JP2002003932A - スリットを有する耐火物浸漬構造体およびその製造方法 - Google Patents

スリットを有する耐火物浸漬構造体およびその製造方法

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JP2002003932A
JP2002003932A JP2000178842A JP2000178842A JP2002003932A JP 2002003932 A JP2002003932 A JP 2002003932A JP 2000178842 A JP2000178842 A JP 2000178842A JP 2000178842 A JP2000178842 A JP 2000178842A JP 2002003932 A JP2002003932 A JP 2002003932A
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refractory
immersion
slit
immersion structure
iron core
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JP2000178842A
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Kiyoshi Goto
潔 後藤
Tokuo Taki
徳雄 多喜
Masahiko Amano
正彦 天野
Hisashi Nakamura
壽志 中村
Yasuhiro Yamada
泰宏 山田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火物の脱落、破損を防止する耐火物浸漬構
造体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 不定形耐火物および鉄芯を有する耐火物
浸漬構造体であって、不定形耐火物が直線または曲線の
スリットを不定形耐火物の一部または全部に有すること
を特徴とする耐火物浸漬構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば取鍋にガスを
吹き込むガス吹き込み管、溶融金属を精錬あるいは保持
する容器に用いる浸漬管、浸漬槽等の耐火物浸漬構造体
に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼などの溶融金属精錬では、芯金(鉄
芯)と耐火物からなる耐火物浸漬構造体が様々な設備で
使用される。すなわち、取鍋にガスを吹き込むガス吹き
込み管、RHやDHなどの脱ガス設備の浸漬管、スプラ
ッシュ防止あるいはガスシールのための浸漬槽などであ
る。浸漬管や浸漬槽の一般的な構造は、パイプ状の芯金
の内面、外面、下端のそれぞれに耐火物を配した構造と
なっている。
【0003】浸漬管は芯金の変形により耐火物が破損し
たり、また耐火物が脱落することを防止するために、た
とえば特開平9−143536号公報に開示された円筒
形の鉄芯の内側あるいは外側に軸方向の垂直方向に溝を
設けた真空脱ガス装置用浸漬管や特開平11−2640
14号公報に開示された下端面に不定形耐火物を保持す
る凹凸部を有する筒状の芯金と該芯金の内側に配置固定
された筒状の定形耐火物と該芯金の外側と下端面および
該定形耐火物の下端面に一体的に形成された不定形耐火
物とをもつ真空脱ガス炉の浸漬管等があるが、芯金が変
形しやすく、これが耐火物の脱落を誘発することがある
ため十分ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐火物浸漬構造体の損
耗は、下端の耐火物の脱落が最も致命的である。多くの
場合、使用中に内面の耐火物の耐火物芯金下端に相当す
る高さ付近に水平な亀裂が生じ、ここから下の耐火物が
欠落することが多い。耐火物浸漬構造体においては、使
用に伴って構造体を溶鉄に浸漬すると、構造体の耐火物
の表面付近、特に内面と外面と下端の三面から加熱され
る下端の耐火物がまず外側に膨張する。しかし内部の芯
金の温度はなかなか上昇しないので、特に芯金下端より
も上の内周耐火物は芯金によって拘束され外側に膨張で
きない。従って、浸漬管の場合は芯金下端より上の膨張
できない部分と、それより下の膨張する部分の間に大き
なせん断応力が加わり、芯金下端の高さに水平な亀裂が
生じるものと考えられる。また欠落に至らずとも、この
亀裂から溶鉄が耐火物構造体内部に侵入して芯金を侵
し、構造体が強度を保てなくなって耐火物が脱落するこ
ともある。
【0005】またガス吹き込み管外周の耐火物には表面
から亀裂が生じ、耐火物が脱落したり、溶鉄が侵入して
内部の金属パイプを侵すことが多い。ガス吹き込み管の
場合は表面の膨張した部分のみが外側に動こうとする力
が働くため、表面に平行な亀裂が内部に生じて表層が剥
離しやすいものと考えられる。
【0006】本発明は、耐火物の脱落、破損を防止する
耐火物浸漬構造体及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に研究を続けた結果、本発明を得た。すなわち、本発明
の要旨とするところは、(1)不定形耐火物および鉄芯
を有する耐火物浸漬構造体であって、不定形耐火物は直
線または曲線のスリットを不定形耐火物の一部または全
部に有することを特徴とする耐火物浸漬構造体、(2)
該スリットは、直線もしくは曲線の辺からなる多角形を
なしながら、折れ線状をなしながら、または方向の異な
る二種以上の直線もしくは曲線を構成しながら、厚さ方
向に1段または2段以上で形成されていることを特徴と
する(1)記載の耐火物浸漬構造体、(3)該スリット
は、該不定形耐火物表面から鉄芯に向かい厚さ5mm〜
最大該不定形耐火物厚さ、該不定形耐火物表面に幅0.
