JP2002004092A - メッキ板懸吊具 - Google Patents

メッキ板懸吊具

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JP2002004092A
JP2002004092A JP2000179036A JP2000179036A JP2002004092A JP 2002004092 A JP2002004092 A JP 2002004092A JP 2000179036 A JP2000179036 A JP 2000179036A JP 2000179036 A JP2000179036 A JP 2000179036A JP 2002004092 A JP2002004092 A JP 2002004092A
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Hiroshige Sawa
廣成 澤
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SAATEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電気メッキに際して用いるメッキ
板懸吊具において、メ平板をワンタッチで保持・解除可
能な下部クランプ構造、カソードブスバーにワンタッチ
で着脱可能な上部クランプ構造を備えたメッキ板懸吊具
を提供する。 【解決手段】 下端部にリード線を接続した金属ターミ
ナルを取り付けて内側に平板保持用の電気接点を形成し
た本体下部側に、下端部にリード線を接続した金属ター
ミナルを取り付けて内側に平板保持用の電気接点を形成
した平板圧着レバーと規制板を連結し、平板圧着レバー
と規制板を操作レバーに連結したトグルジョイントを有
する平板用のクランプ構造を具備させ、操作レバーの操
作で本体の電気接点と圧着レバーの電気接点間で平板上
部を保持・解除可能としたもので、本体上部側にブスバ
ー用のクランプ構造を具備させることも考慮したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性の材料から
なる平板に対する各種の電気メッキに際して、平板を懸
吊してメッキ槽に浸漬する懸吊具のクランプの構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性の材料からなる平板の各種
の電気メッキに際して、平板を懸吊してメッキ槽に浸漬
する懸吊具としては、一般には、(1)バネ圧を用いて
平板を挟むか、(2)ネジを用いて平板の一部を締めて
平板を通電可能に保持する構造のものが知られている。
【0003】しかし、これらの懸吊具の場合では以下の
ような欠点があった。(1)の構造の懸吊具の場合、一
般には、平バネを加工して、平板を通電可能に挟む構造
であるが、作業性を考慮すると必要十分な板厚が用い難
く、加圧力が不足勝であり、それを数で補う場合は各々
のバネの開口方法が必ずしも一方向に正確に配列できな
いため、平板の向きと一致せず、部分的に平板の剛性に
負けて、接触が面接触にならず、点接触的接触に陥り、
接触圧および接触面積が大幅にバラツクために陰極ブス
バー1個に多枚数が懸吊されるとき、各々の平板に与え
られる電流の量は均一ではなく、メッキの析出厚にバラ
ツキを生じて、優れたメッキ性能は得られなかった。
【0004】(2)の構造の懸吊具の場合、懸吊具の保
持板に、平板を複数のネジで締め付けて通電可能に保持
する構造であるが、ネジを締めたり、メッキ金属が付着
したネジを緩めるなどの煩わしい作業の負担が大きく、
安定的にかつ確実に保持する観点でも不安があった。
【0005】また、(1),(2)の構造の懸吊具で
は、平板を懸吊する圧力に耐えて安定保持する必要上、
構造材として通電性を有する例えばSUS材が多用され
ているが、これらは電気抵抗が銅等に比べて甚だしく大
きいために、電気メッキの場合には、高い電流容量を与
えることができず、そのために長いメッキ時間が要求さ
れる欠点があった。
【0006】自動メッキを行う場合では、懸吊具とし
