JP3525730B2 - 放射性廃棄物の除染方法 - Google Patents

放射性廃棄物の除染方法

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JP3525730B2
JP3525730B2 JP08544398A JP8544398A JP3525730B2 JP 3525730 B2 JP3525730 B2 JP 3525730B2 JP 08544398 A JP08544398 A JP 08544398A JP 8544398 A JP8544398 A JP 8544398A JP 3525730 B2 JP3525730 B2 JP 3525730B2
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射性廃棄物の除
染方法に係り、特に放射性物質が用いられる原子力施設
に設けられた重水を使用する設備の配管及び機器の内面
に付着したトリチウムの除染に適用するのに好適な放射
性廃棄物の除染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力施設、特に重水を使用する原子炉
施設では、運転に伴い発生するトリチウムが、配管材料
等に重水と共に付着,吸着または材料中への拡散などに
より材料中に固溶していると考えられる。この原子炉施
設では定期検査,補修作業時並びに解体作業時に除染作
業が行われる。この除染方法は、加熱空気等による乾燥
によるものまたは水による洗浄によるものである。
【0003】また、原子力施設の一種である核融合炉な
どの多量のトリチウムをハンドリングする施設では、ト
リチウム原子が表面に吸着或いは材料内に拡散し固溶ト
リチウムの形態で存在すると考えられている。この材料
表面に付着或いは固溶したトリチウムの除染として、主
として高温の空気などを用いて加熱する方法が用いられ
ていた。例えば、ケイ・ワイ・ウオング〔K.Y.Wong〕等
の記載の論文「核融合エンジニアリング及びデザイン」
〔Fusion Engineering and Design〕,16,159−
172(1991)は、加熱した水素ガスを含む窒素ガ
スをステンレス鋼表面に通気して約1000℃迄温度を
上げ、500時間にわたるトリチウムの放出挙動につい
て説明している。この論文は、温度が上昇するに伴って
ステンレス鋼表面からのトリチウムの放出率が増大する
ことを記述している。
【0004】更に、ブイ・ジェー・コールコラン〔V.J.
Corcoran〕等の論文「核融合テクノロジー」〔Fusion Te
chnology〕,21,727(1992))も、ステンレ
ス鋼に注入されたトリチウムの50℃から400℃まで
の加熱操作による除染の評価について記載している。す
なわち、50℃ではトリチウムの放出は見られず、10
0℃以上の加熱操作において若干のトリチウム放出が起
こり、加熱温度の上昇と共にその放出率が上昇すること
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、核融合施設で使
用されているトリチウムはかなり高濃度でかつ高温条件
下で使用されるため、配管等の材料表面に付着している
トリチウムに比較して材料中に固溶しているトリチウム
の割合が高い。従って、設備の保守,補修或いは解体作
業などにあたっては、数百℃以上の高温の条件下での長
時間加熱により、材料に含まれる固溶トリチウムを材料
外に取り出すことが考えられていた。
【0006】一方、重水を使用する原子力施設でも、ト
リチウムに汚染された配管材料から固溶トリチウムを取
り出すためには、高温下での長時間の加熱操作が必要と
される。
【0007】固溶トリチウムの化学形態はHT或いはT
2 であるため、固溶トリチウムを回収するために酸水素
結合装置等の酸化装置を必要とする。
【0008】本発明の目的は、除染に要する時間を短縮
でき、トリチウムをトリチウム水にする装置の設置が不
要で装置構成を単純化できる放射性廃棄物の除染方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、内部でトリチウムが発生する原子力施設の
廃棄される配管または機器内を除染する放射性廃棄物の
除染方法において、前記配管内または前記機器内に乾燥
ガスを供給してその内側に付着した重水を除去し、その
後、軽水の水蒸気を含む200℃以下のガスを前記配管
または前記機器の内側に供給することにより、前記配管
または前記機器の内側で前記配管または前記機器の材料
