JP2002009731A - Ofdm復調回路とofdm受信装置 - Google Patents

Ofdm復調回路とofdm受信装置

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JP2002009731A
JP2002009731A JP2000191312A JP2000191312A JP2002009731A JP 2002009731 A JP2002009731 A JP 2002009731A JP 2000191312 A JP2000191312 A JP 2000191312A JP 2000191312 A JP2000191312 A JP 2000191312A JP 2002009731 A JP2002009731 A JP 2002009731A
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ofdm
fast fourier
circuit
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Masahiko Sugimoto
雅彦 杉本
Takashi Seki
隆史 関
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一のFFT回路で、ウィンドウサーチの高
速化を図り、回路規模と消費電力を削減する。 【解決手段】 FFT回路104は、1回目、2回目そ
れぞれで、FFTウィンドウ信号が活性化すると、内部
で保持してあるIQ復調器103からのデータに対して
処理を開始する。1回目と2回目それぞれにおいて、バ
ッファ107ではFFT回路104の出力データを保存
し、S/N検出回路106ではS/N値を計算し、FF
Tウィンドウ制御回路A105に出力する。FFTウィ
ンドウ制御回路A105では、1回目と2回目とでFF
Tウィンドウのサーチ開始位置、方向を異ならせ、どち
らのS/N値がよいか判定し、バッファ107にS/N
値がよい方のFFT演算結果を選択させる。最終的に、
選択データをデータ復調回路108に入力し、受信デー
タを復調する。これにより、課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OFDM(直交周
波数分割多重)信号を受信するOFDM受信装置に係
り、特にOFDM復調回路におけるFFTウィンドウの
位置制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地上デジタル放送において、直交
周波数分割多重(以下、OFDM)変調方式が注目され
ている。以下、本発明に関連する従来の技術について説
明する。
【0003】OFDMはマルチパス妨害に強いという特
徴をもっており、SFN(単一周波数ネットワーク)を
構築できる伝送方式として期待されている。そして周波
数有効利用の観点から、SFN上で地上デジタル放送を
実施することが検討されている。
【0004】しかし、実際の野外環境では、許容範囲を
越えるような長い遅延時間をもつマルチパス妨害の存在
が容易に予測できる。そして、OFDMサブキャリアが
多値QAM変調(例えば64QAM変調)されたときの
伝送を考えると、そのような遅延時間の大きいマルチパ
ス妨害下においては、復調処理の中で行なわれる高速フ
ーリエ変換(以下、FFT)の処理範囲を決める時間窓
(以下、ウィンドウ)のスタートタイミング(ウィンド
ウ開始位置)が受信状態の変化に大きく影響することが
知られている。
【0005】このような長い遅延時間の前ゴーストを含
むマルチパス環境下で、FFTウィンドウ位置を最適に
制御するためには、ウィンドウ位置を適宜変更しながら
OFDM信号を復調し、その復調結果を評価して最も受
信状態の良いウィンドウ位置を探索するという方法が考
えられる。
【0006】但し、ウィンドウサーチにかかる時間はデ
ータ復調までのロスタイムとなるため、この方法を実施
するにあたり、ウィンドウサーチの高速化が要求され
る。この要求に対し、従来のOFDM受信装置では、複
数のFFT回路を用いて互いに異なる時間領域をサーチ
することで対応している。
【0007】しかしながら、OFDM伝送による地上デ
ジタル放送を考慮した場合、要求されるFFTのポイン
ト数は数千ポイントになり、受信装置全体に占めるFF
Tの回路規模は大きい。さらに、この大規模なFFT演
算をリアルタイムで高速に処理する必要があり、そのた
めに費やされる消費電力も無視できない。したがって、
