JP2002000464A - 電場発生電極と電場処理方法 - Google Patents

電場発生電極と電場処理方法

Info

Publication number
JP2002000464A
JP2002000464A JP2000183443A JP2000183443A JP2002000464A JP 2002000464 A JP2002000464 A JP 2002000464A JP 2000183443 A JP2000183443 A JP 2000183443A JP 2000183443 A JP2000183443 A JP 2000183443A JP 2002000464 A JP2002000464 A JP 2002000464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
electrode
electric
insulating layer
field generating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000183443A
Other languages
English (en)
Inventor
Heiichi Koide
平一 小出
Hiroshi Ohashi
弘 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAIRA GIKEN KK
Original Assignee
TAIRA GIKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAIRA GIKEN KK filed Critical TAIRA GIKEN KK
Priority to JP2000183443A priority Critical patent/JP2002000464A/ja
Publication of JP2002000464A publication Critical patent/JP2002000464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Frying-Pans Or Fryers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電場処理の影響を大きくできる電場発生電極
を提供する。 【解決手段】 高電圧を作用させる基礎電極2の外周に
第一の絶縁層3を形成し、この第一の絶縁層3に沿って
有限な端を持つ電気導体4を配置し、更にこの導体の表
面に第二の絶縁層5を形成した電場発生電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、てんぷらや肉の揚
げ玉等の揚げ物を調理する際に、電極をてんぷら油の内
部に浸漬し、このてんぷら油中に電場を発生させながら
食材を調理する方法や油と水との混合流体のような混合
流体を形成する際等に使用する電場発生電極と、これを
使用した電場処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水やリンゴ等に高電圧の電場を作用させ
て殺菌作用を与えて保存性を高めたり、てんぷら油の内
部に配置した電極に高電圧を作用させることによって通
常のてんぷら油が加熱される温度より低温でも、油切れ
が良く、美味で保形性があり、更に、通常のてんぷら処
理に比較して、てんぷら油の寿命を数倍も延長させる方
法が提案されている。
【0003】前記電場処理方法の利点は、10〜20k
vの高電圧の電場内に水を置くと、その水の蒸発が活発
になり、また、この電場を取り去ると逆に蒸発速度が低
下する現象、芋等を電場処理した後に加熱調理するとβ
澱粉がα澱粉に変化するのを促進する現象、また、火焔
を電場内に置くと燃焼が加速される現象、更に微生物の
育成が電場処理によって抑制される現象等によるもので
あると考えられる。
【0004】この電場を形成するためには、電場を有効
に作用させるために通常は裸の金属線や金属板を電極と
して使用しており、この電極に高電圧を作用させて電場
を発生させている。
【0005】例えば、てんぷらを揚げるフライヤーの電
場処理の応用では、アースされたフライヤーの油槽中に
裸の金属板、あるいは金属線を電場発生用電極としてセ
ラミックや碍子等の絶縁物によってフライヤーの内面と
絶縁して配置し、更にこの電極と離間した上方に絶縁ネ
ットを張り、食材が電極に直接に触れないように離間し
ながら、前記電極に10kv未満の電圧をかけて電場を
形成しててんぷら油を加熱しててんぷらを揚げるように
している。
【0006】また、水や果物等に電場処理して水を蒸発
させたり、果物や水に菌の繁殖を抑制する処理を効率的
に行う場合には、被処理物から電極を20〜50mm程
度離し、その間に絶縁層として空気層を介在させて電場
処理を行っている。
【0007】しかし、調理器具の一つであるフライヤー
等では作業上、食用油を入れた油槽の真上に電極を設置
することができないことから、てんぷら油等の食用油を
