JP2002003504A - グリシジルメタクリレート共重合体の製造方法 - Google Patents

グリシジルメタクリレート共重合体の製造方法

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JP2002003504A
JP2002003504A JP2000191214A JP2000191214A JP2002003504A JP 2002003504 A JP2002003504 A JP 2002003504A JP 2000191214 A JP2000191214 A JP 2000191214A JP 2000191214 A JP2000191214 A JP 2000191214A JP 2002003504 A JP2002003504 A JP 2002003504A
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reaction vessel
monomer mixture
glycidyl methacrylate
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Michihiro Kawai
道弘 河合
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲルを生成させるおそれの少ないグリシジル
メタクリレート共重合体の製造方法を提供する。 【解決手段】 単量体混合物を第1供給管12を経て反
応容器11に供給し、ラジカル重合開始剤を第2供給管
13を経て反応容器11に供給することにより、両者は
互いに接触することなく反応容器11に供給される。そ
して、単量体混合物とラジカル重合開始剤は、反応容器
11内において接触し、170〜350℃の温度で前記
ビニル単量体混合物が重合することによりグリシジルメ
タクリレート共重合体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、グリシジルメタ
クリレート共重合体をゲルの生成を抑制しながら効率的
に製造することができる方法、すなわちグリシジルメタ
クリレート共重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレンやアクリル酸エステル等のビニ
ル単量体を重合してビニル重合体を製造する方法につい
ては、従来より各種の方法が提案されている。それらの
なかでも、高温に保たれた反応容器内にビニル単量体を
連続的に供給して重合させる高温連続重合法は、短時間
でビニル重合体を得ることができる効率的な製造方法と
して知られている(特表昭57−502171号公報、
特開昭59−6207号公報、同60−215007号
公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ビニル単量
体としてのグリシジルメタクリレートと他のビニル単量
体との共重合体であるグリシジルメタクリレート共重合
体を効率的に製造するべく、その製造を上記の高温連続
重合法で行ったところ、重合すべきグリシジルメタクリ
レートの量に比例するかの様に得られる共重合体の中に
ゲルが混在するという問題が発生した。
【0004】超高分子量の重合体又は架橋した重合体と
思われるこのゲルは、溶剤に不溶で成形も困難なことか
ら、共重合体の性能を著しく低下させて品質上の大きな
問題を発生させる原因となるものである。
【0005】このため、上記の高温連続重合法を含め高
温下にグリシジルメタクリレート共重合体を効率的に製
造するためには、ゲルを生成させることなく製造できる
ことが必要である。
【0006】この発明は、上記のような問題点に着目し
てなされたものである。その目的とするところは、ゲル
を生成させるおそれの少ないグリシジルメタクリレート
共重合体の効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行い、高温重合において一般的
に採用されている、ビニル単量体とラジカル重合開始剤
を反応容器へ供給するための供給管内でゲルが主に生成
していることを見出し、ビニル単量体とラジカル重合開
始剤とを、反応容器に供給される以前に、すなわち供給
管内等で、接触することを避けることによりゲルの生成
を防止できることを見出し、本発明を完成したのであ
る。
【0008】すなわち、本発明は、グリシジルメタクリ
レートを含有する単量体混合物とラジカル重合開始剤と
を互いに接触させることなく反応容器に供給し170〜
350℃の温度で重合させることを特徴とするグリシジ
ルメタクリレート共重合体の製造方法に関するものであ
り、また、単量体混合物がグリシジルメタクリレートを
15〜75重量%含有することを特徴とするグリシジル
メタクリレート共重合体の製造方法に関するものであ
り、さらには単量体混合物が水酸基を有するビニル単量
