JP2002001398A - 汚泥の処理方法及び装置 - Google Patents

汚泥の処理方法及び装置

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JP2002001398A
JP2002001398A JP2000193875A JP2000193875A JP2002001398A JP 2002001398 A JP2002001398 A JP 2002001398A JP 2000193875 A JP2000193875 A JP 2000193875A JP 2000193875 A JP2000193875 A JP 2000193875A JP 2002001398 A JP2002001398 A JP 2002001398A
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sludge
treatment
ozone
excess sludge
concentrated
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Akihiko Tsunoda
明彦 角田
Takeshi Matsuki
岳 松木
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Tsukishima Kikai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濃縮汚泥に対してオゾン処理することによっ
て、汚泥を可溶化させ、嫌気性消化の分解率を高め、消
化ガスの発生量の増加を図り、もって汚泥の減容化率を
高める。 【解決手段】有機性排液の好気性生物処理3によって際
に発生する余剰汚泥Sの処理方法であって、余剰汚泥を
濃縮処理5した後に、濃縮した余剰汚泥Saをオゾンに
よって可溶化処理し、その後この可溶化処理汚泥を嫌気
性消化処理8する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性排液を好気
性生物処理する過程で発生する余剰汚泥の処理方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】下水、し尿、各種産業排水などの有機性
排液は、一般に,図5に示されるような活性汚泥法等の
好気性生物処理によって処理されている。この活性汚泥
方法は、有機性排液Wを貯留槽1から曝気槽2に導き好
気性条件の下で活性汚泥と接触させて好気性生物処理さ
せる。しかる後、処理液W0を沈澱槽3にて処理水W1
余剰汚泥Sとに固液分離する。
【0003】この余剰汚泥Sの一部は、好気性微生物源
として一部が返送経路10を介して曝気槽2に返送され
る。この有機性排液の処理過程において回収される余剰
汚泥Sの量は非常に多い。従来、この余剰汚泥Sは、汚
泥を濃縮する濃縮処理5、濃縮汚泥Saを安定化および
減容化する嫌気性消化処理8、消化汚泥Scの脱水処理
9などの処理が施されたのち脱水ケーキとして最終処分
されたり、焼却・溶融処理など更なる減容化が図られ
る。
【0004】嫌気性消化処理は、汚泥自身の保有するエ
ネルギーを主にメタンガスなどとして回収しつつ余剰汚
泥を安定化、減容化させる処理方法であり、汚泥処理工
程の中では重要かつ有効な手段である。
【0005】しかし、近年の汚泥性状の変化等の原因に
よって、消化効率の低下や、消化日数の長期間化が問題
となっている。
【0006】また、最終処分場の確保や、汚泥処理の費
用の増加も深刻になってきており、余剰汚泥を可能な限
り生じないように長時間曝気処理する方法、特開平9−
75978号の示されているように、余剰汚泥の一部を
高温で可溶化して好気性生物処理のための曝気槽に返送
するあるいは生物難分解性有機物をオゾン酸化処理した
後曝気槽に返送する方法が提案されている。その他、酸
やアルカリ処理などの各種の方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の酸やアルカリ処
理では薬品コストが嵩み、処理量が大きい設備には不向
きである。
【0008】また、特開平9−75978号に開示され
た高温での可溶化処理及びオゾン酸化処理した後に曝気
