JP2002003773A - コーティング剤 - Google Patents

コーティング剤

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JP2002003773A
JP2002003773A JP2000192019A JP2000192019A JP2002003773A JP 2002003773 A JP2002003773 A JP 2002003773A JP 2000192019 A JP2000192019 A JP 2000192019A JP 2000192019 A JP2000192019 A JP 2000192019A JP 2002003773 A JP2002003773 A JP 2002003773A
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acid
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ester
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Junichi Hirose
淳一 廣瀬
Kazuhiro Fukutome
和広 福留
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤溶解性、顔料分散性、樹脂との相溶性、
耐候性に優れたコーティング剤を提供する。 【解決手段】 硝酸エステル基置換度(X)が0.5〜
2.0、カルボン酸エステル基置換度(Y)が0.2〜
2.0、X+Y<3、かつ該カルボン酸エステル基が少
なくともプロピオン酸以上の長鎖カルボン酸から選ばれ
1種または2種を有する硝酸セルロース誘導体を含有す
ることを特徴とするコーティング剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の置換度の硝
酸エステル基、カルボン酸エステル基を有する硝酸セル
ロース誘導体を含有するコーティング剤に関するもので
ある。さらに詳しくは溶剤溶解性、顔料分散性、樹脂の
相溶性、耐候性に優れたコーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロースナイトレート(以下
「NC」と略す)は、顔料分散性、乾燥性、硬度、耐ブ
ロッキング性、増粘性の優れた樹脂として溶剤系コーテ
ィング剤に広く使用されている。しかしながら、NCは
脱硝酸により塗膜が黄変するため耐候性が要求される分
野ではその使用が制限されてきた。この耐候性を改良す
る目的でNCの硝酸エステル基置換度を低くした場合に
は、溶剤溶解性が悪くなるという問題が生じる。
【0003】NCの耐候性を改良したセルロース誘導体
として、一般的にセルロースアセテートブチレート(以
下「CAB」と略す)が知られているが、溶剤溶解性の
範囲が狭い、樹脂との相溶性が悪いなどという欠点があ
る。また、NCの変性品としては酢酸エステル基と硝酸
エステル基を有する混合エステル(以下「CAN」と略
す)が知られている。例えば、特昭平56−82849
号公報には、CANと顔料及び樹脂より成るコーティン
グ組成物が開示されているが、これらは3成分が共存す
る場合のみ密着性、耐ブロッキング性が発現することが
開示されているに過ぎない。
【0004】また、特開平6−128069号公報には
アセチル基、ブチル基、それ以上の長鎖カルボン酸から
選ばれるアルキル基と硝酸エステル基からなる混合エス
テルが、NCの燃焼性改良品として火薬用途に使用でき
ることが開示されているが、コーティング剤として使用
できることについては全く記載されていない。さらに、
特開昭58−34872号公報には、NCの顔料分散性
を改良する目的で、酸化されたNCが開示されている
が、カルボキシル基によって顔料分散性は向上するもの
の、溶剤溶解性はNCよりも若干劣る傾向である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶剤溶解
性、顔料分散性、樹脂の相溶性、耐候性に優れたコーテ
ィング剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
の解決のためには、硝酸エステル基置換度(X)が0.
5〜2.0、カルボン酸エステル基置換度(Y)が0.