絶縁物とし、その中に電極を設置する構成を取らざるを
得ない。
【0008】
【発明が解決すべき課題】このような構成の電場処理装
置においては、裸の電極が処理物であるてんぷら油等の
食用油と直接に接触することになるから、本来ならば漏
洩電流のみで良いはずの電流が10〜100mAも流れ
ていることが確認されている。
【0009】このように食用油中を電流が流れると、食
用油を絶縁破壊して油煙や電極への焦げ付きを生じ、そ
の結果、食用油を短時間に酸化・劣化させる欠点が発生
している。
【0010】フライヤーへ電場処理を適用することによ
り、本来ならば食用油の寿命を延長することが期待され
ているが、条件によっては逆にその寿命を短縮させる状
態が発生しており、この電場処理を調理装置に大量に適
用するには至っていない。
【0011】一方、電気ショックの問題も大きく、この
ショックを避けて安全性を高めるために裸の電極(電
線)に絶縁物を被覆する方法がある。しかし、この絶縁
被覆をすると絶縁物の厚さにもよるが、電極の周囲に発
生する電場エネルギーが、絶縁物の誘電分極によって弱
められる。そこで通常はこの弱まった電場エネルギーを
元の状態に戻すために、より大きな電圧が必要となる。
【0012】本発明者の知見によると、前記のようなフ
ライヤーに電場を利用する場合は、以下の課題を解決し
なければならないことが分った。
【0013】1)第一の課題は、食用油中に浸漬される
電極を絶縁して電気ショック等の危険を防止して安全性
を確保する必要がある。
【0014】しかし、前記のように電極の絶縁被覆によ
り電場の効率が明確に低下するので、電圧を上げること
なく、電場をエネルギーの減少の防止できる構造を採用
する必要である。
【0015】2)第二の課題は、特にフライヤーの場合
は、電場発生電極が高温に曝されるので、その高温にお
いても安全に電場を形成することができる電場発生電極
を製作する必要がある。
【0016】3)第三の課題は、前記のように電場発生
電極の周囲に絶縁槽を形成すると電場効果が低下してい
くが、この電場効果が成るべく低下しない電場発生電極
を製作することが必要である。
【0017】4)第四の課題は、食材等の被処理物に対
して、効率良く電場の影響を与えることができる電場電
極を提供する必要がある。
【0018】例えば電子レンジは、電磁波により電場を
形成し、その中に食品等を配置して加熱する装置である
が、この装置は大電力を必要とする欠点がある。
【0019】これに対して本発明に係る電極を使用した
電場処理は、電流を必要とせず、電圧だけを必要とする
と言う電力がゼロに近い状態において、電気の持つエネ
ルギーを利用することが可能な超省力型の電気エネルギ
ーの利用方法である。
【0020】しかし、前記電磁波と違って高電圧で発生
する電場は移動することができないことから、この電場
の方より被処理物側に接近させざるを得ない。その意味
において何処にでも安全に適用でき、しかも、電場エネ
ルギーを低下させない電場発生電極を提供する必要があ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、水や絶縁性の
油の内部に浸漬しても電場によるショックを発生させる
ことなく、また、低電圧でも必要とする電場を形成でき
る電場発生電極の構造と、その電場発生電極を使用した
電場処理方法を提供することを目的とするものである。
【0022】前記目的を達成するための本発明に係る電
場発生電極は、次のように構成されている 1)高電圧を作用させる基礎電極の外周に第一の絶縁層
を形成し、この第一の絶縁層に沿って有限な端を持つ電
気導体を配置し、更にこの電気導体の表面に第二の絶縁
層を形成したことを特徴としている。
【0023】従って、高電圧を印加する基礎電極は、第
一の絶縁層と第二の絶縁層によって二重に絶縁される
が、これらの絶縁層の間に、前記基礎電極とは独立し、
かつ有限の長さを持つ電気導体を配置することにより、
絶縁層によって電場エネルギーが低下するのを補ぎない
増加させている。
【0024】2)前記構成の電場発生電極において、第
一の絶縁層と第二の絶縁層を、電場を与える流体の温度
に耐える耐熱性絶縁材料で構成したことを特徴としてい
る。
【0025】特に、フライヤーのように200℃あるい
はそれ以上の高温の食用油の中に電場を形成する場合に
は、この高温に耐え、しかも、所定の絶縁性を安全に保
持しながら電場を効率的に形成することができる。
【0026】絶縁材料は合成樹脂で形成される場合が多
いが、このような場合に耐熱性を有し、しかも有害物質
を食用油内に溶出させるおそれがない材料が必要であ
る。
【0027】3)高電圧を作用させる基礎電極と電気導
体の両者を、可撓性の導電材料で構成することによって
電場発生電極を設置する場所に合わせて任意の形状とす
ることができ、使用上便利となる。
【0028】4)高電圧を印加する電極の多くは電線の
ようなものであるが、その表面に第一の絶縁層と、金属
パイプないし金属網、あるいは金属コイル等の電気導体
と、更に第2の絶縁層を同心状に形成することを特徴と
している。
【0029】5)また、高電圧を印加する基礎電極が板
