JP2002004373A - 浴室洗い場とその製造法 - Google Patents

浴室洗い場とその製造法

Info

Publication number
JP2002004373A
JP2002004373A JP2000185822A JP2000185822A JP2002004373A JP 2002004373 A JP2002004373 A JP 2002004373A JP 2000185822 A JP2000185822 A JP 2000185822A JP 2000185822 A JP2000185822 A JP 2000185822A JP 2002004373 A JP2002004373 A JP 2002004373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermoplastic elastomer
bathroom
deodorant
bathroom washing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000185822A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoko Ubukawa
直子 生川
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Akihiro Umeda
章広 梅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000185822A priority Critical patent/JP2002004373A/ja
Publication of JP2002004373A publication Critical patent/JP2002004373A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴室洗い場とその製造法に関するもので、軟
質で安全であり、さらには汚れがつきにくく、細菌やカ
ビの繁殖を抑制し、さらに使用者に好ましい香りまたは
不快害虫を忌避する臭いを発生したり、悪臭を消臭する
浴室洗い場を提供する。 【解決手段】 樹脂材料からなるバックアップ基材3に
対して、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーよ
り小さい物質と7、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤を収納
したマイクロカプセル6を含む熱可塑性エラストマー層
5からなる軟質材を表面層として積層し、一体化するこ
とにより、浴室洗い場の表面が軟質で、防汚性が良好で
清潔な浴室洗い場の提供が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浴室洗い場とその製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、浴室内に設置される洗い場はポリ
プロピレンなどの熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル
樹脂とガラス繊維を用いた繊維強化プラスチック(以下
FRPとする)やステンレスやホーロー、硬質磁性タイ
ルであった。これらの洗い場は高耐久性、高級感、重厚
感のあるものにするために表面をできるだけ硬く、また
高剛性化する傾向にあった。
【0003】またこれらは使用状況によってゴキブリを
はじめとする不快害虫の侵入による被害をうけたり、カ
ビ、細菌の増殖をまねき、悪臭の発生源となる場合もあ
る。このため、本来清潔であるべき水まわり場所の清潔
感を損ねる原因ともなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
洗い場が硬くかつ剛性の大きなものであると、幼児や足
腰の弱った高齢者などが使用する場合、不安定であり洗
い場内で滑ったり転倒したりして身体を強く打ち付ける
危険が伴う。そこで、洗い場全体を軟質材で形成するこ
とが考えられるが、洗い場全体を軟質材で形成すると、
洗い場自身が形状保持できなくなってしまう。
【0005】また、浴室内には人体からの垢、石鹸カス
などの汚れ成分が充満しており、日常の手入れが大変で
ある。さらに浴室内は高湿度であり、細菌やカビが増殖
しやすく、これらが原因となり悪臭を発することもあ
る。また誘因物質によるゴキブリをはじめとする不快害
虫が浸入したりすると不潔になりやすい。
【0006】さらに、軟質の洗い場を製造し、提供する
に際して、これを量産性の良いものにし、安価に洗い場
を提供できるようにすることが求められる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、樹脂材料からなるバックアップ基材に対し
て、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマー層より
小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくと
も一種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑性
エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層し、
一体化した浴室洗い場としてある。
【0008】上記発明によれば、樹脂材料からなるバッ
クアップ基材によって浴室洗い場自体の形状が保持され
るとともに、表面層が熱可塑性エラストマー層の軟質材
料により形成されているため、例えば幼児や足腰の弱っ
た高齢者などが浴室洗い場で転倒してもその衝撃を軟質
材料により良好に吸収でき、安全性を向上させることが
できる。さらに、表面自由エネルギーが小さい物質を熱
可塑性エラストマー層が含んでいるため表面層の撥水性
が向上し、汚れ成分に対し低活性となり防汚性が向上す
る。また、それらの汚れ成分を餌とする細菌やカビの増