1〜50mmであり、該スリット同士の間隔が30〜5
000mmであることを特徴とする(1)または(2)
記載の耐火物浸漬構造体、(4)耐火粒子からなる可縮
性耐火材または加熱消失性物質と耐火粒子との混合物で
該スリットが充填されている(1)〜(3)のいずれか
1項に記載の耐火物浸漬構造体、(5)前記耐火物浸漬
構造体の一部に定形耐火物を有することを特徴とする
(1)〜(4)のいずれか1項に記載の耐火物浸漬構造
体、(6)鉄芯の外側、または外側及び内側に設けた型
枠と鉄芯の間に不定形耐火物を流し込み、養生後脱枠し
乾燥および/または焼成し耐火物浸漬構造体を製造する
方法であって、耐火粒子からなる可縮性耐火材、加熱消
失性物質と耐火粒子との混合物、または板状の加熱消失
性物質からなるスペーサーを該不定形耐火物に向くよう
に鉄芯に固定することを特徴とする(1)〜(5)のい
ずれか1項に記載の耐火物浸漬構造体の製造方法、
(7)鉄芯の外側、または外側及び内側に設けた型枠と
鉄芯の間に不定形耐火物を流し込み、養生後脱枠し乾燥
および/または焼成し耐火物浸漬構造体を製造する方法
であって、耐火粒子からなる可縮性耐火材、加熱消失性
物質と耐火粒子との混合物、または板状の加熱消失性物
質からなるスペーサーを該不定形耐火物に向くように型
枠に固定することを特徴とする(1)〜(5)のいずれ
か1項に記載の耐火物浸漬構造体の製造方法、(8)該
鉄芯または該型枠へのスペーサーの固定が、磁性、摩擦
力または粘接着力を介したものであることを特徴とする
(6)または(7)に記載の耐火物浸漬構造体の製造方
法、および(9)該スペーサーのサイズが、横幅5mm
〜最大該不定形耐火物厚さ、厚さ0.5〜50mmであ
ることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記
載の耐火物浸漬構造体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜7を参照しながら本
発明による耐火物浸漬構造体を説明する。図1から図4
はRH脱ガス設備用の浸漬管の例で、図1は直線状、図
2は六角形(ハニカム状)のスリットを配置した例、図
3は折れ線状のスリットを配置した例、図4は千鳥状に
スリットを配置した例である。また図5はガス吹き込み
管の例である。また、図6はれんがと不定形耐火物を有
する浸漬管にスリットを配した例である。
【0009】本発明の要点は、浸漬時に発生する耐火物
の膨張起因の熱応力を緩和するため、耐火物にスリット
を設け、効果的に熱応力を緩和することにある。そこで
スリットの配置パターンは重要な要素である。表面に投
影したスリットの配置は平行線状でも良い(図1)。し
かしこの場合、線に直角方向の膨張は緩和できるが並行
方向の膨張は緩和できないので、大きな耐火物浸漬構造
体では効果が出にくい。スリットで仕切られる部分の形
が三角形、四角形、六角形などの多角形の編目状の場合
はどの方向への膨張も緩和できる(図2)。特に六角形
にすると、各交点に集まるスリットの数を3本と少なく
することができるため、交点付近の損傷を最小限にとど
めることができて好都合である。なお各種多角形の混在
したパターンとしてもよい。この場合は五角形やその他
の多角形などを混在させることも可能である。またこれ
らの多角形の辺は直線(立体的には平面)でも曲線(立
体的には曲面)でもかまわない。
【0010】他方、スリットの配置パターンを多角形と
せずに折れ線状としても良い(図3)。また、直線また
は曲線は必ずしも連続している必要はなく、方向の異な
る二種以上の直線または曲線から構成されていればよい
