JP2001527475A - 印刷インクによる装飾を付された特に無菌パッケージ用の包装材料の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 開示は、無菌パッケージに成形する前に、包装積層材のウェブが殺菌のために過酸化水素浴を通して導かれるようにして製造される形式の、無菌パッケージ用の印刷インクの装飾を付された包装積層材を製造する方法に関する。この包装積層材は、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）製の外側被膜を有する紙製ウェブが付着力の促進のために極性を改善させるコロナ処理を行われた後、このように表面処理の行われた低密度ポリエチレン製外側被膜が、その被膜の外面に所望の模様で付与される水性印刷インクの装飾を備えられることによって製造される。このように印刷インク装飾の付与されたウェブに表面エネルギーを減少させる事後処理を行うことによって、過酸化水素の消費量をかなり減少させて殺菌することのできる包装積層材が得られ、これと同時に水性印刷インク装飾と低密度ポリエチレン製被膜との間の良好な付着が保証される。

Description

【発明の詳細な説明】 印刷インクによる装飾を付された特に無菌パッケージ用の包装材料の製造方法 技術分野 本発明は、装飾担体として作用し、外面に水性印刷インクによる装飾を付され た１つのプラスチック製の外側被膜を含んで成る積層形式の印刷インク装飾を有 する包装材料の製造方法であって、少なくとも片面に装飾担体として作用する１ つのプラスチック製の外側被膜を有した堅固であるが折曲げ可能な紙製ウェブが 付着促進のためにコロナ放電によってその極性を改善する表面処理を行われ、ま たこのように表面処理されたプラスチック製の外側被膜がその後外面上に通常の 印刷技術を使用していずれかの任意な模様で付与される水性印刷インクによる装 飾を備えられる包装材料を製造する方法に関する。 特に本発明は、無菌パッケージの完成品に成形される前に、殺菌の目的で過酸 化水素浴を通して導かれた包装材料のウェブから製造される積層形式の、上述の ような印刷インクによる装飾を付された無菌パッケージ用の包装材料を製造する 方法に関する。 背景技術 包装工業では、液体食品を包装して輸送するために１回使用して使い捨てる形 式の寸法の安定した液密なパッケージがしばしば使用される。 本明細書で考慮される形式の１回使用の使い捨てパッケージは、堅固であるが 折曲げ可能な紙製のコアー層を含んで成る積層形式の包装材料から典型的に製造 されており、このコアー層は装飾担体として作用する好ましくは低密度ポリエチ レン（ＬＤＰＥ）の、外面に水性印刷インクによる装飾を付されたプラスチック 製の外側被膜を少なくとも片面に有する。このコアー層はまた他面にも同様にプ ラスチック、通常は低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）製の外側被膜を有して、こ れによりその包装材料が簡単で有効な熱シールによって寸法の安定した液密なパ ッケージを製造できるようにする。 或る実施例では、特にその包装材料がいわゆる無菌パッケージに使用される場 合、この包装材料はまたガス遮断層として作用する材料層も備えられ、その材料 層はコアー層と、２つのプラスチック製の外側被膜のうちの、包装材料がパッケ ージに成形されたときに内部に面するように折曲げられる一方の外側被膜との間 に配置される。このガス遮断層の材料は、例えばポリアミドまたはエチレンビニ ルアルコール共重合体のようないわゆる遮断ポリマーとされ得るが、最も一般的 にはアルミニウム箔（いわゆるアリフォイル（Alifoil））で構成される。 今日、寸法の安定したパッケージが最新式の高速包装充填機を使用して最も一 般的に製造されており、その機械は包装材料のウェブまたは予め形成したシート ブランクのいずれかによりパッケージを成形し、充填し、シールする形式の機械 である。例えばウェブからは、そのウェブの長手方向の両縁を重ね結合シールと して互いに結合することにより、ウェブはまず最初にチューブに成形される。こ のチューブは適当な内容物例えば液体食品を充填され、その後チューブ内の内容 物のレベルより下方位置でチューブの長手方向軸線を横切って横方向熱シールを チューブに繰返して形成することで、密閉され充填されたパッケージに分割され る。これらのパッケージは横方向シール部分で切断すなわち分断することで互い に分離され、またさらなる成形およびシール作業によって所望の幾何学形状、通 常は平行六面体の形状を与えられて、パッケージの完成品が形成される。 