JP2002013078A - 樹脂複合耐熱チューブ - Google Patents

樹脂複合耐熱チューブ

Info

Publication number
JP2002013078A
JP2002013078A JP2000234980A JP2000234980A JP2002013078A JP 2002013078 A JP2002013078 A JP 2002013078A JP 2000234980 A JP2000234980 A JP 2000234980A JP 2000234980 A JP2000234980 A JP 2000234980A JP 2002013078 A JP2002013078 A JP 2002013078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
heat
resistant
nonwoven fabric
resin composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000234980A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimiaki Nobetani
公昭 延谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ambic Co Ltd
Original Assignee
Ambic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ambic Co Ltd filed Critical Ambic Co Ltd
Priority to JP2000234980A priority Critical patent/JP2002013078A/ja
Publication of JP2002013078A publication Critical patent/JP2002013078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】一般工業用不織布ロールにおいて、表面には継
ぎ目がなく均一で、且つ表面から内部まで樹脂が均等に
分布し、ロール芯材の外周に装着して、加圧、摩擦、吸
着、吸収、塗布など各種機能を発現せしめる、樹脂複合
耐熱チューブ被覆材を提供することにある。 【構成】ニードリングにより一体化した円筒形状耐熱性
不織布の構造体に、乳化剤を含有する水性シリコン樹脂
エマルジョンあるいは、遅効性凝固剤及び乳化剤を含有
する水性シリコン樹脂エマルジョンを付着させてなる、
内部まで均一な硬度、組成、特性を有して長期間の使用
に耐える、ロール芯材の外周に装着する、一般工業用不
織布ロール用樹脂複合耐熱チューブである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニードリングにより一
体化した円筒形状耐熱性不織布よりなる樹脂複合耐熱チ
ューブ及びその製造方法に関するものである。この種の
樹脂複合耐熱チューブは、ロール芯材の外周に装着し
て、加圧、摩擦、吸着、吸収、塗布など各種機能を発現
せしめる一般工業用耐熱ロール被覆材であリ、用途とし
ては、鉄鋼、非鉄金属、ガラスの製造工程、物流ロール
コンベアーにおいて搬送用ロールの耐熱性被覆材として
搬送物の傷防止クッション、ロールの滑り防止、騒音防
止に利用される。また、薄板鋼板等の表面処理工程にお
いてメッキ液、洗浄液等の薬液の拭取り及び防錆油等の
塗布、洗浄、印刷機において、インクの塗布及び拭取
り、現像機において薬液の塗布及び拭取り、複写機にお
いてトナーの拭取りオイルの塗布用のロール耐熱性被覆
材等にも使用される。
【0002】
【従来技術】従来から、一般にこの種の耐熱性ロール
は、被覆材に耐熱性ゴム若しくは耐熱性不織布が使用さ
れる。搬送用としてゴムを外周に装着した耐熱性ゴムロ