(図4)。
【0011】なおスリットは必ずしも耐火物施工体表面
の全面に設けられている必要はなく、部分的でも良い。
【0012】通常、スリットは耐火物施工体表面から耐
火物内部に向かって伸びた形に設けるが、必ずしも表面
に達している必要はなく、耐火物施工体内部のみに存在
していても良い。
【0013】スリットは、高温となって膨張する耐火物
施工体の表面またはその近傍に存在する場合にその効果
を発揮する。しかし耐火物施工体は使用回数あるいは時
間とともにその厚さが減じるので、スリットもある程度
深くまで設置しておく必要がある。少なくとも初期に効
果を発現させるために、厚さは最低5mm、最大で不定
形耐火物厚さと同じだけ必要である。また、スリットが
稼働面から深部まで貫通していると、スラグや溶鋼が深
くまで侵入する懸念がある。その場合、スリットが厚さ
方向に面をなして貫通しておらず、少なくとも2段以上
となっているようにすればよい。
【0014】本発明の耐火物浸漬構造体の耐火物施工体
の場合、スピネル生成に伴う膨張や熱膨張は、スリット
がつぶれることで緩和されるため、亀裂が生じない、あ
るいは生じにくい。スリットの設置間隔は30〜500
0mmとすることが好ましい。これは30mm未満では
スリットを形成させるために挿入するスペーサーの間の
耐火物坏土あるいは混練物の充填が悪くなって施工体の
品質が低下し、またスリット自体が施工体内部の欠陥と
して作用し、施工体の耐食性や耐スラグ浸潤性が低下す
るためである。また間隔が5000mmを越えると、必
要なスリットの厚さが大きくなり、スリットへのスラグ
や溶鋼の侵入が起こる。推奨できるスリットの間隔は、
例えば内径500mmのRH用浸漬管の場合なら、10
0〜900mm程度である。
【0015】図7は本発明の耐火物ブロックに形成され
うるスリットのパターンを模式的に示したものであり、
本図を参照してスリットの間隔について説明する。スリ
ットの間隔とは、パターンが直線および/または曲線か
らなる多角形の場合、該多角形に接する二本の平行線の
うちで最も間隔の短い一対の平行線の間隔をスリットの
間隔とする(図7(a)〜(c))。また、折れ線状の
場合、交差しない直線および/または曲線状の場合、任
意の点から対向する線までの距離のうち、最短のものを
スリットの間隔とする(図7(d))。方向の異なる二
種類以上の直線および/または曲線からなる場合は、各
線分を延長して形成される多角形とみなして前述の多角
形の場合と同様に、二本の平行線のうちで最も間隔の短
い一対の平行線をスリットの間隔とする(図7(e)) スリットの幅は、0.1〜50mmとすることが好まし
い。0.1mm未満では効果があまりなく、また数が多
く必要になり施工が容易ではなくなり、また施工体の内
部欠陥を増加させることになる。スリットを形成させる
には、厚さ0.1mm未満のスペーサーが必要となる。
それではスペーサー自体の強度が足りず、耐火物坏土あ
るいは混練物を施工する際に曲がったり壊れたりしてス
リットを意図したように形成させることが困難である。
一方スリット厚みが50mmを越えると、スリットがつ
ぶれる前にスラグや溶鋼が侵入する危険がある。
【0016】スリットの厚さは設置間隔と材料の熱膨張
係数、残存膨張率により調節する。取り扱う高温物質、
すなわち鉄鋼精錬設備であれば溶鋼の温度をT(℃)、
耐火物材料自体の熱膨張係数をE(1/℃)、残存線変
化率をR(%)、スリット間隔をD(mm)とすると、
必要なスリット厚さW(mm)の目安は(1)式で与え
られる。
【0017】
【数1】
【0018】ここでAは合わせこみのための係数で0.
