JP2002011545A - 鋳造用模型及びその製作方法 - Google Patents

鋳造用模型及びその製作方法

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JP2002011545A
JP2002011545A JP2000194446A JP2000194446A JP2002011545A JP 2002011545 A JP2002011545 A JP 2002011545A JP 2000194446 A JP2000194446 A JP 2000194446A JP 2000194446 A JP2000194446 A JP 2000194446A JP 2002011545 A JP2002011545 A JP 2002011545A
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casting model
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Junichi Maruo
純一 丸尾
Kazuhiro Furusho
和博 古荘
Yatsuyoshi Inoue
弥強志 井上
Takahiro Tachibana
隆宏 立花
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度を向上して鋳造品に喰違いなどを発
生させず、質量を小さくして造型設備への負担を少なく
できる鋳造用模型と、製作時間及び製作費を少なく、切
削工具の摩耗損傷を少なく、また素材を有効に利用でき
る鋳造用模型の製作方法を得る。 【解決手段】 鋳造用模型は模型と定盤とが一体に形成
されており、また模型に定盤の裏側から盗み部が形成さ
れている。この鋳造用模型は、樹脂材で模型と定盤とが
一体で、鋳造品の輪郭形状に近く、また模型の裏側とな
る部分に盗み部を形成した原型を製作し、次にこの原型
で鋳造用模型の素材を製作し、機械加工を施すことで得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造用模型及びその製
作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、各種工業製品に多く用い
られる鋳造品は、生砂鋳型、シェル鋳型、コールドボッ
クス鋳型などを用いて多量に生産されてきている。この
うち生砂鋳型は、金枠内で定盤上に配置された鋳造用模
型に生砂を盛り込み、ジョルトやスクイーズなどで生砂
を突き固めた後、離型することで、上鋳型又は下鋳型の
一方が造型される。ここで鋳造用模型には、鋳造品の形
状・寸法をほぼ転写し、湯口、湯道、堰、押湯などの鋳
造方案が形成されている。そして、上鋳型と下鋳型同士
を組み合わせ、必要に応じて中空部を形成する中子を介
装してキャビティを形成し、これに金属溶湯を注入、凝
固させることで、鋳造品を得ている。
【0003】従来、金属材からなる鋳造用模型は、図4
(a)〜(f)に示す工程で製作されてきている。 (a)ブロック素材の製作(図4(a)) 例えば(JIS)FC300相当のねずみ鋳鉄などの角
材から、鋸盤などで模型43の寸法以上の大きさにブロ
ック素材43mを切り出す、又は(JIS)FC300
相当のねずみ鋳鉄などでブロック素材43mを鋳造し製
作する。
【0004】(b)一次荒切削加工(図4(b)) ブロック素材43mに、加工時の基準及び取付のため
に、下面43a及び取付ネジ孔43cを、フライス盤や
ボール盤などで切削加工する。次に、数値制御フライス
盤などで、直径50〜60mmの超硬フライス47など
でNC加工データにより切削加工し、模型43の概略直
線形状とした段差部43nを形成する。
【0005】(c−1)二次荒切削加工(図示せず) 次に、同じ数値制御フライス盤で、直径20〜30mm
の超硬ボールエンドミルなどでNC加工データにより二
次荒切削加工し、1〜2mmの取り代を残して概略輪郭
を形成する。
【0006】(c−2)中仕上切削加工(図示せず) 続いて、同じ数値制御フライス盤で、直径10〜20m
mの超硬ボールエンドミルなどでNC加工データにより
中仕上切削加工し、0.5〜1mmの取り代を残して概
略輪郭を形成する。
【0007】(c−3)仕上切削加工(図4(c)) 更に、同じ数値制御フライス盤で、直径10〜20mm
の超硬ボールエンドミル48でNC加工データにより仕
上切削加工し模型43の輪郭43oを形成して切削加工