FFT回路を複数個備えることは、受信装置全体として
のコストや省電力化の面でマイナスになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
OFDM受信装置に用いられるOFDM復調回路は、複
数のFFT回路を備えることで高速なウィンドウサーチ
を実現しているが、受信装置全体に占めるFFTの回路
規模が大きく、さらにFFT演算のために費やされる消
費電力も無視できないため、受信装置全体としてのコス
トや省電力化の面でマイナスになっている。
【0009】本発明は、上記の問題を解決し、ウィンド
ウサーチの性能を低下させることなく、回路規模と消費
電力を削減したOFDM復調回路と、このOFDM復調
回路を用いたOFDM受信装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、OFDM(直交周波数分割多重)信号を
入力して、当該OFDM信号により伝送されるデータを
復調するOFDM復調回路において、前記OFDM信号
を入力して有効シンボル期間相当のウィンドウ内を高速
フーリエ変換することで時間領域から周波数領域の信号
に変換するもので、1シンボル期間にN(N≧2)回、
前記ウィンドウ内を高速フーリエ変換する演算能力を有
し、各回の前記ウィンドウの位置をウィンドウ信号に基
づいて設定する高速フーリエ変換器と、この高速フーリ
エ変換器に対する各回のウィンドウ信号を生成し、各ウ
ィンドウ信号の位相制御により各回のウィンドウ位置を
制御するもので、1シンボル期間中に、ウィンドウ信号
の位相を変化させながら前記高速フーリエ変換器に最大
M回(M≦N)の演算処理を行なわせる高速フーリエ変
換器制御手段と、前記高速フーリエ変換器で処理された
最大M回の演算結果についてそれぞれの信号品質を検出
する信号品質検出手段と、前記高速フーリエ変換器で処
理された最大M回の演算結果の中から前記信号品質検出
手段の検出結果に基づいて一つの演算結果を選択する選
択手段と、この選択手段で選択された演算結果から前記
OFDM信号により伝送されるデータを復調するデータ
復調手段とを具備することを特徴とする。
【0011】上記構成によるOFDM復調回路では、通
常のN(N≧2)倍の速度で演算可能な一つの高速フー
リエ変換器を用いて、1シンボル期間に最大M回(M≦
N)処理させるものとし、それぞれの分割期間でウィン
ドウ位置を個別に制御可能とし、ウィンドウ位置を変化
させながら高速フーリエ変換器から出力される最大M回
の演算結果それぞれの信号品質が例えば最良となるとき
の演算結果を選択してデータ復調を行うようにしている
ので、ウィンドウサーチのために高速フーリエ変換器を
複数個備えた従来のOFDM復調回路と比較して、ウィ
ンドウサーチの効率を高めることができ、1個の高速フ
ーリエ変換器で対応できることから、回路規模と消費電
力の削減を実現することができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0013】(第1の実施形態)図1は本発明における
OFDM受信装置の第1の実施形態の構成を示すブロッ
ク図である。図1において、図示しないアンテナによっ
て受信された信号は、チューナ101によってIF帯に
周波数変換された後、A/D変換器102によってデジ
タル信号に変換され、さらにIQ復調器103により複
素ベースバンド信号に変換される。IQ復調器103に
より得られた複素ベースバンド信号はFFT回路104
に入力される。このFFT回路104は、FFTウィン
ドウ制御回路A105から出力されるFFTウィンドウ
信号をウィンドウ位置を示す信号として受け取り、FF
Tウィンドウ信号が活性化することによってFFT処理
を開始する。
【0014】ここで、FFT回路104は通常の2倍の
速さで動作し、1シンボル期間の半分以下の時間で処理
を完了するように設計される。また、IQ復調器103
とFFT回路104との間のデータ処理タイミングの違
いを吸収するため、FFT回路104の内部にはバッフ
ァ回路が備えられ、2回のFFT処理が正常に行なわれ
るように設計される。
【0015】FFT回路104の出力はS/N検出回路
106とバッファ107に入力される。バッファ107
は、FFT回路104の出力データをいったん保持し、
FFTウィンドウ制御回路A105から出力される出力
選択信号に応じてデータを選択し、後段にあるデータ復
調回路108の処理速度に合わせて選択されたデータを
データ復調回路108に出力する。一方、S/N検出回
