JP2002005880A - Bod測定装置 - Google Patents

Bod測定装置

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JP2002005880A
JP2002005880A JP2000187471A JP2000187471A JP2002005880A JP 2002005880 A JP2002005880 A JP 2002005880A JP 2000187471 A JP2000187471 A JP 2000187471A JP 2000187471 A JP2000187471 A JP 2000187471A JP 2002005880 A JP2002005880 A JP 2002005880A
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甲珠 池
Yoko Nomura
陽子 野村
Masao Karube
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】難分解性有機物質を含む河川水等のBOD値を
簡便且つ正確に測定するための方法及び装置1を提供す
る。 【解決手段】試料水を紫外光照射下で二酸化チタン7と
一定時間接触させることにより、該試料水中の難分解性
の有機物質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触
媒分解する光触媒装置と、該光触媒装置による光触媒分
解処理後の試料水のBODを測定する、隔膜酸素電極と
微生物膜を備えたBODセンサー2を含むBOD測定装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はBOD(Biochemical
Oxygen Demand、即ち「生物化学的酸素消費量」) 測定
装置及び該BOD測定装置を用いるBODの測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】BODの測定には、一般的には希釈法が
採用されており、この方法は充分量の溶存酸素を含有す
る希釈水を用いて試料水を希釈した後に密封容器中に保
ち、20℃において5日間放置した場合に消費された溶存
酸素の量(mg/l)を表すもの(BOD)である。尚、溶
存酸素の定量法としてはウインクラー-アジ化ナトリウ
ム変法(JIS K0102)、ミラー変法等がある。希釈法は、
希釈水として5日間の培養期間中の酸素消費量が 0.2mg
/l以下のものを用い、又植種希釈水を用いる場合には
5日間の培養期間中の酸素消費量が3.5- 6.2mg/l の範
囲、(D1-D2) x 100/D1 = 40 - 70 (%) の範囲の値のも
のを採用し、BODを算出する。上記の式中において、
D1は希釈した植種液の培養前の溶存酸素量、D2は希釈し
た植種液の培養後の溶存酸素量を表す。従って、BOD
を正確に測定することができるものの、5日間の長い培
養期間を要し、しかも操作が複雑で熟練を要する。
【0003】このため、迅速且つ簡便にBODを測定す
る方法として、隔膜酸素電極と微生物膜を用いたBOD
センサーによる測定方法が開発されている。この方法は
下記の原理によるものである。好気性微生物を固定化し
た微生物膜を酸素電極の陰極側に配置し、有機物質を含
有していない溶存酸素飽和状態の水溶液中に酸素電極を
浸漬して通電すると、水溶液中の酸素が微生物膜に拡散
し、その一部が微生物の呼吸により消費され、残りの酸
素が微生物膜を透過して酸素電極の陰極上で還元され、
この場合に微生物の呼吸活性は一定に近いので電流値は
定常状態となる。次いで有機物を含有する試料水を添加
すると、有機物の資化により微生物の呼吸活性が増加
し、その結果電極に達する酸素の量は減少し、従って電
流値は急速に減少する。しかしながら、その後に微生物
膜への有機物の拡散が定常状態になるために微生物の呼
吸による酸素消費量は定常状態になり、従って電流値も
定常状態となる。この定常電流値と試料水中の有機物の
量との間には相関関係の存在することが認められてお
り、この原理を利用することにより、試料水のBODを
測定することが可能となるのである。
【0004】この方法により、迅速且つ簡便にBODを
測定することが可能となったが、この方法は、本来、工
場排水に関するBOD測定用に開発されたものであり、
河川水や湖沼水におけるような低濃度のBOD(約3ppm
以下) は測定不可能であった。また、家庭排水や都市下
水においては生物学的に分解速度の遅いフミン酸、リグ
ニン、タンニン酸、セルロース(アラビアゴム)、界面活
性剤等の成分の含有比率が高い。このような難分解性有