2〜2.0、X+Y<3、かつ該カルボン酸エステル基
がプロピオン酸以上の長鎖カルボン酸から選ばれる少な
くとも1種又は2種以上のカルボン酸エステル基を有す
る硝酸セルロース誘導体が有用であることを見出し本発
明を完成するに至った。
【0007】本発明のセルロース誘導体とは、硝酸エス
テル基置換度(X)が0.5〜2.0、カルボン酸エス
テル基置換度(Y)が0.2〜2.0、X+Y<3、か
つ該カルボン酸エステル基が少なくともプロピオン酸以
上の長鎖カルボン酸から選ばれる1種または2種以上の
カルボン酸のエステル基を有する硝酸セルロース誘導体
である。好ましくは、硝酸エステル基置換度(X)が
0.8〜1.5、カルボン酸エステル基置換度(Y)が
0.2〜1.5、X+Y<3、かつ該カルボン酸エステ
ル基が少なくともプロピオン酸及び/又は酪酸のエステ
ル基を有する硝酸セルロース誘導体である。Xが0.5
未満では溶剤溶解性が低下し、2.0を超えると耐候性
が低下する傾向があり、Yが0.2未満あるいは2.0
を超えると溶剤溶解性が低下する場合がある。
【0008】本発明のカルボン酸エステル基とは、例え
ばカルボキシル基をもつ化合物とセルロースの水酸基と
によって形成されたエステル基を言う。カルボキシル基
を持つ化合物としては公知のものが使用できるが、例え
ば、ギ酸(メタン酸)、酢酸(エタン酸)、プロピオン
酸(プロパン酸)、酪酸(ブタン酸)、吉草酸(ペンタ
ン酸)、カプロン酸(ヘプタン酸)などの一塩基酸、シ
ュウ酸、酒石酸、コハク酸などの二塩基酸、クエン酸な
どの多塩基酸などの他、ラウリン酸などの高級脂肪酸、
乳酸などのオキシ酸などが挙げられる。本発明の目的を
達するためには、少なくともプロピオン酸以上の長鎖カ
ルボン酸エステル基を含有する必要がある。なかでも、
プロピオン酸、酪酸が好ましく、酢酸/プロピオン酸、
酢酸/酪酸、酢酸/プロピオン酸/酪酸などの2種以上
の混合エステル基を組み合わせても良い。
【0009】これらのカルボン酸エステルを形成するた
めには、実用的に次のようなカルボン酸の無水物を用い
るのが好ましい。例えば、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水酪酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水テ
トラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水
コハク酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。ま
た、カルボン酸エステル基の導入方法としてセルロース
エステル類とカルボン酸アルキルエステル類とのエステ
ル交換反応を用いても良い。セルロースエステル類とし
てはセルロースナイトレートが好ましく、カルボン酸ア
ルキルエステル類としては、ギ酸メチル、酢酸エチル、
プロピオン酸エチル、酪酸ブチルなど公知のものが使用
できる。また、これらの方法を組み合わせても良い。
【0010】カルボン酸エステル基置換度(Y)は、次
のような方法により決められる。 〔 1H−NMRによる方法〕1H−NMRによる特定の
アルキル基由来の強度(a)とピラノース環由来の強度
(b:7H分)から次式によって求められる。 ブチレート基の例;Y=(b/7)×(a/7)1 H−NMRの測定方法としては、例えばBruker
社製FT−NMR・DPX−400を用いることができ
る(試料濃度1wt%/vol%、測定温度60℃、待
ち時間3.0秒)。
【0011】硝酸エステル基置換度(X)は、カルボン
酸エステル基置換度(Y)と元素分析による窒素量
(N)とより次式から求めることができる。 セルロースアセテートブチレートの例; 1400X=N(162+45X+70Y) 元素分析法としては、ジュマ法(例えば、柳下製作所製
MT2型CHNコーダー)により、窒素量(N%)の定
量を行うことができる。 N(%)=〔全窒素量/試料重量〕×100 本発明の硝酸セルロース誘導体は、カルボン酸エステル
基、硝酸エステル基の他に、その他の官能基を含有して
も良い。例えば、硫酸エステル基やリン酸エステル基な
どの無機酸エステル基、アルデヒド基、アルキルエーテ
ル基、シアノアルキルエーテル基、ヒドロキシアルキル
エーテル基、カルボキシアルキルエーテル基、アミノ
基、アミド基など公知の官能基が挙げられ、これらを2
つ以上組み合わせて含有しても構わない。
【0012】本発明において、硝酸セルロース誘導体の
数平均分子量は500〜30万が好ましく、さらに好ま
しくは1万〜10万である。平均分子量が500未満で
は塗膜強度が低下し、30万を超えると塗工性が低下す
る。また、種々の異なる分子量、置換度の該セルロース
誘導体を混合して得られたものの数平均分子量がこの範
囲内であるものも含まれる。本発明の硝酸セルロース誘
導体は公知の硝化方法、カルボン酸エステル化方法によ
って得ることが可能であり、セルロースを出発原料とし
た場合にはこれら官能基の導入順は問わない。また、各
工程で使用される原料、試薬、溶剤、触媒、反応器、精
製方法は公知のものが使用できる。
【0013】本発明の硝酸セルロース誘導体の製造方法
の一例を示す。原料として工業用硝化綿(N%=11.