体をも含有することを特徴とするグリシジルメタクリレ
ート共重合体の製造方法に関するものであり、特に水酸
基を有するビニル単量体の単量体混合物に占める量が3
0重量%以下であることを特徴とするグリシジルメタク
リレート共重合体の製造方法に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、グリシジルメタク
リレート(以下、GMAと略記する場合がある。)共重
合体の製造装置の要部の概略側断面図の例示である。こ
の製造装置は、GMA共重合体の製造の場となる反応容
器11を備えている。この反応容器11には、GMAを
含有する単量体混合物(以下、単に単量体混合物と略記
する場合がある。)を貯留する第1貯留槽(図示略)と
ラジカル重合開始剤(以下、重合開始剤と略記する場合
がある。)を貯留する第2貯留槽(図示略)が、それぞ
れ第1供給管12と第2供給管13を介して接続されて
いる。そして、第1貯留槽に貯留される単量体混合物は
第1供給管12を経て、また第2貯留槽に貯留される重
合開始剤は第2供給管13を経て反応容器11に供給さ
れるようになっている。また、第1及び第2供給管1
2、13にはそれぞれ輸送ポンプ14、15が配設され
ており、単量体混合物及び重合開始剤を各貯留槽から反
応容器11へ供給する速度をそれぞれ独立して制御でき
るようになっている。
【0010】前記反応容器11は、攪拌装置16を備え
た耐圧容器、すなわち加圧式攪拌槽型反応容器である。
攪拌装置16の攪拌羽根16aは反応容器11内に位置
しており、この攪拌羽根16aの回転によって反応容器
11内の内容物を攪拌できるようになっている。なお、
前記第1及び第2供給管12、13の下流側端部は反応
容器11内に位置しており、それらの吐出口12a、1
3aは攪拌羽根16aの近傍に配設されている。
【0011】反応容器11の底面と側面には、反応容器
11内の内容物を抜き出すための第1抜出口17と第2
抜出口18がそれぞれ設けられている。各抜出口17、
18にはバルブ19とリリーフ弁20がそれぞれ配設さ
れており、反応容器11内の内容物を抜き出す速度をそ
れぞれ独立して制御できるようになっている。
【0012】また、反応容器11の外周には、反応容器
11内を所望の温度に制御できるように温度調節装置2
1が設けられている。さらに、このGMA共重合体の製
造装置には、反応容器11内の温度を計測するための温
度計(図示略)、反応容器11内の圧力を計測するため
の圧力計(図示略)、反応容器11内を所定の圧力に調
整するための安全弁(図示略)及び反応容器11内を窒
素ガス雰囲気にするための窒素ガス供給手段(図示略)
が備えられている。
【0013】前記第1貯留槽に貯留される単量体混合物
は、GMAを含有するものであり、そのGMAの含有量
が75重量%以下であるものに本発明を適用することが
好ましい。また、単量体混合物として、GMAに加えて
水酸基を有するビニル単量体をも含有するものはゲルの
生成が多く、その様なものに対しても本発明は適用さ
れ、特に、水酸基を有するビニル単量体の含有量が30
重量%以下のものに本発明を適用することが好ましい。
【0014】なお、GMAの含有量が15重量%未満の
場合には、単量体混合物と重合開始剤を一つの供給管で
同時に反応容器11に供給する構成にしたとしてもゲル
の生成が少量の場合があり、あえて単量体混合物と重合
開始剤をそれぞれ別の供給管12、13を経て反応容器
11に供給する構成にする必要、すなわち本発明を適用
する必要がない場合もある。逆に、GMAの含有量が7
5重量%を超える場合には、単量体混合物と重合開始剤
をそれぞれ別の供給管12、13を経て反応容器11に
供給する構成にしても、ゲルが大量に生成する場合があ
り、本発明の適用効果が認められない場合がある。
【0015】単量体混合物が水酸基を有するビニル単量
体をも含有する場合は、ゲルの生成が更に激しいもので
あるが、その様な場合においても本発明によればゲルの
生成を抑制できるという本発明の効果がより顕著に示さ
れる。
【0016】単量体混合物が水酸基を有するビニル単量
体の含有量が単量体混合物の30重量%以下である場合
に、本発明は適用され、ゲルの生成を抑制できるという
本発明の効果を特に顕著に奏する。30重量%を超える
場合は、単量体混合物と重合開始剤をそれぞれ別の供給
管12、13を経て反応容器11に供給する構成にして
も、ゲルが大量に生成する場合があり、本発明の適用効
果が認められない場合がある。
【0017】また、一般的に水酸基を有するビニル単量
体は、添加により、その特性を発揮させるためには2重
量%以上用いられる。水酸基を有するビニル単量体とし
ては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等の多
価アルコールのモノ又はポリ(メタ)アクリレート、シ