殖も抑制される。そして芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の
少なくとも一種を収納したマイクロカプセルを含むこと
により使用者に好ましい香りを発生したり、害虫忌避剤
によってゴキブリなどの不快害虫を忌避したり、発生し
た悪臭を消臭することができる。芳香剤、害虫忌避剤、
消臭剤の少なくとも一種がマイクロカプセルに収納され
ていることにより芳香成分、害虫忌避成分、消臭成分は
浴室洗い場の使用とともに徐々に発散され、その効果は
長期に持続される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂材料からなるバッ
クアップ基材に対して、表面自由エネルギーが熱可塑性
エラストマーより小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、
消臭剤の少なくとも一種を収納したマイクロカプセルを
含む前記熱可塑性エラストマー層からなる軟質材を表面
層として積層し一体化した浴室洗い場である。
【0010】そして、樹脂材料からなるバックアップ基
材によって浴室洗い場自体の形状が保持されるととも
に、表面層が熱可塑性エラストマー層の軟質材料により
形成されているため、たとえば幼児や高齢者などが浴室
洗い場で転倒してもその衝撃を軟質材料により良好に吸
収でき、安全性を向上させることができる。さらに、表
面自由エネルギーが小さい物質を熱可塑性エラストマー
層が含んでいるため表面層の撥水性が向上し、汚れ成分
に対し低活性となり防汚性が向上する。また、それらの
汚れ成分を餌とする細菌やカビの増殖も抑制される。そ
して芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも一種を収
納したマイクロカプセルを含むことにより使用者に好ま
しい香りを発生したり、害虫忌避剤によってゴキブリな
どの不快害虫を忌避したり、発生した悪臭を消臭するこ
とができる。芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも
一種がマイクロカプセルに収納されていることにより芳
香成分、害虫忌避成分、消臭成分は浴室洗い場の使用と
ともに徐々に発散され、その効果は長期に持続される。
【0011】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
と表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより小さ
い物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも一
種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑性エラ
ストマー層との間に第二の弾性層を有する軟質材を表面
層として積層し一体化した浴室洗い場である。
【0012】そして、樹脂材料からなるバックアップ基
材と表面層である熱可塑性エラストマー層との間に第二
の弾性層を有する軟質材を積層し一体化することによ
り、浴室洗い場表面をよりいっそう軟らかく、安全にす
ることができる。
【0013】また、バックアップ基材の樹脂材料がFR
Pからなる浴室洗い場である。
【0014】そして、FRPは不飽和ポエステル樹脂な
どの熱硬化性樹脂とガラス繊維を混合して硬化させたも
のであり、軽くて高剛性のため、強度の大きい浴室洗い
場が可能となる。
【0015】また、塩素元素を含まない化学構造を有す
る、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより小
さい物質を含む熱可塑性エラストマー層からなる軟質材
を表面層として積層し一体化した浴室洗い場である。
【0016】そして、熱可塑性エラストマー層が塩素元
素を含まないため、サーマルリサイクル時に塩化水素ガ
スやダイオキシンといった人体に悪影響を及ぼす排ガス
が生成しない。このため、環境に優しいクリーンな浴室
洗い場が可能となる。
【0017】また、弾性層が発泡層である浴室洗い場で
ある。
【0018】そして、このようにすれば軟質材層をより
いっそう軟らかくすることができ、安全性や快適性がさ
らに向上する。
【0019】また、前記表面白由エネルギーが熱可塑性
エラストマーより小さい物質は有機珪素化合物からなる
浴室洗い場である。
【0020】そして、有機珪素化合物を熱可塑性エラス
トマー層に添加することにより熱可塑性エラストマー層
の表面は撥水性が大幅に向上し、汚れ成分に対し低活性
となるため防汚性が向上する。さらに、汚れ成分の浴室
洗い場表面への汚れの付着が少なくなるため、それらを
餌とする細菌やカビの増殖も抑制される。
【0021】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
に対して、有機珪素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消
臭剤の少なくとも一種を収納したマイクロカプセルと、
抗菌剤とを含む熱可塑性エラストマー層からなる軟質材
を表面層として積層し一体化した浴室洗い場である。
【0022】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
と、有機珪素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の
少なくとも一種を収納したマイクロカプセルと、抗菌剤
とを含む熱可塑性エラストマー層との間に第二の弾性層
を有する軟質材を表面層として一体化した浴室洗い場で
ある。
【0023】そして、熱可塑性エラストマー層からなる
浴室洗い場の表面層は有機珪素化合物を含むことによ
り、防汚性が向上し汚れ成分が付着しにくくなる。そし
て芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも一種を収納
したマイクロカプセルを含むことにより使用者に好まし