ールとしては、芯材の外周にPTFE(ポリテトラフル
オロエチレン)やシリコン等を、加硫により一体化した
ものがあるが、高価であり、異物がロール表面に付着し
た場合、搬送物にキズが付く欠点があった。一方、拭取
り及び塗布用の耐熱性ゴムロールとしては、芯材の外周
に、連続気孔を有す発泡シリコンゴムを、加硫により一
体化した多孔質のものがあるが、比較的空隙率が小さく
拭取り及び塗布性能が低く、耐久性が低いという欠点が
あった。
【0003】そのため、耐熱性の繊維で構成された耐熱
性不織布でロール芯材を被覆した耐熱性不織布ロールが
採用されてきた。図2に示すように、ロール芯材の外側
に、細巾の耐熱性不織布を螺旋状に巻き付け接着したも
のや、図3に示すように、ロール芯材の外側に、ロール
巾の耐熱性不織布を海苔巻き状に巻き付け接着したもの
や、図4に示すように、耐熱性不織布をドーナツ状に打
ち抜いた円板を多数枚ロール芯材に通すことにより積層
し、圧縮接着後研磨したものがある。細巾の不織布を螺
旋状に巻き付けたロールおよび、ロール巾の不織布を海
苔巻き状に巻き付けたロールにおいては、その巻き付け
に手間がかかり、巻き付けた不織布間に隙間、重なり、
接着剤層が生じてしまうことがあり、ロール表面の均一
性に欠けるものであった。又、長期使用すると接着剤が
劣化しロールから部分的に剥がれ不具合であった。ドー
ナツ状に打ち抜いた不織布の円板を多数枚ロール芯材に
通すことにより積層したロールにおいては、不織布のロ
スが大きくかつ、圧縮成形に手間がかかり価格の高いロ
ールとなってしまっていた。
【0004】不織布ロールとしては、実開昭61−19
8290号に、熱収縮性繊維からなる円筒形状不織布の
不織布ロールの記載があるが、ニードリングで一体化し
たのみの構造物なので耐久性が低いという欠点があっ
た。耐久性、耐熱性付与の方法として耐熱性樹脂により
繊維を固定する方法が考えられるが、ニードリングによ
り一体化した不織布に樹脂を含浸させて乾燥される公知
の方法においては、溶剤が不織布の表面から蒸発して乾
燥するため、乾燥が進むに従って不織布内部の樹脂が表
面近くに移行し、そこで乾燥して樹脂分を残すこととな
る。そのため、ロール被覆材として使用される樹脂複合
耐熱チューブの表面付近は多量の樹脂を含有している
が、内部は樹脂の含有量が少なくなる。不織布の厚さが
1mm未満と薄い場合にはそれほど問題はないが、厚く
なるに従って不織布の表面付近と内部とに差を生じ、表
面付近は硬度が高く内部は硬度が低く工業用ロールとし
て要求される加圧、摩擦、吸着、吸収、塗布等の性能が
ロールが摩耗することによって急速に変化し、性能が安
定せず長期間に亘って使用することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
耐熱性ロールは、継ぎ目があることで様々な欠点があ
り、且つ、樹脂含浸した不織布においてもロールの表面
付近と内部での均一性に欠けるものであり、十分な性能
を持った耐熱性ロールを製造することが困難であった。
本発明は、上記のような欠点を解消するためになされた
ものである。本発明は、ロール被覆材料として、ニード
リングにより一体化した円筒形状耐熱性不織布を用いる
事で、継ぎ目がなく、耐久性、耐熱性に優れ、且つ、不
織布内で表面及び内部に樹脂が均一に分散し、柔軟性の
ある樹脂複合耐熱チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ニードリングにより一体化した円筒形状
耐熱性不織布に、乳化剤を含有する構造式RSiO−
(RSiO)n−OSiRの平均重合度n=150
0以上10000未満の水性シリコン樹脂エマルジョン
あるいは、遅効性凝固剤及び乳化剤を含有する構造式R
SiO−(RSiO)n−OSiRの平均重合度
n=1500以上10000未満の水性シリコン樹脂エ
マルジョンを付着せしめることで、耐熱性に優れ、かつ