状の場合は、中間層を形成する電気導体も板状である
が、用途によっては網状のものを使用することができ、
全体としてサンドイッチ状に形成されることになる。
【0030】前記3)のように、基礎電極を電線のよう
に細線を集合させた線条材料で形成し、更にその外方に
第一の絶縁層を介して配置される電気導体を軟質あるい
は常温で変形が可能な金属パイプあるいはパイプ状の網
状体やコイル状に形成した場合は、電場発生電極を直線
状のままで使用できることは勿論、電場を発生させる形
状や面積に応じて、これを曲げて必要とする形状に電場
を発生させることができる。
【0031】6)そして本発明に係る電場処理方法は、
1kv以上の高電圧線の片側をアースとし、他方を前記
電場発生電極線を構成している基礎電極に連結し、他方
をアースを取ってある器具に連結し、この器具中に電場
を発生させて電場処理を行うことを特徴としている。
【0032】例えば、フライヤーの場合は、食用油の中
に配設した電極に高電圧を印加することによって電場を
良好に形成しながら、これを食材に作用させて揚げ物処
理を行うことができるのである。
【0033】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。 (実施例1)第一の実施例に係る電場発生電極1は断面
が円形のケーブル状のもので、図1のように電場を作用
させる空間に合わせて屈曲した形状に形成し、そしてそ
の断面構造は図2に示すように構成している。
【0034】即ち、この電場発生電極1は、中心部を形
成し、高電圧を印加する基礎電極2と、これの上に同心
状に形成した第一の絶縁層3と、この第一の絶縁層3の
上に同心状に形成されたパイプ状の電気導体4と、更に
この電気導体4の表面を覆うように形成した第二の絶縁
層5で構成している。
【0035】第一の絶縁層3と第二の絶縁層4を構成す
る絶縁材料は、この電場発生電極1を食品の加工に使用
する場合は、食品衛生上安全な材料としては、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂のような柔軟な材料が使用できる。
また、用途によっては絶縁層として電場発生電極1の形
状に合わせた形状のセラミックスを使用することができ
る。
【0036】セラミックスは、最も高温時における絶縁
が優れているが、脆くて加工性に問題があるので、板材
ないし単なる棒材等の簡単な構造の場合に使用できる。
【0037】図3に示すフライヤー10に、本発明に係
る電場発生電極1aを使用する場合は、ステンレス製の
油槽11に電場発生電極1aを絶縁物からなる支持体1
2を介して支持しているが、この電極1aを構成する図
2に示す基礎電極2は、電気的な損失を考慮して銅線を
使用している。
【0038】また、この電極2の周囲に第一の絶縁層3
を介して設けられる金属製パイプからなる電気導体4
は、銅管あるいはステンレス管を使用するのが良い。1
3は高圧トランスで、これの二次側13aの一方の配線
14は電場発生電極1aに接続し、他方の配線15はア
ースされる。また、前記油槽11もアース線16でアー
スされている。
【0039】また、18は電気絶縁性材料からなる網状
体で、食材が沈んで電場発生電極に接触して電場の発生
を妨げたりすることがないように必要に応じて設けるも
のである。
【0040】そしてこの油槽11の内部に食材19(被
処理物:てんぷら材料、コロッケ材料、トンカツ肉等)
を供給し、前記電場発生電極1aから発生する電場Dの
エネルギーの影響を食材19に与えながら加熱処理して
揚げ物を加工する。
【0041】なお、図2に示す基礎電極2に銅線を使用
し、その表面に第一の絶縁層3としてフッ素樹脂やシリ
コーン樹脂で被覆したものは、通常C種絶縁線として容
易に入手可能であるのでこれを使用するのが良い。ま
た、食品衛生上安全なフッ素樹脂やシリコーン樹脂で被
覆した電線を使用するだけで、一応、200℃、20k
v未満の高温雰囲気中で高電圧を印加することができ
る。
【0042】本発明に係る電場発生電極1aは、この電
場Dのエネルギーの減少を防止する手段を適用したもの
であって、そのために基礎電極2の周囲に設けられた第
一の絶縁層3の周囲に、電気的に閉じた導体として有限
な端を持つパイプ状の電気導体4を配置している。
【0043】電場Dの中では、物質は電場Dによる静電
誘導により物質内部でプラスとマイナスの分極が起こ
る。特に電子が容易に動くことのできる電気導体4で
は、この作用が顕著で、基礎電極2で発生した電場Dに
よる静電誘導により静電気を帯びた状態となり、新たな
電場が発生する。
【0044】更に、この電圧が高く電場エネルギーが大
きい場合、特に電場の向きが激しく変わる交流の電場内
において、自由電子を持つ電気導体4では静電誘導によ
る分極が激しく変化するだけではなく、自由電子の静か
な放出が発生する。この自由電子の放出は、絶縁物3に
より弱められた電場Dの減少分を補うことができる重要
な要素である。
【0045】この電気導体4は、基礎電極2から電気的
に独立した状態にすることが重要であり、また、その長
