵素に連結したままである。このことから、酵素反応の生成物の 選択により、酵素ライブラリーからの活性酵素の単離が可能である。酵素がそれ をコードしているDNAに連結される場合(例えばファージの表面上に提示される ことにより)、コードしているDNA種の単離もまた可能である。 本発明は、結合親和性、従って上記の手順で使用されるカルモジュリン-カル モジュリンリガンド結合対の相互作用の半減期を増加させるために使用され得る 。これは特に、低い反応速度を有する酵素の場合に有利である。これらの酵素で は、カルモジュリン-リガンド相互作用は、酵素から基質を解離させないように 、酵素反応の完了を可能にするために十分に長い半減期を示さなければならない 。本発明のリガンドの使用は、この「酵素選択」技術の適用を広げる。 連結部分は、タンパク質であり得る。好ましくは、リガンド-タンパク質融合 物は遺伝子融合物から生成される。このような融合物をコードする核酸は、本発 明のさらなる局面を形成する。このような組換え融合タンパク質をコードしてい る発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞は培養中に増殖し得、そして このような分子の生成に使用され得る。次いで、リガンドは、(カルモジュリン )アンタゴニストカラムでのアフィニティークロマトグラフィーまたはイオン交 換クロマトグラフィーのような方法により、組換え分子の単離および精製のため に使用され得る。溶出ではリガンドへのカルモジュリンの親和性を低めるために カルシウムキレート剤を使用し得る。 あるいは、連結部分は非共有結合的にまたは化学的修飾によりリガンドに付加 され得る。化学的修飾は、例えば、リガンドに存在するチオール基、ヒドロキシ 基、アミノ基、カルボキシ基、またはアリール基のような反応性官能基と、連結 部分に存在する反応性官能基との結合を含む。例えば、システイン基はリガンド のC-末端に組み込まれ得、そしてタンパク質は、SPDP(N-スクシンイミジル3( 2−ピリジルジチオ)プロポイネート)のようなヘテロ二機能性架橋剤を用いて カップリングされる。非共有的連結のためには、二量体の形成に好都合なペプチ ド(例えば、ロイシンジッパーまたはJunおよびFosのタンパク質結合ドメイン) が、ペプチドおよび組換えタンパク質に付加され得る。従って、複合体はタンパ ク質とリガンドとの混合の際に形成される。 連結部分はまた、標識であり得る。標識は、蛍光(例えばフルオレセイン)、 抗体標識、または放射標識であり得る。これは、蛍光活性化セルソーティング( FACS)、共焦点蛍光顕微鏡法、またはブロッティングのような方法による、カル シウム依存性結合タンパク質を含む組換え融合タンパク質の検出および単離を可 能にする。カルシウム依存性結合タンパク質の検出のための他の高感度な方法は 、例えば近年オンコモジュリンに関して記載されたように、Ca2+イオンをTb3+イ オンで置換した後のTb3+発光によって開発され得る(Clarkら,1993)。本発明の 標識リガンドの使用を通して、結合親和性の測定もまた、同時係属中の特許出願 WO95/12672に記載されるようなバンドシフトアッセイを用いて行われ得る。 癌治療の効力およびその腫瘍細胞特異性を改善するために、様々な技術が開発 中である。化学療法は、低い治療指数を示し、正常器官に受容しがたい損傷を起 こし、そして安全に投与され得る薬物の用量を制限することが証明されている。 長年の間、抗体は、標的細胞を殺傷するために細胞傷害性タンパク質を送達す るための手段として研究されてきた。そして実際のところ、研究の大半は、現在 、抗体に関する治療に関している。抗体またはそれらの免疫反応性フラグメント の細胞特異性は、薬物、ラジオアイソトープ、タンパク質サイトトキシン、免疫 系のエフェクター細胞、および標的化プロドラッグ活性化のための酵素さえも送 達するために利用され得る。しかし、インビトロおよびインビボでの顕著な結果 にもかかわらず、1つまたは複数の分子の免疫原性および全身毒性のような無視 できない問題が残っており、これは有効な臨床試験の結果が得られ得る前に解決 されなければならない。 直接的な抗体媒介送達に関連した全身毒性を解決する試みの1つの方法は、ス トレプトアビジンおよびビオチンに基づく結合体を使用した治療薬剤の予備標的 化送達である。標的特異的薬剤(通常は抗体)はストレプトアビジンに融合され 、そして哺乳動物に投与される。適切な局在化時間の後、毒素またはラジオアイ ソトープに連結したビオチンを含む2番目の結合体が投与される。