クロヘキセンオキシド等のエポキシドと(メタ)アクリ
ル酸との付加物等が挙げられ、これらの中から選ばれる
少なくとも一種が用いられる。なお、本明細書では、ア
クリルとメタクリルを(メタ)アクリル、アクリレート
とメタクリレートを(メタ)アクリレートと総称する。
【0018】単量体混合物を構成する「GMA」と「水
酸基を有するビニル単量体」以外のビニル単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼ
ン等のスチレン誘導体、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、アクリロニトリル、エチレン、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0019】また、前記第2貯留槽に貯留される重合開
始剤としては、過酸化水素、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等
が挙げられる。
【0020】次に、上述の製造装置を用いたGMA共重
合体の製造方法について説明する。まず、第1貯留槽の
単量体混合物と第2貯留槽の重合開始剤を、それぞれ第
1供給管12と第2供給管13を経て同時に連続的に反
応容器11に供給する。そして、その供給量に相当する
量の反応容器11内の内容物を第1抜出口17又は第2
抜出口18から連続的に抜き出して回収液として回収
し、反応容器11内の内容物を常に一定の量に維持す
る。このとき、単量体混合物と重合開始剤は輸送ポンプ
14、15の働きにより一定の速度で反応容器11に供
給され、回収液はバルブ19又はリリーフ弁20の働き
により一定の速度で反応容器11から回収される。そし
て、回収液から未反応のビニル単量体等の揮発成分を分
離することによりGMA共重合体を単離することもでき
る。
【0021】反応容器11に供給される重合開始剤の量
は、同時に反応容器11に供給される単量体混合物に対
して0.01〜10重量%であることが好ましい。反応
容器11内の温度は、温度調節装置21によって170
〜350℃、好ましくは180℃〜300℃、より好ま
しくは200〜270℃の範囲に制御される。この温度
が170℃未満の場合には、反応速度が遅いためにGM
A共重合体を効率的に製造できず、また反応容器11の
内容物の粘度が高くなるために反応を制御しにくい。他
方350℃を超える場合には、分解反応が発生して反応
物が純度の低いものとなったり着色しやすくなる。17
0〜350℃の温度で重合させる場合には、少ない重合
開始剤の使用量でも短時間で効率的に、品質の安定した
GMA共重合体を製造することができる。また、重合開
始剤に由来する不純物をほとんど含有しない純度の高い
GMA共重合体を得ることもできる。加えて、温度の調
節により分子量の調節が可能となるため、連鎖移動剤を
必要としないという利点もある。
【0022】反応容器11内の圧力は、反応容器11内
の温度と使用する単量体混合物及び溶媒の沸点に依存す
るもので、反応に影響を及ぼさないが、前記反応容器1
1内の温度を維持できる圧力であればよい。必要に応じ
て窒素などの不活性ガスにより加圧してもよい。
【0023】また、攪拌装置16で反応容器11内の内
容物を所定の回転数で攪拌し、攪拌下で重合反応させる
ことが好ましい。単量体混合物と重合開始剤を反応容器
11に供給する際、単量体混合物と重合開始剤が反応容
器11内部の供給管12、13内に滞留する時間は、と
もに好ましくは10秒以下、より好ましくは5秒以下で
ある。その理由は、単量体混合物の滞留時間が10秒を
超えると、ゲルの生成が第1供給管12内で起こる場合
があるため、および重合開始剤の滞留時間が10秒を超
えると重合開始剤が第2供給管13内で分解して濃度が
低下し、反応容器11内で有効に作用せずに反応率が低
下する場合があるためである。なお、この滞留時間は、
供給管12、13の内径、反応容器11内部の供給管1
2、13の長さ、輸送ポンプ14、15による供給速度
等によって調整することができる。
【0024】一方、単量体混合物及び重合開始剤が反応
容器11内に滞留する時間、すなわち反応容器11に供
給された単量体混合物及び重合開始剤が回収液として回
収されるまでの時間は、好ましくは2〜60分である。
この滞留時間が2分未満の場合には単量体の反応率が低
くなることがあり、60分を超える場合にはGMA共重
合体が着色したり生産性が低下したりすることがある。
【0025】単量体混合物は、塊状重合法、溶液重合
法、乳化重合法、懸濁重合法等、各種の方法で重合させ
ることができるが、溶媒を使用する溶液重合法は反応の
制御がしやすいために好ましい方法である。この溶媒と
しては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸
エチル、酢酸ブチル、セルソルブアセテート、メチルプ