路106は、FFT後のデータに対してS/N値を計算
し、その計算結果をFFTウィンドウ制御回路A105
に出力する。S/N検出回路106の詳細な動作につい
ては後述する。
【0016】FFTウィンドウ制御回路A105は、入
力されたS/N値と既定のアルゴリズムに基づいて、次
のFFT処理に用いられるFFTウィンドウ信号を生成
する。FFTウィンドウ制御回路A105での詳細な動
作についても後述する。
【0017】図2は上記構成のOFDM受信装置におけ
る、各シンボル期間とFFTによる復調時間との関係を
示している。この関係から明らかのように、本実施形態
では一つのFFT回路104を1シンボル期間に2回動
作させることを特徴としている。
【0018】2回目のFFTウィンドウ信号が活性化す
ると、FFT回路104は内部で保持してあるIQ復調
器103からのデータに対してFFT処理を開始する。
以下、1回目の処理と同様に、バッファ107ではFF
T回路104の出力データを保存し、S/N検出回路1
06ではS/N値を計算し、FFTウィンドウ制御回路
A105に出力する。
【0019】FFTウィンドウ制御回路A105では、
最初のS/N値と2回目のS/N値から信号の受信状態
をそれぞれ判定し、バッファ107に対して出力選択信
号を出力する。バッファ107では出力選択信号に基い
て、1回目と2回目の復調データのうちのいずれかをデ
ータ復調回路108に出力する。最終的にデータ復調回
路108で受信データが得られる。
【0020】ここで、前述のS/N検出回路106につ
いて説明する。
【0021】図3はS/N検出回路106の具体的な構
成を示すブロック図である。図3において、2乗回路1
061,1062はFFT回路104から出力された複
素データを入力し、それぞれ2乗値を算出する。2乗回
路1061,1062で得られた2乗値は、加算回路1
063で加算された後、加算回路1064及びレジスタ
1065による累積加算回路によって累積加算される。
【0022】但し、レジスタ1065はOFDMシンボ
ルの開始時点で初期化(クリア)され、CTRL信号に
よって書き込みが制御される。このCTRL信号を生成
する制御回路(図示せず)は、OFDM信号のうち振幅
が0になるように送信側で設定された周波数成分に対し
てのみ累積加算値を計算するように設計される。
【0023】このようにして算出される累積加算値は、
伝送路が理想的な場合には0になるが、実際の伝送路に
おいては、雑音やマルチパス等の各種妨害が付加される
ため、必ずしも0になるとは限らない。また、累積加算
値は付加される雑音や各種妨害の大きさに比例する、と
考えられる。したがって、複数の復調結果に対してそれ
ぞれの受信状態を評価する場合には、この累積加算値が
小さい方が受信状態が良い、と判断することができる。
そこで、本実施形態では、この累加算値をS/N値とし
て出力する。
【0024】次に、前述のFFTウィンドウ制御回路A
105について説明する。
【0025】図4はFFTウィンドウ制御回路A105
の具体的な構成を示すブロック図である。図4におい
て、まず、最初に出力選択信号を生成するまでの処理に
ついて説明する。出力選択信号を生成するまでの処理は
単純で、回路に入力されるS/N検出値に対して、レジ
スタ1050及び比較器(COMP)1051によって
1回目と2回目のS/N値を比較し、S/N値が小さい
方を示す信号を出力選択信号outselとして出力する。
【0026】次に、FFTウィンドウ信号を生成するま
での処理を説明する。初期ウィンドウ設定回路1054
はウィンドウ位置Kを入力とし、現在よりも一つ前のシ
ンボル期間において、最終結果として採用されたデータ
を復調したときのウィンドウ位置を出力する。一方、レ
ジスタ1056は、初期状態でウィンドウ位置Kに与え
る変化量を保持し、上記出力選択信号outselをトリガと
して、符号反転回路1055による自出力の符号反転値
を保持する構成となっている。これによりレジスタ10
56に保持された現在のウィンドウ位置Kに対する変化
量は加算回路1057によりレジスタ1059の出力に
加算された後、初期ウィンドウ設定回路1054の出力
と共にマルチプレクサ(MUX)1058に入力され
る。
【0027】マルチプレクサ1058は、FFTの処理
単位で選択信号を切り替えてセレクタ1059に出力す
る。これにより、レジスタ1059の保持データは、1
回目のFFT処理においては、初期ウィンドウ設定回路
1054の出力値Kに設定され、2回目のFFT処理に
