JP2002001650A - 研磨パッドおよび板状材の研磨方法 - Google Patents

研磨パッドおよび板状材の研磨方法

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JP2002001650A JP2000187713A JP2000187713A JP2002001650A JP 2002001650 A JP2002001650 A JP 2002001650A JP 2000187713 A JP2000187713 A JP 2000187713A JP 2000187713 A JP2000187713 A JP 2000187713A JP 2002001650 A JP2002001650 A JP 2002001650A
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polishing
polishing pad
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resin
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Katsuhiro Matsumoto
勝博 松本
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】研磨欠点が発生しにくく、高い研磨速度が得ら
れる研磨パッドを得る。 【解決手段】熱硬化性樹脂シートの研磨パッド1で、荷
重1.82MPaにおける熱変形温度が100℃以上で
あり弾性率が1.5GPa未満であり、吸水率が0.2
%未満であり、表面の主要な領域に幅0.5〜5mmの
溝2と幅0.5〜5mmのランド3が交互に形成された
ことを特徴とする研磨パッドを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、磁気ディス
ク用ガラス基板、CRT用パネル、網入りガラス、シリ
コンウェハ基板等の板状材の表面を研磨するための研磨
パッドおよびそれを用いた板状材の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板等の板状材の表面を酸化セリウ
ム等の遊離砥粒を含む研磨液を用いて研磨する場合、傷
等が少ない平滑な表面を効率的に得るには、研磨中に研
磨欠点を発生させないことが重要である。研磨中に研磨
欠点が発生するのを抑制するには軟質の研磨パッドを使
用し、かつ、ドレッシングにより目詰まり(研磨パッド
気孔部に研磨生成物が詰まること)を定期的に除去しな
がら研磨することが効果的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ドレッシング
は研磨作業を中断させて行うため、設備稼働率の低下を
伴い、頻度を増すことには制約がある。研磨パッドの目
詰まりを解消し、ドレッシング頻度を減らす手段とし
て、たとえば、特開平11−48128号公報には、研
磨パッドおよびこれを用いた板状材の研磨方法が提案さ
れている。この提案では、無気孔高分子シートが研磨パ
ッドに使用されている。その結果、研磨パッドには研磨
砥粒の目詰まりが生じにくく、また高効率の研磨がなさ
れている。
【0004】しかし、前記提案によれば、目詰まりが生
じやすくなる欠点は解消されたものの、研磨時に研磨欠
点が発生し、また、研磨パッドが吸水することにより研
磨特性が低下し、実用上大きな問題となっている。
【0005】前記研磨欠点は、研磨時に発生する熱で研
磨パッドの一部が変形剥離し、剥離した微細片が被研磨
物(ガラス板等)の表面に付着することに起因する。す
なわち、該付着物(剥離した微細片)がマスクとなり、
当該部分の研磨を妨げる。その結果、被研磨物の、付着
物が付着した部分と、その周辺部分との研磨速度に差が
生じ、被研磨物の表面に微細な突起状の欠点を生じる。
【0006】本発明の目的は、従来技術が有していた前
述の各種不具合を同時に解消することにある。すなわ
ち、目詰まりが生じにくく、研磨欠点を生じさせにくい
研磨パッドを得ることにあり、特に、板状材の研磨面を
高品質にしうる研磨パッドおよび板状材の研磨方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
シートからなる研磨パッドであって、該熱硬化性樹脂シ
ートはJIS K7207材料試験規格に基づく荷重
1.82MPaにおける熱変形温度が100℃以上であ
