JP2002011742A - 透明樹脂基板の連続的製造方法 - Google Patents

透明樹脂基板の連続的製造方法

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JP2002011742A
JP2002011742A JP2000198140A JP2000198140A JP2002011742A JP 2002011742 A JP2002011742 A JP 2002011742A JP 2000198140 A JP2000198140 A JP 2000198140A JP 2000198140 A JP2000198140 A JP 2000198140A JP 2002011742 A JP2002011742 A JP 2002011742A
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support sheet
sheet
resin substrate
transparent resin
curing step
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Application number
JP2000198140A
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English (en)
Inventor
Yasushi Miwa
靖 三輪
Noriyuki Saito
範之 斉藤
Mitsuru Ishihara
充 石原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一且つ平坦な表面を有する透明樹脂基板の経
済的に有利な連続的製造方法を提供する。 【解決手段】移送される下部支持シート(70)上に光
重合性モノマー組成物(A)を供給し、その上に下部支
持シートと同速度で同一方向に移送される上部支持シー
ト(30)を積層した後、光重合性モノマー組成物に活
性線を照射して硬化させる透明樹脂基板の連続的製造方
法であって、一方の支持シートはシームレスのエンドレ
ススチールシート(70)で構成し、他方の支持シート
(30)は透明可撓性の合成樹脂樹脂シートで構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明樹脂基板の連
続的製造方法に関し、詳しくは、均一且つ平坦な表面を
有する透明樹脂基板の経済的に有利な連続的製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】透明樹脂基板は、工業的には、液晶、有
機ELなどのディスプレー基板、光学フィルター、光通
信材料、太陽電池基板などの各種用途に利用されてい
る。斯かる透明樹脂基板は、移送される下部支持シート
上に光重合性モノマー組成物を供給し、その上に下部支
持シートと同速度で同一方向に移送される上部支持シー
トを積層し、次いで、光重合性モノマー組成物に活性線
を照射して硬化させた後に両支持シートを剥離する方法
により、連続的に製造することが出来る。通常、上記の
支持シートには合成樹脂シートが使用される。
【0003】ところで、上記の方法の場合、支持シート
として使用された合成樹脂シートは、再利用することが
困難なため、使用後は廃棄される。そのため、支持シー
トのコストが嵩み、経済的不利益が大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みなされたものであり、その目的は、均一且つ平坦な
表面を有する透明樹脂基板の経済的に有利な連続的製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、意外にも、上部
支持シート及び下部支持シートの一方を所定のエンドレ
スシートに置換しても、何ら問題なく、均一且つ平坦な
表面を有する透明樹脂基板を連続に製造し得るるとの知
見を得、本発明の完成に至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、移送される下
部支持シート上に光重合性モノマー組成物を供給し、そ
の上に下部支持シートと同速度で同一方向に移送される
上部支持シートを積層した後、光重合性モノマー組成物
に活性線を照射して硬化させる透明樹脂基板の連続的製
造方法であって、一方の支持シートはシームレスのエン
ドレススチールシートで構成し、他方の支持シートは透
明可撓性の合成樹脂樹脂シートで構成することを特徴と
する透明樹脂基板の連続的製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明を実施するための製造設
備の好ましい一例の説明図である。
【0008】先ず、本発明で使用する光重合性モノマー
組成物について説明する。本発明で使用する光重合性モ
ノマー組成物は、重合性モノマーと光重合開始剤と任意
の他の成分とから構成される。
【0009】上記の重合性モノマーとしては、紫外線な
どの活性線の照射によって重合・硬化することにより透
明樹脂を形成し得るモノマーである限り、特に制限され
ず、各種のモノマーを使用することが出来る。代表的に
は各種のアクリレート化合物、例えば、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレ
ート、ポリエーテルアクリレート、これらのオリゴマ
ー、または、これらと他の重合性モノマーとの組み合せ
等が挙げられる。
【0010】本発明においては、耐薬品性、剛性などの
観点から、次の一般式(I)で表される含脂環骨格ビス
(メタ)アクリレート、次の一般式(II)で表される含
脂環骨格モノ(メタ)アクリレートの組み合せが好適で
あり、特に、これらと後述の二官能性メルカプト化合物
との組み合せが好適である。なお、「(メタ)アクリレ
ート」は、アクリレートとメタクリレートを含む総称で
ある。
【0011】
【化1】
【0012】一般式(I)中、R1及びR2は、それぞれ
独立して、水素原子またはメチル基を示し、mは1又は
2の整数、nは0又は1の整数、p及びqは、それぞれ
独立して、0〜3の何れかの整数を表す。
【0013】上記の式(I)で表される含脂環骨格ビス
(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビス
(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デ
カン=ジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、
ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2, 6]デカン=アクリレートメタクリレート及びこれ
らの混合物、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジアク
リレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=ジメタ
クリレート、ビス(オキシメチル)ペンタシクロ[6.