槽(好気性生物処理)に返送する方法は有効であるとも
考えられるが、返送分が好気性生物処理の負荷増となり
処理水質が悪化する。
【0009】さらに根本的に、この方法では、いったん
好気性生物処理により微生物生体内に蓄積されたリンや
窒素の一部が高温での可溶化処理及びオゾン酸化処理に
より再び溶出し、返送処理によりリンの返送・循環系内
の蓄積及び窒素濃度の上昇を生じる可能性が懸念され
る。
【0010】この点に関し、本発明者らは、実験によ
り、オゾンによって余剰汚泥を可溶化した場合、溶解性
リンおよび生物難分解性物質濃度の指標となるCOD値
が上昇することを知見している。表1に、余剰汚泥をオ
ゾン処理によって可溶化したときの汚泥の成分変化を示
す。
【0011】
【表1】
【0012】この表1に注目すると、オゾン処理により
SS濃度が低下し、溶解性のリン濃度が上昇し、溶解性
リン/全リンの比率は20.6%にも達することがあ
り、COD値も上昇することが判る。このことは、オゾ
ン処理によって汚泥中の有機性物質やリン等が汚泥より
放出されて可溶化することを示している。したがって、
好気性生物処理への返送に伴ってリンや窒素などの返送
・循環系内の蓄積を生じるのである。
【0013】そこで、本発明の主たる課題は、余剰汚泥
を濃縮し、この濃縮汚泥に対してオゾン処理することに
よって、汚泥を可溶化させ、嫌気性消化の分解率を高
め、消化ガスの発生量の増加を図り、もって汚泥の減容
化率を高め、最終処分汚泥量を低減させることができ、
他方で可溶化処理を施した汚泥を好気性生物処理へ返送
させないことによりリンや窒素などの返送・循環系内の
蓄積を回避することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の請求項1記載の発明は、有機性排液の好気性生物処
理によって際に発生する余剰汚泥の処理方法であって、
余剰汚泥を濃縮処理した後に、濃縮した余剰汚泥をオゾ
ンによって可溶化処理し、その後この可溶化処理汚泥を
嫌気性消化処理することを特徴とする汚泥の処理方法で
ある。
【0015】請求項2記載の発明は、オゾンによる可溶
化処理の前に、余剰汚泥を50℃以上100℃未満の温
度に加熱処理を行う請求項1記載の余剰汚泥の処理方法
である。
【0016】請求項3記載の発明は、可溶化処理汚泥は
好気性生物処理に返送しない請求項1記載の余剰汚泥の
処理方法である。
【0017】請求項4記載の発明は、有機性排液の好気
性生物処理手段と、その好気性生物処理によって際に発
生する余剰汚泥を濃縮処理する手段と、濃縮した余剰汚
泥をオゾン処理によって可溶化する手段と、その可溶化
処理汚泥を嫌気性消化処理手段とを含むことを特徴とす
る汚泥の処理装置である。
【0018】請求項5記載の発明は、有機性排液の好気
性生物処理によって発生する余剰汚泥を濃縮処理する手
段と、濃縮した余剰汚泥をオゾン処理および熱処理によ
って可溶化する手段と、その可溶化処理汚泥を嫌気性消
化処理手段とを含むことを特徴とする汚泥の処理装置で
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら以下に詳述する。 <第1の実施の形態>図1に示す第1の実施の形態にお
いては、下水などの有機性排液Wが、貯留槽1にいった
ん貯留された後、曝気槽2に導入され、曝気槽2におい
て好気性条件にて活性汚泥と接触させられて好気性生物
処理される。本発明にいう好気性生物処理とは、活性汚
泥法、嫌気・好気活性汚泥法、生物学的硝化脱窒法、担
体添加活性汚泥法、生物膜法等、少なくとも処理工程内
に好気性曝気槽を持つ生物処理法の総称を意味する。処
理液W0は沈澱槽3にて処理水W1と余剰汚泥Sとに固液
分離され、清澄処理水W1は水質調整槽4にて水質調整
し、処理系外へ放流される。
【0020】一方、余剰汚泥Sは、好気性微生物源とし
て必要分を返送経路10を介して曝気槽2に返送し、他
部を遠心分離機などの濃縮装置5により濃縮処理する。
次いで、濃縮処理した濃縮余剰汚泥Saはオゾン処理槽
7Bに移送してオゾン処理する。オゾン処理槽7Bで
は、オゾン発生装置7Aで発生させたオゾンO3を導入
し、濃縮余剰汚泥Saの可溶化処理を行う。ここで、排
オゾンO3は排気経路を通って排オゾン処理塔7Eにて
処理して分解無害化したのちに大気解放する。ここで、
