JP2002003576A - 潜在性硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

潜在性硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JP2002003576A JP2001040548A JP2001040548A JP2002003576A JP 2002003576 A JP2002003576 A JP 2002003576A JP 2001040548 A JP2001040548 A JP 2001040548A JP 2001040548 A JP2001040548 A JP 2001040548A JP 2002003576 A JP2002003576 A JP 2002003576A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潜在性硬化促進剤を提供することにある。 【解決手段】1分子中に2個以上のフェノール性水酸基
を有する多官能フェノール化合物及び/又はナフトール
化合物と金属アルコキシ化物を反応させて得られるゲル
化物がエポキシ樹脂用硬化促進剤を含有していることを
特徴とする潜在性硬化促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ樹脂の硬化
の際に用いられる、潜在性硬化促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、電気、力学的性質に優
れるため種々の分野で使用されている。しかしながらエ
ポキシ樹脂のようなニ液型熱硬化性樹脂は、主剤と副剤
が接触することにより容易に硬化反応を開始するため例
えば両者を別々に保存したり、あるいは冷蔵保存したり
されている。このような保存方法は前者は使用直前に必
要量を計量し、混合するために作業性に劣り、又、後者
は低温保存のためのコスト面で不利である。そこで室温
での保存安定性に優れ、加熱時に硬化が速やかに進行す
るエポキシ樹脂組成物が要望されている。この為に、潜
在性の硬化促進剤又は硬化剤が種々開発されている。し
かし、これら潜在性の硬化促進剤又は硬化剤は、問題点
も多く指摘されている。例えば、硬化促進剤の1種であ
るイミダゾール類を4級塩にして潜在性硬化促進剤とし
て使用することが試みられているが、硬化反応後にアニ
オン受容体が硬化物に悪影響を与えることがある。この
ような実情から新規の潜在性を有する硬化促進剤又は硬
化剤の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
したような欠点のない新規な潜在性硬化促進剤又は硬化
剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため種々検討した結果、多官能フェノール化合
物及び/又はナフトール化合物に硬化促進剤を溶解又は
分散させ、金属アルコキシ化物でフェノール化合物をゲ
ル化させることにより潜在性硬化促進剤が得られること
を見いだし本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は 1.1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する多
官能フェノール化合物及び/又はナフトール化合物と金
属アルコキシ化物を反応させて得られるゲル化物がエポ
キシ樹脂用硬化促進剤を含有していることを特徴とする
潜在性硬化促進剤、 2.金属アルコキシ化物がアルコキシチタンである上記
1.項記載の潜在性硬化促進剤剤、 3. 多官能フェノール化合物及び/又はナフトール化
合物中のフェノール性水酸基1当量に対し金属アルコキ
シ化物を0.1〜0.8モルとなる割合で配合する上記
1.又は2.項記載の潜在性硬化促進剤剤、 4.硬化促進剤を5〜90重量%占める割合で含有する
上記1.、2.又は3.のいずれか1項に記載の潜在性
硬化促進剤、 5.1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂及び上記1.、2.、3.又は4.のいずれか1項
に記載の潜在性硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹
脂組成物、 6.上記5.項記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してな
る硬化物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用される多官能フェノ
ール化合物及びナフトール化合物は1分子中に2個以上
のフェノール性水酸基を有する化合物であれば良く、特
に限定されない。用いうる多官能フェノール化合物及び
ナフトール化合物の具体例としては、ビスフェノール
A、テトラメチルビスフェノールF、ビスフェノール
F、ビスフェノールS、ビスフェノールK、ビフェノー
ル、テトラメチルビフェノール、ハイドロキノン、メチ
ルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチ
ルハイドロキノン、ジ−ter.ブチルハイドロキノ
ン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコー
ル、メチルカテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒ
ドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフ
タレン等の2又は3官能化合物、フェノール類又はナフ
トール類とアルデヒド類との縮合物、フェノール類又は
ナフトール類とキシリレングリコールとの縮合物、フェ
ノール類又はナフトール類とビスメトキシメチルビフェ
ニルとの縮合物、フェノール類とイソプロペニルアセト
フェノンとの縮合物、フェノール類とジシクロペンタジ
エンの反応物等の2官能以上の多官能化合物が挙げられ
る。これらは、公知の方法により得ることが出来る。
【0007】上記においてフェノール類としては、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノー
ル、アミルフェノール、ノニルフェノール、カテコー
ル、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、ハイドロ
キノン、フェニルフェノール、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールK、ビスフェノールS、
ビフェノール、テトラメチルビフェノール等が挙げられ
る。
【0008】又、同様にナフトール類としては、1−ナ
フトール、2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、
ジヒドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキシジメチル
ナフタレン、トリヒドロキシナフタレン等が挙げられ
る。
【0009】更に、アルデヒド類としては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、バレルアルデヒド、カプロンアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、クロルベンズアルデヒド、ブロ
ムベンズアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒ
ド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピ
ンアルデヒド、ピメリンアルデヒド、セバシンアルデヒ
ド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、サリチルアル
デヒド、フタルアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒ
ド等が挙げられる。本発明に使用される上記例示のフェ
ノール化合物及びナフトール化合物は、それぞれ単独で
又は数種混合して使用される。又、1種以上のフェノー
ル化合物及びナフトール化合物を混合して使用すること
も可能である。この場合、フェノール化合物とナフトー
ル化合物の混合割合に特に制限はないが、重量比で通常
フェノール/ナフトール=90/10〜10/90であ
る。さらにフェノール、クレゾール、キシレノール、ブ
チルフェノール、アミルフェノール、ノニルフェノー
ル、1−ナフトール、2−ナフトール等の1分子中に1
個しかフェノール性水酸基を持たないフェノール化合物
又はナフトール化合物も本発明の効果を損なわない限り
で併用することが出来る。
【0010】本発明において用いる金属アルコキシ化物
はアルコール類の水酸基の水素を金属で置換した構造を
有するものであれば特に限定されず、例えばアルコキシ
シラン、アルコキシチタン、アルコキシアルミニウム等
が挙げられ、アルコキシチタンが好ましい。本発明にお
いて好ましく用いられるアルコキシチタンは、通常市販
されている物で差し支えなく、テトラメトキシチタン、
テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テト
ラブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオ
キシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、ジイソ
プロポキシ(エチルアセトアセテート)チタン等が用い
うる具体例として挙げられる。
【0011】金属アルコキシ化物の配合量はフェノール
化合物及びナフトール化合物中のフェノール性水酸基1
当量に対し通常0.1〜0.8モル、好ましくは0.1
5〜0.6モル、より好ましくは0.15〜0.5モル
である。金属アルコキシ化合物の量が0.1モルより少
ないと、フェノール化合物及びナフトール化合物のゲル
化が充分進行せず、好ましくない場合がある。また、
0.8モル以上では、フェノールの硬化への寄与が殆ど
