JP2002003331A - 刺激抑制化粧料 - Google Patents
刺激抑制化粧料Info
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Abstract
に、一過性の刺激発現を抑制する手段を提供する。 【解決手段】 化粧料或いは化粧料組成物にイソプレン
グリコールと1,2−ペンタンジオールとを含有させ
る。好ましくは、低容量の塩化ベンザルコニウムを防腐
剤として使用する。かかる化粧料組成物を支持体に含浸
させ、シート状化粧料とする。
Description
どに有用な化粧料組成物に関する。
制することは重要な課題である。これは、化粧料そのも
のの効果が、生理的な効果よりも心理的な効果に依存す
る割合が高く、使用時に於ける、刺激感のような好まし
くない使用感の発現は、化粧料の効果そのもののに大き
な影響を与えるからである。化粧料に於ける、使用時の
刺激感は、通常一次刺激と表現されている炎症性の刺激
とは異なり、一過性のものであることは既に化粧料の分
野においては常識となっているが、その具体的なメカニ
ズムについては知られておらず、その原因物質として、
桂皮酸エステルやパラアミノ安息香酸誘導体などの紫外
線吸収剤や安息香酸エステルなどの防腐剤などが考えら
れると言われている。この内、防腐剤は水性化粧料に於
いては必要不可欠な成分であり、これに由来する一過性
の刺激発現は目をつぶらざるを得ないことがしばしばで
あった。
などの新素材の開発に伴い、その閉塞性を利用して有効
成分の経皮吸収を高める目的で、シート状の化粧料が盛
んに開発されるようになってきたが、この様な製剤を用
いる場合上記のような刺激発現は特に著しくなり、この
様な系での刺激発現の抑制は通常の化粧料に比して非常
に重要な課題となっている。
ールと1,2−ペンタンジオールを併用することによ
り、系での防腐剤の配向性を変え、少量の防腐剤でも有
効な防腐効果を持たせるような試みは為されていなかっ
た。又、この様な処置により、前記の一過性の刺激発現
が抑制されることも全く知られていなかった。
況下為されたものでであり、防腐力などの化粧料の基本
機能を損なわずに、一過性の刺激発現を抑制する手段を
提供することを課題とする。
は防腐力などの化粧料の基本機能を損なわずに、一過性
の刺激発現を抑制する手段を求めて、鋭意研究努力を重
ねた結果、イソプレングリコールと1,2−ペンタンジ
オールとを化粧料(或いは化粧料組成物)に含有させる
ことにより、防腐剤の配向性を変え、安息香酸のエステ
ルを使用せずに、塩化ベンザルコニウムなどを防腐剤と
して使用することにより一過性の刺激発現を抑制しうる
ことを見いだし発明を完成させるに至った。ここで、本
発明で言う、化粧料とは例えばクリームのようにそれ単
独で使用できるものを意味し、化粧料組成物とは、シー
ト状の化粧料におけるシート(支持体)とそれに含浸す
る組成物のような関係に於ける含浸組成物の様な、それ
自体は化粧料としての機能を有しているが、他の構成要
素が存在してはじめて化粧料となるような組成物を意味
する。本発明について概観するならば、本発明は以下に
示す技術に関するものである。 (1)イソプレングリコールと1,2−ペンタンジオー
ルとを含有することを特徴とする、化粧料又は化粧料組
成物。 (2)シート含浸用であることを特徴とする、(1)に
記載の化粧料又は化粧料組成物。 (3)安息香酸のエステルを含有しないことを特徴とす
る、(1)又は(2)に記載の化粧料又は化粧料組成
物。 (4)防腐剤として塩化ベンザルコニウムを含有するこ
とを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化
粧料又は化粧料組成物。 (5)(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料組成物
をシート状の保持体に含浸してなる、シート状の化粧
料。 (6)ダメージ肌用であることを特徴とする、(5)に
記載のシート状の化粧料。以下、本発明について、実施
の形態を中心に詳細に説明を加える。
組成物 本発明の化粧料又は化粧料組成物は、イソプレングリコ
ールと1,2−ペンタンジオールとを含有することを特
徴とする。これらのグリコールは何れも化粧料の保湿の
ための原料として使用されているが、これらを組み合わ
