JP2002004434A - 硬化剤含有外皮容器及び固定要素固着用樹脂カプセル - Google Patents

硬化剤含有外皮容器及び固定要素固着用樹脂カプセル

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JP2002004434A
JP2002004434A JP2000185117A JP2000185117A JP2002004434A JP 2002004434 A JP2002004434 A JP 2002004434A JP 2000185117 A JP2000185117 A JP 2000185117A JP 2000185117 A JP2000185117 A JP 2000185117A JP 2002004434 A JP2002004434 A JP 2002004434A
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resin
radical
capsule
curable resin
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Shigeo Kimura
重夫 木村
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Nippon Decoluxe KK
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NIPPON DEKORATSUKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固定要素固着用樹脂カプセルの製造工程を簡略
化するのに適する、ラジカル硬化型樹脂用の硬化剤成形
体を提供する。 【解決手段】ラジカル硬化型樹脂用の硬化剤成形体2
を、少なくとも一部にラジカル硬化型樹脂の硬化剤成分
を有する成形部位を備える外皮状体とし、これをラジカ
ル硬化型樹脂を充てんする外皮容器として用いる。この
硬化剤成形体2によれば、ラジカル硬化型樹脂22の主
剤が充てんされた封入体(カプセル)20が得られる。
成形体2中に硬化剤成分を含有しているために、硬化剤
成分を封入する作業を省くことができ、また、硬化剤成
分と樹脂とが容易に隔離収納される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジカル硬化型樹
脂用の硬化剤成形体に関し、特に、コンクリート等の母
材に、ボルト、異形棒鋼、インサート金物等の固定要素
を後付けする際に使用する固定要素を固着するのに使用
する、ラジカル硬化型樹脂を封入した樹脂カプセルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンクリート壁等に、ボルト、
異形棒鋼等の固定要素を固着するには、次のような方法
が行われている。すなわち、先ずドリルによりコンクリ
ート等の母材に所定の穴を穿設して、該穴内に接着剤入
りのカプセルを挿入し、その後、ボルト等を埋込み機で
打撃を加えつつ回転させながら埋め込むとともにカプセ
ルを破壊して、穴内に接着剤の流出と硬化を生じさせる
ことにより、ボルトを穴に固着する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような固定要素固
着用のカプセルは、ガラス製あるいは合成樹脂製の容器
にラジカル硬化型樹脂と硬化剤とが互いに隔離された状
態で封入されて形成されている。そして、ボルトの埋め
込みの際に容器が破壊されることにより、ラジカル硬化
型樹脂の主剤と硬化剤とが混合されるようになってい
る。当該カプセルにおいて、樹脂と硬化剤とのこのよう
な隔離状態を形成するには、従来、容器を二重構造と
し、内側容器に硬化剤を充てんし、外側容器に、硬化型
樹脂の主剤や骨材等を充てんしたものがある。また、棒
状に成形した硬化剤を容器内に充てんしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、二重構
