JP2002012471A - 透光性アルミナ多結晶体およびその製造方法 - Google Patents
透光性アルミナ多結晶体およびその製造方法Info
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Abstract
化コバルトは焼成時に非常に気化しやすいために、焼結
体中のボイドが多くなり、その結果、非常に透光性の低
いアルミナ多結晶体しか得られず、サファイアと比べる
と深みが無く、装飾性の低いものであった。 【解決の手段】 アルミナ95〜99.7重量%、酸化
コバルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは
酸化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビ
ウムを0.1〜2.0重量%の混合物を成形し、脱脂し
た後、アルミナ匣鉢に入れて、1×10-1torr以下
の条件下で1400℃以上で焼成する。
Description
の工芸品や、食器等の陶芸品等に利用できる透光性アル
ミナ多結晶体とその製造方法に関し、特にサファイアブ
ルーに発色する透光性アルミナ多結晶体とその製造方法
に関する。
来、宝飾品や装飾品で用いられている着色した透光性の
あるアルミナとして、サファイアやルビー等があり、こ
れらは、合成宝石としてベルヌイ法、CZ法、FZ法等
の単結晶育成法により製造されている。しかし、このプ
ロセスでは形状や大きさに制限があり、多大な時間と手
数を要するために非常に高価になるという問題があっ
た。
て、アルミナに酸化マグネシウムと酸化コバルトを用い
て加圧成形した後、減圧もしくは水素雰囲気中の140
0〜2000℃で2時間以上焼成し、さらに1400〜
2000℃で2時間以上酸化焼成することで、透光性の
高いブルーのアルミナ多結晶体が得られるとの報告があ
る(例えば特開昭59−169979号公報参照)。
時に非常に気化しやすいため、焼結体が緻密化せず、分
光測色計による光透過率は厚さ2mmのもので1〜2%
であり、透光性が著しく低くなることがわかった。
化物を添加して焼成後、HIP処理して透光性の高い淡
いグリーン・ブルー・ピンクのアルミナ多結晶体が得ら
れている(例えば特開平4−193760号公報参
照)。
すためには、アルミナ粉体に酸化マグネシウムと酸化コ
バルトを添加する方法があるものの、着色剤として酸化
コバルトを用いた場合、酸化コバルトは焼成時に非常に
気化しやすいために、焼結体中のボイドが多くなり、そ
の結果、非常に透光性の低いアルミナ多結晶体しか得ら
れず、サファイアと比べると深みが無く、装飾性の低い
ものであった。
べく鋭意研究を重ねた結果、着色剤としての酸化コバル
トの添加量を必要最小限に抑え、焼結助剤としても有効
な着色剤である希土類を添加し、減圧下でアルミナ匣鉢
に入れて焼成することにより、鮮やかな赤味のある濃い
ブルーを呈し、非常に透光性の高い、サファイアと比較
しても遜色のない装飾性の高いサファイアブルーに発色
する透光性アルミナ多結晶体を得ることができることを
知見した。
のであり、請求項1に係る透光性アルミナ多結晶体は、
アルミナ95〜99.7重量%、酸化コバルト0.1〜
1.0重量%、酸化ネオジウム或いは酸化プラセオジム
を0.1〜2.0重量%、酸化エルビウムを0.1〜
2.0重量%からなる。
晶体の製造方法は、アルミナ95〜99.7重量%、酸
化コバルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或い
は酸化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エル
ビウムを0.1〜2.0重量%の混合物を成形し、脱脂
した後、アルミナ匣鉢に入れて、1×10-1torr以
下の条件下で1400℃以上で焼成する。
の形態を詳細に説明する。
ナ95〜99.7重量%、酸化コバルト0.1〜1.0
重量%、酸化ネオジウム或いは酸化プラセオジムを0.
1〜2.0重量%、酸化エルビウムを0.1〜2.0重
量%からなる。
のを用い、不純物による可視光線領域の固有吸収を抑制
させる必要がある。
があるが、酸化コバルトの添加量が0.1重量%未満で
は、青味が弱く、1.0重量%を超えると焼成時の酸化
コバルトの気化によるボイドが多発し、著しく透光性が
低下する。
セオジムを添加することで焼結助剤(粒成長抑制剤)と
しての働きとブルー系の着色剤としての働きを兼ね備
え、透光性の向上を図ると共に青味を濃くすることがで
きる。但し、酸化ネオジウム或いは、酸化プラセオジム
の添加量が0.1重量%未満では、発色及び透光性共に
効果が無く、2.0重量%を超えると、Al2O3と光学
的特性の異なる(Pr、Al)2O3、(Nd、Al)2
O3の量が多くなるため、異相に基づく散乱が大きくな
り、透光性が低下する。
結助剤(粒成長抑制剤)としての効果と赤味を強くする
着色剤の効果があり、0.1重量%未満では効果が無
く、2.0重量%を超えると、Al2O3と光学的特性の
異なる(Er、Al)2O3の量が多くなるため、異相に
基づく散乱が大きくなり、透光性が低下する。
製造方法は、アルミナ95〜99.7重量%、酸化コバ
ルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは酸化
プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビウム
を0.1〜2.0重量%の混合物を成形し、脱脂した
後、アルミナ匣鉢に入れて、1×10-1torr以下の
条件下で1400℃以上で焼成する。
ウム塩の分散剤とアクリル系のバインダー、PEG系の
消泡剤、及びイオン交換水又は蒸留水を回転ボールミル
で混合してスラリーを作製する。このスラリーを攪拌真
空脱泡機で脱泡した後、鋳込み成形し、大気雰囲気の6
00〜1100℃で1hr仮焼して、脱脂処理を行った
後、純度99%以上のアルミナ匣鉢に入れて1×10-1
torr以下の条件下で、1400℃以上で焼成する。
お、図1(a)はアルミナ匣鉢の上方から見た図、図1
(b)は側方から見た図である。アルミナ匣鉢1は、リ
ング1aと上蓋1bと底板1cとから成る。このような
アルミナ匣鉢1内に脱脂した成形品2を入れて、上蓋1
bを閉めて焼成する。
て、灰分が残留し、密度が上がらないため、透光性は低
下する。
あると、焼結体内部の気孔を取り除けなくなるため、欠
陥による光の散乱が大きくなり、その結果、透光性が悪
くなる。
と、減圧雰囲気の容積が大きくなるため、ピグメントの
蒸発が活性化すると共に、真空炉内部の炉材が全てカー
ボンであるため、焼成時に焼結体が還元されて酸素欠陥
が多くなり、その結果、発色が淡く黒ずむという問題が
発生する。
満であると、アルミナ匣鉢1の不純物が蒸発して、焼結
体を汚染し、透光性を低下させる。
