JP2002001428A - 四角形鋼管の製造方法及び鋼管成形装置 - Google Patents

四角形鋼管の製造方法及び鋼管成形装置

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JP2002001428A
JP2002001428A JP2000190373A JP2000190373A JP2002001428A JP 2002001428 A JP2002001428 A JP 2002001428A JP 2000190373 A JP2000190373 A JP 2000190373A JP 2000190373 A JP2000190373 A JP 2000190373A JP 2002001428 A JP2002001428 A JP 2002001428A
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square steel
roll
corner
forming
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Norio Nakajima
教雄 中島
Shin Nakajima
伸 中島
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Nakajima Steel Pipe Co Ltd
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Nakajima Steel Pipe Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各平板部を扁平状にでき、各直角状折曲げ部
の大きさや形状を均等状にできる四角形鋼管の製造方法
を提供する。 【解決手段】 鋼板1の、幅方向Wにおける四箇所を折
り曲げて形成した角形鋼管8を長さ方向に搬送しなが
ら、ロール手段40のロール42〜44群を四辺外面に
作用させるに際し、角形鋼管8の四隅内面にそれぞれコ
ーナ矯正部材52を圧接させた状態で、角形鋼管8を間
欠搬送させることにより、四隅内面を同一状の曲げ半径
Rに矯正する。四角形鋼管は、平板部が波打ち状や下膨
れ湾曲状にならず、直角状折曲げ部の曲げ半径の大きさ
はもとより、曲げ半径の形状も均等状にでき、品質が良
く、特に大径で極厚肉の場合に好適となる。各直角状折
曲げ部の形状が均一なため、後工程における通しダイヤ
フラムの施工を容易に行え、特に通しダイヤフラムの自
動溶接も容易に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば建築用の
柱材に使用される正方体形状や直方体形状などの大径で
厚肉(たとえば32mm以上の極厚肉)の四角形鋼管を得
るのに採用される四角形鋼管の製造方法及び鋼管成形装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、四角形鋼管の製造は、次のように
して行われていた。すなわち、図10の(a)に示す厚
さ12〜40mmで帯状の鋼板1は、帯鋼板を長さ方向に
搬送し、トリミング開先加工機に通して幅方向Wにおけ
る両側縁に開先2を加工し、この前後に所定長さに切断
することで形成される。そして図10の(b)や図10
の(c)に示すように、鋼板1を前段の成形プレス装置
20に入れ、下金型21に対する上金型22の昇降動に
より、幅方向Wにおける開先2寄りの二箇所を直角状
(90度またはほぼ90度)に折り曲げて、直角状折曲
げ部(隅部)3を成形する。
【0003】次いで図11の(a)や図11の(b)に
示すように、鋼板1を後段の成形プレス装置25に入
れ、下金型26に対する上金型27の昇降動により、直
角状折曲げ部3の内側の二箇所を鈍角(約110度)に
折り曲げて、鈍角折曲げ部(隅部)4Aを成形する。こ
れにより、鈍角折曲げ部4A間が中間平板部5、この中
間平板部5に連なる部分が一対の側平板部6、直角状折
曲げ部3の外側が端平板部7である近似四角形状鋼管8
を形成する。その際に上金型27は曲っているため、強
度面などから厚さTは厚いものとなり、以て開先1間の
開口部長さLは長いものになる。
【0004】そして図12に示すように、仮付け溶接機
の部分で、各平板部(四辺)5,6,7をロール成形装
置(フォーミングロールスタンド)90のロール91,
92群(またはシリンダー)により外側から加圧するこ
とにより、鈍角折曲げ部4Aを直角状折曲げ部4に成形
しながら開先2どうしを突き合わせして四角形状鋼管9
とし、この突き合わせ部に対して、図13の実線に示す
ように、仮付け溶接10を施工する。
【0005】その後に、四角形状鋼管9を内面溶接機に
移して内面溶接を施工したのち、外面溶接機に移して外
面溶接を施工し、以て図13の仮想線に示すように、端
平板部(一辺)に突き合わせ溶接部(シーム溶接部)1
1を有する大径で厚肉の四角形鋼管(製品)12を製造
し得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の製造方法によると、ロール成形装置90のロール9
1,92群によって、鈍角折曲げ部4Aを直角状折曲げ
部4に成形して開口部をなくする際に、開口部長さLが
長いことから鈍角折曲げ部4Aや中間平板部5に無理が
生じる。これによって図12、図13に示すように、中
間平板部5が波打ち状や下膨れ湾曲状になったり、また
直角状折曲げ部4の曲げ半径R2が、前段の成形プレス
装置20において成形した直角状折曲げ部3の曲げ半径
R1に対して、大きさや形状が異なったりし、すなわ
ち、各直角状折曲げ部3,3、4,4の形状がばらばら
で均等になり難いものになる。これらのことで、四角形
鋼管12は品質が悪いものになる。
【0007】また各直角状折曲げ部3,3、4,4の形
状が不均一なため、後工程における通しダイヤフラムの