不織布内で樹脂が均一に分散し、柔軟性のある樹脂複合
耐熱チューブが得られることを見出すに至った。本発明
の樹脂複合耐熱チューブは、フイルターとしても有用で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂複合耐熱チ
ューブは、ニードリングにより一体化した円筒形状耐熱
性不織布の構造体に、乳化剤を含有する構造式RSi
O−(RSiO)n−OSiRの平均重合度n=1
500以上10000未満の水性シリコン樹脂エマルジ
ョンあるいは、遅効性凝固剤及び乳化剤を含有する構造
式RSiO−(RSiO)n−OSiRの平均重
合度n=1500以上10000未満の水性シリコン樹
脂エマルジョンを付着させてなり、厚さが0.5〜3
0.0mmで樹脂付着量が繊維に対して20〜200重
量%であり、且つ表面硬度が10〜70度であることを
特徴とする樹脂複合耐熱チューブ。
【0008】円筒形状耐熱不織布の見掛け密度は0.1
〜0.5g/cc程度が適当である。密度が0.1g/
cc未満では充分な強度が得られず耐久性に劣る。また
0.5g/ccを越えると組織が密になり相手材に適切
にフィットせず、工業用ロールとして要求される加圧、
摩擦、吸着、吸収、塗布等の性能が発揮できず、また相
手材に傷を付ける恐れがある。
【0009】水性シリコン樹脂エマルジョン構造式の珪
素原子に結合するRは同種もしくは異種の一価有機基で
あり、これには、アルキル基、アラルキル基、ハロゲン
置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、アルキルアミ
ノ置換アルキル基、アシル置換アルキル基、エポキシ基
含有アルキル基、メルカプト置換アルキル基が例示され
るが、これらに限定されるものではない。
【0010】本発明では、オルガノシロキサンを強酸あ
るいは強アルカリ触媒の存在下に、アニオン系、カチオ
ン系もしくは非イオン系乳化剤を用いて乳化重合して得
られた構造式RSiO−(RSiO)n−OSiR
の平均重合度n=1500以上10000未満の水性
シリコン樹脂エマルジョン、オルガノシロキサンをベン
ゼンスルホン酸あるいはアルキルベンゼンスルホン酸に
より水中に乳化させ加熱下で乳化重合して得られた構造
式RSiO−(RSiO)n−OSiRの平均重
合度n=1500以上10000未満のアニオン系水性
シリコン樹脂エマルジョンを用いる。
【0011】本発明に使用される触媒には強鉱酸例えば
塩化水素酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硫酸、硝酸、燐
酸及び強アルカリ触媒例えば可性ソーダ、水酸化カルシ
ウム、水酸化リチウムの等の金属水酸化物及び一般式R
NOHで表される第4級水酸化アンモニウム化合物が
ある。該アンモニウム化合物のR基にはアルキル基、ベ
ンジル基及びフェニルエチル基、ヒドロキシエチル基が
例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0012】本発明に使用される乳化剤は、カチオン、
アニオン、非イオン型の界面活性剤を使用する触媒によ
って選定する。例えば非イオン型の乳化剤と酸触媒の組
み合わせて用いる事は好ましくない。カチオン型の乳化
剤としては、脂肪酸アミン及び此等の誘導体例えば、ド
デシルアミン酢酸塩、オクタデシルアミン酢酸塩、鎖状
脂肪酸を有する芳香族アミンの同族体例えばドデシルナ
リンが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。非イオン型の乳化剤としては、サポニン、脂肪酸と
エチレンオキシッドの縮合物例えばテトラエチレンオキ
シッドのドデシルエーテルが例示されるが、これらに限
定されるものではない。
【0013】本発明に使用される水性シリコン樹脂エマ
ルジョンの平均重合度nは、おおむね1500以上10
000未満、好ましくは2000〜4000とするのが
