JP2002012745A - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および成形品

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JP2002012745A JP2000194519A JP2000194519A JP2002012745A JP 2002012745 A JP2002012745 A JP 2002012745A JP 2000194519 A JP2000194519 A JP 2000194519A JP 2000194519 A JP2000194519 A JP 2000194519A JP 2002012745 A JP2002012745 A JP 2002012745A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、耐熱性を保持しながら、成形性、
すなわち溶融流動性が改善され、しかも難燃性に優れた
ポリカーボネート樹脂成形品を成形可能なポリカーボネ
ート樹脂組成物およびこの組成物を用いた成形品の提
供。 【解決手段】 (A)脂肪族セグメントを有するコポリ
エステルカーボネートを含むポリカーボネート系樹脂1
00質量部に対して、(B)官能基含有シリコーン化合
物0.1〜10質量部および(C)コア/シエルタイプ
グラフトゴム状弾性体0.2〜10質量部を含有してな
るポリカーボネート樹脂組成物。さらに、前記樹脂10
0質量部に対して、(D)ポリフルオロオレフィン樹脂
を、0.02〜5質量部含有してなるポリカーボネート
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリカーボネート樹
脂組成物に関し、詳しくは、耐衝撃性を低下させること
なく成形性、すなわち溶融流動性にすぐれ、ハロゲン
系、リン系難燃剤を用いることなく難燃化も可能なポリ
カーボネート樹脂組成物および成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、すぐれた耐衝
撃特性、耐熱性、電気的特性などにより、OA(オフィ
スオートメーション)機器、情報・通信機器、家庭電化
機器などの電気・電子機器、自動車分野、建築分野など
様々な分野において幅広く利用されている。ポリカーボ
ネート樹脂は、一般的に自己消火性樹脂ではあるが、O
A機器、情報・通信機器、家庭電化機器などの電気・電
子機器分野を中心として、高度の難燃性を要求される分
野があり、各種難燃剤の添加により、その改善が図られ
ている。
【0003】ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上する
方法として、ハロゲン化ビスフェノールA、ハロゲン化
ポリカーボネートオリゴマーなどのハロゲン系難燃剤が
難燃剤効率の点から酸化アンチモンなどの難燃助剤とと
もに用いられてきた。しかし、近時安全性、廃棄・焼却
時の環境への影響の観点から、ハロゲンを含まない難燃
剤による難燃化方法が市場より求められている。ノンハ
ロゲン系難燃剤として、有機リン系難燃剤、特に有機リ
ン酸エステル化合物を配合したポリカーボネート樹脂組
成物は優れた難燃性を示すとともに、可塑剤としての作
用もあり、多くの方法が提案されている。
【0004】ポリカーボネート樹脂をリン酸エステル化
合物で難燃化するためには、リン酸エステル化合物を比
較的多量に配合する必要がある。また、ポリカーボネー
ト樹脂は成形温度が高く、溶融粘度も高いために、成形
品の薄肉化、大型化に対応するために、ますます成形温
度が高くなる傾向にある。このため、リン酸エステル化
合物は一般的に難燃性には寄与するものの、成形加工時
の金型腐食、ガスの発生など、成形環境や成形品外観上
必ずしも十分でない場合がある。また、成形品が加熱下
に置かれたり、高温高湿度下に置かれた場合の、衝撃強
度の低下、変色の発生などの問題点が指摘されている。
さらに、近時の省資源化におけるリサイクル適性が熱安
定性が不十分であることから困難であるなどの問題点を
残している。
【0005】これに対して、ポリカーボネート樹脂にシ
リコーン化合物を配合することによって、燃焼時に有害
なガスを発生することなく難燃性を付与することも知ら
れている。たとえば、(1)特開平10−139964
号公報には特定の構造や特定分子量を有するシリコーン
樹脂からなる難燃剤が開示されている。
【0006】また、(2)特開昭51−45160号公
報、特開平1−318069号公報、特開平6−306
265号公報、特開平8−12868号公報、特開平8
−295796号公報、特公平3−48947号公報な
どにおいてもシリコーン類を用いる難燃性ポリカーボネ
ート樹脂が開示されている。しかしながら、前者の
(1)記載のものでは、難燃性のレベルはある程度すぐ
れたものであるが耐衝撃性が十分でない場合がある。後
者の(2)記載のものは、シリコーン類は難燃剤として
の単独使用ではなく、耐ドロッピング性の改良を目的と
しての、例示化合物としての使用であつたり、他の難燃
性添加剤としての、リン酸エステル化合物、周期律表第
2族金属塩などとの併用を必須とするものである点にお
いて、前者とは異なるものである。また、難燃剤含有に
よる成形性、物性の低下と言う別の問題点がある。
【0007】さらに、ポリカーボネート樹脂として、ポ
リカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体含有
樹脂を用い、フィブリル形成能を有するポリテトラフル
オロエチレンからなるポリカーボネート樹脂組成物から
なる難燃性樹脂組成物も知られている(特開平8−81
620号公報)。この組成物はポリオルガノシロキサン
の含有率が少量である特定範囲においてすぐれた難燃性
を示す組成物である。しかしながら、難燃特性はすぐれ
たものであるが、ポリカーボネート樹脂の特長である耐
衝撃性が低下する場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状の
下、ポリカーボネート樹脂の有する特長である耐衝撃性
を保持しながら、成形性、すなわち溶融流動性が改善さ
れ、しかもハロゲン系、リン系難燃剤を用いることなく
難燃性に優れたポリカーボネート樹脂成形品を得ること
ができるポリカーボネート樹脂組成物およびこの組成物
を用いた成形品の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリカー
ボネート樹脂のシリコーン化合物による難燃化におい
て、耐衝撃性、耐熱性、リサイクル性と共に、成形性な
どの改良について鋭意検討した。その結果、ポリカーボ
ネート樹脂組成物において、特定の少量のシリコーン化
合物と特定のゴム状弾性体を選択使用するとともに、特
定のポリカーボネート樹脂を選択することにより、耐衝
撃性を低下させることなく成形性、難燃性性が著しく向
上することを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明は、 (1) (A)脂肪族セグメントを有するコポリエステ
ルカーボネートを含むポリカーボネート系樹脂100質
量部に対して、(B)官能基含有シリコーン化合物0.