従って、細胞 傷害性薬剤の標的化率および/または活性用量は、標的器官において増加する。 さらに、非標的組織(特に骨髄)への露出は減少し、そしてより大用量の送達お よび効率的な利用が可能になる。 非標的化標識は腎臓を通って全身から効率的に排出される。しかし、この治療 の効力の度合いはストレプトアビジン、従ってまたその結合体の免疫原性によっ て顕著に減少する。これは免疫抑制剤の同時投与を必要とし、これは治療に関連 した外傷の度合いを上げる効率の悪い方法である。従って、哺乳動物の身体にお いて、高い結合親和性および低い免疫原性の両方を示す結合対を含む類似の系の 必要性がある。 従って、カルモジュリンのようなカルシウム依存性結合タンパク質およびその ためのペプチドリガンドは、哺乳動物の身体においてそれらが自然発生し、従っ て低免疫原性であるために、このような治療レジメのための理想的候補である(V anEldikおよびLucas,1987)。さらに、カルモジュリンは有毒でなく、いずれの 器官においても選択的に蓄積せず、そして尿中に迅速に分泌されることが示され ている。しかし、カルモジュリンと天然に存在するペプチドリガンドとの相互作 用は、この適用において有効に使用するためには親和性が低すぎる。 本発明は、カルモジュリンへの改善された親和性のペプチドリガンドを提供す る。従って、別の実施態様は、毒素に連結された本発明のリガンドを含む分子で ある。この毒素は、薬剤、ラジオアイソトープ、タンパク質サイトトキシン、免 疫系のエフェクター細胞、プロドラッグ活性化のための酵素、Pseudomonas毒素 、腫瘍壊死因子α、または化学療法作用を有する別の毒素を含み得る。任意の適 切な毒素が、治療薬剤の予備標的化送達のために、本発明において融合相手とし て使用され得ることが理解される。 放射標識へのリガンドの融合物を含むのみの同様の技術が、腫瘍の診断および イメージングのために免疫シントグラフィー(immunoscintography)において使 用され得る。 上記の実施態様における標識分子または結合分子としてのリガンドの使用に加 え、毒素または標識に融合した部分がカルシウム依存性結合タンパク質分子であ り、そしてこの分子が標的化する実体は本発明のペプチドであるように、その形 式は逆転し得る。従って、上記の概念は全て、生来可逆的である。 さらに、結合活性を保持したこれらのリガンドおよびカルシウム依存性結合タ ンパク質分子のフラグメントは、それらの誘導体であろうと、使用され得る。用 語「誘導体」は、物理的または化学的な分子特性の変化を導く、欠失、置換、ま たは挿入を含むアミノ酸変異体を含む。 カルシウム依存性結合タンパク質とペプチドリガンドとの強力な結合相互作用 はまた、二量体または多量体を作製する手段を提供し得る。二量体ペプチドリガ ンドは、組換えカルシウム依存性結合タンパク質融合分子を二量体化するために 使用され得る。同様に、多量体ペプチドリガンドは、多量体を生成し得る。この ことは腫瘍標的化の効率、従って免疫応答の効力を増加させるために使用され得 るこのようなリガンドを使って形成されるカルモジュリン-抗体多量体の場合に 特に適応可能である。 本発明の様々な局面および実施態様が、以下の実施例において図を参照して示 される。本発明のさらなる局面および実施態様は、当業者に明らかである。 本明細書で言及するすべての文献は、参考として援用される。 図1は、未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるカルモジュリンとフル オレセイン標識ペプチドとの複合体の検出を示す。 レーンの番号はペプチド番号に対応する。置換の位置は、ゲルのレーンとアミ ノ酸配列とを結ぶ線で示される。 図2は、ペプチド1〜17に結合しているカルモジュリンの典型的なセンソグラ ムを示す。 ここでペプチド1およびペプチド5の結果を示す。 図3は、カルモジュリンに対するペプチド1〜17のkoff定数の測定のための 競合実験を示す。 ここで、ペプチド1、2、3、6、9、および14の競合の結果を示す。インキ ュベート時間(分)はレーンの下に示す。 以下の実施例は、例示のみのために示す。詳細の変更が本発明の範囲から逸脱 することなく行われ得ることが理解される。 実施例: 実施例1:ペプチドの設計および合成 骨格のミオシン軽鎖キナーゼにおいて、中央の19マーの配列RWKKNFIAVSAANRFK KISのみがカルモジュリンと接触することが以前に示されている。従って、この ペプチドの改変を、カルモジュリン結合部位に対するペプチドの設計のモデルと して選択した。 