JP2002000014U - パワーポート端子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】雄型ピンの周部を３６０°にわたって囲むと共
に、受入れ可能な軸方向長さの制限のない、打抜き導電
材料から形成されるソケットを提供すること 【解決手段】 導電材料製のブランクＢからスタンピン
グにより形成され、コンタクト収容ソケット部１２と一
体の後続の装着部１４とを備え、このソケット部は複数
のビーム２０をその上に設けたウェブ１６を有し、各ビ
ームは、その内部の湾曲部Ｂに湾曲面２０Ｓを有し、こ
の湾曲部の内面はほぼ連続した円筒状のコンタクト面２
８を、端子の基準軸線に沿う所定のポイント３０に形成
する。このコンタクト面は基準軸線に垂直な平面内で測
定される所定の絞り寸法３６を有し、この寸法は端子の
基準軸線に沿って最も絞られ、所要の長さのピンを収容
することができ、装着部１４は、一組の装着脚４６をそ
の上に有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、所要長さの雄型ピン（male pin）と比較的大電流のパワー接続を行 うために用いるソケットタイプの端子に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

背面（backplane ）に雄型ピンを連結するためのパワーポート端子は、様々な 方法のいずれか１の方法で形成することができる。米国特許第4,702,707 号（Hi llbish）は、ベースを含むパワー端子について記載しており、このベースにソケ ットを有する対を形成する部材を取付けることができる。この端子の場合は、ベ ースと、対を形成する部材の一部とがねじ加工された部材として形成される。米 国特許第4,749,357 号（Foley ）は、ばねコンタクトビームの頂部バンドから形 成されるソケットが導電材料製のブロック内に挿入されるパワーコネクタを開示 する。これらの装置のいずれも、端子のコンタクトビームが雄型ピンの全周３６ ０°にわたって延在する。しかし、端子の一端が閉じているため、ソケットは所 定の制限された軸方向寸法のみを有するピンを受入れることができるにすぎない 。

【０００３】 １９８８年８月付けの「デュポン エレクトロニクス インターコネクト ア ンド パッケージング カタログ」（DuPont Electronics Interconnect and Pa ckaging Catalogue ）の３３４，３３５頁に記載のパワー端子も、ソケットを有 する機械加工された部材であり、このソケットは所定の制限された軸方向寸法の みを有するピンを収容する。この部材も、スナップリングのラッチ装置を含み、 このラッチ装置はハウジングと共働して端子を保持する。

【０００４】 本考案の譲受人に譲渡された米国特許第4,002,400 号（Evans ）に記載の端子 は、導電材料製の打抜きブランクから形成される。しかし、この端子のソケット 部も、軸方向の背部ポイントをワイヤクリンプバレルおよび絶縁クリンプバレル により閉じられ、ソケット内に収容可能なピンの軸方向寸法を制限することにな る、と考えられる。

【０００５】 デュポンＨＰＣコネクタシステムの一部を形成するパワー端子は、１９８７年 １月付けのブリティン７１２の６頁に記載されているように、導電材料製の打抜 きブランクから形成される。この端子は、ソケットに収容可能なピンの長さの制 限はないものの、しかし、ソケット領域はピンを収容したときに、このピンを完 全に囲むものではない。

【０００６】 上述に鑑み、雄型ピンの周部を３６０°にわたって囲むと共に、受入れ可能な 軸方向長さの制限のない、打抜き導電材料から形成されるソケットを提供するこ とが有益と考えられる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、導電材料のブランクからスタンピングにより形成されるパワーポー ト端子に関する。この端子は、コンタクト収容ソケット部と一体の装着部とを備 える。この端子は、貫通して延びる基準軸線を有する。コンタクト収容ソケット 部は、複数のビームを持つウェブを含む。これらのビームのそれぞれは、その湾 曲部に湾曲面を有する。この端子が形成されると、これらのビームは共働して軸 方向に延びる管状ソケット領域を形成する。その湾曲部上のビームの内面は、管 状領域内の基準軸線に沿う所定ポイントで、ほぼ連続した円筒状のコンタクト面 を形成する。このコンタクト面はビーム間の間隙でのみ遮断され、したがって、 その周部の３６０°にわたって雄型ピンを囲む。円筒状のコンタクト面は、基準 軸線に垂直な平面内で測定される所定の絞られた（constrict ）寸法を有し、こ のほぼ連続した円筒状のコンタクト面の寸法は、端子の基準軸線に沿って最も絞 られた寸法となっている。これにより、端子は所要に応じてどのような長さのピ ンでも収容することができる。