て、SUS材からなり通電部を備えた細い丸棒等を、支
点を設けて回動(開閉)可能に支持して、この丸棒の下
部に平板保持および通電供給接点を形成し、上部に空気
シリンダーによる開閉部を形成して、丸棒を空気シリン
ダーで開閉動作させて平板に通電供給接点を圧着させて
通電可能に保持して懸吊する構造を有するものがある。
【0007】この懸吊具の場合には、支点と通電部の距
離およびシリンダーによる加圧部との距離の比、さらに
は、平板の長さが通電部の長さに比べて、はるかに長い
ために、梃によってこじ開けられる場合に似た不安定な
接触状態になり、各平板の接触抵抗のバラツキがあり、
供給電流量にバラツキを生じるためメッキ析出厚の均一
性が保持できない。また、このような金属製の部品がメ
ッキ浴に接触した場合、メッキすべき平板と同等あるい
はそれ以上の厚さでメッキされることがあり、次のメッ
キのためにメッキされた金属を除去するために、溶解、
水洗処理などの整備を行なわねばならず、整備コスト
増、生産性の低下を招くことに加えて、溶解除去に用い
られた強酸などの薬品を、この薬品で高濃度で溶解され
たメッキ金属に対する公害防止処理を施す必要があるた
め、コスト負担増となるという問題もある。
【0008】一方、メッキ板懸吊具の上部は、カソード
ブスバーに複数のビス止めによって通電可能に固定され
ており、この固定のための作業負担が大きい。また、保
持・懸吊する平板のサイズ変更がある場合には、配置を
変える必要があり、そのために、煩わしい位置替え作業
が必要であるなどの問題もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電性の材
料からなる平板に、各種の電気メッキに際してメッキ板
を懸吊するメッキ板懸吊具において、上記のような従来
の欠点を有利に解消できる、メッキ板をワンタッチで保
持・解除可能な平板用のクランプ構造、カソードブスバ
ーにワンタッチで着脱可能なブスバー用のクランプ構造
等を備えたメッキ板懸吊具を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、以下の構成を要旨とする。即ち、 (1)上端部にカソードブスバーへの取付部を有し、下
端部にリード線を接続した金属ターミナルを取り付けて
内側に平板保持用の電気接点を形成した本体の下部側に
おいて、電気接点から一定の距離a離れた本体上方位置
で、下端部にリード線を接続した金属ターミナルを取り
付けて内側に平板保持用の電気接点を形成した平板圧着
レバーの上部一側を回動可能に連結し、この平板圧着レ
バーの連結点から一定距離b離れた上方で、規制板の上
部を本体と回動可能に連結し、平板圧着レバーの前記上
部一側の連結点から一定の距離e離れた他側位置で、操
作レバーの下部と平板圧着レバーとを回動可能に軸止す
るとともに、該軸止点より一定の距離cをおいて操作レ
バーと規制板の下部を回動可能に連結せしめ、操作レバ
ーの操作で本体の電気接点と平板圧着レバーの電気接点
間で平板上部を保持・解除可能としたトグルジョイント
を有する平板用のクランプ構造を備えたことを特徴とす
るメッキ板懸吊具。
【0011】(2)上端部にリード線を接続した金属タ
ーミナルを取り付けて内側にブスバー保持用の電気接点
を形成した本体の上部側において、電気接点から一定距
離a離れた本体下方位置で、上端部にリード線を接続し
た金属ターミナルを取り付けて内側にブスバー保持用の
電気接点を形成したブスバー圧着レバーの下部一側を回
動可能に連結し、このブスバー圧着レバーの連結点から
一定距離b離れた下方で規制板の下部を本体と回動自在
に連結し、ブスバー圧着レバーの前記下部一側の連結点
から一定の距離e離れた他側位置で、操作レバーの上部
とブスバー圧着レバーとを回動可能に軸止するととも
に、該軸止点より一定の距離cをおいて操作レバーと規
制板の上部を回動可能に連結せしめ、操作レバーの操作
で本体の電気接点とブスバー圧着レバーの電気接点間で
カソードブスバーの任意の位置を保持・解除可能にする
トグルジョイントを有するブスバー用のクランプ構造を
