JP2002002135A - 平版印刷用原板 - Google Patents

平版印刷用原板

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JP2002002135A
JP2002002135A JP2000189544A JP2000189544A JP2002002135A JP 2002002135 A JP2002002135 A JP 2002002135A JP 2000189544 A JP2000189544 A JP 2000189544A JP 2000189544 A JP2000189544 A JP 2000189544A JP 2002002135 A JP2002002135 A JP 2002002135A
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resin
heat
acid
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printing
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JP2000189544A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Yanaka
宏充 谷中
Kazuo Maemoto
一夫 前本
Keiji Akiyama
慶侍 秋山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光後、処理を行うことなく直接印刷機に装
着して印刷することが可能で、良好な機上現像性を有
し、しかも高耐刷性の平版印刷用原板を提供する。 【解決手段】 親水性表面を有する支持体上に、疎水性
樹脂を内包するマイクロカプセルを含有する感熱層を有
する平版印刷用原版であって、該疎水性樹脂が、その最
小繰り返し単位内に凝集エネルギー寄与が10kJ/m
ol以上の原子団を二つ以上有することを特徴とする平
版印刷用原版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性表面を有する
支持体、及び親水性の画像形成層を有するネガ型の平版
印刷用原板に関する。より詳しくは、デジタル信号に基
づいた走査露光による製版が可能であり、高感度かつ高
耐刷性で印刷汚れのない印刷物を与えることが可能な平
版印刷用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年進展が目覚ましいコンピュータ・ツ
ウ・プレートシステム用刷版については、多数の研究が
なされている。その中で、一層の工程合理化と廃液処理
問題の解決を目指すものとして、露光後、現像処理する
ことなしにそのまま印刷機に装着して印刷できる平版印
刷用原板が研究され、種々の方法が提案されている。
【0003】処理工程をなくす方法の一つに、露光済み
の印刷用原版を印刷機のシリンダーに装着し、シリンダ
ーを回転しながら湿し水とインキを供給することによっ
て、印刷用原版の非画像部を除去する機上現像と呼ばれ
る方法がある。すなわち、印刷用原版を露光後、そのま
ま印刷機に装着し、通常の印刷過程の中で処理が完了す
る方式である。このような機上現像に適した平版印刷用
原板は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有し、し
かも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した
明室取り扱い性を有することが必要とされる。
【0004】例えば、日本特許2938397号公報に
は、親水性バインダーポリマー中に熱可塑性疎水性重合
体の微粒子を分散させた感光層を親水性支持体上に設け
た平版印刷用原板が開示されている。この公報には、該
平版印刷用原板において、赤外線レーザー露光して熱可
塑性疎水性重合体の微粒子を熱により合体させて画像形
成した後、印刷機シリンダー上に版を取付け、湿し水お
よび/またはインキにより機上現像できることが記載さ
れている。
【0005】また、特開平9−127683号公報およ
びWO99−10186号公報にも熱可塑性微粒子を熱
による合体後、機上現像により印刷版を作製することが
記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような熱による微粒子の単なる合体で画像を作る方法
は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が弱いた
めに耐刷性が不十分という問題があった。従って本発明
の目的は、この問題を解決することであり、良好な機上
現像性を有し、しかも高耐刷性の平版印刷用原板を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、マイクロカプセル内包物に分子間凝集力が高い疎
水性樹脂を用いることにより高い耐刷性が得られること
を見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下
の通りである。
【0008】1.親水性表面を有する支持体上に、疎水
性樹脂を内包するマイクロカプセルを含有する感熱層を
有する平版印刷用原版であって、該疎水性樹脂が、その
最小繰り返し単位内に凝集エネルギー寄与が10kJ/
mol以上の原子団を二つ以上有することを特徴とする
平版印刷用原版。
【0009】2.該疎水性樹脂が、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、キシレン
樹脂、尿素樹脂及びヒドロキシスチレン樹脂から選ばれ
た少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする前記1
記載の平版印刷用原版。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0011】本発明の平版印刷用原版は、親水性表面を
有する支持体上に疎水性樹脂を内包するマイクロカプセ
ルを含有する感熱層を有する。該疎水性樹脂は、その構
造の最小繰り返し単位内に、Fendorsによる凝集エネル
ギー寄与値が10kJ/mol以上の原子団を二つ以上
有することを特徴とする。原子団の凝集エネルギー寄与
及びFendorsによる凝集エネルギー寄与値については、
例えば、D.W.Krevelen著、Properties of Polymers、第
3版、Elsevier社(1997)、p.189〜200に
記載されている。
【0012】10kJ/mol以上の凝集エネルギー寄