造の容器の場合、容器コスト及び硬化剤の充てん時の作
業性が悪く、また、棒状成形体の場合には、容器内への
骨材の充てん工程の効率化が困難であった。さらに、硬
化剤の成形体を粒状体にしたりしても、カプセル製造工
程における充てん作業の効率化は依然として困難であ
り、破壊性及び混合性の問題は充分に解決されない。
【0005】そこで、本発明では、固定要素固着用樹脂
カプセルの製造工程を簡略化するのに適する、ラジカル
硬化型樹脂用の硬化剤成形体及び固定要素固着用樹脂カ
プセル樹脂ならびにその製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するべく、硬化剤成形体をラジカル硬化型樹脂の
硬化剤を含有する外皮状体の形態で提供し、これを外皮
容器として用いて、固定要素固着用樹脂カプセルを構成
できることを見出し、以下の発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、少なくとも一部にラジカル硬化型樹脂の
硬化剤成分を有する成形部位を備える外皮状体である、
ラジカル硬化型樹脂用の硬化剤含有外皮容器を提供す
る。この硬化剤含有外皮容器によれば、ラジカル硬化型
樹脂の主剤が充てんされた封入体(カプセル)が得られ
る。外皮中に硬化剤成分を含有しているために、硬化剤
成分を封入する作業を省くことができ、また、硬化剤成
分と主剤とが容易に隔離収納される。また、前記外皮状
体は中空部を有する硬化成形体も提供する。中空部を備
えることにより、容易に、樹脂や骨材を充てんできる。
また、前記硬化剤が、パーオキサイド系硬化剤である硬
化剤含有外皮容器も提供する。
【0007】また、本発明は、前記硬化剤含有外皮容器
と、当該容器によって囲繞される内部にラジカル硬化型
樹脂の主剤、とを備える、固定要素固着用樹脂カプセル
を提供する。この発明によると、硬化剤成分と主剤とが
好ましい状態で隔離されかつ一体化されている。また、
破壊時における硬化剤と樹脂とが良好に混合される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のラジカル硬化型樹脂用の硬
化剤成形体は、少なくとも一部にラジカル硬化型樹脂の
硬化剤成分を有する成形部位を備える外皮状体であり、
外皮容器の形態を採る。また、本発明の固定要素固着用
樹脂カプセルは、この硬化剤成形体と、この硬化剤成形
体によって囲繞される内部にラジカル硬化型樹脂、とを
有している。かかる硬化剤成形体及び固定要素固着用樹
脂カプセルについて、図1〜図4を例示して説明する。
【0009】図1に、本硬化剤成形体2を用いて、当該
成形体2で囲繞される内部に、ラジカル硬化型樹脂22
と骨材24とが封入されて形成された、固定要素固着用
樹脂カプセル20の一例を示す。本発明の硬化剤成形体
2及び固定要素固着用樹脂カプセル20におけるラジカ
ル硬化型樹脂の硬化剤としては、ラジカル硬化型樹脂の
硬化剤であればよいが、例えば、キュメンパーオキサイ
ド等のハイドロオキサイド類、ジクミルパーオキサイド
等のジアルキルパーオキサイド類、過酸化ベンゾイル等
のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパー
オキサイド等のケトンパーオキサイド類、ビス−(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシケタール類、t
−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステ
ル類等の有機過酸化物、及びこれらの有機過酸化物をフ
タル酸ジシクロヘキシル等の有機物や、炭酸カルシウ
ム、硫酸カルシウム等の無機物で希釈したものも使用で
きる。好ましくは、パーオキサイド系硬化剤であり、特
に好ましくは、ジアシルパーオキサイド類であり、さら
に好ましくは、過酸化ベンゾイル、及び過酸化ベンゾイ
ルを希釈剤で希釈したものである。
【0010】本硬化剤成形体2は、硬化剤を当該成形体
の少なくとも一部の成形部位に備える、外皮状体であ
る。硬化剤は、成形体2の少なくとも一部の成形部位に