備え、本体の下部側には、請求項1に記載したトグルジ
ョイントを有する平板用のクランプ構造を備え、ブスバ
ー圧着レバーの電気接点と平板圧着レバーの電気接点と
を、および本体上端部の電気接点と本体下端部の電気接
点とをリード線で接続したことを特徴とするメッキ板懸
吊具。
【0012】(3)前記(1)または(2)において、
本体、トングルジョイント形成材の少なくともメッキ液
と接触する領域を、合成樹脂などの非導電材で形成また
は被覆し、通電路を十分な電流量を供給し得る別個のリ
ード線(電線)で形成することを特徴とするメッキ板懸
吊具である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のメッキ板懸吊具は、主と
して平板(含プリント基板)に対するZn,Sn,A
l,Cu,Ni,Cr,Ni−Au等の電気メッキに際
して、メッキを施す平板を保持・懸吊してメッキ槽に浸
漬し、メッキ槽から引上げるために用いられるものであ
る。
【0014】基本的には、 (1)メッキ板懸吊具の下部側にトグルジョイントの原
理を利用した平板用のクランプ構造を具備させ、この平
板用のクランプ構造により、レバー操作により平板をメ
ッキ板懸吊具の下部にワンタッチで容易に保持・解除可
能にする。
【0015】(2)メッキ板懸吊具の下部側にトグルジ
ョイントの原理を利用した平板用のクランプ構造を具備
させ、この平板用のクランプ構造により、レバー操作に
より平板をメッキ板懸吊具の下部にワンタッチで容易に
保持・解除可能にするとともに、メッキ板懸吊具の上部
側にトグルジョイントの原理を利用したブスバー用のク
ランプ構造を具備させ、このブスバー用のクランプ構造
により、レバー操作によりメッキ板懸吊具をカソードブ
スバーの任意の位置でワンタッチで容易に保持・解除可
能にする。この場合では、平板のサイズ変更などがあっ
ても、メッキ板懸吊具の配置を任意に変えることができ
るので容易に対応可能である。
【0016】(3)本体、トングルジョイント形成材の
メッキ液との接触領域を、メッキ液と化学反応せず、高
温耐性のある合成樹脂(H.T.P.V.C、)等の非
導電材で形成、または被覆し、通電路を十分な電流量を
供給し得る別個の電気抵抗の小さい銅線などの電線で形
成することによって、高い電流容量で電気メッキを行う
ことができ、メッキ時間を短縮し、また、本体、トング
ルジョイント形成材などにメッキ金属によるメッキ現象
を生じないようにして、メッキ金属の溶解、水洗処理を
不要にする。
【0017】上記の(1),(2)のいずれを選択する
か、(3)を組み合わせるかは、被メッキ平板やメッキ
の条件などに応じて決定するが、(2)と(3)を組み
合わせることが効果が大きく、より好ましい条件であ
る。本発明のメッキ板懸吊具での上記のクランプ操作
は、基本的には手動で行うが、自動操作、半自動操作に
することも可能であり、バッチ式のメッキライン、連続
(自動)メッキラインのいずれにおいても適用可能であ
る。
【0018】本発明のメッキ板懸吊具では、平板の上部
を、本体下部の電気接点と、平板圧着レバーの電気接点
との間で挟持(保持)し、カソードブスバーを、メッキ
板懸吊具の本体上部の電気接点と、ブスバー圧着レバー
の電気接点との間で挟持(保持)するものであり、これ
らの電気接点は、通電機能が要求されるため銅などの導
電性に優れた材料で形成するが、この挟持力を十分に確
保するために、電気接点の挟持面に、複数の突起を形成
して、この挟持面での摩擦力を大きくすることが有効で
ある。
【0019】
【実施例1】以下に本発明のメッキ板懸吊具を、図1〜
図2に示す実施例に基づいて説明する。この実施例1の
メッキ板懸吊具11 は、図1に示すように、上端部をバ
ッチ式メッキ装置の昇降架台2のカソードブスバー(以
下「ブスバー」という。)3にビス4で固定したもので
あり、下部側にトグルジョイントの原理を利用した、ワ
ンタッチでクランプ可能な平板用のクランプ構造を備え
たものであり、メッキを施す平板(以下「平板」とい
う。)5を一対の本発明のメッキ板懸吊具11 で保持・