与をもつ原子団の具体例としては、水酸基、カルボキシ
ル基、シアノ基、フェニル基、カルボニル基、カルボキ
シル基、ウレタン結合、ウレア結合、ウレイド結合、エ
ーテル結合、エステル結合、アミド結合等が挙げられ
る。
【0013】最小繰り返し単位当たり凝集エネルギー寄
与が10kJ/mol以上の原子団を二つ以上有する疎
水性樹脂の具体例として、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹
脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、キシレン樹脂、尿
素樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂が挙げられる。熱によ
りマイクロカプセルから放出された疎水性樹脂のつくる
画像部の機械的強度が、これらの凝集エネルギーの大き
い樹脂の場合は大きくなり、耐刷性の向上に寄与してい
ると推定される。上記のような原子団が一つしかなく、
凝集エネルギーの低いポリスチレン、ポリメタクリル酸
メチル、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニ
ルなどは耐刷性も低い。
【0014】疎水性樹脂としては、レーザー書き込みの
熱上昇時に一度可塑化し、冷却時に硬化するものがより
好ましい。さらに熱により架橋する樹脂であればより好
ましい。このことから、エポキシ基、メチロール基等の
熱反応性基を有する樹脂が好ましい。熱反応性基を有す
る疎水性樹脂は、カプセル壁材の化学分解により発生し
た化合物、バインダー樹脂、分散樹脂、又はその他の添
加された化合物との架橋反応もしくは自己架橋反応を行
う。
【0015】このような疎水性樹脂をマイクロカプセル
化する方法としては、公知のマイクロカプセル化法が適
用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法として
は、米国特許2800457号、同2800458号、
にみられるコアセルベーションを利用した方法、英国特
許990443号、米国特許3287154号、特公昭
38−19574号、同42−446号、同42−71
1号にみられる界面重合法による方法、米国特許341
8250号、同3660304号にみられるポリマーの
析出による方法、米国特許3796669号に見られる
イソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特
許3914511号に見られるイソシアナート壁材料を
用いる方法、米国特許4001140号、同40873
76号、同4089802号にみられる尿素―ホルムア
ルデヒド系あるいは尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノ
ール系壁形成材料を用いる方法、米国特許402544
5号にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒド
ロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−
9163号、同51−9079号にみられるモノマー重
合によるin situ法、英国特許930422号、
米国特許3111407号にみられるスプレードライン
グ法、英国特許952807号、同967074号にみ
られる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定され
るものではない。
【0016】本発明に用いられる好ましいマイクロカプ
セル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性
質を有するものである。このような観点から、マイクロ
カプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれら
の混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレ
タンが好ましい。マイクロカプセル壁に熱反応性官能基
を有する化合物を導入しても良い。
【0017】上記のマイクロカプセルの平均粒径は、
0.01〜20μmが好ましいが、中でも0.05〜
2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが
特に好ましい。この範囲内で、良好な解像度と経時安定
性が得られる。
【0018】マイクロカプセルの感熱層への添加量は、
固形分換算で、好ましくは10〜60重量%、さらに好
ましくは15〜40重量%である。この範囲内で、良好
な機上現像性と同時に、良好な感度および耐刷性が得ら
れる
【0019】マイクロカプセルを感熱層に添加する場
合、内包物が溶解し、かつ壁材が膨潤する溶剤をマイク
ロカプセル分散媒中に添加することができる。このよう
な溶剤によって、内包された熱反応性官能基を有する化
合物の、マイクロカプセル外への拡散が促進される。こ
のような溶剤としては、マイクロカプセル分散媒、マイ
クロカプセル壁の材質、壁厚および内包物に依存する
が、多くの市販されている溶剤から容易に選択すること
ができる。例えば架橋ポリウレア、ポリウレタン壁から
なる水分散性マイクロカプセルの場合、アルコール類、
エーテル類、アセタール類、エステル類、ケトン類、多
価アルコール類、アミド類、アミン類、脂肪酸類等が好
ましい。
【0020】具体的化合物としては、メタノール、エタ
ノール、第3ブタノール、n−プロパノール、テトラヒ
ドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルエチルケ
トン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドな
どがあるが、これらに限られない。またこれらの溶剤を
2種以上用いても良い。
【0021】マイクロカプセル分散液には溶解しない
が、前記溶剤を混合すれば溶解する溶剤も用いることが
できる。添加量は、素材の組み合わせにより決まるもの
であるが、通常、塗布液の5〜95重量%が好ましく、
より好ましい範囲は、10〜90重量%、特に好ましい
範囲は15〜85重量%である。
【0022】本発明の感熱層には親水性樹脂を添加して
も良い。親水性樹脂を添加することにより機上現像性が
良好となるばかりか、感熱層自体の皮膜強度も向上す
る。親水性樹脂としては、例えばヒドロキシル基、カル
ボキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル
基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、カ
ルボキシメチル基などの親水基を有するものが好まし
い。
【0023】親水性樹脂の具体例として、アラビアゴ
ム、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導体、カルボキシメチ
ルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセ
テート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン
酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、
ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸
類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレート
のホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルア
クリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキ
シプロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリ
マー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー
およびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートの
ホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアク
リレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレ
ングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポ
リビニルアルコール類、ならびに加水分解度が少なくと
も60重量%、好ましくは少なくとも80重量%の加水
分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリル
アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルア
ミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールア
クリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー等を挙げ
ることができる。
【0024】親水性樹脂の感熱層への添加量は、感光層
固形分の5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%
がさらに好ましい。この範囲内で、良好な機上現像性と
皮膜強度が得られる。
【0025】本発明の感熱層は、感度を向上させるた
め、赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤を含有するこ
とができる。かかる光熱変換剤としては、700〜12
00nmの少なくとも一部に吸収帯を有する光吸収物質
であればよく、種々の顔料、染料および金属微粒子を用
いることができる。
【0026】顔料としては、市販の顔料およびカラーイ
ンデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本
顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技
術」(CMC出版、1984年刊)に記載されている赤
外吸収性の顔料が利用できる。
【0027】これら顔料は、添加される層に対する分散
性を向上させるため、必要に応じて公知の表面処理を施
して用いることができる。表面処理の方法には、親水性
樹脂や親油性樹脂を表面コートする方法、界面活性剤を
付着させる方法、反応性物質(例えば、シリカゾル、ア
ルミナゾル、シランカップリング剤やエポキシ化合物、
イソシアナート化合物等)を顔料表面に結合させる方法
等が考えられる。親水性の層に添加する顔料は、水溶性
の樹脂と分散しやすく、かつ親水性を損わないように、
親水性樹脂やシリカゾルで表面がコートされたものが望
ましい。顔料の粒径は0.01μm〜1μmの範囲にあ
ることが好ましく、0.01μm〜0.5μmの範囲に
あることが更に好ましい。顔料を分散する方法として
は、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散
技術が使用できる。特に好ましい顔料としては、カーボ
ンブラックを挙げることができる。
【0028】染料としては、市販の染料および文献(例
えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊、「化学工業」1986年5月号P.45〜51の
「近赤外吸収色素」、「90年代機能性色素の開発と市
場動向」第2章2.3項(1990)シーエムシー)あ
るいは特許に記載されている公知の染料が利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロン
アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、
カルボニウム染料、キノンイミン染料、ポリメチン染
料、シアニン染料などの赤外線吸収染料が好ましい。
【0029】さらに、例えば、特開昭58−12524
6号、特開昭59−84356号、特開昭60−787
87号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−
173696号、特開昭58−181690号、特開昭
58−194595号等に記載されているメチン染料、
特開昭58−112793号、特開昭58−22479
3号、特開昭59−48187号、特開昭59−739
96号、特開昭60−52940号、特開昭60−63
744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開
昭58−112792号等に記載されているスクワリリ
ウム染料、英国特許434,875号記載のシアニン染
料や米国特許第4,756,993号記載の染料、米国
特許第4,973,572号記載のシアニン染料、特開
平10−268512号記載の染料、特開平11−23
5883号記載のフタロシアニン化合物を挙げることが
できる。
【0030】また、染料として米国特許第5,156,