い香りを発生したり、害虫忌避剤によってゴキブリなど
の不快害虫を忌避したり、発生した悪臭を消臭すること
ができる。芳香剤、害虫忌避剤または消臭剤がマイクロ
カプセルに収納されていることにより芳香成分、害虫忌
避成分、消臭成分は浴室洗い場の使用とともに徐々に発
散され、その効果は長期に持続される。さらに、抗菌剤
を含有することにより、浴室洗い場表面での細菌、ぬめ
り、カビなどの増殖が抑制される。さらに、樹脂材料か
らなるバックアップ基材と表面層である熱可塑性エラス
トマー層との間に第二の弾性層を有する軟質材を積層し
一体化することにより、浴室洗い場表面をよりいっそう
軟らかく、安全にすることができる。
【0024】また、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なく
とも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からな
る浴室洗い場である。
【0025】そして、無機系抗菌剤の作用により主とし
て細菌の増殖を抑制し、さらには細菌の増殖に起因する
悪臭の発生、酵母の増殖に起因するぬめりの発生も抑制
する。また、有機系抗菌剤の作用により主としてカビの
増殖を抑制する。このように、カビ、細菌などの増殖を
抑制し、健康的で清潔な浴室洗い場が可能となる。
【0026】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
に対して、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマー
より小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少な
くとも一種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可
塑性エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層
し一体化した浴室洗い場において、軟質材からなる表面
層は真空成形によりバックアップ基材と積層し一体化さ
れてなる浴室洗い場の製造法である。
【0027】そして、軟質材からなる表面層を真空成形
によりバックアップ基材と積層一体化することにより浴
室洗い場を簡単に安価に製造することができる。
【0028】
【実施例】(実施例1)以下本発明の実施例について説
明する。
【0029】なお、本発明におけるバックアップ基材の
樹脂材料としては、熱可塑性樹脂としてポリエチレン、
ポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合物などが挙げられるが、これらに限定するも
のではない。また、熱硬化性樹脂としてフェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性アクリル樹脂
などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
また、FRP用樹脂としては上記熱硬化性樹脂が便用可
能であり、成形法としてはハンドレイアップ成形法、ホ
ットプレス成形法、注型法、レジントランスファーモー
ルディング法などを用いることが可能である。
【0030】また、可塑性エラストマーとしては、スチ
レン系、オレフイン系、ウレタン系、エステル系、アミ
ド系、塩化ビニル系などが挙げられるがこれらに限定す
るものではない。
【0031】また、使用者に好ましい香りを発する芳香
剤としては6−アセチル−1、1、2、4、7−ヘキサ
メチルテトラヒドロナフタレン、ウンデカラクトン、カ
プロン酸エチル、カプリル酸エチル、けい皮アルコー
ル、酢酸ゲラニル、酢酸イソアミルなどが挙げられる
が、これらに限定するものではない。
【0032】害虫忌避性を有するものとしては天然精
油、ピレスロイド系物質などがある。天然精油としては
例えば樹木や植物から放出または分泌される芳香物質で
あるフィトンチッドがあり、α−ピネン、β−ピネン、
ミルセン、カンフェン、リモネンなどのテルペン類が挙
げられる。ピレスロイド系物質としてはエトフェンブロ
ックス(1−(pエトキシフェニル)−2−メチルプロ
ピル−3−フェノキシベンジルエーテル)、サイフェノ
スリン((RS)−アルファーシアノ−3−フェノキシ
ベンジル(1R)−シス/トランス−クリサンテマー
ト)、ペルメトリン(3−フェノキシベンジル−di−
シス/トランス−3(2、2−ジクロロビニル)−2、
2−ジメチル−1シクロプロパンカルボキシレート)、
アレスリン(3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2
−エン−4−オン−1−イルクリサンテマート)などが
挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0033】消臭成分としては、有機酸、フラボノイ
ド、ポリフェノール類などの植物抽出物などがあるがそ
のいずれでもよい。
【0034】なお、芳香成分は比較的分子量が大きく、
科学的に安定な構造のものが多く、消臭剤と同時に用い
ても芳香を消すことはない。したがって芳香剤と消臭剤
をそれぞれ収納したマイクロカプセルを同時に使用して
も差し支えない。
【0035】また、本発明に用いられるマイクロカプセ
ルとしては例えば内部に芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤な
どが収納された1〜50μmのメラミンホルムアルデヒ
ド樹脂よりなるものなどがある。その他にカプセル膜に
無数の小さな孔が形成されていて、その孔から内部の芳
香剤、消臭剤などが徐々に発散するようになっているも
のや、カプセル膜が外力によって破壊されて芳香成分、
消臭成分などを発するものでも良く、またこれらに限定
するものでもない。
【0036】また発泡層としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリウレタンなどが挙げら