適当である。平均重合度nが1500未満であると、厚
さが0.5〜30.0mmの不織布に水性シリコン樹脂
エマルジョンを付着させ乾燥する際、水の移動に伴なっ
て樹脂のマイグレーションが発生し、不織布内樹脂分布
が片面側に片寄る現象が発生する。また平均重合度nが
10000を越えると、水性シリコン樹脂エマルジョン
樹脂の粘度が高くなり、当該樹脂が不織布中に浸透せ
ず、均一な樹脂複合耐熱チューブが得られ難い。
【0014】一方、ニードリングにより一体化した円筒
形状耐熱性不織布の構造体の厚さが2mm以上の場合
は、水性シリコン樹脂エマルジョンの平均重合度nが、
1500以上10000未満であっても、不織布に水性
シリコン樹脂エマルジョンを付着させ乾燥する際、水の
移動に伴なって樹脂のマイグレーションが発生し、不織
布内樹脂分布が片面側に片寄る現象が発生することがあ
る。この際は、各々の目的に応じて選択使用され、必要
に応じてメチロールメラミン、エポキシなどの架橋剤、
水分散顔料などの着色剤、界面活性剤などの浸透浸水
剤、炭酸カルシウムなどの充填剤、老化防止剤など、通
常の樹脂に使用される各種の添加剤を添加した水性シリ
コン樹脂エマルジョンに、遅効性の凝固剤が添加され
る。
【0015】本発明に使用される遅効性の凝固剤として
は、例えば炭酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、ケ
イフッ化ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウ
ム、塩化マグネシウム、又は、塩化カルシウムなどの塩
類を単独又は混合使用するのが適当である。凝固剤の添
加量は、水性シリコン樹脂エマルジョンの種類、気温、
液温などによっても異なるが、樹脂固形分に対しておお
むね0.1〜5.0重量%とするのが適当である。この
凝固剤の作用により、樹脂が数時間程度で凝固するよう
調整するのが好ましい。厚さ2mm以上の樹脂複合耐熱
チューブを製造する際、遅効性の凝固剤を用いるのが好
ましい。
【0016】樹脂の固形分濃度は、5〜50重量%とす
るのが適当である。固形分濃度が5重量%未満である
と、凝固速度が遅くなり、不織布に対する樹脂の付着量
が少なくなり、樹脂複合耐熱チューブの耐久性がなくな
る。また固形分濃度が50重量%を越えると、エマルジ
ョンが凝固剤に対して敏感になり、不用意に凝固し易く
なる。また不織布に含浸する際にも樹脂の粘度が高くな
り、当該樹脂が充分に不織布内部に浸透せず、均一な樹
脂複合耐熱チューブが得られ難い。
【0017】樹脂複合耐熱チューブに対する樹脂の付着
量は、使用形態に応じて適切な量とすべきであるが、繊
維に対しておおむね20〜200重量%、好ましくは5
0〜150重量%である。樹脂の付着量は前記20%未
満では、不織布の個々の繊維を十分に固着することがで
きず、樹脂複合耐熱チューブを使用する際、繊維が脱落
し易く耐久性に乏しい。また200%を越えると、樹脂
複合耐熱チューブは組織が密になり、多孔質性、柔軟性
が損なわれ、ろ過、シール、断熱、吸着、吸収、塗布、
加圧、摩擦、など各種機能を発揮できなくなる。
【0018】各々の目的に応じて各種の添加剤を添加し
た水性シリコン樹脂エマルジョン樹脂を不織布に含浸し
た後、これを100〜200℃に加熱して水分を蒸発さ
せ乾燥硬化させる。または、各々の目的に応じて各種の
添加剤及び遅効性凝固剤添加した水性シリコン樹脂エマ
ルジョンを不織布に含浸させた後、そのまま室温で数時
間放置し、樹脂を凝固させる。このとき40〜90℃程
度に加温して、樹脂の凝固を促進することも好ましいこ
とである。樹脂が十分凝固したならば、これを100〜
200℃に加熱して水分を蒸発させ乾燥硬化させる。又
は、遅効性凝固剤を洗浄後、これを100〜200℃に
加熱して水分を蒸発させ乾燥硬化させる。そしてこれを
所定の寸法に裁断しロール芯材に装着接着し表面研磨し