のピグメントの蒸発による汚染が著しく抑制できるた
め、一度の真空炉焼成で様々な着色透光性アルミナを焼
成できるという効果もある。
3O4)、酸化ネオジウム(Nd2O3)、酸化プラセオジ
ム(Pr6O11)、酸化エルビウム(Er2O3)を各々
所定量添加し、さらにイオン交換水及び分散剤としてポ
リカルボン酸アンモニウム塩とバインダーとしてポリア
クリル酸及び消泡剤としてポリエチレングリコールを加
え、ボールミルで16時間混合した。これらのスラリー
を25μmの篩に通し、30min攪拌真空脱泡した。
さらにこれらスラリーを加圧鋳込み成形し、脱脂のた
め、大気中の900℃で1時間保持して仮焼し、一部は
脱脂処理しなかった。
匣鉢(図1)に入れ、一部は匣鉢に入れずに1×10-3
torrの条件下で1700℃で焼成した。
研磨後、発色は目視により評価し、透光性は、分光測色
計(ミノルタ製CM−3700d)を用い、基準光源D
65で、波長範囲360〜740nmの光透過率を測定
し、平均光透過率を求めた。これらの結果を表1に示
す。
“○”、していないものは“×”と表示した。また匣鉢
欄では減圧焼成時に匣鉢に入れたものは“○”、入れて
いないものは“×”と表示した。さらに、透光性の評価
については平均光透過率が10%以上のものは“○”、
10%未満のものは“×”と表示した。
光性アルミナでは、平均光透過率が10%以上となり、
しかもサファイアブルーに発色する透光性アルミナとな
る。
ルミナによれば、アルミナ95〜99.7重量%、酸化
コバルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは
酸化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビ
ウムを0.1〜2.0重量%からなることから、従来に
ないサファイアの透明感と深みのある装飾性の高いブル
ー素材が簡単で安価に作れ、しかも形状や大きさに制限
されることなく、サファイアブルーに発色する透光性ア
ルミナ製品を作ることができる。
造方法によれば、アルミナ95〜99.7重量%、酸化
コバルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは
酸化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビ
ウムを0.1〜2.0重量%の混合物を成形し、脱脂し
た後、1×10-1torr以下の条件下でアルミナ匣鉢
に入れて、1400℃以上で焼成することから、従来に
ないサファイアの透明感と深みのある装飾性の高いブル
ー素材が簡単で安価に作れ、しかも形状や大きさに制限
されること無く、サファイアブルーに発色する透光性ア
ルミナ製品を作ることができる。
方法を説明するための図であり、(a)はアルミナ匣鉢
の上方から見た図、(b)は側方から見た図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミナ95〜99.7重量%、酸化コ
バルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは酸
化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビウ
ムを0.1〜2.0重量%からなる透光性アルミナ多結
晶体。 - 【請求項2】 アルミナ95〜99.7重量%、酸化コ
バルト0.1〜1.0重量%、酸化ネオジウム或いは酸
化プラセオジムを0.1〜2.0重量%、酸化エルビウ
ムを0.1〜2.0重量%の混合物を成形し、脱脂した
後、アルミナ匣鉢に入れて、1×10-1torr以下の
条件下で1400℃以上で焼成することを特徴とする透
光性アルミナ多結晶体の製造方法。 - 【請求項3】 前記アルミナ匣鉢のアルミナの純度が9
9%以上であることを特徴とする請求項2に記載の透光
性アルミナ多結晶体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000194397A JP2002012471A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 透光性アルミナ多結晶体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000194397A JP2002012471A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 透光性アルミナ多結晶体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002012471A true JP2002012471A (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18693235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000194397A Pending JP2002012471A (ja) | 2000-06-28 | 2000-06-28 | 透光性アルミナ多結晶体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002012471A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7678725B2 (en) | 2007-05-14 | 2010-03-16 | General Electric Company | Translucent polycrystalline alumina ceramic |
WO2010058745A1 (ja) | 2008-11-18 | 2010-05-27 | 東ソー株式会社 | 高靭性且つ高透光性の着色アルミナ焼結体及びその製造方法並びに用途 |
JP2014210686A (ja) * | 2013-04-19 | 2014-11-13 | 岩崎電気株式会社 | 透光性セラミックスの製造方法 |
-
2000
- 2000-06-28 JP JP2000194397A patent/JP2002012471A/ja active Pending
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EP2808313A2 (en) | 2008-11-18 | 2014-12-03 | Tosoh Corporation | Colored alumina sintered body of high toughness and high translucency, and its production method and its uses |
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