を完了させる。なお、模型43は後述する定盤42への
配置数、例えば1〜8個を、上述した(a)〜(c)の
工程で同じように製作される。
【0008】(d)方案部の製作(図4(d)) 別途、模型43の湯口、湯道、堰、押湯などの方案部4
3dを、定盤への配置に合わせて製作する。
【0009】(e)定盤の製作(図4(e)) 一方、定盤42は、定盤用素材を鋳造で製作(図示せ
ず)し、その後、下面42e、上面42dに加え、上述
した模型43を取り付けるための彫り込み面42a、嵌
合部42bを機械加工する。更に、模型43を取付固定
するボルト46の挿通孔42cを切削加工する。なお、
定盤42には、模型43を配置する数分の彫り込み面4
2a、嵌合部42b、挿通孔42cを形成する。また、
定盤42を軽量化するため、逃げ部44を設け、かつ多
数のリブ45を形成する。
【0010】(f)模型と定盤の組立(図4(f)) そして、定盤42に配置する数分の模型43を嵌め込
み、ボルト46で固定して組み立て、更に、方案部43
dを加えて、鋳造用模型41を完成する。
【0011】ところで、実開昭60−126248号公
報には、模型と定盤とが一体に形成された鋳造用模型の
開示がある。これを図5により説明する。図5で、定盤
52上に設けられた金枠56内に模型53が設けらてい
る生砂鋳型51構造において、定盤52上に模型53が
一体形成されると共に定盤52の両側にガイド55が形
成され、金枠56の下部フランジ56bと定盤52間に
は押出し型58が介装され、また金枠56の下部フラン
ジ56bと押出し型58には生砂54に対する支持体5
9が付設されている。そして、この実開昭60−126
248号公報によれば、模型53の離型時に押出し型5
8の支持体59を介して生砂54が壊れることなく容易
に離型できるので、模型53の抜き勾配が減少でき、鋳
造品の重量軽減、加工代の低減が図れ、不良品が低減
し、全体的に低コストで鋳造品を製造することができる
としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図4に示す従来の鋳造用模型41は、以下のような課
題を有している。従来の鋳造用模型41は、定盤42に
機械加工した彫り込み面42a及び嵌合部42bと、模
型43に切削加工して形成した取付面43a及び嵌合部
43bとをボルトで嵌め合わせ固定する構造のため、切
削加工や組み立てにおいて位置や寸法に誤差が生じ易
く、修正作業が必要となる。また、誤差が生じた鋳造用
模型41で得られた鋳造品には、上鋳型又は下鋳型の見
切り部に喰違いが発生することもある。さらに、繰り返
し造型に使用されていくにつれ、ボルトがゆるみ模型と
定盤の位置がずれる問題もあった。
【0013】また、従来の鋳造用模型41は、模型43
をブロック素材43mから製作しているので、定盤42
と嵌合する嵌合部43bを有しており、機械加工後の模
型43の肉厚(t43)が厚くなって質量が大きくな
る。そしてこの鋳造用模型41を使用すると、ジョルト
及びスクイーズする造型設備、また搬送設備の耐久性を
低下させる虞がある。
【0014】また、従来の鋳造用模型41の製作では、
工程が上述のとおり(a)〜(f)と多く、製作に時間
がかかり、その分製作費が高くなる。模型43、方案部
43dを多数個製作するときは、更に製作時間、製作費
が問題となる。
【0015】また、従来の鋳造用模型41の製作では、
切削工具の摩耗損傷が激しい。特に、(b)一次切削械
加工、(c−1)二次荒切削加工では削り代が多く、超
硬フライス47の摩耗や損傷が多い。ブロック素材から
の製作は切り屑となって無駄になる部分が多く、また、
(b)一次荒切削加工、(c−1)二次荒切削加工での
切り屑発生量も多くなる。
【0016】一方、前記図5の実開昭60−12624
8号公報に開示される模型と定盤とが一体に形成された
鋳造用模型も、模型53の肉厚が厚くて鋳造用模型の質
量が大きい。そしてこの鋳造用模型を使用すると、ジョ
ルト及びスクイーズする造型設備、また搬送設備の耐久
性を低下させる虞がある。また、この鋳造用模型をブロ
ック素材から製作すると、切削工具の摩耗損傷が多く、
切り屑となって無駄になる部分が多く、また切り屑発生
量も多くなる。なお、実開昭60−126248号公報
には、模型53と定盤52とが一体形成される記載はあ
るが、その具体的な構成や方案部に関しての記載又は示
唆は見当たらない。
【0017】本発明の課題は、寸法精度を向上して鋳造
品に喰違いなどを発生させず、質量を小さくして造型設
備への負担を少なくできる鋳造用模型と、製作時間及び