5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=アクリ
レートメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(オキ
シメチル)トリシクロ[5.2.1.02, 6]デカン=
ジアクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=ジメタクリレート、ビ
ス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6
デカン=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物などが挙げられる。
【0014】
【化2】
【0015】一般式(II)中、R3は水素原子またはメ
チル基を示し、mは1又は2の整数、nは0又は1の整
数、r及びsは、それぞれ独立して、0〜3の何れかの整
数を表す。
【0016】上記の一般式(II)で表される含脂環骨格
モノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、
ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6
デカン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン=モノメタクリレー
ト及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシ)ペンタシク
ロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン
=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン=
モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシ
クロ[5.2.1.02,6]デカン=モノメタクリレー
ト及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0017】含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート及び
含脂環骨格モノ(メタ)アクリレートと組み合わせて使
用される二官能性メルカプト化合物としては、一般式
(III)〜(V)で表されるメルカプト化合物が好適であ
る。
【0018】
【化3】
【0019】一般式(III)中、R4はメチレン基または
エチレン基を示し、R5はエーテル酸素を含んでいても
よい炭素数2〜15の炭化水素残基を示し、aは2〜6
の整数を示す。
【0020】一般式(III)において、R5(エーテル酸
素を含んでいてもよい炭素数2〜15の炭化水素残基)
の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトール残
基、ジペンタエリスリトール残基、トリメチロールプロ
パン残基、エチレングリコール残基、ジエチレングリコ
ール残基、トリエチレングリコール残基、ブタンジオー
ル残基などが挙げられる。
【0021】一般式(III)で表されるメルカプト化合
物は、2〜6価のチオグリコール酸エステル又はチオプ
ロピオン酸エステルであり、その具体例としては、例え
ば、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピ
オネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグ
リコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チ
オプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス
(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(β−
チオプロピオネート)等が挙げられる。
【0022】
【化4】
【0023】一般式(IV)中、XはHS-(CH2b-CO-(O
CH2CH2d-(CH2c-を示す。但し、b及びcは、それ
ぞれ独立して1〜8の整数を示す。
【0024】一般式(IV)で表されるメルカプト化合物
はω−チオール基含有イソシアヌレートであり、その具
体例としては、例えば、トリス[2−(β−チオプロピ
オニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス(2
−チオグリコニルオキシエチル)イソシアヌレート、ト
リス[2−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス[(2−チオグリコニル
オキシエトキシ)エチル]イソシアヌレート、トリス
[3−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピル]イソ
シアヌレート、トリス(3−チオグリコニルオキシプロ
ピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
【0025】
【化5】
【0026】一般式(V)中、R6及びR7はそれぞれ独
立してアルキレン基を示し、e及びfはそれぞれ独立し
て0又は1の整数を示し、gは1又は2の整数を示す。
【0027】一般式(V)で表される化合物はチオール
基含有炭化水素であり、その具体例としては、例えば、
ベンゼンメルカプタン、キシリレンメルカプタン、4,
4’−ジメルカプトジフェニルスルフィド等が挙げられ
る。
【0028】本発明において、上記の各成分は、通常、
次の様な割合で使用される。すなわち、一般式(I)で
表される含脂環骨格ビス(メタ)アクリレートは70〜
99重量部、一般式(II)で表される含脂環骨格モノ
(メタ)アクリレートは1〜30重量部、これらの合計
量100重量部に対し、上記の一般式(III)〜(V)
で表されるメルカプト化合物は1〜10重量部である。
【0029】上記の光重合開始剤としては、活性線の照
射によってラジカルを発生し得る限り、特に制限され
ず、各種の光重合開始剤を使用することが出来る。代表
的には各種のアセトフェノン系またはベンゾフェノン系
の光重合開始剤が挙げられる。
【0030】上記のアセトフェノン系光重合開始剤の具
体例としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロ
アセトフェノン等が挙げられ、上記のベンゾフェノン系
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安
息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロハ
シベンゾフェノン等が挙げられる。
【0031】また、本発明においては、次の一般式(X
I)で表される化合物も光重合開始剤として好適に使用
することが出来る。
【0032】
【化6】
【0033】一般式(VI)中、R8は、メチル基、メト
キシ基または塩素原子を示し、nは2又は3の整数示
す。
【0034】上記の一般式(VI)で表される化合物の
具体例としては、例えば、2,6−ジメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,
6−トリメチルベンゾイルフェニルホスイフィン酸メチ
ルエステル、2,6−ジクロロベンゾイルフェニルホス
フィンオキシド等が挙げられる。
【0035】上記の光重合開始剤は、モノマー100重
量部に対し、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.