懸吊してメッキ槽6に浸漬・引上げ可能に配設したもの
である。
【0020】この一対のメッキ板懸吊具11 の平板用の
クランプ構造は、より具体的には、図2(a)に示すよ
うに構成を有するものである。即ち、合成樹脂製の本体
1 aにはその上端部に、ブスバー3に取り付けるため
のビス孔3aを設けた取付部がある。本体11 aの下部
側には、リード線7を接続し樹脂被膜を施した金属ター
ミナル8を取り付け、この金属ターミナルの内側に、表
面に突起を形成した通電可能な電気接点9を突設する。
この本体に、平板用のクランプ構造を、平板圧着レバー
10と、操作レバー16と、規制板12で構成する。
【0021】即ち、この本体11 aにおける電気接点9
の中心から距離a離れた上方位置に、平板圧着レバー1
0の上部の一側を、支軸11を介して回動可能に連結す
るとともに、この平板圧着レバー10の支軸11中心か
ら距離b離れた上方位置に規制板12の上部を支軸13
を介して本体に回動可能に連結する。操作レバー16は
その下側で、平板圧着レバー10の上部の一側から距離
e離れた他側位置で平板圧着レバー10と支軸15を介
し回動可能に軸止し、支軸15より距離c離れ、且つ、
距離d偏った位置で規制板12下部と支軸14を介して
回動可能に連結する。
【0022】平板圧着レバー10の下部には、リード線
7を接続し、且つ樹脂被膜を施した金属ターミナル17
を取り付け、この金属ターミナルの内側に、表面に突起
を形成した通電可能な電気接点18を付設する。この電
気接点18は、本体11 aの電気接点9に当接する位置
に突設されており、平板圧着レバー10を回動させるこ
とにより、この電気接点9との間で平板5を挟み、突起
間で咬圧・保持可能として平板5用のクランプ構造を形
成する。
【0023】この平板用のクランプ構造においては、図
2(b)の状態では、規制板12の支軸13、即ち支点
Aと、平板圧着レバー10の上部の一側の支軸15、即
ち支点Cを結ぶ線に対して規制板12の下部の支軸1
4、即ち支点Bがやや本体11a側に偏った位置になる
ので、このA、B、Cの3点がトグルジョイントを形成
する。
【0024】このようにトグルジョイントの原理を用い
た平板用のクランプ構造を具備した本発明のメッキ板懸
吊具11 によって、平板5の上部をクランプする場合に
は操作レバー16を押し込み操作すると、平板圧着レバ
ー10が本体11 a側に回動し、図2(b)に示すよう
に、平板圧着レバー10の電気接点18と本体12 aの
電気接点9との間で平板5の上部を挟み圧着し、突起効
果で確実に咬圧することができる。この咬圧・保持状態
は操作レバー16を引き戻し、平板圧着レバー10を逆
回動させることによって解除することができるが、トグ
ルジョイントの効果により操作レバー16を操作しない
限り、咬圧・保持状態が解除されることはなく、平板5
の確実な咬圧・保持を継続することができる。
【0025】このように実施例1では、操作レバー16
の操作により平板5をワンタッチで容易に着脱可能であ
る。また、本体11 a、トングルジョイント形成材(レ
バー10,16、規制板12等)のメッキ液との接触領
域を合成樹脂などの非導電材で形成し、通電路を十分な
電流量を供給し得る別個の電気抵抗の小さい銅線などの
リード線7で形成することにより、高い電流容量で電気
メッキを行うことができて、メッキ時間を短縮し、ま
た、本体、トングルジョイント形成材などにメッキ金属
によるメッキ現象を生じないようにして、メッキ金属の
溶解、水洗処理を不要にできる。
【0026】
【実施例2】以下に本発明のメッキ板懸吊具の実施例2
を図3〜図4に基づいて説明する。この実施例2のメッ
キ板懸吊具12 は、図3に示すように、上部側にブスバ
ー3をクランプするトグルジョイントの原理を利用した
ブスバー用のクランプ構造を具備し、下端部に実施例1
と同様、平板5を保持・懸吊する平板用のクランプ構造
を具備したものである。即ち、ブスバー用のクランプ構
造で、メッキ装置の昇降架台2に架設しているブスバー
3の任意の位置にクランプして通電可能に保持・固定
