JP2002007488A - 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体

Info

Publication number
JP2002007488A
JP2002007488A JP2000185397A JP2000185397A JP2002007488A JP 2002007488 A JP2002007488 A JP 2002007488A JP 2000185397 A JP2000185397 A JP 2000185397A JP 2000185397 A JP2000185397 A JP 2000185397A JP 2002007488 A JP2002007488 A JP 2002007488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
model
shape
structural analysis
basic model
basic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000185397A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Nakamichi
義弘 中道
Susumu Kubo
進 久保
Nobuyuki Osawa
伸行 大澤
Yasuto Doi
康人 土肥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2000185397A priority Critical patent/JP2002007488A/ja
Publication of JP2002007488A publication Critical patent/JP2002007488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Complex Calculations (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 解析対象物の基本モデルについて形状を希望
する形状に変更した希望モデルの構造解析を短時間で求
める。 【解決手段】 解析対象物の基本モデルとこの基本モデ
ルの形状を所定の形状に変更しかつその有限要素モデル
の節点数が基本モデルと同一である変更モデルとについ
て、有限要素法による構造解析を行って節点ごとの構造
解析データを求め、前記基本モデルに対する希望モデル
の形状の変更量の前記基本モデルに対する前記変更モデ
ルの形状の変更量に対する変更割合を示す形状係数を算
出し、前記希望モデルの各節点ごとの構造解析データ
は、この接点に対応する前記基本モデルの節点ごとの構
造解析データに、この節点に対応する前記変更モデルと
前記基本モデルの構造解析データとの差に形状係数を乗
じた値を加算することにより求める構造解析方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物等の構造解
析を行うときに、解析対象物の基本的な形状の解析を行
った後、さらにこの基本的な形状について、その形状を
変更したモデルの構造解析を短時間で実施することがで
きる構造解析方法およびこの構造解析を実行するための
プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータを応用した構造解析システ
ム(CAEシステム)は、一般にプリプロセッサ、解析
プログラム、ポストプロセッサの3つのプログラムから
構成されている。プリプロセッサは解析対象物の形状を
表わす形状モデルを作成し、この形状モデルを有限要素
モデルに変換し、この変換した有限要素モデルに対して
材質や境界条件などの解析属性データを入力するプログ
ラムである。解析プログラムはこの有限要素モデルにつ
いて有限要素法による数値解析を行って、各節点(また
は要素)ごとの応力値、歪み量、変位量、質量等を求め
るプログラムである。ポストプロセッサは、この解析結
果をポストプロセッサ用のデータ形式に変換して、解析
結果の表示、例えば応力分布の表示を行うプログラムで
ある。これらの3つのプログラムはCAEプログラムと
して市販され広く実用化されている。また、このCAE
プログラムによる構造解析は、一般にワークステーショ
ン等の演算速度が高速なコンピュータを利用して行われ
ている。
【0003】このような構造解析を行う目的の一つとし
て、解析対象物の形状を変更した場合に、応力値、歪み
量、変位量、質量等が如何に変化するかを有限要素法に
より求めたいことが多くある。このような目的の構造解
析を行うためには、まず解析対象物の基本的な形状(標
準的な形状)のモデルについて、その形状を変更した解
析モデル(有限要素モデル)を作成する必要がある。解
析対象物の基本的な形状の有限要素モデルからその特定
箇所の形状を変更したモデルを作成する方法には種々あ
る。一般的には最初に作成した基本的な有限要素モデル
の各節点の座標をCRTと対話方式により変える方法
や、3次元CADを利用してモデルの形状を変えた後に
再度要素分割(メッシュ分割)を行う方法が行われてい
る。しかし、これらの有限要素モデルの変更作業は、多
大な工数を要しているのが実状である。また、上記構造
解析プログラムにより数値解析を行うための計算時間
は、有限要素モデルの節点数や解析条件により異なる
が、節点数が1万個になると数十分から数時間を要し、
さらに規模の大きい解析モデルでは数日を要する場合が
ある。
【0004】一方、構造解析を短時間で行ってその解析
結果を速く出力させたいという要求も強くある。例え
ば、解析対象物の標準的な形状(以下、基本モデルとい
う)に対して、若干の形状変更(寸法や角度など)を行
った場合に、応力分布、歪み量、変位量、質量等の変化
を解析したい場合である。具体的には、会議の席上、展
示会、顧客への説明等、その場で標準的な基本モデルに
対して、予め設定した箇所の寸法等の変更値を構造解析
を行うコンピュータシステムに入力し、この変更したモ
デルについて、短時間で構造解析を行う(例えば、1分
以内に解析結果を出力する)必要がある場合である。
【0005】構造解析を短時間で実施する方法として
は、既に多くの解析技術が提案されている。たとえば、
