JP2002006084A - 原子力発電所の気体処理設備および気体処理方法 - Google Patents

原子力発電所の気体処理設備および気体処理方法

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JP2002006084A JP2000188861A JP2000188861A JP2002006084A JP 2002006084 A JP2002006084 A JP 2002006084A JP 2000188861 A JP2000188861 A JP 2000188861A JP 2000188861 A JP2000188861 A JP 2000188861A JP 2002006084 A JP2002006084 A JP 2002006084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉停止時、主蒸気隔離弁閉鎖後に原子炉
圧力容器内の気体放射性物質を気体廃棄物処理系へ導出
する。 【解決手段】 原子炉圧力容器1内の気体を原子炉圧力
容器ヘッドスプレイ配管8および主蒸気ドレン配管9a
を介して気体廃棄物処理系19へ導出する。ヘッドスプレ
イ配管8と主蒸気ドレン配管9aを連絡するバイパス配
管30によりヘッドスプレイ配管8内の気体を主蒸気ドレ
ン配管9aに移行させる。ヘッドスプレイ配管の逆止弁
13および主蒸気ドレン配管の復水器16にもそれぞれバイ
パス配管29,31を設置する。また、この主蒸気ドレン配
管9aに代えて原子炉隔離時冷却系を用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉心を内包する原
子炉圧力容器内に存在する放射性気体廃棄物を処理する
原子力発電所の気体処理設備および気体処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の沸騰水型原子力プラント
に設けられる原子力発電所の気体処理設備の概略系統図
である。ここでは、原子炉格納容器内でサプレッション
プールを内包するウェットウェルなどの設備の図示を省
略し、原子炉圧力容器と主蒸気管、気体廃棄物処理系等
の主要機器のみを示している。
【0003】炉心2を内包する原子炉圧力容器1内に
は、原子炉冷却水3が存在する。原子炉冷却水3中に
は、放射性気体廃棄物、例えば炉心2に起因する中性子
照射により冷却水3から分解生成される水素ガスや酸素
ガス、その反応時に併せて生成される 3H,16N,19
等、また燃料棒より微量に漏洩するKrやXe等の放射
性希ガス等が存在する。原子力発電プラントにはこうし
た放射性気体廃棄物を処理する気体廃棄物処理系が設け
られている。
【0004】原子力発電プラントの通常運転中に原子炉
圧力容器1内に発生する放射性気体廃棄物は、原子炉圧
力容器1に接続する主蒸気管9を経て復水器16に導かれ
た後、気体廃棄物処理系19で処理される。なお符号18は
主蒸気管9の原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫
通部を示す。主蒸気管9には原子炉格納容器貫通部18の
上流側および下流側にそれぞれ主蒸気隔離弁17a,17b
が設けられている。
【0005】気体廃棄物処理系19は、触媒により酸素と
水素の再結合を行う排ガス再結合器20と、排ガス再結合
器20の下流側に設けられ再結合により得られた水蒸気を
凝縮し除去する気体廃棄物処理系復水器21と、この復水
器21の下流側に設けられ排ガス中に残った放射性ガスを
長時間保持し放射能を減衰させる気体廃棄物処理系ホー
ルドアップ塔22と、このホールドアップ塔22の下流側に
設けられ放射能が減衰された後に気体を大気中に放出す
る排気筒24と、排気塔24とホールドアップ塔22の間に設
けられた排気ポンプ23とから構成される。
【0006】この他にも、再結合器20の上流側に再結合
を促進させるために予熱器を設ける、復水器21の下流側
に除湿冷却器を設ける、ホールドアップ塔22を活性炭式
としてXe等の希ガスを活性炭に吸着させる、あるいは
ホールドアップ塔22を複数段設ける、といった構成を採
ることもできる。こうした気体廃棄物処理系の構成につ
いては例えば特開2000−98085号公報に開示されてい
る。
【0007】図7は、図6に示した原子炉圧力容器1の
上部を拡大して示した断面図である。原子炉圧力容器上
蓋ノズル38の周囲構造について以下説明する。核反応に
より原子炉圧力容器1内に発生する非凝縮性ガスを原子
炉圧力容器1の上部より排出するため、隔離弁12を有す
る原子炉圧力容器ヘッドベント管7からなる原子炉圧力
容器ベント系が設けられている。符号7aは原子炉圧力
容器ヘッドベント管フランジを示す。
【0008】さらに、沸騰水型原子炉を停止冷却する際
に、蒸気相となっている原子炉圧力容器1の気相部1a
を冷却するために、原子炉圧力容器1の上部に位置する
原子炉圧力容器上蓋ノズル38に設けられ原子炉圧力容器
1内の気相部1aに冷却水をスプレイする原子炉圧力容
器ヘッドスプレイノズル6と、このヘッドスプレイノズ
ル6に冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ
配管8とからなる原子炉圧力容器ヘッド冷却系が設けら
れている。
【0009】符号15は原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配
管8の原子炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部を
示す。原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8には、原子
炉格納容器貫通部15を介して、原子炉格納容器5の内側
に逆止弁13が、外側に隔離弁14aがそれぞれ設けられて
いる。逆止弁13により、原子炉圧力容器1内の流体の外
部への導出を阻止する。
【0010】主蒸気管9の主蒸気隔離弁17a,17bは通
常運転中はともに開状態となっており、図示しないター
ビン発電機に蒸気を供給している。一方、定期検査等の