せて用いることは未だ為されていない。これらの成分の
好ましい含有量は、イソプレングリコールが5〜20重
量%が好ましく、更に好ましくは、10〜15重量%で
あり、1,2−ペンタンジオールが1〜10重量%であ
り、更に好ましくは2〜6重量%である。更に、イソプ
レングリコールと1,2−ペンタンジオールの重量比
は、4:1〜1:1であり、更に好ましくは5:2〜
3:2である。これは、この様な含有量と重量比におい
て、防腐剤等の成分の配向を好ましく変えられ、一過性
の刺激発現を抑制できるからである。又、これらの成分
は保湿作用を有するので保湿性を皮膚に付与することが
出来る副次的効果を有する。この様な性質を有するた
め、閉塞効果による刺激起因物質の経皮透過性昂進に伴
う、一過性の刺激が出やすい保湿のための使用されるシ
ート状の化粧料の、含浸用の化粧料組成物に用いるの
が、本発明の化粧料又は化粧料組成物の好ましい適用方
法である。本発明の化粧料又は化粧料組成物において
は、これら必須成分以外に、通常化粧料で使用される任
意成分を含有することができる。かかる任意成分として
は、例えば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタ
リンワックス等の炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワ
ックス,オレイン酸オクチルドデシル等のエステル類、
オリーブ油、牛脂、椰子油等のトリグリセライド類、ス
テアリン酸、オレイン酸、リチノレイン酸等の脂肪酸、
オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチル
ドデカノール等の高級アルコール、ポリエチレングリコ
ール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価ア
ルコール類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、色剤、防腐剤、粉体等を例示することができる。こ
れらの内、防腐剤に於ける安息香酸のエステル類或いは
紫外線吸収剤に於ける桂皮酸エステルやパラアミノ安息
香酸誘導体等の一過性刺激発現の原因であろうと言われ
ている成分は、危険回避の意味で含まないことが好まし
い。防腐剤としては、一過性の刺激発現をしにくい塩化
ベンザルコニウムを使用するのが特に好ましく、このも
のの含有量も、本発明の製剤の特徴を利用して、0.0
01〜0.01重量%、更に好ましくは0.001〜
0.004重量%程度に抑えるのが好ましい。又、好ま
しい任意成分としては、ヒアルロン酸ナトリウム、硫酸
化トレハロースナトリウム、トレハロースなどの保湿成
分が好ましく、中でもヒアルロン酸ナトリウムと硫酸化
トレハロースナトリウムとの両者を含むことが特に好ま
しい。これは優れた保湿性を発揮するためであり、この
様な形態の化粧料用組成物を支持体に含有させてシート
状の化粧料として用いることは、特に好適な形態であ
る。これらの保湿成分の好ましい含有量は、それぞれ
0.001〜0.2重量%であり、更に好ましくは、
0.05〜0.1重量%である。これは少なすぎると保
湿効果を発揮しない場合があり、多すぎるとアクネなど
の原因となる場合があるからである。本発明の化粧料又
は化粧料組成物はこれら必須成分と任意の成分とを常法
に従って処理することにより製造することが出来る。
トなどの支持体に含浸させたものである。この様なシー
ト状の化粧料の支持体となるものは、通常シート状化粧
料で使用されているものであれば特段の限定無く使用す
ることが出来、例えば、不織布、ガーゼ、リント布、
紙、ウレタン布、フランネル布などが好ましく例示で
き、これらで特に好ましいものは、支持量が多く、使用
感に優れる不織布である。
ては、化粧料で使用される製剤であれば特段の限定無く
適用することが出来、例えば、クリーム、乳液、パステ
ーテ、ローション、高粘度液などが例示できるが、含浸
のさせ易さから、粘度が1000センチストークス以下
の低粘性組成物が特に好ましく、この様な低粘性組成物
はエマルション形態でも透明一様溶状であってもかまわ
ない。かかる化粧料組成物の含浸量は、やや過剰の支持
状態であって、化粧料を皮膚などにおいたときに化粧料
組成物が僅かに流れる程度が好ましい。具体的には0.