938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、ま
た、米国特許第3,881,924号記載の置換された
アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−1
42645号記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開
昭58−181051号、同58−220143号、同
59−41363号、同59−84248号、同59−
84249号、同59−146063号、同59−14
6061号に記載されているピリリウム系化合物、特開
昭59−216146号記載のシアニン染料、米国特許
第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリ
リウム塩等や特公平5−13514号、同5−1970
2号公報に開示されているピリリウム化合物、エポリン
社製エポライトIII−178、エポライトIII−130、
エポライトIII−125等も好ましく用いられる。これ
らの中で、感熱層の親水性樹脂中などの親水性マトリッ
クス中に添加するのに好ましい染料は水溶性染料で、以
下に具体例を示す。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】本発明の感熱層のマイクロカプセル中など
親油性物質中に添加する光熱変換剤としては、前記の赤
外線吸収染料であっても良いが、親油性の染料がより好
ましい。具体例として、以下の染料を挙げることができ
る。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】上記の有機系の光熱変換剤は、感熱層中に
30重量%まで添加することができる。好ましくは5〜
25重量%であり、特に好ましくは7〜20重量%であ
る。この範囲内で、良好な感度が得られる。
【0037】本発明の感熱層などには、光熱変換剤とし
て金属微粒子を用いることもできる。金属微粒子の多く
は、光熱変換性であって、かつ自己発熱性でもある。好
ましい金属微粒子として、Si、Al、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、
Mo、Ag、Au、Pt、Pd、Rh、In、Sn、
W、Te、Pb、Ge、Re、Sbの単体又は合金ある
いはそれらの酸化物、硫化物の微粒子が挙げられる。こ
れらの金属微粒子を構成する金属の中でも好ましい金属
は、光照射によって熱融着し易い融点がおよそ1000
℃以下で赤外、可視又は紫外線領域に吸収をもつ金属、
たとえばRe、Sb、Te、Au、Ag、Cu、Ge、
Pb及びSnである。また、とくに好ましいのは、融点
も比較的低く、熱線に対する吸光度も比較的高い金属の
微粒子、たとえばAg、Au、Cu、Sb、Ge及びP
bで、とくに好ましい元素はAg、Au及びCuが挙げ
られる。
【0038】また、例えばRe、Sb、Te、Au、A
g、Cu、Ge、Pb、Snなどの低融点金属の微粒子
とTi、Cr、Fe、Co、Ni、W、Geなどの自己
発熱性金属の微粒子を混合使用するなど、2種以上の光
熱変換物質で構成されていてもよい。また、Ag、P
t、Pdなど微小片としたときに光吸収がとくに大きい
金属種の微小片と他の金属微小片を組み合わせて用いる
ことは好ましい。
【0039】以上に述べた金属単体及び合金の微粒子
は、表面を親水性化処理することによって、本発明の効
果がより発揮される。表面親水性化の手段は、親水性で
かつ粒子への吸着性を有する化合物、例えば界面活性剤
で表面処理したり、粒子の構成物質と反応する親水性基
を持つ物質で表面処理したり、保護コロイド性の親水性
高分子皮膜を設けるなどの方法を用いることができる。
特に好ましいのは、表面シリケート処理であり、例えば
鉄微粒子の場合は、70℃のケイ酸ナトリウム(3%)
水溶液に30秒浸漬する方法によって表面を十分に親水
性化することができる。他の金属微粒子も同様の方法で
表面シリケート処理を行うことができる。
【0040】これらの粒子の粒径は、好ましくは10μ
m以下、より好ましくは0.003〜5μm、特に好ま
しくは0.01〜3μmである。この範囲内で、良好な
感度と解像力が得られる。
【0041】本発明において、これらの金属微粒子を光
熱変換剤として用いる場合、その添加量は、好ましくは
感熱層固形分の10重量%以上であり、より好ましくは
20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上で用いら
れる。この範囲内で高い感度が得られる。
【0042】上記の光熱変換剤の含有は、感熱層の隣接
層である後述の、下塗層や水溶性オーバーコート層であ
ってもよい。感熱層、下塗層およびオーバーコート層の
うち少なくとも一つの層が光熱変換剤を含有することに
より、赤外線吸収効率が高まり、感度を向上できる。
【0043】本発明の感熱層には、さらに必要に応じて
上記以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、耐
刷力を一層向上させるために多官能モノマーを感熱層マ
トリックス中に添加することができる。この多官能モノ
マーとしては、マイクロカプセル中に入れられるモノマ
ーとして例示したものを用いることができる。特に好ま
しいモノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリ
レートを挙げることができる。
【0044】また、本発明の感熱層には、画像形成後、
画像部と非画像部の区別をつきやすくするため、可視光
域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用す
ることができる。具体的には、オイルイエロー#10
1、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、
オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブル
ー#603、オイルブラックBY、オイルブラックB
S、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工
業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバ
イオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミン
B(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI
42000)、メチレンブルー(CI52015)等、
及び特開昭62−293247号に記載されている染料
を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、
アゾ系顔料、酸化チタン等の顔料も好適に用いることが
できる。添加量は、感熱層塗布液全固形分に対し0.0
1〜10重量%が好ましい。
【0045】さらに、本発明の感熱層には、必要に応
じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を加えるこ
とができる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン
酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリ
クレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オ
レイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。
【0046】本発明の感熱層は、必要な上記各成分を溶
剤に溶解又は分散して塗布液を調製し、塗布される。こ
こで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シ
クロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エ
タノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メ
トキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピル
アセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリ
ドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチル
ラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、こ
れに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独ま
たは混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ま
しくは1〜50重量%である。
【0047】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の感
熱層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般
的に0.5〜5.0g/m2が好ましい。塗布する方法
としては、種々の方法を用いることができる。例えば、
バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン
塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗
布、ロール塗布等を挙げられる。
【0048】本発明にかかわる感熱層塗布液には、塗布
性を良化するための界面活性剤、例えば、特開昭62−
170950号に記載されているようなフッ素系界面活
性剤を添加することができる。好ましい添加量は、感熱
層全固形分の0.01〜1重量%、さらに好ましくは
0.05〜0.5重量%である。
【0049】本発明の平版印刷用原板は、親油性物質に
よる感熱層表面の汚染防止のため、感熱層上に、水溶性
オーバーコート層を設けることができる。本発明に使用
される水溶性オーバーコート層は印刷時容易に除去でき
るものであり、水溶性の有機高分子化合物から選ばれた
樹脂を含有する。
【0050】ここで用いる水溶性の有機高分子化合物と
しては、塗布乾燥によってできた被膜がフィルム形成能
を有するもので、具体的には、ポリ酢酸ビニル(但し加
水分解率65%以上のもの)、ポリアクリル酸、そのア
ルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリアクリル酸共重合
体、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメタク
リル酸、そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリメ
タクリル酸共重合体、そのアルカリ金属塩もしくはアミ
ン塩、ポリアクリルアミド、その共重合体、ポリヒドロ
キシエチルアクリレート、ポリビニルピロリドン、その
共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエ
ーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリ−2−アクリル
アミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、そのア
ルカリ金属塩もしくはアミン塩、ポリ−2−アクリルア
ミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸共重合体、
そのアルカリ金属塩もしくはアミン塩、アラビアガム、
繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルローズ、
カルボキシエチルセルローズ、メチルセルローズ等)、
その変性体 、ホワイトデキストリン、プルラン、酵素
分解エーテル化デキストリン等を挙げることができる。
また、目的に応じて、これらの樹脂を二種以上混合して
用いることもできる。
【0051】また、オーバーコート層には、前記の水溶
性光熱変換剤を添加しても良い。さらに、オーバーコー
ト層には塗布の均一性を確保する目的で、水溶液塗布の
場合には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンドデシルエーテルなどの非イオ
ン系界面活性剤を添加することができる。オーバーコー
ト層の乾燥塗布量は、0.1〜2.0g/m2が好まし
い。この範囲内で、機上現像性を損なわず、指紋付着汚
れなどの親油性物質による感熱層表面の良好な汚染防止
ができる。
【0052】本発明の平版印刷用原板において前記感熱
層を塗布可能な親水性支持体としては、寸度的に安定な
板状物であり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミ
ネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜
鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セ
ルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロー
ス、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
ビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミネート若
しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げ
られる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィル
ム又はアルミニウム板が挙げられる。
【0053】該アルミニウム板は、純アルミニウム板お
よびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合
金板であり、さらにはアルミニウムまたはアルミニウム
合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているもの
である。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ
素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、
ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元
素の含有量は高々10重量%以下である。しかし、本発
明に適用されるアルミニウム板は、従来より公知公用の
素材のアルミニウム板をも適宜に利用することができ
る。
【0054】本発明で用いられる上記の基板の厚みは
0.05mm〜0.6mm、好ましくは0.1mm〜
0.4mm、特に好ましくは0.15mm〜0.3mm
である。
【0055】アルミニウム板を使用するに先立ち、表面
の粗面化、陽極酸化などの表面処理をすることが好まし
い。表面処理により、親水性の向上および感熱層との接
着性の確保が容易になる。
【0056】アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々
の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化
学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械
的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラス
ト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることが
できる。化学的方法としては、特開昭54−31187
号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の
飽和水溶液に浸漬する方法が適している。また、電気化
学的な粗面化法としては塩酸または硝酸などの酸を含む
電解液中で交流または直流により行う方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されているように
混合酸を用いた電解粗面化方法も利用することができ
る。
【0057】上記の如き方法による粗面化は、アルミニ
ウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2〜1.
0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。粗
面化されたアルミニウム板は必要に応じて水酸化カリウ
ムや水酸化ナトリウムなどの水溶液を用いてアルカリエ
ッチング処理がされ、さらに中和処理された後、所望に
より耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質とし
ては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が
可能で、一般的には硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるい
はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は
電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理
条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定
し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%
溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2
電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれ
ば適当である。形成される酸化皮膜量は、1.0〜5.
0g/m2、特に1.5〜4.0g/m2であることが好
ましい。
【0058】本発明で用いられる親水性表面を有する支
持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮
膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、
親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層の改良のため、必
要に応じて、特願2000−65219号や特願200
0−143387号に記載されている陽極酸化皮膜のマ
イクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び
親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処
理などを適宜選択して行うことができる。上記親水化処
理のための好適な親水性化合物としては、ポリビニルホ
スホン酸、スルホン酸基をもつ化合物、糖類化合物、ク
エン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコニウムカリ
ウム、リン酸塩/無機フッ素化合物などを挙げることが
できる。
【0059】本発明の支持体としてポリエステルフィル
ムを用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にす
ることが望ましい。親水層としては、特願2000−1
0810号に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アル
ミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、
ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移
金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物また
は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる
親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物
のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好
ましい。
【0060】本発明においては、感熱層を塗布する前
に、必要に応じて、例えばホウ酸亜鉛等の水溶性金属塩
のような無機下塗層、又は有機下塗層が設けられてもか
まわない。
【0061】この有機下塗層に用いられる有機化合物と
しては、例えばカルボキシメチルセルロース、デキスト
リン、アラビアガム、スルホン酸基を側鎖に有する重合
体及び共重合体、ポリアクリル酸、2−アミノエチルホ
スホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を
有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン
酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレ
ンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸等の有機ホス
ホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチ
ルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有
機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン
酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及び
グリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシン
やβ−アラニン等のアミノ酸類、およびトリエタノール
アミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩
酸塩、黄色染料等から選ばれるが、二種以上混合して用
いてもよい。又、この下塗層には、前記光熱変換剤を含
有させてもよい。
【0062】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。すなわち、水又はメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶媒、又はそれらの
混合溶剤に、上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける。上記の有機化合
物の濃度0.005〜10重量%の溶液を種々の方法で
塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、ス
プレー塗布、カーテン塗布等いずれの方法を用いてもよ
い。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/
2が好ましく、より好ましくは5〜100mg/m2
ある。
【0063】本発明の平版印刷用原板は熱により画像形
成される。具体的には、熱記録ヘッド等による直接画像
様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯
などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが
用いられるが、波長700〜1200nmの赤外線を放
射する半導体レーザ、YAGレーザ等の固体高出力赤外
線レーザによる露光が好適である。画像露光された本発
明の平版印刷用原板は、それ以上の処理なしに印刷機に
装着し、インキと湿し水を用いて通常の手順で印刷する
ことができる。また、これらの平版印刷用原板は、日本
特許2938398号に記載されているように、印刷機
シリンダー上に取りつけた後に、印刷機に搭載されたレ
ーザーにより露光し、その後に湿し水および/またはイ
ンクをつけて機上現像することも可能である。また、こ
れらの平版印刷用原板は、水または適当な水溶液を現像
液とする現像をした後、印刷に用いることもできる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0065】マイクロカプセル(1)の合成 油相成分としてエポキシ樹脂エピコート1003(油化
シェルエポキシ製)30g、トリメチロールプロパンと
キシリレンジイソシアナートとの付加体D110N(武
田薬品工業製)30g、光熱変換剤(本明細書記載のI
R−26)8g、アニオン系界面活性剤(竹本油脂製パ
イオニンA41C)を酢酸エチル90gに溶解した。水
相成分としてはポリビニルアルコール(クラレ製PVA
217E)4%水溶液180gを調製した。油相成分及
び水相成分をホモジナイザーを用いて10000rpm
で乳化した。このようにして得られたマイクロカプセル
液の固形分濃度は18%であり、平均粒径は0.4μm
であった。
【0066】マイクロカプセル(2)の合成 油相成分としてポリブチレンアジペートグリコール(数
平均分子量1000)800gと4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアネート200gをニーダーで70℃で
混練りして得られたアジペート系ウレタン樹脂30g、
D110N 30g、光熱変換剤(IR−26)8g、
パイオニンA41C 0.5gを酢酸エチル70g、ア
セトニトリル20gに溶解した。以下、前記マイクロカ
プセル(1)の合成例と同様にしてマイクロカプセル
(2)を合成した。固形分濃度は18%であり、平均粒
径は0.6μmであった。
【0067】マイクロカプセル(3)の合成 油相成分として熱可塑性アルキルフェノール変性樹脂H
P−70(三菱ガス化学(株)製)6.0g、D110
N(武田薬品工業製)30g、光熱変換剤(IR−2
6)8g、パイオニンA41C 0.5gを酢酸エチル
90gに溶解した。以下、前記マイクロカプセル(1)の
合成例と同様にしてマイクロカプセル(3)を合成し