おいては、現在のウィンドウ位置Kからレジスタ105
6に保持されている変化量分だけ変化した値に設定され
る。
【0028】カウンタ(COUNTER)1052はデ
コーダ(DEC)1053からのクリア信号CLEAR
によって初期化(クリア)された後、クロック信号CK
をカウントし、カウント値をデコーダ1053に出力す
る。デコーダ1053は、カウンタ1052のカウント
値をデコードし、カウント値Kを検出して検出信号を生
成(アサート)し、この検出信号をFFTウィンドウ信
号とCLEAR信号として出力する。
【0029】ここで、出力選択信号として、1回目と2
回目のうち、1回目の復調結果が採用された場合を考え
る。これは2回目のS/N値が悪くなったことを意味し
ており、2回目の復調時において、信号を劣化させる方
向にウィンドウ位置を変化させたということである。し
たがって、次のシンボル期間における2回目の復調時に
は、今回とは反対方向にウィンドウ位置を変化させる。
そのために、レジスタ1056に保持されている変化量
の符号を反転させる。一方、2回目の復調結果が採用さ
れた場合には、次回も今回と同じ方向に変化させて、S
/N値のさらなる改善を試みる。よって、この場合には
変化量の符号反転は行なわない。
【0030】したがって、上記構成のOFDM受信装置
によれば、一つのFFT回路104を1シンボル期間に
2回動作可能とし、それぞれの分割期間でウィンドウ位
置を互いに逆方向にサーチさせ、S/N値の良否から次
回のサーチ方向を決定するようにしているので、ウィン
ドウサーチのためにFFT回路を複数個備えた受信装置
と比較して、ウィンドウサーチの効率を高めることがで
き、1個のFFT回路で対応できることから、回路規模
と消費電力の削減を実現することができる。
【0031】(第2の実施形態)図5は本発明における
OFDM受信装置の第2の実施形態の構成を示すブロッ
ク図である。尚、図5において、図1と同一部分には同
一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略す
る。
【0032】図5において、IQ復調器103により得
られた複素ベースバンド信号はFFT回路110に入力
される。このFFT回路110は、FFTウィンドウ制
御回路B111からFFTウィンドウ信号をウィンドウ
位置信号として受け取り、FFTウィンドウ信号が活性
化すると処理を開始する。但し、受信状態判定回路11
2からのFFT enab1e信号が不活性の場合、この信号が活
性化するまでFFT回路110は動作しないものとす
る。
【0033】FFT回路110は通常の2倍の速さで動
作し、1シンボル期間の半分以下の時間で処理を完了す
るように設計される。また、IQ復調器103とFFT
回路110との間のデータ処理タイミングの違いを吸収
するため、FFT回路110の内部にはバッファ回路が
備えられ、2回のFFT処理が正常に行なわれるように
設計される。
【0034】さらに、受信状態判定回路112からのFF
T enab1e信号は、1シンボル期間の最初では必ず活性化
するように設計される。これにより各シンボル期間にお
いて少なくとも1回はFFT処理が行なわれる。
【0035】FFT回路110の出力データはS/N検
出回路106とデータ復調回路113に入力される。S
/N検出回路106では、FFT後のデータからS/N
値を計算し、FFTウィンドウ制御回路B111と受信
状態判定回路112に出力する。
【0036】図6はFFTウィンドウ制御回路B111
の具体的な構成を示すブロック図である。図6におい
て、第1の実施形態で説明した図4と比較して、出力選
択信号を外部に出力するかどうかの違いがあるだけであ
り、個々の回路動作は同じである。よって、ここでは詳
細な回路動作の説明は省略する。図6において、レジス
タ1110、比較器1111、カウンタ1112、デコ
ーダ1113、初期ウィンドウ設定回路1114、符号
反転回路1115、レジスタ1116、加算回路111
7、マルチプレクサ1118、レジスタ1119は、図
4に示した符号1050〜1059のブロックと同様に
機能する。
【0037】図7は受信状態判定回路112の具体的な
構成を示すブロック図である。この判定回路112は、
S/N検出回路106からのS/N検出信号sn_signal
と規定レベル発生回路1121で発生される規定レベル
ref_levelとを比較回路1122でレベル比較する。そ
の比較結果はデータ復調enable信号としてデータ復調回