余剰汚泥のオゾン処理はバッチ式または連続式のどちら
の方式で行ってもよい。
【0021】次いで、オゾン処理槽7Bにて可溶化処理
した余剰汚泥Sbは、好気性生物処理に返送することな
く嫌気性消化処理装置8に移送し、嫌気性消化処理を行
い、発生ガスGを回収するとともに余剰汚泥Sbを安定
化および減容化を図る。この嫌気消化処理は、従来技術
に基づいて行うことができ、嫌気性消化処理での滞留時
間は、処理する汚泥の性状などによって、適宜変更する
ことができる。
【0022】嫌気性消化処理によって減容化および安定
化した後の廃汚泥Scは、脱水機9にて脱水したのち、
この脱水ケーキや焼却処理を施した焼却処分を施した焼
却灰等の形態で最終処分に供したり、コンポスト・建設
資材等のリサイクル原料となる。
【0023】<第2の実施の形態>本発明の第2の実施
の形態を図2に示す。濃縮装置5により濃縮処理した濃
縮余剰汚泥Saは、オゾン処理槽7Bにてオゾン処理す
るに先立ち、加熱装置6にて50℃以上100℃未満の
温度、より好適には60〜80℃に加熱するものであ
る。この加熱処理を行うことにより、オゾン処理による
可溶化が促進される。
【0024】(実験例)本発明者らは、実験により、余
剰汚泥を濃縮した後に、オゾン処理によって可溶化する
と、嫌気性消化効果が促進されることを知見した。以下
にその実験例を示す。本実験には、某下水処理場におけ
る下水処理過程で排出される余剰汚泥を遠心濃縮機にて
濃縮した濃縮余剰汚泥を用い、オゾン処理により可溶化
を行った後、嫌気性消化処理した。実験条件を表2に示
す。
【0025】
【表2】
【0026】本実験に使用したオゾン処理装置を図1
に、嫌気性消化処理装置は概略図を図2に示す。オゾン
処理装置7は、オゾン発生装置7AからオゾンO33
処理槽7Bに供給されるようになっている。前記処理槽
7Bには撹拌機7Cが取り付けられていて、撹拌混合に
より汚泥とオゾンO3とが均質に接触するようになって
いる。さらに、オゾン発生装置7Aから処理槽7Bにい
たる経路には、発生オゾン濃度計7Dが取り付けられて
いて、処理槽7Bに供給されるオゾン濃度が測定される
ようになっている。また、処理槽7Bから排出された排
オゾンO3は、排気経路に設置された排オゾン濃度計7
D’でオゾン濃度を確認されながら排オゾン処理塔7E
に導かれて分解無害化されたのち大気解放されるように
なっている。
【0027】一方、嫌気性消化処理装置8は、ヒータ8
Bにより加温される温水ジャケット槽内に単位消化槽8
Aが複数並んで配置され、温度センサー8Cが設置さ
れ、消化槽8A内の汚泥の温度管理ができるようになっ
ている。また、発生するガスは、架台8F上に設けられ
た水槽8Eに設置されているガス捕集管8Dにて捕集
し、その量を測定するようになっている。
【0028】実験は、まず、オゾン処理装置にて、濃縮
余剰汚泥をオゾン処理し、次いで、嫌気性消化処理装置
の消化槽にオゾン処理汚泥を移して嫌気性消化を行っ
た。オゾンによる可溶化は、処理槽に投入した濃縮余剰
汚泥に、10、20、40(mg−O3/g−TS)で
オゾンを添加した。また、嫌気性消化処理は、上記下水
処理場の既設二次消化汚泥を種汚泥として半連続式にて
実施した。濃縮余剰汚泥のオゾン処理済汚泥の性状変化
を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3に示されるとおり、オゾンによる可溶
化によって、汚泥性状の改質効果について以下のことが
明らかになった。オゾンによる可溶化によって、SS
成分が約3.8%から約3.5%に減少し溶解性成分が
増加する。オゾンによる可溶化によって生じる、溶解
性物質DS、溶解性COD、溶解性TOCの溶解性成分
は、オゾン添加率にほぼ比例して増加する。オゾンに
よる可溶化を行った系において、有機分(VTS)の割
合は83%程度でありほとんど変化せず、0〜40(m
g−O3/g−TS)の範囲では、汚泥中の有機分は可
溶化の状態でとどまり、ガス化まではいたらない。4
0mg−O3/g−TSの添加率では濃縮余剰汚泥の粘
度は約50〜80%低下する。
【0031】オゾンによる可溶化によって濃縮余剰汚泥
中の固形分が酸化分解されることにより低分子化してそ
の一部が可溶化されたと推察できる。また、汚泥中固形