1〜10質量部および(C)コア/シエルタイプグラフ
トゴム状弾性体0.2〜10質量部を含有してなるポリ
カーボネート樹脂組成物。 (2) (A)ポリカーボネート系樹脂が、少なくとも
ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体を
含みポリカーボネート系樹脂中のポリオルガノシロキサ
ン含有量が0.1〜10質量%である(1)記載のポリ
カーボネート樹脂組成物。 (3) さらに、(A)ポリカーボネート系樹脂100
質量部に対して、(D)ポリフルオロオレフィン樹脂
を、0.02〜5質量部含有してなる(1)または
(2)に記載のポリカーボネート樹脂組成物。 (4) (1)〜(3)のいずれかに記載のポリカーボ
ネート樹脂組成物からなる成形品。 (5) (1)〜(3)のいずれかに記載のポリカーボ
ネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハウジング
または部品を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する(A)
脂肪族セグメントを有するコポリエステルカーボネート
共重合体(以下、PC−PMDC共重合体と略記するこ
とがある。)は、たとえば、芳香族ポリカーボネート部
と、二価フェノールとポリメチレンジカルボン酸から誘
導されるポリエステル部からなる共重合体であれば特に
制限はないが、好ましくは、下記構造式(1)で表され
る構造単位からなる芳香族ポリカーボネート部と下記構
造式(2)で表される構造単位からなるポリエステル部
を分子内に有する共重合体を挙げることができる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】ここで、式中、R1 及びR2 は炭素数1〜
6のアルキル基又はフェニル基を示し、同一でも異なっ
ていてもよい。Zは単結合、炭素数1〜20のアルキレ
ン基又は炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数5〜
20のシクロアルキレン基又は炭素数5〜20のシクロ
アルキリデン基、あるいは−SO2 −、−SO−、−S
−、−O−、−CO−結合を示す。好ましくは、イソプ
ロピリデン基である。
【0015】a及びbは0〜4の整数で好ましくは0で
ある。mは5〜20の整数を示し、好ましくは8〜12
である。この(A)成分を構成するPC−PMDC共重
合体の粘度平均分子量は10,000〜40,000が
好ましく、さらに好ましくは12,000〜30,00
0である。なお、測定方法は後記に同じである。
【0016】このPC−PMDC共重合体は、例えば、
予め製造された芳香族ポリカーボネート部を構成するポ
リカーボネートオリゴマー(以下PCオリゴマーと略称
する場合がある。)と、ポリメチレンジカルボン酸と
を、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等の
溶媒に溶解させ、二価フェノールの苛性アルカリ水溶液
を加え、触媒として、第三級アミン(トリエチルアミン
等)や第四級アンモニウム塩(トリメチルベンジルアン
モニウムクロライド等)を用い、末端停止剤の存在下界
面重縮合反応することにより製造することができる。
【0017】このPCオリゴマーは、通常のポリカーボ
ネート樹脂製造の場合と同様の方法で製造される。例え
ば塩化メチレンなどの溶媒中で、二価フェノールとホス
ゲンまたは炭酸エステル化合物などのカーボネート前駆
体とを反応させることによって容易に製造することがで
きる。
【0018】すなわち、例えば、塩化メチレンなどの溶
媒中において、二価フェノールとホスゲンのようなカー
ボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノー
ルとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆
体とのエステル交換反応などによって製造される。
【0019】二価フェノールとしては、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル;1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカ
ン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド;ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどを
挙げることができる。なかでも、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好
ましい。これらの二価フェノールはそれぞれ単独で用い
てもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】また、炭酸エステル化合物としては、ジフ
ェニルカーボネート等のジアリールカーボネートやジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキ
ルカーボネートを挙げることができる。
【0021】本発明において、PC−PMDC共重合体
の製造に供されるPCオリゴマーは、前記の二価フェノ
ール一種を用いたホモポリマーであってもよく、また二
種以上を用いたコポリマーであってもよい。さらに、多
官能性芳香族化合物を上記二価フェノールと併用して得
られる熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであって
もよい。その場合、分岐剤(多官能性芳香族化合物)と
して、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1−
[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]−4−[α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシルフ
ェニル)エチル]ベンゼン、フロログルシン、トリメリ
ット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを使用す
ることができる。
【0022】また、分子量の調節のためには、フェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェ
ノール、p−クミルフェノール、p−デシルフェノー