表面に吸着された重水からトリチウムを除去し、固溶ト
リチウムについては前記配管または前記機器の材料中に
閉じ込めるようにしたものである。
【0010】乾燥ガスによって、配管内または機器の内
側に付着した、トリチウムを含む重水を除去し、軽水の
水蒸気を含む200℃以下のガスによって配管または機
器の内側で配管または機器の材料表面に吸着された重水
からトリチウムを除去することができる。材料表面に吸
着された重水に含まれるトリチウム水と軽水の水蒸気と
の間で同位体交換が行われ、トリチウム水中のトリチウ
ムが水蒸気中に移行する。軽水の水蒸気を含む200℃
以下のガスを用いているので、材料に固溶しているトリ
チウムは、材料から放出されず配管または機器の材料中
に閉じ込めておくことができる。本発明は、固溶してい
るトリチウムを除去しないので、除染に要する時間を短
縮でき、トリチウムをトリチウム水にする装置の設置が
不要で除染装置の構成を単純化できる。なお、本発明
は、乾燥ガス、及び軽水の水蒸気を含むガスを用いてい
るので、除染によって発生する放射性廃液の量を著しく
低減できる。
【0011】本発明の好ましい実施態様は、乾燥ガス、
及び水蒸気を含むガスとして空気を用いることである。
これらのガスとしては、窒素ガスの利用も考えられるが
空気を用いることによって窒素ガスタンク等のガスの貯
蔵施設が不要になり、設備を単純化できる。また、空気
を用いることによって、乾燥ガス、及び水蒸気を含むガ
スの入手が容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】重水を使用する原子力施設におい
て発生するトリチウムで汚染された配管材料(または機
器材料)においてトリチウムは、以下の3つの形態で存
在する。第1は配管(または機器)の内側で材料表面に
付着した重水に含まれたトリチウム水であり、第2は配
管(または機器)の内側で材料表面に吸着された重水に
含まれたトリチウム水である。第3は材料内に固溶状態
で存在する固溶トリチウムである。
【0013】これらのトリチウムのうち、材料表面に付
着した重水に含まれるトリチウムは、乾燥空気を用いた
パージング操作により重水と共に材料表面から容易に取
り除くことができ、除染が容易である。しかし、材料表
面に吸着された重水に含まれるトリチウムは、乾燥空気
を用いたパージング操作によって除染することは困難で
ある。
【0014】発明者らは、配管材料表面に吸着された重
水に含まれたトリチウム、及び配管材料内の固溶トリチ
ウムの放出量の、軽水の水蒸気を含む空気の温度に対す
る依存性を評価した結果、図2に示す特性を得ることが
できた。この結果から、材料表面に吸着された重水に含
まれたトリチウムの放出率は温度の上昇と共に徐々に上
昇し、固溶トリチウムの放出率は200℃までの昇温過
程においてほとんど放出されず200℃を超えると増加
することが分かった。
【0015】これらの現象から、軽水の水蒸気を含む2
00℃以下の空気,窒素ガス等のガスを用いることによ
って、固溶トリチウムを配管材料内に閉じ込めた状態
で、配管材料表面に付着している重水よりは除去しづら
い配管材料表面に吸着している重水にトリチウム水(H
TO,T2O)として含まれるトリチウムを同位体交換
で配管材料表面から除去できるという新たな知見を、発
明者らは得た。固溶トリチウムを材料内に閉じ込めてお
くことは、放出される固溶トリチウムの処理が不要、除
染作業に要する時間の短縮、固溶トリチウムを放射性廃
棄物である配管材料の保管と一緒に行える、保管するト
リチウム水の量を低減できるなどの新たな効果を得るこ
とができる。特に、特徴的なことは、固溶トリチウムは
常温で安定な状態で存在することである。このため、固
溶トリチウムを含む廃材である配管材料を200℃以
下、好ましくは常温の雰囲気で保管することによって、
固溶トリチウムを配管材料内に安定に閉じ込めておくこ
とができる。すなわち、放射性廃棄物である廃材を固溶
トリチウムの保管に利用できる。以上のことは、放射性
廃棄物となる廃材である機器材料(固溶トリチウムを含
む)についても同じことがいえる。
【0016】本発明は、上記の新たに見出した知見に基
づいてなされたものである。
【0017】軽水の水蒸気を含む200℃以下のガスを
用いた廃材表面の除染作業の前に、乾燥空気の廃材表面
への接触により、廃材表面に付着している重水(トリチ
ウム水を含む)を廃材表面から取り除くことによって、
廃材表面には外部被曝並びに内部被曝が問題となるよう
なトリチウムからの放射線はほとんど存在しなくなる。