ロピレングリコールアセテート、カルビトールアセテー
トとメチルプロピレングリコールアセテート、カルビト
ールアセテートとエチルカルビトールアセテート等の酢
酸エステル、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エトキ
シエチルプロピオネート等が挙げられる。溶媒は、単量
体混合物又は重合開始剤に混合させて第1供給管12又
は第2供給管13を経て反応容器11に供給するように
してもよいし、供給管12、13とは別の供給管を経て
供給するようにしてもよい。重合開始剤が固体である場
合は溶媒に溶解して供給することが必要であるが、液体
である場合も溶媒に溶解して供給する方法は、重合開始
剤の供給速度を制御しやすいために好ましい方法であ
る。この溶媒の使用量は、得られるGMA共重合体の固
形分濃度として10〜90重量%となる量であることが
好ましい。
【0026】以上のように、この実施形態によれば次の
ような効果が発揮される。 ・ 本実施形態では、単量体混合物を反応容器11に供
給するための第1供給管12と、重合開始剤を反応容器
11に供給するための第2供給管13とを別々に設け
た。これにより、単量体混合物と重合開始剤とを互いに
接触させることなく反応容器11に供給し、反応容器1
1内において両者を接触させて170〜350℃の温度
で前記単量体混合物を重合させるように構成した。この
ため、本実施形態のGMA共重合体の製造方法及び製造
装置は、供給管内でゲルが生成するのを抑えることがで
きることから、ゲルを生成させるおそれの少ない効率的
な製造方法及び製造装置ということができる。
【0027】・ GMAを含有する単量体混合物の重合
開始剤と混合したときにゲル化しやすい性質は、GMA
に加えて水酸基を有するビニル単量体をも含む場合によ
り強くなる。しかし、この実施形態では、単量体混合物
と重合開始剤をそれぞれ別の供給管12、13を経て反
応容器11に供給するようにすることで、単量体混合物
と重合開始剤が供給管12、13内で混合されるのを防
いでいる。このため、ゲル化しやすい単量体混合物を用
いた場合であっても、供給管12、13内でゲルが生成
するのを抑えることができる。
【0028】・ 単量体混合物及び重合開始剤が反応容
器11内部の供給管12、13内に滞留する時間は10
秒以下である。このため、第1供給管12内でのゲルの
生成及び重合開始剤の失活による反応率の低下を防ぐこ
とができる。
【0029】・ 第1及び第2供給管12、13の吐出
口12a、13aが攪拌羽根16aの近傍に配設されて
いるため、吐出口12a、13aから吐出される単量体
混合物と重合開始剤を速やかに反応容器11内で混合さ
せてより均一に反応させることができる。
【0030】・ 実施形態では、単量体混合物と重合開
始剤を連続的に反応容器11に供給し、その供給量に相
当する量の回収液を連続的に回収する、連続式の重合
(連続重合)方式が採られている。このため、効率的に
GMA共重合体を製造することができ、生産性を向上さ
せることができるほか、得られるGMA共重合体の分子
量や組成の分布を狭くすることができる。
【0031】
【作用】単量体混合物とラジカル重合開始剤とをそれぞ
れ別の供給管12,13を経て反応容器11に供給し、
反応容器11内において両者を接触させて170〜35
0℃の温度で前記単量体混合物を重合させることによ
り、ゲルがほとんど混在しないグリシジルメタクリレー
ト共重合体が得られた。
【0032】単量体混合物とラジカル重合開始剤が反応
容器11内で混合されてもゲルは生成せず、単量体混合
物とラジカル重合開始剤とを同一の供給管を経て供給す
る場合は供給管内でゲルが生成しやすい理由は不明であ
るが、単量体混合物及びラジカル重合開始剤の濃度が反
応容器11内よりも供給管内の方が高いことも関係して
いるかと推察している。
【0033】なお、上記の公報は、ビニル単量体とラジ
カル重合開始剤の供給方法について、混合して反応容器
に供給してもよいし、別々に反応容器に供給してもよい
との記載を有するが、GMAを含有する単量体混合物と
重合開始剤との混合物がゲル化しやすいという課題およ
びビニル単量体と重合開始剤を別々に反応容器に供給す
ることによりゲルの生成が抑えられるということを示唆
するものではない。
【0034】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。 (実施例1〜6)図1に示す製造装置を使い、実施形態
のGMA共重合体の製造方法に従ってGMA共重合体の
製造を行った。第1貯留槽には単量体混合物を貯留し、
第2貯留槽には重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオ
キサイド(以下、DTBPと略記)と溶媒を混合したも
のを貯留した。反応容器11(容量100ml)に供給
される重合開始剤の量が、同時に反応容器11に供給さ