施工が容易に行えず、特に通しダイヤフラムの自動溶接
は行えなかった。
【0008】そこで本発明の請求項1記載の発明は、各
平板部を扁平状とし得、そして各直角状折曲げ部の大き
さや形状を均等状にし得る四角形鋼管の製造方法を提供
することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明の請求項1記載の四角形鋼管の製造方法
は、鋼板の、幅方向における四箇所を折り曲げて形成し
た角形鋼管を長さ方向に搬送しながら、ロール手段のロ
ール群を四辺外面に作用させるに際し、角形鋼管の四隅
内面にそれぞれコーナ矯正部材を圧接させた状態で、こ
の角形鋼管を間欠搬送させることにより、これら四隅内
面を同一状の曲げ半径に矯正することを特徴としたもの
である。
【0010】したがって請求項1の発明によると、角形
鋼管を長さ方向に搬送しながら、この角形鋼管の四辺を
ロール手段のロール群によって成形する際に、角形鋼管
の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材を押し開き状に圧
接させることで、これらコーナ矯正部材を内型としてロ
ール群により四辺外面の成形を行うことになって、四隅
内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角形鋼管を成形し
得る。
【0011】また本発明の請求項2記載の四角形鋼管の
製造方法は、上記した請求項1記載の構成において、鋼
板の、幅方向における開先相当部寄りの二箇所を直角状
に折り曲げるとともに、この直角状折曲げ部の内側の二
箇所を鈍角に折り曲げて、開先相当部間に開口部を有す
る近似四角形状鋼管を成形し、この近似四角形状鋼管を
長さ方向に搬送しながら、成形ロール手段の成形ロール
群を四辺外面に作用させて成形するに際し、近似四角形
状鋼管の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材を圧接さ
せ、その後に、左右の開先相当部により形成した一つの
突き合わせ部を溶接することを特徴としたものである。
【0012】したがって請求項2の発明によると、四箇
所を折り曲げて開先相当部間に開口部を有する形状とし
た近似四角形状鋼管を長さ方向に搬送しながら、この近
似四角形状鋼管の四辺を成形ロール手段の成形ロール群
により押圧成形することにより、両鈍角折曲げ部を直角
状折曲げ部に曲げ成形しながら開先相当部間を突き合わ
せして四角形状鋼管に成形し得る。このように、成形ロ
ール手段により四角形状鋼管に成形する際に、コーナ矯
正部材によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正し
得、以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角形
状鋼管を成形し得る。次いで溶接手段によって、四角形
状鋼管の突き合わせ溶接部に対する溶接を行うことで、
大径で厚肉の四角形鋼管(製品)を製造し得る。
【0013】そして本発明の請求項3記載の四角形鋼管
の製造方法は、上記した請求項1記載の構成において、
鋼板の、幅方向における四箇所を直角状に折り曲げると
ともに、左右の開先相当部により形成した一つの突き合
わせ部を溶接して四角形状鋼管を成形し、この四角形状
鋼管を長さ方向に搬送しながら、整形ロール手段の整形
ロール群を四辺外面に作用させて整形するに際し、四角
形状鋼管の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材を圧接さ
せることを特徴としたものである。
【0014】したがって請求項3の発明によると、突き
合わせ部を溶接して成形した四角形状鋼管を長さ方向に
搬送しながら、四角形状鋼管の四辺を整形ロール手段の
整形ロール群により押圧整形することにより、四角形鋼
管とし得る。このように、整形ロール手段により四角形
鋼管に整形する際に、コーナ矯正部材によって四隅内面
を同一状の曲げ半径に矯正し得、以て四隅内面を同一状
の曲げ半径に矯正した大径で厚肉の四角形鋼管を製造し
得る。
【0015】本発明の請求項4記載の鋼管成形装置は、
長さ方向に間欠搬送される角形鋼管の四辺外面にロール
群を作用させるロール手段と、このロール手段に対向し
て角形鋼管内に配設される四隅矯正手段とからなり、四
隅矯正手段は、前記角形鋼管の長さ方向に移動自在でか
つ搬送逆方向に移動付勢された本体と、この本体に設け
られ前記角形鋼管の四隅内面に圧接離間自在なコーナ矯
正部材と、これらコーナ矯正部材を圧接離間させる作動
装置とから構成されていることを特徴としたものであ
る。
【0016】したがって請求項4の発明によると、ロー
ル手段のロール群を四辺外面に加圧作用させる際に、四
隅矯正手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正
し得る。すなわち間欠搬送を停止した設定時間中におい
ては、コーナ矯正部材群を離間動させて上手側に移動さ
せている。そして作動装置を作動することにより、コー
ナ矯正部材群を突出動させて角形鋼管の四隅内面にそれ
ぞれ圧接させる。
【0017】このような状態において、角形鋼管の間欠
搬送を行ってロール手段のロール群を四辺外面に作用さ
せる際に、コーナ矯正部材群を押し開き状に当接させて
いることで、これらコーナ矯正部材群を内型としてロー
ル群により四辺外面の成形を行えることになる。これに
より、四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正し得、以て各
直角状折曲げ部の大きさや形状を均等状にし得るととも
に、中間平板部は偏平状を損なうことなく整形し得る。
【0018】そして、設定した加圧成形長さの搬送を行
ったのち、間欠搬送を停止させ、かつ作動装置を逆作動
させてコーナ矯正部材群を離間動させる。これにより最
初の状態に戻り、以て作動が繰り返される。以上によ