【０００８】 後続の装着部は、一組の装着脚をその上に有する。これらの装着脚は湾曲した フード部の側部フランジから垂下する。このフードとフランジは、ピンの周部を ほぼ２７０°にわたって囲むのが好ましい。好ましい例では、装着脚は、端子の 基準軸線にほぼ垂直に延びる。

【０００９】 １あるいはそれ以上のビームがラッチタブをその上に有してもよい。ラッチタ ブは端子のハウジング内に設けられたリブに係合し、この内部に端子を固着する 。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案は、本願の一部を形成する添付図面を参照する以下の詳細な説明から明 らかとなる。なお、以下の説明を通じて同様な参照符号は全図を通じて同様な部 材を示す。

【００１１】 図１および図２を参照すると、本考案によるパワーポート端子（power port t erminal ）がその全体を符号１０で示されている。この端子１０は、リン青銅（ phoshorous bronze ）材等の好適な導電材料製のブランクから打抜き（stamping ）により形成される。このブランクの展開した図が図６に記載されている。端子 １０は、コンタクト収容部１２と、一体の装着部１４とを含む。基準軸線１０Ａ は端子１０を貫通して延びる。

【００１２】 コンタクト収容部１２はウェブ１６を含み、このウェブ１６から複数のビーム あるいはフィンガー２０が延びる。これらのビームは、基準軸線１０Ａの回りに 等間隔に配置するのが好ましい。図示の実施形態では５つのビーム２０を示して あり、各ビームは、周方向に隣接するビームから間隙２０Ｇ（図２）を介して周 方向に離隔している。端子１０が完全に形成されると（後述する方法によって） 、ビーム２０のそれぞれは、軸方向に沿って配置された内方湾曲部２０Ｂに湾曲 した内面２０Ｓを有する。湾曲部２０Ｂの前方のビーム２０の部分は外方に広が り、ファンネルすなわち煙突状のピンガイド２４を形成する。

【００１３】 ビーム２０は共働して軸方向に延びる管状のソケット領域２６を形成する。こ のソケット領域２６は、その内部で３６０°にわたって案内される雄型ピンの周 部を囲む。ビーム２０の内面２０Ｓは、管状のソケット領域２６内で基準軸線１ ０Ａに沿う所定ポイント３０に位置するほぼ連続した円筒状のコンタクト面２８ を、湾曲部２０Ｂに形成する。このコンタクト面２８は、図２および図３に最も 良く示すように、周方向に隣接するビーム２０との間を間隙２０Ｇでのみ遮断さ れている。

【００１４】 各ビーム２０の湾曲部２０Ｂで形成される円筒状のコンタクト面２８は、端子 の基準軸線１０Ａと同軸状に芯だしされた円を形成する。したがって、この面２ ８は、基準軸線１０Ａに垂直な平面内で測定して（measured）所定の大きさに絞 られた寸法３６（すなわち面２８の径）を形成する。ほぼ連続的な円筒状のコン タクト面２８のこの寸法３６は、端子の基準軸線１０Ａに沿って最も絞られた寸 法となっている。したがって、端子１０のソケット領域２６の貫通孔は制限を受 けない。これにより、端子１０は所要に応じてどのような長さのピンをも収容す ることができる。