機物質は下水処理場や浄化処理施設で処理しきれずに河
川等に二次処理水として放出される場合が多い。従っ
て、主にこのような物質が河川の有機物汚濁の原因とな
っている。しかしながら、このような難分解性有機物質
は、BODセンサーによる短い測定時間内に十分に資化
され得ない。このため、上記BODセンサーによるBO
Dの測定で得られた値は、希釈法で測定されるBOD値
に比べて低い値となってしまい、BODセンサーを河川
等の水のBODの測定に使用することはできなかった。
上記のような難分解性有機物質を短時間に資化できる微
生物としてシュードモナス・プチーダ 10G (Pseudomona
s putida 10G)が見出されており、これを微生物膜に固
定したBODセンサーと、該BODセンサーを用い、人
工下水を標準液として検量線を作成することによるBO
Dの測定方法が提案されている(特開平11−1740
18号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記微
生物を用いたBODセンサーによって求めた値も、希釈
法で求めたBOD値と異なる場合があった。これは、上
記BODセンサーを用いた場合でも、数分間から十数分
間という短い測定時間では上記難分解性物質が十分に資
化されないからであると考えられる。本発明の発明者ら
は、BODセンサーによりBODを測定するにあたっ
て、試料水をUV光照射下で二酸化チタンと一定時間、
例えば数分間という短い時間接触させることにより、微
生物が短時間に資化できる化合物に分解することが可能
であり、これにより正確なBOD値が得られることを見
出した。
【0006】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、下記
のBOD測定装置に関する。 (1)試料水を紫外光照射下で二酸化チタンと一定時間
接触させることにより、該試料水中の難分解性の有機物
質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触媒分解す
る光触媒装置と、該光触媒装置による光触媒分解処理後
の試料水のBODを測定する、隔膜酸素電極と微生物膜
を備えたBODセンサーを含むBOD測定装置。 (2)前記光触媒装置が、試料水を紫外光照射下で二酸
化チタンと1〜60分間接触させることにより難分解性
の有機物質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触
媒分解するものであることを特徴とする(1)のBOD
測定装置。また、本発明は、試料を紫外光照射下で二酸
化チタンと一定時間接触させることにより該試料中の難
分解性の有機物質を微生物が短時間に資化できる化合物
に光触媒分解させた後、該試料のBODを隔膜酸素電極
と微生物膜を備えたBODセンサーにより測定すること
を含むBODの測定方法に関する。また、本発明は上記
(1)または(2)の装置を用いる該方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】(光触媒装置)本明細書におい
て、「光触媒装置」は、試料水を紫外光(UV光)照射
下で二酸化チタンと一定時間接触させて難分解性の有機
物質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触媒分解
する装置であり、そのような装置である限り、構造を問
わない。また、連続式でもバッチ式でもよい。また、本
発明において、「光触媒分解」とは、UV光照射下での
二酸化チタンの光触媒効果による有機物質の分解を意味
する。
【0008】ここで、「一定時間」とは、上記難分解性
有機物質が、微生物が短時間に資化できる有機化合物
(以下、場合により易分解性有機物質と記す)に分解さ
れ、且つ実質的に無機物質まで分解されることのない時
間である。「実質的に無機物質まで分解されることのな
い」とは、無機物質まで分解される有機物質が全くない
か、または僅かであること意味する。例えば、総有機炭
素量(TOC)除去率として10%未満、好ましくは5
%未満である。この時間は、装置の仕様、試料水中の難
分解性有機物質の量等により異なるが、例えば1時間未
満、好ましくは1〜20分間、より好ましくは1〜5分
間であり得る。光触媒装置がバッチ式の場合は、上記の
時間、試料水を光触媒装置中に滞留させ、光触媒装置が
連続式の場合は上記の時間、試料溶液が二酸化チタンと
接触しているような流速で試料が光触媒装置の二酸化チ
タンを充填した容器内を流通するようにすることができ
る。これは、例えばポンプ等の送液手段により行い得
る。UV光の波長は、例えば365〜400nm、好ま