た。固形分濃度は18%であり、平均粒径は0.8μm
であった。
【0068】マイクロカプセル(4)の合成 油相成分として熱硬化性ノボラック樹脂NP−100
(三菱ガス化学(株)製)6.0g、D110N 30
g、光熱変換剤(IR−26)8g、パイオニンA41
C 0.5gを酢酸エチル90gに溶解した。以下、前
記マイクロカプセル(1)の合成例と同様にしてマイク
ロカプセル(4)を合成した。固形分濃度は18%であ
り、平均粒径は0.7μmであった。
【0069】比較用マイクロカプセル(5)の合成 油相成分として重量平均分子量10000のポリスチレ
ン樹脂6.0g、D110N 30g、光熱変換剤(I
R−26)8g、パイオニンA41C 0.5gを酢酸
エチル90gに溶解した。以下、前記マイクロカプセル
(1)の合成例と同様にして比較用マイクロカプセル
(5)を合成した。固形分濃度は18%であり、平均粒
径は0.3μmであった。
【0070】支持体の製造例 厚さ0.3mm、材質JIS A 1050のアルミニウム板を8
号ナイロンブラシと800メッシュのパミストンの水懸
濁液を用い、その表面を砂目立てした後、よく水で洗浄
した。この板を10%水酸化ナトリウム水溶液に70℃
で60秒間浸してエッチングをした後、流水で水洗し、
さらに20%硝酸で中和洗浄し、次いで水洗した。これ
をVa=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を
用いて1%硝酸水溶液中で300C/dm2の陽極時電
気量にて電解粗面化処理を行った。アルミニウム板の表
面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であ
った。引き続いて30%硫酸水溶液中に浸漬し、55℃
で2分間デスマットした後、33℃、15%硫酸中で5
A/dm2の電流密度で45秒間直流電解して陽極酸化
皮膜を形成した。生成した陽極酸化皮膜のマイクロポア
を拡大するため60℃の50g/l硫酸中に1分間浸漬
した後、さらにケイ酸ナトリウム2.5重量%水溶液で
70℃12秒間処理し、水洗乾燥して、支持体(I)を
得た。
【0071】実施例1 上記製造例で得た支持体(I)上に、下記の感熱層塗布
液をバー塗布後、オーブンで60℃120秒の条件で乾
燥し、乾燥塗布量は1g/m2の平版印刷原版を作製し
た。
【0072】感熱層塗布液 水 70g メトキシプロパンノール 30g マイクロカプセル(1) 5g ポリヒドロキシエチルアクリレート 0.5g (重量平均分子量25000) p-ジアゾジフェニルアミン硫酸塩 0.2g
【0073】このようにして得られた平版印刷版を、水
冷式40W赤外線半導体レーザーを搭載したCreo社製Tre
ndsetter3244VFSにて、出力9W、外面ドラム回転数10
5rpm、版面エネルギー200mJ/cm2、解像度
2400dpiの条件で露光した後、処理することな
く、ハイデルベルグ社製印刷機SOR-Mのシリンダーに取
り付け、湿し水を供給したのち、インキを供給し印刷を
行った。その結果、問題なく機上現像することができ、
2万枚まで良好な印刷物が得られた。
【0074】実施例2〜3 実施例1のマイクロカプセル(1)を、実施例2ではマ
イクロカプセル(2)に、実施例3ではマイクロカプセ
ル(3)に変えた以外は、同様の塗布液、塗布量で原版
を作成し、同様の露光、印刷を実施した。その結果問題
なく機上現像することができ、それぞれ2万枚まで良好
な印刷物が得られた。
【0075】実施例4 実施例1のマイクロカプセル(1)をマイクロカプセル
(4)に変えた以外は、同様の塗布液、塗布量で原版を
作成し、同様の露光、印刷を実施した。その結果問題な
く機上現像することができ、それぞれ3万枚まで良好な
印刷物が得られた。
【0076】比較例1 実施例1のマイクロカプセル(1)を比較用マイクロカ
プセル(5)に変えた以外は、同様の塗布液、塗布量で
原版を作成し、同様の露光、印刷を実施した。その結果
問題なく機上現像することができたが、印刷枚数が2千
枚であった。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、デジタル信号に基づい
た走査露光による製版が可能であり、良好な機上現像性
を有し、しかも耐刷性の優れた平版印刷用原板を供給で
きる。
フロントページの続き (72)発明者 秋山 慶侍 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA12 AB03 AC08 AD01 BH03 DA10 FA10 2H096 AA06 BA01 EA04 EA23 2H114 AA04 AA14 AA22 AA24 AA27 BA01 BA05 BA10 DA55 DA56 DA59 DA60 DA61 DA74 EA01 EA03 EA04 FA06 FA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性表面を有する支持体上に、疎水性
    樹脂を内包するマイクロカプセルを含有する感熱層を有
    する平版印刷用原版であって、該疎水性樹脂が、その最
    小繰り返し単位内に凝集エネルギー寄与が10kJ/m
    ol以上の原子団を二つ以上有することを特徴とする平
    版印刷用原版。
  2. 【請求項2】 該疎水性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノ
    ール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラ
    ミン樹脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、、キシレン
    樹脂、尿素樹脂及びヒドロキシスチレン樹脂から選ばれ
    た少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする請求項
    1記載の平版印刷用原版。
JP2000189544A 2000-06-23 2000-06-23 平版印刷用原板 Pending JP2002002135A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6949327B2 (en) 2003-07-09 2005-09-27 Kodak Polychrome Graphics Llc On-press developable lithographic printing plate

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