ル、p−ドデシルフェノール、p−ペンタデシルフエノ
ールなどが用いられる。
【0023】上記のポリメチレンジカルボン酸として
は、炭素数5〜20のポリメチレン基を有すジカルボン
酸が使用され、好ましくは炭素数8〜12である。
(A)成分中の脂肪族セグメントを有するコポリエステ
ルカーボネートは、上記によって製造することができる
が、一般に芳香族ポリカーボネート樹脂が副生し、混合
物として製造され、全体の粘度平均分子量は10,00
0〜40,000が好ましく、さらに好ましくは12,
000〜30,000である。また、ポリメチレンジカ
ルボン酸の量は二価フェノールに対して1〜25モル%
である。
【0024】次に、上記(A)成分は、ビスフェノール
−Aポリカーボネートなどと脂肪族セグメントを有する
コポリエステルカーボネートとの混合物に対して、他の
ポリカーボネート系樹脂が配合されたものでもよい。そ
の場合、新たに配合するポリカーボネート系樹脂の粘度
平均分子量は10,000〜40,000のものが好ま
しく、さらに好ましくは12,000〜30,000で
ある。
【0025】他のポリカーボネート系樹脂(PC)とし
ては、特に制限はなく、種々のものが挙げられる。通
常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応によ
り製造される芳香族ポリカーボネートを用いることがで
きる。すなわち、二価フェノールとカーボネート前駆体
とを溶液法あるいは溶融法、すなわち、二価フェノール
とホスゲンの反応、二価フェノールとジフェニルカーボ
ネートなどとのエステル交換法により反応させて製造さ
れたものを使用することができる。
【0026】二価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。この他、二価フェノール
としては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等
が挙げられる。これらの二価フェノールは、それぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0027】特に好ましい二価フェノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAを主原料としたものである。また、カーボネート
前駆体としては、カルボニルハライド、カルボニルエス
テル、またはハロホルメートなどであり、具体的にはホ
スゲン、二価フェノールのジハロホーメート、ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネートなどである。
【0028】なお、芳香族ポリカーボネート系樹脂は、
分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
α,α’,α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシ
ン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)
などがある。また、分子量の調節のためには、フェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェ
ノール、p−クミルフェノール、p−デシルフェノー
ル、p−ドデシルフェノール、p−ペンタデシルフエノ
ールなどが用いられる。
【0029】また、本発明に用いられるポリカーボネー
ト系樹脂としては、テレフタル酸などの2官能性芳香族
カルボン酸またはそのエステル形成誘導体などのエステ
ル前駆体の存在下でポリカーボネートの重合を行うこと
によって得られる芳香族ポリエステル−ポリカーボネー
ト樹脂などの共重合体、あるいは、種々のポリカーボネ
ート樹脂の混合物であってもよい。
【0030】さらに、芳香族ポリカーボネート系共重合
体としては、特にポリカーボネート−ポリオルガノシロ
キサン共重合体(以下PC−PDMS共重合体と略記す
ることがある。)を例示することができる。PC−PD
MS共重合体は、ポリカーボネート部とポリオルガノシ
ロキサン部からなるものであり、たとえば、ポリカーボ
ネートオリゴマーとポリオルガノシロキサン部を構成す
る末端に反応性基を有するポリオルガノシロキサン(ポ
リジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリ
メチルフェニルシロキサンなど)とを、塩化メチレンな
どの溶媒に溶解させ、ビスフェノールAの水酸化ナトリ
ウム水溶液を加え、トリエチルアミンなどの触媒を用
い、界面重縮合反応することにより製造することができ
る。このPC−PDMS共重合体については、特開平3
−292359号公報、特開平4−202465号公
報、特開平8−81620号公報、特開平8−3021
78号公報、特開平10−7897号公報などに開示さ
れている。
【0031】PC−PDMS共重合体のポリカーボネー
ト部の重合度は、3〜100、ポリジメチルシロキサン
部の重合度は2〜500程度のものが好ましく用いられ
る。また、PC−PDMS共重合体中のポリジメチルシ
ロキサンの含有量としては、通常0.5〜30質量%、
好ましくは1〜20質量%の範囲である。本発明に用い
られるポリカーボネート系樹脂、PC−PDMS共重合
体などの粘度平均分子量は通常10,000〜100,
000、好ましくは11,000〜30,000、特に
好ましくは12,000〜30,000である。ここ
で、(A)成分の各種ポリカーボネート系樹脂の粘度平
均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、2
0℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これよ
り極限粘度[η〕を求め、次式にて算出するものであ
る。
【0032】[η〕=1.23×10-5Mv0.83 (A)成分の芳香族ポリカーボネート系樹脂全体の粘度
平均分子量は10,000〜40,000が好ましく、
さらに好ましくは12,000〜30,000であり、
特に好ましくは14,000〜26,000である。分
子量が低すぎると、本発明の樹脂組成物の機械的強度、
特に耐衝撃性に劣る場合があり、分子量が高すぎると、
本発明の樹脂組成物の流動性、すなわち成形性に劣る場
合がある。
【0033】前記のPC−PDMS共重合体を含有する
場合のポリオルガノシロキサン含有率は、(A)成分の