無くなり、経済的に不利である。
【0012】エポキシ樹脂用硬化促進剤としては、通常
エポキシ樹脂に使用される物であればよく、特に限定さ
れない。用いうる硬化促進剤の具体例としては、トリフ
ェニルフォスフィン、トリトリルフォスフィン、トリス
メトキシフォスフィン、ジシクロヘキシルフェニルフォ
スフィン、ジフェニルシクロフォスフィン、テトラブチ
ルフォスフォニュウムブロマイド、テトラブチルフォス
フォニュウムハイドロオキサイド、テトラフォスフォニ
ュウムテトラボレート、トリフェニルフォスフィントリ
フェニルボラントリフェニルフォスフィンベンゾキノン
付加物等のフォスフィン類、2−メチルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタ
デシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、1−シアノ−2−メチルイミダゾール、1−シ
アノ−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾー
ル類、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノ
エチル)フェノール、2,4,6トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール、1,8ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7等の3級アミン類等が挙げられ
る。これらは、2種併用して使用することもできる。
【0013】これらエポキシ樹脂用硬化促進剤は、本発
明の潜在性硬化促進剤中で通常5〜90重量%。好まし
くは10〜85重量%、より好ましくは10〜80重量
%を占める割合となるように配合する。硬化促進剤が5
重量%以下では硬化すべきエポキシ樹脂組成物に配合す
る場合、配合すべき量が多くなりすぎ、被覆体(本発明
の硬化促進剤中のフェノール又はナフトール化合物が硬
化した部分)が硬化後の物性、例えば吸湿性が高くなる
等の悪影響を及ぼす恐れがあり好ましくない。90重量
%以上では、硬化促進剤が多すぎて十分に潜在性を発揮
できないことが考えられあまり好ましくない。
【0014】本発明の潜在性硬化促進剤は、多官能フェ
ノール化合物及び/又はナフトール化合物と硬化促進剤
を混合し、これに金属アルコキシ化物を添加し、多官能
フェノール化合物及び/又はナフトール化合物をゲル化
させて得ることができる。多官能フェノール化合物及び
/又はナフトール化合物をアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のアルコール類以外の溶
剤と混合した混合物に硬化促進剤を溶解又は均一に分散
させた後、常温又は加熱下、金属アルコキシ化物を添加
して行う。金属アルコキシ化物の添加に伴い多官能フェ
ノール化合物及び/又はナフトール化合物のゲル化物が
生成する。このゲル化物を加熱及び/又は減圧下、生成
したアルコール(及び用いた溶剤)を除去し、微粉砕す
ることにより、本発明の潜在性硬化促進剤を得る事が出
来る。尚、上記の工程はロール、ニーダー、押し出し機
等を使用して、無溶剤で行うこともできる。
【0015】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物につき
説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物は、1分子中に
2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂及び本発明
の硬化促進剤を必須成分とする。本発明の潜在性硬化促
進剤は、通常エポキシ樹脂の硬化促進剤として作用する
が、例えば硬化促進剤成分として3級アミン類等を包含
する場合、硬化剤として使用することもできる。この場
合、特に所望される場合を除き本発明のエポキシ樹脂組
成物中に硬化剤を含有させる必要はないが、これ以外の
場合、本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常硬化剤を含
有する。
【0016】用い得る硬化剤の具体例としては、無水フ
タル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無
水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミ
ダゾ−ル、BF −アミン錯体、グアニジン誘導体な
どが挙げられるがこれらに限定されるものではない。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において硬化剤の使用量
は、、エポキシ基1当量当たり通常0.5〜2当量であ
る。尚、本発明の潜在性硬化促進剤を硬化剤として使用
する場合、含まれる硬化剤の量が上記範囲になるように
配合する。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物が含有するエ