特開平10−269265号公報には、簡単な操作で短
時間で解析結果を得ることができる構造解析方法の提供
を目的として、基本となる構造物について専門家が有限
要素法による解析を行って、基本モデルの作成と構造解
析を行うためのコマンドを準備し、作業者がこの基本モ
デルとの相違部分を修正・訂正して新たな構造物につい
て有限要素法を適用するモデルを作成し、この新たな構
造物についてコマンドに従って有限要素法による解析を
行う方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平10−2
69265号公報に開示されている構造解析方法は、形
状修正した新たな形状モデルについても、有限要素法に
基づいて構造解析を行うためのコマンドを用いる方法で
あり、解析時間は従来の方法と比較して1/2程度に短
縮されている。しかしながら、前記の通り、会議の席
上、展示会、顧客への説明等の場においては、2〜3分
以内、望ましくは1分以内に解析結果を出力する必要が
ある。本発明の目的は、解析対象物の基本モデルに対し
て、予め設定した箇所の形状を希望する形状値に変更し
たモデルについて構造解析を行うときに、この基本モデ
ルについて有限要素法による構造解析を実施して得た解
析データ等を利用して近似的な構造解析を行うことによ
り、短時間で解析結果を得ることができ、しかも解析精
度が高い構造解析方法およびこの構造解析プログラムを
記録した記録媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンピュータ
システムにより解析対象物の基本モデルの形状を希望す
る形状に変更した希望モデルの構造解析方法において、
前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更しかつそ
の有限要素モデルの節点数が前記基本モデルと同一であ
る変更モデルとについて、有限要素法による構造解析を
行って節点ごとの構造解析データを求め、前記基本モデ
ルに対する希望モデルの形状の変更量の前記基本モデル
に対する前記変更モデルの形状の変更量に対する変更割
合を示す形状係数を算出し、前記希望モデルの各節点ご
との構造解析データは、この接点に対応する前記基本モ
デルの各節点ごとの構造解析データに、この節点に対応
する前記変更モデルと前記基本モデルの構造解析データ
の差に前記形状係数を乗じた値を加算することにより求
める構造解析方法である。この希望モデルについて節点
番号ごとに求める構造解析データは、応力値、歪み量、
変位量の少なくとも一つを含んでいる。
【0008】また、本発明は、希望モデルの各節点の座
標値は、前記基本モデルの節点の座標値に、この節点に
対応する前記変更モデルと前記基本モデルの座標値との
差に前記形状係数を乗じた値を加算することにより求め
る構造解析方法である。
【0009】また、本発明は、前記基本モデルと前記基
本モデルの予め設定した箇所の形状値を所定の値に変更
した変更モデルとについて、予め有限要素法による構造
解析を行って前記基本モデルと前記変更モデルの質量を
求め、前記希望モデルの質量は、前記基本モデルの質量
に、前記変更モデルの質量と前記基本モデルの質量との
差に前記形状係数を乗じた値を加算することにより求め
る構造解析方法である。
【0010】さらに、本発明は、コンピュータシステム
により解析対象物の基本モデルの形状を希望する形状に
変更した希望モデルの構造解析プログラムを記憶した記
録媒体において、前記基本モデルと前記基本モデルの形
状を変更しかつその有限要素モデルの節点数が前記基本
モデルと同一である変更モデルについて、予め有限要素
法による構造解析を行って得た節点ごとの構造解析デー
タを入力する手順と、前記基本モデルに対する希望モデ
ルの形状の変更量の前記基本モデルに対する前記変更モ
デルの形状の変更量に対する変更割合を示す形状係数を
求める手順と、前記希望モデルについて構造解析を行う
ための各節点番号iの座標値(X、Y、Z)iは、下記
の式(1)により算出する手順と、 (X0、Y0、Z0)i:基本モデルの節点番号iの座
標値 (Xj、Yj、Zj)i:変更モデルjの節点番号iの
座標値 Cj :変更モデルjを考慮した形状係数 を有する構造解析プログラムを記録した記録媒体であ
る。
【0011】さらに、本発明は、希望モデルの節点番号
iの構造解析データσiは、下記の式(2)により算出
する手順を有する構造解析プログラムを記録した記録媒
体である。 (σ0)i:基本モデルの節点番号iの構造解析データ (σj)i:変更モデルjの節点番号iの構造解析デー
タ Cj :変更モデルjを考慮した形状係数
【0012】さらに、上記本発明は、コンピュータシス
テムにより解析対象物の基本モデルの形状を希望する形
状に変更した希望モデルの構造解析プログラムを記憶し
た記録媒体において、前記基本モデルと前記基本モデル
の形状を変更した変更モデルとについて、有限要素法に
よる構造解析を行って得た前記基本モデルと前記変更モ
デルの質量を入力する手順と、前記希望モデルの形状の
変更量が、前記基本モデルと前記変更モデルの予め設定
した箇所の形状値に対する変更割合を示す形状係数を算
出する手順と、前記希望モデルの質量を下記の式(3)
により算出する手順を有する構造解析プログラムを記録
した記録媒体である。 W0:基本モデルの質量 Wj:変更モデルjの質量 Cj:変更モデルjを考慮した形状係数
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明を実施するために前処理を
行うためのCAEシステムの一例を示す。図1におい
て、1は汎用的な3次元CAEシステムであり、高速演
算が可能なエンジニアリングワークステーション(EW
S)等のコンピュータシステムである。CAEシステム
1は、中央処理装置2、主記憶装置3、プログラム部
4、外部記憶装置5、キーボード6a、マウス6b、表
示装置であるCRT6c、プリンタ6d等から構成され
ている。外部記憶装置5としては、ハードディスク装
置、光磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディ
スク装置等が装備されている。プログラム部4には、有
限要素法による構造解析を行うために必要なプログラム