れる単量体混合物に対して0.5重量%となるように輸
送ポンプ14、15の供給速度を調節し、両者を反応容
器11に同時に連続的に供給した。このとき、単量体混
合物と重合開始剤が反応容器11内部の供給管12、1
3内に滞留する時間は2〜4秒であった。そして、供給
量に相当する量の反応容器11内の内容物を第1抜出口
17又は第2抜出口18から抜き出し、薄膜蒸発器に供
給して未反応のビニル単量体、溶媒等の揮発成分を分離
することによりGMA共重合体を得た。
【0035】ここで、各例で用いた単量体混合物、溶
媒、反応容器11内の設定温度、反応容器11内での滞
留時間、攪拌数、抜出口、運転時間については表1に示
す通りである。
【0036】所定の運転時間の後、反応容器11の内壁
と供給管12、13の内壁に対するゲルの付着具合を目
視により次の判定基準で評価した。その結果を表1に示
す。 ◎:全く付着がない、○:ほとんど付着がない、△:少
し付着がある、×:付着がある、××:かなり付着があ
る。
【0037】また、得られたGMA共重合体について、
転化率、及びゲルパーミエーションクロマトグラフィで
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)と分散度(Mw/Mn)の値も表
1に併せて示す。
【0038】なお、表中のIBAはイソブチルアクリレ
ート、STはスチレン、CHAはシクロヘキシルアクリ
レート、HEAはヒドロキシエチルアクリレート、HE
MAはヒドロキシエチルメタクリレート、EEPはエト
キシエチルプロピオネート、IPAはイソプロピルアル
コールの略である。
【0039】
【表1】 (比較例1〜3)実施形態のGMA共重合体の製造装置
について、第2貯留槽と第2供給管13を省略し、単量
体混合物と溶媒と重合開始剤を混合したものを第1貯留
槽から第1供給管12を経て反応容器11に供給するよ
うに変更した。これを使ってGMA共重合体の製造を行
い、ゲルの付着具合や得られたGMA共重合体の物性等
について実施例1〜6と同様に評価、測定した結果を表
2に示す。また、各例の実験条件についても併せて表2
に示す。
【0040】なお、表中のMEKはメチルエチルケトン
の略である。
【0041】
【表2】 表1及び表2に示すように、実施例1〜6では、供給管
12、13の内壁に対して全く又はほとんどゲルの付着
がなく、供給管12、13内でのゲルの生成を抑えるこ
とができることが示された。一方、比較例1〜3では、
供給管12内の内壁にゲルの付着が認められ、供給管1
2内でゲルが生成することが示された。
【0042】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 実施形態では連続式の重合(連続重合)でGMA共
重合体の製造を行ったが、バッチ式の重合に変更しても
よい。
【0043】・ GMA共重合体を含んだ内容物を反応
容器11から抜き出すとき、反応容器11に設けた開口
部から内容物をオーバーフローさせることにより行うよ
うに変更してもよい。
【0044】・ 攪拌装置16は、反応容器11内の内
容物を十分に攪拌できるものであれば何れでもよく、ポ
ンプ循環や超音波等を利用した攪拌装置でもよい。次
に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以
下に記載する。
【0045】(ア) グリシジルメタクリレートを含有
する単量体混合物とラジカル重合開始剤とをそれぞれ別
の供給管を経て反応容器に供給し、反応容器内において
170〜350℃の温度で前記単量体混合物を重合させ
ることを特徴とするグリシジルメタクリレート共重合体
の製造方法。このように構成した場合、単量体混合物と
ラジカル重合開始剤とを互いに接触させることなく反応
容器に供給することができるため、ゲルを生成させるお
それが少ない。加えて、その操作を簡単な構成で確実に
行うことができる。
【0046】(イ) 前記単量体混合物が反応容器内部
の供給管内に滞留する時間を10秒以下とすることを特
徴とする上記(ア)に記載のグリシジルメタクリレート
共重合体の製造方法。このように構成した場合、単量体
混合物を反応容器に供給するための供給管内でゲルが生
成するのをより効果的に抑えることができる。
【0047】(ウ) 前記ラジカル重合開始剤が反応容
器内部の供給管内に滞留する時間を10秒以下とするこ
とを特徴とする上記(ア)又は(イ)に記載のグリシジ
ルメタクリレート共重合体の製造方法。このように構成
した場合、ゲルの生成が少ないグリシジルメタクリレー
ト共重合体を高い反応率で得ることができる。
【0048】(エ) 単量体混合物を170〜350℃
の温度で重合させるための反応容器と、その反応容器に
グリシジルメタクリレートを含有する単量体混合物を供
給するための第1供給管と、同じく反応容器にラジカル
重合開始剤を供給するための第2供給管とを備えたこと