8%、置換度=2.1)を酢酸/無水酪酸に溶解し、エ
ステル化触媒として硫酸を添加後、40℃で3時間撹拌
する。反応終了後、大量の水中へ投入して樹脂を析出さ
せ、十分洗浄して本発明のセルロース誘導体を得る。本
発明の硝酸セルロース誘導体の溶解に使用できる溶剤と
しては、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコ
ール類の誘導体、ケトン類、エステル類、カーボネート
類、水等の中から選ばれる1種または2種以上の組み合
わせからなる溶剤が挙げられる。
【0014】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、nープロパノール、nーブタノール、nーペン
タノール、nーヘキサノール、nーヘプタノール、nー
オクタノール、nーノニルアルコール、nーデカノー
ル、nーウンデカノールまたは、これらの異性体、シク
ロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
好ましくは、アルキル炭素数が1〜6個を有するアルコ
ール類である。多価アルコール類としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3ーブチレング
リコール、1,4ーブチレングリコール、1,5ーペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキ
サンジオール、1,2ーシクロヘキサンジオール、1,
7ーヘプタンジオール、1,8ーオクタンジオール、
1,9ーノナンジオール、1,10ーデカンジオール、
グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。多
価アルコールの誘導体類としては、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、酢酸セロソルブ等、または
有機合成化学協会編の溶剤ポケットブック(p、479
〜p、574),(1990年9月20日、オーム社発
行)に記載された多価アルコールとその誘導体類が挙げ
られる。
【0015】ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エ
ステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、及び、εーカプロラクトン、εーカプロ
ラクタム等の環状エステル類が挙げられる。エーテル類
としては、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、
nーブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒド
ロピラン、1,4ージオキサン等があげられる。カーボ
ネート類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネート、エチレンカー
ボネート等が挙げられる。特殊な溶剤としては、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ルなどが挙げられる。これらの溶剤は、用途に応じて適
宜選択される。
【0016】本発明の特性を損なわない範囲で、次に挙
げる材料を併用することができる。例えば、アマニ油、
大豆油、綿実油、ナタネ油、オリーブ油、ヤシ油などの
植物性油脂や牛脂などの動物脂に代表される油脂類、ポ
リエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタ
ン樹脂、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸エス
テル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合
体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル共
重合体、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エス
テル重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、
スチレン・アクリル酸エステル共重合体などのアクリル
系重合体または共重合体、スチレン・ブタジエン共重合
体、メチルメタアクリレート・ブタジエン共重合体など
の共役ジエン系共重合体、ポリエステル樹脂類、アルキ
ド樹脂、フェニル樹脂類、アミノ樹脂類、エポキシ樹脂
類、メラミン樹脂、尿素樹脂、ゼラチン誘導体、石灰処
理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、酸化
でんぷん、エーテル化でんぷんなどのでんぷん類、
【0017】メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロ
ース、酢酸酪酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポ
リアルキレンオキサイドおよびそれらの誘導体、ポリア
クリル酸ポリビニルピロリドン、各種鹸化度のポリビニ
ルアルコール、カチオン変性、カルボキシ変性、両性の
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリビニ
ルブチラール、ポリエチレンイミンなどの合成ポリマー
を挙げることができる。併用できる樹脂が水溶性あるい
はラテックスの場合には、該硝酸セルロース誘導体を公
知の適当な方法によってラテックス化、水系化して使用
することができる。
【0018】顔料としては、ルチル型酸化チタン、アナ