しくは380〜390nmであり得る。
【0009】光触媒装置において、二酸化チタンは、例
えば、粒状であり、ほぼ円筒状または管状の容器(以
下、カラムと記す)に充填することができる。この場
合、該容器は、一端に試料の流入口を、他端に試料の流
出口を有するものであり得る。しかしながら、容器の形
状及び大きさは、二酸化チタンを充填した時に、該二酸
化チタンがUV光に効果的に照射され、且つ試料溶液を
二酸化チタンに接触させるのに適するものである限り、
任意である。この場合、UV光源は、該カラムの外側
に、例えば該カラムを包囲するように設けられていても
よく、また、該カラムの内部に軸に沿って挿入されてい
てもよい。その場合はUV光源の周囲に隔壁を設け、試
料および二酸化チタンが直接UV光源に接触しない構成
としてもよい。いずれの場合も、UV光が効率良く二酸
化チタンに照射される必要があり、UV光源がカラムの
側壁または隔壁を介して二酸化チタンを照射する構成の
場合は。該側壁または隔壁がUV光が透過可能な材質で
ある必要がある。また、カラムに二酸化チタンを充填す
るのではなく、上記カラム内面に粉末状の二酸化チタン
がコーティングされている構造としてもよい。また、上
記光触媒装置のカラムは、内面に二酸化チタンがコーテ
ィングされたUV光源を取り巻く螺旋状の管状容器でも
よい。
【0010】本発明において、二酸化チタン(Ti
)は、低温安定型(鋭錘石)または高温安定型(金
紅石)の正方晶系晶、または斜方晶系晶であり得る。二
酸化チタンの使用量は、試料溶液1リットルに対し、例
えば0.05〜5.0g、好ましくは0.09〜5.0
gであり得る。また、二酸化チタンは比表面積が200
〜300m/g、好ましくは250〜300m/g
の粉末、またはこれを粒状化したものであり得る。二酸
化チタンが粒状である場合、その粒径は、例えば1〜5
mmであり得る。
【0011】(BODセンサー)BODセンサーは、通
常、隔膜電極法によるBOD測定に使用される慣用のB
ODセンサーであり得る。即ち、上記従来技術の説明に
おいて説明したような、酸素電極と、酸素電極の陰極側
に設けられた微生物膜とを有し、有機物不存在下での微
生物の呼吸による定常電流値と有機物存在下(即ち試料
中)での微生物の呼吸による定常電流値の差を求め、こ
れとBOD値との相関関係を利用してBODを測定す
るBODセンサーであり得る。また、上記BODセンサ
ーは、微生物膜の外側に試料を入れる流入口と試料を放
出する流出口を有する測定セルを設け、一定流速で、該
流入口から試料を入れ、該流出口から試料を出しながら
(または該測定セル中に試料溶液を滞留させて)、定常
電流値を求め、これと緩衝液のみを用いて測定した定常
電流値との差を求め、予め作成した検量線と比較するこ
とによりBOD値を求めるものであってもよい。
【0012】測定セル中の試料の流速は、光触媒装置に
おける流速と同じでも異なっていてもよい。酸素電極と
しては市販の任意のもの、例えばclark型のものを使用
することができる。微生物膜は、水透過性担体、例え
ば、ニトロセルロース、ポリアクリロニトリル、光硬化
性樹脂 (ポリビニルアルコール等)、ポリウレタン、カ
ラギーナン、アルギン酸カルシウム・ゲル等からなる微
生物固定用の膜に、微生物を固定したものであり得る。
該膜の孔径は例えば0.1〜0.5μmである。微生物
の上記水透過性担体への固定は、公知方法により行い得
る。
【0013】微生物膜に使用される微生物は、好気性ま
たは通性嫌気性微生物である。特に好ましくは1997
年10月2日に工業技術院生命工学工業技術研究所に寄
託されているPseudomonas putida 10G(受託番号:FERM
P-16457)である。しかしながら、本発明の装置及び方
法によると、難分解性有機物質が易分解性有機物質に分
解されるので、通常、BODセンサーの微生物膜に使用
される微生物、例えば、Pseudomonas, Streptomyce, No
cardia, Bacillus, Vibrio, Erwinia属の微生物等を使
用することもできる。微生物の担持量は、例えば、湿潤
重量で40〜60mgである。
【0014】また、本発明のBOD測定装置は、BOD
センサーに検量線作成のための標準液、試料溶液、緩衝
液、BODセンサーの洗浄のための洗浄液等を選択して
供給する手段を備えていてもよい。また、本発明のBO
D測定装置は、検量線を作成し、測定した電流の減少値
をこれと比較して、BOD値を表示または記録する手段
を有していてもよい。検量線作成のための標準液は、例
えばフミン酸、リグニン、タンニン酸、アラビアゴム及
び界面活性剤を適当な割合で配合した組成物を適宜希釈
して調製した人工下水であり得る。上記組成物の組成
