JP2002003443A - 無水トリメリット酸の製造法 - Google Patents

無水トリメリット酸の製造法

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JP2002003443A
JP2002003443A JP2000189163A JP2000189163A JP2002003443A JP 2002003443 A JP2002003443 A JP 2002003443A JP 2000189163 A JP2000189163 A JP 2000189163A JP 2000189163 A JP2000189163 A JP 2000189163A JP 2002003443 A JP2002003443 A JP 2002003443A
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JP
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trimellitic anhydride
trimellitic
distillation
anhydride
crude
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JP2000189163A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】臭素化合物を含む触媒を用いて、プソイドクメ
ンやジアルキルベンズアルデヒドを酸化して得られた粗
トリメリット酸から臭素含量の少ない高品質の無水トリ
メリット酸を工業的に優位に製造する方法を提供する。 【解決手段】トリメリット酸または無水トリメリット酸
に対してNiを10ppm以上含有させ、200℃以上の温
度で30分以上加熱処理した後、無水トリメリット酸を
蒸留分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭素化合物を含む
触媒を用いてプソイドクメンやジアルキルベンズアルデ
ヒドを酸化して得られた粗トリメリット酸から、臭素含
有量の少ない無水トリメリット酸を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無水トリメリット酸は芳香族3塩基酸で
あって高級可塑剤または耐熱プラスチックの原料として
重要なものである。無水トリメリット酸は、たとえば特
公昭58−2222号、特開昭61−280448号に
記載されているように、臭素イオンまたは臭素イオンと
重金属を触媒として使用し、プソイドクメンやジメチル
ベンズアルデヒドを分子状酸素で酸化して得られる粗ト
リメリット酸を、220〜230℃で熱的に脱水した後
に減圧蒸留することにより製造される。
【0003】上記の方法で製造された無水トリメリット
酸は、品質が必ずしも満足するものではなく、近年の高
級可塑剤または耐熱プラスチック等の原料としてはさら
に高品質の無水トリメリット酸が望まれている。これに
対して、特表平4−501271号には無水トリメリッ
ト酸に少なくとも0.1重量%以上のホウ素の酸化物を
添加して熱処理し、次に蒸留を行うことにより無水トリ
メリット酸の色相を改善する方法が示されている。また
特開平5−221919号には酸化触媒として、マンガ
ン、コバルト、セリウムおよびチタン、臭素を使用する
ことにより反応の選択性を高めて、二次的な生成物を抑
えることにより品質を改善する方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の方法で製
造された無水トリメリット酸は、酸化触媒として臭素イ
オンを使用するためブロムトリメリット酸に代表される
有機臭素化合物が副生する。有機臭素化合物は分離が困
難なため、蒸留精製された無水トリメリット酸中に残
り、無水トリメリット酸を原料とする高級可塑剤または
耐熱プラスチック等に悪影響を与える。本発明の目的
は、より臭素含量の少ない高品質な無水トリメリット酸
を工業的に優位に製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無水トリ
メリット酸の性状に関する上記の課題を解決するために
鋭意検討した結果、トリメリット酸の無水化あるいは無
水トリメリット酸をNiの存在下で長時間加熱処理をした
後、蒸留精製することにより、臭素含量の少ない高品質
の無水トリメリット酸を安定して製造できることを見い
出し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明は、臭素化合物を含む触媒を用
いて、プソイドクメン、ジアルキルベンズアルデヒドお
よび/またはそれらの酸化誘導体を酸化して得られた粗
トリメリット酸から無水トリメリット酸を製造するに際
し、トリメリット酸および/または無水トリメリット酸
に対してNiを10ppm以上含有させ、200℃以上の温
度で30分以上加熱処理した後、無水トリメリット酸を
蒸留分離することを特徴とする無水トリメリット酸の製
造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるトリメリット
酸は、プソイドクメン、ジアルキルベンズアルデヒドお
よび/またはその酸化誘導体を酸化することにより製造
される。ジアルキルベンズアルデヒドとしては2,4-ジメ
チルベンズアルデヒドまたは3,4-ジメチルベンズアルデ
ヒドが用いられる。また酸化誘導体としては、2,4-ジメ
チルベンゼンカルボン酸、3,4-ジメチルベンゼンカルボ
ン酸が挙げられる。酸化反応における溶媒には酢酸、含
水酢酸、または水が用いられ、触媒には臭素化合物また
は臭素化合物にマンガン等の重金属を加えた触媒が用い
られる。こうして得られた粗トリメリット酸を加熱脱水
することで粗無水トリメリット酸を得ることができる。
【0008】本発明は上記方法で得られた粗トリメリッ
ト酸および/または粗無水トリメリット酸をNiの存在下
で加熱処理を行うことで、臭素化合物を分解または高沸
化させ、蒸留により分離するものである。すなわち本発
明における加熱処理は、粗トリメリット酸の加熱脱水に
よる無水化の工程中に行うことも、無水化した後に行っ
ても良い。粗無水トリメリット酸の中に含まれる臭素化
合物は、Niを添加しない単なる熱処理だけでは、分解や
高沸化が殆ど起こらない。
【0009】Niの添加量は、粗トリメリット酸および/
または粗無水トリメリット酸に対して、Ni濃度として1
0ppm以上、好ましくは100ppm以上である。加熱処理