を特徴とするグリシジルメタクリレート共重合体の製造
装置。このように構成した場合、単量体混合物とラジカ
ル重合開始剤とを互いに接触させることなく反応容器に
供給することができるため、ゲルを生成させるおそれが
少ない。加えて、その操作を簡単な構成で確実に行うこ
とができる。
【0049】(オ) 前記反応容器内の内容物を攪拌す
るための攪拌装置を備え、同攪拌装置の攪拌羽根が反応
容器内で回転することによって該内容物が攪拌されるよ
うに構成し、さらにその攪拌羽根の近傍に前記両供給管
の吐出口を配設することを特徴とする上記(エ)に記載
のグリシジルメタクリレート共重合体の製造装置。この
ように構成した場合、各供給管から吐出される単量体混
合物と重合開始剤を速やかに反応容器内で均一に混合さ
せて反応させることができる。
【0050】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明のグリシジルメタクリレート共重合体の製造方法によ
れば、ゲルを生成させるおそれが少ない。
【0051】請求項2に記載の発明のグリシジルメタク
リレート共重合体の製造方法によれば、請求項1に記載
の発明の効果に加え、グリシジルメタクリレートを15
〜75重量%含有する、ゲル化しやすい単量体混合物を
原料とする場合であっても、ゲルの生成を抑えることが
できる。
【0052】請求項3に記載の発明のグリシジルメタク
リレート共重合体の製造方法によれば、請求項1又は請
求項2に記載の発明の効果に加え、グリシジルメタクリ
レートに加えて水酸基を有するビニル単量体をも含有す
る、よりゲル化しやすい単量体混合物を原料とする場合
であっても、ゲルの生成を抑えることができる。
【0053】請求項4に記載の発明のグリシジルメタク
リレート共重合体の製造方法によれば、請求項3に記載
の発明の効果に加え、グリシジルメタクリレートに加え
て水酸基を有するビニル単量体を30重量%以下含有す
る、よりゲル化しやすい単量体混合物を原料とする場合
であっても、ゲルの生成を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 GMA共重合体の製造装置の要部を示す概略
側断面図。
【符号の説明】
11…反応容器。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 BA07 BB01 BB02 BB17 4J100 AA02R AB02R AB03R AB04R AB08R AB16R AC03R AC04R AG04R AJ02R AL03R AL08P AL08Q AL08R AL09Q AL63Q AM02R BA03Q BC04R BC54P CA04 CA05 FA03 FA28 FA47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシジルメタクリレートを含有する単
    量体混合物とラジカル重合開始剤とを互いに接触させる
    ことなく反応容器に供給し170〜350℃の温度で重
    合させることを特徴とするグリシジルメタクリレート共
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 単量体混合物がグリシジルメタクリレー
    トを15〜75重量%含有することを特徴とする請求項
    1に記載のグリシジルメタクリレート共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 単量体混合物が水酸基を有するビニル単
    量体をも含有することを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載のグリシジルメタクリレート共重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するビニル単量体の単量体混
    合物に占める量が30重量%以下であることを特徴とす
    る請求項3に記載のグリシジルメタクリレート共重合体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005517061A (ja) * 2002-02-01 2005-06-09 ジョンソン ポリマー エルエルシー 縮合ポリマーの処理、後処理およびリサイクルのためのオリゴマー型鎖伸長剤、合成、組成および用途

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JP2005517061A (ja) * 2002-02-01 2005-06-09 ジョンソン ポリマー エルエルシー 縮合ポリマーの処理、後処理およびリサイクルのためのオリゴマー型鎖伸長剤、合成、組成および用途

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