製作費を少なく、切削工具の摩耗損傷を少なく、また素
材を有効に利用できる鋳造用模型の製作方法を得ること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、模型と定
盤とが一体でかつ鋳造品の輪郭形状に近く更に模型の裏
側となる部分に盗み部を形成した鋳造用模型の原型を樹
脂材で製作し、次にこの原型で鋳造用模型の素材を製作
することにより、上記課題が解決できるとの知見を得て
本発明に想到した。
【0019】具体的に第1の発明は、模型と定盤とが一
体に形成される鋳造用模型であって、前記模型に定盤の
裏側から盗み部が形成されていることを特徴とする鋳造
用模型である。
【0020】即ち、模型と定盤とを一体に形成すること
で、図4に示す従来の鋳造用模型41での定盤42への
彫り込み面42a及び嵌合部42bなどの切削加工が無
くなると共に、従来の鋳造用模型41での模型43の取
付面43a及び嵌合部43bなどの切削加工が無くな
り、工数を大幅に低減することができる。また、従来の
鋳造用模型41での定盤42と模型43の組み立てが無
くなり、定盤と模型との関係寸法に誤差が生じ難くな
る。このため、この鋳造用模型で得られた鋳造品には、
喰違いなどの発生が少なくなる。
【0021】また第1の発明において、模型に定盤の裏
側から盗み部を形成することで、鋳造用模型全体が軽量
化され、ジョルト及びスクイーズする造型設備、又搬送
設備に負担をかけることが少なくなり、耐久性が向上す
る。
【0022】次に第2の発明は、前記模型がねずみ鋳鉄
材などからなり、模型の主要部肉厚が50mm以下であ
ることを特徴とする鋳造用模型である。
【0023】鋳造用模型をねずみ鋳鉄材とし、模型の主
要部肉厚を50mm以下にすると、軽量化されると共に
模型を含め鋳造用模型全体に剛性を持たせることができ
る。そして、この鋳造用模型で造型すると高剛性である
ので鋳型の精度が確保でき、この鋳型を使用した鋳造品
は寸法精度が向上する。なお、上記での主要部肉厚と
は、後述するリブを含まない部分で造型時に主応力がか
かる部分の肉厚を言う。
【0024】次に第3の発明の、鋳造方案の少なくとも
一部が含まれて形成されていることを特徴とする鋳造用
模型である。鋳造用模型に鋳造方案の少なくとも一部を
含み形成することで、鋳造方案部を別体で製作してこれ
を定盤に取り付けることが無くなる。
【0025】次に第4の発明は、前記盗み部近傍に補強
リブが形成されていることを特徴とする鋳造用模型であ
る。盗み部近傍に補強リブを形成することで、鋳造用模
型の剛性が向上する。
【0026】次に、第5の発明は、樹脂材で模型と定盤
を一体にした原型を得る工程と、この原型を用い鋳造し
て鋳造用模型素材を得る工程と、前記鋳造用模型素材に
機械加工を施す工程、を含むことを特徴とするの鋳造用
模型の製作方法である。
【0027】樹脂材は金属材に比較して被削性が良いの
で、模型と定盤を一体に形成した原型は容易に機械加工
できる。この原型は、模型用素材として、機械加工する
ときの削り代を少なくできる。そして、樹脂材からなる
原型で砂鋳型を造型し、この砂鋳型にねずみ鋳鉄、例え
ば(JIS)FC300などからなる溶湯を注入し鋳造
する。鋳造品が冷却後、不要部を除去することで、鋳造
用模型用素材が得られる。そして、この鋳造用模型用素
材に機械加工を施す。
【0028】次に第6の発明は、前記原型の機械加工デ
ータを、鋳造品の設計データをオフセットして作成する
ことを特徴とする鋳造用模型の製作方法である。
【0029】鋳造品の数値データは、CADなどで予め
設計されていることが多い。この鋳造品の数値データに
オフセットして取り代を付し、又は更に鋳造品の膨張・
収縮を見込んで、定盤を一体とした鋳造用模型の原型の
機械加工データを作成する。一方、CADデータが予め
無い場合は新たに作成する。本第6発明によれば、従来
の製作方法でのブロック素材の製作、一次荒切削加工が
不要となり、製作時間及び製作費を少なくできる。
【0030】第7の発明は、前記樹脂材が発泡プラスチ
ック材であることを特徴とするの鋳造用模型の製作方法
である。樹脂材のなかでもウレタンなどからなる発泡プ
ラスチック材は、被削性が格段に良く取り扱いも容易で
ある。そして、マシニングセンタなどで、機械加工デー
タをもとに発泡プラスチック材の素材に加工を行う。
【0031】第8の発明は、前記模型用素材の機械加工
代を10mm以下としていることを特徴とする鋳造用模
型の製作方法である。模型用素材を鋳造品の輪郭形状に