廃材内には固溶トリチウムが存在するが、廃材内に閉じ
込められているため固溶トリチウムに基づく放射線のレ
ベルは低く、被曝上問題とならない。廃材自体が固溶ト
リチウムに対する放射線遮へい材として機能する。
【0018】以下、本発明の好適な一実施例である放射
性廃棄物の除染方法を図1に基づいて以下に説明する。
1は除染対象の配管(機器)である。
【0019】図1に示された放射性廃棄物除染装置の構
成を以下に説明する。この放射性廃棄物除染装置は、加
湿器2,加熱器3,凝縮器4,ブロア5及び放射線検出
器7及び8を備える。加熱器3及びブロア5は、配管9
で接続される。放射線検出器7は、バルブ27が設けら
れる配管21によって配管9に接続される。バルブ22
を有する配管10が、加熱器3に接続される。加湿器2
が、バルブ22と並列になるように配管14によって配
管10に接続される。加湿器2の入口側と出口側にバル
ブ23及び24がそれぞれ設けられる。ブロア5の入口
側に接続される配管12は、凝縮器4の出口側に接続さ
れる。冷凍機6はバルブ29を有する配管19によって
凝縮器4に接続される。バルブ26を有する配管11
が、凝縮器4の入口側に接続される。バルブ25を有す
る配管16の両端が、凝縮器4をバイパスするように配
管11及び12に接続される。バルブ30を備える配管
18が、配管11に接続される。配管17が凝縮器4に
接続される。放射線検出器8が、バルブを有する配管2
9によって配管17に連絡される。外部に連絡され、バ
ルブ15を有する配管13が配管12に接続される。
【0020】図1の放射性廃棄物除染装置を用いて行う
本実施例の放射性廃棄物の除染方法を詳細に説明する。
本実施例の除染方法は、主に、加熱した乾燥空気を用い
た乾燥作業、及び軽水の水蒸気を含む空気を用いた除染
作業の2つの作業を含んでいる。
【0021】重水を使用する原子力施設(例えば、原子
炉)から取り外された配管1は、両端をフランジ等で配
管10及び11にそれぞれ接続する。配管1は、原子力
施設で使用されている間、内部をトリチウム水(HTO
及びT2O)を含む重水が流れる。このため、配管1を
原子力施設から取り外すときには、トリチウム水を含む
重水が配管1内面に付着,吸着されており、更にトリチ
ウムが配管1の材料内に固溶されている。配管1は、口
径が10cmである。例えば、口径10cmで長さ100m
の配管の内表面に付着している重水量が約0.6 リット
ル,トリチウム付着量が約6×109Bq/cm2 ,配管
表面のトリチウム放射能が約2×104Bq/cm2であ
る。
【0022】バルブ22,26,27,28及び29を
開き、バルブ15,23,24,25及び30を閉じた
状態で、ブロア5を駆動する。閉ループを構成する配管
12,9,10,1及び11内の空気は、ブロア5によ
って加圧されて加熱器3に供給される。加熱器3で60
℃に加熱された空気は、配管10を経て除染対象の配管
1内に供給される。配管1内に供給された加熱空気は乾
燥しているので、配管1内面に付着しているトリチウム
水を含む重水の一部が蒸発して加熱空気内に移行する。
トリチウムを含む加熱空気は、配管11により凝縮器4
内に供給される。凝縮器4は、冷凍機6から供給される
冷媒によって4℃に冷却されている。加熱空気に含まれ
た重水及びトリチウム水の蒸気は、凝縮器4で凝縮され
て重水及びトリチウム水となる。凝縮によって生じたこ
れらの水(D2O,DTO,HTO)は、気水分離により
空気から分離されて配管17を通って回収タンク(図示
せず)内に導かれる。放射線検出器7は、配管17内を
流れる水の放射線量を検出する。凝縮器4から配管12
に吐出された空気は、湿度が低く乾燥しておりブロア5
に導かれ、再度加熱器3で加熱されて配管1内に供給さ
れる。このように、凝縮器4から吐出された乾燥空気
は、配管1を通って循環される。加熱された乾燥空気
は、約1m3/hで配管1に供給される。
【0023】放射線検出器7で測定される配管9を流れ
る空気の放射線量の変化を観察する。その放射線量が平
衡線量になったときに、ブロア5を停止し、配管1に対
する乾燥作業を終了する。本例の場合は、ブロア5の駆
動から放射線量が平衡線量に達するまでに約10時間を
要する。放射線検出器8で測定される配管17内を流れ
る水の放射線量が設定値よりも低くなったことに基づい
て、乾燥作業を終了してもよい。乾燥作業終了後、バル
ブ30を開き、閉ループ内のトリチウムを含む空気を換
気空調系に排出する。この空気は、換気空調系で処理さ
れて放射能濃度が規定値以下になった状態で外部環境に
放出される。その空気は、負圧で引っ張られて換気空調