は、例えばフミン酸10〜40重量部、リグニン 5〜
30重量部、タンニン酸 10〜40重量部、アラビア
ゴム 10〜40重量部及び界面活性剤 1〜20重量部
であり得る。
【0015】(BODの測定方法)本発明は、試料をU
V光照射下で二酸化チタンと一定時間接触させることに
より該試料中の難分解性有機物質を微生物が短時間に資
化できる化合物に光触媒分解させた後、該試料のBOD
を上記BODセンサーにより測定することを含むBOD
の測定方法にも関する。BODの測定は、緩衝液中にお
ける酸素電極からの出力電流の定常値と、試料水中にお
ける酸素電極からの出力電流の定常値の差を求め、この
値を、予めBOD値が既知の標準液、例えば上記人工
下水を使用して作成した検量線と照合することにより行
うことができる。なお、本発明の方法は、上記BOD測
定装置を用いて実施することができる。本発明のBOD
の測定方法において、光触媒分解は、上記光触媒装置に
より行うことができ、その場合、光触媒装置内での試料
溶液の滞留時間または流速、二酸化チタンの量、UV光
源の波長、BODセンサー内での試料溶液の流速等の具
体的範囲は上記で説明した範囲であり得る。
【0016】また、光触媒分解を行う際の試料溶液のp
Hは好ましくは6〜10、より好ましくは7〜10であ
る。検量線は、好ましくはフミン酸、リグニン、タンニ
ン酸及びアラビアゴムを含む人工下水を標準液として用
いて作成する。
【0017】
【実施例】実施例1:BODセンサーの製造 栄養ブロス(1.0g/l)、人工下水(ニトロフミン酸 84.92
mg/l、アラビアゴム93.90mg/l、リグニンスルホン酸ナ
トリウム48.54mg/l、タンニン酸 83.50mg/l、直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸塩18.84mg/l)を含む滅菌培地
(pH7.0)200ml中で、Pseudomonas putida 10Gを
培養した。培養ブロスを好気性条件下、30℃で回転シ
ェーカー中で保持した。接種から24時間後、指数増殖
期の最後に細胞を採取した。細胞を洗浄し、7000rp
mで10分間の遠心分離にかけ、その後、10mMのリン
酸緩衝液(pH7.0)に再懸濁した。
【0018】BODセンサーの微生物膜は、シリンジフ
ィルターホルダーに接続したアスピレーターを用いて製
造した。多孔質のニトロセルロース膜(孔径 0.4μm)
をシリンジフィルターホルダーに挟み、アスピレーター
で吸引しながら上記培養液を滴下した。この培養液の量
は、センサーが最大限に応答する量を計算した。微生物
膜をアスピレーターを用い10mMのリン酸緩衝液で2
回洗浄した。この微生物膜を、酸素電極(BO-U1, Able,
Japan)を覆っているテフロンガスメンブランの上に載
せ、200メッシュのナイロン及びOリングで強固に固
定した。
【0019】試験例1: (試料溶液の調製)フミン酸 25.76 重量%、リグニン 1
4.72 重量%、タンニン酸 25.33 重量%、アラビアゴム 2
8.48 重量% 及び界面活性剤 5.71 重量% を配合し、人
工下水組成物を調製した。該組成物を、酸素含有蒸留水
に添加して、希釈法によるBOD値が1〜10mg/lに
相当する試料溶液を調製した。総有機物含有量が 16.48
5 mg/lの場合に、希釈法による BOD値が 3.77 mg/
l となるので、これに基づいて人工下水組成物の添加量
を計算した。
【0020】(試験装置の製造)本発明の方法を試験す
るために、図1に示す試験装置1を製造した。上記で製
造したBODセンサー2を10mMのリン酸緩衝液3(p
H7.0)50mlを含有する検出チャンバ4に入れた。
BODセンサー2の酸素電極を武田理研製のデジタルマ
ルチメーター(Model.TR6840)及び東亜電子製の電気記録
計(Model.EPR-200A, TOA Electronics, Japan)5に接続
し、以下の試験例において使用した。なお、ウォーター
ジャケット(図示せず)に温水を循環させることにより
チャンバ内の液体は30℃に維持した。
【0021】(光触媒分解)上記で調製した種々のBO
値を有する試料溶液を各々入れた検出チャンバ6
に、石原産業株式会社製の直径2mmの二酸化チタン粒
(ST-A01)7を、1%w/vの量で添加し、マグネティック
スターラーで撹拌した。得られた二酸化チタン−試料溶
液(pH7)に、UV光源としてのウシオ株式会社製の
6W黒色蛍光管によりUV光を、各々1分間、2分間、
3分間、4分間及び5分間照射して、光触媒分解を行っ
た。各試料溶液の一部をマイクロシリンジピペットを用