り、JIS K7203材料試験規格に基づく弾性率が
1.5GPa以上であり、JIS K6911材料試験
規格に基づく吸水率が0.2%未満であることを特徴と
する研磨パッドを提供する。
【0008】このような樹脂シートからなる研磨パッド
を板状材の研磨に用いることによって、研磨パッドのド
レッシングが省略できるため、板状材の研磨品質を向上
させることができる。なお、本明細書において荷重1
8.2MPaにおける熱変形温度とはJIS材料試験規
格K7207に基づくものを意味し、以下、単に熱変形
温度という。
【0009】また、本発明は、板状材の表面に、上記研
磨パッドを押圧して、板状材と研磨パッドとの間に遊離
砥粒を含む研磨液を供給しながら、該研磨パッドと板状
材とを相互に摺動し、研磨することを特徴とする板状材
の研磨方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の研磨パッドを構成する樹
脂シートの材料は熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂と
して、たとえば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、一部のウレタン樹脂、一部のオレフィン系樹脂
等が使用できる。
【0011】また、本発明の研磨パッドを構成する樹脂
シートは、JIS K7207材料試験規格に基づく荷
重1.82MPaにおける熱変形温度が100℃以上で
ある。熱変形温度が100℃未満では、熱硬化性樹脂で
あっても研磨時に砥粒(酸化セリウム)とガラスとの反
応で生ずる熱のため樹脂に軟化・剥離を生じ、研磨欠点
を発生させることになる。
【0012】また、本発明の研磨パッドを構成する樹脂
シートは、JIS K7203材料試験規格に基づく弾
性率が1.5GPa以上である。弾性率が1.5GPa
未満では、パッド面がガラス面の凹凸に倣ってしまい、
結果としてガラス表面の凸の部分を選択的に研磨し高効
率で平坦化するという本発明の目的が達成されない。
【0013】さらに、本発明の研磨パッドを構成する樹
脂シートは、JIS K6911材料試験規格に基づく
吸水率が0.2%未満である。すなわち、従来の熱可塑
性樹脂製研磨パッドは、高い吸水率のため、樹脂自体の
物性(弾性率や硬度)が低下し高い研磨効率の安定的維
持ができず、加えて、吸水膨潤の結果、研磨パッド形状
も維持できず、被研磨物(ガラス板等)を破損破壊して
しまうものが少なくなかった。しかし、本発明の研磨パ
ッドは、吸水率が0.2%未満であるため上述の問題は
解決される。
【0014】本発明の研磨パッドを構成する樹脂シート
は、多孔質でない板状体のシートであることが好まし
い。すなわち、発泡性ポリウレタン樹脂のように表面お
よび内部に気孔を有する構成のものではない中実のもの
であることが好ましい。前述のように、表面および内部
に気孔を有する研磨パッドでは気孔部に研磨生成物が詰
まり、研磨速度が低下するからであり、目詰まりを除去
するためのドレッシングを行えば、稼働率が低下するか
らである。
【0015】本発明において、前記研磨パッドの研磨面
の主要な領域には幅0.5〜5mmの溝と幅0.5〜5
mmのランドとが交互に形成されていることが好まし
い。このような樹脂シートからなる研磨パッドを板状材
の研磨に用いることによって、研磨液の供給が均一に行
え、また、研磨パッドのドレッシングも省略できるた
め、板状材の研磨品質を向上させることができる。
【0016】なお、研磨パッドの研磨面の主要な領域と
は、研磨パッドの研磨加工に寄与する領域のことであ
り、通常は研磨パッドの研磨面の全面を指す。ただし、
研磨パッドの研磨面のうち、周辺部分は研磨加工に使用
しないこともあるので、その場合には当該周辺部分を除
いた領域をいう。
【0017】また、本発明において、前記樹脂シート
は、ジシクロペンタジエン重合体を主成分とするもので
あることが好ましい。ジシクロペンタジエン重合体を主
成分とする研磨パッドは、研磨中の研磨欠点の発生がき
わめて少ない。すなわち、樹脂材料を研磨パッドとして
のシート(板状体)に成形して使用するが、多くの熱硬
化性樹脂をシート(板状体)に成形した場合、弾性率が
高いものしか得られず、このようなシートを研磨パッド
として使用すると、キズ欠点を発生させやすい。これに
反し、ジシクロペンタジエン重合体は、適度の弾性率を
有し、キズ欠点をほとんど発生させない。
【0018】また、本発明において、前記板状材はガラ