であるプリプロセッサ4a、解析プログラム4b、ポス
トプロセッサ4cが組み込まれている。これらのプログ
ラムは、ハードディスク装置等の外部記憶装置5に記憶
されているが、構造解析を実行するときには主記憶装置
3に読み込まれる。また、外部記憶装置5には、有限要
素法による構造解析を行って得た節点番号ごとの構造解
析データ及び有限要素モデルの座標値、基本モデルと変
更モデルの質量を記憶するファイル等が設定されてい
る。これらのファイルは、基本モデル構造解析ファイル
5a、変更モデル構造解析ファイル5b、基本モデル座
標値ファイル5c、変更モデル座標値ファイル5d、基
本モデル質量ファイル5e、変更モデル質量ファイル5
fとして、外部記憶装置5の記憶領域に各々ファイル名
称を付てその領域が設定されている。
【0014】本発明を実施するにあたり、 CAEシス
テム1が行う前処理の内容としては下記の処理が含まれ
る。 1)解析対象物の基本モデルについて、有限要素法によ
る構造解析を行うための有限要素モデルの作成と、この
有限要素モデルの有限要素法による構造解析を行う。こ
の構造解析で算出する解析データは、節点番号ごとの応
力値、歪み量、変形量、要素番号ごとの体積及び各要素
番号ごとの体積を合計した全体積値、及びこの全体積に
比重を乗じて得た各モデルの質量値等である。 2)上記基本モデルについて、形状変更が可能な箇所の
寸法等の形状値を所定の値に変更した変更モデルの作成
と、この変更モデルの有限要素モデルの作成と、この変
更モデルについて有限要素法による構造解析を行う。こ
の構造解析で算出する解析データは、上記基本モデルで
算出する解析データと同一である。なお、本発明におい
ては、解析対象物の基本モデルに対して形状変更が可能
な箇所ごとに少なくとも1個の形状値を変更した変更モ
デルを作成し、この各変更モデルについて有限要素法に
よる構造解析を行うようにする。この形状値としては、
予め設定した特定箇所の長さ、幅、高さ、等の寸法値で
ある。さらに、本発明においては、基本モデルと変更モ
デルの有限要素モデルの節点数(又は要素数)は同一に
する。 3)上記1)及び2)の処理を実施して得た基本モデル
及び変更モデルの各節点の構造解析データと、これらの
有限要素モデルの各節点の座標値とを、外部記憶装置5
に設定した基本モデル構造解析ファイル5a、変更モデ
ル構造解析ファイル5b、基本モデル座標値ファイル5
c、変更モデル座標値ファイル5dに記憶する。また、
上記の構造解析により算出した基本モデルと変更モデル
の質量値についても、基本モデル質量ファイル5e、変
更モデル質量ファイル5fに記憶する。これら構造解析
のデータファイル5a、5bに記憶する構造解析データ
としては、各モデルの節点番号ごとの応力値、歪み量、
変形量等が含まれる。
【0015】7は本発明を実施するためのコンピュータ
システムであり、ノート型パソコン等のパーソナルコン
ピュータから構成される。CAEシステム1とコンピュ
ータシステム7とは、LAN等の通信回線等を介して接
続した構成にすることが望ましい。コンピュータシステ
ム7は、中央処理装置8、主記憶装置9、プログラム部
10、外部記憶装置11、キーボード12a、マウス1
2b、表示装置であるCRT12c、プリンタ12d等
から構成されている。なお、外部記憶装置11は、ハー
ドディスク装置及び光磁気ディスク装置、フロピーディ
スク装置等から構成されている。プログラム部10は、
構造解析データ入力プログラム10a、希望モデル入力
プログラム10b、形状係数算出プログラム10c、希
望モデル作成プログラム10d、近似的構造解析プログ
ラム10e、解析結果表示プログラム10fから構成さ
れている。これらのプログラムは、外部記憶装置11の
ハードディスク装置等に記憶されているが、プログラム
を実行するときには、主記憶装置9に読み込まれる。
【0016】外部記憶装置11には、前記の有限要素法
による構造解析を行って得た構造解析データ及びこれら
有限要素モデルの三次元座標値等を記憶するファイルを
設定している。これらのファイルは、基本モデル構造解
析ファイル11a、変更モデル構造解析ファイル11
b、基本モデル座標値ファイル11c、変更モデル座標
値ファイル11d、基本モデル質量ファイル11e、変
更モデル質量ファイル11fとして、各々ファイル名称
を付けた領域が確保されている。そして、CAEシステ
ム1の基本モデル構造解析ファイル5a、変更モデル構
造解析ファイル5b、基本モデル座標値ファイル5c、
変更モデル座標値ファイル5d、基本モデル質量ファイ
ル5e、変更モデル質量ファイル5fに記憶した各デー
タは、通信回線を通してコンピュータシステム7にファ
イル転送し、基本モデル構造解析ファイル11a、変更
モデル構造解析ファイル11b、基本モデル座標値ファ
イル11c、変更モデル座標値ファイル11d、基本モ
デル質量ファイル11e、変更モデル質量ファイル11
fに記憶するようにする。
【0017】さらに、外部記憶装置11には初期値デー
タファイル11gが設定されている。初期値データファ
イル11gには、本発明の構造解析を行うために必要な
初期値データ等が記憶されている。この初期値データと
しては、解析対象物の品種毎の概略形状を示す形状図、
前記のCAEシステム1により構造解析を行った基本モ
デルと変更モデルについてその形状を変更することが可
能な予め設定した箇所ごとの寸法値とこの上限値及び下
限値等である。
【0018】続いて、プログラム部10の概要について
説明する。構造解析データ入力プログラム10aは、外
部記憶装置11の各ファイルに記憶した基本モデル構造
解析ファイル11a、変更モデル構造解析ファイル11
b、これらモデルの節点の座標値ファイル11c、11
d、基本モデル質量ファイル11e、変更モデル質量フ
ァイル11fのデータを、主記憶装置9に読み込むため
のプログラムである。なお、入力データの互換性を計る
ために、CAEシステム1の外部記憶装置5の各ファイ
ルに記憶する構造解析データ、座標値等のデータ形式
は、テキストデータに変換してコンピュータシステム7
にファイル転送することが好ましい。
【0019】希望モデル入力プログラム10bは、解析
対象物の基本モデルに対して、形状変更が可能な箇所に
ついて、希望する形状値、例えば寸法値をCRT12c