路113に出力すると共に、インバータ回路1123に
より反転して、FFT enable信号としてFFT回路110
に出力する。
【0038】すなわち、比較回路1122において、S
/N検出信号が規定レベルに満たない(sn_signal<ref
_level)ときは、データ復調enable信号が活性状態、FF
T enable信号が不活性状態となって出力される。S/N
検出信号が規定レベル以上(sn_signal≦ref_level)の
ときは、データ復調enable信号が不活性状態、FFT enab
le信号が活性状態となって出力される。
【0039】上記構成の受信状態判定回路112によれ
ば、S/N値が既定レベルより下にあって、受信状態が
良好であると判断できる場合には、2回目のFFT処理
をスキップするためにFFT enable信号を不活性にす
る。さらにデータ復調enable信号を活性化し、1回目の
データに対して後段のデータ復調処理を行なうように制
御する。逆にS/N値が規定レベルを越え、受信状態が
不良であると判断できる場合には、FFT enab1e信号
を活性化し、データ復調enab1e信号を不活性にする。こ
れによりFFT回路110は、1回目とは異なるウィン
ドウ位置で処理し、データ復調回路113は後段の処理
の開始を待機する。
【0040】FFT回路110がデータ出力を開始して
から受信状態判定回路112のデータ復調enable信号が
有効になるまでには、S/N検出回路106での処理遅
延があるが、その間にデータ復調回路113に入力され
るデータについては、データ復調回路113の内部にバ
ッファ回路を設けて、このバッファ回路に保持すること
で処理遅延を吸収する。
【0041】したがって、上記構成のOFDM受信装置
によれば、一つのFFT回路110を1シンボル期間に
2回動作可能とし、1回目の分割期間でウィンドウ位置
をサーチさせ、そのときのS/N値が良好であるときは
2回目の分割期間におけるウィンドウ位置のサーチをス
キップするようにし、S/N値が許容範囲を超えるとき
には2回目の分割期間で1回目とは異なる位置からサー
チを行なうようにしているので、必ずしも2回サーチを
行なう必要がなくなる。この結果、第1の実施形態のO
FDM受信装置と比較して、ウィンドウサーチの効率を
高めることができ、かつ演算量の低減から消費電力を削
減することができる。また、この実施形態においても、
1個のFFT回路で対応できることから、回路規模と消
費電力の削減を実現することができる。
【0042】(第3の実施形態)図8は本発明における
OFDM受信装置の第3の実施形態の構成を示すブロッ
ク図である。尚、第1の実施形態で説明した図1との相
異点は、FFTウィンドウ制御回路だけであり、全体的
な処理の流れは第1の実施形態と変わらないので、図1
と同一部分には同一符号を付して示し、ここではFFT
ウィンドウ制御回路C114についてのみ説明する。
【0043】図9は図8に示すFFTウィンドウ制御回
路C114の具体的な構成を示すブロック図である。図
9において、レジスタ1140、比較器1141、カウ
ンタ1142、デコーダ1143、初期ウィンドウ設定
回路1144、加算回路1146、マルチプレクサ11
47、レジスタ1148は、図4に示した符号1050
〜1054,1057〜1059のブロックと同様に機
能する。
【0044】すなわち、図9において、第1の実施形態
の中で説明した図4との相異点は、ウィンドウ位置の変
化量を設定する部分だけである。具体的には、図4では
符号反転回路1055とレジスタ1056であり、図9
では変化量設定回路1145である。
【0045】前者では変化量の絶対値は常に一定である
が、後者では検出されたS/N値sn_signalに適応して
絶対値を変化させている。つまり、S/N値が悪い場合
には変化量を大きくして引き込み時間の短縮を図り、S
/N値が良い場合には変化量を小さくしてより綴密なウ
ィンドウサーチを行なうようにしている。尚、S/N値
の判定結果に応じて、変化量の符号を反転させる機能は
両者に共通である。
【0046】したがって、上記構成のOFDM受信装置
によれば、一つのFFT回路104を1シンボル期間に
2回動作可能とし、それぞれの分割期間でウィンドウ位
置を互いに逆方向にサーチさせ、S/N値の良否から次
回のサーチ方向を決定すると共に、S/N値の良否に応
じてサーチ変化量を制御するようにしているので、第1
の実施形態のOFDM受信装置に比較して、よりいっそ
うウィンドウサーチの効率を高めることができる。ま