2〜1、望ましくは0.5〜0.7程度である。残存線
変化率は温度Tで熱処理した後に常温まで冷却した後の
試片の長さの熱処理前の長さに対するパーセンテージで
ある。熱処理時間は残存線変化率が飽和するまでの時間
とする。熱膨張係数に関しては、アルミナ−マグネシア
質キャスタブルの場合、熱膨張率を測定して熱膨張係数
を測定しようとすると、スピネル生成に伴う残存線変化
が加算された値となるので、それを避けるためにスピネ
ルが殆ど生成しない1000℃までの測定値を基に外挿
してもよい。
【0019】スリットの形成方法としては、板状の紙、
木材、樹脂等の加熱消失性物質、融点の低い金属(例え
ばアルミニウム、亜鉛、錫、鉛、アンチモン、ビスマ
ス、あるいはこれらの合金、化合物、混合物)をスペー
サーとして埋め込み、耐火物を流し込み施工し、乾燥ま
たは予熱段階でスペーサーを焼き飛ばし、あるいは溶融
除去してスリットを形成させるのが容易である。なお金
属や樹脂からなるスペーサーを成形後に抜き取ってスリ
ットを形成させることも、またブレードやウォータージ
ェットで切り込むこともできる。
【0020】スリットは耐火粒子からなる可縮性耐火材
または加熱消失性物質と耐火粒子との混合物で充填され
ていても良い。可縮性耐火材とは、具体的には耐火モル
タル、セラミックファイバー、可縮性キャスタブル、多
孔質耐火物等である。これらには加熱による可縮性があ
るため、スリットと同様の働きをする。なおこれらの材
料を充填する場合は、それぞれの可縮率に応じてその施
工厚さを調整する必要がある。すなわち可縮率をS%と
すると、必要な厚みはスリット厚みを(S/100)で
割った値が必要施工厚さの目安である。
【0021】スリットへ耐火粒子からなる可縮性耐火材
または加熱消失性物質と耐火粒子との混合物を充填する
方法としては、耐火粒子からなる板状の多孔体、セラミ
ックファイバーからなるボード、または耐火粒子と加熱
消失性物質の混合物の板状のもの(たとえば耐火モルタ
ルと樹脂を混合して練り、板状に成形したもの)などを
埋め込む方法が容易である。該耐火粒子としては粒径1
mm程度以下のアルミナ、ムライト、シリカ、スピネ
ル、マグネシア、クロム鉱、ジルコン、ジルコニア、粘
土あるいはこれを焼成したもの、ろう石、炭化ケイ素な
ど、耐火物原料として一般に使われているものが使用で
きる。加熱消失性物質は耐火物浸漬構造体の耐火物施工
体の乾燥あるいは予熱中に焼失し、耐火粒子が板状に残
留する。
【0022】本発明の耐火物浸漬構造体の一部に定形耐
火物を有することができ、この場合、定形耐火物として
は、MgO−C質れんが、マグネシア・クロム質れんが
のような塩基性れんが、もしくはアルミナ質れんがやア
ルミナ−シリカ質れんが、または不定形耐火物を予め成
形したプレキャストブロック等が用いられ得る。
【0023】本発明の耐火物浸漬構造体の製造方法を説
明する。本発明の耐火物浸漬構造体は、鉄芯の外側、ま
たは外側及び内側に設けた型枠と鉄芯の間に不定形耐火
物を流し込み、養生後脱枠し乾燥および/または焼成す
ることによって得られる。ここで耐火粒子からなる可縮
性耐火材、加熱消失性物質と耐火粒子との混合物、また
は板状の加熱消失性物質からなるスペーサーを該不定形
耐火物に向くように鉄芯または型枠に固定することがで
きる。また鉄芯や型枠にスペーサーを固定する方法とし
ては、磁性、摩擦力、粘接着力による方法が利用でき
る。
【0024】またスペーサーのサイズは、横幅5mm〜
最大該不定形耐火物厚さ、厚さ0.5〜50mmであ
り、横幅が5mm未満の場合、効果が発現せず、一方で
最大該不定形耐火物厚さを超過する場合、設置が困難で
あり好ましくなく、さらに厚さが0.5mm未満の場
合、効果が発現せず、一方で50mmを超過する場合、
地金やすラグが侵入しやすくなりいずれも好ましくな
い。
【0025】耐火物浸漬構造体の耐火物施工体の材質
は、塩基性、中性、酸性を問わない。
【0026】
【実施例】<実施例1>図1に示した構造の内径500
mm、外径1000mm、長さ800mmのRH用浸漬
管を製作して試用した。スリットの厚さは50mm、幅
3mm、長さ(高さ)は内外周とも下端から200mm
までとし、スリット同士の間隔は200mm(45゜間
隔)とした。
【0027】不定形耐火物の材質はMgOを10質量
%、Al23を85質量%含有し、残部がSiO2、C
aO、Fe23などからなるアルミナ−マグネシア質キ