り、角形鋼管を大径で厚肉の四角形鋼管に整形し得る。
【0019】また本発明の請求項5記載の鋼管成形装置
は、上記した請求項4記載の構成において、鋼板の、幅
方向における開先相当部寄りの二箇所を直角状に折り曲
げるとともに、この直角状折曲げ部の内側の二箇所を鈍
角に折り曲げて得た近似四角形状鋼管を成形するに際
し、前記近似四角形状鋼管を長さ方向に支持搬送する支
持搬送手段と、長さ方向に間欠搬送される近似四角形状
鋼管の四辺外面に成形ロール群を作用させる成形ロール
手段と、この成形ロール手段に対向して近似四角形状鋼
管内に配設される四隅矯正手段とからなることを特徴と
したものである。
【0020】したがって請求項5の発明によると、四箇
所を折り曲げて開先相当部間に開口部を有する形状とし
た近似四角形状鋼管を、支持搬送手段を介して長さ方向
に搬送しながら、成形ロール手段によって最終成形し得
る。すなわち、近似四角形状鋼管の四辺を成形ロール群
により押圧成形することにより、両鈍角折曲げ部を直角
状折曲げ部に曲げ成形しながら開先相当部間を突き合わ
せして四角形状鋼管に成形し得る。このように、成形ロ
ール手段により四角形状鋼管に成形する際に、四隅矯正
手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正し得、
以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角形状鋼
管を成形し得る。
【0021】そして本発明の請求項6記載の鋼管成形装
置は、上記した請求項4記載の構成において、鋼板の、
幅方向における四箇所を直角状に折り曲げるとともに、
左右の開先相当部により形成した一つの突き合わせ部を
溶接して得た四角形状鋼管を整形するに際し、前記四角
形状鋼管を長さ方向に支持搬送する支持搬送手段と、前
記四角形状鋼管を間欠搬送しながら、この四角形状鋼管
の四辺外面に整形ロール群を作用させる整形ロール手段
と、この整形ロール手段に対向して四角形状鋼管内に配
設される四隅矯正手段とからなることを特徴としたもの
である。
【0022】したがって請求項6の発明によると、突き
合わせ部を溶接して成形した四角形状鋼管を、支持搬送
手段を介して長さ方向に搬送しながら、四角形状鋼管の
四辺を整形ロール手段の整形ロール群により押圧整形す
ることにより、四角形鋼管とし得る。このように、整形
ロール手段により四角形鋼管に整形する際に、四隅矯正
手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正し得、
以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した大径で厚肉
の四角形鋼管を製造し得る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
1〜図7に基づいて説明する。なお、鋼鈑から近似四角
形状鋼管を成形するまでの工程は、上記した従来工程
(図10、図11)と同様であるので、同一またはほぼ
同一の構成物には同じ符号を付けて、その詳細は省略す
る。すなわち図1、図4において、2は開先(開先相当
部の一例)、3は直角状折曲げ部(隅部)、4Aは鈍角
折曲げ部(隅部)、5は中間平板部、6は側平板部、7
は端平板部、8は近似四角形状鋼管(角形鋼管の一
例)、Lは開口部長さをそれぞれ示す。
【0024】図11の(b)に示すように、後段の成形
プレス装置25より形成された開先1間の開口部長さL
の長い近似四角形状鋼管8は、図1〜図3に示す支持搬
送手段30によって長さ方向に支持搬送される。
【0025】この支持搬送手段30はローラテーブル3
1を搬送方向の複数箇所に配設することで構成され、各
ローラテーブル31には、搬送方向に対して直交状の横
方向軸心の回りに回転自在な搬送用ローラ32が設けら
れる。そして近似四角形状鋼管8は、下位とされた中間
平板部5が搬送用ローラ32群によって下方から支持案
内されることで、搬送経路33上で搬送される。以上の
31、32などによって支持搬送手段30の一例が構成
される。
【0026】この搬送経路33の部分には、上手側から
下手側へと順に、搬送駆動手段35と、成形ロール手段
(ロール手段の一例)40と、溶接手段45とが配設さ
れている。そして成形ロール手段40に対向して、近似
四角形状鋼管8内に四隅矯正手段51が配設されてい
る。
【0027】搬送駆動手段35は近似四角形状鋼管8に
対して予備成形(前段成形)を行うもので、スタンド3
6に、下位ピンチロール37と上位ピンチロール38と
を横方向軸心の回りに回転自在に配設して構成される。
ここで下位ピンチロール37は中間平板部5を下方から
支持案内し、また上位ピンチロール38は一対の端平板
部7を上方から加圧成形しながら案内するように構成さ
れている。
【0028】そしてピンチロール37,38のうち、少
なくとも一方に回転駆動装置(図示せず。)が連動連結
されており、この回転駆動装置によりピンチロール3
7,38が間欠的に強制回転されることで、支持搬送手
段30などにより支持案内されている近似四角形状鋼管
8が間欠的に搬送されるように構成されている。以上の
36〜38などによって搬送駆動手段35の一例が構成
される。
【0029】成形ロール手段40は、近似四角形状鋼管
8に対して最終成形を行って四角形状鋼管9とするもの
で、スタンド41に、下位成形ロール(ロールの一例)
42と左右一対の側位成形ロール(ロールの一例)43
と上位成形ロール(ロールの一例)44とを配設して構
成される。その際に下位成形ロール42と上位成形ロー
ル44とは横方向軸心の回りに回転自在であり、また一
対の側位成形ロール43は縦方向軸心の回りに回転自在
である。
【0030】そして、下位成形ロール42は中間平板部
5を下方から支持案内し、一対の側位成形ロール43は
側平板部6を側方から加圧成形しながら案内し、上位成