いわゆる無菌パッケージは、基本的に同じであるが、包装材料および適当内容 物の両者が充填段階の前に殺菌されること、および充填段階が殺菌済み内容物の 再感染を避けるために殺菌（無菌）状態の充填雰囲気の下で行われることが決定 的に違うだけの方法で製造される。 包装材料の殺菌はしばしば化学的殺菌剤、例えば過酸化水素水溶液で行われ、 少なくとも殺菌済み内容物と接触するか、または接触する恐れのある包装材料の 部分の望ましくない、特に病原体の微生物、を死滅させるように、過酸化水素が 包装材料に接触される。しかしながらしばしば包装材料の全体が殺菌され、この 殺菌において包装材料のウェブは過酸化水素水の浴に通して導かれて、上述した ようにウェブが無菌パッケージとして成形される前に過酸化水素が殺菌のために ウェブに作用するようになされる。 包装材料に関して説明したように付与される印刷インクはしばしば水性とされ 、 それ故に水性インクと関連する印刷面との間に良好な付着を得るために、付与さ れる表面は十分に親水性であることが要求される。 しかしながら上述した従来技術の包装材料の印刷面として使用されるポリエチ レン、例えば低密度ボリエチレンの表面は疎水性（撥水性）であり、それ故に印 刷インクと印刷面との間に望まれる良好な付着性を得るためにその表面が改善さ れねばならない。それ故に、接着を促進させるために従来技術による包装材料は コロナ放電によって表面の極性を変化させる表面処理を行われ、その結果として ポリエチレン表面が望まれる親水性を得ている。 このようにして水性印刷インクと包装材料のポリエチレン製の外側被膜との間 の接着性が良好な冒頭に記載した形式の印刷インク装飾の付された包装材料を製 造することがこれまで可能とされてきたが、驚くことに特に無菌パッケージ用の 従来技術の包装材料が簡単な手段を使用するだけでかなり改良できることが立証 された。 発明の目的 したがって本発明の１つの目的は、特に無菌パッケージ用の上述したような改 良された包装材料がいかにして簡単な方法で製造できるかを示すことである。 解決法 この目的は、請求の範囲の独立請求項１に記載されている方法により本発明で 達成され、この請求項に記載された方法は本発明の特に有利な実施例によって独 立請求項５に記載されたような特徴を与えられる。 発明の概要 本発明による方法におけるように包装材料の印刷インクを付されたウェブに表 面エネルギーを減少させる事後処理を行うことで、湿気た環境下で長期保存に対 しても装飾の明瞭さおよび新鮮さを損なわないで保存に耐えるのみならず、従来 技術の方法を使用してこれまで可能であったよりもかなり少ない過酸化水素の消 費量で上述したように過酸化水素水を使用して殺菌することのできる印刷インク 装飾の付された包装材料を製造することが可能である。 従来技術の印刷インク装飾を付された包装材料に固有の上述した欠点、すなわ ち保存時の感湿性および殺菌に関して過大な過酸化水素消費量、の１つの説明は 、 コロナ処理により包装材料の装飾を担持するポリエチレン製の被膜の改善（極性 の変化）が実現される一方で、そのコロナ処理はコロナ放電による電荷の衝突で ポリエチレン製被膜を「崩壊」させるほど強力であるということである。この「 崩壊」部分内でポリエチレン製被膜は、良好な付着力で水性印刷インクを付着さ せるために必要な親水着座部（hydrophilic seat）を全体的または部分的に失い 、その結果として印刷インクはそれらの部分に単に部分的に付着されるだけとな る。印刷インクと水分または液体との間の相互作用、およびその結果として付与 装飾の品質劣化の生じる恐れが上述の部分において増大される。 包装材料のポリエチレン製外側被膜の「崩壊」した材料部分の問題は、その包 装材料が無菌パッケージの製造において殺菌のために過酸化水素水浴に通して導 かれるときに重大となる。印刷インクは過酸化水素溶液の水と接触して相互作用 を生じるという事実を別にして、過酸化水素は付与された印刷インク装飾の外側 の崩壊領域においてポリエチレン被膜の露出された親水着座部に過度に吸引およ び吸収されることになり、その結果として過剰な過酸化水素の消費をもたらす。 包装材料のコロナ処理の行われたポリエチレン製外側被膜を、熱によって表面エ ネルギーを減少させる事後処理にて処理することで、従来技術の包装材料に関す る上述した欠点は効果的に解消できる。 