ペプチド1は野生型配列を含み、そしてチオール特異的試薬(例えば、ヨード アセトアミドフルオレセインまたはビオチン誘導体)での部位特異的ペプチド機 能付与の標的として作用するように、N末端システインを使用して設計した。続 く3つのアラニンはスペーサーであり、そしてC末端でアミド基が提供される。 従って、このペプチドの配列は、CAAA-RWKKNFIAVSAANRFKKIS-CONH2である。 カルモジュリン認識配列における、アラニンでないすべての残基のアラニン変 異に対応する16個のさらなるペプチドを合成した。これらのペプチド配列を表1 に示し、これはまた、アラニンへの個々のアミノ酸置換による、カルモジュリン とカルモジュリン結合ペプチドとの間の相互作用の速度分析のデータを提供する 。 ペプチドを、Fmoc/t-ブチル保護基を利用するマルチペプチド合成機(Multisyn Tech,Bochum,Germany)を使用して、固相法で作製した。Fmoc基を、ジメチル ホルムアミド中の40%(v/v)ピペリジンにより切断し、次のアミノ酸を、N-ヒド ロキシベンゾトリアゾールエステルとして添加した。ペプチドを脱保護し、そし て、93%トリフルオロ酢酸;3%エタンジチオール;2%アニソール;2%水を 使用して樹脂から切り離した。ペプチドを、Vydac C18カラム(10μM、100×250 mm)を使用したHPLCおよびアミノ酸分析(PICO TAG,Waters,Milford,MA)により 分析した。 実施例2:未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)による、カルモジュ リンとフルオレセイン標識ペプチドとの間の複合体の検出。 ウシ脳(1μM,Sigma)からのカルモジュリンとフルオレセイン標識sMLCK由来 ペプチド(表1に記載)との間の複合体を、ゲル緩衝液(25%ゲル混合物[4gス クロース+1mgブロモフェノールブルーを水に加えて10ml溶液にする]+75%TBS C[50mM TRIS pH7.4,100mMNaCl+50μM CaCl2])中で調製し、そして15%未変性P AGEゲル(30μl 25%過硫酸アンモニウムおよび9μl TEMEDで重合させた、5m l 30%アクリルアミド-ビスアクリルアミド溶液+4.5ml水+0.5ml 3M Tris,pH8. 8,+1μl 1M CaCl2)上で、14.4g/lグリシン+3g/l Tris塩基+0.1mM CaCl2を 泳動緩衝液として用いて泳動した。ペプチドをヨードアセトアミドフルオレセイ ン(Molecular Probes)またはヨードアセトアミド-LC-ビオチン(Pirce)のいず れかを使用して、本質的にNeriら(1995)によって以前に記載されたように標識し た。これらの条件において、正に荷電した標識ぺプチドの蛍光は、それらがカル モジュリンと安定な複合体を形成している場合にのみ検出され得る。 図1は、未変性PAGEゲル中ですべての合成ペプチドがカルモジュリンに結合す ることを示す。このことは、1つのアラニン置換はカルモジュリン結合に深刻で 有害な影響を全く与えないことを示唆している。レーンの番号はペプチド番号に 対応する。置換の位置は、ゲルのレーンとアミノ酸配列とを結ぶ線で示される。 関連のない標識ペプチドでは蛍光バンドは検出され得ない(データは示さず)。 ゲルを化学ルミネセンス分析機LUANA(Neriら,1996)を使用して画像化した。実施例3:カルモジュリン結合ペプチドの異性化、会合、および解離の速度の 測定。 下記の式による二相性速度論で、平滑筋MLCK由来ペプチドがカルモジュリンへ ここで、Pはペプチドであり、Cはカルモジュリンであり、P−CはPとCとの 会合により形成される第一の複合体であり、これは次いでP−Cへ構造異性化 を受ける。 本発明のsMLCK由来ペプチドへのカルモジュリンの結合のストップトフロー分 析は、二相性結合速度論を示す(データは示さず)。ウシ脳カルモジュリンへの 本発明のペプチドの結合の速度論および熱力学的特徴付けのために、本発明らは 速度論的な異性化、会合、および解離の定数(これらから解離定数が導き出され 得る)を測定した。このことは、カルモジュリンに対する親和性の増加を生じた これらの変異体の評価を可能にする。 kisom=k+2+k-2 [1] kon=k+1 [2] koff=k-1・k-2/(k+2+k-2) [3] kd=koff/kon [4] kisom定数は、ストップトフローにより測定されており、トリプトファン蛍光 における、3(トリプトファンがアラニンにより置換されている)を除くすべて のペプチドについての変化を検出する。