【００１５】 好ましい実施形態では、ビーム２０の２つにラッチタブ３８が設けられている 。図２に示すように、このタブ３８は、コンタクト収容部１２の基礎的な外径寸 法を越えて外方に延びる。これに代え、所要に応じて１のラッチタブあるいは２ より多くのラッチタブを設けてもよいことは明らかである。タブ３８は、ビーム ２０のいずれにも好適に配置することができる。好ましい実施形態（図６）では 、１または複数のタブ３８が側部外方のビーム２０′と装着部１４との間に軸方 向に配置された付加部材（appendages）として形成される。タブ３８は、追加し てあるいは代えて、ウェブ１６の材料を通してパンチングすることにより形成さ れる。

【００１６】 後続の装着部１４は、ウェブ１６から後方に延びる。装着部１４は、対の側部 フランジ４２内に連続するフード領域４０を含む。図４および図５に最も良く示 すように、フード４０とフランジ４２は、端子１０の基準軸線１０Ａの回りでほ ぼ２７０°にわたって延びるのが好ましい。フランジ４２は例えば４４で外方に 湾曲する。各フランジ４２から垂下する複数の装着脚４６は、端子１０の一組の 装着脚を形成する。

【００１７】 好ましい実施形態では、装着脚４６は、端子の基準軸線１０Ａにほぼ垂直に延 びる。装着脚４６は、基板の面に設けられてメッキを施された通孔に収容され、 これにより、端子１０と基板上のバックプレートとの間を電気的に連結する。な お、本考案の意図する範囲では、脚４６が端子の基準軸線１０Ａと平行になるよ うに配置されることも明らかである。このような配置は、図６に鎖線で示してあ る。

【００１８】 端子１０は、図６に展開図で示すブランクＢから形成される。このブランクＢ は尾部Ｔにより、キャリアストリップ（図示しない）に取付けられる。このブラ ンクは打抜きにより形成され、端子１０は当該分野で明らかなように、マンドレ ル上でブランクを折曲げることにより、このブランクから形成される。

【００１９】 図７および図８を参照すると、好適な絶縁材料製のブロックから形成されたハ ウジング５０内に、端子１０が収容されている。ハウジング５０は、貫通通路５ ２をその内部に有する。配置用案内部材５４は通路５２の壁部に沿って軸方向に 延び、端子１０（図８に鎖線で示す）をハウジング内に位置決めする。ロック用 リブ５６は、通路５２の開口端の回りに配置される。端子１０はハウジング５０ の通路５２内に、矢印５８の方向に沿って挿入される。ビーム２０上のラッチ３ ８は、端子１０がハウジング５０内に挿入されると弾力的に撓む。ラッチ３８は 、ロックリブ５４を軸方向に越えると、ロックリブ５６の背部のロック位置にス ナップ嵌合する。ロックリブ５４の周方向範囲は、挿入されたときに、タブ３８ がリブ５４に係合して端子１０をハウジング５０内に保持するようになっている 。

【００２０】 面２８の寸法３６は、ソケットの最も絞られた寸法となっており、本考案の端 子１０は雄型ピンが軸方向に沿って前進するのを阻害しない。したがって、所要 に応じたどのような長さを有するピンであっても、端子の基準軸線と同軸状に収 容することができる。このような適用性は、本考案の端子をいわゆるファースト ブレイク−ラストブレイク（first break-last breake ）連結システムに用いる 場合に有益であると考えられる。

【００２１】 上述のように本考案の技術分野に属する当業者であれば、種々の変形が可能な ことは明らかである。このような変形は、添付の請求の範囲に限定される本考案 の意図する範囲に属するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるパワーポート端子の側部立面図。