プラント停止時には、原子炉を開放するすなわち原子炉
圧力容器1の上蓋を取外す前に、原子炉圧力容器1内の
冷却水3の水位を上昇させまた主蒸気管9内の水張りを
行うため、主蒸気管9上の主蒸気隔離弁17a,17bを閉
状態とする必要がある。この際、主蒸気隔離弁17a,17
bを閉鎖して以降、原子炉圧力容器1内の放射性ガスは
気体廃棄物処理系19へ移行することができず、原子炉圧
力容器1内に蓄積することとなる。
【0011】通常のプラント停止時には、こうして蓄積
される気体中の放射性物質は微量である。しかし、燃料
リークが伴うようなプラント停止時にはこうした通常の
場合に比べて発生する放射性物質の量が多くなるため、
主蒸気隔離弁17a,17bが閉鎖されてから原子炉を開放
するまでの間に、原子炉圧力容器1内には相対的に多く
の放射性物質が蓄積する。よって、蓄積された放射性物
質を一度に放出しても影響がない程度となるまで、すな
わちある程度時間をかけて放射性物質濃度が十分に低く
なるまで原子炉を保持した後に、原子炉を開放、すなわ
ち原子炉圧力容器1の上蓋を取外している。
【0012】また、原子炉圧力容器1の気相部1aと接
続しかつ気体廃棄物処理系19と連絡して図示しない原子
炉隔離時冷却系配管が配置される。この原子炉隔離時冷
却系配管を有する原子炉隔離時冷却系は、タービンや復
水器による通常の除熱機能が喪失した場合に、冷却水3
を原子炉圧力容器1内に供給し原子炉の崩壊熱を除去す
る設備として機能する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】原子力発電プラントで
原子炉燃料から発生する放射性物質は、通常運転中は気
体廃棄物処理系19で連続的に処理されており、ガス中の
放射性物質濃度は大気へ放出が可能となる許容範囲内で
常に推移している。一方、燃料破損等の燃料リークが伴
う場合には、主蒸気隔離弁17a,17bを閉として原子炉
圧力容器1の上蓋を開いて原子炉圧力容器1内に蓄積さ
れたガス中の放射性物質を一度に大気に放出しようとす
ると、放射性物質濃度が大気へ放出が可能となる許容範
囲に近いレベルまで高くなることが考えられる。
【0014】仮にこの放射性物質濃度が許容範囲を超え
た場合には大気への放出は不可能であり、濃度が低下す
るまで放出を待機する必要がある。そのため、主蒸気隔
離弁17a,17bを閉じた後に、原子炉圧力容器1内に放
射性物質があるレベル以上に蓄積されない構成を実現す
ることが、燃料リーク時の対応上重要である。
【0015】本発明はこうした事情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、ガスを大気に放出する原子炉開放
までに要する待機時間を短縮すべく、主蒸気隔離弁を閉
鎖した後であっても原子炉圧力容器内の放射性物質を連
続的に処理することによって、原子炉開放時にガスの大
気放出が可能となるレベルまで放射性物質濃度が低い状
態とすることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、炉心を内包する原子炉圧力容器の上部
に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷
却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、
前記原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸
気管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に
放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、前記主蒸
気管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡す
る主蒸気ドレン配管とを具備する原子力発電所の気体処
理設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原
子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記主蒸気ドレ
ン配管を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導
出手段を具備することを特徴とする。さらに、前記気体
導出手段は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と
前記主蒸気ドレン配管とを連絡する第1バイパス手段を
具備することを特徴とする。
【0017】また、本発明では、炉心を内包する原子炉
圧力容器の上部に設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプ
レイノズルに冷却水を供給する原子炉圧力容器ヘッドス
プレイ配管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を
外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、原
子炉隔離時冷却系配管とこの原子炉隔離時冷却系配管に
分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する原子
炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管を有する原子炉隔離時冷
却系とを具備する原子力発電所の気体処理設備におい
て、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子炉圧力容器
ヘッドスプレイ配管および前記原子炉隔離時冷却系を介
して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出手段を具
備することを特徴とする。さらに、前記気体導出手段
は、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前記原
子炉隔離時冷却系配管または前記原子炉隔離時冷却系蒸
気ドレン配管のいずれかとを連絡する第1バイパス手段