て仕上げる。本発明の樹脂複合チューブを被覆した不織
布ロールを図1に示した。このようにして得られた、樹
脂複合耐熱チューブの硬度はJISK6301のスプリ
ングC型硬度計において10〜70度が適当である。硬
度が10度未満では、ろ過、シール、断熱、吸着、吸
収、塗布、加圧、摩擦、など一般工業用資材としての各
種機能が発揮できず耐久性に乏しい。硬度が70度を越
える場合は、ろ過、シール、断熱、吸着、吸収、塗布、
加圧、摩擦、など一般工業用資材としての性能各種機能
が発揮できずまたロール被覆としっては、相手材に傷を
付ける恐れがある。
【0019】
【作用】本発明においては、樹脂としてエマルジョン系
のものを使用するので、粘度が低く円筒状耐熱性不織布
内部に十分に浸透する。そして、樹脂は円筒状耐熱性不
織布の内部にまで浸透した状態で、水分を蒸発させ乾燥
硬化あるいは、そのまま放置することにより遅効性凝固
剤の作用で凝固させてから水分を蒸発させ乾燥硬化す
る。凝固に際しては、円筒状耐熱性不織布の表面から水
分を蒸発させることがないので、樹脂分が内部から表面
近くに移行して付着量のむらが生じるようなことがな
い。また外部から何らかの作用を受けることもないの
で、表面近くと内部とで凝固状態が異なったり樹脂の固
まりや空洞が生じたりすることがない。
【0020】以下に、本発明の実施例を記載するが、以
下の実施例に限定されるものではない。
【0021】
【実施例】(実施例1)ポリメタフェニレンイソフタル
アミド繊維(繊度2D、カット長50〜76mm)より
なる400g/mのウエブに円筒形のベッドプレート
を有する特殊ニードル機によりニードルパンチを施して
密度0.2g/cc、厚さ2mm、内径40mm、外径
42mm、長さ500mmの円筒状耐熱性不織布を作成
した。樹脂固形分濃度40%の水性シリコン樹脂エマル
ジョン(ジメチルシロキサン及びポリエチレングリコー
ルトリメチルノニルエーテルより成る混合物に、塩酸を
加えて乳化重合させて得られた、前述の構造式の平均重
合度n=2500のエマルジョン。)100重量部に、
水100重量部を添加して樹脂を調整した。前記円筒状
耐熱性不織布に樹脂液を含浸させ固形分で100%重量
比となるよう調整した。そして140℃で4時間乾燥し
て、密度0.4g/ccの樹脂複合耐熱チューブとし
た。
【0022】(比較例1)先の実施例1で述べたと同じ
円筒状耐熱性不織布に、樹脂固形分濃度40%の水性シ
リコン樹脂エマルジョン(ジメチルシロキサン及びポリ
エチレングリコールトリメチルノニルエーテルより成る
混合物に、塩酸を加えて乳化重合させて得られた、前述
の構造式の平均重合度n=1000のエマルジョン。)
100重量部に、水100重量部を添加して樹脂を調整
した。前記円筒状耐熱性不織布に樹脂液を含浸させ固形
分で100%重量比となるよう調整した。そして140
℃で4時間乾燥して、密度0.4g/ccの樹脂複合耐
熱チューブとした。
【0023】(実施例2)ポリメタフェニレンイソフタ
ルアミド繊維(繊度2D、カット長50〜76mm)よ
りなる2000g/mのウエブに円筒形のベッドプレ
ートを有する特殊ニードル機によりニードルパンチを施
して密度0.2g/cc、厚さ10mm、内径40m
m、外径60mm、長さ500mmの円筒状耐熱性不織
布を作成した。樹脂固形分濃度40%の水性シリコン樹
脂エマルジョン(ジメチルシロキサン及びポリエチレン
グリコールトリメチルノニルエーテルより成る混合物
に、塩酸を加えて乳化重合させて得られた、前述の構造
式の平均重合度n=2500のエマルジョン。)100
重量部に、水100重量部、炭酸水素ナトリウム0.5
重量部を添加して樹脂を調整した。前記円筒状耐熱性不
織布に樹脂液を含浸させ固形分で100%重量比となる
よう調整した。然る後、これを空気中に室温で4時間放
置し、樹脂を凝固させた。そして140℃で4時間乾燥
して、密度0.4g/ccの樹脂複合耐熱チューブとし