形ロール44は一対の端平板部7を上方から加圧成形し
ながら案内するように構成されている。以上の41〜4
4などによって成形ロール手段40の一例が構成され
る。
【0031】溶接手段45は、四角形状鋼管9の突き合
わせ溶接部11に対して仮付け溶接10を行うもので、
スタンド46に、下位ロール47と左右一対の側位ロー
ル48と上位ロール49とを配設するとともに、溶接ト
ーチ50を配設して構成される。その際に下位ロール4
7と上位ロール49とは横方向軸心の回りに回転自在で
あり、また一対の側位ロール48は縦方向軸心の回りに
回転自在である。
【0032】そして、下位ロール47は中間平板部5を
下方から支持案内し、一対の側位ロール48は側平板部
6を側方から加圧しながら案内し、上位ロール49は一
対の端平板部7を上方から加圧しながら案内するように
構成されている。また溶接トーチ50はロール47〜4
9群の下手に配設されて、左右の開先2により形成した
一つの突き合わせ溶接部11に対して仮付け溶接10を
行うように構成されている。以上の46〜50などによ
って溶接手段45の一例が構成される。
【0033】四隅矯正手段51は、近似四角形状鋼管8
の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材52を圧接させた
状態で、この近似四角形状鋼管8を上述したように間欠
搬送させることにより、これら四隅内面を同一状の曲げ
半径Rに矯正するもので、その本体53は、成形ロール
手段40の成形ロール42〜44群に対向されて近似四
角形状鋼管8内に位置される。
【0034】その際に本体53は、前記近似四角形状鋼
管8の長さ方向に移動自在でかつ搬送逆方向に移動付勢
されている。すなわち、搬送駆動手段35よりも上手に
おいてスタンド54が設けられ、このスタンド54に横
方向軸55を介して連結された腕体56が開口部を通っ
て近似四角形状鋼管8内に位置されるとともに、この腕
体56の下部に搬送方向のガイド筒57が設けられてい
る。ここでガイド筒57のガイド孔57aは四角状に形
成されている。
【0035】そして、ロッド状の押し引き杆58が設け
られ、この押し引き杆58の上手側部分に被ガイド部5
8aが一体形成されている。この被ガイド部58aは四
角棒状で、前記ガイド孔57aに挿通されている。ここ
で被ガイド部58aはガイド筒57に対して長く形成さ
れ、以て摺動自在に挿通されている。
【0036】また被ガイド部58aの上手端には受け座
59が螺合形式などにより設けられ、この受け座59と
ガイド筒57の上手端面との間にばね(付勢体の一例)
60が設けられている。このばね60によって、押し引
き杆58は搬送逆方向に移動付勢され、その際に被ガイ
ド部58aの下手端部分に形成される被ストッパ面58
bがガイド筒57の下手端面に当接されることで、押し
引き杆58の搬送逆方向への移動限が規制される。
【0037】前記押し引き杆58の下手側端部に作動装
置(詳細は後述する。)63の一部を構成するシリンダ
ー装置64のシリンダー本体65が連結され、このシリ
ンダー本体65の下手側端部に前記本体53が連結され
ている。
【0038】この本体53には前記コーナ矯正部材52
が、前記近似四角形状鋼管8の四隅内面に圧接離間自在
に設けられる。すなわち本体53は八角筒状であって、
一つ置きの辺部が各隅部に対向して配設され、これら一
つ置きの辺部に貫通部61が形成されている。これら貫
通部61に各コーナ矯正部材52が嵌め込まれること
で、各コーナ矯正部材52は前記近似四角形状鋼管8の
四隅内面に圧接離間自在に構成され、そして圧接によっ
て、四隅を内側から押し開くように構成されている。
【0039】その際に各コーナ矯正部材52の外周面
は、四隅内面を同一状の曲げ半径Rに矯正し得る突曲面
52aに形成されている。また各コーナ矯正部材52の
内端部分には、搬送経路33の方向に振分けて一対の被
係合部52bが形成されている。これら被係合部52b
は、逆Tの字の突起状であり、下手側が上位となる(広
がる)ように所定角度で傾斜されている。
【0040】各コーナ矯正部材52を圧接離間させる前
記作動装置63が設けられる。すなわち、作動装置63
の一部を構成する前記シリンダー装置64は、そのピス
トンロッド66が下手側に突出されている。そしてピス
トンロッド66には、搬送経路33の方向に振分けて一
対の係合体67が設けられている。これら係合体67に
は、前記被係合部52bが係合自在な係合部67aが形
成され、これら係合部67aは逆Tの字の溝状であり、
下手側が上位となるように所定角度で傾斜されている。
【0041】なお、押し引き杆58には、搬送駆動手段
35の下位ピンチロール37に対向される状態でガイド
ロール68が配設されている。以上の52〜68などに
より四隅矯正手段51の一例が構成される。
【0042】以下に、上記した実施の形態における作用
を説明する。鋼板1の、幅方向Wにおける開先2寄りの
二箇所を直角状に折り曲げるとともに、この直角状折曲
げ部3の内側の二箇所を鈍角に折り曲げて、開先2間に
開口部を有する状態に成形した近似四角形状鋼管8は、
下位とされた中間平板部5が支持搬送手段30の搬送用
ローラ32群によって下方から支持案内されることで、
搬送駆動手段35による搬送力によって搬送経路33上
で長さ方向に間欠搬送される。
【0043】そして近似四角形状鋼管8を間欠搬送しな
がら、まず搬送駆動手段35によって予備成形が行われ
る。これは、下位ピンチロール37により中間平板部5
を下方から支持案内しながら、上位ピンチロール38に
より一対の端平板部7を上方から加圧成形することで行
われる。すなわち上下からのロール成形によって、開先
2が中間平板部5に接近するように端平板部7を上方か
ら加圧成形しかつ両鈍角折曲げ部4Aが直角に近づくよ
うに曲げ成形することになり、以て開口部長さが短く
(狭く)なるように加圧成形される。
【0044】その際に回転駆動装置が間欠駆動制御され