し、平板用のクランプ構造で平板5を保持・懸吊してメ
ッキ槽6に浸漬、引上げができるようにしたものであ
り、ここでは、3枚の平板5を同時に保持・懸吊するよ
うに、3対のメッキ板懸吊具12 を配置した例を示して
いる。
【0027】このメッキ板懸吊具12 のブスバー用のク
ランプ構造は、より具体的には、図4(a)に示すよう
に、合成樹脂製の本体12 aの上端部に、リード線7を
接続し樹脂被膜を施した金属ターミナル19を取り付
け、この金属ターミナルの内側に、表面に突起を形成し
た通電可能な電気接点20を突設している。この本体
に、ブスバー圧着レバー21と、操作レバー27と、規
制板23とを連結することでブスバー用のクランプ構造
を構成する。
【0028】即ち、本体12 aにおける電気接点20の
中心から距離a離れた下部位置に、ブスバー圧着レバー
21の下部の一側を、支軸22を介して回動可能に連結
するとともに、ブスバー圧着レバー21の支軸22中心
から距離b離れた下方位置に規制板23の下部を支軸2
4を介して回動可能に連結する。操作レバー27はその
上側でブスバー圧着レバー21の下部の一側から距離e
離れた他側位置でブスバー圧着レバー21と支軸26を
介して回動可能に軸止し、支軸26より距離c離れ、且
つ、距離d偏った位置で規制板の上部を支軸25を介し
て回動可能に連結する。
【0029】ブスバー圧着レバー21の上端部には、リ
ード線7を接続し樹脂被膜を施した金属ターミナル28
を取り付け、この金属ターミナルの内側に、表面に突起
を形成した通電可能な電気接点29を付設している。こ
の電気接点29は、本体12 aの電気接点20に当接す
る位置に突設されており、操作レバー27を押し込み操
作してブスバー圧着レバー21を回動させることによ
り、この電気接点20との間でブスバー3を挟み、突起
間で咬圧・保持するブスバー用のクランプ構造を形成す
る。
【0030】このブスバー用のクランプ構造において
は、図4(b)の状態では、規制板23の支軸24、即
ち支点Aと、ブスバー圧着レバー21の下部の一側の支
軸26、即ち支点Cとを結ぶ線に対して規制板23の上
部の支軸25、即ち支点Bがやや本体12 a側に偏った
位置にあるので、このA,B,Cの3点がトグルジョイ
ントを形成する。
【0031】このようにトグルジョイントの原理を利用
したブスバー用のクランプ構造を具備した本発明のメッ
キ板懸吊具11 ,12 を、ブスバー3にクランプする場
合には、操作レバー27を押し込み操作して、図4
(b)に示すように、ブスバー圧着レバー21の電気接
点29と本体12 の電気接点20との間でブスバー3を
挟み圧着し、突起効果で確実に咬圧・保持することがで
きる。この咬圧・保持状態は作動レバー27を引き戻す
ことによって解除することができるが、トグルジョイン
トの効果により操作レバー27を引き戻す操作をしない
限り、咬圧・保持状態が解除されることはなく、ブスバ
ー3を確実に咬圧・保持することができる。
【0032】一方、本体12 aの下部側には、図2
(a),(b)に示すようなトグルジョイントを有する
平板保持用の平板用のクランプ構造(実施例1と同様の
構成を有するので詳細説明は省略)を備えている。そし
て、ブスバー圧着レバー21の電気接点29と平板圧着
レバー10の電気接点18をリード線7で接続し、本体
上端部の電気接点20と本体下端部の電気接点9をリー
ド線7で接続している。
【0033】この実施例2のメッキ板懸吊具12 では、
実施例1と同様、平板用のクランプ構造の操作レバー1
6の操作により平板5をワンタッチで咬圧保持・解除が
容易であることに加え、ブスバー用のクランプ構造の操
作レバー27の操作によりカソードブスバー3をワンタ
ッチで咬圧・保持・保持解除を容易に可能であり、メッ
キ板懸吊具12 をブスバー3の任意の位置に対して容易
に保持・解除可能であり、平板のサイズ条件の変化があ
ってもメッキ板懸吊具の数、配置を変えて懸吊すること
により容易に対応可能である。
【0034】
【実験例1】1.6t×340mm×500mmのプリント