さは有限、例えば食用油に浸漬される長さである。つま
り、電場処理に必要な部分の長さあれば良いのである。
【0046】従って、その電気導体4中からの電荷の放
出と電場Dにより、食用油17とその中の食材19に対
して安全に電場エネルギーの作用を及ぼすことができる
のである。
【0047】しかし、電気導体4からの電荷の放出が激
しく、放電と言う形で発生するような時は、基礎電極2
を被覆した意味がなくなるので、電気導体4からの静電
気による急激な放電を防ぐためにこの電気導体4を絶縁
する必要がある。その意味において第二の絶縁層5を必
要とするのである。
【0048】なお、食用油を処理する場合の電場発生電
極は、食品衛生上の観点から電気導体4にはSUS30
4を使用するのが良い。そして、このSUS304から
なる電気導体4を、図2に示すように第二の絶縁層5で
絶縁するためにはフッ素樹脂より柔らかくて被覆が容易
なことと共に帯電列で上位に位置し、相手に電価を与え
やすいことから、シリコーン樹脂を使用するのが良い。
【0049】また、電気導体4の外周に配置される第二
の絶縁層5は、電気ショックを与えるような急激な放電
を起こさない範囲で、できる限り薄く構成することによ
って電場エネルギーの不必要な低下を防止しながら、食
材19に対して電場Dエネルギーの影響を有効に与えな
がらこの食材19を美味に揚げることができ、その上、
基礎電極2に高電圧を印加した状態でも素手で、電気シ
ョックなしにこの電極に触ることができる。 (比較実施例1)本発明の電場発生電極の効果を調べる
ために、図1及び図2に示す構造でジグザグ状に形成し
た本発明に係る電場発生電極1を使用し、油槽に新しい
食用油(サラダ油)700gと水100gを入れ、常温
において9kvの交流電圧を印加した。
【0050】また、比較例として、基礎電極2と第一の
絶縁層3とからなる電極(通常の電線)を本発明に係る
電場発生電極1と同一長さで、同一形状に成形した比較
電極を別の油槽に入れ、前記と同様に常温において9k
vの交流電圧を印加して電場Dの影響の違いを観察し
た。
【0051】その結果、本発明に係る電場発生電極1で
は、電圧をかけた瞬間から下に沈んでいた水が油の中に
入り込んで混合が開始され、ほぼ30分で完全に油と水
が混合された乳化物を形成した。
【0052】これに対して電気導体4と絶縁層5を有し
ない単なる電線である比較電極では、油と水の混合物が
形成されるのに180分もの長時間を必要とした。
【0053】前記比較実施例1から判断できることは、
本発明に係る電場発生電極1を使用して電場処理を行っ
た場合、本発明の電場発生電極の方が油槽の底に沈んで
いる水と油のクラスターの細分化と混合による乳化物の
形成速度が、約6倍であることが確認できた。つまり、
本発明に係る電場発生電極を使用した電場処理は、水と
油との混合を短時間に行うことができる。 (比較実施例2)次に、前記比較実施例1で使用した2
種類の電極を使用し、新しい食用油(サラダ油)700
gを2つの油槽にそれぞれ入れ、そしてこれを180℃
に加熱した後、前記電極に9kvの交流電圧を印加す
る。そしてこの状態において、加熱されている油の表面
に水を噴霧してその水の蒸発の状態を観察した。
【0054】その結果、本発明の電場発生電極を使用し
た場合は、電圧をかけて30分後から食用油の中から泡
の状態が変化し、細かい白い泡が激しく沸き立ち始め
た。これに対して電気導体4と絶縁層5を有しない通常
の電線である比較電極では、油温が常温の場合と同様
に、前記のような泡立ちの変化は60分経過しても認め
られなかった。
【0055】前記比較実施例2より、比較実施例1に記
載した常温における実験と同様に、本発明に係る電場発
生電極1により水と油のクラスターの細分化され、そし
て加熱時においては、水の蒸発が激しいものとなること
が分かった。
【0056】次に電圧を下げながら加熱された油の表面
に水の噴霧しながら、その油の内部に発生する泡の状態
を観察した結果、比較電極においては8kv以上の交流
を印加した場合の水の蒸発に伴う泡立ちよりも、本発明
に係る電場発生電極1を使用し、これに2kvの交流電
圧を印加した方が激しい泡立ちとなることが確認でき
た。即ち、本発明に係る電場発生電極1は、単なる電線
状の電極を使用した場合に比較してかなり低電圧におい
ても優れた水の蒸発作用が得られることが証明された。 (実施例2)本発明に係る電場発生電極が食用油の酸化
に及ぼす影響を調べるために、図1及び図2に示す電場
発生電極を配置した油槽に15リットルの食用油(サラ
ダ油)を入れ、この油を180℃に加熱した。次に、こ
の加熱された油の表面に水を1,000ml/hの割合で噴
霧して油を積極的に酸化させた。
【0057】その結果、通常では油を廃棄する目安とし
ている酸化値(AV値)が2.0になるまでの時間が、
電場処理なしの場合では33時間であったが、本発明に
係る電場発生電極を使用し、これに6kvの交流電圧を
印加して電場処理をした場合は、172時間で使用限界
の酸化値となり、本発明に係る電場発生電極を使用する
と、電場処理しない場合に比較して、食用油を約5倍の
寿命に延長できることを確認できた。