表面エネルギーを減少させる事後処理は熱間プレスローラーすなわちプレスシ リンダによって行われ、包装材料をそのローラー間を通されて、「崩壊」したポ リエチレン被膜にその表面の物理的な均質作用（レベリング作用）が得られ、こ れは表面エネルギーの減少とともに、コロナ処理済みポリエチレン製被膜の液体 （水）吸収傾向に反対作用するさらなる寄与を果たす。 添付図面の簡単な説明 本発明は、添付図面を参照して、以下に非常に詳細に説明される。図面におい て、 図１は本発明の１つの特定の実施例による方法を使用して製造された無菌パッ ケージ用のそれ自体は周知の包装材料の概略横断面であり、 図２は図１に示された包装材料の製造を概略的に示している。 好ましい実施例の説明 図１で、概略的に示された包装材料は符号１０を付されている。この包装材料 １０は通常のパッケージ品質の堅固であるが折曲げ可能な紙製のコアー層１１と 、ポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）製の液密な外側被 膜１２，１３とを有する。コアー層１１と、ポリエチレン製の２つの外側被膜の うちの一方の被膜１２との間にはガス遮断層として作用するアルミニウム箔１４ （いわゆるアリフォイル（Alifoil））が配置され、この箔１４は介在される接 着層１５によって、包装材料がパッケージとして成形されたときに内部へ面する ようになされるコアー層１１の面に結合されている。 図１から明白となるように、包装材料１０の第２のポリエチレン製の外側被膜 １３は水性インクの装飾１６を付与されており、この装飾は通常の印刷技術を使 用してポリエチレン製被膜１３の外面に所望の装飾模様で付されている。 図１の包装材料１０は、図２に概略的に示される本発明の方法によって製造さ れる。容易に比較できるようにするために、図２の同じ部分は図１におけるのと 同じ符号を付されている。 プラスチック材を被覆された紙製ウェブ１０’は矢印の方向にマガジンリール （図示せず）から巻き出され、ガス遮断層として作用するアルミニウム箔１４を 備えられる。この箔１４は押出し加工された介在される接着層１５によって、２ つのローラーすなわちシリンダ１７，１８を通して導かれるウェブに対してその 片側に積層される。 この箔を張り付けられたウェブはその後押出しステーションへ導かれ、そのス テーションでアルミニウム箔がポリエチレン、好ましくは低密度ポリエチレン（ ＬＤＰＥ）製のフィルム１２を被覆される。このフィルムは包装材料１０の一方 のプラスチック製外側被膜１２を形成するように箔１４の外面上に押出し加工さ れる。 プラスチック剤を被覆されたウェブはその後接着を促進させるために極性を改 善する部分１９にて表面処理を行われ、その部分においてウェブのポリエチレン 、好ましくは低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）製の第２外側被膜１３がそれ自体 周知のコロナ放電によって表面を改善される。 コロナ処理の行われたウェブはさらに印刷ステーション２０へ導かれ、この印 刷ステーションでウェブは通常の印刷技術を使用して水性印刷インクの外側装飾 １６を備えられる。この装飾はウェブの表面を改善されたポリエチレン製外側被 膜１３の外面に所望の模様で付与される。 このウェブは最終的に事後処理ステーション２１へ導かれ、その事後処理ステ ーションにおいてウェブは本発明によって２つの熱間プレスローラーすなわちプ レスシリンダ２２，２３のニップを通して導かれ、これによりコロナ処理された ウェブの印刷インクの被覆されたプラスチック製外側被膜１３の表面エネルギー が減少されると同時に、プラスチック製被膜１３は多少均質化される。 実際的な比較実験において、無菌パッケージ用の本発明による包装材料は、表 面エネルギーを減少させるための事後処理を受けていない周知の包装材料が既に 説明した方法で過酸化水素水浴を使用した殺菌によって消費する過酸化水素の消 費量よりも約７０％も少ない過酸化水素の消費量で殺菌できることが立証された 。 したがって前述の説明から、本発明は簡単な方法で、また簡単な手段を使用し て、驚くほど有利な特性を有する特に無菌パッケージ用の印刷インク装飾の付さ れた包装材料を製造できるようにすることは明白となろう。 当然ながら本明細書で開示した本発明の概念から逸脱せずに、多くの改良およ び変更が可能である。