た、この実施形態においても、1個のFFT回路で対応
できることから、回路規模と消費電力の削減を実現する
ことができる。
【0047】(第4の実施形態)図10は本発明におけ
るOFDM受信装置の第4の実施形態の構成を示すブロ
ック図である。
【0048】図10において、第1の実施形態で説明し
た図1との相異点は、FFTウィンドウ制御回路に入力
する信号と、その信号を生成するための回路が新規に追
加されているところである。これらの追加による影響
は、FFTウィンドウ制御回路の出力のうちのFFTウ
ィンドウ信号だけであり、全体的な処理の流れは第1の
実施形態と変わらない。
【0049】そこで、図10において、図1と同一部分
には同一符号を付して示し、ここではガード相関検出回
路115とインパルス応答検出回路117及びFFTウ
ィンドウ制御回路D116についてのみ説明する。但
し、ガード相関を検出するためには、OFDM信号が、
1シンボル期間がガード期間と有効シンボル期間からな
り、有効シンボル期間内の一部がガード期間に複写され
た信号である必要がある。
【0050】まず、ガード相関検出とインパルス応答検
出の概略を説明する。両者は共にウィンドウ位置を検出
する手段の1つとして一般的に知られている。
【0051】ガード相関検出は、時間領域でのOFDM
信号がガード期間と有効シンボル期間で構成され、か
つ、ガード期間は有効シンボル期間の一部を複写したも
のであるという特徴を利用している。すなわち、時間領
域信号と、それを有効シンボル期間遅延した信号との間
で相関演算を施すと、その結果はガード期間と有効シン
ボル期間の境界でピークを示す。このピーク位置を検出
することでウィンドウ位置を制御する。
【0052】インパルス応答検出は周波数領域の信号を
利用する。OFDM信号の特定の周波数成分には、位相
と振幅が既定されたパイロット信号が挿入されている。
ウィンドウ位置が理想的に設定された場合、パイロット
信号だけを抽出すると、その信号は直流成分として抽出
される。一方、ウィンドウ位置が理想位置から離れる
と、その移動量に対応してパイロット信号には位相回転
が生じる。したがって、このパイロット信号に対して逆
フーリエ変換を施すと、両者の違いはインパルスが出現
する位置の違いとして現れる。よって、このインパルス
の出現位置が理想点からどれだけ離れているかを検出す
ることによって、ウィンドウ位置を制御することができ
る。
【0053】どちらの手段についても一長一短がある
が、本実施形態ではそれらを組み合せることでより効率
的なウィンドウ制御を実現している。
【0054】ガード相関検出回路115は、時間領域信
号としてIQ復調器103から出力されるI軸信号を入
力とする。このガード相関検出回路115の出力信号は
相関演算を施した結果である相関波形信号である。この
信号はFFTウィンドウ制御回路D116に入力され
る。インパルス応答検出回路117は、FFT回路10
4の出力信号の中から抜き出したパイロット信号を入力
とする。このインパルス応答検出回路117の出力信号
は逆フーリエ変換を施した結果の信号である。このイン
パルス応答検出信号はFFTウィンドウ制御回路D11
6に入力される。
【0055】図11は、図10に示すFFTウィンドウ
制御回路D116の具体的な構成を示すブロック図であ
る。図11において、レジスタ1160、比較器116
1、カウンタ1162、デコーダ1163、初期ウィン
ドウ設定回路1166、マルチプレクサ1170、レジ
スタ1171は、図4に示した符号1050〜105
4,1058,1059のブロックと同様に機能する。
【0056】すなわち、図11において、第1の実施形
態の中で説明した図4との相異点は、2回目のFFT処
理におけるウィンドウ位置の設定法である。具体的に
は、マルチプレクサ1170の入力信号の生成回路であ
る。
【0057】この回路では、最初にガード相関検出信号
とインパルス応答検出信号それぞれに対して、ウィンド
ウ設定回路1167,1168を用いてウィンドウ位置
を算出する。二つのうちのどちらかが、マルチプレクサ
1169,1170を介して2回目のウィンドウ位置と
して設定される。マルチプレクサ1169でどちらの値
を選択するかは、インバータ104及びレジスタ116
5により、一つ前のシンボル期間で1回目と2回目の復
調結果のうち、どちらの結果が採用されたかで決まる。
【0058】1回目の結果が採用された場合には、2回
目で用いたウィンドウ位置検出法ではS/N値が改善し
なかったということなので、今回の復調では他方の検出