れるが、これに限定するものではない。
【0037】また本発明の有機珪素化合物としては、ジ
メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサンなどのシリコーン化合
物、それらのシリコーン化合物をアルキッド変性、ポリ
エステル変性、アクリル変性、エポキシ変性した変性シ
リコーン化合物などが挙げられるが、これに限定するも
のではない。
【0038】また本発明における抗菌剤としては、無機
系抗菌剤として、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀など、銀、
銅、亜鉛あるいは錫を担持したゼオライト、および銀、
銅、亜鉛あるいは錫を担持したシリカゲルなどが挙げら
れるが、これらに限定するものではない。また、有機系
抗菌剤としては、10、10’−オキシビスフェノキサ
アルシンなどフェニルエーテル誘導体、シクロフルアニ
ドなどN‐ハロアルキルチオ系化合物、2−(4−チア
ゾリル)ベンズイミダゾール(以下TBZと略称する)
等イミダゾール誘導体、2、3、5、6テトラクロル4
−(メチルスルホリル)ピリジンなど第4級アンモニウ
ム塩などが挙げられるが、これらに限定するものではな
い。
【0039】さて、実施例1であるが、まずハンドレイ
アップ成形法により、不飽和ポリエステル樹脂を用いた
FRPによりバックアップ基材を作成した。そしてジメ
チルポリシロキサンを0.5%、カプリル酸エチルを収
納したマイクロカプセルを1%分散させた1.5mm厚の
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーと10mm厚のポ
リウレタン発泡層とを用い、真空成形によりバックアッ
プ基材と積層一体化し目的とする浴室洗い場を得た。
【0040】なお表層としてジメチルポリシロキサン、
マイクロカプセルを含まない1.5mm厚のポリオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーと10mm厚のポリウレタン発
泡層とを用い、真空成形によりバックアップ基材と積層
一体化して得た浴室洗い場を比較例とした。
【0041】(実施例2)ハンドレイアップ成形法によ
り、不飽和ポリエステル樹脂を用いたFRPによりバッ
クアップ基材を作成した。そしてジメチルポリシロキサ
ンを0.5%、ペルメトリンを収納したマイクロカプセ
ルを1%分散させた1.5mm厚のポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーと10mm厚のポリウレタン発泡層とを
用い、真空成形によりバックアップ基材と積層一体化し
目的とする浴室洗い場を得た。
【0042】(実施例3)ハンドレイアップ成形法によ
り、不飽和ポリエステル樹脂を用いたFRPによりバッ
クアップ基材を作成した。そしてジメチルポリシロキサ
ンを0.5%、ペルメトリンを収納したマイクロカプセ
ルを1%分散させた1.5mm厚のポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーを用い、真空成形によりバックアップ
基材と積層一体化し目的とする浴室洗い場を得た。
【0043】(実施例4)ハンドレイアップ成形法によ
り、不飽和ポリエステル樹脂を用いたFRPによりバッ
クアップ基材を作成した。そしてジメチルポリシロキサ
ンを0.5%、カプリル酸エチルを収納したマイクロカ
プセルを1%、ゼオライト銀系抗菌剤を0.5%および
有機系抗菌剤であるTBZを0.5%分散させた1.5
mm厚のポリオレフイン系熟可塑性エラストマーと15mm
厚のポリウレタン発泡層とを用い、真空成形によりバッ
クアップ基材と積層一体化し目的とする浴室洗い場を得
た。
【0044】図1は本発明の一実施例における浴室洗い
場を示す模式図である。1は洗い場、2は浴槽であり、
これら、例えば洗い場1は、図1の部分拡大断面図に示
しているようにFRPに代表されるバックアップ基材3
とポリウレタンに代表される発泡層4と熱可塑性エラス
トマー層5と、熱可塑性エラストマー層中に分散されて
いるジメチルポリシロキサンに代表される有機珪素化合
物5と芳香剤などを収納したマイクロカプセル6と、ゼ
オライト銀に代表される無機系抗菌剤とTBZに代表さ
れる有機系抗菌剤7で構成されている。
【0045】各実施例で得た洗い場の撥水性を協和界面
科学(株)製接触角測定装置(CA−Z型)で測定し
た。その結果を(表1)に示す。
【0046】
【表1】
【0047】各実施例で得た洗い場の抗菌性能およびカ
ビ抵抗性について試験を行った。抗菌性能については前
記洗い場から50×50mmの試料を切りだしそれぞれに
菌液(黄色ブドウ球菌および大腸菌)1ccを滴下し、
37℃で24時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩
衝液にて菌を洗い出した。この洗い出した液中の生菌数
を、菌数測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。
その結果を(表2)に示す。
【0048】
【表2】
【0049】カビ抵抗性試験については、寒天培地上に
おいた各試料(50×50mm)にアスペルギルス・ニガ
ー菌液を噴霧し、25℃で7日間培養した。その結果を
(表3)に示す。
【0050】
【表3】
【0051】次に各実施例で得た浴室洗い場の芳香発散
官能テストによる評価を行った。洗い場を通常の入浴条
件で使用し、その後官能テストを成人男女それぞれ5人
で行った。その結果を(表4)に示す。
【0052】
【表4】
【0053】また、各実施例で得た浴室洗い場のゴキブ
リに対する忌避性能を評価した。前記試料から200×
200mmの試料を切り出し、試料の上に餌と水を設置
し、チャバネゴキブリ成虫30匹のいる部屋にそれぞれ
放置し、48時間後、餌の元の重さに対する残存率を調
べた。その結果を(表5)に示す。
【0054】
【表5】
【0055】(表1)から明らかなように、各実施例の