た。
【0024】(比較例2)先の実施例2述べたと同じ円
筒状耐熱性不織布に、樹脂固形分濃度40%の水性シリ
コン樹脂エマルジョン(ジメチルシロキサン及びポリエ
チレングリコールトリメチルノニルエーテルより成る混
合物に、塩酸を加えて乳化重合させて得られた、前述の
構造式の平均重合度n=2500のエマルジョン。)1
00重量部に、水100重量部を添加して樹脂を調整し
た。前記円筒状耐熱性不織布に樹脂液を含浸させ固形分
で100%重量比となるよう調整した。そして140℃
で4時間乾燥して、密度0.4g/ccの樹脂複合耐熱
チューブとした。
【0025】(比較例3)ポリメタフェニレンイソフタ
ルアミド繊維(繊度2D、カット長50〜76mm)よ
りなる2000g/mのウエブに、ニードルパンチを
施して密度0.2g/cc、厚さ10mm、幅250m
m、長さ3500mm、シート状耐熱性不織布を作成し
た。樹脂固形分濃度40%の水性シリコン樹脂エマルジ
ョン(ジメチルシロキサン及びポリエチレングリコール
トリメチルノニルエーテルより成る混合物に、塩酸を加
えて乳化重合させて得られた、前述の構造式の平均重合
度n=2500のエマルジョン。)100重量部に、水
100重量部、炭酸水素ナトリウム0.5重量部を添加
して樹脂を調整した。前記シート状耐熱性不織布に樹脂
液を含浸させ固形分で100%重量比となるよう調整し
た。然る後、これを空気中に室温で4時間放置し、樹脂
を凝固させた。そして140℃で4時間乾燥して、密度
0.4g/ccのシート状樹脂複合耐熱不織布とした。
次いで、幅20mm、長さ3400mmに裁断し、直径
40mm、長さ500mmのステンレス製ロール芯材
に、図2に示した様に螺旋状に巻き付けて、エポキシ接
着剤(コニシ株式会社製Eセット)で接着した。細幅シ
ート状樹脂複合耐熱不織布を螺旋状に巻き付け接着した
ロール表面は、隣り合った不織布間に、1mm〜3mm
の隙間が空いていた。
【0026】次いで、前記実施例1、2及び比較例1,
2の樹脂複合耐熱チューブの評価を、それぞれ下記に従
って行った。評価結果を表1、表2にそれぞれ示す。
【0027】〔樹脂複合耐熱チューブの評価方法〕 (1)表面付近と内部との硬度バラツキ 図5に示すように、各例の樹脂複合耐熱チューブを10
cm幅に裁断しその切り口を実施例1及び比較例1では
厚み方向にほぼ2分割し、実施例2及び比較例2では厚
み方向にほぼ4分割し、分割した切り口の各部分につい
てそれぞれ円周方向に4カ所において硬度を測定した。
硬度計はJISK6301のスプリング硬度計を使用し
た。各部の硬度を表1に示す。なお表1において実施例
1及び比較例1では、表面側、B、内部の位置は、樹脂
複合耐熱チューブの厚みを2等分した表面側から内側の
3つの部分を表す。実施例2及び比較例2では、表面
側、A、B、C、内部の位置は、樹脂複合耐熱チューブ
の厚みを4等分した表面側から内側の5つの部分を表
す。また硬度のバラツキは、実施例1及び比較例1で
は、各例について12のデーター、実施例2及び比較例
2では、各例について20のデーターの最大値と最小値
との差を平均で割って100を掛けた数値である。 (2)耐熱性試験 250mm×250mmの試験片について、180℃、
250時間の熱処理を行い面積収縮率、破断強力の低下
率を測定した。 面積収縮率=熱処理後の面積/熱処理前の面積×100 破断強力の保持率=熱処理後破断強力/熱処理前破断強
力×100 (3)マイグレーション評価 試験片の断面を目視で観察し、評価した。 ○…マイグレーションがない。 ×…マイグレーションがある。
【0028】
【0029】
【0030】本発明の実施例1,2においては、硬度の
バラツキが9.5%、9.4%であって、表面側から内
側まで硬度が均一であることがわかる。このバラツキの
数値が10%以内であれば、硬度がほぼ均一で、表面が
減摩して内部が露出しても工業用ロールとして要求され