基板の銅メッキラインで、20mm×20mm×210mmの
H.T.P.V.C(高温耐性P.V.C)を用い、本
体とトグルジョイント形成材を構成した実施例2(図
4)と同様のメッキ板懸吊具を、長さ2500mmの1本
の銅ブスバーに、中心側から振り分けて、350mm間隔
で5対分(10個)を配置して、各対のメッキ板懸吊具
で5枚のプリント基板を保持・懸吊して、メッキ槽に同
時に浸漬し、メッキ電流を1枚当たりDK5A、全体で
850Aに制御して通電して銅メッキを行った。
【0035】その結果、前記従来タイプの懸吊具を用い
た場合に比較して通電特性が向上・安定し、メッキ時間
が50%程度短縮され、プリント基板に対して厚み25
μmの均一なメッキを施すことができた。また、本体と
トグルジョイント形成材には、メッキ金属の付着は微少
で、メッキ板懸吊具としての機能低下は認められなかっ
た。
【0036】
【実験例2】実験例1と同様のメッキ板懸吊具を、0.
4t×340mm×500mmのプリント基板を1枚ずつ送
ってNi−Auを施す自動メッキラインにおいて、1対
のメッキ板懸吊具でプリント基板を保持・懸吊して、メ
ッキ槽にサイクルタイム40秒で順次浸漬し、メッキ電
流を、NiではDK5A、AuにはDK1Aに制御して
通電してNi−Auをメッキ行った。その結果、前記従
来タイプの懸吊具を用いた場合に比較して通電特性が向
上・安定し、メッキ時間がNiでは60%、Auでは8
0%程度短縮され、プリント基板に対して厚みが、Ni
は6μm、Auは0.6μmの厚みの均一なNi−Au
メッキを施すことができた。また、本体とトグルジョイ
ント形成材には、メッキ金属の付着は微少で、メッキ板
懸吊具としての機能低下は認められなかった。
【0037】本発明のメッキ板懸吊具は、上記の実施例
1、2の構成内容に限定されるものではない。例えば、
メッキ板懸吊具の形成材、構造、配置数などは、メッキ
装置の形式、規模、メッキ金属、平板材料、平板サイ
ズ、メッキ操業条件等に応じて、上記請求項を満足する
範囲内で変更のあるものである。なお、上記懸吊具は、
無電解メッキ、及び槽内で浸漬処理する薬品処理等にも
同様に使用することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明のメッキ板懸吊具は、下部にトグ
ルジョイントの原理を利用した平板用のクランプ構造を
具備させているので、レバー操作により平板をワンタッ
チで容易にかつ確実に保持・懸吊することができる。ま
た、上部にトグルジョイントの原理を利用したブスバー
用のクランプ構造を具備させることにより、レバー操作
によりブスバーの任意の位置で懸吊具をワンタッチで容
易にかつ確実に保持・懸吊することができ、平板のサイ
ズ変更などに対して容易に対応できる。
【0039】さらに、本体、トングルジョイント形成材
のメッキ液との接触領域を、メッキ液と化学反応せず、
高温耐性のある合成樹脂などの非導電材で形成、または
被覆し、通電路を十分な電流量を供給し得る別個の電気
抵抗の小さい銅線などの電線で形成することによって、
高い電流容量で電気メッキを行うことができ、メッキ時
間を短縮し、また、本体、トングルジョイント形成材な
どにメッキ金属によるメッキ現象を生じないようにし
て、メッキ金属の溶解、水洗処理を不要にすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のメッキ板懸吊具を適用した
電気メッキ装置例を示す一部断面説明図。
【図2】本発明の実施例1のメッキ板懸吊具の側面説明
図で、(a)図は平板保持前の状態を示し、(b)図は
平板保持状態を示す。
【図3】本発明の実施例2のメッキ板懸吊具を適用した
電気メッキ装置例を示す一部断面説明図。
【図4】本発明の実施例2のメッキ板懸吊具の側面説明
図で、(a)図は平板およびブスバー保持前の状態を示
し、(b)図は平板およびブスバー保持状態を示す。
【符号の説明】