洗い場は比較例の洗い場に比較し、著しい撥水性の向上
が確認された。
【0056】(表2)から明らかなように、実施例4の
洗い場は実施例1、2および比較例の洗い場に比較し、
黄色ブドウ球菌および大腸菌に対する著しい抗菌効果を
得ることができた。
【0057】(表3)から明らかなように、実施例4の
洗い場は実施例l、2および比較例の洗い場に比較し、
良好な抗カビ効果を得ることができた。
【0058】(表4)から明らかなように比較例1およ
び3の洗い場は比較例に比べて明らかに芳香を発散して
いることがわかる。
【0059】(表5)から明らかなように実施例2およ
び3の洗い場は比較例に比べてゴキブリ忌避性能が著し
く良好であった。このことから実施例2および3の洗い
場からはペルメトリンが有効に発散され、ゴキブリ忌避
に効果的に働いていることが明らかとなった。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の浴室洗い場とそ
の製造法によれば、次の効果が得られる。
【0061】樹脂材料からなるバックアップ基材に対し
て、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより小
さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも
一種を収納したマイクロカプセルとを含む、前記熱可塑
性エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層し
一体化した浴室洗い場である。これにより、樹脂材料か
らなるバックアップ基材によって洗い場自体の形状が保
持されるとともに、表面層が熱可塑性エラストマー層の
軟質材料により形成されているため、たとえば幼児や高
齢者などが洗い場で転倒してもその衝撃を軟質材料によ
り良好に吸収でき、安全性を向上させることができる。
さらに、表面自由エネルギーが小さい物質を熱可塑性エ
ラストマー層が含んでいるため表面層の撥水性が向上
し、汚れ成分に対し低活性となり防汚性が向止する。ま
た、それらの汚れ成分を餌とする細菌やカビの増殖も抑
制される。そして芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なく
とも一種を収納したマイクロカプセルを含むことにより
使用者に好ましい香りを発生したり、害虫忌避剤によっ
てゴキブリなどの不快害虫を忌避したり、発生した悪臭
を消臭することができる。芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤
の少なくとも一種がマイクロカプセルに収納されている
ことにより芳香成分、害虫忌避成分、消臭成分は浴室洗
い場の使用とともに徐々に発散され、その効果は長期に
持続される。
【0062】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
と表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより小さ
い物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも一
種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑性エラ
ストマー層との間に第二の弾性層を有する軟質材を表面
層として積層し一体化した洗い場とすることにより、洗
い場表面をよりいっそう軟らかく、安全にすることがで
きる。
【0063】また、バックアップ基材の樹脂材料がFR
Pからなる浴室洗い場とすることにより、不飽和ポリエ
ステル樹脂などの熱硬化生樹脂とガラス繊維を混合分散
して加熱硬化させたFRPは軽くて高剛性のため、強度
の大きい洗い場を得ることができる。
【0064】また、塩素元素を含まない化学構造を有す
る熱可塑性エラストマー層からなる軟質材を表面層とし
て積層し一体化した洗い場とすることにより、サーマル
リサイクル時に塩化水素ガスやダイオキシンといった人
体に悪影響を及ぼす燃焼排ガスが生成しない、環境に優
しいクリーンな洗い場を得ることができる。
【0065】また、弾性層が発泡層である浴室洗い場と
することにより、軟質材層をよりいっそう軟らかくする
ことができるので、安全性および快適性がさらに向上す
る。
【0066】また、熱可塑性エラストマーより表面自由
エネルギーが小さい物質が有機珪素化合物である浴室洗
い場とすることにより、熱可塑性エラストマー層の表面
すなわち洗い場表面の撥水性が大幅に向上し、汚れ成分
に対し低活性となるため防汚性が向上する。さらに、汚
れ成分の洗い場表面への汚れの付着が少なくなるため、
それらを餌とする細菌やカビの増殖も抑制される。
【0067】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
に対して有機珪素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭
剤の少なくとも一種を収納したマイクロカプセルと、抗
菌剤とを含む熱可塑性エラストマー層からなる軟質材を
表面層として積層し一体化した洗い場とするか、あるい
は、樹脂材料からなるバックアップ層に対して、有機珪
素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも
一種を収納したマイクロカプセルと、抗菌剤とを含む熱
可塑性エラストマー層と核熱可塑性エラストマー層の裏
側に真空成形可能な材料からなる第二の弾性層を有する
軟質材を表面層として一体化した洗い場とすることによ
り、熱可塑性エラストマー層からなる洗い場の表面層は
有機珪素化合物を含むので、防汚性が向上し汚れ成分が
付着しにくくなる。そして芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤
の少なくとも一種を収納したマイクロカプセルを含むこ
とにより使用者に好ましい香りを発生したり、害虫忌避