【0058】次に、実際の食材への電場処理の効果を確
認するために、図1〜図3に示した電場発生電極1を使
用して、6kvの直流電圧を印加して電場Dのエネルギ
ーを与えながらコロッケを揚げたところ、通常では油温
が180℃でなければ形を保って揚げることができない
コロッケが、それよりも30℃も低温の150℃で揚げ
ることができた。更に本発明によるコロッケは、通常の
コロッケに比較してカリットして油っぽさがなく、しか
も中身の具もジューシーな感じで揚げることができ、美
味なものとすることができた。
【0059】前記実施例より、本発明に係る電場発生電
極1を使用すると、低電圧においても高電圧を印加した
場合と同様に、良好な電場処理によって油の寿命を延長
しながら揚げ物を加工でき、しかも、従来の方法による
揚げ物よりも美味を揚げ物を加工することができるので
ある。
【0060】本発明は特に、基礎電極2上に被覆した第
一の絶縁層3によって電場エネルギーが弱められるのを
防止する手段を適用したものであって、前記基礎電極2
の周囲に設けた第一の絶縁層3の周囲に、電気的に閉じ
た導体である、有限な端を持つパイプ状の電気導体4を
配置したことを特徴としている。
【0061】このように電気導体4を基礎電極2上に第
一の絶縁層3を介して配設することにより、中心部の基
礎電極2に直流あるいは交流の高電圧を印加したことに
伴う電場が、第一の絶縁層3で減少した分を補うことが
できる。
【0062】この電気導体4は、基礎電極2から電気的
に独立した状態にすることが重要である。また、その長
さは有限、例えば食用油に浸漬される長さである。
【0063】従って、この電気導体4中の電荷の放出に
よるマイナスイオン化の影響を与えてこの電気導体4に
より食用油17中に食材19に電場エネルギーの影響を
与えることができる程度の電場Dを形成することができ
るのである。
【0064】電場処理をしながら揚げ物を加工する工程
において電場発生電極1aに印加する高電圧としては、
直流の場合よりも交流の方が電場処理効果があり、その
電圧は20kv未満で良い。そして食用油17の温度
は、通常の揚げ物加工の場合の180℃前後に比較し、
これより遙かに低温の150℃前後に保持されており、
この温度差により食材の高温における変質や味の低下を
防ぐことができる。
【0065】
【発明の効果】本発明は、高電圧を作用させる基礎電極
の外周に第一の絶縁層を形成し、この第一の絶縁層に沿
って有限な端を持つ電気導体を配置し、更にこの導体の
表面に第二の絶縁層を形成した電場発生電極と、この電
場発生電極の基礎電極をアースを取ってある器具に連結
して電場エネルギーの影響を食材に与えながら処理する
方法を提供するものであり、次の効果を奏することがで
きる。
【0066】高電圧を印加する基礎電極を第一の絶縁層
で被うことによって電場の影響が低下するが、この基礎
電極に沿って電気導体を配置することによって、電場の
影響が低下することを防止し、優れた電場処理を行うこ
とができる。
【0067】特に、食用油中に本発明に係る電場発生電
極を配置して電場の影響を与えながら揚げ物を処理する
と、通常の揚げ物処理の場合よりも低温で処理すること
ができ、更に食用油の寿命を従来の方法に比較して5倍
以上は延長することができ、安価に揚げ物の調理でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電場発生電極を破断
して示す斜視図である。
【図2】図1に示した電場発生電極の断面図である。
【図3】本発明に係る電場発生電極を使用した揚げ物調
理器具の説明図である。
【符号の簡単な説明】
1,1a 電場発生電極 2 基礎電極 3
第一の絶縁層 4 電気導体 5 第二の絶縁層 11 油槽 12 支持体 13 高圧トラン
ス 14,15 配線 17 食用油 18 網状
体 19 食材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高電圧を作用させる基礎電極の外周に第
    一の絶縁層を形成し、この第一の絶縁層に沿って有限な
    端を持つ電気導体を配置し、更にこの導体の表面に第二
    の絶縁層を形成した電場発生電極。
  2. 【請求項2】 第一の絶縁層と第二の絶縁層を、電場を
    与える流体の温度に耐える耐熱性絶縁材料で構成した請
    求項1記載の電場発生電極。
  3. 【請求項3】 高電圧を作用させる基礎電極と電気導体
    とを可撓性の導電材料で構成した請求項1記載の電場発
    生電極。
  4. 【請求項4】 前記電気導体を、基礎電極を中心とする
    同心円状の金属管で構成した請求項1記載の電場発生電
    極。
  5. 【請求項5】 前記基礎電極に沿って第1の絶縁層を介
    して形成する電気導体を金属板で構成し、この電気導体
    の表面に第2の絶縁層を形成した請求項1記載の電場発
    生電極。
  6. 【請求項6】 1kv以上の高電圧線の片側をアースと
    し、他方を前記電場発生電極の基礎電極に連結し、この
    基礎電極をアースを取ってある器具に連結し、前記電極