【図２】本考案によるパワーポート端子の前部立面図。

【図３】図１の３−３線に沿う断面図。

【図４】図１の４−４線に沿う断面図。

【図５】図１の５−５線に沿う断面図。

【図６】図１から図５に示す端子を形成するために用い
るブランクの展開図。

【図７】図１から図６の端子を収容するハウジングの側
部立面図。

【図８】図１から図６の端子を収容するハウジングの断
面図。

【符号の説明】

１０…パワーポート端子 １２…コンタクト収容部 １４…装着部 １６…ウェブ ２０…ビーム ２８…コンタクト面 ３８…タブ

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 広範囲の長さおよび断面寸法を有する雄
   型プラグに結合するための雌型パワーポート端子であっ
   て、 ウェブとこのウェブと一体の複数のフィンガーとを有す
   るコンタクト収容部を備え、これらのフィンガーは基準
   軸線に対して整合した軸方向に延びるソケットを形成す
   るように配置されかつウェブから離隔した先端部を有
   し、これらの先端部は前記ウェブを介することを除いて
   互いに非結合とされ、これらのフィンガーのそれぞれは
   更に前記先端部の近部に湾曲部を有し、これらの湾曲部
   は前記ソケット内に挿入される雄型プラグに接触するよ
   うに形成されかつ配置される接触面を形成し、この接触
   面は端子の基準軸線に沿って最も絞られたポイントであ
   り、更に、 前記コンタクト収容部と一体でかつこれから長手方向に
   延び、前記コンタクト収容部と共に導電材料製の１のブ
   ランクから形成される装着部を備え、この装着部は基準
   軸線の回りをほぼ２７０°にわたって湾曲して前記ソケ
   ットと共に延びかつ整合したスペースを形成するフード
   領域を有し、このフード領域は少なくとも前記スペース
   内にプラグを挿通可能に開口し、前記装着部は更に基板
   上に端子を装着するための複数の装着脚を有し、 前記非結合の先端部により、広範囲の断面寸法の雄型プ
   ラグを収容し、前記フード部で形成される開口スペース
   により、広範囲の長さの雄型プラグを受入れるように形
   成されるパワーポート端子。
2. 【請求項２】 前記装着脚は、基準軸線にほぼ垂直に延
   びる請求項１に記載のパワーポート端子。
3. 【請求項３】 前記装着脚は、基準軸線にほぼ平行に延
   びる請求項１に記載のパワーポート端子。
4. 【請求項４】 少なくとも１のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項３に記載のパワーポート端子。
5. 【請求項５】 少なくとも２のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項３に記載のパワーポート端子。
6. 【請求項６】 少なくとも１のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項２に記載のパワーポート端子。
7. 【請求項７】 少なくとも２のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項２に記載のパワーポート端子。
8. 【請求項８】 少なくとも１のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項１に記載のパワーポート端子。
9. 【請求項９】 少なくとも２のビームは、その上にラッ
   チタブを有する請求項１に記載のパワーポート端子。
10. 【請求項１０】 広範囲の長さおよび断面寸法を有する
    雄型プラグに結合するための雌型パワーポート端子であ
    って、 ウェブとこのウェブと一体の複数のフィンガーとを有す
    るコンタクト収容部を備え、これらのフィンガーは基準
    軸線に対して整合した軸方向に延びるソケットを形成す
    るように配置されかつウェブから離隔した先端部を有
    し、これらの先端部は前記ウェブを介することを除いて
    互いに非結合とされ、これらのフィンガーのそれぞれは
    更に前記先端部の近部に湾曲部を有し、これらの湾曲部
    は前記ソケット内に挿入される雄型プラグに接触するよ
    うに形成されかつ配置される接触面を形成し、この接触
    面は端子の基準軸線に沿って最も絞られたポイントであ
    り、更に、 前記コンタクト収容部と一体でかつこれから長手方向に
    延び、前記コンタクト収容部と共に導電材料製の１のブ
    ランクから形成される装着部を備え、この装着部は基準
    軸線の回りで湾曲して前記ソケットと共に延びかつ整合
    したスペースを形成するフード領域を有し、このフード
    領域は少なくとも前記スペース内にプラグを挿通可能に
    開口し、前記装着部は更にそれぞれ前記コンタクト収容
    部から所定距離下方に延びて基板上に端子を装着するた
    めの少なくとも３つの装着脚を有し、 前記非結合の先端部により、広範囲の断面寸法の雄型プ
    ラグを収容し、前記フード部で形成される開口スペース
    により、広範囲の長さの雄型プラグを受入れるように形
    成されるパワーポート端子。