備えていればよいが、好ましくは、少なくとも成形体2
の一表面(好ましくは、ラジカル硬化型樹脂充てん時に
おいて、ラジカル硬化型樹脂と接触する側の面、又は、
外皮状体の内表面である。)に備えていることが好まし
い。当該一表面におけるラジカル硬化型樹脂との接触に
より、容易に樹脂膜を形成できるからである。より好ま
しくは、成形体2の一表面全体、あるいは一表面及び内
部の全体に均一に分散されている。また、硬化剤を、成
形体2の一表面に硬化剤を含有する層として有していて
もよい。
【0011】外皮状体の形態は特に限定しない。外皮状
体は、少なくとも一部に硬化剤を含有する成形部位の内
表面によって形成される凹状部あるいは中空部を有して
いればよい。したがって、外皮状体は、凹状部あるいは
中空部を有する外皮状体の他、平面的なシート状体を、
折り畳みあるいは成形により凹状部あるいは中空部を有
するように形成される外皮状体も包含する。なお、ここ
で凹状部とは、少なくとも一部に開口を有し外部とは完
全に遮断されていないキャビテイを意味し、中空部と
は、外皮状体によって外部と遮断されたキャビテイを意
味する。また、蓋体と容器状体による組合せによって中
空部が形成されていてもよい。
【0012】かかる外皮状体として、具体的には、
(1)シート状体からなる外皮状体、(2)円筒、角筒
等の各種筒状体(凹状部を備える)、(3)中空部を備
える、様々な形状の球体、棒状体、立方体あるいは直方
体等のカプセル状体を包含する。筒状体及びカプセル状
体の外形としては、図2(a)〜(d)に例示すること
ができる。成形体2は、1種類の外皮状体で構成されて
いてもよいし、2種類以上の外皮状体の組合せによって
構成されていてもよい。本硬化剤成形体2としては、シ
ート状体、好ましくは凹状部を有する外皮状体、及び組
合せにより中空部を形成する外皮状体である。凹状部を
有する外皮状体としては、筒状体あるいは箱状体が好ま
しい。組合せにより中空部を形成する外皮状体として
は、筒状、箱状、球状、紡錘形状、棒状、錠剤状等の各
種形状のカプセル状体である。
【0013】硬化剤は、外皮状体の全重量に対して、硬
化剤は、好ましくは、1〜70重量%含有されている。
1重量%未満であると、硬化剤成分が少なすぎて、充分
なラジカル硬化型樹脂の硬化状態が得られにくいからで
あり、70重量%を超えると、硬化成形体の成形性や強
度に問題が生じやすくなるからである。特に、過酸化ベ
ンゾイルなどのパーオキサイド類を使用する場合、好ま
しくは、10〜30重量%である。より好ましくは、か
かる硬化剤含有量が、ラジカル硬化型樹脂の重量に対し
て1〜10重量%である。
【0014】さらに、本硬化剤成形体2には、硬化剤を
含有して成形するための成形剤を含有していることが好
ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、メ
チルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、
ゼラチン、PVA、アラビアゴム、微結晶性セルロー
ス、アミロース、アミロペクチン等の多糖類、酢酸ビニ
ル等である。また、石膏、粘土、珪酸ソーダ、珪酸カル
シウム、水等も使用できる。さらに、各種接着剤、好ま
しくはアクリル系接着剤を使用することができる。本発
明においては、これらの成形剤を1種類あるいは2種類
以上を組み合わせて使用できる。
【0015】成形体2には、これらの他に、適当な充て
ん剤も含めることができる。例えば、繊維状体、粉状
体、粒状体、チップあるいはフレーク状体である。これ
らの充てん剤は、外皮状体の成形性や強度の向上に寄与
することができる。さらに、必要に応じて着色剤を添加
して、着色された成形体を得ることもできる。着色によ
り、容易に、各種硬化成形体や固着用樹脂カプセル剤を
識別することができる。さらに、成形体2には、骨材を
含有させることもできる。骨材としては特に限定しない
が、マグネシアクリンカー又はガラス、セラミックス等
の人工あるいは、硅石、石英等の天然の無機系骨材が使
用できる。また、硬質塩化ビニルのような硬質プラスチ