ャスタブルとし、スペーサーはフェノール樹脂30質量
%と粒径0.01〜0.5mmのアルミナ粒子70質量
%を練って固めた厚さ3mmのシートとした。
【0028】まず鉄芯内周にCr23を約20質量%含
有するマグネシア−クロム質れんがを施工し、外周と下
端にアルミナ−マグネシア質キャスタブルを流し込み施
工した。前述のスペーサーは流込用の型枠に予め粘着テ
ープで取り付けて置いた。キャスタブルが硬化した後に
型枠をはずして観察したところ、スペーサーはキャスタ
ブルに埋まり込んでいた。
【0029】この浸漬管を乾燥した後、RH下部槽に取
り付けて昇温し、実使用した。同じ材質でスペーサーを
施工しない従来の浸漬管の場合は、使用回数が30回を
越えると鉄芯下端に相当する内面に水平亀裂が生じ、こ
れが100回を越えると大きくなり、やがて亀裂から下
の不定形耐火物が脱落し、寿命は200回程度であっ
た。しかし本発明例の浸漬管の場合は明瞭な内面亀裂が
発生せず、250回以上使用できた。
【0030】<実施例2>図2に示した構造の内径50
0mm、外径1000mm、長さ800mmのRH用浸
漬管を実施例1の場合と同様に製作して試用した。スリ
ットの厚さは50mm、幅3mm,高さは内外周とも下
端から200mmまでとし、スリット同士の間隔は内周
で200mm(45゜)とした。
【0031】従来の浸漬管の場合は、使用回数が30回
を越えると鉄芯下端に相当する内面に水平亀裂が生じ、
これが100回を越えると大きくなり、やがて亀裂から
下の不定形耐火物が脱落し、寿命は200回程度であっ
た。しかし本発明例の浸漬管の場合は明瞭な内面亀裂が
発生せず、270回以上使用できた。
【0032】<実施例3>図3に示した構造の内径50
0mm、外径1000mm、長さ800mmのRH用浸
漬管を実施例1の場合と同様に製作して試用した。スリ
ットの厚さは50mm、幅3mm,高さは内外周とも下
端から200mmまでとし、スリット同士の間隔は内周
で200mm(45゜)とした。
【0033】従来の浸漬管の場合は、使用回数が30回
を越えると鉄芯下端に相当する内面に水平亀裂が生じ、
これが100回を越えると大きくなり、やがて亀裂から
下の不定形耐火物が脱落し、寿命は200回程度であっ
た。しかし本発明例の浸漬管の場合は明瞭な内面亀裂が
発生せず、270回以上使用できた。
【0034】<実施例4>図5に示した構造の外径25
0mm、長さ7000mmのガス吹き込み管を製造して
試用した。スリットの厚さは50mm、幅3mm,高さ
はガス吹き込み孔から2000mmまでとし、スリット
同士の間隔は300mmとした。
【0035】不定形耐火物の材質はAl2O3を80質
量%とSiO2を15質量%含有し、残部がCaO、F
e2O3などからなるアルミナ−シリカ質キャスタブル
とし、スペーサーはフェノール樹脂30質量%と粒径
0.01〜0.5mmのアルミナ粒子70質量%を練っ
て固めた厚さ3mmのシートとした。
【0036】スタッドを設置した鉄パイプの周囲に、粘
着テープで前述のスペーサーを予め取り付けた流込用の
型枠を設置し、キャスタブルを流し込み施工した。キャ
スタブルが硬化した後に型枠をはずして観察したとこ
ろ、スペーサーはキャスタブルに埋まり込んでいた。
【0037】これを乾燥し、溶銑予備処理用スラックス
をガスと共に吹き込む操業に供した。スペーサーを施工
しない従来品は5回程度で亀裂が生じ7回程度で廃却に
なるのに対して、本発明品は5回でもスリット以外の亀
裂は見られず、10回まで使用できた。
【0038】
【発明の効果】本発明により耐火物の脱落、破損を防止
でき、長寿命の耐火物浸漬構造体を得られ、金属精錬コ
ストの低減と操業安定化に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直線状にスリットを配した耐火物浸漬
構造体(RH浸漬管)の例である。
【図2】本発明の六角形(ハニカム状)にスリットを配
した耐火物浸漬構造体(RH浸漬管)の例である。
【図3】本発明の折れ線状にスリットを配した耐火物浸
漬構造体(RH浸漬管)の例である。
【図4】本発明の千鳥状にスリットを配した耐火物浸漬
構造体(RH浸漬管)の例である。
【図5】本発明のらせん状にスリットを配した耐火物浸
漬構造体(RH浸漬管)の例である。
【図6】本発明のれんがと不定形耐火物を有する浸漬管
にスリットを配した例である。
【図7】本発明の耐火物ブロックに形成されるスリット