を具備することを特徴とする。
【0018】この構成により、主蒸気管に設けられた主
蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、主蒸気隔離弁の
下流側以降の主蒸気管と独立して設けられる気体導出手
段によって、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理
系に導出し処理することで、原子炉圧力容器内に放射性
物質が堆積しその濃度が上昇するのを抑制することがで
きる。
【0019】さらに、前記原子炉圧力容器ヘッドスプレ
イ配管に設けられ前記原子炉圧力容器からの流体の導出
を阻止する逆止手段と、この逆止手段をバイパスして設
けられる第2バイパス手段とを具備することを特徴とす
る。これにより、原子炉圧力容器内に上方から冷却水を
スプレイする際の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管の
機能を有しつつ、原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物
処理系に移送する場合にはこの原子炉圧力容器ヘッドス
プレイ配管の一部を流用することで、系統の簡素化、合
理化を図りかつ上記目的を達成することができる。
【0020】さらに、前記気体導出手段の前記第1バイ
パス手段の下流側に設けられる復水器と、この復水器を
バイパスして設けられる第3バイパス手段とを具備する
ことを特徴とする。これにより、通常運転時に復水器に
より実現される水蒸気の冷却凝縮によるタービン効率の
改善という機能を有しつつ、原子炉圧力容器内の気体を
気体廃棄物処理系に移送する場合にはこの復水器内への
放射性物質の流入を阻止するバイパスを行うことで、復
水器の周辺については既設の系統を流用することができ
るから、系統の簡素化、合理化を図りかつ上記目的を達
成することができる。
【0021】さらに、前記原子炉圧力容器を囲繞する原
子炉格納容器のドライウェルと前記原子炉圧力容器内気
相部とを連絡する手段を具備することを特徴とする。例
えば、原子炉圧力容器ヘッドベント管やあるいは水位計
計装配管等を流用して、原子炉圧力容器の内外を連絡さ
せる。これにより、必要に応じてこの手段から原子炉圧
力容器気相部内に気体を導入することにより、気体導出
手段により原子炉圧力容器気相部に蓄積された放射性物
質を効率良く気体廃棄物処理系へと導出することができ
る。また、必要に応じてこの連絡ルートから原子炉圧力
容器内に気体を流入させ原子炉圧力容器内を加圧するこ
とで、原子炉圧力容器気相部に蓄積された放射性物質を
より効率良く気体廃棄物処理系へと導出することができ
る。
【0022】また、本発明では、原子力発電所の気体処
理方法であって、炉心を内包する原子炉圧力容器内の蒸
気をタービンへ導出する主蒸気管に設けられた主蒸気隔
離弁を閉止する工程と、気体を内部に蓄積する手段およ
び気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理
系と連絡しかつ前記主蒸気管に分岐して配設される主蒸
気ドレン配管に設けられた隔離弁を開く工程とを有し、
前記主蒸気ドレン配管を介して前記原子炉圧力容器内の
気体を前記気体廃棄物処理系に移送することを特徴とす
る。
【0023】この構成により、主蒸気管に設けられた主
蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、既設系統の流用
によって原子炉圧力容器内の気体を気体廃棄物処理系に
導出し処理することが実現できる。
【0024】また、本発明では、原子力発電所の気体処
理方法であって、炉心を内包する原子炉圧力容器の原子
炉圧力容器上蓋ノズルの上部に設けられ原子炉圧力容器
上方から冷却水をスプレイする原子炉圧力容器ヘッドス
プレイノズルを前記原子炉圧力容器上蓋ノズルから離脱
する工程と、導入部および導出部の少なくとも2端を有
する気体移送手段の少なくとも1端を前記原子炉圧力容
器を囲繞する原子炉格納容器の外部に設定する工程と、
前記原子炉圧力容器上蓋ノズルを介して前記原子炉圧力
容器の内部に前記気体移送手段の少なくとも1端を設定
する工程とを有することを特徴とする。さらに、前記気
体移送手段を介して、気体を内部に蓄積する手段および
気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系
に前記原子炉圧力容器内の気体を移送する工程を有する
ことを特徴とする。
【0025】この構成により、主蒸気管に設けられた主
蒸気隔離弁を閉鎖した状態であっても、原子炉圧力容器
気相部から直接、気体移送手段を介して、原子炉圧力容
器内の気体を気体廃棄物処理系に導出し処理することが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0027】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概
略系統図である。図5に示した従来の技術と同様の構成
については同一符号を付し説明を省略する。
【0028】本実施の形態は、従来の原子力発電所の系
統に対してバイパス手段を仮設あるいは本設で新たに設
けることによって、運転停止時でかつ原子炉を解放する
前に主蒸気隔離弁17a,17bを閉鎖したままで原子炉圧
力容器1内に蓄積される気体を気体廃棄物処理系19へ導
く構成を実現している。
【0029】従来の原子力発電所の系統として、本実施
の形態では、主蒸気管9と分岐して設けられる主蒸気ド
レン配管9aを活用する。主蒸気ドレン配管9aは、主
蒸気管9とドライウェル4内で分岐して設けられ、原子
炉格納容器5壁との原子炉格納容器貫通部28の上流側す
なわちドライウェル4内および下流側すなわち原子炉格
納容器5外にそれぞれ隔離弁26a,26bを有している。
また主蒸気ドレン配管9aは、隔離弁26bの下流側では
復水器16を介して気体廃棄物処理系19に気体を導くよう
構成され、また復水器16の前後に隔離弁27a,27bをそ
れぞれ有している。
【0030】本実施の形態では、隔離弁14a,14b間の