物の低分子化等の作用によって、汚泥の粘性が低下する
と考えられる。
【0032】次いで、オゾン処理した濃縮余剰汚泥と未
処理の濃縮余剰汚泥とを嫌気性消化したときに、汚泥の
成分変化を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】濃縮余剰汚泥をオゾンによって可溶化する
ことによって、以下の結果から、嫌気性消化の促進効果
が得られることが明らかとなった。未処理の濃縮余剰
汚泥とオゾン処理をした濃縮余剰汚泥とを比較すると、
40mg−O3/g−TSの添加率で、TSは、24,
490mg/l→22,865mg/lに低下し、また
VTSは、76.11%→73.56%に低下した。
40mg−O3/g−TSの添加率で、消化率は約9ポ
イントの上昇、VTS分解率で約7ポイントの上昇が確
認された。投入VTSあたりのガス発生量は、オゾン
添加率に比例して増加し、20mg−O3/g−TSで
約1.3倍、40mg−O3/g−TSで約1.5倍の
上昇が確認された。オゾンによる可溶化により嫌気性消
化効果が促進され、少なくとも20〜40mgO3/g
−TS程度のオゾン添加率で、汚泥の減容化および消化
ガス発生量増加の効果が得られる。
【0035】以上より、濃縮余剰汚泥をオゾンによって
可溶化し、次いで嫌気性消化することによって、汚泥の
減容化効果が高められることが示された。表5に、結果
をまとめたので示す。
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、余剰汚
泥を濃縮し、この濃縮汚泥に対してオゾン処理すること
によって、汚泥を可溶化させ、嫌気性消化の分解率を高
め、消化ガスの発生量の増加を図り、もって汚泥の減容
化率を高めることにより、後段の脱水負荷を低減させ
る。また、可溶化処理を施した汚泥を好気性生物処理へ
返送させないことによりリンや窒素などの返送・循環系
内への蓄積を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示すフローシートである。
【図2】第2の実施の形態を示すフローシートである。
【図3】実験に用いたオゾン処理装置の概要図である。
【図4】実験に用いた嫌気性消化処理装置の概要図であ
る。
【図5】従来例のフローシートである。
【符号の説明】
1…貯留槽、2…曝気槽、3…沈澱槽、4…水質調整
槽、5…濃縮装置、6…加熱装置、7…オゾン処理装
置、8…嫌気性消化処理装置、9…脱水機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA05 BA11 BA21 BA56 BB01 BC02 BE00 BE38 BF02 BF15 BJ01 BK12 CA14 CC01 CC04 DA43 EA04 EA06 EA09 EB06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機性排液の好気性生物処理によって際に
    発生する余剰汚泥の処理方法であって、 余剰汚泥を濃縮処理した後に、濃縮した余剰汚泥をオゾ
    ンによって可溶化処理し、その後この可溶化処理汚泥を
    嫌気性消化処理することを特徴とする汚泥の処理方法。
  2. 【請求項2】オゾンによる可溶化処理の前に、余剰汚泥
    を50℃以上100℃未満の温度に加熱処理を行う請求
    項1記載の余剰汚泥の処理方法。
  3. 【請求項3】可溶化処理汚泥は好気性生物処理に返送し
    ない請求項1記載の余剰汚泥の処理方法。
  4. 【請求項4】有機性排液の好気性生物処理によって発生
    する余剰汚泥を濃縮処理する手段と、濃縮した余剰汚泥
    をオゾン処理によって可溶化する手段と、その可溶化処
    理汚泥を嫌気性消化処理手段とを含むことを特徴とする
    汚泥の処理装置。
  5. 【請求項5】有機性排液の好気性生物処理によって発生
    する余剰汚泥を濃縮処理する手段と、濃縮した余剰汚泥
    をオゾン処理および熱処理によって可溶化する手段と、
    その可溶化処理汚泥を嫌気性消化処理手段とを含むこと
    を特徴とする汚泥の処理装置。
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