ス板であることが好ましい。板状材の研磨では、ガラス
基板の研磨が最も多用されており、また、本発明はこの
ようなガラス基板の研磨においてその効果が最も顕著に
なるからである。
【0019】前記研磨パッドが研磨欠点の低減に効果が
あることの理由は、おおよそ以下のように推定される。
従来より使用されていた、多孔質でない樹脂シートから
なる研磨パッドはシリコーン樹脂系エラストマー、フッ
素樹脂エラストマー、ポリエステル系エラストマー等で
あった。これに対し、理由は定かでないが、多孔質でな
い熱硬化性樹脂の樹脂シートからなる研磨パッドが使用
された例は見当たらない。
【0020】ところで、熱可塑性樹脂は、所定の圧力を
受けている場合、樹脂温度が上昇するにしたがって変形
量は大きくなる。すなわち、所定の温度範囲では、樹脂
温度と樹脂の変形量とはほぼ比例関係にある。研磨によ
る発熱で、熱可塑性樹脂の樹脂シートからなる研磨パッ
ドは、次第に変形し、また一部に剥離を生じる。このよ
うに剥離した樹脂は、研磨液中に混入して流し去られる
ものもあるが、一部はガラス基板の表面に付着する。こ
のような樹脂の小片は研磨欠点を作りやすい。
【0021】これに対し、熱硬化性樹脂は、該樹脂の熱
変形温度に至るまで変形しにくく、また、樹脂温度と樹
脂の変形量とは比例関係にはない。したがって、熱可塑
性樹脂と同じ温度では、変形量が少なく、また、剥離が
生じにくい。それゆえ、研磨欠点が生じにくい。
【0022】また、本発明の研磨パッドが比較的高い研
磨速度を得るのに効果がある理由は次のように推定され
る。従来は、研磨パッドを多孔質化することで、研磨パ
ッドと被研磨物との間に砥粒を多く保持させ、砥粒を効
果的に被研磨物の表面に作用させることで高効率の研磨
加工を達成していた。しかし、このような多孔質の研磨
パッドでは、前述のように、目詰りによる研磨欠点の問
題が生ずる。
【0023】これに対し、本発明の研磨パッドは、表面
に溝が形成され、また、溝と溝の間のランドの幅が狭い
ために溝から砥粒が供給されてランド表面全体が砥粒で
覆われやすいために、研磨パッドが砥粒を介さずに被研
磨体に直接接触する割合が減り、各砥粒に加わる荷重の
総和が増加する状態となる。したがって、高い研磨速度
が得られる。
【0024】このような研磨パッド表面に形成される溝
の幅は、研磨液の流れを良くするために0.5mm以上
とし、研磨速度を高いレベルに確保するために5mm以
下とすることが好ましい。ランドの幅は、0.5〜5m
mで形成されることが、研磨速度を高いレベルに確保す
るために好ましい。溝の深さは、研磨液の流れを良くす
る点から0.1mm以上とすることが望ましい。溝は、
平行に形成される必要はなく、互いに交差してもよく、
また放射状であってもよい。また、溝幅や溝間隔および
ランド幅は必ずしも一定でなくてもよい。放射状の溝の
場合には、ランド幅は必然的に外側が広くなる。
【0025】また、研磨パッドを構成する樹脂シートの
厚さは、0.5〜10mmとすることが好ましく、特に
l〜5mmとすることが、溝加工を施す際に必要な剛性
と、研磨定盤に貼付け剥離する際に必要な柔軟性の点か
ら望ましい。すなわち、薄すぎると剛性が足りず溝加工
が困難となり、逆に厚すぎると定盤への装着時の取扱い
性が悪くなり、着脱の作業性が低下するからである。
【0026】樹脂シートは、面内の厚さが不均一であっ
たり面内の平坦度が不十分な場合がある。その場合は、
表面の凹凸を遊離砥粒によるラツプ研磨または砥石によ
る研削等の機械的手段を用いて平坦化したのち、研磨パ
ッドとして用いればよい。
【0027】以下、図面にしたがって本発明の研磨パッ
ドを用いた板状材の研磨方法について説明する。図l
は、本発明の研磨パッドを用いた研磨装置の研磨状態を
示す要部断面図である。本発明の熱硬化性樹脂のシート
からなる研磨パッド1の研磨面側の表面には溝2とラン
ド3とが交互に形成されている。また、研磨パッドlは
上側の研磨定盤5に両面粘着テープ11を介して貼付け
られて保持される。板状材であるガラス板4は軟質シー
ト7により下側のワーク定盤6に保持される。
【0028】図1のように、研磨パッド1をガラス板4
に押圧しながらガラス板4と研磨パッド1との間に、水
に懸濁させた遊離砥粒からなる研磨液9を供給しながら
研磨パッド1とガラス板4とを相互に摺動することによ
り、比較的高い研磨速度と高い研磨品質とを両立させた
研磨ができる。なお、図1では、板状材のうち、ガラス
板を研磨する場合について説明したが、他の脆性材料の
研磨に本発明を適用する場合は、各材料に適した、研磨