原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8と隔離弁26a,26
b間の主蒸気ドレン配管9aとを連絡する第1バイパス
配管30を設ける。また、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ
配管8上の逆止弁13をバイパスして第2バイパス配管29
を設ける。また、また、主蒸気ドレン配管9a上の復水
器16および隔離弁27a,27bをバイパスする第3バイパ
ス配管31を設ける。
【0031】なお、これらのバイパス配管29,30,31
は、仮設として以下詳述する原子炉圧力容器1内の気体
を外部に放出する際に設けるものとしている。この際、
原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8上で逆止弁13の前
後に設けられるフランジ32a,32bに第2バイパス配管
29を設ける。また、主蒸気ドレン配管9a上で隔離弁33
a,33bと復水器16の設置位置の前後に設けられるフラ
ンジ33a,33bに第3バイパス配管31を設けることとす
る。
【0032】本実施の形態の作用について説明する。原
子炉圧力容器1内に発生し気相部1aに蓄積された放射
性物質は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6を通
って原子炉圧力容器1外へ導かれる。この際、通常は逆
止弁13の作用により原子炉圧力容器1の内部から外部へ
の流体の移動は抑制されているが、本実施の形態では、
第2バイパス配管29を介して逆止弁13をバイパスして原
子炉圧力容器1の外部に放射性物質が移行する。
【0033】原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8は図
示しない冷却水源と接続しているため、この原子炉圧力
容器ヘッドスプレイ配管8内の放射性物質の移行流路を
変更する必要がある。よって、原子炉圧力容器ヘッドス
プレイ配管8の隔離弁14aを開とし、隔離弁14bを閉と
する。また、主蒸気ドレン配管9aの隔離弁26aを閉と
し、隔離弁26bを開とする。これにより、原子炉圧力容
器ヘッドスプレイ配管8内の気体は第1バイパス配管30
を介して主蒸気ドレン配管9a内に移行される。
【0034】また、このとき、主蒸気ドレン配管9aの
隔離弁26bを開とするとともに隔離弁27a,27bを閉と
する。これにより、主蒸気ドレン配管9aに導入される
気体は、第3バイパス配管31を介して、復水器16をバイ
パスして気体廃棄物処理系19に導かれる。この気体は、
気体廃棄物処理系19において、排ガス再結合器20および
復水器21を介して、気体廃棄物処理系ホールドアップ塔
22内に導かれ保持された後、放射能が減衰された状態で
排気ポンプ23を介して排気筒24により大気に放出され
る。
【0035】この構成により、原子炉圧力容器1の気相
部1aから既存の設備を適用しつつ簡易な構成で気体導
出ルートを形成することにより、原子炉圧力容器1内の
放射性物質を容易に気体廃棄物処理系19に移行させるこ
とができる。特に、主蒸気隔離弁17a,17bが閉鎖され
た場合であっても、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系お
よび主蒸気ドレン配管9aを介して、原子炉圧力容器1
内の放射性物質を気体廃棄物処理系19へ導出し処理を行
うことができる。
【0036】なお、本実施の形態においては、原子炉圧
力容器1の上部に設けられる原子炉圧力容器ヘッドベン
ト管7の隔離弁12を開とすることで、原子炉圧力容器1
の気相部1aとドライウェル4とを連絡する気体流路を
形成するのが好適である。気体流路を形成することによ
り、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8および上述し
た各バイパス配管等を介して気体を気体廃棄物処理系19
へと導出することがより容易に実現できる。
【0037】この原子炉圧力容器ヘッドベント管7によ
る気体流路は、必ずしも必須の構成ではないが、気体廃
棄物処理系19の排気ポンプ23の容量等によって決まる気
体廃棄物処理系19の吸込能力がさほど高くない場合には
特に有効であり、原子炉圧力容器1内の気体が円滑に気
体廃棄物処理系19に導出されるための助けとなる。
【0038】また、本実施の形態においては、必要に応
じて、原子炉圧力容器ヘッドベント管7を通して、外部
から原子炉圧力容器1内に気体を移送して原子炉圧力容
器1内を加圧する操作を、原子炉圧力容器1内の気体を
気体廃棄物処理系19へ導出する過程で並行して行うこと
も考えられる。原子炉圧力容器1内に気体を移送する方
法としては、隔離弁12を常時開として連続的に気体を原
子炉圧力容器1内に流入させる方法と、隔離弁12を開と
して気体を流入させ原子炉圧力容器1内を高圧とした後
にいったん隔離弁12を閉じてある程度の気体が気体廃棄
物処理系19へ導出されるのを待って再度隔離弁12を開と
する方法などがある。これにより、原子炉圧力容器1内
の気体状の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄
物処理系19へと移行させることができる。
【0039】あるいは、本実施の形態においては、原子
炉圧力容器1内に張られた原子炉冷却水3の水位Lを上
昇させるあるいは下降させる操作、すなわち原子炉水位
制御を並行して行うことも考えられる。原子炉水位制御
には、復水補給水系(MUWC)により冷却水3を注入
する、あるいは原子炉水浄化系(CUW)により冷却水
3を排出する方法などがある。これにより、原子炉圧力
容器1内の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄
物処理系19へと移行させることができる。
【0040】なお、本実施の形態におけるバイパス配管
29,30,31は、ともに、原子炉停止時に、原子炉開放前
すなわち原子炉圧力容器1の上蓋を取外す前に原子炉内
の気体を処理する設備として仮設で設けることとした
が、例えばこれらのバイパス配管29,30,31のうち少な