したがってそれらの改良および変更が添付の請求の範囲に 記載されている本発明の概念の精神および範囲内に含まれることは当業者に明白 である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｂ４１Ｍ 1/30 Ｂ４１Ｍ 1/30 Ｚ (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，Ｅ Ｅ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ， ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，Ｍ Ｄ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ， ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，Ｕ Ｚ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 ヨハンソン、カユ スウェーデン国 ロスタンガ、ソナルプ 757 (72)発明者 プスズタイ、ゾルタン スウェーデン国 スタッファンストルプ、 タムブリンベーゲン 17

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 装飾担体として作用し、外面に水性印刷インクの装飾（１６）を担持す るプラスチック製の外側被覆（１３）を含んで成る積層形式の印刷インク装飾を 付された包装材料の製造方法であって、少なくとも片面にプラスチック製の外側 被膜（１３）を有する堅固であるが折曲げ可能な紙製ウェブ（１０’）が付着力 を促進させるためにコロナ放電によって極性を改善する表面処理を行われ、また このようにして表面処理の行われたウェブのプラスチック製外側被膜（１３）が さらに通常の印刷技術を使用して表面処理済みプラスチック製被膜の外面にいず れかの任意な模様で付与される水性印刷インクの装飾を与えられる包装材料の製 造方法において、ウェブが前記印刷インクの付与の後に表面エネルギーを減少さ せる事後処理を行われることを特徴とする製造方法。 ２． 請求項１に記載された方法であって、紙製ウェブの前記プラスチック製 の外側被膜（１３）が低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）で構成されたことを特徴 とする製造方法。 ３． 請求項１または請求項２に記載された方法であって、装飾を付されたプ ラスチック製の外側被膜（１３）がエネルギーを減少させる事後処理に関して加 熱されることを特徴とする製造方法。 ４． 請求項３に記載された方法であって、装飾を付されたプラスチック製の 外側被膜（１３）が熱間プレスローラーすなわちプレスシリンダ（２２，２３） で加熱され、ウェブはそれらのローラー間を通して導かれることを特徴とする製 造方法。 ５． 完成した無菌パッケージにウェブを成形する前に、殺菌のために過酸化 水素水浴を通して導かれた包装材料のウェブから製造される無菌パッケージ用の 積層形式の印刷インク装飾を付された包装材料（１０）を製造する方法であって 、堅固であるが折曲げ可能で、少なくとも片面に装飾担体として作用するプラス チック製の外側被膜（１３）を有し、反対面にガス遮断層として付与された材料 層（１４）を有するウェブ（１０’）が付着力の促進のためにコロナ放電により 極性を改善する表面処理を行われ、またこのように表面処理の行われたウェブの プ ラスチック製外側被膜（１３）が、通常の印刷技術を使用して表面処理済みのプ ラスチック製外側被膜の外面に所望の模様で付与される水性印刷インクの装飾（ １６）を備えられる製造方法において、前記印刷インクの付与の後にウェブが表 面エネルギーを減少させる事後処理を行われることを特徴とする製造方法。 ６． 請求項５に記載された方法であって、紙製ウェブの前記プラスチック製 の外側被膜（１３）が低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）で構成されたことを特徴 とする製造方法。 ７． 請求項５または請求項６に記載された方法であって、ウェブの装飾を付 されたプラスチック製外側被膜（１３）がエネルギーを減少させる事後処理に関 して加熱されることを特徴とする製造方法。 ８． 請求項７に記載された方法であって、ウェブの装飾を付されたプラスチ ック製の外側被膜（１３）が熱間プレスローラーすなわちプレスシリンダ（２２ ，２３）で加熱され、ウェブはそれらのローラー間を通して導かれることを特徴 とする製造方法。 ９． 請求項１から請求項４までのいずれか一項に記載された方法により製造 される積層形式の包装材料（１０）から製造されたことを特徴とする包装容器。 １０． 請求項５から請求項８までのいずれか一項に記載された方法により製 造される積層形式の包装材料（１０）から製造されたことを特徴とする無菌包装 容器。