と対話方式により入力するためのプログラムである。本
発明では上記解析対象物の基本モデルに対して寸法等の
形状値が変更できる箇所は、複数箇所設定することがで
きる。この希望する形状値の入力方法は、初期値データ
ファイル11gに記憶した品種ごとの形状図と、この形
状図にその寸法値を変更できる箇所をCRT12cに明
示し、CRT12cと対話方式によりこの寸法値を入力
するプログラムを作成するようにする。
【0020】形状係数算出プログラム10cは、上記に
より入力した箇所の希望する寸法値が、CAEシステム
1で作成した基本モデルと変更モデルの該当する箇所の
寸法値に対して、どの程度変更されているかの割合を示
す形状係数Cを算出するためのプログラムである。
【0021】希望モデル作成プログラム10dは、上記
希望する形状値を入力したことにより形成される希望モ
デルについて、構造解析により求めた各節点の応力値を
希望モデルの形状と共に応力分布図として表示するため
に、この各節点の座標値を求めるためのプログラムであ
る。このプログラム10dは、基本モデル座標値ファイ
ル11cに記憶した基本モデルの座標値、変更モデル座
標値ファイル11dに記憶した変更モデルの座標値、及
び形状係数Cを用いて、希望モデルの各節点の座標値を
算出する。算出した希望モデルの座標値は、希望モデル
座標値ファイル11hに記憶する。
【0022】近似的構造解析プログラム10eは、希望
モデルの構造解析を近似式を用いて行うためのプログラ
ムである。その処理の概要は、基本モデル構造解析ファ
イル11aと変更モデル構造解析ファイル11bに記憶
した基本モデルと変更モデルの構造解析データと、基本
モデル質量ファイル11eと変更モデル質量ファイルに
記憶した基本モデルと変更モデルの質量及び形状係数C
を用いて構造解析を行う。この構造解析プログラム10
eでは、希望モデルの各節点番号ごとの応力値、歪み量
(変形量の割合を示す値)、変位量の少なくとも一つ以
上と希望モデルの質量等を求める。
【0023】解析結果表示プログラム10fは、希望モ
デルについて近似的な構造解析を行って得た応力値、歪
み量、変位量及び希望モデルの質量等をCRT12c、
プリンタdに出力するためのプログラムである。なお、
解析結果表示プログラム10fは、CAEシステム1に
組み込まれているポストプロセッサ4cをパーソナルコ
ンピュータ用に改造した市販プログラムを使用すること
ができる。
【0024】続いて、本発明の構造解析方法を実施する
手順について説明する。図3は本発明の構造解析方法を
実施するにあたり、前記の前処理を実施するための手順
の一例を示すフローチャートである。図4は、本発明を
実施するための手順の一例を示すフローチャートであ
る。まず、図3に基づいて前処理の手順について説明す
る。この前処理は、図1に示すCAEシステム1を稼動
させることができる高速コンピュータ(たとえばエンジ
ニヤリングワークステーション)を利用することが好ま
しい。以下、処理ステップ順に説明する。
【0025】(ステップS01)有限要素法による構造
解析を行う解析対象物について、キーボード6a、マウ
ス6bを用いCRT6cと対話方式により、標準的な形
状である基本モデルを作成する。例えば、図5(a)に
示す基本モデル13である。図5(a)に示す基本モデ
ル13の形状は説明を分かり易くするために2次元の形
状で示しているが、通常の構造解析では3次元モデルを
作成する。基本モデル13の作成が終了すると、有限要
素法により構造解析を行うためにメッシュ分割して多数
の要素14、節点15を設定した有限要素モデルを作成
する。また、このステップS01では構造解析を行うた
めの条件データ、例えば荷重、材料の特性値(比重、
等)も入力する。ステップS01の処理は、図1に示す
CAEシステム1のプリプロセッサ4aの制御に従って
行う。
【0026】(ステップS02)ステップS01で作成
した基本モデルについて、有限要素法による構造解析を
行って、各節点番号i(または要素番号)ごとの構造解
析データ(σ0)iと基本モデルの質量(W0)を求め
る。この節点番号ごとの構造解析データ(σ0)iとし
ては、応力値、歪み量、変位量等である。このステップ
S02の処理は、図1に示す公知のCAEシステム1の
解析プログラム4bを用いて行う。
【0027】(ステップS03)ステップS02の処理
で得た基本モデルの構造解析データ(σ0)iを外部記
憶装置5の基本モデル構造解析ファイ5aに、各節点の
座標値(X0、Y0、Z0)iを基本モデル座標値ファ
イル5cに、質量(W0)を基本モデル質量ファイル5
eにファイル名を付けて記憶する。このステップS03
の処理は、図1に示すCAEシステム1のポストプロセ
ッサ4cを用いて行う。
【0028】(ステップS04)解析対象物の基本モデ
ルについて、その形状を変更可能な箇所ごとに、その形
状を変更した変更モデルを作成する。この変更モデルの
作成は、CRTと対話方式により、キーボード6a、マ
ウス6bを操作しながら、前記基本モデルの各節点の座
標を移動させて作成することができる。図5(b)は、
基本モデル13の形状を変更(幅方向の寸法値)した第
1の変更モデル16の形状を示すもので、その節点数
(要素数)は、基本モデル13と同一にする。本発明に
おいては、基本モデルに対して形状変更が可能な箇所に
ついて、その同じ箇所について第2の変更モデルを作成
することができる。図5(c)は基本モデル13に対し
て第2の変更モデル17の形状を示すものである。この
ようにして、基本モデルに対して形状の変更が可能な箇
所ごとに、1〜2個の変更モデルを作成するとよい。こ
のステップS04の処理は、図1に示すCAEシステム
1のプリプロセッサ4aの制御に従って行う。
【0029】(ステップS05)上記ステップS04で
作成した第1、第2、・・第jの変更モデルについて、
有限要素法による構造解析を行う。この構造解析では上
記ステップS02の解析と同様に、各節点番号ごとに構
造解析データ(σj)i (応力値、歪み量、変位量
等)と各変更モデルの質量W1、W2、…、Wj等を求
める。このステップS05の処理は、図1に示すCAE
システム1の解析プログラム4bを用いて行う。
【0030】(ステップS06)上記ステップS05の
処理で求めた第1、第2、・・第jの変更モデルの構造