僅かの加工代、好ましくは10mm以下とすると、切削
工具の摩耗損傷を少なくかつ素材を少なくでき、また無
駄な切り屑の発生を少なくすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)発明の実施の形
態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、実施の形
態1の鋳造用模型及びその製作方法を示す。図1で、
(a)は発泡ウレタン材で製作された鋳造用模型の原型
11の要部断面図、(b)はねずみ鋳鉄からなる鋳造用
模型1の要部断面図である。実施の形態1の鋳造用模型
1を用いて造型後鋳造された鋳造品(図示せず)は自動
車の排気マニホルドであり、鋳造品単体の大きさは約2
00mm×600mm×300mmである。なお、排気
マニホルドの鋳造用模型は、上型、下型、中子取型があ
るが、この実施の形態1では上型のみを説明する。
【0033】先ず、排気マニホルドのCADデータを用
い、このCADデータから模型に相当する部分を抽出、
かつ定盤と組み合わせ、また湯口、湯道などの方案部を
追加し、これに加工代分を付し又は更に排気マニホルド
を鋳造時の膨張・収縮を見込み、原型製作用のCAMデ
ータを作成する。
【0034】次に、図示しないが、ブロック状の発泡ウ
レタン素材をマシニングセンタのテーブル上に取り付
け、前述したCAMデータにより加工を行う。これによ
り、模型と定盤が一体形成され、模型の裏側となる部分
に盗み部14が形成された、図1(a)に示す発泡ウレ
タン材からなる原型11が得られる。
【0035】次に、原型11で砂鋳型を造型して鋳造用
模型素材のキャビティを形成する。そして、このキャビ
ティ内にねずみ鋳鉄、例えば(JIS)FC300組成
の溶湯を注入し鋳造する。鋳造品が冷却後、不要部を除
去することで、図1(b)に二点鎖線3nで示す鋳造用
模型用素材が得られる。
【0036】次に、鋳造用模型用素材3nに対し、定盤
2の下面2eを切削加工後、前述したCAMデータを用
い、模型3の概略輪郭を、直径10〜20mmの超硬ボ
ールエンドミルにより中仕上切削加工し、0.5〜1m
mの取り代を残す。
【0037】そして、前述したCAMデータを更に用
い、中仕上切削加工後、模型3の輪郭3nを、直径10
〜20mmの超硬ボールエンドミルにより仕上切削加工
し、模型3の機械加工を完了させる。ここで、模型3は
鋳造品部に加え方案部2aを含んで一体に、また模型3
の肉厚(t3)は50mm以下の30mmとしている。
【0038】実施の形態1の鋳造用模型1は、模型3と
定盤2とが一体に形成されているので、定盤に模型取り
付けのための彫り込み部が不要となり、またこの彫り込
み部に嵌合固定される模型の嵌合部加工も不要となる。
かつこれらの加工精度、及び組み立て精度の影響が無く
なり、模型3と定盤2を含めた鋳造用模型1全体の寸法
精度が向上する。また、鋳造用模型1の製造において
は、工程が短縮され、製作時間、製作費が少なくなる。
また加工代を少なくしているので切削工具の摩耗損傷が
少なくなる。また、素材が有効に利用できる。
【0039】(実施の形態2)図2は、実施の形態2の
鋳造用模型を示す。図2で、(a)は鋳造用模型21の
平面図、(b)は鋳造用模型21の要部断面図である。
なお、鋳造品は自動車の差動装置用ギヤケースであり、
鋳造品単体の大きさは約300mm×300mm×21
0mmである。なお、ギヤケースの鋳造用模型は、上
型、下型、中子取型があるが、この実施の形態2では上
型のみを説明する。
【0040】先ず、ギヤケースのCADデータを用い、
このCADデータから模型に相当する部分を抽出、かつ
定盤と組み合わせ、これに機械加工代分を付し又は更に
ギヤケースを鋳造時の膨張・収縮を見込み、原型製作用
のCAMデータを作成する。
【0041】次に、図示しないが、積層樹脂素材を設置
し、前述したCAMデータにより積層を行う。これによ
り、模型と定盤が一体形成され、模型の裏側となる部分
に盗み部が形成された積層樹脂材の原型(図示せず)が
得られる。
【0042】次に、積層樹脂材の原型に、湯口、湯道な
ど方案部を追加し、これで砂鋳型を造型して鋳造用模型
素材のキャビティを形成する。そして、このキャビティ
内にねずみ鋳鉄、例えば(JIS)FC300からなる
溶湯を注入し鋳造する。鋳造品が冷却後、不要部を除去
して、鋳造用模型用素材(図示せず)が得られる。
【0043】次に、鋳造用模型用素材に対し、図2
(b)での定盤22の下面22eを切削加工後、前述し