くとも一つを本設として設けることとしてもよい。ま
た、これらのバイパス配管29,30,31に隔離弁を設ける
構成も考えられる。特に、バイパス配管を本設で設ける
場合には、通常運転時などバイパス配管を使用しないと
きにはこのバイパス配管の隔離弁を閉とすることで、必
要なときにバイパスを行うことができる。
【0041】また、バイパス配管29,30,31を構成する
配管の少なくとも一部にホース等の他の気体を移送する
手段を適用し、配管の代用とすることも可能である。
【0042】さらに、本実施の形態における第3バイパ
ス配管31は、隔離弁27bと気体廃棄物処理系19との間で
フランジすなわち接続部33bにより主蒸気ドレン配管9
aに連絡しているが、第3バイパス配管31の下流側端部
と主蒸気ドレン配管9aとの接続部33bの位置として
は、図示した場合以外に、例えば、気体廃棄物処理系ホ
ールドアップ塔22上あるいはホールドアップ塔22の入口
部、または復水器21の入口部とする構成が考えられる。
あるいは、気体廃棄物処理系19に図示しない除湿冷却器
を設けた場合にはこの除湿冷却器の入口部に設けるとし
てもよい。この場合、隔離弁27bは、気体廃棄物処理系
19内の接続部33bより上流側に配置される弁によって併
用する構成としてもよい。
【0043】図2は、本実施の形態の変形例に係る原子
力発電所の気体処理装置の概略系統図である。図1に示
した気体処理装置と同様の構成については同一符号を付
し説明を省略する。
【0044】図2に示した気体処理装置は、図1に示し
上述した構成において、第2バイパス配管29の気体導入
側のフランジ32aの位置を変更している。すなわち、原
子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6から原子炉圧力容
器ヘッドスプレイ配管8を取外すとともに、原子炉圧力
容器ヘッドスプレイノズル6に対して直接フランジ32a
を介して第1バイパス配管29を接続する構成をとってい
る。すなわち、例えば、図7に示した原子炉ヘッドスプ
レイノズルフランジ39に直接第2バイパス配管29を接続
する。この構成によっても、上述と同様の作用効果を得
ることができる。
【0045】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第
2の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概
略系統図である。図1に示した気体処理装置と同様の構
成については同一符号を付し説明を省略する。
【0046】本実施の形態では、原子炉圧力容器1内の
気体を気体廃棄物処理系19へ導くためのバイパス流路と
して、第1の実施の形態において用いた主蒸気ドレン配
管9aに代えて、かつ原子炉圧力容器1の気相部1aと
接続する原子炉隔離時冷却系配管11と分岐して設けら
れ、気体廃棄物処理系19と連絡する原子炉隔離時冷却系
蒸気ドレン配管11aを用いている。なお、符号34は、原
子炉隔離時冷却系配管11の原子炉格納容器5壁との原子
炉格納容器貫通部を示す。
【0047】原子炉隔離時冷却系を構成する原子炉隔離
時冷却系配管11には、原子炉格納容器5の内部に隔離弁
17aが、外部に隔離弁17b,17cが設けられている。ま
た、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aは隔離弁17
bと17cの間で原子炉隔離時冷却系配管11に分岐して設
けられ、隔離弁17dを有し、また復水器16を介して気体
廃棄物処理系19に連絡している。復水器16の前後には隔
離弁27a,27bが設けられている。
【0048】本実施の形態では、第1の実施の形態で原
子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8に設けた第2バイパ
ス配管29を使用する。さらに、第1バイパス配管35が、
隔離弁14a,14b間の原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配
管8と、隔離弁17a,17b間の原子炉隔離時冷却系蒸気
ドレン配管11aとを連絡するように設けられる。また、
第3バイパス配管36が、原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン
配管11a上の復水器16および隔離弁27a,27bをバイパ
スするように設けられる。また、第3バイパス配管36は
原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aとフランジ37
a,37bを介して連絡している。
【0049】本実施の形態の作用について説明する。原
子炉圧力容器1内に発生し気相部1aに蓄積された放射
性物質は、原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6から
原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8を通り、また第2
バイパス配管29を介して逆止弁13をバイパスして、原子
炉格納容器1の外部へ移行する。このとき、原子炉圧力
容器ヘッドスプレイ配管8の隔離弁14aを開とし隔離弁
14bを閉とし、また、原子炉隔離時冷却系配管11の隔離
弁17a,17cを閉として隔離弁17bを開とする。また、
原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aの隔離弁17dを
開とし、復水器16の前後の隔離弁27a,27bを閉とす
る。
【0050】これにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレ
イ配管8内の気体は第1バイパス配管35を介して原子炉
隔離時冷却系配管11内に移行される。また、原子炉隔離
時冷却系配管11に導入される気体は、開状態の隔離弁17
dを介して原子炉隔離時冷却系ベント配管11a内に導か
れ、また第3バイパス配管36を介して復水器16をバイパ
スして気体廃棄物処理系19に導かれる。
【0051】この構成により、原子炉圧力容器1の気相