解析データ(σj)iを変更モデル構造解析ファイル5
bに、各節点の座標値(Xj、Yj、Zj)iを変更モ
デル座標値ファイル5dに、質量W1、W2、…、Wj
を変更モデル質量ファイル5fに記憶する。このステッ
プS06の処理は、図1に示すCAEシステム1のポス
トプロセッサ4cの制御に従って行う。
【0031】上記ステップS03及びステップS06の
処理で構造解析のデータ、座標値のデータ及び質量を各
ファイルに記憶させる場合には、構造解析を行うコンピ
ュータ間のデータの互換性を保つために、そのデータ形
式はテキストデータに変換して記憶させるようにすると
よい。以上のステップS01〜S06の処理は、本発明
を実施するための前処理である。
【0032】続いて、コンピュータシステム7を用いて
本発明の構造解析方法を実施する手順について説明す
る。本発明は、解析対象物の基本モデルについて、例え
ば第三者がその予め設定した箇所の寸法値を希望する値
に設定した希望モデルの構造解析を短時間で行う方法で
ある。図4は本発明を実施するための処理手順を示すフ
ロチャートであり、以下、図4に示すステップ順に説明
する。
【0033】(ステップS10)ステップS10では、
図3に示すCAEシステム1の処理ステップS03、S
06で、基本モデル構造解析ファイ5a、基本モデル座
標値ファイル5c、基本モデル質量ファイル5eに記憶
した基本モデルの構造解析データ(σ0)i、各節点の
座標値(X0、Y0、Z0)i、質量(W0)と、変更
モデル構造解析ファイル5b、変更モデル座標値ファイ
ル5d、変更モデル質量ファイル5fに記憶した変更モ
デルの構造解析データ(σj)i、各節点の座標値(X
j、Yj、Zj)i、質量(W1、W2、…、Wj)を
ファイル転送により、コンピュータシステム7の外部記
憶装置11に設定した基本モデル構造解析ファイ11
a、基本モデル座標値ファイル11c、基本モデル質量
ファイル11e、変更モデル構造解析ファイル11b、
変更モデル座標値ファイル11d、変更モデル質量ファ
イル11fに記憶させる。このファイル転送の操作は、
公知のネットワーク上のファイル書き込みコマンド等を
利用して行う。
【0034】(ステップS11)通常の場合、構造解析
の対象物には数種類の品種(タイプ)がある。従って、
コンピュータシステム7には、予めこの品種ごとの標準
的な形状図と、CAEシステム1で解析した基本モデル
と変更モデルについて形状変更が可能な箇所A、B、
C、…ごとの寸法値等の形状値を初期データとして外部
記憶装置11の初期値データファイル11gに記憶して
おく。この品種ごとの形状図は、CAEシステム1のプ
リプロセッサ4aで作成した図、あるいは、該当する品
種の設計図面又は写真をイメージスキャナを利用して初
期データファイル11gに記憶するとよい。また、上記
特定箇所ごとの寸法値とこの上限値及び下限値は、キー
ボード12a、マウス12b、CRT12Cを利用した
対話方式により入力して、初期データファイル11gに
記憶させることができる。また、CAEシステム1によ
り求めた基本モデルと変更モデルの質量についても、同
様に対話方式で入力して基本モデル質量ファイル11
e、変更モデル質量ファイル11fに記憶させてもよ
い。ステップS11の処理は、構造解析データ入力プロ
グラム10aの制御に従って行われる。なお、形状変更
が可能な箇所A、B、C、…の寸法値は、基本モデル及
び変更モデルを作成するための製品図面等から容易に求
めることができる。また、この寸法値について、予めそ
の設計上の上限値と下限値を設定して記憶しておくと、
ステップS13の処理で入力される希望する寸法値の入
力ミスの発生を防止することができる。
【0035】(ステップS12)このステップS12
は、これから構造解析を行う品種を選択するための処理
である。まず、各品種についてステップS11で記憶し
た標準的な形状図をCRT12cに表示し、CRT12
cと対話方式によりマウス12bを操作してこれから構
造解析を行う品種名を選択する。選択された品種名は、
主記憶装置9に記憶される。ステップS12の処理は、
希望モデル入力プログラム10bの制御に従って行われ
る。
【0036】(ステップS13)ステップS13は、ス
テップS12の処理で選択された品種について、形状変
更が可能な箇所A、B、C、…ごとに希望する寸法値を
CRTと対話方式で入力する処理である。入力された寸
法値は主記憶装置9に記憶する。このステップS13の
処理は、希望モデル入力プログラム10bの制御に従っ
て行う。
【0037】(ステップS14)ステップS14は、ス
テップ12の処理により選択された品種について、基本
モデルと変更モデルの構造解析データを記憶したファイ
ル11a、ファイル11b、基本モデルと変更モデルの
有限要素モデルの座標値を記憶したファイル11c、1
1d、基本モデルと変更モデルの質量を記憶した質量フ
ァイル11e、11f、及び初期値データファイル11
gのデータを主記憶装置9に読み込むための処理を行
う。ステップS14の処理は、希望モデル入力プログラ
ム10bの制御に従って行われる。
【0038】(ステップS15)ステップS15では、
上記ステップS13で入力され、主記憶装置9に記憶し
た希望する寸法を入力した箇所A、B、C、…の寸法値
は、基本モデルと変更モデルの該当する箇所A、B、
C、…の寸法値をどの程度採用しているかの変更割合を
示す形状係数Cを算出する。このステップS15の処理
は、形状係数算出プログラム10cの制御に従って実行
される。以下、この形状係数Cの算出手順を図5に基づ
いて説明する。 1)図5(a)に示す基本モデル13では、形状変更が
可能な箇所として寸法値が50として予め設定されてい
る。図5(b)では、この基本モデル13に対して、こ
れに対応する箇所の寸法値を60に拡大した変更モデル
16が同様に予め設定されている。そして、前記のステ
ップS01〜S06の処理によりこれらの基本モデル1
3、変更モデル16については有限要素法による構造解
析が予め行われている。 2)第三者が希望する寸法値として、図5(d)に示す
ように寸法値を55に設定した場合、この希望モデル1
8において希望する寸法値55は、基本モデル13と変
更モデル16の該当する箇所の寸法値に対する変更割合
を示す形状係数C1は、下記の計算により算出して0.