ポリカーボネート系樹脂全体の0.1〜10質量%の範
囲が、本発明の樹脂組成物の難燃性の点で好ましい。さ
らに好ましくは0.2〜5質量%であり、特に好ましく
は0.3〜3質量%である。
【0034】また、前記ポリメチレンジカルボン酸の量
は、(A)成分のポリカーボネート系樹脂全体の主単量
体(二価フェノール)に対し1〜15モル%であるのが
好ましく、より好ましくは1〜12モル%であり、特に
好ましくは2〜10モル%である。ポリメチレンジカル
ボン酸の量が少なすぎると、本発明の樹脂組成物の流動
性向上が見られない場合があり、多すぎると、本発明の
樹脂組成物の耐熱性が低下する場合がある。
【0035】次に、本発明における、(B)成分として
の、官能基含有シリコーン化合物としては官能基を有す
る(ポリ)オルガノシロキサン類であり、その骨格とし
ては、 式 R1aR2bSiO(4-a-b)/2 〔式中、R1 は官能基含有基、R2 は炭素数1〜12の
炭化水素基、aおよびbは、0<a≦3、0≦b<3、
0<a+b≦3〕で表される基本構造を有する重合体、
共重合体である。また、官能基としては、アルコキシ
基、アリールオキシ、ポリオキシアルキレン基、水素
基、水酸基、カルボキシル基、シアノール基、アミノ
基、メルカプト基、エポキシ基などを含有するものであ
る。
【0036】これら官能基含有シリコーン化合物として
は、複数の官能基を有するシリコーン化合物、異なる官
能基を有するシリコーン化合物を併用することもでき
る。この官能基を有するシリコーン化合物は、その官能
基(R1 )/炭化水素基(R2)が、通常0.1〜3、
好ましくは0.3〜2程度のものである。
【0037】これらシリコーン化合物は液状物、パウダ
ーなどであるが、溶融混練において分散性の良好なもの
が好ましい。たとえば、室温での動粘度が10〜50
0,000mm2 /s程度の液状のものを例示できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物にあっては、シリ
コーン化合物が液状であっても、組成物に均一に分散す
るとともに、成形時や成形品の表面にブリードすること
が少ない大きな特長がある。なお、ここで、官能基を有
さないシリコーン化合物を用いたのでは本発明の難燃性
の効果を得ることができにくい。
【0038】この官能基含有シリコーン化合物は、
(A)成分のポリカーボネート系樹脂100質量部に対
して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量
部含有することができる。なお、この官能基含有シリコ
ーン化合物の含有量は、ポリカーボネート系樹脂とし
て、PC−PDMS共重合体を含有するポリカーボネー
ト樹脂を用いた場合には、組成物全体におけるシリコー
ンの含有量も考慮して、適宜決定することができる。こ
の場合は、既にある程度のシリコーンを含有しているの
で、官能基含有シリコーン化合物の含有量を少なくする
ことができ、また、組成物全体中のシリコーン含有量が
低下しても難燃性のレベルを高く維持できる効果があ
る。
【0039】次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成
物の(C)成分としてのコア/シェルタイプグラフトゴ
ム状弾性体は、コア(芯)とシェル(殻)から構成され
る2層構造を有しており、コア部分は軟質なゴム状態で
あって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であ
り、弾性体自体は粉末状(粒子状態)であるグラフトゴ
ム状弾性体である。このコア/シェルタイプグラフトゴ
ム状弾性体は、ポリカーボネート樹脂と溶融ブレンドし
た後も、その粒子状態は、大部分がもとの形態を保って
いる。配合されたグラフトゴム状弾性体の大部分がもと
の形態を保っていることにより、均一に分散し表層剥離
を起こさない効果が得られる。
【0040】このコア/シェルタイプグラフトゴム状弾
性体としては、種々なものを挙げることができる。市販
のものとしては、例えばハイブレンB621(日本ゼオ
ン株式会社製)、KM−330(ローム&ハース株式会
社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、
メタブレンC223、メタブレンB621(三菱レイヨ
ン株式会社製)等が挙げられる。
【0041】これらの中で、例えば、アルキルアクリレ
ートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを
主体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下
に、ビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて
得られるものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレ
ートやアクリルメタクリレートとしては、炭素数2〜1
0のアルキル基を有するものが好適である。
【0042】具体的には、例えばエチルアクリレート、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−オクチルメタクリレート等が挙げられる。これ
らのアルキルアクリレート類を主体とする単量体から得
られるゴム状弾性体としては、アルキルアクリレート類
70質量%以上と、これと共重合可能な他のビニル系単
量体、例えばメチルメタクリレート、アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、スチレン等30質量%以下とを反応さ
せて得られる重合体が挙げられる。なお、この場合、ジ
ビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官
能性単量体を架橋剤として適宜添加して反応させてもよ
い。
【0043】ゴム状重合体の存在下に反応させるビニル
系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル等
が挙げられる。これらの単量体は、1種または2種以上
を組み合わせて用いてもよいし、また、他のビニル系重
合体、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等
のシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のビニルエステル化合物等と共重合させてもよ