法を試みる。一方、2回目の結果が採用された場合に
は、もう一度同じ方法を用いてさらなる改善を試みる。
以上の機能をレジスタ1165とインバータ1164及
び出力選択信号によって実現している。
【0059】以上の処理により、引き込み開始時点での
ウィンドウ位置が理想位置から遠く離れている場合で
も、段階をおって徐々に理想位置に近づくのではなく、
ダイレクトに理想位置まで到達できる可能性を持つこと
になる。
【0060】したがって、上記構成のOFDM受信装置
によれば、一つのFFT回路104を1シンボル期間に
2回動作可能とし、1回目のウィンドウサーチ結果から
適切なウィンドウ位置を検出し、2回目のウィンドウ開
始位置を検出した位置に設定するようにしているので、
第1の実施形態のOFDM受信装置と比較して、さらに
ウィンドウサーチの効率を高めることができ、さらに演
算量の低減から消費電力を削減することができる。ま
た、この実施形態においても、1個のFFT回路で対応
できることから、回路規模と消費電力の削減を実現する
ことができる。
【0061】尚、上記実施形態では、いずれもFFT回
路の1シンボル期間における演算回数を2回としたが、
本発明はこれに限定されるものではなく、N(N≧2)
回であってもよく、回数が増えればよりいっそう効果的
であることはいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ウ
ィンドウサーチのためにFFT回路を複数個備えた受信
装置と比較して、ウィンドウサーチの性能を低下させる
ことなく、回路規模と消費電力を削減したOFDM受信
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るOFDM受信装置の第1の実施
形態の構成を示すブロック図。
【図2】 本発明に係るOFDM受信装置の処理タイミ
ングを示すタイムチャート。
【図3】 同第1の実施形態に用いられるS/N検出回
路の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】 同第1の実施形態に用いられるFFTウィン
ドウ制御回路の具体的な構成を示すブロック図。
【図5】 本発明に係るOFDM受信装置の第2の実施
形態の構成を示すブロック図。
【図6】 同第2の実施形態に用いられるFFTウィン
ドウ制御回路の具体的な構成を示すブロック図。
【図7】 同第2の実施形態に用いられる受信状態判定
回路の具体的な構成を示すブロック図。
【図8】 本発明に係るOFDM受信装置の第3の実施
形態の構成を示すブロック図。
【図9】 同第3の実施形態に用いられるFFTウィン
ドウ制御回路の具体的な構成を示すブロック図。
【図10】 本発明に係るOFDM受信装置の第4の実
施形態の構成を示すブロック図。
【図11】 同第4の実施形態に用いられるFFTウィ
ンドウ制御回路の具体的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
101…チューナ、102…A/D変換器、103…I
Q復調器、104…FFT回路、105…FFTウィン
ドウ制御回路A、106…S/N検出回路、107…バ
ッファ、108…データ復調回路、110…FFT回
路、111…FFTウィンドウ制御回路B、112…受
信状態判定回路、113…データ復調回路、114…F
FTウィンドウ制御回路C、115…ガード相関検出回
路、116…FFTウィンドウ制御回路D、117…イ
ンパルス応答検出回路。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OFDM(直交周波数分割多重)信号を
    入力して、当該OFDM信号により伝送されるデータを
    復調するOFDM復調回路において、 前記OFDM信号を入力して有効シンボル期間相当のウ
    ィンドウ内を高速フーリエ変換することで時間領域から
    周波数領域の信号に変換するもので、1シンボル期間に
    N(N≧2)回、前記ウィンドウ内を高速フーリエ変換
    する演算能力を有し、各回の前記ウィンドウの位置をウ
    ィンドウ信号に基づいて設定する高速フーリエ変換器
    と、 この高速フーリエ変換器に対する各回のウィンドウ信号
    を生成し、各ウィンドウ信号の位相制御により前記ウィ
    ンドウ位置を制御するもので、1シンボル期間中に、ウ
    ィンドウ信号の位相を変化させながら前記高速フーリエ
    変換器に最大M回(M≦N)の演算処理を行なわせる高