ターゼ型酸化チタン、鉛白、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ
酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、三酸化アンチモン、ルチル型
カルシウム複合顔料、リトポン等白色顔料、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ粉、ケ
イソウ土、カオリン、タルク、有機ベントナイト、ホワ
イトカーボン等の体質顔料、カーボンブラック、黄鉛、
モリブデン赤、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、黄土、シ
ェナ、アンバー、緑土、マルスバイオレット、カドミウ
ムイエロー、カドミウムレッド、カドミボンレッド、カ
ドミボンイエロー、群青、紺青、コバルト系顔料、マン
ガン系顔料、クロム系顔料などの着色顔料、あるいは有
機顔料などを単独、または2種以上組み合わせて使用で
きる。
【0019】また、コーティング剤の塗工性等を改良す
る目的で陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性
剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用でき
る。陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−
アシルアミノ酸及びその塩、アルキルエーテルカルボン
酸塩、アシル化ペプチドなどのカルボン酸塩、硫酸化
油、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル
硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩
などの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスル
ホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、アルキルエ
ーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩などの
燐酸エステル塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤
としては、脂肪族の第1級アミン塩、第2級アミン塩、
第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩や、ベンザルコ
ニウム塩、塩化ベンゼントニウム、ピリジニウム塩、イ
ミダゾリニウム塩などが挙げられる。
【0020】両性界面活性剤としては、カルボキシベタ
イン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリニウムベタイ
ン型、レシチン型等が挙げられる。非イオン性界面活性
剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリ
オキシエチレンステロールエーテル型、ポリオキシエチ
レンラノリン誘導体型、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸
エステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
型、脂肪酸グリセリド型、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル型、ソルビタン脂肪酸エステル型、プロピレングリコ
コール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアミド
型、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン型、アルキルアミンオキサイド型
等が挙げられる。
【0021】その他にも本発明の効果を損なわない範囲
で、必要に応じて染料などの各種色材、可塑剤、香料、
パール剤、ラメ剤、薬剤、保湿剤、消泡剤、塗布性改良
剤、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト、バイデライ
ト、ノントライト、サポナイト、ヘラクライト等のスメ
クタイト属に属する層状珪酸塩鉱物類)などの増粘剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、充填剤、
艶消し剤、耐光性向上剤、保存性向上剤等の一般のコー
ティング剤に使用できるものを配合できる。これらは2
種以上を併用することが出来る。本発明の硝酸セルロー
ス誘導体を使用することによって、溶剤溶解性、顔料分
散性、樹脂との相溶性、耐候性に優れたコーティング剤
が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例などにより本発明を
さらに具体的に説明するが、これらによって本件発明が
限定されるものではない。なお、本発明における各種特
性の評価方法は以下の通りである。 [溶剤溶解性]90gの溶剤にセルロース誘導体10g
を加え、室温で1時間振とうした後、溶液の状態を目視
判定した。 ○:未溶解物がほとんどない、△:未溶解物が多い、
×:未溶解 [樹脂相溶性]セルロース誘導体の酢酸ブチル溶液(固
形分10重量%)を調整し、固形分比で50/50にな
るように樹脂を配合し、横型シェーカーで振とう後、溶
液の状態と塗膜の状態を目視で判定する。 ○:透明、△:やや曇りあり、×:曇りあり
【0023】[顔料分散性]硝酸セルロース誘導体の1
0重量%酢酸ブチル溶液を調整し、PWC=15〜20
%になるように顔料を配合した。さらに、直径2〜5m
mのガラスビーズを加え、ペイントシェーカー(東洋精