い。この重合反応は、例えば塊状重合、懸濁重合、乳化
重合などの各種方法によって行うことができる。特に、
乳化重合法が好適である。
【0044】このようにして得られるコア/シェルタイ
プグラフトゴム状弾性体は、前記ゴム状重合体を20質
量%以上含有していることが好ましい。このようなコア
/シェルタイプグラフトゴム状弾性体としては、具体的
には60〜80質量%のn−ブチルアクリレートと、ス
チレン、メタクリル酸メチルとのグラフト共重合体など
のMAS樹脂弾性体が挙げられる。また、ポリシロキサ
ンゴム成分が5〜95質量%とポリアクリル(メタ)ア
クリレートゴム成分95〜5質量%とが、分離できない
ように相互に絡み合った構造を有する、平均粒子径が
0.01〜1μm程度の複合ゴムに少なくとも一種のビ
ニル単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフ
ト共重合体が特に好ましい。この共重合体は、それぞれ
のゴム単独でのグラフト共重合体よりも耐衝撃改良効果
が高い。この複合ゴム系グラフト共重合体は、市販品と
しての、三菱レイヨン株式会社製メタブレンS−200
1などとして、入手できる。
【0045】この、(C)成分であるコア/シエルタイ
プグラフトゴム状弾性体の含有量は、(A)成分のポリ
カーボネート系樹脂100質量部に対して、0.2〜1
0質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。ここ
で、グラフトゴム状弾性体の含有量が0.2質量部未満
であると、耐衝撃性の改良効果が低く、10質量%を越
えると難燃性、耐熱性、剛性が低くなる場合があり、通
常は10質量部までで十分である。本発明のポリカーボ
ネート樹脂組成物は、(B)成分である官能基含有シリ
コーン化合物と(C)成分であるコア/シエルタイプグ
ラフトゴム状弾性体を比較的少量併用することによっ
て、初めてすぐれた効果を発揮するものである。なお、
ここでコア/シェルタイプグラフトゴム状弾性体に代え
て、他のグラフト共重合体を用いた場合には、耐衝撃強
度の改良は見られる場合もあるが、本発明の最終目的で
ある難燃性のレベルを維持することが困難である場合が
ある。
【0046】なお、本発明のポリカーボネート樹脂組成
物は、難燃性、耐衝撃性の観点からは、上記3成分によ
り、十分本発明の目的を達成することができる。しかし
ながら、難燃性試験などにおける燃焼時の溶融滴下防止
を目的にさらに、公知の溶融滴下防止剤を含有すること
ができる。溶融滴下防止剤としては、(D)ポリフルオ
ロオレフィン樹脂を好適に用いることができる。ここで
ポリフルオロオレフィン樹脂としては、通常フルオロエ
チレン構造を含む重合体、共重合体であり、たとえば、
ジフルオロエチレン重合体、テトラフルオロエチレン重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ素を含ま
ないエチレン系モノマーとの共重合体である。好ましく
は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、
その平均分子量は、500,000以上であることが好
ましく、特に好ましくは500,000〜10,00
0,000である。本発明で用いることができるポリテ
トラフルオロエチレンとしては、現在知られているすべ
ての種類のものを用いることができる。
【0047】なお、ポリテトラフルオロエチレンのう
ち、フィブリル形成能を有するものを用いると、さらに
高い溶融滴下防止性を付与することができる。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)には特に制限はないが、例えば、ASTM規格にお
いて、タイプ3に分類されるものが挙げられる。その具
体例としては、例えばテフロン6−J(三井・デュポン
フロロケミカル株式会社製)、ポリフロンD−1、ポリ
フロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業
株式会社製)、CD076(旭アイシーアイフロロポリ
マーズ株式会社製)等が挙げられる。
【0048】また、上記タイプ3に分類されるもの以外
では、例えばアルゴフロンF5(モンテフルオス株式会
社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100
(ダイキン工業株式会社製)等が挙げられる。これらの
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。上記の
ようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)は、例えばテトラフルオロエチレン
を水性溶媒中で、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
パーオキシジスルフィドの存在下で、0.01〜1MP
aの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜10
0℃で重合させることによって得られる。
【0049】ここで、ポリフルオロオレフィン樹脂の含
有量は、前記(A)ポリカーボネート系樹脂100質量
部に対して、0.02〜5質量部、好ましくは、0.0
5〜2質量部である。ここで、0.02質量部未満であ
ると、目的とする難燃性における溶融滴下防止性が十分
でない場合があり、5質量部を超えても、これに見合っ
た効果の向上はなく、耐衝撃性、成形品外観に悪影響を
与える場合がある。したがって、それぞれの成形品に要
求される難燃性の程度、たとえば、UL−94のV−
0、V−1、V−2などにより他の含有成分の使用量な
どを考慮して適宜決定することができる。
【0050】また、本発明のポリカーボネート樹脂組成
物には、必要により、無機充填材を、成形品の剛性、さ
らには難燃性をさらに向上させるために含有させること
ができる。ここで、無機充填材としては、タルク、マイ
カ、カオリン、珪藻土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カ
リウム繊維などをあげることができる。なかでも、板状
であるタルク、マイカなどや、ガラス繊維、炭素繊維な
どの繊維状の充填材が好ましい。タルクとしては、マグ
ネシウムの含水ケイ酸塩であり、一般に市販されている
ものを用いることができる。また、タルクなどの無機充
填材の平均粒径は0.1〜50μm、好ましくは、0.