ック製の有機系骨材であってもよい。
【0016】特に、型成形、あるいは押出成形による場
合には、過酸化ベンゾイル等のパーオキサイド系硬化剤
に水、シリカ、硫酸カルシウムにより粘土状に練り上げ
ることが好ましい。また、流し込み成形の場合には、過
酸化ベンゾイル等のパーオキサイド系硬化剤に、硫酸カ
ルシウム、及び可塑剤を添加して成形することが好まし
い。
【0017】本発明における硬化剤を含有する成形用組
成物としては、例えば、硬化剤成分12〜18重量%
(好ましくは15重量%)、成型剤成分15〜25重量
%(好ましくは20重量%)、充てん剤成分12〜18
重量%(好ましくは15重量%)を含有することが好ま
しい。また、かかる組成において、硬化剤成分として
は、過酸化ベンゾイル等のパーオキサイド系硬化剤が好
ましく、成形剤としては水が好ましく、充てん剤として
は硫酸カルシウムが好ましい。
【0018】かかる成形体2の強度確保及び/又は製造
工程の作業性の観点から、外皮状体は、その形状に応じ
た基材(補強材)を備えていることが好ましい。かかる
基材としては、和紙等の繊維状体の抄造体、ガーゼ等の
繊維状体の織物あるいは編み物からなる網状体、プラス
チックフィルム等のフィルム状体等である。なお、この
ような基材は、本硬化成形体の一部に備えててもよい
し、全体に備えていてもよい。
【0019】さらに、このような成形体2の一方の面に
は、樹脂膜6を備えることが好ましい。特に、外皮状体
中の硬化剤によって硬化された硬化樹脂膜を備えること
が好ましい。当該一方の面とは、外皮状体がシート状体
の場合には、いずれか一方の面であり、凹状部あるいは
中空部を備える外皮状体の場合には、当該凹状部及び中
空部の内表面である。樹脂膜6は、当該一方の面に、樹
脂(外皮状体中の硬化剤によって硬化するラジカル硬化
型樹脂を含む)を塗布等によって付与することができ
る。また、当該ラジカル硬化型樹脂中に外皮状体を浸漬
して、一定時間以上、硬化反応を起こさせることにより
付与することもできる。好ましくは、固定要素固着用樹
脂カプセルの製造工程において、ラジカル硬化型樹脂の
導入により形成される。
【0020】本発明の固定要素固着用樹脂カプセル20
は、このような硬化剤成形体2によって囲繞される内部
にラジカル硬化型樹脂22を備えている。ここで硬化剤
成形体2によって囲繞される内部とは、主として硬化剤
成形体2(硬化剤を含有する成形部位を少なくともその
一部に備える)によって形成される凹状部あるいは中空
部の内側を意味する。ラジカル硬化型樹脂22として
は、特に限定しないが、エポキシアクリレート樹脂、ポ
リエステルアクリレート樹脂、アクリルウレタン樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂等を包含する。特に、ラジカル
硬化型樹脂の中でも、エポキシアクリレート樹脂及び/
又は、不飽和ポリエステル樹脂とすることが好ましい。
これらのラジカル硬化型樹脂には、反応性モノマーを混
合して使用することもできる。かかる反応性モノマーと
しては、スチレンモノマー、メチル(メタ)アクリルレ
ート、エチル(メタ)アクリルレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、シクロヘキシルフタレート、n
−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリルレート、ベンジル(メタ)アクリルレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリルレート、1,4
−ブチレングリコールジ(メタ)アクリルレート、トリ
メタアクリル酸トリメチロールプロパン、マレイン酸ジ
メチル、イソボルニル(メタ)アクリルレート、ブタン
ジオール(メタ)アクリルレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルレート、2,2−ビス[4−(メタ
クリロキシ−ジエトキシ)]フェニルプロパン等があ
る。これらの反応性モノマーは、ラジカル硬化型樹脂に
対して、0〜100%の範囲で使用することができる