02〜0.3重量部の割合で使用される。
【0036】本発明においては、任意の他の成分とし
て、ラジカル重合可能な他の重合性モノマー、増粘剤、
熱重合開始剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染顔料など
を使用することが出来る。
【0037】ラジカル重合可能な他の重合性モノマーと
しては、例えば、メタクリロイルオキシメチルシクロデ
カン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシ
エトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシ
ル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキメチ
ル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの重合性モ
ノマーは、前述の重合性モノマー100重量部に対し、
通常30重量部以下の割合で使用される。
【0038】増粘剤としては、使用する重合性モノマー
の種類より適宜選択されるが、通常、非晶質熱可塑性ポ
リマーが使用される。特に次の一般式(VII)又は(VII
I)で表される非晶質ポリオレフンが好適である。
【0039】
【化7】
【0040】一般式(VII)中、Xは、シクロペンタジ
エン及びその誘導体、ノルボルナジエン及びその誘導
体、ジシキロペンタジエン及びその誘導体、または、こ
れらの水素添加物を示し、R9は、水素原子、炭化水素
基またはC6410基を示し、R10は、水素原子、炭化
水素基、アルコキシ基、ハロゲン化炭化水素基またはハ
ロゲン原子を示し、d及びeは、それぞれ独立して1以
上の整数を示す。
【0041】
【化8】
【0042】一般式(VIII)中、j及びkは、それぞれ
独立して0又は1以上の整数を示す。また、環状5員環
単位はハロゲン原子または炭化水素基などの置換基を有
していてもよい。
【0043】上記の様な非晶質ポリオレフンの具体例
は、特開平10−77321号公報に記載されているの
でそれを参照することが出来る。また、本発明において
は、他の非晶質ポリオレフンとして、上記の公開公報に
記載の、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン若し
くはその誘導体と、シクロペンテン、シクロオクテン、
1,5−シクロオクテンタジエン等の他の環状オレフィ
ンとの開環重合体またはその水素添加物も使用すること
が出来る。
【0044】更に、本発明においては、次の一般式(I
X)で表される化合物も増粘剤として好適に使用するこ
とが出来る。
【0045】
【化9】
【0046】一般式(IX)中、Yは、例えば、メトキ
シ、エトキシ、イソプロポキシ等のアルコキシ基を示
し、hは1以上の整数を表す。
【0047】上記の増粘剤は、モノマー100重量部に
対し、通常2〜10重量部、好ましくは4〜8重量部の
割合で使用される。
【0048】本発明で使用する光重合性モノマー組成物
は、上記の各成分の配合によって調製され、非溶媒系で
あり、その粘度は、20℃において、剪断速度10se
-1の条件下に測定した値として、通常500〜100
000mPa・sec、好ましくは1000〜1000
0mPa・secの範囲とされる。
【0049】上記の熱重合開始剤としては、ベンゾイル
パーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエー
ト)等が挙げられ、その使用量は、モノマー100重量
部に対し、通常1重量部以下である。また、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、染顔料としては、公知のものを適宜
選択して使用することが出来る。
【0050】本発明においては、移送される下部支持シ
ート上に光重合性モノマー組成物を供給し、その上に下
部支持シートと同速度で同一方向に移送される上部支持
シートを積層した後、光重合性モノマー組成物に活性線
を照射して硬化させるが、この際、一方の支持シートは
シームレスのエンドレススチールシートで構成し、他方
の支持シートは透明可撓性の合成樹脂樹脂シートで構成
する。斯かる方法は、図1に示す様な製造設備で行なう
ことが出来る。
【0051】上記の製造設備は、本発明の好ましい態様
に従い、下部支持シートがシームレスのエンドレススチ
ールシートであり、上部支持シートが透明可撓性の合成
樹脂樹脂シートである。また、斯かる製造設備によれ
ば、上部支持シートを透過させて活性線の照射を行なう
前段硬化工程、および、支持シートを剥離した後に活性
線の照射を行なう後段硬化工程より成る、本発明の他の