のパターンおよびスリットの間隔を説明するための模式
図である。
フロントページの続き (72)発明者 天野 正彦 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 中村 壽志 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 山田 泰宏 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4K013 CA15 CA18 CC01 4K051 AA02 AA06 FA02 FA08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不定形耐火物および鉄芯を有する耐火物
    浸漬構造体であって、不定形耐火物は直線または曲線の
    スリットを不定形耐火物の一部または全部に有すること
    を特徴とする耐火物浸漬構造体。
  2. 【請求項2】 該スリットは、直線もしくは曲線の辺か
    らなる多角形をなしながら、折れ線状をなしながら、ま
    たは方向の異なる二種以上の直線もしくは曲線を構成し
    ながら、厚さ方向に1段または2段以上で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の耐火物浸漬構造体。
  3. 【請求項3】 該スリットは、該不定形耐火物表面から
    鉄芯に向かい厚さ5mm〜最大該不定形耐火物厚さ、該
    不定形耐火物表面に幅0.1〜50mmであり、該スリ
    ット同士の間隔が30〜5000mmであることを特徴
    とする請求項1または2記載の耐火物浸漬構造体。
  4. 【請求項4】 耐火粒子からなる可縮性耐火材または加
    熱消失性物質と耐火粒子との混合物で該スリットが充填
    されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火物
    浸漬構造体。
  5. 【請求項5】 前記耐火物浸漬構造体の一部に定形耐火
    物を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の耐火物浸漬構造体。
  6. 【請求項6】 鉄芯の外側、または外側及び内側に設け
    た型枠と鉄芯の間に不定形耐火物を流し込み、養生後脱
    枠し乾燥および/または焼成し耐火物浸漬構造体を製造
    する方法であって、耐火粒子からなる可縮性耐火材、加
    熱消失性物質と耐火粒子との混合物、または板状の加熱
    消失性物質からなるスペーサーを該不定形耐火物に向く
    ように鉄芯に固定することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の耐火物浸漬構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 鉄芯の外側、または外側及び内側に設け
    た型枠と鉄芯の間に不定形耐火物を流し込み、養生後脱
    枠し乾燥および/または焼成し耐火物浸漬構造体を製造
    する方法であって、耐火粒子からなる可縮性耐火材、加
    熱消失性物質と耐火粒子との混合物、または板状の加熱
    消失性物質からなるスペーサーを該不定形耐火物に向く
    ように型枠に固定することを特徴とする請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の耐火物浸漬構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】 該鉄芯または該型枠へのスペーサーの固
    定が、磁性、摩擦力または粘接着力を介したものである
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の耐火物浸漬
    構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 該スペーサーのサイズが、横幅5mm〜
    最大該不定形耐火物厚さ、厚さ0.5〜50mmである
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の
    耐火物浸漬構造体の製造方法。
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