部1aから既存の設備を適用しつつ簡易な構成で気体導
出ルートを形成することにより、原子炉圧力容器1内の
放射性物質を容易に気体廃棄物処理系19に移行させるこ
とができる。特に、主蒸気隔離弁17a,17bおよび原子
炉隔離時冷却系配管11の隔離弁17cが閉鎖された場合で
あっても、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ系および原子
炉隔離時冷却系を介して原子炉圧力容器1内の放射性物
質を気体廃棄物処理系19へ導出し処理を行うことができ
る。
【0052】ここで、第1バイパス配管35の下流側端部
は、原子炉隔離時冷却系配管11の隔離弁17a,17bと連
絡するよう設定したが、これに限らず、第1バイパス配
管35の下流側端部を原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管
11aに対して直接連絡するように、例えば隔離弁17dの
直ぐ上流側あるいは下流側に連絡するように設定しても
よい。この場合も、上述と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0053】なお、本実施の形態においては、原子炉圧
力容器1の気相部1aとドライウェル4とを連絡して設
けられている水位計計装配管10を用いて原子炉圧力容器
1内の気体の導出を促進させるのが好適である。すなわ
ち、水位計計装配管10に設けられた隔離弁25を開とし
て、気相部1aからドライウェル4への気体の移行流路
を形成することにより、原子炉圧力容器1内の放射性物
質を容易に気体廃棄物処理系19へ移行させることができ
る。
【0054】また、本実施の形態においては、原子炉圧
力容器1の気相部に設けられドライウェル4と連絡する
水位計計装配管10上の隔離弁25を開とすることで、原子
炉圧力容器1の気相部とドライウェル4とを連絡する気
体流路を形成するのが好適である。気体流路を形成する
ことにより、原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管8およ
び上述した各バイパス配管等を介して気体を気体廃棄物
処理系19へと導出することがより容易に実現できる。
【0055】この水位計計装配管10は、圧力差によって
水位を検出するために設けられるものである。水位計計
装配管15の隔離弁25を開とすることで形成される気体流
路は、必ずしも必須の構成ではないが、気体廃棄物処理
系19の排気ポンプ23の容量等によって決まる気体廃棄物
処理系19の吸込能力がさほど高くない場合には特に有効
であり、原子炉圧力容器1内の気体が円滑に気体廃棄物
処理系19に導出されるための助けとなる。
【0056】また、本実施の形態においては、必要に応
じて、水位計計装配管107を通して、外部から原子炉圧
力容器1内に気体を移送して原子炉圧力容器1内を加圧
する操作を、原子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処
理系19へ導出する過程で並行して行うことも考えられ
る。
【0057】原子炉圧力容器1内に気体を移送する方法
としては、隔離弁25を常時開として連続的に気体を原子
炉圧力容器1内に流入させる方法と、隔離弁25を開とし
て気体を流入させ原子炉圧力容器1内を高圧とした後に
いったん隔離弁25を閉じてある程度の気体が気体廃棄物
処理系19へ導出されるのを待って、再度隔離弁25を開と
する方法などがある。これにより、原子炉圧力容器1内
の気体状の放射性物質をより早期にかつ確実に気体廃棄
物処理系19へと移行させることができる。
【0058】なお、本実施の形態においては、第1の実
施の形態において詳述した構成、例えばバイパス配管を
本設とする、第3バイパス配管36と原子炉隔離時冷却系
配管11との接続点を変更する、などのさまざまな変形例
を考慮することができる。
【0059】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第
3の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の概
略系統図である。図1に示した気体処理装置と同様の構
成については同一符号を付し説明を省略する。
【0060】本実施の形態では、原子炉圧力容器1内の
気体を気体廃棄物処理系19へ導くためのバイパス流路と
して、第1の実施の形態において原子炉圧力容器ヘッド
スプレイ配管8および主蒸気ドレン配管9aを用いて原
子炉圧力容器1内の気体を気体廃棄物処理系19に導出し
ていたものを、主蒸気ドレン配管9aのみを用いて導出
する構成としたものである。
【0061】すなわち、第1の実施の形態における第1
バイパス配管30および第2バイパス配管29を適用するこ
となく、主蒸気ドレン配管9aの復水器16をバイパスす
る第3バイパス配管31のみを設ける。
【0062】主蒸気管9の隔離弁17a,17bを閉とする
とともに主蒸気ドレン配管9aの隔離弁26aおよび26b
をともに開とする。また、復水器16の上流側および下流
側の隔離弁27a,27bを閉とする。これにより、主蒸気
ドレン配管9aを介して原子炉圧力容器1内の気体が気
体廃棄物処理系19に移行される。
【0063】本実施の形態によれば、主蒸気管9内の原
子炉圧力容器1との接続部付近を放射性物質が流通する
という点を除けば、上記第1の実施の形態とほぼ同様の
効果を奏する。また、第1の実施の形態と比較して、バ
イパス配管の物量や設置に要する時間を低減することが
できる。
【0064】さらに、本実施の形態の変形例として、図
3に示した原子炉隔離時冷却系を活用して、隔離弁17
a,17b,17dを開とし隔離弁17cを閉として、原子炉
隔離時冷却系蒸気ドレン配管11aを介して、原子炉圧力
容器1内の気体を直接気体廃棄物処理系19へ導出する構
成をとることもできる。この場合は、上記第2の実施の
形態とほぼ同様の効果を奏する。また、第2の実施の形
態と比較して、バイパス配管の物量や設置に要する時間
を低減することができる。
【0065】(第4の実施の形態)図5は、本発明の第
4の実施の形態に係る原子力発電所の気体処理装置の主