01〜0.1ml/cm2程度の含浸が好ましい。この
様な化粧料は1回分ごとに分包させることも可能である
し、ビンなどに数回分の支持体を置き、これに化粧料組
成物を含浸させた形態でもかまわない。
表であれば特段限定されないが、顔に適用するのが好ま
しく、顔でも特に必要な部位にのみ適用する形態が好ま
しい。部分使用で特に好ましい部位としては、目の下の
乾燥の現れやすい部位である。これは、本発明の化粧料
組成物の保湿性に優れる副次的効果を有利に活用できる
ためである。この場合のシート1枚の面積は20〜50
cm2程度となり、化粧料組成物の含浸量は0.05〜
3ml程度が好適である。かくして得られた、本発明の
シート状の化粧料は、閉塞性に優れ、有効成分の吸収促
進作用が有るにも関わらず、一過性の刺激発現は極めて
低いものとなる。
詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ
限定されないことは言うまでもない。
発明の化粧料用組成物を作成した。即ち、処方成分を8
0℃に加熱し、攪拌可溶化して、攪拌冷却し化粧料組成
物1を得た。 ポリエチレングリコール1500 4 重量部 ポリエチレングリコール6000 2 重量部 POE(24)POP(24)セチルエーテル 2 重量部 ジプロピレングリコール 3 重量部 イソプレングリコール 12 重量部 1,2−ペンタンジオール 4 重量部 グリセリン 15 重量部 キサンタンガム 0.1重量部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部 硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部 塩化ベンザルコニウム 0.002重量部 水 57.698重量部
発明の化粧料用組成物を作成した。即ち、処方成分を8
0℃に加熱し、攪拌可溶化して、攪拌冷却し化粧料組成
物2を得た。 ポリエチレングリコール1500 4 重量部 ポリエチレングリコール6000 2 重量部 POE(24)POP(24)セチルエーテル 2 重量部 ジプロピレングリコール 3 重量部 イソプレングリコール 12 重量部 1,2−ペンタンジオール 4 重量部 グリセリン 15 重量部 キサンタンガム 0.1重量部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.1重量部 硫酸化トレハロースナトリウム 0.1重量部 メチルパラベン 0.2重量部 水 57.5重量部
を図1に示す形状の不織布(面積約29cm2)に、
0.5ml浸漬し、シート状化粧料1及び2を作成し
た。同時に実施例2の化粧料組成物2のイソプレングリ
コールを1,2−ペンタンジオールに置換した比較化粧
料組成物1、1,2−ペンタンジオールをイソプレング
リコールに置換した比較化粧料組成物2の化粧料を作成
し、同様に支持体に含浸させ、比較シート状化粧料1及
び2を作成した。これらのシート状化粧料について、パ
ネラーを用い、目の下部に10分貼付し、その保湿性付
与効果を調べた。保湿性付与効果は、貼付前と貼付除去
1時間後でのコルネオメーターによる計測で求めた、コ
ルネオ値の差(処置による上昇値)として評価した。こ
の値が大きいと皮膚水分量が豊かで良い肌状態であると
判断される。結果を表1に示す。これより、本発明のシ
ート状化粧料は保湿作用に優れることが判る。これは必
須成分である1,2−ペンタンジオールとイソプレング
リコールの組合せ効果によるものであることがわかる。
及び比較シート状化粧料1、2について、パネラー1群
30名を用いた実使用テストによって安全性を確認し
た。実使用テストはサンプルを連日2週間使用してもら
って行った。評価は明かな発疹や発赤などの出現を陽性
者とし、僅かな発疹や発赤などの出現を疑陽性者とし、
ひりひり感、火照り感などの出現を一過性刺激発現者と
し、その例数として行った。結果を表2に示す。何れの
サンプルも安全性が極めて高いレベルであるが、一過性
の出現者数に注目すれば、シート状化粧料1は極めて安
全性の高い化粧料であることが確認された。この様な状
況は安息香酸のエステル類を含まないことに起因すると
考えられる。
グリコールを1,3−ブタンジオールに置換した比較化
粧料用組成物3と化粧料組成物1の1,2−ペンタンジ
オールを1,3−ブタンジオールに置換した比較化粧料
組成物4と化粧料組成物1のイソプレングリコールと
1,2−ペンタンジオールとを1,3−ブタンジオール
に置換した比較化粧料用組成物5を作成し、これら比較
化粧料組成物3〜5及び化粧料組成物1、2について、
防腐効果を調べた。方法は、キャンディダ・アルビカン
スをRPM1640培地で予備培養し、ガーゼを用いて
濾過し、分生子を集めた。この分生子を同培地で希釈
し、104(10の4乗)個/mlに調整し、この液を
それぞれの化粧料組成物10mlに0.1ml加え、3
7℃で48時間培養した。培養後、ギムザ染色で化粧料
組成物中の菌体を染色した。結果を表3に示す。この表
より、本発明の化粧料組成物が優れた防腐力を備えてい
ることが判る。又、防腐剤として、安息香酸のエステル
の変わりに塩化ベンザルコニウムを用いることにより、
安全性、防腐力及び保湿作用に極めて優れた化粧料及び
化粧料用組成物が得られることは特記すべきことであ
る。
発明の化粧料である化粧水1を作成した。即ち、処方成
分を80℃で加熱攪拌、可溶化し、攪拌冷却して化粧水
を得た。この化粧水は、一過性の刺激も少なく(n=1