剤によってゴキブリなどの不快害虫を忌避したり、発生
した悪臭を消臭することができる。芳香剤、害虫忌避剤
または消臭剤がマイクロカプセルに収納されていること
により芳香成分、害虫忌避成分、消臭成分は浴室洗い場
の使用とともに徐々に発散され、その効果は長期に持続
される。さらに、抗菌剤を含有することにより、洗い場
表面での細菌、ぬめり、カビなどの増殖が抑制される。
さらに、樹脂材料からなるバックアップ基材と表面層で
ある熱可塑性エラストマー層との間に第二の弾性層を有
する軟質材を積眉し一体化することにより、洗い場表面
をよりいっそう軟らかく、安全にすることができる。
【0068】また、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なく
とも一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からな
る浴室洗い場とする。無機系抗菌剤の作用により主とし
て細菌の増殖を抑制し、さらには細菌の増殖に起因する
悪臭の発生、酵母の増殖に起因するぬめりの発生も抑制
する。また、有機系抗菌剤の作用により主としてカビの
増殖を抑制する。このように、カビ、細菌などの増殖を
抑制し、健康的で清潔な洗い場が可能となる。
【0069】また、樹脂材料からなるバックアップ基材
に対して、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマー
より小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少な
くとも一種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可
塑性エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層
し一体化した洗い場において、軟質材からなる表面層は
真空成形によりバックアップ基材と積層し一体化して洗
い場を製造することにより、簡単に安価に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における浴室洗い場の模式図
【符号の説明】
l 洗い場 3 バックアップ基材 4 発泡層 5 熱可塑性エラストマー層 6 マイクロカプセル 7 有機珪素化合物
フロントページの続き (72)発明者 梅田 章広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2D061 CA02 CB10 CC05 CC11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂材料からなるバックアップ基材に対
    して、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより
    小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくと
    も一種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑性
    エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層し一
    体化した浴室洗い場。
  2. 【請求項2】 樹脂材料からなるバックアップ基材と表
    面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーより小さい物
    質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なくとも一種を
    収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑性エラスト
    マー層との間に第二の弾性層を有する軟質材を表面層と
    して積層し一体化した浴室洗い場。
  3. 【請求項3】 樹脂材料がFRPであるバックアップ基
    材からなる請求項1または2に記載の浴室洗い場。
  4. 【請求項4】 熱可塑性エラストマー層が塩素元素を含
    まない化学構造を有する請求項1ないし3のいずれか一
    項記載の浴室洗い場。
  5. 【請求項5】 弾性層が発泡層である請求項2記載の浴
    室洗い場。
  6. 【請求項6】 表面自由エネルギーが熱可塑性エラスト
    マーより小さい物質は有機珪素化合物からなる請求項1
    または2記載の浴室洗い場。
  7. 【請求項7】 樹脂材料からなるバックアップ基材に対
    して、有機珪素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤
    の少なくとも一種を収納したマイクロカプセルと、抗菌
    剤とを含む熱可塑性エラストマー層からなる軟質材を表
    面層として積層し一体化した浴室洗い場。
  8. 【請求項8】 樹脂材料からなるバックアップ基材と、
    有機珪素化合物と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少な
    くとも一種を収納したマイクロカプセルと、抗菌剤とを
    含む熱可塑性エラストマー層との間に第二の弾性層を有
    する軟質材を表面層として積層し一体化した浴室洗い
    場。
  9. 【請求項9】 抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも
    一種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる請
    求項7または8記載の浴室洗い場。
  10. 【請求項10】 樹脂材料からなるバックアップ基材に
    対して、表面自由エネルギーが熱可塑性エラストマーよ
    り小さい物質と、芳香剤、害虫忌避剤、消臭剤の少なく
    とも一種を収納したマイクロカプセルを含む前記熱可塑
    性エラストマー層からなる軟質材を表面層として積層し