たCAMデータを更に用い、模型23の概略輪郭を、直
径10〜20mmの超硬ボールエンドミルにより中仕上
切削加工し、0.5〜1mmの取り代を残す。
【0044】そして、前述したCAMデータを更に用
い、中仕上切削加工後、模型23の輪郭を、直径10〜
20mmの超硬ボールエンドミルにより仕上切削加工
し、模型23の機械加工を完了させる。ここで、模型2
3は鋳造品部に加え方案部23aを含んで一体に形成
し、また、模型23の肉厚(t23)は50mm以下の
40mmとしている。
【0045】実施の形態2の鋳造用模型21は、模型2
3と定盤22とが一体に形成されているので、定盤に模
型取り付けのため彫り込み部が不要となり、またこの彫
り込み部に嵌合固定される模型の嵌合部加工が不要とな
り、かつこれらの加工精度、及び組み立て精度の影響が
無くなり、模型23と定盤22を含めた鋳造用模型21
全体の寸法精度が向上する。また、鋳造用模型21の製
作においては、工程が短縮され、製作時間、製作費が少
なくなる。また、機械加工代を少なくしているので切削
工具の摩耗損傷が少なくなる。また、素材が有効に利用
できる。
【0046】(実施の形態3)本発明は、上述した実施
の形態1又は実施の形態2に限るものではないことは勿
論であり、例えば、シェル鋳型の造型用金型、コールド
ボックス鋳型の造型用金型に応用するなど、種々の態様
が可能である。例えば図3は、砂中子39の造型用金型
31の要部断面図である。なお、図3では、型合わせ部
からの一方の造型用金型31のみを示す。なお、この砂
中子は排気マニホルド鋳造用のものである。造型用金型
31は、ベース32、造型部33、盗み部34、押出ピ
ン35、この押出ピン35を同時に押す押出板38など
からなる。この実施の形態3は、前述した実施の形態1
及び実施の形態2での、鋳造用模型を造型用金型31
に、定盤をベース32に、模型を造型部33と置き換え
た構成と解釈することができる。
【0047】先ず、排気マニホルドのCADデータを用
い、このCADデータから造型部33に相当する部分を
抽出し、かつベースと組み合わせ、これに機械加工代分
を付し又は更に排気マニホルドを鋳造時の膨張・収縮を
見込み、原型製作用のCAMデータを作成する。
【0048】次に、図示しないが、発泡ウレタン材をマ
シニングセンタのテーブル上に取り付け、前述したCA
Mデータにより機械加工を行う。これにより、造型部と
ベースが一体形成され、造型部の裏側となる部分に盗み
部が形成された発泡ウレタン材の原型(図示せず)が得
られる。
【0049】次に、発泡ウレタン材の原型で砂鋳型を造
型して造型用金型素材のキャビティを形成する。そし
て、このキャビティ内にねずみ鋳鉄、例えば(JIS)
FC300からなる溶湯を注入し鋳造する。鋳造品が冷
却後、不要部を除去して、造型用金型素材(図示せず)
が得られる。
【0050】次に、造型用金型素材に対し、前述したC
AMデータを更に用い、造型部33や見切り部などを中
仕上切削加工、仕上切削加工し、造型用金型31の機械
加工を完了させる。
【0051】実施の形態3によればこの造型用金型31
は、工程が短縮され、製作時間、製作費が少なくなる。
また、機械加工代を少なくしているので切削工具の摩耗
損傷が少なくなる。また、素材が有効に利用できる。
【0052】
【実施例】図1に示す排気マニホルドの鋳造用模型11
の模型精度、質量、製作時間、この模型で造型、鋳造し
た鋳造品の喰違いの発生率について調査し、これを実施
例1とした。一方、模型を定盤に貼り付けた図4の排気
マニホルドの鋳造用模型41の模型精度、質量、製作時
間、この模型で造型、鋳造した鋳造品の喰違いの発生率
について調査し、これを比較例1とした。また、図2に
示す差動装置用ギヤケ−スの鋳造用模型31の模型精
度、質量、製作時間、この模型で造型、鋳造した鋳造品
の喰違いの発生率について調査し、これを実施例2とし
た。一方、模型を定盤に貼り付けた差動装置用ギヤケ−
スの鋳造用模型の模型精度、質量、製作時間、模型で造
型、鋳造した鋳造品の喰違いの発生率について調査し、
これを比較例2とした。上記の実施例1、2及び比較例
1、2の調査結果を表1に示す。
【0053】
【表1】 鋳造用模型 鋳造品 寸法精度 質量 製作時間 製作費 喰違い (mm) (kg) (%) (%) (%) 実施例1 ±0.1以内 540 65 70 0 比較例1 ±0.2以内 640 100 100 3 実施例2 ±0.1以内 570 63 68 0 比較例2 ±0.2以内 680 100 100 3