    に高電圧を印加してこの器具中に電場を発生させ、この
    電場の影響を受ける位置に食品を接近させて電場処理を
    行う電場処理方法。
JP2000183443A 2000-06-19 2000-06-19 電場発生電極と電場処理方法 Pending JP2002000464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183443A JP2002000464A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 電場発生電極と電場処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000183443A JP2002000464A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 電場発生電極と電場処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002000464A true JP2002000464A (ja) 2002-01-08

Family

ID=18684030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000183443A Pending JP2002000464A (ja) 2000-06-19 2000-06-19 電場発生電極と電場処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002000464A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190041A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Univ Waseda 電場処理装置
WO2019167226A1 (ja) * 2018-03-01 2019-09-06 和夫 宮川 調理器具及び調理方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007190041A (ja) * 2006-01-17 2007-08-02 Univ Waseda 電場処理装置
WO2019167226A1 (ja) * 2018-03-01 2019-09-06 和夫 宮川 調理器具及び調理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5356646A (en) Electron source cooking method
EP0130671A2 (en) Multiple temperature autoregulating heater
EP0202123A2 (en) Apparatus and method for electro-heating of food products
US8399860B2 (en) Method for preventing deterioration of edible oil or industrial oil and apparatus therefor
JP2002000464A (ja) 電場発生電極と電場処理方法
JP2002142997A (ja) フライヤー
JP2010088769A (ja) 食用油酸化防止装置の高電位発生プレートおよび食用油酸化防止装置
JPH10276744A (ja) 食材用高電圧微弱電流印加装置
JPH09100489A (ja) 食用油酸化防止法
JP2001095695A (ja) 電場形成装置及びフライヤー
WO2019167226A1 (ja) 調理器具及び調理方法
KR102046077B1 (ko) 튀김기의 신선도 유지장치
JP3463660B2 (ja) 食用油酸化防止装置及び食用油の酸化防止方法
TWI754014B (zh) 調理器具及調理方法
TWI249991B (en) Food electrostatic freshness maintaining and defrosting method
JP3111795U (ja) フライヤー用プレート
JP2018033830A (ja) 調理器具及び調理方法
JP4036589B2 (ja) 電子発生装置用電極
JP3028628U (ja) 電子フライヤー装置
KR100222050B1 (ko) 고전압 미약전류를 이용한 식품처리장치
JP2015033332A (ja) 抽出方法および抽出装置
WO1995022236A1 (en) System for generating heat by electric current through conducting bodies of micrometric thickness but large in area
JP2003135287A (ja) 静電場発生装置
KR102046076B1 (ko) 튀김기의 신선도 유지장치
CN207365121U (zh) 一种可移动灶具