0で0例)、優れた防腐作用と保湿作用を有していた。 イソプレングリコール 10 重量部 1,2−ペンタンジオール 4 重量部 1,3−ブタンジオール 5 重量部 塩化ベンザルコニウム 0.003重量部 硫酸化トレハロースナトリウム 0.02重量部 ヒアルロン酸ナトリウム 0.03重量部 トレハロース 0.01重量部 水 80.937重量部
ック化粧料を作成した。即ち、処方成分を攪拌混合して
パック化粧料を得た。このものは、優れた保湿付与作
用、安全性及び防腐力を有していた。 イソプレングリコール 15 重量部 1,2−ペンタンジオール 10 重量部 グリセリン 5 重量部 酢酸ビニルポリマーエマルジョン 40 重量部 ヒビテングルコネート 0.05重量部 トレハロース 0.1重量部 水 29.85重量部
水1について、モルモット損傷皮膚に於ける安全性を調
べた。即ち、1群6匹のハートレー系白色種モルモット
(雌、300〜350g)の背部を低毛した後、ガムテ
ープで2回ストリッピングを行った。ここに上記サンプ
ルを48時間クローズドパッチし、パッチ除去後に皮膚
反応をドレーズの基準に従って判定した。即ち、皮膚反
応++:浮腫を伴う反応、皮膚反応+:明らかな紅斑を
伴う反応、皮膚反応±:疑わしい紅斑を伴う反応、皮膚
反応−:無反応の判定基準である。結果は何れの動物も
無反応であり、本発明に化粧料がダメージを受けた皮膚
でも好適に使用できることが判る。
基本機能を損なわずに、一過性の刺激発現を抑制する手
段を提供できる。
の下貼付用の不織布を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 イソプレングリコールと1,2−ペンタ
ンジオールとを含有することを特徴とする、化粧料又は
化粧料組成物。 - 【請求項2】 シート含浸用であることを特徴とする、
請求項1に記載の化粧料又は化粧料組成物。 - 【請求項3】 安息香酸のエステルを含有しないことを
特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料又は化粧料
組成物。 - 【請求項4】 防腐剤として塩化ベンザルコニウムを含
有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記
載の化粧料又は化粧料組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料
組成物をシート状の保持体に含浸してなる、シート状の
化粧料。 - 【請求項6】 ダメージ肌用であることを特徴とする、
請求項5に記載のシート状の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000187140A JP2002003331A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | 刺激抑制化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000187140A JP2002003331A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | 刺激抑制化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002003331A true JP2002003331A (ja) | 2002-01-09 |
JP2002003331A5 JP2002003331A5 (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=18687173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000187140A Pending JP2002003331A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | 刺激抑制化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002003331A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7582681B2 (en) | 2002-02-19 | 2009-09-01 | Symrise Gmbh & Co. Kg | Synergistic mixtures of 1,2-alkane diols |
JP2010043022A (ja) * | 2008-08-12 | 2010-02-25 | Kao Corp | シート状化粧料 |
-
2000
- 2000-06-22 JP JP2000187140A patent/JP2002003331A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7582681B2 (en) | 2002-02-19 | 2009-09-01 | Symrise Gmbh & Co. Kg | Synergistic mixtures of 1,2-alkane diols |
JP2010043022A (ja) * | 2008-08-12 | 2010-02-25 | Kao Corp | シート状化粧料 |
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