2〜20μmである。これら無機充填材、特にタルクを
含有させることにより、剛性向上効果に加えて、シリコ
ーン化合物の配合量を減少させることができる場合があ
る。
【0051】ここで、無機充填材の含有量は、(A)成
分のポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、1
〜100質量部、好ましくは、2〜50質量部である。
ここで、1質量部未満であると、目的とする剛性、難燃
性改良効果が十分でない場合があり、100質量部を超
えると、耐衝撃性、溶融流動性が低下する場合があり、
成形品の厚み、樹脂流動長など、成形品の要求性状と成
形性を考慮して適宜決定することができる。
【0052】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
成形性、耐衝撃性、外観改善、耐候性改善、剛性改善等
の目的で、上記(A)、(B)、(C)からなる必須成
分に、(D)などの任意成分とともに、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂
に常用されている添加剤成分を必要により含有すること
ができる。例えば、フェノール系、リン系、イオウ系酸
化防止剤、帯電防止剤、ポリアミドポリエーテルブロッ
ク共重合体(永久帯電防止性能付与)、ベンゾトリアゾ
ール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、ヒンダード
アミン系の光安定剤(耐候剤)、可塑剤、抗菌剤、相溶
化剤、着色剤(染料、顔料)等が挙げられる。任意成分
の配合量は、本発明の,ポリカーボネート樹脂組成物の
特性が維持される範囲とすることが望ましい。
【0053】次に、本発明のポリカーボネート樹脂組成
物の製造方法について説明する。本発明のポリカーボネ
ート樹脂組成物は、前記の各成分(A)、(B)、
(C)を上記割合で、さらに必要に応じて用いられる、
(D)などの各種任意成分を所定の割合で配合し、混練
することにより得られる。このときの配合および混練
は、通常用いられている機器、例えばリボンブレンダ
ー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、バンバリー
ミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出
機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で
行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240
〜300℃の範囲で適宜選択される。この溶融混練成形
としては、押出成形機、特にベント式の押出成形機の使
用が好ましい。なお、ポリカーボネート樹脂以外の含有
成分は、あらかじめ、ポリカーボネート樹脂あるいは他
の熱可塑性樹脂と溶融混練、すなわちマスターバッチと
して添加することもできる。
【0054】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
上記の溶融混練成形機で直接成形品を製造したり、ある
いは、得られたペレットを原料として、射出成形法、射
出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形
法、真空成形法、発泡成形法などにより各種成形品を製
造することができる。しかし、上記溶融混練方法によ
り、ペレット状の成形原料を製造し、ついで、このペレ
ットを用いて、射出成形、射出圧縮成形による射出成形
品の製造に特に好適に用いることができる。なお、射出
成形方法としては、外観のヒケ防止のため、あるいは軽
量化のためのガス注入成形を採用することもできる。
【0055】本発明のポリカーボネート樹脂組成物から
得られる成形品としては、複写機、ファックス、テレ
ビ、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パソコ
ン、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レ
ンジなどの電気・電子機器のハウジウングまたは部品、
さらには、自動車部品など他の分野にも用いられる。
【0056】
【実施例】更に、本発明を製造例,実施例及び比較例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に
よってなんら限定されるものではない。 製造例1 [PCオリゴマーの製造]400リットルの5質量%水
酸化ナトリウム水溶液に、60kgのビスフェノールA
を溶解させ、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶
液を調製した。
【0057】次いで、室温に保持したこのビスフェノー
ルAの水酸化ナトリウム水溶液を138リットル/時間
の流量で、また、塩化メチレンを69リットル/時間の
流量で、内径10mm、管長10mの管型反応器にオリ
フィス板を通して導入し、これにホスゲンを並流して1
0.7kg/時間の流量で吹き込み、3時間連続的に反
応させた。ここで用いた管型反応器は二重管となってお
り、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温
度を25℃に保った。また、排出液のpHは10〜11
となるように調整した。
【0058】このようにして得られた反応液を静置する
ことにより、水相を分離、除去し、塩化メチレン相(2
20リットル)を採取して、PCオリゴマー(濃度31
7g/リットル)を得た。ここで得られたPCオリゴマ
ーの重合度は2〜4であり、クロロホーメイト基の濃度
は0.7規定であった。
【0059】製造例2 ・[PC−PMDC共重合体〔I〕の製造] 製造例1で得られたPCオリゴマー10リットルにデカ
ンジカルボン酸の水酸化ナトリウム水溶液(デカンジカ
ルボン酸317g、水酸化ナトリウム110g、水2リ
ットル)とトリエチルアミン5.8ミリリットルを加
え、室温で1時間300rpmで攪拌し、反応させた。
その後、上記系にビスフェノールAの水酸化ナトリウム
水溶液(ビスフェノールA534g、水酸化ナトリウム
312g、水5リットル)及びp−クミルフェノール1
36gを混合し、さらに塩化メチレン8リットルを加
え、1時間500rpmで攪拌し反応させた。反応後、
塩化メチレン7リットル及び水5リットルを加え、10
分間500rpmで攪拌した。攪拌停止後静置し、有機
相と水相を分離した。得られた有機相を0.03規定水
酸化ナトリウム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.