砥粒や研磨圧力、相対速度(すなわち定盤の回転速度)
等を選択すれぱよい。
【0029】図2は、本発明の研磨パッド表面の溝形状
を示す平面図である。同図の(A)はリング状の研磨パ
ッド(樹脂シート)1に放射状の溝2を形成したもので
ある。各溝2間のランド3が研磨面となる。なお、溝2
の幅は、前述のように、0.5〜5mmが好ましいが、
図では幅を省略して一本の直線で表わしてある。
【0030】このような溝2は、たとえば、(l)溝の
ない樹脂シートの表面を超硬合金製フライス刃で切削加
工する方法、(2)溝のない樹脂シートの表面を局所的
に融点以上に加熱して溝を作り、溝周囲の突出した部分
を機械的に除去して平坦なランド部を形成する方法、
(3)溝を有する金型を用いて射出成形する方法、
(4)シートを扇形または短冊状その他の形状に切っ
て、これを適当な基材上に溝の間隔をあけて敷き詰める
方法、等によって形成できる。このようなリング状の研
磨パッドは、オスカー式研磨機のように円形の定盤の研
磨機に適用できる。
【0031】図2の(B)は、ほぼ平行な溝2同士が交
差して形成された例である。図2の(C)は平行な溝2
の集合同士を角度を変えて隣接配置した例である。
(B)、(C)ともに、研磨パッド(樹脂シート)1の
表面の一部を部分的に示したものであり、パッド全体
は、たとえば(A)と同様にリング状でもよく、図3で
説明する研磨機に適用できるような矩形でもよい。
(A)の例と同様に溝幅は0.5〜5mmであり、溝間
隔(ランド3の幅)についても0.5〜5mmが好まし
い。なお、溝幅やランド幅は一定でなくてもよい。
【0032】本発明の研磨パッドおよび研磨方法は、液
晶ディスプレイ用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基
板、磁気ディスク用ガラス基板、CRT用パネル、網入
りガラス、シリコンウェハ基板等の研磨に好適に採用で
きる。
【0033】
【実施例】本発明の実施例として、オレフィン系架橋タ
イプのジシクロペンタジエン重合体を主成分とする樹脂
シートを研磨パッドとして使用した。樹脂シートの組成
は、質量比で90〜95%がジシクロペンタジエン重合
体であり、それ以外の成分として、他のエラストマーお
よび触媒等を含む。上記物質を配合した原料をリアクシ
ョン・インジェクション・モールディング成形(RIM
成形)により板状体に成形して使用した。なお、この成
形体は内部および表面に気泡を有しない中実体であっ
た。
【0034】該板状体である研磨パッドを測定した結
果、JIS K7207材料試験規格に基づく荷重1.
82MPaにおける熱変形温度は103℃であり、JI
S K7203材料試験規格に基づく弾性率は1.9G
Paであり、JIS K6911材料試験規格に基づく
吸水率は0.039%であった。
【0035】図3は、本発明の実施例で使用した連続式
研磨装置の概略構成図であり、本発明の研磨パッド1を
貼付けた矩形の研磨定盤5を揺動させてガラス板4を研
磨する装置を示している。ガラス板4は、ワーク定盤6
の上面に固定され、研磨されつつ矢印の方向に搬送され
る。
【0036】図3において、研磨パッドとして、表面に
幅l〜3mmの溝と幅1〜2mmのランドを交互に平行
に形成した厚さ2mmのジシクロペンタジエン重合体
(弾性率1.82MPa)を研磨機の上定盤である研磨
定盤5に両面粘着テープ11(図示を省略)により固定
した。また、厚さ1mmの軟質シート7を設けた下定盤
であるワーク定盤6に、厚さ0.7mm、縦横の寸法2
50mmのガラス板4を取付けた。
【0037】この状態で、ガラス板4と研磨パッド1と
の間に、平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒を含む研磨
液を、ワーク定盤5を貫通する研磨液供給孔10から供
給しながら面圧1.47×104Paで1分間研磨を行
った。研磨で除去されたガラスの厚さは平均で0.6μ
mであった。ガラス板4に生じた、単位面積あたりの研
磨欠点の数は0.006個/cm2であり、従来の研磨
パッド(特開平11−48128号公報に開示されてい
る例)による結果と比較して、研磨欠点の少ない良好な
表面が得られた。
【0038】比較例として、熱可塑性樹脂であるポリ塩
化ビニルを研磨パッドに用いて、上記と同一の条件で研
磨を行った。結果は、研磨で除去されたガラス板の厚さ
は平均で0.6μmであり実施例と同一であったが、ガ
ラス板に生じた、単位面積あたりの研磨欠点の数は0.