好ましい態様を実施することが出来る。すなわち、斯か
る態様によれば、硬化終了後に支持シートを剥離する方
法の場合に惹起される問題、すなわち、活性線の照射に
より、支持シートが熱収縮し、シート状に成形された光
重合性モノマー組成物との間にズレを生じるとの問題を
回避し、より一層均一且つ平坦な表面を有する透明樹脂
基板を製造することが出来る。
【0052】図1において、エンドレススチールシート
(70)は、左右の駆動ローラ(72)と(74)との
間をエンドレスに移送される。一方、上部支持シート
(30)は、上部支持シート送給装置(31)から送り
出され、案内ローラ(32)、(33)及び(34)を
経由し、上部支持シート巻取装置(35)に巻き取られ
る。上部支持シート側に配置される案内ローラ(33)
及び(34)は、エンドレススチールシート(70)の
水平なパスライに対向して配置されている。
【0053】エンドレススチールシート(70)は、鏡
面仕上げされ且つシームレス(継ぎ目無し)であるた
め、その上に供給され且つシート状に成形された光重合
性モノマー組成物(A)の表面性に何ら影響しない。上
部支持シートは、透明可撓性の合成樹脂樹脂シートで構
成され、また、重合時の熱によって軟化しない様に通常
100℃以上の軟化点を有するシートで構成される。斯
かる特性のシートとしては、厚さ50〜300μmの合
成樹脂シート、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート等の合成
樹脂シートが挙げられる。また、上部支持シート(3
0)の光重合性モノマー組成物と接する側の表面粗さ
(Ra)は、通常100nm以下、好ましくは20nm
以下とされる。斯かる支持シートとの使用により、その
表面がより一層平滑な透明樹脂基板が得られる。
【0054】エンドレススチールシート(70)と上部
支持シート(30)は、同速度で同一方向に移送され、
シートの移送速度は、通常0.5〜20m/min、好
ましくは1〜10m/minとされる。
【0055】そして、駆動ローラ(72)の近傍に配置
されたダイコーター(1)から、エンドレススチールシ
ート(70)上に光重合性モノマー組成物(A)を供給
し、その上に上部支持シート(30)を積層した後、光
重合性モノマー組成物に活性線を照射して硬化させる。
【0056】ダイコーター(1)からエンドレススチー
ルシート(70)上に供給される光重合性モノマー組成
物(A)の厚さは、その供給速度とシートの移送速度と
により適宜調節されるが、通常0.1〜5mmとされ
る。上部支持シート(30)は、特に加圧される必要は
なく、エンドレススチールシート(70)上に供給され
且つシート状に成形された光重合性モノマー組成物
(A)に均一に積層される程度に押圧されればよい。活
性線の光源としては、ケミカルランプ、キセノンラン
プ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプ等が使用される。
【0057】本発明の好ましい態様の場合、先ず、前段
硬化工程用活性線照射設備(20)で活性線の照射を行
ない、次いで、上部支持シート(30)を巻取装置(3
5)で剥離した後、後段硬化工程用活性線照射設備
(6)で活性線の照射を行なう。図1に示す製造設備の
場合、後段硬化工程用活性線照射設備(6)による活性
線の照射は、両シート面から行なっているが、一方のシ
ート面から行なってもよい。
【0058】上記の前段硬化工程では、通常5〜85重
量%、好ましくは20〜60重量%の光重合性モノマー
の重合を行い、後段硬化工程においては、残余の光重合
性モノマーの重合を行なう。硬化条件としては次の様な
条件が推奨される。
【0059】すなわち、活性線の照射強度は、両工程共
に約60〜200w/cm、照射時間は、前段硬化工程
の場合0.5〜3分、後段硬化工程の場合2〜5分とさ
れる。そして、照射量は照射強度と照射時間の関係で決
定されるが、後段硬化工程における照射量を大きくする
のが好ましい。後段硬化工程の照射量は、前段硬化工程
に対し、通常1.5〜20倍、好ましくは5〜10倍で
ある。また、光重合性モノマー組成物(A)の温度は、
重合熱によって昇温する。本発明の場合、適宜の冷却手
段により、光重合性モノマー組成物(A)の温度は、前
段硬化工程で約100〜150℃、後段硬化工程で約1
40〜180℃の範囲に制御するのが好ましい。斯かる
温度制御により、製品物性(透明性、強度、均質性な
ど)の低下が抑制される。また、活性線照射設備として
は市販の設備を利用することが出来るが、後段硬化工程
の雰囲気は窒素などの不活性雰囲気とするのが好まし
い。なお、前段硬化工程の雰囲気は大気雰囲気であって
もよい。
【0060】また、後段硬化工程においては、前段硬化