ることで、間欠搬送長さ、すなわち加圧成形長さPLは
設定長さで行われ、そして設定時間で停止されたのち、
再び設定された加圧成形長さPLの搬送が行われ、これ
が繰り返される。
【0045】次いで近似四角形状鋼管8は成形ロール手
段40によって最終成形される。すなわち、下位成形ロ
ール42により中間平板部5を下方から支持案内しなが
ら、一対の側位成形ロール43により側平板部6を内側
へ加圧成形するとともに、上位成形ロール44により一
対の端平板部7を下方へ押圧成形することで行われる。
これにより近似四角形状鋼管8は、両鈍角折曲げ部4A
を直角状折曲げ部4に曲げ成形しながら開先2どうしを
突き合わせされ、以て四角形状鋼管9に成形される。
【0046】このように、成形ロール手段40の成形ロ
ール42〜44群を四辺外面、つまり各平板部5〜7の
外面に加圧作用させて成形する際に、四隅矯正手段51
によって四隅内面が同一状の曲げ半径Rに矯正される。
【0047】すなわち、間欠搬送が停止された設定時間
中においては、図1、図3、図6(d)に示すように、
コーナ矯正部材52群は離間動されかつ上手側に移動さ
れている。その際にコーナ矯正部材52群の離間動は、
作動装置63におけるシリンダー装置64を伸展動させ
て係合体67を下手側に移動させ、係合部67aの内側
寄りの部分に被係合部52bを位置させることで行われ
る。またコーナ矯正部材52群の上手側への移動は、コ
ーナ矯正部材52群の離間動により圧接が開放されるこ
とで、ばね60の弾性力により押し引き杆58などが上
手側に移動されることになって自動的に行われる。
【0048】さらに、コーナ矯正部材52群が上手側に
移動されたのちで、かつ間欠搬送が停止された設定時間
中において、作動装置63におけるシリンダー装置64
が収縮動されて係合体67が上手側に移動される。これ
により、係合部67aの外側寄りの部分に被係合部52
bが位置されることになり、以てコーナ矯正部材52群
は突出動されて、図5、図6(a)に示すように、近似
四角形状鋼管8の四隅内面にそれぞれ圧接される。
【0049】このような状態において、近似四角形状鋼
管8の間欠搬送が行われることで、前述したように、成
形ロール手段40の成形ロール42〜44群を各平板部
5〜7の外面に加圧作用させて最終成形を行え、その際
に、コーナ矯正部材52群が押し開き状に当接されてい
ることで、これらコーナ矯正部材52群を内型として成
形ロール42〜44群により各平板部5〜7の外面成形
が行われることになる。このとき、コーナ矯正部材52
群などは、ばね60の弾性力に抗して近似四角形状鋼管
8と一体状に搬送される。
【0050】これにより、四隅内面は、それぞれ突曲面
52aに押し付けられて成形されることになって同一状
の曲げ半径Rに矯正され、以て各直角状折曲げ部3,
3、4,4の大きさや形状を均等状にし得るとともに、
中間平板部5は偏平状を損なうことなく成形し得る。な
お、曲げ半径Rは、各種(12mm、16mm、19mmな
ど)が対応可能である。
【0051】そして図6(b)に示すように、設定され
た加圧成形長さPLの搬送が行われたのち、間欠搬送を
停止させ、かつ前述したように作動装置63におけるシ
リンダー装置64を伸展動させ、以て図6(c)に示す
ように、コーナ矯正部材52群を離間動させる。これに
より最初の状態に戻り、以て作動が繰り返される。以上
により、近似四角形状鋼管8を四角形状鋼管9に成形し
得る。
【0052】次いで溶接手段45によって、四角形状鋼
管9の突き合わせ溶接部11に対する仮付け溶接10が
行われる。すなわち、下位ロール47により中間平板部
5を下方から支持案内し、一対の側位ロール48により
側平板部6を側方から加圧案内し、上位ロール49によ
り一対の端平板部7を上方から加圧案内することで、四
角形状鋼管9の形状を規制かつ維持しながら、溶接トー
チ50によって、左右の開先2により形成した一つの突
き合わせ溶接部11に対して仮付け溶接10が行われ
る。
【0053】その後に、四角形状鋼管9を内面溶接機に
移して内面溶接を施工したのち、外面溶接機に移して外
面溶接を施工し、以て図7の仮想線に示すように、端平
板部(一辺)に突き合わせ溶接部(シーム溶接部)11
を有する大径で厚肉の四角形鋼管(製品)12を製造し
得る。
【0054】これにより四角形鋼管12は、各平板部
5,6,7が波打ち状や下膨れ湾曲状にならず、また各
直角状折曲げ部3,4の内面の曲げ半径Rの大きさはも
とより、曲げ半径Rの形状も均等状になり、以て品質の
良いものとなる。
【0055】上記した実施の形態では、溶接手段45に
よって突き合わせ溶接部11に対する仮付け溶接10を
行っているが、これは内面溶接や外面溶接などの本溶接
を行ってもよい。
【0056】上記した実施の形態では、搬送駆動手段3
5として近似四角形状鋼管8に対して予備成形(前段成
形)を行うものを兼用しているが、これは搬送駆動を別
個に行う形式であつてもよい。
【0057】次に、本発明の別の実施の形態を、図8、
図9に基づいて説明する。たとえば前述した従来の製造
方法などにより、鋼板1の、幅方向Wにおける四箇所を
直角状に折り曲げるとともに、左右の開先相当部により
形成した一つの突き合わせ部11を溶接して四角形状鋼
管9を得ている。
【0058】この四角形状鋼管9を、別のライン(オフ
ライン)で長さ方向に搬送しながら整形するに際し、四
角形状鋼管9を長さ方向に支持搬送する支持搬送手段7
0と、前記四角形状鋼管9を間欠搬送しながら、この四
角形状鋼管9の四辺外面に整形ロール群を作用させる整
形ロール手段(ロール手段の一例)80と、この整形ロ
ール手段80に対向して四角形状鋼管9内に配設されか
つ前述した実施の形態と同様の構成の四隅矯正手段51
とが設けられる。
【0059】すなわち支持搬送手段70は、ローラテー
ブル71を搬送方向の複数箇所に配設することで構成さ
れ、各ローラテーブル71には、搬送方向に対して直交