系に導かれる。
【0024】乾燥作業終了時において配管1の内面の放
射線量は約20Bq/cm2 となる。乾燥作業終了後、バ
ルブ26及び30が閉じられ、バルブ15及び25が開
けられる。ブロア5の駆動によって、外部の空気が配管
13を介して加熱器3に送られる。この空気は加熱器3
で例えば25℃に加熱される。加熱温度は、200℃以
下であればよい。この空気は、軽水の水蒸気を含み相対
湿度約65%である。加熱温度を25℃に設定した場
合、夏場において外部の空気温度が25℃になっている
ときには空気は加熱器3で加熱せず加熱器3を通過させ
るだけでよい。
【0025】25℃に加熱された空気は、配管1に供給
され、配管16及び12を通ってブロア5に導かれる。
ブロア5の駆動後所定時間が経過したのち、バルブ15
が閉じられる。この後、空気は、配管9,10,1,1
1,16及び12で構成される閉ループ内を約1m3
h の流量で循環する。循環している間、配管1内面に
吸着されている重水に含まれているトリチウム水を構成
するトリチウムは、空気に含まれる軽水の水蒸気に含ま
れる水素と同位体交換され、空気中に移行する。このト
リチウムは上記閉ループ内の空気中でトリチウム水(D
TO,HTO)の蒸気として存在する。
【0026】配管1に対する乾燥作業と同様に、放射線
検出器7で測定される配管9を流れる空気の放射線量の
変化を観察する。その放射線量が平衡線量になったとき
に、バルブ26を開きバルブ25を閉じる。本例の場合
は、ブロア5の駆動から放射線量が平衡線量に達するま
でに約5時間を要する。バルブ26が開くことによっ
て、配管1から排出された空気は、4℃に冷却された凝
縮器4に導かれる。ここで、空気に含まれているトリチ
ウム水及び残っている軽水の水蒸気が凝縮されて、トリ
チウム水及び軽水となる。これらの水は、気水分離によ
り空気から分離されて配管17を通って前述の回収タン
ク内に導かれる。軽水の水蒸気を含む空気を用いて除染
作業を行うので、凝縮器4から排出されるトリチウム水
は極微量である。
【0027】放射線検出器8で測定される配管17を流
れる水の放射線量が平衡線量になったときにブロア5を
停止する。この時の配管1内面のトリチウム放射能は約
2Bq/cm2 である。そして、バルブ30を開いて上記閉
ループ内の空気を換気空調系に排出する。
【0028】以上の操作により、乾燥作業によるトリチ
ウムの除染係数は約1×103 、軽水の水蒸気による除
染作業における同位体交換反応による除染係数は約10
以上となる。軽水の水蒸気による除染作業の完了は、ブ
ロア5を停止して上記閉ループ内の空気を換気空調系に
排出した後、配管1を配管10及び11から取り外し、
配管1内面のスミア検査等により配管1内面の放射線量
が3.7Bq/cm2以下になっていることを確認したとき
である。放射線量3.7Bq/cm2以下は、放射線被曝上
問題とならない放射線量のレベルである。配管1内面の
放射線量が3.7Bq/cm2 以下になっていない場合は、
再度、配管1を配管10及び11に接続し、上記した軽
水の水蒸気による除染作業を実施する。
【0029】本実施例は、乾燥作業、軽水の水蒸気によ
る除染作業を200℃以下の常温の雰囲気で行うために
配管1の材料中に閉じ込められた固溶トリチウムはその
まま保持することが可能となる。配管1に固溶している
トリチウム量は無視しえない。しかしながら、トリチウ
ムはβ放射性核種であるため、配管1内面には殆どその
放射線は到達しない。配管1の温度を上昇させない限り
配管1に固溶しているトリチウムからの放射線は無視し
うる。
【0030】トリチウムを含む廃液の発生量は大幅に低
減されると共に、配管1に固溶しているトリチウムを配
管1外に排出する200℃以上の加熱操作を必要としな
いため、加熱器の容量低減が図られる。また、固溶トリ
チウムの排出時に発生するトリチウム(化学形態HT,
2 等)が系統に放出されることを抑制するために必要
な酸水素結合器等の設置が不要となる。さらに、廃材と
なる配管材料内への固溶トリチウムの閉じ込めが可能と
なり、廃材と固溶トリチウムを一緒に保管できる。廃材
の保管は、内部の固溶トリチウムの放出を防止するため
に200℃以下の雰囲気で行う。特に、保管雰囲気の温
度を常温にすることが望ましい。
【0031】配管13から導入する空気の相対湿度が設
定値(上記の例では65%)よりも低い場合は、バルブ
23及び24を開きバルブ22を閉じる。加熱器3から
吐出された空気は、加湿器2に供給される。空気の相対
湿度が設定値になるまで加湿器2によって空気に軽水の
