JP2002005032A - ポンプの運転制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ポンプの自動運転において、従来の液面検出に
よるＯＮ・ＯＦＦ制御の代りに、信頼性が高く、既設改
造も容易な運転停止手段を提供する。 【解決手段】ポンプモーター６の駆動電圧波形と、電流
センサー１Ａによる検出電流波形の位相差からポンプの
適正運転の可否を判断する移相器２並びに判定回路を具
備し、判定回路の結果によりポンプモーターのＯＮ・Ｏ
ＦＦ制御を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主として水を給・排水す
るポンプ運転全般に応用される。

【０００２】

【従来の技術】従来ポンプの運転制御には下記の代表的
な方法があった。 Ｉ．液面水位を検出する電極ないし電極帯を設け電気的
インピーダンスの差異を検出する。 ＩＩ．液面に浮くフロートＳＷを設け、フロートの傾き
から液面水位を検出する。 ＩＩＩ．液面上部から超音波ないし赤外光線を当て、反
射波又は反射光を計測し、液面水位を検出する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項で記述
した如くポンプの自動運転はその必要性の高きが故に種
々の方法が考案されてきた。しかしながら多くの方法は
ポンプモーターの外側に検出体を設け液面レベルを検出
するのが常であった。

【０００４】ポンプが設置される現場に於いて給・排水
される水質は千差万別であり、ゴミなど生活廃残物の
他、残土汚泥を含んだ水を対象として稼働するポンプは
極めて多く、しばしばそれらが電極素子に付着して障害
を発生した。

【０００５】

【作用】ポンプモーターは回転素子であるから負荷の態
様によって通電電流の位相とレベルは、モーターの回転
イナーシャによる減殺分は有るが極めて鋭敏かつ正確に
変化する。従ってポンプが非適正運転（空運転）である
か否かは通電電流の位相とレベルを検出し原信号（ポン
プ駆動入力信号）と比較すれば容易に判定でき、強制運
転を施すタイマーを組み合わせて強制運転時の空運転を
許容すれば継続したＯＮ・ＯＦＦ自動運転システムがで
きる。

【０００６】

【実施例】本発明を交流単相ポンプモーターで排水運転
の場合を代表例として図１に説明する。 Ａはポンプモーターの通電電流を検出する電流セ
ンサーで電流値は電圧値として、位相・電流共検出され
る。はポンプの駆動入力電圧信号の位相を電流信号の
遅延量に合わせる如く設けられる移相器である。本回路
の前段には入力信号のレベルが高い為、所定の減衰量を
与える減衰器Ｂが設けられほぼ電流レベルと合わせら
れる。はアナログ減算器では減算器からの出力を直
流電圧に変換した上、所定の時定数を附加された直流検
波回路である。はポンプモーターをＯＮ・ＯＦＦする
スイッチで電磁リレー等で構成される。はポンプモー
ターである。は強制運転を与えるタイマーである。本
図は排水運転であるから直流検出電圧ＬＯＷの時ポンプ
モーターが適正運転、即ちＯＮを与えＨＩＧＨの時、遮
断即ちＯＦＦを与える様にの電磁リレー接点を選ぶ。

【０００７】本図に於いてポンプが適正に水を排出して
いる時のモーター通電電流の位相は９０°＋α遅れる。
何故ならば理想誘導負荷の場合電流位相は電圧位相に対
し９０°遅れることは業界の多くの技術者が知るところ
である。従って検出回路に於ける駆動入力電圧も電流値
の遅れに見合う９０°＋α遅らせ、かつレベルを等しく
合わせれば減算結果は零になる。従っての直流検波回
路出力はＬＯＷになりの電磁リレーはＯＮ接点を選ぶ
からポンプは運転を継続する。而して排水動作が終わ
り、空運転状態になれば電流位相は若干のレベル変動と
共に進相状態になり、その位相差がＨＩＧＨを出力す
る。何故ならばポンプの駆動入力電圧は基本的には変動
せず、変動しても減算結果に与える影響は小さい。更に
ポンプが停止すると、電流レベルが零であるから入力電
圧との差異は増々拡がり停止を継続する。はポンプモ
ーターの稼働状態にかかわらずポンプＯＦＦ後定時的に
強制運転を施すタイマーである。従ってタイマーによる
強制運転の期間は空運転する場合があるが、水が存在し
適正運転状態であれば運転は再開して継続する事にな
る。

【０００８】本発明の更なる特長は運転中のポンプモー
ターの機械的寿命、あるいは異物混入等による電圧・電
流の外乱的変化量は常に最小値を求める最適値自動追尾
方式が容易に組み込めるので長期にわたって極めて安定
かつ無調整化が実現できる。図２は可変移相回路、可
変レベル制御回路を組み込み直流検波回路からの出
力を適当な時定数を附加する時定数回路を経て制御信
号とし、位相変調並びに振巾変調をかける具体的構成例
である。

【０００９】本発明は図１．図２とも図中に点線で囲っ
た範囲を独立したユニット部品としてまとめるか、又は
筺体に収納して各々電源入力端子並びにポンプ用出力端
子を具備し配電盤内のユニット部品として使用する。か
くして既設ポンプ装置をそのまま活用する事ができる。

【００１０】図示しないが該筐体内に漏電ブローカー及
びアース回路を敷設する事で更に有用なポンプ運転用制
御盤ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の代表的構成図である。

【図２】図１に自動追尾システムを組み込んだ代表的構
成図である。

【符号の説明】 Ａ 電流センサー Ｂ 減衰器 移相器 比較器 直流検波回路 電磁リレー ポンプモーター タイマー 可変レベル制御回路 時定数回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水等、液体を給・排水するポンプのＯＮ・
   ＯＦＦ制御手段に於いて電流センサーを具備し、ポンプ
   の駆動電圧波形と該電流センサーによる検出電流波形の
   位相差からポンプの適正運転の可否を判定する移相器並
   びに判定回路を具備するポンプモーター運転停止手段。
2. 【請求項２】上記請求項１の移相器並びに判定回路に於
   いて移相器は可変移相器とし、かつ判定回路の前段に可
   変レベル制御回路を設け、判定回路出力が常に最小値を
   求める如く動作するフィードバック回路を設け、かつ所
   望の時間遅れ要素を附加してポンプ運転時の外乱並びに
   寿命劣化要因を押さえる如く構成したポンプモーター制
   御回路。