状の横方向軸心の回りに回転自在な搬送用ローラ72が
設けられる。そして近似四角形状鋼管8は、下位とされ
た中間平板部5が搬送用ローラ72群によって下方から
支持案内されることで、搬送経路73上で搬送される。
以上の71、72などによって支持搬送手段70の一例
が構成される。
【0060】前記整形ロール手段80は、四角形状鋼管
9を長さ方向に搬送しながら整形するもので、スタンド
81に、下位整形ロール(ロールの一例)82と左右一
対の側位整形ロール(ロールの一例)83と上位整形ロ
ール(ロールの一例)84とを配設して構成される。そ
の際に下位整形ロール82と上位整形ロール84とは横
方向軸心の回りに回転自在であり、また一対の側位整形
ロール83は縦方向軸心の回りに回転自在である。
【0061】そして、下位整形ロール82は中間平板部
5を下方から支持案内し、一対の側位整形ロール83は
側平板部6を側方から加圧成形しながら案内し、上位整
形ロール84は一対の端平板部7を上方から加圧成形し
ながら案内するように構成されている。以上の81〜8
4などによって整形ロール手段80の一例が構成され
る。
【0062】ここで整形ロール83〜84のうち少なく
とも1個の整形ロール、たとえば下位整形ロール82に
は正逆駆動自在な回転駆動装置(図示せず。)が連動連
結されている。そして、回転駆動装置により下位整形ロ
ール82が間欠的に強制回転されることで、支持搬送手
段70により支持案内されている四角形状鋼管9が間欠
的に搬出され、また回転駆動装置により下位整形ロール
82が逆方向に強制回転されることで、四角形状鋼管9
が搬入されるように構成されている。
【0063】以下に、上記した別の実施の形態における
作用を説明する。回転駆動装置により下位整形ロール8
2が逆方向に強制回転されることで、四角形状鋼管9
が、支持搬送手段70の搬送用ローラ72群により支持
案内されてて搬入される。このとき四隅矯正手段51で
は、コーナ矯正部材52群は離間動されかつ上手側に移
動されており、以て搬入される四角形状鋼管9は外嵌さ
れることになる。
【0064】この搬入が十分に行われた状態で、下位整
形ロール82が間欠的に強制回転されることで、支持搬
送手段70により支持案内されている四角形状鋼管9が
間欠的に搬出される。
【0065】そして四角形状鋼管9を間欠搬送しなが
ら、整形ロール手段80によって最終整形される。すな
わち、下位整形ロール82により中間平板部5を下方か
ら支持案内しながら、一対の側位整形ロール83により
側平板部6を内側へ整形するとともに、上位整形ロール
84により一対の端平板部7を下方へ整形することで行
われる。これにより四角形状鋼管9は四角形鋼管12に
整形される。
【0066】このように、整形ロール手段80の整形ロ
ール82〜84群を四辺外面、つまり各平板部5〜7の
外面に加圧作用させて成形する際に、前述した実施の形
態と同様に、四隅矯正手段51によって四隅内面が同一
状の曲げ半径Rに矯正される。
【0067】すなわち、間欠搬送が停止された設定時間
中においては、コーナ矯正部材52群は離間動されかつ
上手側に移動されている。そして、コーナ矯正部材52
群が上手側に移動されたのちで、かつ間欠搬送が停止さ
れた設定時間中において、作動装置63におけるシリン
ダー装置64が収縮動されることにより、コーナ矯正部
材52群は突出動されて、四角形状鋼管9の四隅内面に
それぞれ圧接される。
【0068】このような状態において、四角形状鋼管9
の間欠搬送が行われることで、前述したように、整形ロ
ール手段80の成形ロール82〜84群を各平板部5〜
7の外面に加圧作用させて最終整形を行え、その際に、
コーナ矯正部材52群が押し開き状に当接されているこ
とで、これらコーナ矯正部材52群を内型として整形ロ
ール82〜84群により各平板部5〜7の外面整形が行
われることになる。
【0069】これにより、四隅内面は、それぞれ突曲面
52aに押し付けられて成形されることになって同一状
の曲げ半径Rに矯正され、以て各直角状折曲げ部3,
3、4,4の大きさや形状を均等状にし得るとともに、
中間平板部5は偏平状を損なうことなく整形し得る。
【0070】そして、設定された加圧成形長さPLの搬
送が行われたのち、間欠搬送を停止させ、かつ作動装置
63におけるシリンダー装置64を伸展動させてコーナ
矯正部材52群を離間動させる。これにより最初の状態
に戻り、以て作動が繰り返される。以上により、四角形
状鋼管9を大径で厚肉の四角形鋼管(製品)12に整形
し得る。これにより四角形鋼管12は、各平板部5,
6,7が波打ち状や下膨れ湾曲状にならず、また各直角
状折曲げ部3,4の内面の曲げ半径Rの大きさはもとよ
り、曲げ半径Rの形状も均等状になり、以て品質の良い
ものとなる。
【0071】なお必要に応じて、一対の側位整形ロール
83は相対的に接近離間自在に構成され、そして上位整
形ロール84は昇降自在に構成されている。上記した両
実施の形態では、開先2を加工した鋼板1が使用されて
いるが、この開先2の形状は、溶接手段45による溶接
形式に応じて好適なものが採用され、また開先2のない
場合でもよい。
【0072】上記した両実施の形態では、一辺に突き合
わせ溶接部(シーム溶接部)を有する大径で厚肉の四角
形鋼管(製品)12を製造しているが、これは大径で薄
肉の四角形鋼管、小径で厚肉の四角形鋼管、小径で薄肉
の四角形鋼管などの製造であってもよい。
【0073】
【発明の効果】上記した本発明の請求項1によると、角
形鋼管を長さ方向に搬送しながら、この角形鋼管の四辺
をロール手段のロール群によって成形する際に、角形鋼
管の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材を押し開き状に
圧接させることで、これらコーナ矯正部材を内型として
ロール群により四辺外面の成形を行うことになって、四
隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角形鋼管を成形
できる。
【0074】すなわち、製品である四角形鋼管は、各平
板部が波打ち状や下膨れ湾曲状にならず、各直角状折曲
げ部の曲げ半径の大きさはもとより、曲げ半径の形状も
均等状にでき、以て品質が良く、特に大径で極厚肉の場
合に好適な四角形鋼管を製造できる。したがって、四角
形鋼管を建物の柱に使用したとき外観のよいものにで
き、さらに建物を構築するとき工作し易くて安価にな
る。しかも、各直角状折曲げ部の形状が均一状であるた
め、後工程における通しダイヤフラムの施工を容易に行
え、特に通しダイヤフラムの自動溶接も容易に行うこと
ができる。
【0075】また上記した本発明の請求項2によると、
四箇所を折り曲げて開先相当部間に開口部を有する形状
とした近似四角形状鋼管を長さ方向に搬送しながら、こ
の近似四角形状鋼管の四辺を成形ロール手段の成形ロー
ル群により押圧成形することにより、両鈍角折曲げ部を
直角状折曲げ部に曲げ成形しながら開先相当部間を突き
合わせして四角形状鋼管に成形できる。このように、成
形ロール手段により四角形状鋼管に成形する際に、コー
ナ矯正部材によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正
でき、以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角
形状鋼管を成形できる。次いで溶接手段によって、四角
形状鋼管の突き合わせ溶接部に対する溶接を行うこと
で、大径で厚肉の四角形鋼管を製造できる。
【0076】そして上記した本発明の請求項3による
と、突き合わせ部を溶接して成形した四角形状鋼管を長
さ方向に搬送しながら、四角形状鋼管の四辺を整形ロー
ル手段の整形ロール群により押圧整形することにより、
四角形鋼管に整形できる。このように、整形ロール手段
により四角形鋼管に整形する際に、コーナ矯正部材によ
って四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正でき、以て四隅
内面を同一状の曲げ半径に矯正した大径で厚肉の四角形
鋼管を製造できる。
【0077】上記した本発明の請求項4によると、ロー
ル手段のロール群を四辺外面に加圧作用させる際に、四
隅矯正手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正
できる。すなわち間欠搬送を停止した設定時間中におい
ては、コーナ矯正部材群を離間動させて上手側に移動さ
せている。そして作動装置を作動することにより、コー
ナ矯正部材群を突出動させて角形鋼管の四隅内面にそれ
ぞれ圧接できる。
【0078】このような状態において、角形鋼管の間欠
搬送を行ってロール手段のロール群を四辺外面に作用さ
せる際に、コーナ矯正部材群を押し開き状に当接させて
いることで、これらコーナ矯正部材群を内型としてロー
ル群により四辺外面の成形を行うことができる。これに
より、四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正でき、以て各
直角状折曲げ部の大きさや形状を均等状にできるととも
に、中間平板部は偏平状を損なうことなく整形できる。
【0079】そして、設定した加圧成形長さの搬送を行
ったのち、間欠搬送を停止させ、かつ作動装置を逆作動
させてコーナ矯正部材群を離間動させることにより、最
初の状態に戻り、以て作動を繰り返すことにより、角形
鋼管を大径で厚肉の四角形鋼管に整形できる。したがっ
て、四角形鋼管の製造方法における鋼管成形装置を容易
にかつ精度よく実現できる。
【0080】また上記した本発明の請求項5によると、
四箇所を折り曲げて開先相当部間に開口部を有する形状
とした近似四角形状鋼管を、支持搬送手段を介して長さ
方向に搬送しながら、成形ロール手段によって最終成形
できる。すなわち、近似四角形状鋼管の四辺を成形ロー
ル群により押圧成形することにより、両鈍角折曲げ部を
直角状折曲げ部に曲げ成形しながら開先相当部間を突き
合わせして四角形状鋼管に成形できる。このように、成
形ロール手段により四角形状鋼管に成形する際に、四隅
矯正手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正で
き、以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正した四角形
状鋼管を成形できる。
【0081】そして上記した本発明の請求項6による
と、突き合わせ部を溶接して成形した四角形状鋼管を、
支持搬送手段を介して長さ方向に搬送しながら、四角形
状鋼管の四辺を整形ロール手段の整形ロール群により押
圧整形することにより、四角形鋼管に整形できる。この
ように、整形ロール手段により四角形鋼管に整形する際
に、四隅矯正手段によって四隅内面を同一状の曲げ半径
に矯正でき、以て四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正し
た大径で厚肉の四角形鋼管を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、四角形鋼管
の製造方法における成形装置の一部切り欠き側面図であ
る。
【図2】同四角形鋼管の製造方法における成形装置の平
面図である。
【図3】同四角形鋼管の製造方法における成形装置の要
部の一部切り欠き側面図である。
【図4】同四角形鋼管の製造方法における成形装置の四
隅矯正手段部分の正面図である。
【図5】同四角形鋼管の製造方法における成形装置の四
隅矯正手段部分の縦断正面図である。
【図6】同四角形鋼管の製造方法における製造工程を示
す要部の一部切り欠き側面図である。
【図7】同四角形鋼管の製造方法により成形した四角形
鋼管の一部切り欠き正面図である。
【図8】本発明の別の実施の形態を示し、四角形鋼管の
成形装置の四隅矯正手段部分の縦断正面図である。