ポキシ樹脂は、通常使用されているエポキシ樹脂であれ
ば良く、特に限定されない。エポキシ樹脂としては、前
記したフェノール化合物、ナフトール化合物をエピハロ
ヒドリンでグリシジル化したエポキシ樹脂、即ち、ノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物において、本
発明の潜在性硬化促進剤は、含まれる硬化促進剤に換算
して、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5重
量部となるよう配合され、含まれる硬化促進剤の量にも
よるが、潜在性硬化促進剤として、エポキシ樹脂に対
し、0.5〜10重量%程度添加すれば充分である。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物には硬化反応
に支障がない限り、必要に応じ、シリカ、炭酸カルシュ
ウム等の充填剤や離型剤、着色剤等の配合剤を添加する
ことが出来る。充填剤を使用する場合、エポキシ樹脂組
成物中10〜90重量%を占める割合で添加される。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を
均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ
樹脂、硬化剤(不要な場合もある)、本発明の硬化促進
剤並びに必要により充填剤及び配合剤を必要に応じて押
出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に
混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組
成物を溶融後注型あるいはトランスファ−成形機などを
用いて成形し、さらに50〜200℃で0.5〜8時間
加熱することにより本発明の硬化物を得ることができ
る。
【0021】以下に、実施例により本発明を更に詳細に
説明する。
【0022】実施例1 半固形フェノールノボラック樹脂(日本化薬株式会社
製、水酸基当量101g/eq.、200Pa.s/5
0℃、)5g(フェノール性水酸基換算で0.0495
当量)にアセトン2.5g、トリフェニルフォスフィン
(TPP、北興化学工業株式会社製)2gを添加し、ア
ルミカップ中で均一に混合した。室温で撹拌下、テトラ
イソプロポキシチタン2.8g(0.0099モル)を
添加し、更に撹拌混合すると、ゲル化物が生成した。こ
のゲル化物を50℃で乾燥し、TPPを26重量%含有
する褐色の固形物を得た。次いでこれを粉砕し、本発明
の潜在性硬化促進剤(硬化促進剤A)を得た。ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、日本エポ
キシレジン株式会社製)10重量部、無水メチルナヂッ
ク酸(カヤハードMCD、日本化薬株式会社製)8.3
重量部、硬化促進剤A0.38重量部を配合し本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成
物につきゲルタイムテスター(安田精機株式会社)に
て、所定温度でのゲルタイムを測定した。その結果を表
1−1に示す。
【0023】実施例2 実施例1において、TPPをトリフェニルフォスフォニ
ュムテトラボレート(TPP−K、北興化学工業株式会
社製)に変え、乾燥温度を120℃に変えた以外は、実
施例1と同様にし、本発明の潜在性硬化促進剤(硬化促
進剤B)(TPP−K含有量26重量%)を得た。硬化
促進剤Aの代わりに硬化促進剤Bを使用した以外は実施
例1と同様にしてゲルタイムを測定した。その結果を表
1−1に示す。
【0024】実施例3 実施例1において、TPPの代わりに、2−エチル−4
メチルイミダゾール(2E4MZ、東京化成工業株式会
社製)1.5gを使用した以外は、実施例1と同様に
し、本発明の潜在性硬化促進剤(硬化促進剤C)(2−
エチル−4−メチルイミダゾール含有量(21重量%)
を得た。 硬化促進剤Aの代わりに硬化促進剤C0.4
8重量部を使用した以外は、実施例1と同様にしてゲル
タイムを測定した。その結果を表1−2に示す。
【0025】実施例4 実施例1で用いた半固形フェノールノボラックの代わり
にビスフェノールF(本州化学株式会社製)5gを、
又、TPPの代わりにジアミノジフェニルメタン(DD
M、東京化成工業株式会社製)2.0gをそれぞれ用
い、乾燥温度を80℃にした以外は、実施例1と同様に
行い、本発明の潜在性硬化促進剤(硬化促進剤D)(ジ
アミノジフェニルメタン含有量26重量%)を得た。得
られた硬化促進剤D9.62重量部(硬化剤として使
用)とエピコート828 10重量部を配合し、実施例
1と同様にしてゲルタイムを測定した。その結果を表1
−2に示す。
【0026】比較例1〜3 本発明の潜在性硬化促進剤の代わりにTPP(比較例
1)、TPP−K(比較例2)、2E4MZ(比較例
3)をそのままエポキシ樹脂100重量部に対して、1
重量部配合した以外は、それぞれ実施例1、2、3と同
様にしてエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ
樹脂組成物につき実施例1と同様にして、ゲルタイムを
測定した。その結果を表1−1、表1−2に示す。
【0027】比較例4 エピコート828 10重量部、DDM2.5重量部を
配合し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ
樹脂組成物につき実施例1と同様にして、ゲルタイムを
測定した。その結果を表1−2に示す。
【0028】 表1−1 比較例1 実施例1 比較例2 実施例2 ゲルタイム(秒) 100℃ 2950 6340 − − 125℃ 1010 1860 3900 12540 150℃ 380 580 870 2290 175℃ − − 370 520
【0029】 表1−2 比較例3 実施例3 比較例4 実施例4 ゲルタイム(秒) 100℃ 2340 5740 − − 125℃ 590 1210 1280 4540 150℃ 240 310 430 990 175℃ − − 190 240 注)表1−1、1−2中−は未測定を示す。
【0030】実施例5 固形フェノールノボラック樹脂(日本化薬株式会社製、
水酸基当量105g/eq.、軟化点83℃)のアセト
ン溶液4g(水酸基当量換算で0.019当量)、アセ
トン6g、トリフェニルフォスフィン(TPP)7.1
gを添加し、アルミカップ中で均一に混合した。室温で
撹拌下、テトライソプロポキシチタン2.0g(0.0
07モル)を添加し、更に撹拌混合すると、ゲル化物が
生成した。このゲル化物を、粗粉砕し、50℃で乾燥
し、TPPを75重量%含有する赤褐色の固形物を得
た。次いで、これを微粉砕し本発明の潜在性硬化促進剤
(硬化促進剤E)を得た。クレゾールノボラックエポキ
シ樹脂(EOCN−1020−55、日本化薬株式会社
製)10重量部、フェノールノボラック(PN−80、
日本化薬株式会社製)5.25重量部、硬化促進剤E
0.133重量部を配合し、乳鉢で粉砕混合し本発明の
エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成
物の所定温度でのゲルタイムをホットプレート上で測定
した。その結果を表2に示す。
【0031】比較例5 本発明の潜在性硬化促進剤Eの代わりにTPPをそのま
まエポキシ樹脂100重量部に対し、1重量部配合した
以外は、実施例5と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得
た。得られた組成物は、実施例5と同様にしてゲルタイ
ムを測定した。その結果を表2に示す。
【0032】
【0033】試験例 実施例5と比較例5で用いた組成物を、室温で10日放
置した後、175℃にゲルタイムを測定した。その結果
は、実施例5の組成物では101秒、比較例5の組成物
では127秒であり、本発明の組成物の方が室温放置後
の安定性が優れている。
【0034】
【発明の効果】本発明の潜在性硬化促進剤を配合したエ
ポキシ樹脂組成物は、未処理の硬化促進剤を配合したそ
れと比べ低温になるほど反応性の指標であるゲルタイム
が長い。更に、室温放置した後のゲルタイムの変化も少
なく、保存中の安定性にも優れている。従って、本発明
のエポキシ樹脂組成物は、その調製時の作業性に優れ、
又、調製後の保存安定性も向上するため極めて有用であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中に2個以上のフェノール性水酸基
    を有する多官能フェノール化合物及び/又はナフトール
    化合物と金属アルコキシ化物を反応させて得られるゲル
    化物がエポキシ樹脂用硬化促進剤を含有していることを
    特徴とする潜在性硬化促進剤。
  2. 【請求項2】金属アルコキシ化物がアルコキシチタンで
    ある請求項1記載の潜在性硬化促進剤剤。
  3. 【請求項3】多官能フェノール化合物及び/又はナフト
    ール化合物中のフェノール性水酸基1当量に対し金属ア
    ルコキシ化物を0.1〜0.8モルとなる割合で配合す
    る請求項1又は2記載の潜在性硬化促進剤剤。
  4. 【請求項4】硬化促進剤を5〜90重量%占める割合で
    含有する請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の潜
    在性硬化促進剤。
  5. 【請求項5】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
    エポキシ樹脂及び請求項1、2、3又は4のいずれか1
    項に記載の潜在性硬化促進剤を必須成分とするエポキシ
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項5記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
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