5とする。 形状係数C1=(55−50)/(60−50)=5/
10=0.5 すなわち、形状係数は下記の式により定義される数値で
ある。 形状係数=(希望モデルの形状値−基本モデルの形状
値)/(変更モデルの形状値−基本モデルの形状値) 同様にして、第2の変更モデル17を作成した場合に
は、基本モデル13と変更モデル17を考慮した形状係
数C2は下記の計算により算出して−1になる。 形状係数C2=(55−50)/(45−50)=5/
−5=−1 このようにして変更モデルごとに、予め設定した箇所ご
とに形状係数C1、C2、…、Cjを算出する。
【0039】(ステップS16)ステップS16では、
希望モデルの各節点の座標値を求める処理を行う。この
処理は、ステップS14により主記憶装置に記憶した基
本モデルの節点番号iごとの座標(X0、Y0、Z0)
i、変更モデルjの節点番号iごとの座標(Xj、Y
j、Zj)i、及びステップS15により算出し主記憶
装置9に記憶した形状係数Cjから、希望モデルの節点
番号iの座標(X、Y、Z)iを下記の式(1)により
算出する。 すなわち、希望モデルの各節点番号の座標値は、基本モ
デルの節点番号の座標値に、この節点番号に対応する変
更モデルと基本モデルの座標値との差に形状係数を乗じ
た値を加算することにより求める。上記式(1)による
希望モデルの節点の座標値を算出プログラムは、コンピ
ュータによるプログラミング言語、たとえばFORTR
AN、C言語を用いて記述することができる。このステ
ップS16の処理は、希望モデル作成プログラム10d
の制御に従って実行される。
【0040】(ステップS17)続いて、希望モデルの
構造解析を行う。この希望モデルの構造解析は、主記憶
装置9に記憶した基本モデルの構造解析データ(σ0)
i、変更モデルの構造解析データ(σj)i及び形状係
数Cjを用いて、希望モデルの節点番号iごとの構造解
析データσiを下記の式(2)により近似的に算出す
る。このステップS17の処理は、近似的構造解析プロ
グラム10eの制御に従って実行される。 すなわち、希望モデルの各節点番号ごとの構造解析デー
タは、基本モデルの節点番号の構造解析データに、この
節点番号に対応する変更モデルと基本モデルの構造解析
データとの差に前記形状係数を乗じた値を加算すること
により、近似的に求める。
【0041】(ステップS18)また、希望モデルの質
量Wは、下記の式(3)により求める。なお式(3)に
おいて、W0は基本モデルの質量、Wjは変更モデルの
質量であり、これらのデータはステップS14の処理に
より主記憶装置9に記憶されている。希望モデルの質量
(W)の算出は、希望モデルの各要素の体積を求め、こ
れらの各要素の体積を積算し、この積算値に構造解析対
象物の比重を乗じることにより算出することができる
が、下記式(3)を用いることにより極めて短時間に希
望モデルの質量を求めることができる。 すなわち、希望モデルの質量は、基本モデルの質量に、
変更モデルの質量と基本モデルの質量との差に前記形状
係数を乗じた値を加算することにより求める。上記式
(2)、式(3)の算出プログラムも、プログラミング
言語であるFORTRAN、あるいはC言語を用いて記
述することができる。このステップS18の処理は、近
似的構造解析プログラム10eの制御に従って実行され
る。
【0042】(ステップS19)上記の式(2)、式
(3)を用いて算出した構造解析データについて、解析
結果表示プログラム10fを用いて、解析結果の応力分
布や質量等をCRTに表示またはプリンタに出力する。
なお、応力分布の表示は、希望モデルの各節点番号ごと
の座標値(X、Y、Z)iと応力値σiとを対応付け
ば、図9に示すような応力分布図を表示することができ
る。ステップS19の処理が終了すると、必要に応じて
ステップS12、あるいはステップS13の処理に戻る
ことが選択できる対話式入力画面を作成しておくとよ
い。
【0043】以上説明した各ステップの処理について、
ステップS15の処理の後にステップS18の処理を行
ってもよい。また、希望モデルの質量のみを算出する場
合には、ステップS16、S17の処理は省略してもよ
い。以上に説明した本発明の構造解析方法は、有限要素
法を用いることなく、上記式(1)、式(2)、式
(3)を用いて近似的な構造解析を行うために、希望モ
デルの構造解析を極めて短時間に実施することができ
る。なお、上記説明においては、前処理はCAEシステ
ム1が稼動するワークステーション等の高速コンピュー
タで実施し、本発明はパーソナルコンピュータで実施す
る例について説明したが、前処理及び本発明の構造解析
方法について同一のワークステーション等の高速コンピ
ュータで実行させることもできる。
【0044】
【実施例】(実施例1)以下、本発明を自動車用アルミ
ホイールに適用した実施例について説明する。本発明に
より構造解析を行ったアルミホイールの形状(5本スポ
ークタイプ)の一例を図6(a)に示す。図6(a)に
示す形状のアルミホイール19について、ワークステー
ション上で稼動するCAEシステム1のプリプロセッサ
4aを用いてメッシュ分割数が約1万個の基本モデルを
作成した。この基本モデルを図6(b)に示す。そし
て、この基本モデル20について所定の荷重条件を付与
して有限要素法による構造解析を行って、その構造解析
データおよび有限要素モデルの節点の座標値を外部記憶
装置(ハードディスク装置)に設定したファイルに記憶
した。また、基本モデルの総質量(W0)も算出した。
【0045】続いて、図7(a)及び図7(b)に示す
ように、形状値を変更可能なスポーク部のA及びB部分
の寸法値、図8に示すスポーク部の断面高さC、肉厚D
の寸法値を変更した変更モデル(図7ではA部及びB部
を変更したモデル21、22を示す)を各1個、計4個
作成して、この各4個の変更モデルについて有限要素法
による構造解析を行って、その節点番号ごとの構造解析
データおよび有限要素モデルの節点の座標値を外部記憶
装置(ハードディスク装置)のファイルに記憶した。ま
た、同様にこれら変更モデルの質量(W1、W2、W
3、W4)も算出した。そして、これら外部記憶装置の
ファイルに記憶した解析データをファイル転送により本
発明を実施するノート型パソコンに転送した。
【0046】続いて、品種ごとの形状図、この品種ごと
の基本モデルと変更モデルのスポーク部のA及びB部分
の寸法値、スポーク部の断面高さC、肉厚D、及びその
上限値と下限値、これらのモデルの質量(W0、W1、
W2、W3、W4)を初期値データとして上記ノート型
パソコンの外部記憶装置に設定した初期値ファイルに予
め記憶させた。次に、図8に示すように形状変更が可能
なスポーク部のA、B、C、D部分について、第三者等
がパソコン上で希望する形状値(寸法値)を対話方式に
より入力する入力画面をプログラム言語Visual Basicを
用いて予め作成しておき、このプログラムを実行させ
て、希望するスポーク部のA、B、C、D部分の寸法値
を入力した。
【0047】次に、図4に示すステップS14〜S19
までの処理を実行して、この希望するアルミホイールの
モデルの質量W、及び応力分布を求めた。図9は、本発
明の構造解析により出力したアルミホイールの応力分布
図を示すものである。なお、上記実施例1は、図4に示
すステップS10からS19までの処理をノート型パー
ソナルコンピュータ(CPU:Pentium(登録商
標)II、300Mz、RAM:127MB)で実行さ
せて、図9に示すような応力分布をCRTに表示し、か
つ質量も算出し図8に示す画面に表示した。この処理に
おいて、ステップS14〜S19までの処理時間は約2
0秒であった。
【0048】(実施例2)上記実施例1で求めた構造解
析データについて、その解析精度を確認してみた。この
精度の確認方法は、希望モデルについても有限要素法に
よる構造解析を実行し、本発明を用いて構造解析した結
果との差を比較した。図10は、変更モデルの形状値を
変化させた場合、すなわち形状係数Cを変化させた場合
の応力値と質量について、本発明を用いて解析した場合
と有限要素法を用いて実行した場合(図10では実解析
と表示)の差を示すグラフである。形状係数Cが−0.