2規定塩酸5リットルで酸洗浄、及び水5リットルで2
回水洗を順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレ
ーク状のポリマーを得た。粘度平均分子量は17,00
0であり、全モノマーに対するデカンジカルボン酸の含
有率は5.2モル%であった。
【0060】・PC−PMDC共重合体〔II〕 市販のPC−PMDC共重合体として、ゼネラル・エレ
クトリック社製レキサンSP1010を用いた。コモノ
マーはデカンジカルボン酸であり、末端停止剤はp−ク
ミルフェノールである。粘度平均分子量は18,800
であり、全モノマーに対するデカンジカルボン酸の含有
率は8.2モル%であった。
【0061】製造例3 [反応性PDMSの製造]1,483gのオクタメチル
シクロテトラシロキサン、96gの1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン及び35gの86%硫酸を混合
し、室温で17時間攪拌した。その後、オイル相を分離
し、25gの炭酸水素ナトリウムを加え1時間攪拌し
た。濾過した後、150℃、3torr(4×102
a)で真空蒸留し、低沸点物を除きオイルを得た。
【0062】60gの2−アリルフェノールと0.00
14gの塩化白金−アルコラート錯体としてのプラチナ
との混合物に、上記で得られたオイル294gを90℃
の温度で添加した。この混合物を90〜115℃の温度
に保ちながら3時間攪拌した。生成物を塩化メチレンで
抽出し、80%の水性メタノールで3回洗浄し、過剰の
2−アリルフェノールを除いた。その生成物を無水硫酸
ナトリウムで乾燥させ、真空中で115℃の温度まで昇
温し溶剤を留去した。得られた末端フェノールPDMS
は、NMRの測定により、ジメチルシラノオキシ単位の
繰り返し数は30であった。
【0063】製造例4 [PC−PDMS共重合体の製造]製造例3で得られた
反応性PDMS182gを塩化メチレン2リットルに溶
解させ、製造例1で得られたPCオリゴマー10リット
ルを混合した。そこへ、水酸化ナトリウム26gを水1
リットルに溶解させたものと、トリエチルアミン5.7
ccを加え、500rpmで室温にて1時間攪拌、反応
させた。
【0064】反応終了後、上記反応系に、5.2重量%
の水酸化ナトリウム水溶液5リットルにビスフェノール
A600gを溶解させたもの、塩化メチレン8リットル
及びp−tert−ブチルフェノ−ル96gを加え、5
00rpmで室温にて2時間攪拌、反応させた。
【0065】反応後、塩化メチレン5リットルを加え、
さらに、水5リットルで水洗、0.03規定水酸化ナト
リウム水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2規定塩
酸5リットルで酸洗浄、及び水5リットルで水洗2回を
順次行い、最後に塩化メチレンを除去し、フレーク状の
PC−PDMS共重合体を得た。得られたPC−PDM
S共重合体を120℃で24時間真空乾燥させた。粘度
平均分子量は17,000であり、PDMS含有率は
4.0質量%であった。
【0066】なお、粘度平均分子量、PDPS含有率は
下記の要領で行った。 (1)粘度平均分子量 (Mv) ウベローデ型粘度計にて、20℃における塩化メチレン
溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求めた
後、次式にて算出した。 [η]=1.23×10-5Mv0.83 (2)PDMS含有率1 H−NMRで1.7ppmに見られるビスフェノール
Aのイソプロピルのメチル基のピークと、0.2ppm
に見られるジメチルシロキサンのメチル基のピークとの
強度比を基に求めた。
【0067】実施例1〜6および比較例1〜6 第1表−1、第1表−2に示す割合で各成分を配合
〔(A)成分は質量%)他の成分は、(A)成分樹脂1
00質量部に対する質量部で示す。〕し、ベント式二軸
押出成形機(機種名:TEM35、東芝機械株式会社
製)に供給し、280℃で溶融混練し、ペレット化し
た。なお、すべての実施例および比較例において、酸化
防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシヤ
ルティ・ケミカルズ社製)0.2質量部およびアデカス
タブC(旭電化工業社製)0.1質量部をそれぞれ配合
した。得られたペレットを、120℃で12時間乾燥し
た後、成形温度270℃、金型温度80℃で射出成形し
て試験片を得た。得られた試験片を用いて性能を各種試
験によって評価し、その結果を第1表−1、第1表−2
に示した。
【0068】なお、用いた成形材料および性能評価方法
を次に示す。 (A)ポリカーボネート系樹脂 ・PC−1:タフロン A1700(出光石油化学株式
会社製):ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、M
FR=27g/10分(温度:300℃、荷重:11.