いて50mlのリン酸緩衝液に入れ、TOCアナライザー
(Shimadzu 5000,島津製作所製)により総有機炭素量
(TOC)除去率を測定したところ、いずれも4%前後
であった。なお、上記光触媒分解により、フミン酸は、
3−ニトロ−1,2−ベンゼンジカルボン酸、1,2,
4−トリアゾリジン−1−カルボン酸、2−ヒドロキシ
メチル安息香酸、2,6−ジメチル−1−キノリン等に
分解し、タンニン酸が下記式
【0022】
【化1】
【0023】の化合物に分解し、界面活性剤のベンゼン
環は開裂し、アラビアゴムを構成するガラクタン、アラ
ビノース等の−CHO,−OH,−O−基が各々分解
し、リグニンが下記式
【0024】
【化2】
【0025】の化合物に分解し、さらにそのベンゼン環
が開裂する。これにより、上記光触媒分解によって、試
料溶液中の有機物質が殆ど有機物質のままで残り、微生
物により資化可能であることがわかる。
【0026】(BODの測定)上記で製造した試験装置
において、デジタルマルチメーター及び電気記録計5に
より検出チャンバ4中の10mMのリン酸緩衝液3 (0.05
M 燐酸緩衝液、pH7.0) の電流値を測定した。な
お、リン酸緩衝液3はマグネティックバー(図示せず)
で激しく撹拌し続けることにより酸素を飽和させた。電
流値が定常状態となったら電流値を記録し、上記BOD
センサー2を、上記で各照射時間UV光を照射した試料
溶液及び二酸化チタン7を含むチャンバ6に移した。な
お、試料溶液もマグネティックバー(図示せず)で激し
く撹拌し続けることにより酸素を飽和させた。試料溶液
中の有機物が微生物により資化され、微生物の呼吸活性
が増加すると、該溶液中の溶存酸素量は減少し、これに
伴って電流値が減少する。再び定常状態になった後、そ
の値を記録し、電流値の減少量を計算した。
【0027】各UV光照射時間についての試料溶液のB
OD値と電流値の減少量の関係を、図2のグラフに示
す。図2より、電流値の減少量は、照射時間が長いほど
大きくなり、照射時間が4分間の時、照射時間1分間当
たりの電流値の減少量が最大となることがわかる。該グ
ラフにおいて、照射時間が各々3,4及び5分間の試料
溶液について、BODが4mg/lの時の傾きは、各々
0.032、0.386及び0.281であり、照射時
間4分間の場合が一番大きい。照射時間4分の場合のセ
ンサー応答の相対標準偏差は、8.3%(n=3)であ
った。
【0028】試験例2 試験例1と同様の試験装置を用い、BODが1mg/lの
試験溶液を用いること、光触媒分解時のUV光の照射時
間を4分間とすること、二酸化チタンの量を変えること
以外は、試験例1と同じ方法により、BODの測定を行
った。(pH7.0)二酸化チタンの量と電流値の減少
量の関係を図3のグラフに示す。図3より明らかなよう
に、二酸化チタンの量が0.5w/v%未満の場合は、電
流値の減少量は殆ど変化しないが、1w/v%を超える
と、約2倍となり、それ以上にしても一定である。
【0029】試験例3 BODが1mg/lの試験溶液を用いること、光触媒分解
時のUV光の照射時間を4分間とすること、光触媒分解
時の試料溶液のpHを5〜8で変化させること以外は、
試験例1と同じ方法により、BODの測定を行った。p
Hと電流値の減少量の関係を図4に示す。図より明らか
なように、pHが7.0の時、電流値の減少量は上昇す
る。
【0030】試験例4 光触媒分解時の照射時間を4分間とすること、試料溶液
として、実際の河川水(利根川、江戸川、渡良瀬川及び
中川で採取)を用い、BODを光触媒分解前の試料溶液
についても測定すること以外は、試験例1と同じ方法に
より、BODの測定を行った。光触媒分解の前及び後の
BODを予め作成した検量線により求めた。試料溶液の
BOD値と、上記BODセンサーにより測定し検量線
により求めたBOD値の関係を図5に示す。図5より、
光触媒分解を行った場合、より正確なBOD値が得られ
ることが明らかである。
【0031】実施例2:フロー型BOD測定装置の製造 図6に示すフロー型BOD測定装置を製造した。図6に
おいて、11は本発明のBOD測定装置であり、試料を
入れる試料溶液チャンバ12と、試料を光触媒分解する
光触媒分解装置13と、洗浄水を入れる洗浄水チャンバ
14と、緩衝液を入れる緩衝液チャンバ15と、上記実
施例1で製造したBODセンサー2と、試料溶液、水ま
たは緩衝液を選択してBODセンサー2に供給するため
の選択手段16と、ポンプ17を備えている。光触媒分
解装置13は、内径22mm、外径34mm、長さ20
5mmの二重筒状のカラム18(総容量63ml)のス
テンレス鋼製の外側側壁19と石英ガラス製の内側側壁
20の間に粒状の二酸化チタン21を充填し、中央(即