これらの値を表1に示す。 析を、konおよびkoff定数を決定するために使用した。結合したカルモジュリ ンの100〜200の表面プラズモン共鳴単位の表面容量を達成するために、ビオチン 化されたペプチド1〜17を、ストレプトアビジンでコートされた市販のマイクロ センサーチップ(Pharmacia Biosensor)に結合した。種々の濃度のカルモジュリ ン(図2の順序で5、10、20、50および100nM)を注入し、ペプチドと結合させ た。5μl TBS+15mM EDTA(これはカルモジュリン-ペプチド複合体を解離する )の注入により、表面再生を達成した。図2はペプチド1および5のセンソグラ ムを示し、ここで2つのペプチド間のkonおよびkoffにおける違いが視覚的に 評価され得る。konおよびkoff定数を、製造者(Pharmacia Biosensor)の説明書 に従って、BIA評価ソフトウエアバージョン2.1を使用してセンソグラムから得た 。BIAcore測定の結果を表1に列挙する。 sMLCK由来ペプチド1〜17の速度会合定数(kon)は、6.5×105〜3.2×106994)の定数よりも100倍を超えて低い。野生型ペプチド1に対する、konにおけ る最大の増加は、R5(ペプチド2)、W6(ペプチド3)およびK20(ペプチド14 )のアラニンへの変異について観察された(4〜5倍の増加;表1)。従って、 2つの正に荷電したアミノ酸残基(R5およびK20)のアラニン変異は、増加したo n速度に関連する。 特定のアラニン変異は、koff値を、野生型ペプチド1に対して1000倍まで改 善した(表1)。最大の改善は、置換された親水性残基(N9、S14、S23)に観察 された。これらは、疎水性の環境のカルモジュリンコアにおいて安定でない。こ れらは、ペプチド6、10および17に対応する。実施例4:競合実験によるkoff定数の決定。 BIAcoreの結果の独立した実験的確認を得るために、カルモジュリンへのペプ チド1〜17のkoff定数を競合実験により決定した。ゲル緩衝液中の30nMフルオ レセイン標識ペプチド/カルモジュリン複合体を、30倍過剰の非標識ペプチドを 用いて室温で種々の時間で競合させた。得られた混合物を未変性PAGEゲルで泳動 し、そして上記のようにLUANAにより画像化した。得られた画像のバンドをLUANA ソフトウエアを用いて積算し(Neriら,1996)、そして対応する強度を時間に対し てプロットし、そして1つの指数関数に当てはめ、これからkoff定数を求めた 。ピペッティングエラーに対するバンドの強度を標準化するために、試料は6nM の遊離のフルオレセイン(これは前方で泳動する)を含んでいた。フルオレセイ ンのバンドを積算し、そしてカルモジュリン/蛍光ペプチド複合体バンド強度を 標準化するのに使用した。ペプチド1、2、3、6、9、および14の競合の結果 を、この図3に示す。分でのインキュベーション時間をレーンの下に示す。 off速度が極端に速いと、ぺプチド1、2、3および9は数分以内にカルモジ ュリンから解離する。ペプチ14は中間的なoff速度の代表であるが、一方、ペプ チド6は、1000分後、過剰の非標識ペプチドによりほとんど競合されない。バン ドの量を競合時間に対してプロットし、そして1つの指数関数に当てはめ、これ からkoff値を求めた。値を表1に示す。 最も迅速な競合(ペプチド1〜4、9および13)は、カルモジュリン/蛍光ペ プチド複合体がゲルの中に入る時間(モル過剰の非標識ペプチドをピペッティン グしてから約5〜10分;図3)までに終了し、これによりoff速度定数koff>1 ×10-3s-1の条件を求めた。これらの迅速なoff速度についてさえも、周知のゲル 「かご効果」1(FriedおよびCrothers,1981;GarnerおよびRevzin,1981)のた めに、複合体は未変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって検出され得る。 競合およびBIAcoreによって測定されたkoff値は、実質的に一致している(表 1)。2セットのデータ間の小さな違いは、競合実験が、TBS+50μM CaCl2より もむしろゲル混合緩衝液(図3)において行われたという事実によるかもしれな い。実施例5:さらなる変異の構築 試験された全ての他のペプチドを上まわる、ペプチド6によって示されたカル モジュリンへの増強された結合親和性のために、野生型ペプチドのアスパラギン 残基9のさらなる単一点変異を構築した。