1 ,12 :メッキ板懸吊具 11 a,12 a:本体 2 :昇降架台 3 :カソードブスバー 3a:ビス孔 4 :ビス 5 :平板 6 :メッキ槽 7 :リード線 8 :金属ターミナル 9 :電気接点 10 :平板圧着レバー 11,13,14,15:支軸 12 :規制板 16 :操作レバー 17 :金属ターミナル 18 :電気接点 19 :金属ターミナル 20 :電気接点 21 :ブスバー圧着レバー 22,24,25,26:支軸 23 :規制板 27 :操作レバー 28 :金属ターミナル 29 :電気接点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端部にカソードブスバーへの取付部を
    有し、下端部にリード線を接続した金属ターミナルを取
    り付けて内側に平板保持用の電気接点を形成した本体の
    下部側において、 電気接点から一定の距離a離れた本体上方位置で、下端
    部にリード線を接続した金属ターミナルを取り付けて内
    側に平板保持用の電気接点を形成した平板圧着レバーの
    上部一側を回動可能に連結し、 この平板圧着レバーの連結点から一定距離b離れた上方
    で、規制板の上部を本体と回動可能に連結し、 平板圧着レバーの前記上部一側の連結点から一定の距離
    e離れた他側位置で、操作レバーの下部と平板圧着レバ
    ーとを回動可能に軸止するとともに、 該軸止点より一定の距離cをおいて操作レバーと規制板
    の下部を回動可能に連結せしめ、 操作レバーの操作で本体の電気接点と平板圧着レバーの
    電気接点間で平板上部を保持・解除可能としたトグルジ
    ョイントを有する平板用のクランプ構造を備えたことを
    特徴とするメッキ板懸吊具。
  2. 【請求項2】 上端部にリード線を接続した金属ターミ
    ナルを取り付けて内側にブスバー保持用の電気接点を形
    成した本体の上部側において、 電気接点から一定距離a離れた本体下方位置で、上端部
    にリード線を接続した金属ターミナルを取り付けて内側
    にブスバー保持用の電気接点を形成したブスバー圧着レ
    バーの下部一側を回動可能に連結し、 このブスバー圧着レバーの連結点から一定距離b離れた
    下方で規制板の下部を本体と回動自在に連結し、 ブスバー圧着レバーの前記下部一側の連結点から一定の
    距離e離れた他側位置で、操作レバーの上部とブスバー
    圧着レバーとを回動可能に軸止するとともに、 該軸止点より一定の距離cをおいて操作レバーと規制板
    の上部を回動可能に連結せしめ、 操作レバーの操作で本体の電気接点とブスバー圧着レバ
    ーの電気接点間でカソードブスバーの任意の位置を保持
    ・解除可能にするトグルジョイントを有するブスバー用
    のクランプ構造を備え、 本体の下部側には、請求項1に記載したトグルジョイン
    トを有する平板用のクランプ構造を備え、 ブスバー圧着レバーの電気接点と平板圧着レバーの電気
    接点とを、および本体上端部の電気接点と本体下端部の
    電気接点とをリード線で接続したことを特徴とするメッ
    キ板懸吊具。
  3. 【請求項3】 本体、トングルジョイント形成材の少な
    くともメッキ液と接触する領域を、合成樹脂などの非導
    電材で形成または被覆し、通電路を十分な電流量を供給
    し得る別個のリード線(電線)で形成することを特徴と
    する請求項1〜請求項2のいずれかに記載のメッキ板懸
    吊具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100963039B1 (ko) 2008-02-22 2010-06-10 허만욱 도금용 클램프
JP2014080645A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 I Plant:Kk 基板保持装置
CN110592645A (zh) * 2019-09-23 2019-12-20 徐州徐工液压件有限公司 一种新型油缸内壁电镀挂具

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