が、好ましくは、20〜50重量%の範囲で使用する。
【0021】また、当該内部には、ラジカル硬化型樹脂
の硬化促進剤を含めることができる。かかる硬化促進剤
としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチ
ルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン、N,
N−ジヒドロキシプロピル−P−トルイジン、N,N−
ジヒドロキシエチル−P−トルイジン等の芳香族アニリ
ン類、ナフテン酸コバルト等の金属石鹸類、バナジルア
セチルアセトネート等のキレート化合物等がある。これ
らの硬化促進剤は、ラジカル硬化型樹脂に対して、例え
ば、0.1〜5重量%の範囲で添加されている。
【0022】また、当該内部には、骨材24を有するこ
とが好ましい。使用する骨材としては、特に限定しない
が、マグネシアクリンカー又はガラス、セラミックス等
の人工あるいは、硅石、石英等の天然の無機系骨材が使
用できる。また、硬質塩化ビニルのような硬質プラスチ
ック製の有機系骨材であってもよい。
【0023】本発明の固定要素固着用樹脂カプセル剤2
0としては、図1に示すように、1個の本硬化剤成形体
から形成されたカプセル剤としてもよいし、かかるカプ
セル剤の複数個を一体化して一体の固定要素固着用樹脂
カプセル剤とすることもできる。この場合、図3に示す
ように、個々のカプセル剤30を連結容易なように箱状
体に形成して、これらのカプセル剤30を各種固定手段
により一体化してカプセル剤32とすることが好まし
い。各カプセル剤30には、骨材24等が充てんされて
いてもよい。
【0024】また、図4に示すように、複数の固定要素
固着用樹脂カプセル剤40をさらに、合成樹脂製等の外
容器42に充てんして、一個のカプセル剤44として提
供することもできる。この場合、個々のカプセル剤40
と別個に、骨材24も外容器42に充てんするようにす
ることもできる。
【0025】本発明の固定要素固着用樹脂カプセル剤に
よれば、硬化剤が外皮状体中に含まれているために、別
個に硬化剤を導入する必要がなく、カプセル剤の製造工
程を省略化できる。さらに、骨材も外皮状体中に含有す
る場合には、さらに、骨材を導入する作業も省略化ある
いは簡略化することができる。また、外皮状体のラジカ
ル硬化型樹脂と接触する面に樹脂膜を備えることによっ
て、容易に、ラジカル硬化型樹脂との隔離状態を確保す
ることができる。かかる隔離状態によれば、隔離及び収
容のための余分な容器構造を排除することができる。す
なわち、容器と硬化剤とが一体化され兼用されているた
め、従来の外容器あるいは内容器のような固定要素固着
のためには実質的に不要な要素、を含まないカプセル剤
を提供することができる。さらに、外皮全体に硬化剤が
含有されている場合には、充てんされる樹脂との均一な
混合性も確保されている。
【0026】次に、このような硬化剤成形体及びラジカ
ル硬化型樹脂カプセル剤を製造する工程について図5〜
図9に基づいて説明する。本発明のラジカル硬化型樹脂
カプセルの製造方法は、少なくとも一部に、ラジカル硬
化型樹脂の硬化剤成分を有する成形部位を備える外皮状
体を準備する工程、すなわち、本発明の硬化剤成形体を
準備する工程と、この硬化剤成形体で囲繞される内側
に、ラジカル硬化型樹脂を導入する工程と、導入したラ
ジカル硬化型樹脂を前記固化剤成形体内に封入する工
程、とを有する。
【0027】まず、シート状体の硬化剤成形体を製造す
るには、本発明における硬化剤を含有する成形用組成物
を調製し、この組成物を、適当なプレート体に噴霧ある
いは塗布等して付与し、さらに、乾燥等することによ
り、シート状体の硬化剤成形体とすることができる。ま
た、基材を使用する場合には、シート状の基材に成形用
組成物を浸漬、塗布、噴霧等により付与し、その後乾燥
することにより、シート状体の硬化剤成形体を得ること
ができる。このようなシート状成形体を筒状、凹部を有
する容器状等に成形することにより、本発明における硬
化剤成形体を得ることができる。