【図9】同四角形鋼管の製造方法における成形装置の一
部切り欠き側面図である。
【図10】本発明の実施の形態と従来例とを兼用した近
似四角形状鋼管の製造工程を示し、(a)は鋼鈑の正面
図、(b)は一箇所目の折り曲げの正面図、(c)は二
箇所目の折り曲げの正面図である。
【図11】同(a)は三箇所目の折り曲げの正面図、
(b)は四箇所目の折り曲げの正面図である。
【図12】従来例を示し、四角形鋼管の製造方法におけ
る最終成形時の正面図である。
【図13】同四角形鋼管の製造方法により成形した四角
形鋼管の一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
1 鋼鈑 2 開先(開先相当部) 3 直角状折曲げ部(隅部) 4 直角状折曲げ部 4A 鈍角折曲げ部(隅部) 5 中間平板部 6 側平板部 7 端平板部 8 近似四角形状鋼管(角形鋼管) 9 四角形状鋼管(角形鋼管) 10 仮付け溶接(溶接) 11 突き合わせ溶接部 12 四角形鋼管(製品) 20 前段の成形プレス装置 25 後段の成形プレス装置 30 支持搬送手段 32 搬送用ローラ 33 搬送経路 35 搬送駆動手段 37 下位ピンチロール 38 上位ピンチロール 40 成形ロール手段(ロール手段) 42 下位成形ロール(ロール) 43 側位成形ロール(ロール) 44 上位成形ロール(ロール) 45 溶接手段 47 下位ロール 48 側位ロール 49 上位ロール 50 溶接トーチ 51 四隅矯正手段 52 コーナ矯正部材 52a 突曲面 52b 被係合部 53 本体 57 ガイド筒 58 押し引き杆 60 ばね(付勢体) 61 貫通部 63 作動装置 64 シリンダー装置 67 係合体 67a 係合部 70 支持搬送手段 72 搬送用ローラ 73 搬送経路 80 整形ロール手段(ロール手段) 82 下位整形ロール(ロール) 83 側位整形ロール(ロール) 84 上位整形ロール(ロール) W 幅方向 L 開口部長さ R 曲げ半径 PL 加圧成形長さ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の、幅方向における四箇所を折り曲
    げて形成した角形鋼管を長さ方向に搬送しながら、ロー
    ル手段のロール群を四辺外面に作用させるに際し、角形
    鋼管の四隅内面にそれぞれコーナ矯正部材を圧接させた
    状態で、この角形鋼管を間欠搬送させることにより、こ
    れら四隅内面を同一状の曲げ半径に矯正することを特徴
    とする四角形鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 鋼板の、幅方向における開先相当部寄り
    の二箇所を直角状に折り曲げるとともに、この直角状折
    曲げ部の内側の二箇所を鈍角に折り曲げて、開先相当部
    間に開口部を有する近似四角形状鋼管を成形し、この近
    似四角形状鋼管を長さ方向に搬送しながら、成形ロール
    手段の成形ロール群を四辺外面に作用させて成形するに
    際し、近似四角形状鋼管の四隅内面にそれぞれコーナ矯
    正部材を圧接させ、その後に、左右の開先相当部により
    形成した一つの突き合わせ部を溶接することを特徴とす
    る請求項1記載の四角形鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 鋼板の、幅方向における四箇所を直角状
    に折り曲げるとともに、左右の開先相当部により形成し
    た一つの突き合わせ部を溶接して四角形状鋼管を成形
    し、この四角形状鋼管を長さ方向に搬送しながら、整形
    ロール手段の整形ロール群を四辺外面に作用させて整形
    するに際し、四角形状鋼管の四隅内面にそれぞれコーナ
    矯正部材を圧接させることを特徴とする請求項1記載の
    四角形鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 長さ方向に間欠搬送される角形鋼管の四
    辺外面にロール群を作用させるロール手段と、このロー
    ル手段に対向して角形鋼管内に配設される四隅矯正手段
    とからなり、四隅矯正手段は、前記角形鋼管の長さ方向
    に移動自在でかつ搬送逆方向に移動付勢された本体と、
    この本体に設けられ前記角形鋼管の四隅内面に圧接離間
    自在なコーナ矯正部材と、これらコーナ矯正部材を圧接
    離間させる作動装置とから構成されていることを特徴と
    する鋼管成形装置。
  5. 【請求項5】 鋼板の、幅方向における開先相当部寄り
    の二箇所を直角状に折り曲げるとともに、この直角状折
    曲げ部の内側の二箇所を鈍角に折り曲げて得た近似四角
    形状鋼管を成形するに際し、前記近似四角形状鋼管を長
    さ方向に支持搬送する支持搬送手段と、長さ方向に間欠
    搬送される近似四角形状鋼管の四辺外面に成形ロール群
    を作用させる成形ロール手段と、この成形ロール手段に
    対向して近似四角形状鋼管内に配設される四隅矯正手段
    とからなることを特徴とする請求項4記載の鋼管成形装
    置。
  6. 【請求項6】 鋼板の、幅方向における四箇所を直角状
    に折り曲げるとともに、左右の開先相当部により形成し
    た一つの突き合わせ部を溶接して得た四角形状鋼管を整
    形するに際し、前記四角形状鋼管を長さ方向に支持搬送
    する支持搬送手段と、前記四角形状鋼管を間欠搬送しな
    がら、この四角形状鋼管の四辺外面に整形ロール群を作
    用させる整形ロール手段と、この整形ロール手段に対向
    して四角形状鋼管内に配設される四隅矯正手段とからな
    ることを特徴とする請求項4記載の鋼管成形装置。
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