水蒸気が付加される。この空気が配管1内に導かれる。
また、一度加湿空気を導入して循環させた後、凝縮器4
で回収する方法の他に、加湿器2と凝縮器4を連続的に
運転するワンススルー方式によるトリチウム回収操作も
可能である。
【0032】また、凝縮器4の下流側で配管12にモレ
キュラシーブ等を充填した脱湿塔を設置することによっ
て閉ループ雰囲気中のトリチウム濃度を下げることが可
能である。
【0033】以上の実施例は、重水を使用する原子力施
設から取り外した配管1を対象に除染を行ったが、配管
1を原子力施設に設置した状態で配管1の除染を行って
もよい。すなわち、原子力施設に設置されている配管1
の両端近くにある2つのバルブを閉じ、除染を行う配管
1と他の部分を隔離する。配管1の両端部に、フランジ
を備えた分岐管を溶接等でそれぞれ接続する。配管10
のフランジを一方の分岐管のフランジに接続し、他方の
分岐管のフランジに配管11のフランジを接続する。配
管10を介して前述したように乾燥空気、及び軽水の水
蒸気を含む空気を配管1内に供給して、前述の実施例と
同様な除染を行うことができる。除染が完了した後、配
管1が原子力施設から取り外される。
【0034】上記2つの実施例は、原子力施設に備えら
れた機器に対しても適用可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、除染に要する時間を短
縮でき、トリチウムをトリチウム水にする装置の設置が
不要で装置構成を単純化できる。そして、材料表面に吸
着しているトリチウムを除染した際に発生する放射性廃
液の量も著しく低減することを実現し、更に固溶トリチ
ウムを、廃材内に閉じ込めた状態で廃材と一緒に保管で
きるようになる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性廃棄物の
除染方法に用いられる放射性廃棄物除染装置の構成図で
ある。
【図2】材料からの放出トリチウム量と材料に接触する
空気温度との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1…配管、2…加湿器、3…加熱器、4…凝縮器、5…
ブロア、7,8…放射線検出器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−99000(JP,A) 特開 平1−316693(JP,A) 田中知,核融合炉実用材料へのトリチ ウム付着と再放出メカニズムの解明,核 融合炉ブランケット設計基礎実験装置 平成7年度 研究成果報告書,日本,東 京大学工学部,1996年10月,P4−5 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21F 9/28 G21F 9/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部でトリチウムが発生する原子力施設の
    廃棄される配管または機器内を除染する放射性廃棄物の
    除染方法において、 前記配管内または前記機器内に乾燥ガスを供給してその
    内側に付着した重水を除去し、その後、軽水の水蒸気を
    含む200℃以下のガスを前記配管または前記機器の内
    側に供給することにより、前記配管または前記機器の内
    側で前記配管または前記機器の材料表面に吸着された重
    水からトリチウムを除去し、固溶トリチウムについては
    前記配管または前記機器の材料中に閉じ込めることを特
    徴とする放射性廃棄物の除染方法。
  2. 【請求項2】前記乾燥ガス及び前記水蒸気を含むガスが
    空気である請求項1の放射性廃棄物の除染方法。
  3. 【請求項3】廃棄される前記配管または前記機器の内側
    で実施される前記乾燥作業、及び前記トリチウム除去作
    業は、前記原子力施設から取り外された前記配管または
    前記機器に対して行われる請求項1または請求項2の放
    射性廃棄物の除染方法。
  4. 【請求項4】廃棄される前記配管または前記機器の内側
    で実施される前記乾燥作業、及び前記トリチウム除去作
    業は、前記原子力施設に前記配管または前記機器が設置
    されている状態で行われ、この配管または機器が前記ト
    リチウム除去作業の終了後に前記原子力施設から取り外
    される請求項1または請求項2の放射性廃棄物の除染方
    法。
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