【0028】凹状部あるいは中空部を備える外皮状体の
硬化剤成形体を得る方法を図5〜図8に例示する。
【0029】図5に示すように、得ようとする外皮状の
成形体の外表面形状に対応する内表面を有する物体(例
えば、凹状部を有する型など)60の当該内表面に、成
形用組成物を付与し、その後乾燥等し、当該内表面から
成形体62を取り外す方法を採用することができる。こ
の方法では、特に、凹状部を有する成形体62を容易に
製造できる。この方法においても、成形型表面に基材を
配することにより、外皮中に基材を配することができ
る。
【0030】また、図6に示すように、プレスにより成
形可能な程度の硬さに調製した成形用組成物74を、所
定形状のキャビティを有する成形型70に入れ、その後
プレスすることにより、凹状部を有する成形体72に成
形する。この方法により、容易に凹状部を有する成形体
を製造できる。得られた成形体72に、他の成形体76
を組み合わせることにより、中空部を有する成形体を得
ることもできる。なお、この方法においても、成形型7
0の成形表面に基材を配することにより、基材を備える
成形体を得ることができる。
【0031】図7には、押出成形による成型方法を示
す。押出成形可能な流動性を付与して調製した硬化剤含
有組成物80を、押出用金型の口金から押し出すことに
より、例えば、筒状の成形体82を得ることができる。
この成形体の開口を適当にシールすることにより容器状
とすることができる。
【0032】なお、図8に示すように、複数個の成形体
86を並列に連結した形態とし、個々の成形体86を分
離できるようにした硬化剤成形体85を得ることもでき
る。このような連結状の硬化剤成形体85の個々の成形
体86の内部に樹脂を充てんすることにより、樹脂カプ
セルの連結体を得ることができる。
【0033】次いで、このようにして得られた外皮状の
成形容器で囲繞される内部に、ラジカル硬化型樹脂を充
てんする。ラジカル硬化型樹脂としては、前記した各種
樹脂を同様に使用できる。例えば、図9に示すように、
凹状部を有する硬化剤成形体92の内部に、ラジカル硬
化型樹脂を充てんし、その後、蓋体94で成形体92を
密封して樹脂22を封入する。充てん方法は、特に限定
しないで従来公知の方法を使用できる。成形体の少なく
とも内表面に硬化剤を備える場合、ラジカル硬化型樹脂
の充てんにより、同時に、成形体の内表面に、ラジカル
硬化型樹脂と成形体中の硬化剤とによってラジカル硬化
型樹脂膜を形成することができる。このようにして樹脂
膜を形成することにより、必要箇所に効率よく樹脂膜を
形成することができる。ラジカル硬化型樹脂を充てんす
る際、好ましくは、当該樹脂に、硬化促進剤、反応性モ
ノマー、骨材、及びその他の添加剤のいずれか1種以上
を予め混合して充てんする。好ましくは、骨材と硬化促
進剤を混合する。このようにして、必要材料を充てん
後、蓋体の装着、あるいは、適当な封入操作により、成
形体内部にこれらの材料を封入して、固定要素固着用の
カプセル剤を得ることができる。
【0034】以上説明したように、本発明の方法による
と、所望の形状の硬化剤成形体を得ることができるた
め、必要に応じた形状の硬化剤成形体を得ることができ
る。また、本発明方法によれば、硬化剤の導入工程を省
略することができ、かつ、骨材やラジカル硬化型樹脂の
注入も容易に実施することができるようになる。また、
二重構造容器等の容器も準備も不要となる。
【0035】
【実施例】以下、本発明の具体例について説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】(実施例1)硬化剤を含有して成形され、
一方を封印内部接着シールされた外容器としての外径1
0mm、長さ50mmの容器に、主剤樹脂としての不飽
和ポリエステル樹脂を2.5g秤量充填し、その後、開
口部を封印して固定要素固着用樹脂カプセルを得た。な
お、容器は、過酸化ベンゼン0.2g、水0.3g、硫
酸カルシウム0.2g、無機系充てん剤及び着色剤を残
量0.8gとする組成物を調製し、この組成物をシート
状体に成形し、さらに、筒状(外径10mm×長さ50