ち、内側側壁の内部)にウシオ株式会社製の6W黒色ラ
ンプ(UV−A)22を挿入してなる。二酸化チタンの
直径は2mmである。
【0032】試験例5 上記試験例1で調製した試験溶液のうち、BOD値が
1,2,4,6,8,10mg/lの試験溶液のBODを、
各々上記実施例2で製造したBOD測定装置により測定
した。なお、光触媒装置内の試験溶液の流速は3ml/min
とした。また、測定には10分間を要した。試料溶液の
BOD値と電流値の減少量との関係を図7のグラフに
示す。このグラフより、実施例2のBOD測定装置が河
川や湖沼のBODの測定に適していることが明らかであ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明のBOD測定装置及びBOD測定
方法によると、河川や湖沼から採取した試料中に含まれ
る難分解性物質が易分解性物質に分解され、しかもその
殆どが微生物が資化し得る有機物質となるので、BOD
を正確に測定することができる。また、本発明のBOD
測定装置を用いた測定方法は、希釈法に比べて短時間
で、しかも熟練を要しない簡便な操作で測定することが
できる。また、本発明の測定装置は、通常のBODセン
サーに加えて、試料をUV光照射下で二酸化チタンと接
触させる装置を追加するだけで済むため、単純な装置で
あり、コストも低い。また、二酸化チタンをコーティン
グしたカラムや粒状二酸化チタンを充填したカラムを用
いる場合は、装置の洗浄等のメンテナンスも容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験例において使用される装置の模式
図である。
【図2】試料溶液のBOD値と電流値の減少量の関係
との関係を示すグラフである。
【図3】二酸化チタンの量と電流値の減少量の関係を示
すグラフである。
【図4】pHと電流値の減少量の関係を示すグラフであ
る。
【図5】試料溶液のBOD値と、本発明のBOD測定
装置により測定したBOD値との関係を示すグラフであ
る。
【図6】本発明のフロー型BOD測定装置を示す模式図
である。
【図7】試料溶液のBOD値と、図6のBOD測定装
置で測定した電流値の減少量の関係を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/00 C12Q 1/02 1/02 G01N 33/18 105 G01N 27/404 27/46 301N 27/327 27/30 341Z 33/18 105 355 (72)発明者 池 甲珠 東京都台東区千束1−9−3 (72)発明者 野村 陽子 東京都東大和市湖畔2−325−10 (72)発明者 輕部 征夫 神奈川県川崎市宮前区東有馬1−3−16 Fターム(参考) 4B063 QA01 QQ18 QR75 QR84 QR90 QS12 QS22 QS39 QX05 4D037 AA05 AB01 AB11 AB12 AB16 BA18 BB01 CA03 CA12 CA14 4D050 AA02 AB02 AB07 AB15 AB17 AB25 AB26 BB01 BC06 BC09 BD02 BD06 BD08 CA09 CA13 4G069 AA02 AA03 BA04A BA04B BA48A CA05 CA10 CA11 DA06 DA08 EA01Y

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料水を紫外光照射下で二酸化チタンと
    一定時間接触させることにより、該試料水中の難分解性
    の有機物質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触
    媒分解する光触媒装置と、該光触媒装置による光触媒分
    解処理後の試料水のBODを測定する、隔膜酸素電極と
    微生物膜を備えたBODセンサーを含むBOD測定装
    置。
  2. 【請求項2】 前記光触媒装置が、試料水を紫外光照射
    下で二酸化チタンと1〜60分間接触させることにより
    難分解性の有機物質を微生物が短時間に資化できる化合
    物に光触媒分解するものであることを特徴とする請求項
    1記載のBOD測定装置。
  3. 【請求項3】 試料を紫外光照射下で二酸化チタンと一
    定時間接触させることにより該試料中の難分解性の有機
    物質を微生物が短時間に資化できる化合物に光触媒分解
    させた後、該試料のBODを隔膜酸素電極と微生物膜を
    備えたBODセンサーにより測定することを含むBOD
    の測定方法。
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