要部を拡大して示した断面図であり、原子炉圧力容器1
の上部に位置する原子炉圧力容器上蓋ノズル38の周囲を
示している。
【0066】本実施の形態は、放射性物質が蓄積される
原子炉圧力容器1、気体放射性物質を処理する気体廃棄
物処理系19等の設備からなる、図6に示されるような原
子力発電所に適用される。
【0067】本実施の形態では、図7に示される原子炉
圧力容器上蓋ノズル38の上方に配設される原子炉圧力容
器ヘッドスプレイノズル6、原子炉圧力容器ヘッドベン
ト管7を取り外して、気体導出ホース40を原子炉圧力容
器上蓋ノズル38から直接原子炉圧力容器1の気相部1a
に挿入している。
【0068】この気体導出ホース40は仮設として設けら
れるものであり、図示しない原子炉建屋内オペレーティ
ングフロア、オペレーティングフロア階段部、主蒸気ト
ンネル室内を経由して、原子炉格納容器5の外部、例え
ばタービン建屋内へ引き回して設けられ、その他端は、
気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22入口部配管部
に連絡する配管に接続されている。気体導出ホース40の
接続部としては、気体廃棄物処理系19のホールドアップ
塔22上、ホールドアップ塔22の入口部、気体廃棄物処理
系復水器21の入口部、あるいは気体廃棄物処理系19の除
湿冷却器の入口部のうちのいずれかとするのが好適であ
る。
【0069】本実施の形態による作用について説明す
る。原子炉圧力容器1内で発生した放射性物質は、原子
炉圧力容器ヘッドスプレイノズル6を取り外した後に原
子炉圧力容器上蓋ノズル38より原子炉圧力容器1内の気
相部1aに挿入される気体導出ホース40を通って原子炉
圧力容器1外へ導出される。気体導出ホース40により原
子炉圧力容器1外へ導き出された放射性物質は、最終的
には気体廃棄物処理系19のホールドアップ塔22で処理さ
れる。
【0070】また、本実施の形態の第1変形例として、
上述した気体導出ホース40として2つのホースを併設す
ることが考えられる。すなわち、この場合、原子炉圧力
容器1内で発生した放射性物質は原子炉圧力容器上蓋ノ
ズル38より原子炉圧力容器1内気相部に挿入される第1
の気体導出ホース40を通って原子炉圧力容器1外へ導出
される。この場合の第1の気体導出ホース40は、原子炉
建屋内オペレーティングフロア、オペレーティングフロ
ア階段部を経由して、主蒸気トンネル室内で原子炉格納
容器5の外側に位置する主蒸気ドレン配管9aに接続す
るものとする。
【0071】第1の気体導出ホース40により原子炉圧力
容器1外へ導き出された放射性物質は、第1の気体導出
ホース40を通り主蒸気ドレン配管9a内に導かれる。こ
こで、図示しない第2の気体導出ホースは、図1に示さ
れる主蒸気ドレン配管9aに設けられる復水器16をバイ
パスする手段として設けられる。すなわち、第2の気体
導出ホースは、主蒸気ドレン配管9aの復水器16の上流
側に一端が接続され、他端が例えば気体廃棄物処理系19
のホールドアップ塔22上あるいはホールドアップ塔22に
繋がる配管に接続されるよう設定されるものとする。あ
るいは、第2の気体導出ホースの下流側の接続部とし
て、気体廃棄物処理系19の復水器21または除湿冷却器の
入口部としてもよい。
【0072】あるいは、この本実施の形態の第2変形例
として、上記本実施の形態の第1変形例における第1の
気体導出ホース40の下流側を、原子炉建屋内で原子炉格
納容器5の外側に位置する原子炉隔離時冷却系配管11に
接続し、かつ、第2の気体導出ホースの上流側を、原子
炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管11の復水器16の上流側と
する構成が考えられる。他の構成は上記第1変形例と同
様である。
【0073】こうした変形例によっても、上述した本実
施の形態と同様の作用を得ることができる。
【0074】なお、以上各実施の形態において詳述した
それぞれの構成は、適宜異なる実施の形態で組み合わせ
て適用することが可能である。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主
蒸気隔離弁閉鎖後も、原子炉圧力容器内の放射性物質を
気体廃棄物処理系へと容易に導出し連続的に処理するこ
とができるから、原子炉圧力容器内の放射性物質の濃度
を大気開放可能な濃度とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る原子力発電所
の気体処理設備の概略系統図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る原子
力発電所の気体処理設備の概略系統図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る原子力発電所
の気体処理設備の概略系統図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る原子力発電所
の気体処理設備の概略系統図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る原子力発電所
の気体処理設備のうち原子炉圧力容器上部を拡大して示
した断面図である。
【図6】従来の原子力発電所の気体処理設備の概略系統
図である。
【図7】従来の原子力発電所の気体処理設備のうち原子
炉圧力容器上部を拡大して示した断面図である。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、1a…原子炉圧力容器気相部、2
…原子炉炉心、3…原子炉冷却水、4…ドライウェル、
5…原子炉格納容器、6…原子炉圧力容器ヘッドスプレ
イノズル、7…原子炉圧力容器ヘッドベント管、7a…
原子炉圧力容器ヘッドベント管フランジ、8…原子炉圧
力容器ヘッドスプレイ配管、9…主蒸気管、9a…主蒸
気ドレン配管、10…原子炉水位計計装配管、11…原子炉
隔離時冷却系配管、11a…原子炉隔離時冷却系蒸気ドレ
ン配管、12,14a,14b,17a,17b,25,26a,26
b,27a,27b…隔離弁、13…逆止弁、15,18,28,34