る加圧、摩擦、吸着、吸収、塗布等の性能が低下するこ
となく発揮できる。仮に、部分摩耗した場合は再研磨す
ることで長期間に亘って使用できる。これに対し比較例
1,2においては、硬度のバラツキが大きい。特に比較
例2のものは厚みが10mmと厚いので、樹脂が表面付
近に集中して硬度が高く中央付近Bは樹脂が移行して少
なくなっており硬度が低くなっている。従って樹脂複合
チューブの表面付近が摩耗したならば、表面状態が大幅
に変化し工業用ロールとして要求される加圧、摩擦、吸
着、吸収、塗布等の性能が低下し使用に耐えないものと
なる。また、比較例1においても厚みが2mmと比較例
2より薄く硬度バラツキが若干小さいが、樹脂が表面付
近に集中して硬度が高く中央付近Bは樹脂が移行して少
なくなっており、硬度が低くなっている。従って、比較
例2と同様に使用に耐えないものとなっている。実施例
1,2と比較例1,2を比較すると本発明がいかに優れ
ているか理解できる。
【0031】また、ニードリングにより一体化した円筒
形状耐熱性不織布の構造体から作成した実施例2と細幅
シート状樹脂複合耐熱不織布を螺旋状に巻き付け接着し
た比較例3のロール表面を比較すると円筒形状耐熱性不
織布の構造体から作成した実施例2は、継ぎ目がなく表
面が均一であるが、細幅シート状樹脂複合耐熱不織布を
螺旋状に巻き付け接着した比較例3は、隣り合った不織
布間に、1mm〜3mmの隙間が空いており不均一な表
面となっている。従って、比較例2と同様に使用に耐え
ないものとなっている。実施例2と比較例3を比較する
と本発明がいかに優れているか理解できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、図1に示すように、樹
脂複合チューブの表面には継ぎ目がなく均一で、且つ円
筒状不織布の表面から内部まで樹脂が均等に分布し、先
の従来例、比較例におけるように樹脂が不織布の表面に
のみ分布したり、内部に樹脂の塊や空洞を生じたりする
ことがない。そして樹脂複合チューブの表面側も内部も
樹脂の付着量が均等であって、当該硬度の厚さ方向のバ
ラツキが10%未満である特徴を有す。仮に、表面が減
摩して内部が露出しても工業用ロールとして要求される
加圧、摩擦、吸着、吸収、塗布等の性能が低下すること
なく発揮でき長期間に亘って使用できる。また、従来の
ものに較べて充分に厚いものにすることも可能であり、
部分摩耗した場合は再研磨することによっても長期間に
亘って使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明樹脂複合耐熱チューブ装着の不織布ロー
ル正面図及び側面図
【図2】螺旋状に巻き付けた不織布ロール正面図及び側
面図
【図3】海苔巻き状に巻き付けた不織布ロールの正面図
及び側面図
【図4】ドーナツ状円板を多数積層した不織布ロールの
正面図及び側面図
【図5】樹脂複合耐熱チューブの四分割した切口の断面
【符号の説明】
1.ロール芯材 2.樹脂複合耐熱チューブ 3.継ぎ目部分 4.ドーナツ状円板 5.表面側 6.A 7.B 8.C 9.内側

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニードリングにより一体化した円筒形状耐
    熱性不織布の構造体に、乳化剤を含有する構造式R
    iO−(RSiO)n−OSiRの平均重合度n=
    1500以上10000未満の水性シリコン樹脂エマル
    ジョンを付着させてなり、樹脂付着量が繊維に対して2
    0〜200重量%であることを特徴とする樹脂複合耐熱
    チューブ。
  2. 【請求項2】ニードリングにより一体化した円筒形状耐
    熱性不織布の構造体に、遅効性凝固剤及び乳化剤を含有
    する構造式RSiO−(RSiO)n−OSiR
    の平均重合度n=1500以上10000未満の水性シ
    リコン樹脂エマルジョンを付着させてなり、厚さが0.