    速フーリエ変換器制御手段と、 前記高速フーリエ変換器で処理された最大M回の演算結
    果についてそれぞれの信号品質を検出する信号品質検出
    手段と、 前記高速フーリエ変換器で処理された最大M回の演算結
    果の中から前記信号品質検出手段の検出結果に基づいて
    一つの演算結果を選択する選択手段と、 この選択手段で選択された演算結果から前記OFDM信
    号により伝送されるデータを復調するデータ復調手段と
    を具備することを特徴とするOFDM復調回路。
  2. 【請求項2】 前記選択手段は、前記高速フーリエ変換
    器で処理されたM回の演算結果の中から前記信号品質検
    出手段の検出結果が最良となる演算結果を選択すること
    を特徴とする請求項1に記載のOFDM復調回路。
  3. 【請求項3】 前記高速フーリエ変換器制御手段は、前
    記信号品質検出手段の検出結果を入力し、1シンボル期
    間中にウィンドウ信号の位相を変化させながら前記高速
    フーリエ変換器に順次、最大M回(M≦N)の演算処理
    を行なわせ、信号品質検出結果が所定の基準以上になっ
    た時点以降の演算処理を停止させるようにし、 前記選択手段は、信号品質検出結果が所定の基準以上に
    なった時点での演算結果を選択することを特徴とする請
    求項1に記載のOFDM復調回路。
  4. 【請求項4】 前記信号品質検出手段は、前記高速フー
    リエ変換器の演算結果について信号対雑音比の検出を行
    なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のOFDM復調回路。
  5. 【請求項5】 前記高速フーリエ変換器制御手段は、前
    記信号品質検出手段の検出結果に応じて前記ウィンドウ
    信号の変化量を適応的に制御することを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載のOFDM復調回路。
  6. 【請求項6】 前記高速フーリエ変換器制御手段は、前
    記OFDM信号が1シンボル期間がガード期間と有効シ
    ンボル期間からなり、有効シンボル期間内の一部がガー
    ド期間に複写された信号であるとき、前記高速フーリエ
    変換器の入力及び出力それぞれから前記ウィンドウを設
    定すべき理想位置を検出する複数のウィンドウ位置検出
    手段を備え、前記信号品質検出手段の検出結果に応じて
    前記複数の前記ウィンドウ位置検出手段の検出結果を選
    択することでウィンドウ信号を制御することを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載のOFDM復調回
    路。
  7. 【請求項7】 複数チャンネルで伝送されるOFDM
    (直交周波数分割多重)信号の中から任意のチャンネル
    のOFDM信号を選局するチューナと、 このチューナで選局されたOFDM信号をベースバンド
    のOFDM信号に変換する周波数変換手段と、 この手段で周波数変換されたベースバンドのOFDM信
    号を入力して有効シンボル期間相当のウィンドウ内を高
    速フーリエ変換することで時間領域から周波数領域の信
    号に変換するもので、1シンボル期間にN(N≧2)
    回、前記ウィンドウ内を高速フーリエ変換する演算能力
    を有し、各回の前記ウィンドウの位置をウィンドウ信号
    に基づいて設定する高速フーリエ変換器と、 この高速フーリエ変換器に対する各回のウィンドウ信号
    を生成し、各ウィンドウ信号の位相制御により前記ウィ
    ンドウ位置を制御するもので、1シンボル期間中に、ウ
    ィンドウ信号の位相を変化させながら前記高速フーリエ
    変換器に最大M回(M≦N)の演算処理を行なわせる高
    速フーリエ変換器制御手段と、 前記高速フーリエ変換器で処理された最大M回の演算結
    果についてそれぞれの信号品質を検出する信号品質検出
    手段と、 前記高速フーリエ変換器で処理された最大M回の演算結
    果の中から前記信号品質検出手段の検出結果に基づいて
    一つの演算結果を選択する選択手段と、 この選択手段で選択された演算結果から前記OFDM信
    号により伝送されるデータを復調するデータ復調手段と
    を具備することを特徴とするOFDM受信装置。
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