機製)にて2時間分散した。白色プラスチック基板上に
アプリケーターにて該分散液を塗工し、室温で乾燥して
塗膜を設け、光沢計UGV−5D(スガ試験機製)を用
い、60度−60度の条件にて光沢値を測定した。 ここで、PWC(%)=〔顔料重量/(顔料重量+樹脂
重量)〕×100 [耐候性]顔料分散液、あるいは硝酸セルロース誘導体
の溶液を用いて白色プラスチック基板上にアプリケータ
ーにて塗工し、室温で乾燥して塗膜を設け、耐候性試験
機(スガ試験機製:サンシャインウエザメーター)にて
試験した。試験前と試験後の黄変度の差(δYI)をデ
ジタル色差計(スガ試験機製)にて測定した。 ○;δYI=0、△;δYI=0を超え〜5未満、×;
δYI=5以上
【0024】
【製造例1】酢酸/無水酪酸/IPA(=1200/2
00/73重量部)からなる混酸を3リットルの反応容
器中に入れ、セルロースナイトレート(硝酸エステル基
置換度=2.1、N%=11.6%)200gを投入
し、40℃で60分間撹拌を継続しながら完全に溶解す
る。溶解後、反応液を10℃以下に冷却し、硫酸/酢酸
(=50/50重量%)からなる混酸(47重量部)を
徐々に添加する。その後、反応液温度を40℃に保持し
ながら3時間撹拌を続ける。反応終了後、50lの水中
へ投入し、反応生成物を析出、回収する。反応生成物を
多量の水で洗浄した後、80℃で2時間乾燥して、10
0gのセルロース誘導体を得た。
【0025】このセルロース誘導体のグルコース単位1
個あたりのカルボン酸エステル基置換度は 1H−NM
R、FT−IRより、アセテート基/酪酸エステル基=
0.17/0.03、合計=0.2であることが分かっ
た。また、硝酸エステル基置換度は、カルボン酸エステ
ル基置換度(0.2)とCHNコーダーによる窒素含有
量の測定よりN%=9.7%、置換度=1.7であるこ
とが分かった。このセルロース誘導体をAとする。同様
にして得られたセルロース誘導体B〜Eを表−1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】
【実施例1】製造例1で得たセルロース誘導体Aを各種
溶剤に溶解し、溶剤溶解性を評価した。その評価結果を
表−2に示す。また、樹脂との相溶性の評価結果を表−
3に、顔料分散性と耐候性の結果を表−4に示す。
【実施例2】表―1のセルロース誘導体Bを使用した以
外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表−2
〜表−4に示す。
【実施例3】製造例1の無水酢酸を無水プロピオン酸に
変更して得られた表−1のセルロース誘導体Cを使用し
た以外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表
−2〜表−4に示す。
【実施例4】製造例1の無水酢酸を無水プロピオン酸に
変更して得られた表−1のセルロース誘導体Dを使用し
た以外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表
−2〜表−4に示す。
【0028】
【比較例1】工業用硝化綿HIG1/2(旭化成工業
(株)製、N%=11.8%、硝酸エステル置換度=
2.1)を使用した以外は実施例1と同様にして評価し
た。評価結果を表−2〜表−4に示す。
【比較例2】セルロースアセテートブチレート(シグマ
−アルドリッチ社製、Lot:05908KR、製品N
o.419052、アセチル基=14重量%、ブチリル
基=38重量%(置換度換算で酢酸エステル基置換度=
1.0、酪酸エステル基置換度=1.7))を使用した
以外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表−
2〜表−4に示す。
【比較例3】表―1のセルロース誘導体Eを使用した以
外は実施例1と同様にして評価した。評価結果を表−2
〜表−4に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】本発明のセルロース誘導体を使用するこ
とによって、溶剤溶解性、顔料分散性、樹脂との相溶
性、耐候性に優れたコーティング剤が得られる。従っ
て、従来工業用硝化綿が使用されている自動車補修用、
木工用、皮革用などの各種塗料、グラビヤインキ、フレ
キソインキ、接着剤、ブッククロス、セル引き、アルミ
箔や紙、磁気テープなど各種コーティング剤、マニキュ
ア、燃焼バインダー、ペーストなどはもちろんのこと、
その他のセルロース誘導体、例えば酢酸セルロース、酢
酸酪酸セルロースなどが使用できる電気絶縁材、紫外線
硬化型塗料、架橋型塗料、バリアー包材などにも広く使
用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝酸エステル基置換度(X)が0.5〜
    2.0、カルボン酸エステル基置換度(Y)が0.2〜
    2.0、X+Y<3、かつ該カルボン酸エステル基が少
    なくともプロピオン酸以上の長鎖カルボン酸から選ばれ
    る1種または2種以上のカルボン酸のエステル基を有す
    る硝酸セルロース誘導体を含有することを特徴とするコ
    ーティング剤。
  2. 【請求項2】 硝酸エステル基置換度(X)が0.8〜
    1.5、カルボン酸エステル基置換度(Y)が0.2〜
    1.0、X+Y<3、かつ該カルボン酸エステル基が少
    なくともプロピオン酸及び/又は酪酸のエステル基を有
    する硝酸セルロース誘導体を含有することを特徴とする
    請求項1記載のコーティング剤。
JP2000192019A 2000-06-27 2000-06-27 コーティング剤 Pending JP2002003773A (ja)

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