工程で得られた重合シート(完全硬化前の透明樹脂基
板)に対して、長さ方向に0.2〜1N/cm2の張力を
掛け、且つ、幅方向に長手方向の1/5〜3/4の張力
を掛けるのが好ましい。斯かる態様の後段硬化工程によ
れば、重合シートの歪み(うねり)が防止され、より一
層平坦な透明樹脂基板が得られる。重合シートの長さ方
向および幅方向に張力を掛ける方法としては、例えば、
連続する多数のクリップが耳部を挟んで引張って走行す
るテンタークリップ方式を採用することが出来る。
【0061】図1に示す製造設備の場合は、前段硬化工
程用活性線照射設備(20)と後段硬化工程用活性線照
射設備(6)との間に耳部切断用カッター(5)が配置
されている。これにより、硬化したシート状光重合性モ
ノマー組成物の長手方向両端部の耳部(盛り上がり部)
が除去される。通常、耳部は、支持シートの剥離後、所
定サイズに切断する製品化工程で一緒に切断して除去さ
れる。斯かる方法による場合は、耳部の切断の際に製品
が破損して製品歩留まりが低下するという問題がある。
ところが、上記の様に、上部支持シート(30)を巻取
装置(35)で剥離する前に耳部を切断する、すなわ
ち、上部支持シート(30)と共に耳部を切断するなら
ば、製品の破損が防止される利点がある。耳部切断用カ
ッター(5)としてはレーザーカッターが好適に使用さ
れる。
【0062】上記の後段硬化工程終了後、得られた透明
樹脂基板は、適宜の手段で切断され、透明樹脂基板製品
(B)とされる。本発明においては、後段硬化工程終了
後であって上記の切断処理前において、必要に応じて熱
処理することが出来る。斯かる熱処理は、重合処理の仕
上げてとしての意味を有する。熱処理温度は、通常、1
50〜200℃、好ましくは150〜170℃とされ、
熱処理時間は、通常0.5時間以上、好ましくは0.5
〜2時間とされる。雰囲気は、不活性雰囲気または大気
雰囲気の何れであってもよい。
【0063】なお、図示を省略したが、後段硬化工程に
ベルトコンベアを配置することが出来る。この場合は、
通常、当該ベルトコンベアの上側に配置される活性線照
射設備のみで後段硬化が行なわれる。
【0064】本発明に係る方法で得られる透明樹脂基板
は優れた光線透過率を有し、その透過率は、通常75%
以上、好ましくは80%以上である。また、透明樹脂基
板の厚さは、その用途によって異なるが、通常0.1〜
5mm、好ましくは0.2〜1mmである。
【0065】上記の様にして得られた透明樹脂基板は、
液晶、有機ELなどのディスプレー基板、光学フィルタ
ー、光通信材料、太陽電池基板などの各種用途に好適に
利用される。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0067】実施例1 <光重合性モノマー組成物の調製>ビス(オキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン=ジアク
リレート94重量%とペンタエリスリトールテトラキス
(β−チオプロピオネート)6重量%との混合物100
重量部に対し、光重合開始剤として、ベンゾフェノン
0.05重量部と2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェニルフォスフィンオキサイド0.05重量部、増粘
剤として日本ゼオン社製「ZEONEX450」(ノボ
ルネン系開環重合体の水素添加物)3重量部を添加し、
粘度3000mPa・secの光重合性モノマー組成物
を調製した。
【0068】<透明樹脂基板の製造設備>図1に示すの
と同様の製造設備を使用した。下部支持シートには幅3
30mmであり鏡面仕上げされ且つシームレスのエンド
レススチールシート(70)、上部支持シート(30)
には幅330mmで厚さ100μmのポリエステルシー
ト(三菱化学ポリエステル社製「O300」)、活性線
照射設備(4)及び(6)にはメタルハライドランプ
(日本電池社製)、耳部切断用カッター(5)には水冷
式25W炭酸ガスレーザー(カンタムエレクトロニクス
社製)をそれぞれ使用した。
【0069】<透明樹脂基板の製造>先ず、エンドレス
スチールシート(70)及び上部支持シート(30)の
移送速度を1m/minsとし、ダイコーター(1)か
らエンドレススチールシート(70)上に光重合性モノ
マー組成物(A)を供給し、幅310mmで厚さ400
μmのシート状に成形した。
【0070】次いで、前段硬化工程用活性線照射設備
(4)により0.5分間で2J/cm 2の照射を行なっ
た。この際、光重合性モノマー組成物(A)の温度は、
空冷により130℃に保持した。因みに、前段硬化にお
いては、光重合性モノマーの約60重量%の重合が行わ
れた。