…原子炉格納容器貫通部、16,21…復水器、19…気体廃
棄物処理系、20…排ガス再結合器、22…気体廃棄物処理
系ホールドアップ塔、23…排気ポンプ、24…排気筒、29
…第2バイパス配管、30,35…第1バイパス配管、31,
36…第3バイパス配管、32a,32b,33a,33b,37
a,37b…バイパス配管フランジ、38…原子炉圧力容器
上蓋ノズル、39…原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズル
フランジ、40…気体導出ホース。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に
    設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却
    水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、前
    記原子炉圧力容器内の蒸気をタービンへ導出する主蒸気
    管と、気体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放
    出する排気筒を有する気体廃棄物処理系と、前記主蒸気
    管に分岐して設けられ前記気体廃棄物処理系と連絡する
    主蒸気ドレン配管とを具備する原子力発電所の気体処理
    設備において、前記原子炉圧力容器内の気体を前記原子
    炉圧力容器ヘッドスプレイ配管および前記主蒸気ドレン
    配管を介して前記気体廃棄物処理系へ導出する気体導出
    手段を具備することを特徴とする原子力発電所の気体処
    理設備。
  2. 【請求項2】 前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容
    器ヘッドスプレイ配管と前記主蒸気ドレン配管とを連絡
    する第1バイパス手段を具備することを特徴とする請求
    項1記載の原子力発電所の気体処理設備。
  3. 【請求項3】 炉心を内包する原子炉圧力容器の上部に
    設けられた原子炉圧力容器ヘッドスプレイノズルに冷却
    水を供給する原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管と、気
    体を内部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排
    気筒を有する気体廃棄物処理系と、原子炉隔離時冷却系
    配管とこの原子炉隔離時冷却系配管に分岐して設けられ
    前記気体廃棄物処理系と連絡する原子炉隔離時冷却系蒸
    気ドレン配管を有する原子炉隔離時冷却系とを具備する
    原子力発電所の気体処理設備において、前記原子炉圧力
    容器内の気体を前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管
    および前記原子炉隔離時冷却系を介して前記気体廃棄物
    処理系へ導出する気体導出手段を具備することを特徴と
    する原子力発電所の気体処理設備。
  4. 【請求項4】 前記気体導出手段は、前記原子炉圧力容
    器ヘッドスプレイ配管と、前記原子炉隔離時冷却系配管
    または前記原子炉隔離時冷却系蒸気ドレン配管のいずれ
    かとを連絡する第1バイパス手段を具備することを特徴
    とする請求項1記載の原子力発電所の気体処理設備。
  5. 【請求項5】 前記原子炉圧力容器ヘッドスプレイ配管
    に設けられ前記原子炉圧力容器からの流体の導出を阻止
    する逆止手段と、この逆止手段をバイパスして設けられ
    る第2バイパス手段とを具備することを特徴とする請求
    項2または4記載の原子力発電所の気体処理設備。
  6. 【請求項6】 前記気体導出手段の前記第1バイパス手
    段の下流側に設けられる復水器と、この復水器をバイパ
    スして設けられる第3バイパス手段とを具備することを
    特徴とする請求項2または4記載の原子力発電所の気体
    処理設備。
  7. 【請求項7】 前記原子炉圧力容器を囲繞する原子炉格
    納容器のドライウェルと前記原子炉圧力容器内気相部と
    を連絡する手段を具備することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか記載の原子力発電所の気体処理設備。
  8. 【請求項8】 炉心を内包する原子炉圧力容器内の蒸気
    をタービンへ導出する主蒸気管に設けられた主蒸気隔離
    弁を閉止する工程と、気体を内部に蓄積する手段および
    気体を外気に放出する排気筒を有する気体廃棄物処理系
    と連絡しかつ前記主蒸気管に分岐して配設される主蒸気
    ドレン配管に設けられた隔離弁を開く工程とを有し、前
    記主蒸気ドレン配管を介して前記原子炉圧力容器内の気
    体を前記気体廃棄物処理系に移送することを特徴とする
    原子力発電所の気体処理方法。
  9. 【請求項9】 炉心を内包する原子炉圧力容器の原子炉
    圧力容器上蓋ノズルの上部に設けられ原子炉圧力容器上
    方から冷却水をスプレイする原子炉圧力容器ヘッドスプ
    レイノズルを前記原子炉圧力容器上蓋ノズルから離脱す
    る工程と、導入部および導出部の少なくとも2端を有す
    る気体移送手段の少なくとも1端を、前記原子炉圧力容
    器を囲繞する原子炉格納容器の外部に設定する工程と、
    前記原子炉圧力容器上蓋ノズルを介して前記原子炉圧力
    容器の内部に前記気体移送手段の少なくとも1端を設定
    する工程とを有することを特徴とする原子力発電所の気
    体処理方法。
  10. 【請求項10】 前記気体移送手段を介して、気体を内
    部に蓄積する手段および気体を外気に放出する排気筒を
    有する気体廃棄物処理系に前記原子炉圧力容器内の気体
    を移送する工程を有することを特徴とする請求項9記載
    の原子力発電所の気体処理方法。
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