温度は200℃以上で行われ、温度が高いほど加熱処理
時間が短くなるが、300℃以上では無水トリメリット
酸の分解が無視できなくなる。加熱処理の時間は30分
以上が必要であり、加熱処理温度に応じて選択される。
【0010】このような加熱処理によって蒸留分離しに
くい臭素化合物が分解または高沸化し、蒸留によって除
去できるようになる。加熱処理は専用の熱処理槽を設置
しても良いが、トリメリット酸の無水化器または無水ト
リメリット酸を分離する蒸留塔の塔底において行うこと
ができる。特に蒸留塔の塔底ではNiが濃縮され滞留時間
も長いため、より効果的に分解または高沸化を行うこと
ができる。
【0011】この加熱処理において、Cr、Mn、Fe、Co、
Cu、Pdから選ばれた一種以上の元素をNiの助触媒として
同時に添加することで臭素化合物の分解または高沸化を
促進することができる。これらの元素は金属または塩と
して、粗トリメリット酸および/または粗無水トリメリ
ット酸に対して、金属濃度として5ppm以上、より効果
的には20ppm以上添加して加熱処理することにより、
臭素化合物の分解または高沸化がより促進される。
【0012】本発明では十分に臭素化合物が分解または
高沸化するように加熱処理した後、または加熱処理しな
がら、蒸留して無水トリメリット酸を得る。蒸留条件と
して50torr以下の減圧下において行われる。蒸留
は単蒸留で十分であるが、より効率をよくするために精
留を行ってもよい。無水化、加熱処理、蒸留の方式は回
分方式、半回分方式、連続方式のいずれでも実施できる
が、連続方式が最も好ましい。
【0013】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに具体的に
説明する。但し本発明は、以下の実施例により何ら制限
されるものではない。尚、以下の実施例および比較例に
おいて、粗トリメリット酸は特公昭58−2222号に
記載されている方法により製造したものを用いた。
【0014】実施例1 無水化器に粗トリメリット酸を連続的に1時間あたり1
65部供給し、常圧、230℃、滞留時間3時間の条件
で加熱脱水を行い、無水化器の液面が一定となるように
無水化処理液を抜き出した。無水化器におけるトリメリ
ット酸の無水化率は90%であった。無水化処理液に対
し、Ni濃度として100ppmになるよう酢酸ニッケル4
水塩を添加し、この液を減圧度15torr、理論段数
2段の蒸留塔に連続的に供給した。塔底からの抜き出し
量は1時間あたり3部であり、塔底での平均滞留時間5
5時間、塔底温度256℃であった。Niは高沸分として
塔底に濃縮された。留出した無水トリメリット酸は純度
98.7%で、臭素含量は100ppmであった。
【0015】比較例1 実施例1において、無水化処理液に酢酸ニッケル4水塩
を添加せずに無水化処理および蒸留を行った。塔底から
の抜き出し量は1時間あたり3部であり、塔底での平均
滞留時間55時間、塔底温度255℃であった。留出し
た無水トリメリット酸は純度98.7%で、臭素含量2
00ppmであった。
【0016】実施例2 実施例1において、無水化処理液に対し、Ni濃度として
100ppmになるよう酢酸ニッケル4水塩を、Fe濃度と
して25ppmになるように蓚酸鉄2水和物を添加し、実
施例1と同様に蒸留を行った。塔底での平均滞留時間5
5時間、塔底温度256℃であった。Ni、Feは高沸分と
して塔底に濃縮された。留出した無水トリメリット酸は
純度98.7%で、臭素含量は50ppmであった。
【0017】比較例2 実施例1において、無水化処理液にNiの代わりに、Fe濃
度として100ppmになるように蓚酸鉄2水和物を添加
し、実施例1と同様に蒸留を行った。留出した無水トリ
メリット酸は純度98.7%で、臭素含量は200ppm
であった。
【0018】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明の方法で粗トリメリット酸にNiを添加して加熱処理を
行い、蒸留することによって、無水トリメリット酸の含
臭素量を削減することができる。本発明により高品質の
無水トリメリット酸を工業的に有利に製造でき、これよ
り高級の可塑剤や耐熱プラスチックが得られることか
ら、本発明の工業的意義が大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】臭素化合物を含む触媒を用いて、プソイド
    クメン、ジアルキルベンズアルデヒドおよび/またはそ
    の酸化誘導体を酸化して得られた粗トリメリット酸から
    無水トリメリット酸を製造するに際し、トリメリット酸
    および/または無水トリメリット酸に対してNiを10pp
    m以上含有させ、200℃以上の温度で30分以上加熱
    処理した後、無水トリメリット酸を蒸留分離することを
    特徴とする無水トリメリット酸の製造法。
  2. 【請求項2】Niの助触媒として、Cr、Mn、Fe、Co、Cuお
    よびPdから選ばれた1種以上の元素を、トリメリット酸
    および/または無水トリメリット酸に対して5ppm以上
    存在させる請求項1に記載の無水トリメリット酸の製造
    法。
  3. 【請求項3】加熱処理を蒸留塔の塔底において行う請求
    項1に記載の無水トリメリット酸の製造法。
JP2000189163A 2000-06-09 2000-06-23 無水トリメリット酸の製造法 Pending JP2002003443A (ja)

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US09/861,627 US6410753B2 (en) 2000-06-09 2001-05-22 Process for producing trimellitic anhydride
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004331585A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高純度無水トリメリット酸およびその製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004331585A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高純度無水トリメリット酸およびその製造法

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