【0071】次いで、耳部切断用カッター(5)により
両端から20mmの位置で耳部を切断して除去した後、
巻取ローラ35)で上部支持シート(30)を剥離し
た。
【0072】次いで、後段硬化工程用活性線照射設備
(6)により5分間で25J/cm2の照射を行なっ
た。この際、光重合性モノマー組成物(A)の温度は、
空冷により160℃に保持した。その後、所定の長さに
切断して透明樹脂基板製品(B)を得た。得られた透明
樹脂基板製品(B)は均一且つ平坦な表面を有してい
た。
【0073】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、均一且つ
平坦な表面を有する透明樹脂基板の経済的に有利な連続
的製造方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明を実施するための製造設備の好ましい一例
の説明図
【符号の説明】
1:ダイコーター 4:前段硬化工程用活性線照射設備 5:耳部切断用カッター 6:後段硬化工程用活性線照射設備 30:上部支持シート 31:上部支持シート送給装置 32:案内ローラ 33:案内ローラ 34:案内ローラ 35:上部支持シート巻取装置 70:シームレスのエンドレススチールシート 72:駆動ローラ 74:駆動ローラ A:光重合性モノマー組成物 B:透明樹脂基板製品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 101:06 C08L 101:06 (72)発明者 石原 充 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA33 AA42 AA49 AA51 AA53 AF30 AF45 AG15 AH12 AH19 BA02 BB02 BB12 BC01 BC03 4F204 AA43 AA44 AC05 AD32 AE10 AG01 AJ02 AJ03 AR04 EA03 EA04 EB02 EF01 EF36 EK04 EK18 EK25 EW02 EW21 EW34 4J027 AB01 AC01 AE01 AG01 BA01 BA08 BA19 CA26 CB10 CC05 CD01 4J100 AL08Q AL66P BA03Q BC08P BC08Q BC12P BC12Q CA04 DA62 JA32 JA43

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移送される下部支持シート上に光重合性
    モノマー組成物を供給し、その上に下部支持シートと同
    速度で同一方向に移送される上部支持シートを積層した
    後、光重合性モノマー組成物に活性線を照射して硬化さ
    せる透明樹脂基板の連続的製造方法であって、一方の支
    持シートはシームレスのエンドレススチールシートで構
    成し、他方の支持シートは透明可撓性の合成樹脂樹脂シ
    ートで構成することを特徴とする透明樹脂基板の連続的
    製造方法。
  2. 【請求項2】 下部支持シートがシームレスのエンドレ
    ススチールシートであり、上部支持シートが透明可撓性
    の合成樹脂樹脂シートである請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 下部支持シート及び/又は上部支持シー
    トを透過させて活性線の照射を行なう前段硬化工程、お
    よび、両支持シートを剥離した後に活性線の照射を行な
    う後段硬化工程より成る請求項1又は2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前段硬化工程において光重合性モノマー
    の5〜85重量%を重合させ、後段硬化工程で残余の光
    重合性モノマーの重合を行なう請求項3に記載の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010018793A1 (ja) 2008-08-12 2010-02-18 三菱レイヨン株式会社 アクリル系樹脂シートを連続的に製造する方法
JP2011031575A (ja) * 2009-08-05 2011-02-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 積層体及び積層体の製造方法
JP2013006417A (ja) * 2005-03-31 2013-01-10 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd 透明フィルムの製造方法

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