【0054】表1から、実施例1は比較例1に対して、
鋳造用模型の寸法精度、質量、製作時間比率、製作費比
率や喰違いの点で優れていることがわかる。また、実施
例2は比較例2に対して、鋳造用模型の寸法精度、質
量、製作時間比率、製作費比率や喰違いの点で優れてい
ることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の鋳造用模型は、寸法精度を向上
して鋳造品に喰違いなどを発生させず、質量を小さくし
て造型設備への負担を少なくできる。また本発明の鋳造
用模型の製作方法によれば、製作時間及び製作費を少な
く、切削工具の摩耗損傷を少なく、また素材を有効に利
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の鋳造用模型及びその製作方法
を示し、(a)は鋳造用模型の発泡ウレタンからなる原
型の要部断面図、(b)は片状黒鉛鋳鉄からなる鋳造用
模型の要部断面図である。
【図2】 実施の形態2の鋳造用模型を示し、(a)は
鋳造用模型の平面図、(b)は鋳造用模型の要部断面図
である。
【図3】 実施の形態3の砂中子の造型用金型の要部断
面図であり、型合わせ部からの一方のみを示す。
【図4】 従来の金属材からなる鋳造用模型の工程を示
す図である。
【図5】 実開昭60−126248号公報に開示す
る、模型と定盤とが一体に形成された鋳造用模型を含む
図である。
【符号の説明】
1,21,41:鋳造用模型、 11:原型、2,
22,42,52:定盤、 3,23,43,4
3,53:模型、3a,23a,43d:方案部、
3n,43o:輪郭、4,24、34,44:盗み部、
5,25,45:リブ、t3,t23,t43:肉
厚、 31:造型用金型、32:ベース、
33:造型部、43m:ブロック素材、
43n:段差部、46:ボルト、
47:超硬フライス、48:超硬ボールエン
ドミル、 51:生砂鋳型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立花 隆宏 福岡県京都郡苅田町長浜町35番地 日立金 属株式会社九州工場内 Fターム(参考) 4E093 FB10 FC01 FC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 模型と定盤とが一体に形成される鋳造用
    模型であって、前記模型に定盤の裏側から盗み部が形成
    されていることを特徴とする鋳造用模型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鋳造用模型は、ねずみ
    鋳鉄材などからなり、前記模型の主要部肉厚が50mm
    以下であることを特徴とする鋳造用模型。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の鋳造用模
    型は、鋳造方案の少なくとも一部が含まれて形成されて
    いることを特徴とする鋳造用模型。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3何れかに記載の鋳
    造用模型は、前記盗み部近傍に補強リブが形成されてい
    ることを特徴とする鋳造用模型。
  5. 【請求項5】 樹脂材で模型と定盤を一体にした原型を
    得る工程と、この原型を用い鋳造して鋳造用模型素材を
    得る工程と、前記鋳造用模型素材に機械加工を施す工
    程、を含むことを特徴とする鋳造用模型の製作方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の鋳造用模型の製作方法
    において、前記原型の機械加工データは、鋳造品の設計
    データをオフセットして作成されることを特徴とする鋳
    造用模型の製作方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の鋳造用模
    型の製作方法において、前記樹脂材が発泡プラスチック
    材であることを特徴とする鋳造用模型の製作方法。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7何れかに記載の鋳
    造用模型の製作方法において、前記模型用素材は機械加
    工代を10mm以下としていることを特徴とする鋳造用
    模型の製作方法。
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