6〜0.6の範囲では、本発明を用いた構造解析と有限
要素法による解析結果との差は応力値で2.5%以内、
質量では0.5%以内になり、十分な実用性が得られる
ことが判明した。本発明においては、基本モデルに対し
て、予め設定した箇所の寸法等の形状値を適切に変更
(基本モデルに対して約±20%以内の増減)した変更
モデルを作成し、この変更モデルの有限要素法による解
析データを利用すれば、解析精度をより向上させること
ができる。
【0049】なお、上記実施例の説明においては、基本
モデルの予め設定した箇所の形状値の変更については、
長さ、高さ、肉厚などの寸法値について説明したが、本
発明の構造解析方法は、構造物の角度等の変更について
も適用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上に説明した本発明は次の効果を有し
ている。 1)解析対象物の基本モデルに対して希望する形状に変
更した希望モデルの作成と、その構造解析は有限要素法
を用いないで近似的な計算式を用いて実施するために、
構造解析の計算時間を1分以内と著しく短縮することが
できる。これにより、本発明は解析対象物のデザインの
変更等に対する構造解析を素早く出力する必要がある、
会議の席上、展示会、顧客への説明等の場において大き
な効果を発揮することができる。 2)基本的には有限要素法による解析データを利用して
いるために、本発明を用いた構造解析結果の精度も極め
て高くなり、解析結果について高い信頼性を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために前処理として必要な有
限要素法によるCAEシステムの構成の一例を示す図で
ある。
【図2】本発明を実施するためのコンピュータシステム
の構成を示す図である。
【図3】本発明を実施するために必要な前処理の手順の
一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明を実施するための手順の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】形状係数Cを算出する手順を示す説明図であ
る。
【図6】(a)は本発明を用いて構造解析を実施した解
析対象物の一例を示すアルミホイールの形状を示す図で
ある。(b)は有限要素法により構造解析を行うために
メッシュ分割した形状を示す図である。
【図7】(a)はアルミホイールのスポーク部のA部分
について形状変更したときのメッシュ分割の形状を示す
図である。(b)は同じくスポーク部のB部分について
形状変更したときのメッシュ分割の形状を示す図であ
る。
【図8】アルミホイルのスポーク部について、希望する
形状値を入力する対話式画面の一例である。
【図9】本発明を用いて構造解析を行った結果の応力分
布の出力例を示す図である。
【図10】本発明を用いて構造解析を行った結果の形状
係数と解析精度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 :CAEシステム 4 :プログラム部 4a:プリプロセッサ 4b:解析プログラム 4c:ポストプロセッサ 5 :外部記憶装置 5a:基本モデル構造解析ファイル 5b:変更モデル構造解析ファイル 5c:基本モデル座標値ファイル 5d:変更モデル座
標値ファイル 5e:基本モデル質量ファイル 5f:変更モデル質量
ファイル 7 :コンピュータシステム 10 :プログラム部 10a:構造解析データ入力プログラム 10b:希望モデル入力プログラム 10c:形状係数算出プログラム 10d:希望モデル作成プログラム 10e:近似的構造解析プログラム 10f:解析結果表示プログラム 11:部記憶装置 11a:基本モデル構造解析ファイル 11b:変更モデル構造解析ファイル 11c:基本モデル座標値ファイル 11d:変更モデル座標値ファイル 11e:基本モデル質量ファイル 11 f:変更モデル質量ファイル 11g:初期値データファイル 11h:希望モデル座標値ファイル 13 :基本モデル 14 :要素 15 :節点 16 :第1の変更モデル 17 :第2の変更モデル 18 :希望モデル 19 :アルミホイール 20 :メッシュ分割したアルミホイールの基本モデル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土肥 康人 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社熊谷軽合金工場内 Fターム(参考) 5B046 JA08 5B056 AA04 BB02 BB71 BB95 HH03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデルの形状を希望する形状に変更した希望モデ
    ルの構造解析方法において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更しかつそ
    の有限要素モデルの節点数が前記基本モデルと同一であ
    る変更モデルとについて、有限要素法による構造解析を
    行って節点ごとの構造解析データを求め、 前記基本モデルに対する希望モデルの形状の変更量の前
    記基本モデルに対する前記変更モデルの形状の変更量に
    対する変更割合を示す形状係数を算出し、 前記希望モデルの各節点ごとの構造解析データは、この
    接点に対応する前記基本モデルの各節点ごとの構造解析
    データに、この節点に対応する前記変更モデルと前記基
    本モデルの構造解析データの差に前記形状係数を乗じた
    値を加算することにより求めることを特徴とする構造解
    析方法。
  2. 【請求項2】 希望モデルの節点ごとの構造解析データ
    は、応力値、歪み量、変位量の少なくとも一つを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の構造解析方法。
  3. 【請求項3】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデルの形状を希望する形状に変更した希望モデ
    ルの構造解析方法において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更しかつそ
    の有限要素モデルの節点数が前記基本モデルと同一であ
    る変更モデルとについて、有限要素法による構造解析を
    行って節点ごとの構造解析データを求め、 各接点の前記基本モデルに対する希望モデルの形状の変
    更量の前記基本モデルに対する前記変更モデルの形状の
    変更量に対する変更割合を示す形状係数を算出し、 前記希望モデルの各節点ごとの座標値は、前記基本モデ
    ルの節点の座標値に、この節点に対応する前記変更モデ
    ルと前記基本モデルの座標値との差に前記形状係数を乗
    じた値を加算することにより求めることを特徴とする構
    造解析方法。
  4. 【請求項4】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデルの形状を希望する形状に変更した希望モデ
    ルの構造解析方法において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更した変更
    モデルとについて、有限要素法による構造解析を行って
    前記基本モデルと前記変更モデルの質量を求め、 前記希望モデルの形状の変更量が、前記基本モデルと前
    記変更モデルの形状の変更量に対する変更割合を示す形
    状係数を算出し、 前記希望モデルの質量は、前記基本モデルの質量に、前
    記変更モデルの質量と前記基本モデルの質量との差に前
    記形状係数を乗じた値を加算することにより求めること
    を特徴とする構造解析方法。
  5. 【請求項5】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデルの形状を希望する形状に変更した希望モデ
    ルの構造解析プログラムを記憶した記録媒体において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更しかつそ
    の有限要素モデルの節点数が前記基本モデルと同一であ
    る変更モデルについて、予め有限要素法による構造解析
    を行って得た節点ごとの構造解析データを入力する手順
    と、 前記基本モデルに対する希望モデルの形状の変更量の前
    記基本モデルに対する前記変更モデルの形状の変更量に
    対する変更割合を示す形状係数を求める手順と、 前記希望モデルについて構造解析を行うための各節点番
    号iの座標値(X、Y、Z)iは、下記の式(1)によ
    り算出する手順と、 (X0、Y0、Z0)i:基本モデルの節点番号iの座
    標値 (Xj、Yj、Zj)i:変更モデルjの節点番号iの