これらのペプチドの配列を、実施例3 および4に記載した方法に従って測定されたKD値とともに、表2に示す。疎水 性ドナー残基(バリン、フェニルアラニン、およびロイシン)を選択した。なぜ なら、これらの残基はカルモジュリンコアにおける疎水性環境の安定性に寄与し 得ると仮定されたからである。 設計されたペプチドはすべて、野生型sMLCKペプチドが有したのよりもカルモ ジュリンに対して大きな親和性を有したが、しかし、3つはいずれもペプチド6 よりも大きな親和性を示さなかった。 実施例6:複数の変異体の構築。 カルモジュリンへの親和性で最大の改善を示す変異ペプチドは、それぞれ、9 位、14位、および20位でのアラニン置換に対応するペプチド6、10、および14で あった。複数の変異体を、これらの3つの残基がアラニンに変化したように構築 した。配列は以下に示し、置換残基を太字で示す: CAAARWKKAFIAVAAANRFAKIA。 実施例3および4の方法を使用して、カルモジュリンについてのこのペプチド の解離定数は1×10-11M(kon=6.1×105;koff=5.9×10-6)であることが見出さ れた。従って、カルモジュリンについてのこのペプチドの親和性はペプチド6の 親和性に匹敵する。しかし、ペプチドにおける親水性残基のすべてを変異させて も相乗効果はまったく達成されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA G01N 33/566 G01N 33/53 33/68 33/566 C12N 15/00 ZNAA 33/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ウィンター,グレゴリー ポール イギリス国 シービー2 1ティーキュー ケンブリッジ,トリニティ カレッジ, ネビルス コート,ディー4

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.カルシウム依存性結合タンパク質に結合し得るリガンドであって、該カルシ ウム依存性結合タンパク質についての野生型リガンドのアミノ酸配列に相当する アミノ酸配列を含み、該カルシウム依存性結合タンパク質についての該リガンド の親和性の増強をもたらす改変を有する、リガンド。 2.前記カルシウム依存性結合タンパク質がカルモジュリンである、請求項1に 記載のリガンド。 3.前記改変が、前記野生型リガンド配列における1つ以上のアミノ酸の置換、 挿入、または欠失を含む、請求項2に記載のリガンド。 4.前記改変が、前記野生型リガンド配列における1つ以上のアミノ酸の置換を 含む、請求項3に記載のリガンド。 5.前記改変が、前記野生型リガンド配列における単一のアミノ酸の置換を含む 、請求項4に記載のリガンド。 6.前記改変が、前記野生型リガンド配列における1つ以上のアミノ酸のアラニ ンでの置換を含む、請求項4または5に記載のリガンド。 7.前記置換がバリンである、請求項4または5に記載のリガンド。 8.前記野生型リガンドがミオシン軽鎖キナーゼである、請求項1〜7のいずれ か1項に記載のリガンド。 9.前記改変が、ミオシン軽鎖キナーゼの配列における9位、14位、または2 0位での単一または複数のアミノ酸置換である、請求項8に記載のリガンド。 10.前記野生型リガンドがマスタポランである、請求項1〜7のいずれか1項 に記載のリガンド。 11.ii)別の部分、に化学的結合した、i)請求項1〜10のいずれか1項に記 載のリガンドを含む分子。 12.前記部分が化学的反応についての基質である、請求項11に記載の分子。 13.前記部分が、標識、毒素、抗体、または他の標的化分子である、請求項1 1に記載の分子。 14.カルシウム依存性結合タンパク質に結合し得るリガンドの結合親和性を増 強する方法であって、野生型カルシウム依存性結合タンパク質のアミノ酸配列を 改変する工程を包含する、方法。 15.カルシウム依存性結合タンパク質および請求項1〜13のいずれか1項に 記載のリガンドを含む結合対。 16.カルシウム依存性結合タンパク質と関連しての、請求項1〜13のいずれ か1項に記載のリガンドの、結合対としての使用。 17.治療における使用のための、請求項1〜13のいずれか1項に記載のリガ ンド。 18.イメージング、診断、または腫瘍の処置のための薬学的組成物の製造にお ける、請求項1〜13のいずれか1項に記載のリガンドの使用。
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