    一体化した浴室洗い場において、軟質材からなる表面層
    は真空成形によりバックアップ基材と積層し一体化する
    浴室洗い場の製造法。
JP2000185822A 2000-06-21 2000-06-21 浴室洗い場とその製造法 Withdrawn JP2002004373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185822A JP2002004373A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 浴室洗い場とその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000185822A JP2002004373A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 浴室洗い場とその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002004373A true JP2002004373A (ja) 2002-01-09

Family

ID=18686080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000185822A Withdrawn JP2002004373A (ja) 2000-06-21 2000-06-21 浴室洗い場とその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002004373A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007143832A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Hitachi Housetec Co Ltd 浴室成形品及び浴室部材
JP2009174266A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Panasonic Electric Works Co Ltd 浴室床パン
JP2010053612A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Toto Ltd 浴室用洗い場床

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007143832A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Hitachi Housetec Co Ltd 浴室成形品及び浴室部材
JP2009174266A (ja) * 2008-01-28 2009-08-06 Panasonic Electric Works Co Ltd 浴室床パン
JP2010053612A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Toto Ltd 浴室用洗い場床

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100296970A1 (en) Apparatus and Methods for Sanitizing Feet And/Or Footwear
PL207506B1 (pl) Dozownik do regulowanego uwalniania substancji lotnych
US20090269297A1 (en) Multiple component compound and method for neutralizing offensive odors
CN113905612A (zh) 节肢动物防治组合物
KR101866980B1 (ko) 살균패드, 살균패드 제조방법, 살균패드를 구비한 변좌 및 변기 살균 방법
JP2002004373A (ja) 浴室洗い場とその製造法
JPH05139460A (ja) 徐放性薬剤封入袋
JPH07309701A (ja) 害虫忌避性材料
JP4517488B2 (ja) 便座
JP2002291632A (ja) 洗面ボウルとその洗面ボウルの製造法
KR101795425B1 (ko) 살균패드 및 살균패드 제조방법
JP4160844B2 (ja) 薬剤収納体
US20230247992A1 (en) Arthropod control composition
KR102255867B1 (ko) 양변기용 교체형 위생패드
JPH0230429Y2 (ja)
JPH09191787A (ja) ペットの糞尿処理用フィルム・シート及びこれを用いたペットの糞尿処理体
JP2002264110A (ja) 合成木材
JP3907246B2 (ja) 防カビ・防虫剤及びこれらを用いた高湿下における防カビ・防虫方法
JP2005126393A (ja) 放香防虫製品
JPH11348007A (ja) 合成木材
JPS6310792Y2 (ja)
JP2004049365A (ja) キッチンパネル
JP2002017598A (ja) 浴室洗い場とその製造法
JP2001001459A (ja) 繊維強化プラスチックの成形体並びに繊維強化プラスチックの浴槽、洗い場およびキッチンカウンター
JP3749785B2 (ja) 脱臭効力増強剤およびこれを用いた脱臭剤

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20070320

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070322

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070322

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070904