    座標値 Cj :変更モデルjを考慮した形状係数 を有する構造解析プログラムを記録した記録媒体。
  6. 【請求項6】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデル形状を希望する形状に変更した希望モデル
    の構造解析プログラムを記憶した記録媒体において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更しかつそ
    の有限要素モデルの節点数が前記基本モデルと同一であ
    る変更モデルについて、予め有限要素法による構造解析
    を行って得た節点ごとの構造解析データを入力する手順
    と、 前記基本モデルに対する希望モデルの形状の変更量の前
    記基本モデルに対する前記変更モデルの形状の変更量に
    対する変更割合を示す形状係数を算出する手順と、 前記希望モデルの節点番号iの構造解析データσiは、
    下記の式(2)により算出する手順を有することを特徴
    とする構造解析プログラムを記録した記録媒体。 (σ0)i:基本モデルの節点番号iの構造解析データ (σj)i:変更モデルjの節点番号iの構造解析デー
    タ Cj :変更モデルjを考慮した形状係数
  7. 【請求項7】 コンピュータシステムにより解析対象物
    の基本モデルの形状を希望する形状に変更した希望モデ
    ルの構造解析プログラムを記憶した記録媒体において、 前記基本モデルと前記基本モデルの形状を変更した変更
    モデルとについて、有限要素法による構造解析を行って
    得た前記基本モデルと前記変更モデルの質量を入力する
    手順と、 前記希望モデルの形状の変更量が、前記基本モデルと前
    記変更モデルの予め設定した箇所の形状値に対する変更
    割合を示す形状係数を算出する手順と、 前記希望モデルの質量は、下記の式(3)により算出す
    る手順を有することを特徴とする構造解析プログラムを
    記録した記録媒体。 W0:基本モデルの質量 Wj:変更モデルjの質量 Cj:変更モデルjを考慮した形状係数
JP2000185397A 2000-06-20 2000-06-20 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体 Pending JP2002007488A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185397A JP2002007488A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185397A JP2002007488A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002007488A true JP2002007488A (ja) 2002-01-11

Family

ID=18685721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000185397A Pending JP2002007488A (ja) 2000-06-20 2000-06-20 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002007488A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140680A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nissan Motor Co Ltd 自動解析装置及び自動解析方法
JP2012137475A (ja) * 2010-12-07 2012-07-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 物体の動的変形を考慮した電気伝導解析方法
JP2013206169A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Nec Corp 設計検証支援装置、設計検証支援方法、および設計検証支援プログラム
JP2020514873A (ja) * 2017-09-07 2020-05-21 エルジー・ケム・リミテッド モノフレームの構造解析ツール及びモノフレームの設計方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007140680A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Nissan Motor Co Ltd 自動解析装置及び自動解析方法
JP2012137475A (ja) * 2010-12-07 2012-07-19 Sumitomo Rubber Ind Ltd 物体の動的変形を考慮した電気伝導解析方法
JP2013206169A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Nec Corp 設計検証支援装置、設計検証支援方法、および設計検証支援プログラム
JP2020514873A (ja) * 2017-09-07 2020-05-21 エルジー・ケム・リミテッド モノフレームの構造解析ツール及びモノフレームの設計方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101706048B1 (ko) Plm 데이터베이스의 객체들의 어셈블리를 디스플레이하기 위한 프로세스, 프로그램 및 장치
JP4934291B2 (ja) モデル化オブジェクトのデータベースにおいてグラフィカルにナビゲートを行う方法
CA2752348C (en) Designing a modeled object within a session of a computer-aided design system interacting with a database
CN105761303B (zh) 在3d建模组件上创建包围盒
US10719549B2 (en) Querying a database based on a parametric view function
US20040148145A1 (en) System and method of interactively generating a family of mesh models
EP1835466A2 (en) Method and apparatus for geometric data processing and a parts catalog system
US20230028912A1 (en) Automatic Design Assessment and Smart Analysis
Mitani et al. 3D sketch: sketch-based model reconstruction and rendering
CN106202545A (zh) 利用相近性准则来查询数据库
CN105760570B (zh) 选择对象集的视点
JP2020102215A (ja) ユーザインタラクションを介した3dモデルオブジェクトのデサイニング
US20230274048A1 (en) Method based on fatigue damage sensitivity computation
KR20020069050A (ko) 요소크기제어를 위한 육면체유한요소 모델링방법 및 그기록매체
JP2966376B2 (ja) 薄板金属製作設備全体にわたって設計製作情報を分配する装置と方法
JP2022098497A (ja) 反応-拡散方程式によるトポロジ最適化
JP2002007488A (ja) 構造解析方法および構造解析プログラムを記録した記録媒体
US20070118342A1 (en) Mesh creating device, mesh creating method and mesh creating program
JP2023056515A (ja) モデル化オブジェクトの設計
Perles et al. Interactive virtual tools for manipulating NURBS surfaces in a virtual environment
JPH0644350A (ja) 平面表示による6面体を主とした有限要素法の固体要素生成方法
Faas et al. Interactive mesh-free stress analysis for mechanical design assembly with haptics
JP2002132323A (ja) 生産工程の設計方法およびその装置
WO2012111104A1 (ja) 解析用モデル作成支援装置及び解析用モデル作成支援プログラム
Liu et al. Three Dimensional Head Modeling Based on Direct Free Form Deformation