18個/cm2であり、実施例の30倍であった。
【0039】同様に、比較例として、ポリエチレン、超
高分子ポリエチレンおよびアクリル樹脂を研磨パッドに
用いて、上記と同一の条件で研磨を行った。これらはい
ずれも熱可塑性樹脂である。研磨によりガラス板に生じ
た、単位面積あたりの研磨欠点の数は、ポリエチレンで
0.09個/cm2、超高分子ポリエチレンで0.14
個/cm2、アクリル樹脂で0.27個/cm2であっ
た。
【0040】なお、研磨欠点の測定は、クリーンルーム
において以下の手順で行った。 1)研磨加工後、ガラス板をスポンジを用いてイオン交
換水によりスクラブ洗浄後、自然乾燥させた。 2)5万ルクスの光源から2m離れた位置に上記ガラス
板を置き、ガラス板を透過した光をガラス板の後方約1
0cm〜20cmに置いたホワイトスクリーンに投影
し、目視にて、周辺より強く光り点状に見える物を「点
状欠点」とし、その数をカウントする。なお、欠点の最
小サイズは約20μmであった。
【0041】本実施例の研磨パッドによる研磨では、従
来例である熱可塑性樹脂(ポリ塩化ビニル)の研磨パッ
ドによる研磨と比較して、研磨欠点の発生が約3%にま
で低減されている。また、熱可塑性樹脂のなかで最も欠
点数が少なかったポリエチレンでも、本実施例の13.
6倍となっており、本発明の優位性がわかる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれぱ、
研磨パッドとして特定の物性値を有する熱硬化性樹脂シ
ートを用いているので、研磨の際の熱による研磨パッド
の溶融、融着に起因する研磨欠点を減少させることがで
きる。
【0043】また、熱硬化性樹脂シートは吸水率が低い
ため、吸水膨潤による研磨速度の低下が起きず、パッド
変形による被研磨物を破損するおそれが少ない。また、
多孔樹脂シートの研磨パッドでなければ、研磨砥粒が目
詰りしない。したがって、研磨速度の経時的低下がない
ため安定して高品質の研磨がなされるとともに、研磨パ
ッドのドレッシングが不要となるため稼動率が向上し生
産性が高まる。
【0044】さらに、表面に所定の溝が形成されていれ
ば、研磨液が円滑に流れるとともに、無気孔材料を用い
て研磨パッドの研磨面の面積を小さくして研磨パッドヘ
の押圧力を有効に研磨圧力として作用させることがで
き、高い研磨速度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の断面図。
【図2】本発明の研磨パッドの溝形状の例を示す平面
図。
【図3】本発明の実施例の概略斜視図。
【符号の説明】
l:研磨パッド 2:溝 3:ランド 4:ガラス板(板状材) 5:研磨定盤 6:ワーク定盤 7:軟質シート 8:研磨装置 9:研磨液 10:研磨液供給孔 11:両面粘着テープ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂シートからなる研磨パッドで
    あって、該熱硬化性樹脂シートはJIS K7207材
    料試験規格に基づく荷重1.82MPaにおける熱変形
    温度が100℃以上であり、JIS K7203材料試
    験規格に基づく弾性率が1.5GPa以上であり、JI
    S K6911材料試験規格に基づく吸水率が0.2%
    未満であることを特徴とする研磨パッド。
  2. 【請求項2】前記研磨パッドの研磨面の主要な領域には
    幅0.5〜5mmの溝と幅0.5〜5mmのランドとが
    交互に形成されている請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 【請求項3】前記樹脂シートは、ジシクロペンタジエン
    重合体を主成分とするものである請求項1または2に記
    載の研磨パッド。
  4. 【請求項4】板状材の表面に、請求項1、2または3に
    記載の研磨パッドを押圧して、板状材と研磨パッドとの
    間に遊離砥粒を含む研磨液を供給しながら、該研磨パッ
    ドと板状材とを相互に摺動し、研磨することを特徴とす
    る板状材の研磨方法。
  5. 【請求項5】前記板状材はガラス板である請求項4に記
    載の板状材の研磨方法。
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