77N)、粘度平均分子量:17,000 ・PC−2:タフロン A1500(出光石油化学株式
会社製):ビスフェノールAポリカーボネート樹脂、M
FR=50g/10分、粘度平均分子量:15,000 ・PC−PMDC〔I〕:前記製造例3で得られた脂肪
族ユニットを有するポリエステルカーボネート樹脂 ・PC−PMDC〔II〕:前記市販品 ・PC−PDMS:前記製造例4で得られたビスフェノ
ールA−ポリジメチルシロキサン(PDMS)共重合体
【0069】(B)シリコーン化合物 ・シリコーン−1:ビニル基メトキシ基含有メチルフェ
ニルシリコーン、KR219(信越化学工業株式会社
製)、動粘度=18mm2 /s ・シリコーン−2:メトキシ基含有ジメチルシリコー
ン、KC−89(信越化学工業株式会社製)、動粘度=
20mm2 /s ・シリコーン−3:ジメチルシリコーン、SH200
(東レダウコーニング株式会社製)、動粘度=350m
2 /s
【0070】(C)コアシェルタイプグラフトゴム状弾
性体 ・ゴム状弾性体−1:複合ゴム系グラフト共重合体:メ
タブレンS2001(三菱レイヨン株式会社製):ポリ
ジメチルシロキサン含有量:50質量%以上 ・ゴム状弾性体−2:MBS系グラフト共重合体:メタ
ブレンC223(三菱レイヨン株式会社製)ポリブタジ
ェン含有量:60質量%以上 ・ゴム状弾性体−3:SBS系グラフト共重合体(比
較):VECTOR8550−5(DexcoPoly
mers社製) (D)ポリフルオロオレフィン樹脂 ・PTFE:CD076(旭アイシーアイフロロポリマ
ーズ株式会社製)
【0071】〔性能評価方法] (1)溶融流動性 MFR(メルトフローレート):JIS K 7210
に準拠。温度:300℃、荷重:11.77N (2)IZOD(アイゾット衝撃強度) ASTM D256に準拠、23℃(肉厚:3.2m
m) (3)難燃性 UL94燃焼試験に準拠 なお、V−2NGは、V−0、V−1、V−2のいずれ
にも該当しないことを示す。 (5)耐グリース性 耐薬品性評価法(1/4楕円による限界歪み)に準拠し
た。図1(斜視図)に示す、1/4楕円の面に試料片
(厚み=3mm)を固定し、試料片にアルバニアグリー
ス(昭和シェル石油株式会社製)を塗布し、48時間保
持した。クラックが発生する最小長さ(X)を読み取
り、下記の式(1)より限界歪(%)を求めた。
【0072】
【数1】
【0073】(5)リサイクル性 各組成物ペレットを用いて、成形温度300℃、金型温
度80℃の条件で射出成形によりノートパソコンハウジ
ング(A4タイプ)を成形した。この成形品を粉砕し
て、100%リサイクル原料として再度、同条件で試験
片を成形した。 ・リサイクル成形試験片のIZOD衝撃強度を測定し
た。 ・リサイクル成形試験片の色調変化を測定した。JIS
H7103(黄変度試験方法)に準拠して、色差計で
リサイクル前後の試験片の色相(L,a,b)を測定
し、色相変化を(ΔE)として算出した。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】第1表の結果から、実施例の本発明のポリ
カーボネート樹脂組成物からの成形品は、高い衝撃強度
を維持して、溶融流動性が改良され、且つ難燃性にも優
れていることが明らかである。また、耐グリース性、リ
サイクル性にもすぐれている。さらに、PTFEの添加
によって、難燃性がV−0のレベルとなり優れているこ
とが明らかである。また、比較例においては、溶融流動
性、耐衝撃性、難燃性を全て満足することが困難であ
る。
【0077】
【発明の効果】本発明のポリカーボネート樹脂組成物
は、ハロゲン系、リン系難燃剤を用いることなく、且つ
少量の添加剤の含有で、難燃性、耐衝撃性、溶融流動性
の全てにおいて、高いレベルにある。また、リサイクル
性にすぐれ、再生使用が可能となり、良成形性による成
形品の薄肉化と相まって、環境問題、省資源に貢献でき
るものである。したがって、OA機器、情報機器、家庭
電化機器などの電気・電子機器、自動車部品などその応
用分野の拡大が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明組成物の耐グリース性を評価するための
試験片取り付け治具の斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51:04 C08L 27:12) 27:12) C08K 5/54 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA26 AA50 AA66 AA77 AC16 AH12 BB06 BC07 4J002 BD154 BN123 BN153 BN163 BN173 CG041 CP032 CP042 CP052 CP062 CP092 CP102 EX036 EX046 EX066 EX076 EX086 FD010 GQ01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)脂肪族セグメントを有するコポリ
    エステルカーボネートを含むポリカーボネート系樹脂1
    00質量部に対して、(B)官能基含有シリコーン化合
    物0.1〜10質量部および(C)コア/シエルタイプ
    グラフトゴム状弾性体0.2〜10質量部を含有してな
    るポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリカーボネート系樹脂が、少な
    くともポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重
    合体を含みポリカーボネート系樹脂中のポリオルガノシ
    ロキサン含有量が0.1〜10質量%である請求項1記
    載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、(A)ポリカーボネート系樹脂
    100質量部に対して、(D)ポリフルオロオレフィン
    樹脂を、0.02〜5質量部含有してなる請求項1また
    は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のポリカー
    ボネート樹脂組成物からなる成形品。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のポリカー
    ボネート樹脂組成物からなる電気・電子機器のハウジン
    グまたは部品。
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