mm)に成形することにより得た。なお、別途、同じ組
成物から円盤状の底部と蓋部とを調製し、適当な接着剤
により接着して上下の開口を封印できるようにした。
【0037】この樹脂カプセルについて次の強度試験を
行った。圧縮強度21N/mm2のコンクリートブロッ
クに直径12mm、深さ50mmの穿設を施す。本例で
調製した樹脂カプセルを穿設穴に挿填した後、攪拌棒に
てカプセルを攪拌し、M10ボルトを手で一定の長さま
で埋め込んだ。打設養生24時間後、油圧測定機により
最大引抜き荷重を測定した。3本の樹脂カプセルについ
ての結果は、19kN、20kN、20kNであり、M
10ボルトの固定強度としては、いずれも良好であり、
かつ安定した強度を示した。
【0038】(実施例2)また、過酸化ベンゼン1.2
g、水1.6g、硫酸カルシウム1.2g、無機系充て
ん剤及び着色剤を残量4.0gとする組成物を調製し、
この組成物をシート状体に成形し、さらに、筒状(外径
16.5mm×長さ110mm)に成形することにより
容器を得、この容器に実施例1と同様の樹脂8.4g
と、焼成骨材19.3gを充てんし、実施例1と同様に
シールした。
【0039】この樹脂カプセルについて次の強度試験を
行った。圧縮強度21N/mm2のコンクリートブロッ
クに直径18mm、深さ120mmの穿設を施す。本例
の樹脂カプセルを穿設穴に挿填した後、M16ボルトを
ハンマードリルに装着しボルトに回転及び打撃を与えな
がら穴底までボルトを埋め込んだ。打設養生24時間
後、油圧測定機により最大引抜き荷重を測定した。本例
の樹脂カプセルについての結果は、95kNであり、M
16ボルトの固定強度として良好な結果が得られた。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、固定要素固着用樹脂カ
プセルの製造工程を簡略化するのに適する、ラジカル硬
化型樹脂用の硬化剤成形体及び固定要素固着用樹脂カプ
セル樹脂ならびにその製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬化剤成形体及び固定要素固着用カプ
セル剤の一例を示す図である。
【図2】本発明の硬化剤成形体及び固定要素固着用カプ
セル剤の外形の例を示す図である。
【図3】複数のカプセル剤を連結して一体化して得られ
るカプセル剤の一例を示す図である。
【図4】複数のカプセル剤を外容器に充てんして得られ
るカプセル剤の一例を示す図である。
【図5】硬化剤成形体を得る方法の一例を示す図であ
る。
【図6】硬化剤成形体を得る方法の一例を示す図であ
る。
【図7】硬化剤成形体を得る方法の一例を示す図であ
る。
【図8】硬化剤成形体を得る方法の一例を示す図であ
る。
【図9】硬化剤成形体で囲繞される内側にラジカル硬化
型樹脂を充てんして、カプセル剤を得る方法の一例を示
す図である。
【符号の説明】
2 硬化剤成形体 6 樹脂膜 20、30、32、40、42 固定要素固着用樹脂カ
プセル剤 22 ラジカル硬化型樹脂 24 骨材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部にラジカル硬化型樹脂の硬
    化剤成分を有する成形部位を備える外皮状体である、ラ
    ジカル硬化型樹脂用の硬化剤含有外皮容器。
  2. 【請求項2】前記硬化剤は、パーオキサイド系硬化剤で
    ある、請求項1記載の硬化剤含有外皮容器。
  3. 【請求項3】前記外皮状体は中空部を有する、請求項1
    又は2記載の硬化剤含有外皮容器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の硬化剤含
    有外皮容器と、当該容器によって囲繞される内部にラジ
    カル硬化型樹脂の主剤、とを備える、固定要素固着用樹
    脂カプセル。
  5. 【請求項5】前記硬化剤含有外皮容器の内部に、さらに
    骨材を有する、請求項4記載の固定要素固着用樹脂カプ
    セル。
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