    5〜30.0mmで樹脂付着量が繊維に対して20〜2
    00重量%であり、且つ表面硬度が10〜70度であっ
    て、当該硬度の厚さ方向のバラツキが10%未満である
    ことを特徴とする特許登録請求項1に記載する樹脂複合
    耐熱チューブ。
  3. 【請求項3】耐熱性不織布が、耐熱性繊維ポリパラフェ
    ニレンテレフタルアミド(PPTA)、ポリメタフェニ
    レンイソフタルアミド(PMIA)、ポリベンゾイミダ
    ゾール(PBI)、ポリメタフェニレンスルフィド(P
    PS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の単
    体又は複数で構成されることを特徴とする特許登録請求
    項1に記載する樹脂複合耐熱チューブ。
  4. 【請求項4】遅効性凝固剤が、硫酸アンモニウム、ケイ
    フッ化ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウ
    ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、メチルアルコ
    ール、又は、エチルアルコールなどのアルコール類の単
    体又は複数で構成され凝固剤の添加量が樹脂固形分に対
    して0.1〜5.0重量%であることを特徴とする特許
    登録請求項2に記載する樹脂複合耐熱チューブ。
JP2000234980A 2000-06-27 2000-06-27 樹脂複合耐熱チューブ Pending JP2002013078A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000234980A JP2002013078A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 樹脂複合耐熱チューブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000234980A JP2002013078A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 樹脂複合耐熱チューブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002013078A true JP2002013078A (ja) 2002-01-18

Family

ID=18727267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000234980A Pending JP2002013078A (ja) 2000-06-27 2000-06-27 樹脂複合耐熱チューブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002013078A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084338A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 水性塗料
CN111468488A (zh) * 2020-04-15 2020-07-31 刘金红 一种无纺布熔喷成型方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009084338A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 水性塗料
CN111468488A (zh) * 2020-04-15 2020-07-31 刘金红 一种无纺布熔喷成型方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970706771A (ko) 시이트형상 발열체 및 그 제조방법(sheet type heating element and method of manufacturing the same)
JP6251392B2 (ja) 難燃性シート材料
JP3135291B2 (ja) エラストマー含浸不織材料
KR20110076895A (ko) 흡음 재료, 복층 흡음 재료, 복층 흡음 재료 성형물, 흡음성 내장 재료 및 흡음성 바닥 깔개 재료
FI91892B (fi) Erotusainesrata suodatustarkoituksiin tai paperikoneen kudonnaisvarusteeksi sekä menetelmä sen valmistamiseksi
EP1691977A2 (en) Improved process for the manufacture of interpenetrating polymer network sheeting and useful articles thereof
JP2011506643A (ja) 空気透過性構造を持つシリコーンフォームの製造方法
EP2805760A1 (en) Nonwoven fabric for semipermeable membrane support
JP2002013078A (ja) 樹脂複合耐熱チューブ
JPH0635712B2 (ja) 透湿性、柔軟性および機械的強度に優れた人工皮革およびその製造方法
JP3366643B2 (ja) フィブリル化された表面
WO2010092887A1 (ja) 製紙用プレスフェルト及びその製造方法
JP2002013055A (ja) 樹脂複合耐熱性不織布
JP3111895U (ja) トナー掻き取り材
JP2606743B2 (ja) クリーニングシート
JP3874927B2 (ja) 樹脂複合チューブ及び製造方法
JP2015066681A (ja) 建築部材用複合シート及び建築部材
JPH0363683A (ja) クリーニングシート
JP2010077566A (ja) 樹脂複合高弾性チューブ
JP2010070862A (ja) 樹脂複合導電チューブ
JP2016114745A (ja) 定着部用クリーニングシート、定着部用クリーニング材、及び定着部用クリーニング装置
JP2011013629A (ja) 摺動部材およびその製造方法
JP3411121B2 (ja) 定着ロール用クリーニングシート、クリーニング材、及びクリーニング装置
JP5755696B2 (ja) 製紙用プレスフェルト及びその製造方法
JPS6127294A (ja) 圧縮性オフセツト・ブランケツトの製造方法